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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164655
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】設定装置及び設定装置における方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 13/20 20060101AFI20221020BHJP
【FI】
G01R13/20 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022068309
(22)【出願日】2022-04-18
(31)【優先権主張番号】63/176,003
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/721,158
(32)【優先日】2022-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505436014
【氏名又は名称】ケースレー・インスツルメンツ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Keithley Instruments,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・ジェイ・ターガビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・エイチ・ヒッチコック
(57)【要約】
【課題】DUTに供給されるソース・イベント(パルス信号等)をもっと簡単に設定する。
【解決手段】ソース・イベント生成ユニットと、ソース・イベント生成ユニットからイベントを受信するDUTとを含む試験測定システム内の設定装置には、第1試験チャンネルの第1ソース・イベント・マーカを含む第1イベント・タイムラインをグラフィカルに示す表示部がある。また、第2イベント・タイムラインが、第1イベント・タイムラインから垂直方向に離れたタイムラインとして表示部に表示されても良い。イベント遅延インジケータ410及びイベント幅インジケータ430の位置は、ユーザによって移動可能であってもよく、インジケータの位置を移動させると、ソース・イベント生成ユニットは、そのような動きに基づいて第1イベントの1つ以上のイベント生成パラメータを変更する。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント生成部と、該イベント生成部によって管理される1つ以上のイベントを受ける被試験デバイス(DUT)とを含む試験測定システムのための設定装置であって、
第1試験チャンネルのソース・イベント・マーカを含む第1イベント・タイムラインをグラフィカルに示すように構成されると共に、第2試験チャンネルのソース・イベント・マーカを含む第2イベント・タイムラインをグラフィカルに示すように構成される出力表示部を具え、
上記第1イベント・タイムラインと上記第2イベント・タイムラインは、上記出力表示部上で互いに垂直方向に離れており、上記第1イベント・タイムラインと上記第2イベント・タイムラインは、同じ共通時点で始まる設定装置。
【請求項2】
上記第1試験チャンネルの第1ソース・イベントが、上記第1タイムライン上の第1ソース・イベント・マーカとして上記出力表示部上に示され、上記第1ソース・イベント・マーカが上記第1ソース・イベントの継続時間に対応するイベント幅を有する請求項1の設定装置。
【請求項3】
上記出力表示部が、上記第1試験チャンネルと関連する上記DUTの第1測定チャンネルの測定継続時間を示すように更に構成される請求項2の設定装置。
【請求項4】
上記第1ソース・イベント・マーカが、イベント遅延インジケータとイベント幅インジケータとを含む請求項2の設定装置。
【請求項5】
上記第1ソース・イベント・マーカが、測定ウィンドウ・インジケータを更に含む請求項2の設定装置。
【請求項6】
上記出力表示部が、ユーザからの入力を受けるように構成されたグラフィカル・ユーザ・インタフェースであって、上記イベント遅延インジケータの位置又は上記イベント幅インジケータの位置がユーザによって移動可能であり、上記イベント遅延インジケータの位置を移動させるか又は上記イベント幅インジケータの位置を移動させることにより、上記イベント生成部が、このような動きに基づいて、上記第1ソース・イベントの1つ以上の信号生成パラメータを変更する請求項4の設定装置。
【請求項7】
上記出力表示部が、ユーザからの入力を受信するように構成されたグラフィカル・ユーザ・インタフェースであって、上記測定ウィンドウ・インジケータの位置がユーザによって移動可能であり、上記測定ウィンドウ・インジケータの位置を移動させると、上記試験測定システム内の試験装置が、上記DUTから上記試験装置が受けた試験信号の測定持続時間パラメータを変更する請求項5の設定装置。
【請求項8】
上記出力表示部は、ユーザ・インタフェースであって、ユーザが、上記イベント遅延インジケータ又は上記イベント幅インジケータのいずれかを選択したときに、テキスト・ベースのダイアログ・ボックスを生成するように構成される請求項4の設定装置。
【請求項9】
イベント生成部と、該イベント生成部によって管理される1つ以上のイベントを受ける被試験デバイス(DUT)とを含む試験測定システムのための設定装置における方法であって、
第1試験チャンネルの第1イベントを表す第1ソース・イベント・マーカを含む第1イベント・タイムラインと、第2試験チャンネルの第2イベントを表す第2ソース・イベント・マーカを含む第2イベント・タイムラインとを表示装置上にグラフィカルに示す処理を具え、
上記第1イベント・タイムラインと上記第2イベント・タイムラインは、互いに垂直方向に離れて上記表示装置上に現れ、上記第1イベント・タイムラインと上記第2イベント・タイムラインは、同じ共通時点で始まる設定装置における方法。
【請求項10】
上記同じ共通時点は、試験期間の開始時点である請求項9の設定装置における方法。
【請求項11】
上記第1試験チャンネルのソース・イベントが、上記第1タイムライン上のソース・イベント・マーカとして上記出力表示部上に示され、上記ソース・イベント・マーカは、上記ソース・イベントの継続時間に対応するイベント幅を有する請求項9の設定装置における方法。
【請求項12】
上記第1試験チャンネルに関連する上記DUTの第1測定チャンネルの測定継続時間をグラフィカルに示す処理を更に具える請求項11の設定装置における方法。
【請求項13】
上記第1イベントに関する上記第1ソース・イベント・マーカが、イベント遅延インジケータ及びイベント幅インジケータを含む請求項9の設定装置における方法。
【請求項14】
上記第1イベントに関する上記第1ソース・イベント・マーカが、測定ウィンドウ・インジケータを更に含む請求項9の設定装置における方法。
【請求項15】
上記出力表示部が、ユーザからの入力を受けるように構成されたグラフィカル・ユーザ・インタフェースであって、上記イベント遅延インジケータの位置又は上記イベント幅インジケータの位置をユーザが移動可能であり、上記イベント遅延インジケータの位置を移動させるか又は上記イベント幅インジケータの位置を移動させると、イベント生成部が、こうした動きに基づいて、上記第1イベントの1つ以上の信号生成パラメータを変更する請求項13の設定装置における方法。
【請求項16】
上記出力表示部が、ユーザからの入力を受けるように構成されたグラフィカル・ユーザ・インタフェースであって、上記測定ウィンドウ・インジケータの位置がユーザによって移動可能であり、上記測定ウィンドウ・インジケータの位置を移動させると、上記試験測定システム内の試験装置は、上記DUTから上記試験装置が受けた試験信号の測定持続時間パラメータを変更する請求項14の設定装置における方法。
【請求項17】
上記出力表示部は、上記イベント遅延インジケータの位置のテキスト表示又は上記イベント幅インジケータの位置のテキスト表示を、これらインジケータのいずれかをユーザが移動させたときに、アップデートするように構成される請求項13又は15の設定装置における方法。
【請求項18】
上記出力表示部が、ユーザ・インタフェースであって、ユーザが、上記イベント遅延インジケータ又は上記イベント幅インジケータのいずれかを選択したときに、テキスト・ベースのダイアログ・ボックスを生成するように構成される請求項13又は15の設定装置における方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験測定システムに関し、特に、試験測定システムにおける1つ以上の試験測定装置の動作を表示及び設定するためのユーザ・インタフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
試験測定システムで使用されるデバイス(装置)には、オシロスコープ、ロジック・アナライザ、デジタル・マルチ・メータ、スペクトラム・アナライザ又はソース・メジャー・ユニット(SMU)などを含む測定装置に加えて、一般に、被試験デバイス(DUT)と呼ばれることが多い試験対象のデバイスが少なくとも含まれる。測定システムの他の構成要素としては、パルス生成装置又は任意波形生成装置(アーブ・ジェネレータ又はAWG)を含むことがあり、DUTの応答信号を制御又は誘発するための信号を生成するように構成されている。例えば、パルス生成装置は、1つ以上のトリガ・パルスをDUTに送信するように構成されていても良く、次いで、別個の測定装置が、トリガ・パルスに応答してDUTによって生成された信号を分析する。場合によっては、測定装置自体に、トリガ・パルス信号又はその他の信号を生成して、DUTに送信する機能がある場合もある。
【0003】
DUTは、複数の入力チャンネルや出力チャンネルを有することがある。パルス又はその他の信号のようなソース(信号供給)イベントは、DUT上の1つ以上の入力チャンネルに送られるように、生成装置又は生成装置に結合された装置によって設定されても良い。パルス又は信号は、複数のチャンネルに同時に送信されるように設定されても良いが、多くの場合、DUTの入力チャンネル夫々について特定のソース・イベントを独立して設定することが望ましい。ソース・イベントを設定することには、そのイベントに固有の仕様を使用してイベントをセットアップすることが含まれる。例えば、ソース・イベントがトリガ・パルスをDUTに送信している場合、トリガ・パルスに関する仕様をテキスト・ボックスに入力しても良い(例えば、パルスの幅や、パルスが始まって試験期間が開始した後をどのくらいの長さにするか制御する遅延時間を定義する数値を入力するなど)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-160641号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「ソース・メジャー・ユニット」、テクトロニクス/ケースレー、[オンライン]、[2022年4月15日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/keithley/source-measure-units>
【非特許文献2】「テクトロニクス任意波形ジェネレータ」、テクトロニクス、[オンライン]、[2022年4月15日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/arbitrary-waveform-generators>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各チャンネルのイベントの仕様は、一連の数字として個別に設定することがあるので、パルスの設定ミスはよくあることである。また、あるイベントを定義中に、いつエラーをしたのかを検出するのは、ときとして難しい場合がある。
【0007】
本開示技術の実施形態は、先行技術のこれら及び他の欠陥に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示技術の実施形態には、1つ以上の試験測定装置を使って、表示、スケジューリング、インタラクティブに操作するためのユーザ・インタフェース及び方法があり、特に、被試験デバイス(DUT)の挙動や応答に影響を与えるソース(信号供給)イベント、パルス生成、測定などイベントのタイミングを試験測定装置によって視覚化及び定義するためのユーザ・インタフェース及び方法がある。
【0009】
本開示技術の実施形態の態様、特徴及び効果は、添付の図面を参照した実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示技術の実施形態による、1つ以上のソース・イベントを定義するためのユーザ・インタフェースを含む一例の試験測定システムを示す機能ブロック図である。
図2図2は、検査パルスを定義するための従来のイベント定義画面である。
図3図3は、本開示技術の実施形態によるイベント情報をユーザに表示するための信号視覚化画面を含む説明図である。
図4A図4Aは、本開示技術の実施形態による信号パラメータを設定するための第1モードを示す。
図4B図4Bは、本開示技術の実施形態による信号パラメータを設定するための第1モードを、イベント遅延バーの位置を変化させた状態で示す。
図5図5は、本開示技術の実施形態によるイベント・パラメータを設定するための別のモードを示す。
図6A図6Aは、本開示技術の実施形態によるイベント・パラメータを設定するための更に別のモードを示す。
図6B図6Bは、図6Aの実施形態を、ダイアログ・ボックスを表示した状態で示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、被試験デバイス(DUT)20と試験測定装置40とを含む試験測定システム100の構成の一部を示す機能ブロック図である。DUT20は、入力ポート42及び出力ポート44を介して測定装置40に結合される。入力ポート42は、有線又は無線接続であっても良い通信経路43を介してDUTから試験信号を受信する。同様に、出力ポート44は、パルス又は他の信号などの信号が含まれるイベントを、通信経路45(これも有線又は無線であっても良い)を介してDUT20に送信する。測定装置40は、DUT20に送られるイベントを生成すると共に、試験及び測定のためにDUTからの信号を受ける複合装置であっても良い。こうしたタイプの測定装置の例としては、オシロスコープ、ソース・メジャー・ユニット(SMU)、ロジック・アナライザ、スペクトラム・アナライザ、ネットワーク・アナライザなどがある。あるいは、測定装置40は、DUT用の信号を生成するものの、試験のためにDUTからの信号の受信はしないものであっても良い。これらのタイプの測定装置の例には、任意波形生成装置(Arbitrary Waveform Generator:Arb生成装置又はAWG)、パルス生成装置、信号生成装置などが含まれる。この後者の実施形態では、典型的には、DUTによって生成された信号を試験及び測定するために使用される別の装置(図示せず)がある。更に、他の試験システムでは、パーソナル・コンピュータ(PC)などの別のデバイスを使用して、イベントを実際に発生させてDUTに送信する装置のソース(信号供給)イベントを定義することができる。本発明の実施形態は、色々あるなかでも特に、上述のコンポーネントのいずれかで具現化されても良い。
【0012】
上述のように、入力ポート42は、測定及び試験のためにDUT20からの信号を受けるための試験インタフェースとして機能する。入力ポート42は、任意の電気的又は光学的信号媒体であってよい。入力ポート42は、チャンネル毎に別々であってもよく、ここで、各チャンネルは、測定又は試験のための別個の信号を受信するように構成され、このとき、装置40は、ユーザの指示に従って、各チャンネルを独立して管理するように又はチャンネルを組み合わせるように設定される。入力ポート42を介してDUTを受信する任意の個数の別々のチャンネルが存在しても良い。同様に、出力ポート44は、タイミング信号、トリガ信号、制御信号、電力信号、コード、情報、オン/オフ・イベント又は他の信号などのイベントをDUT20に送信する。出力ポート44も、チャンネル毎に別々であってもよく、この場合、各チャンネルは、様々な用途のために別々のイベントをDUT20に送信するように構成される。ここでも、出力ポート44には、任意の個数のチャンネルが存在しても良い。装置40は、出力ポート44の各チャンネルを独立して管理するように構成されている。いくつかの実施形態では、ユーザは、出力ポート44の複数のチャンネル上で、同じ出力信号又はイベントを同時に送信するように装置40を設定しても良い。他の実施形態では、出力ポート44の各チャンネルに関する出力信号又はイベントは、個別に設定される。
【0013】
装置40は、1つ以上のプロセッサ50を含む。説明を簡単にするため、1つのプロセッサ50のみが図1に示されているが、当業者であればわかるように、単一のプロセッサ50ではなく、異なるタイプの複数のプロセッサを組み合わせて使用しても良い。1つ以上のプロセッサ50は、メモリ52と連動して動作し、メモリ52は、1つ以上のプロセッサを制御するための命令、試験信号の測定に関連するデータ、装置40が生成する信号若しくはイベントに関連するデータ又は装置40の一般的な動作その他のデータを記憶しても良い。メモリ52は、プロセッサ・キャッシュ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ソリッド・ステート・メモリ、ハード・ディスク・ドライブその他の任意のメモリ形式として実装されても良い。メモリ52は、単一のメモリ・ブロックとして図示されているが、実装の仕様に応じて、メモリが、プロセッサの複数の領域に分散されても良い。
【0014】
ユーザからの入力を受けるためのユーザ・インタフェース60は、測定装置40に結合又は一体化される。ユーザ・インタフェース60は、測定装置40をインタラクティブに操作するのにユーザが利用可能な、キーボード、マウス、押しボタン、セレクタ・ノブ、タッチスクリーン、その他の任意の操作装置を含むことができる。ユーザ・インタフェース60は、測定装置40をセットアップ及び動作させる際にユーザに情報を表示し、ユーザから情報を受けるための複数のメニュー及び様々な画面を含んでもよい。ユーザ・インタフェース60は、測定装置40自体で、又は、測定装置40から独立した遠隔の装置から、テキスト形式又はグラフィック形式の入力を受けても良い。
【0015】
出力部70は、ユーザに、測定表示データ及び他のデータを生成する。出力部70は、本願で説明するように試験結果又は他の結果をユーザに表示するための、デジタル・スクリーン、コンピュータ・モニタ、その他の任意の視覚装置であっても良い。出力部70は、また、1つ以上のデータ出力部を含んでもよく、これは、視覚的表示と相関していても、していなくても良い。データ出力には、記憶されたデータの集合、保存された波形又は測定に対して実行された分析の結果が含まれても良い。出力部70は、出力を表示又はデータを受信するためのホスト・コンピュータに結合されたネットワーク(ローカル・エリア・ネットワーク、インターネット又は、複数のコネクティッド・コンピュータから成るクラウドなど)への装置40の送信部とすることもできる。
【0016】
装置40が測定装置である場合、一般に、1つ以上の測定ユニット80を含んでもよい。測定ユニット80は、入力ポート42を介して受信された1つ以上の信号の特性(例えば、電圧、アンペア数、電力など)を測定できる任意の構成要素を含む。測定ユニット80からの出力は、メモリ52に記憶されてもよく、また、測定値又はデータの集合の視覚的表示として出力部に送られても良い。
【0017】
装置40が出力ポート44を介してDUT20に供給するイベントを生成する場合、装置40は、1つ以上の信号/イベント生成ユニット90を有していても良い。信号/イベント生成ユニット90は、タイミング信号、トリガ信号、制御信号、電力信号、コード、情報、オン/オフ・イベント、又は、DUT20に応答信号を生成させる他の信号などのイベント若しくは信号を生成しても良い。信号生成ユニット90によって生成される他のイベント又は信号としては、例えば、クロック信号、標準的波形及びカスタム波形(これらは、アナログ形式又はデジタル形式であっても良い)、リンク・トレーニング信号、無線信号及びプロトコル信号があっても良い。信号のパラメータは、ユーザ・インタフェース60を介して設定されても良いし、予め記憶されたサンプルから成るメニューから選択されても良い。
【0018】
いくつかの実施形態では、外部パーソナル・コンピュータ(PC)92を装置40に結合して、動作を制御したり、DUT20又は装置40から測定データを受信しても良い。PC92は、上述したユーザ・インタフェース60と同一又は類似して動作するユーザ・インタフェース94を含んでもよく、また、上述した出力部70と同一又は類似して動作する表示部/データ出力部96を含んでもよい。
【0019】
装置40は、また、DUT20から受信した入力信号の処理に一般的に使用されるような、受信した信号を波形に変換する処理のための調整回路、アナログ・デジタル・コンバータ、その他の回路などの追加のハードウェアやプロセッサを含んでも良い。装置40の特定のコンポーネントが図1に描かれているが、DUT20からの試験信号のタイプ及び特性に応じて、多くの追加のコンポーネントが装置40内に存在しても良い。同様に、図1に図示される別々の機能ブロックによって示される機能は、単一のコンポーネントに組み合わせられてもよく、例えば、ユーザ・インタフェース60は、入力及び出力機能の両方を有していても良い。
【0020】
図2は、従来のイベント定義画面200を含むセットアップ・メニューを示している。図示の実施形態において、イベント定義画面200は、DUTに送信するパルスを定義するためのものである。画面200は、DUTに送られる1つ以上のパルスを設定するために測定装置のユーザに表示される。画面200には、画面のおよそ上3分の1に表示される全般設定用のセクション210があり、画面の残りの部分に、チャンネル1及びチャンネル2の夫々について、個別の設定メニュー212及び214がある。もしパルスを更なるチャンネルに定義する場合には、この追加チャンネル用の設定を有する、もう1つ別のイベント定義画面200が表示される。
【0021】
図2に示されるように、チャンネル1及びチャンネル2における各パルスのパラメータは、それらの各メニュー部分212及び214に数値パラメータを入力することによって設定可能である。動作中、信号生成装置は、入力されたパラメータを使用して、各チャンネルのイベント(この場合はパルス)を生成する。図2の例では、チャンネル1とチャンネル2の両方のパルスが同一に設定されている。画面200の領域220は、パルス幅及びパルス遅延に関するパラメータをユーザから受けるためのテキスト・ボックスを示す。パルス幅パラメータは、パルスが、その最大値にとどまる期間である。パルス遅延パラメータは、試験期間の開始後にパルスを開始するまでの待機時間を定義する。試験期間を繰り返す場合、これらパラメータによって定義される、パルス遅延時間の期間待機してからパルスを生成するというサイクルが、試験終了まで繰り返される。
【0022】
グラフィック領域232及び234は、それぞれ、チャンネル1及びチャンネル2の設定メニュー212及び214において定義されたパルスの視覚的表示を生成する。グラフィック領域232及び234は有用な情報を生成するが、各グラフィック領域は、1つのチャンネルについての出力信号を示すことに限定される。更に、画面200の領域220にパルス幅やパルス遅延パラメータの数値を入力するのでは、ユーザがエラーを起こしがちである。
【0023】
図3は、本開示技術の実施形態による複数のチャンネルのイベント情報をマーカとして同時に表示する視覚化画面300の例を示す。視覚化画面300は、例えば、図1の測定装置40の出力部70上に表示されても良いし、接続されたPC92の出力部96上に表示されても良い。視覚化画面300は、イベント・マーカによって、イベント設定情報を表示する新しい方法を提供し、これによって、ユーザは、複数のチャンネルの相互のソース・イベントを容易に比較できる。これは、図2のグラフィック領域232及び234とは大きく異なり、代わりに、1つのチャンネルについて、定義されたパルスなどのイベントのみを図示する。
【0024】
チャンネル1、チャンネル2、チャンネル3、チャンネル4の4チャンネルのソース(信号供給)情報と測定情報は、図3に示すように表示される。イベント・パラメータ情報310は、チャンネル1上のイベントについて視覚化画面によって伝達される情報を含むが、図3のパラメータ情報310に示されるテキスト及び記号は、通常、ユーザには示されない。むしろ、パラメータ情報310は、視覚化画面300においてユーザにグラフィカルに図示される情報を記述しており、別途伝達する必要はないものである。
【0025】
試験期間312は、1つの試験期間の継続期間を示す。この試験期間312の継続時間は、図1のユーザ・インタフェース60のテキスト・ベースの入力画面を介してユーザによって数値的に設定されても良い。連続モードの試験の場合、試験期間312は、試験が終了するまで、全ての試験サイクルを繰り返す。図3に示される例では、試験期間312は、持続時間が0.01秒であり、これは、図示するチャンネル1~4の全てに適用される。
【0026】
イベント遅延314は、試験期間312の開始から、チャンネル1上のイベントが開始されるまでを測った時間遅延を示す。イベント幅316は、チャンネル1におけるイベントの継続時間を示す。即ち、イベントは、イベント遅延314の終了時に直ちに開始され、イベント幅316によって示される時点で直ちに終了する。
【0027】
複数のイベント・マーカを垂直方向に積み上げることによって、複数のイベントのイベント遅延314、イベント幅316及び試験期間312を視覚化することにより、あるイベントに対する別のイベントの相対的なサイズ、持続時間及びオフセットの直感的な視覚的フィードバックをユーザに提供する。
【0028】
上述のように、DUTに送信する、視覚化画面300上に表示されるように設定されるソース(信号供給)イベントには、タイミング信号、トリガ信号、制御信号、電力信号、コード、情報、オン/オフ・イベント、その他の信号などの任意のタイプのイベントがあっても良い。また、図3では、説明を簡単にするため、4つのチャンネルのみを図示しているが、上記のような方法で、視覚化画面300上に、任意の個数のソース(信号供給)チャンネル又は測定チャンネルを示しても良い。
【0029】
測定チャンネルについてのDUTから情報は、DUTに関するソース・チャンネル上のソース・イベントとは対照的に、視覚化画面300上のイベント・マーカによっても示されても良い。異なるパターンで示される測定ウィンドウ302、304、306及び308は、パルス期間312の間の測定チャンネル1~4の測定期間を示し、同じ期間のソース・チャンネルを視覚化したものと重畳される。例えば、チャンネル1について図示されたイベントには、そのイベント・マーカの図示された部分である部分301及び部分302がある。このマーカの部分302は、測定ウィンドウを図示し、一方、マーカの部分301は、測定ウィンドウ302の範囲外又は前に存在している。
【0030】
DUTにトリガ信号(スタートアップ・イベント信号)が供給されると、このイベントを受けたことによって、DUTが、直ちに、大量のスタートアップ・ノイズその他のアーティファクト(artifact)で反応することが時々ある。イベント幅316の全体ではない持続時間であって良い測定ウィンドウ318を制御することにより、ユーザは、測定されない、即ち、測定装置によって無視されるイベント中の除外期間を指定することができる。そのため、DUTのスタートアップ期間の後、即ち、スタートアップ・ノイズ期間が経過した後に、測定チャンネルにおいて測定を行える。
【0031】
図3に示すように、チャンネル1のソース・イベントは、このチャンネルに関連する測定イベントとともに視覚化されても良い。チャンネル2とチャンネル3の同様の測定ウィンドウが、それぞれ304と306として示されている。チャンネル4の測定ウィンドウは、他のものとは異なっていて、測定ウィンドウ308がチャンネル4のパルス期間312の全期間にわたって延びている。測定ウィンドウ308が、チャンネル4に図示されるイベント309の幅を超えて、どのように広がっているかに留意されたい。
【0032】
チャンネル4についてのこの視覚化は、チャンネル4のDUTが常に測定されており、イベント309は、試験期間312ごとに1回、DUTに送信されることをユーザに示す。図3に示すような信号生成と試験のセットアップにより、チャンネル4のDUTの応答は、試験期間全体にわたって監視され、DUTが生成するイベント309に対する全て応答は、測定装置が捕捉できる。言い換えると、いずれもDUTの応答が無視されるイベント期間があるチャンネル1、チャンネル2、チャンネル3とは異なり、チャンネル4では、DUTの応答の全てが観測され、測定される。そして、測定装置のこの設定情報の全ては、図示する視覚化300中のイベント・マーカによって、正確かつ直感的にユーザに提供される。もちろん、本発明の他の実施形態では、他の視覚化又はマーカも可能であり、図3に例示した視覚化300及びマーカのみに限定されない。
【0033】
チャンネル4のイベント・マーカと、他の3つのチャンネルのマーカとの間のもう1つの違いは、チャンネル4の測定ウィンドウ308の外観が、チャンネル1、チャンネル2及びチャンネル3のパルス部302、304、306の外観と異なることである。図3の視覚化画面300には、2つの測定形態が示されている。チャンネル1~3の場合、その視覚化したものは、DUTからの個々のチャンネルの測定サンプルが平均化されることを示す一方、チャンネル4では、全ての測定サンプルが記録され、分析に利用可能である。ここでも、視覚化において異なる外観を使用して、チャンネル動作が異なることを示すことによって、様々な形態の測定形式が、ユーザに効率的に伝達されることに注意されたい。
【0034】
視覚化画面300のタイムライン形式の表示は、各チャンネルが同じパルス周期を参照するマーカで個別に図示され、DUTに送られる信号及びDUTが評価される測定期間に関する視覚情報を見る者に瞬時に提供する。視覚化300に図示されるチャンネルのタイムラインの夫々の始まりが、全てのタイムラインについて同じ時点、即ち、試験期間312の始まりを参照していることにも留意されたい。図3に示すイベント・マーカを用いたこの積み上げ型チャンネル視覚化方法は、測定装置のユーザに、チャンネルの個々の信号の相対的なサイズ、持続時間、遅延及び動作のオフセットの直感的な視覚的フィードバックを提供し、更に、DUTの各チャンネルの様々な測定形式及び持続時間に関する情報を提供する。更に、同一又は類似の視覚化は、試験期間312が単一の試験期間であるかどうか又は試験期間312がDUTの試験中に複数回繰り返されるかどうかに関係なく、使用されても良い。
【0035】
図4A及び図4Bは、測定装置のソース・イベント及び測定の特性を視覚化することに加えて、本発明の実施形態が、イベントの仕様を手動で入力する必要なしに、試験のために生成されるイベントの特性を変更する能力をユーザに提供する方法を示す。図4Aは、DUTのチャンネル1上で送信されるように設定されているトリガ・パルスのようなイベント400を示す。図3を参照して説明したように、イベント遅延、イベント幅及び測定期間は、全て、イベント400の形状及びマーキングによって図4Aにグラフィカルに示されている。本発明の実施形態では、イベント400の描写をインタラクティブに行える。即ち、イベント400のパラメータは、以下に説明するように、ユーザによって操作されても良い。明確にするため、1つのイベント、即ち、チャンネル1のイベントのみが、図4A及び図4Bに示されているが、一般に、任意に選択されたチャンネルの任意の個数のイベントが、同じ表示部上に同時に示されても良く、そのため、ユーザは、様々なチャンネルの全てのイベントを見ながら、任意のイベントのパラメータを変更しても良い。
【0036】
図4のイベント400は、3つのインタラクティブなインジケータ又はバーを含む。具体的には、イベント遅延バー410は、試験期間の開始後に、イベント400が、どれだけの遅延を受けるかを示す。測定バー420は、チャンネルの測定期間がいつ開始されるかを示し、イベント幅バー430は、イベント400の終了及びチャンネル1の測定期間の終了を示す。イベント・マーカの部分402は、測定ウィンドウを示す一方、イベント・マーカの部分401は、測定ウィンドウ402の範囲外又は前に存在する。
【0037】
バー410、420、430の夫々は、ユーザが最初に所望のバーを選択し、次いで、バーを試験期間のタイムラインに沿って所望の位置に左又は右に移動することによって移動可能である。例えば、図4Aにおいて、ユーザは、図1のユーザ・インタフェース60又は92を介して、マウス又はタッチスクリーンによって制御するなどしてセレクタ404を操作し、イベント遅延バー410を選択する。選択されたら、ユーザは、イベント遅延バー410を、406で示されるように、イベント期間の開始方向にドラッグし、所望の位置にあるときにイベント遅延バーを離す(図4B参照)。
【0038】
イベント遅延バー410を左に移動させると、試験期間の開始後のイベント400の遅延が小さくなる。換言すれば、イベント遅延バー410を試験期間の開始に近づけることは、試験期間の開始からイベント400が開始されるまでの遅延が短くなることを意味する。バー410、420又は430のいずれかを個別に移動させると、視覚化したものが修正されるだけでなく、装置がイベント400を生成するために使用するイベント400の実際の設定パラメータを修正できる。バー410、420及び430は、特定の位置にスナップ(カチッと止まる)されても良いし、そうでなければ、ユーザがイベント又は測定パラメータを設定するのを支援するように、制御されても良い。
【0039】
いくつかの実施形態では、バー410、420又は430は、ユーザがドラッグしている間に、ユーザにとって有用又は関心のある可能性がある特定の時点にスナップされても良い。例えば、あるチャンネルのタイムライン上のバーは、別のチャンネルのタイムライン上の別のイベントの開始若しくは終了と揃ったポイント、又は、同じ若しくは別のチャンネルのタイムライン上の測定領域の開始若しくは終了と揃ったポイントにスナップされても良い。
【0040】
いくつかの実施形態では、様々なチャンネルのイベント又は測定期間を、一緒にリンク又はグループ化しても良い。例えば、あるチャンネル(例えば、チャンネル3)のイベントが、別のチャンネル(例えば、チャンネル1)上のイベントに対して、時間的に正又は負の固定遅延を有しても良い。すると、ユーザが、例えば、チャンネル1のバー420、420又は430のいずれかをドラッグすることによって、第1イベントのタイミングを変更すると、それに応じて、別のチャンネル上の別の任意のリンクされたイベントのタイミングも自動的に調整され、チャンネル1に対するチャンネル3の固定遅延を同じに維持する。
【0041】
図4Bに戻ると、イベント遅延バー410を試験期間の開始方向へ移動させた後には、イベント400は、図4Bに例示されるように、もっと長い持続期間と、もっと短い遅延期間を有する外観を有する。図示しないが、測定期間は、測定バー420を左又は右に向かってドラッグすることによって修正することもでき、これは、それぞれ、測定期間の持続時間を増加又は減少させる。なお、測定期間を変更しても、イベント400の幅、つまり、継続時間は、変更されない。更に、イベント幅バー430を右にドラッグすると、イベント400のイベント幅(従って、持続期間)と、チャンネル1の測定期間の両方が拡張される。
【0042】
いくつかの実施形態では、測定期間の終点及びイベントの終点が、別々のインタラクティブ・バーを有しても良く、それぞれのパラメータは、他方のパラメータとは、別個に変更されても良い。インジケータ・バー410、420、430を左右に移動させることにより、ユーザは、イベント遅延、イベント継続時間、測定継続時間及びイベント400の位置に対する測定期間の相対的な位置を設定又は変更できる。そのため、イベント及び測定パラメータが設定された後、図1の装置40のような測定装置は、定義されたパラメータを使用して、試験のためにDUTに送信する、パルス、コード、コマンド又は様々な信号などのイベントを生成するのに加えて、測定期間のタイミング・パラメータを装置に通知する。
【0043】
図5は、試験用にDUTに送信するか又は測定ウィンドウを設定するために、パルス信号又は他のイベントのようなイベント400のパラメータを設定又は変更するための別の方法を示す。図5に図示される実施形態は、インタラクティブ・インジケータ・バー410、420又は430のいずれかを選択した後に、テキスト・データ・ボックスが表示されることを除けば、図4Aに図示される実施形態と同様に動作する。
【0044】
図5に示す実施形態では、ユーザは、セレクタ404を使用して、選択バー410を選択する。すると、インジケータ・バー410を選択したときに、テキスト・データ・ボックス500が現れる。テキスト・データ・ボックス500内のデータは、インジケータ・バー410の正確な位置を示し、試験期間の開始を基準としたデータ形態で表示される。例えば、図5に示されるように、インジケータ・バー410が選択されると、テキスト・データ・ボックス500は、インジケータ・バー410の位置がタイムラインの開始から0.0012秒にあることを示す。これは、0.0012秒のイベント遅延を示す。次いで、ユーザが、インジケータ・バー410を左右にドラッグすると、テキスト・データ・ボックス500内のデータは、インジケータ・バーの位置に基づいて自動的に更新(アップデート)される。テキスト・データ・ボックス500内のデータがインジケータ・バー410の所望の位置と一致したとき、ユーザは、インジケータ・バー410の選択を解除し、その位置は、テキスト・データ・ボックス500内のデータによって示される最後の位置に設定される。このようなシステムは、インジケータ・バー410、420及び430の位置の正確な制御を可能にし、従って、ユーザは、グラフィック・ディスプレイ上に示される任意のチャンネルの任意のイベント又は任意の測定ウィンドウのパラメータを制御できる。
【0045】
図6A及び図6Bは、イベント又は測定ウィンドウのパラメータを設定又は変更するための更に別の方法を示している。これらの図に例示される方法は、先に例示した実施形態と類似しているが、やや異なるところもある。この実施形態では、ユーザは、インジケータ・バー410、420又は430のいずれかについて、特定の値を入力したいと要求することができる。ユーザは、例えば、セレクタ404を用いて、任意のインジケータ・バー上でダブル・クリックを実行することによって、この要求を示す。すると、ダブル・クリックの後に、ダイアログ・ボックス600が、ユーザからの数値入力を待つモードの状態で、自動的に現れる。また、セレクタ604も、ユーザが数値入力を入力するのを助けるために現れても良い。次いで、希望の数値を入力すると、インジケータ・バーは、ユーザが設定した位置に自動的に移動する。別の実施形態では、ユーザが異なるアクションを行うことで、ダイアログ・ボックス600への数値の入力を可能にしても良い。例えば、ユーザは、値の入力を開始するために、右クリック、クリック及びホールド、長押し、ジェスチャをする、などをしても良いし、又は、他の任意のアクションを行っても良い。上述のこれらのアクションは、ユーザが、キーボード、マウス、タッチスクリーン、拡張現実(AR)インタフェース又は他の任意のユーザ・インタフェース・デバイスを使用して行っても良い。
【0046】
いくつかの実施形態では、例えば、任意関数生成装置(Arbitrary Function Generator:AFG)、任意波形生成装置(AWG)又はプログラマブル電源から生成されたイベント又は信号などのイベントのタイミング及び他の属性を設定するのに、上述のユーザ・インタフェースを使用しても良い。更に別の実施形態では、試験測定装置が、何らの信号も供給しないとしても、上述のユーザ・インタフェースが、アナログ測定、デジタイザのタイミング、測定領域などをグラフィカルに設定するために依然として使用されても良い。
【0047】
いくつかの実施形態では、試験測定システムは、ユーザ・インタフェースを介してユーザによって設定された設定パラメータを、試験システム内の他の測定装置又は試験モジュールを自動的に設定するために使用できる試験スクリプト、コマンド又は他のコードを出力するのに使用しても良い。この出力は、例えば、SCPIコマンド、Pythonなどの言語、本願出願人によるTSP(Test Script Processor)スクリプトなどの独自のスクリプト言語又はその他の形式などを含む様々な形式であっても良い。
【0048】
いくつかの実施形態では、システムは、設定された試験シーケンスの人間が読めるイベント・ログを生成しても良い。このようなイベント・ログは、例えば、デバッグや試験のレビューに使用できる。
【0049】
本開示技術の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本開示技術の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本開示技術の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0050】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含んでいても良い。
【0051】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は除外される。
【0052】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含んでも良い。

実施例
【0053】
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0054】
実施例1は、イベント生成部と、該イベント生成部によって管理される1つ以上のイベントを受ける被試験デバイス(DUT)とを含む試験測定システムのための設定装置であって、該設定装置は、第1試験チャンネルのソース・イベント・マーカを含む第1イベント・タイムラインをグラフィカルに示すように構成されると共に、第2試験チャンネルのソース・イベント・マーカを含む第2イベント・タイムラインをグラフィカルに示すように構成される出力表示部を具え、上記第1イベント・タイムラインと上記第2イベント・タイムラインは、上記出力表示部上で互いに垂直方向に離れており、上記第1イベント・タイムラインと上記第2イベント・タイムラインは、同じ共通時点で始まる。
【0055】
実施例2は、実施例1による設定装置であって、上記同じ共通時点は、試験期間の開始時点である。
【0056】
実施例3は、先行する実施例のいずれかによる設定装置であって、上記第1試験チャンネルのソース・イベントが、上記第1タイムライン上のイベント・マーカとして上記出力表示部上に示され、上記イベント・マーカが上記ソース・イベントの継続時間に対応するイベント幅を有する。
【0057】
実施例4は、実施例3による設定装置であって、上記出力表示部が、上記第1試験チャンネルと関連する上記DUTの第1測定チャンネルの測定継続時間を示すように更に構成される。
【0058】
実施例5は、実施例4による設定装置であって、上記第1測定チャンネルは、上記第1試験チャンネルのソース・イベントを受信した後の上記DUTからの応答信号を伝達する。
【0059】
実施例6は、先行する実施例のいずれかによる設定装置であって、第1イベントに関する第1イベント・マーカが、イベント遅延インジケータ及びイベント幅インジケータを含む。
【0060】
実施例7は、実施例4による設定装置であって、第1イベントに関する第1イベント・マーカが、測定ウィンドウ・インジケータを更に含む。
【0061】
実施例8は、実施例6による設定装置であって、上記出力表示部が、ユーザからの入力を受けるように構成されたグラフィカル・ユーザ・インタフェースであって、上記イベント遅延インジケータの位置又は上記イベント幅インジケータの位置をユーザが移動可能であり、上記イベント遅延インジケータの位置を移動させるか又は上記イベント幅インジケータの位置を移動させると、上記イベント生成部が、こうした動きに基づいて、上記第1イベントの1つ以上の信号生成パラメータを変更する。
【0062】
実施例9は、実施例による設定装置であって、上記出力表示部が、ユーザからの入力を受けるように構成されたグラフィカル・ユーザ・インタフェースであって、上記測定ウィンドウ・インジケータの位置がユーザによって移動可能であって、上記測定ウィンドウ・インジケータの位置を移動させると、上記試験測定システム内の試験装置が、上記DUTから上記試験装置が受けた試験信号の測定持続時間パラメータを変更する。
【0063】
実施例10は、実施例6による設定装置であって、上記出力表示部は、上記イベント遅延インジケータの位置のテキスト表示又は上記イベント幅インジケータの位置のテキスト表示を、これらインジケータのいずれかをユーザが移動させたときに、アップデートするように構成される。
【0064】
実施例11は、実施例6による設定装置であって、上記出力表示部が、ユーザ・インタフェースであって、ユーザが、上記イベント遅延インジケータ又は上記イベント幅インジケータのいずれかを選択したときに、テキスト・ベースのダイアログ・ボックスを生成するように構成される。
【0065】
実施例12は、先行する実施例のいずれかによる設定装置であって、上記1つ以上のイベントは、タイミング信号、トリガ信号、制御信号、電力信号、コード、情報又はオン/オフ・イベントである。
【0066】
実施例13は、イベント生成部と、該イベント生成部によって管理される1つ以上のイベントを受ける被試験デバイス(DUT)とを含む試験測定システムのための設定装置における方法であって、この方法は、表示装置上に、第1試験チャンネルの第1イベントを表すソース・イベント・マーカを含む第1イベント・タイムラインと、第2試験チャンネルの第2イベントを表す第2イベント・タイムラインとをグラフィカルに示す処理を具え、上記第1イベント・タイムラインと上記第2イベント・タイムラインは、互いに垂直方向に離れて上記表示装置上に現れ、上記第1イベント・タイムラインと上記第2イベント・タイムラインは、同じ共通時点で始まる。
【0067】
実施例14は、実施例13による方法であって、上記同じ共通時点は、試験期間の開始時点である。
【0068】
実施例15は、先行する例示的方法のいずれかによる方法であって、上記第1試験チャンネルのソース・イベントが、上記第1タイムライン上のイベント・マーカとして上記出力表示部上に示され、上記イベント・マーカは、上記ソース・イベントの継続時間に対応するイベント幅を有する。
【0069】
実施例16は、実施例15による方法であって、上記第1試験チャンネルに関連する上記DUTの第1測定チャンネルの測定継続時間をグラフィカルに示す処理を更に具える。
【0070】
実施例17は、先行する例示的方法のいずれかによる方法であって、上記第1イベントに関する上記第1イベント・マーカが、イベント遅延インジケータ及びイベント幅インジケータを含む。
【0071】
実施例18は、実施例16による方法であって、上記第1イベントに関する上記第1イベント・マーカが、測定ウィンドウ・インジケータを更に含む。
【0072】
実施例19は、実施例17による方法であって、上記出力表示部が、ユーザからの入力を受けるように構成されたグラフィカル・ユーザ・インタフェースであって、上記イベント遅延インジケータの位置又は上記イベント幅インジケータの位置をユーザが移動可能であり、上記イベント遅延インジケータの位置を移動させるか又は上記イベント幅インジケータの位置を移動させると、イベント生成部が、こうした動きに基づいて、上記第1イベントの1つ以上の信号生成パラメータを変更する。
【0073】
実施例20は、実施例18による方法であって、上記出力表示部が、ユーザからの入力を受けるように構成されたグラフィカル・ユーザ・インタフェースであって、上記測定ウィンドウ・インジケータの位置がユーザによって移動可能であり、上記測定ウィンドウ・インジケータの位置を移動させると、上記試験測定システム内の試験装置は、上記DUTから上記試験装置が受けた試験信号の測定持続時間パラメータを変更する。
【0074】
実施例21は、実施例17による方法であって、上記出力表示部は、上記イベント遅延インジケータの位置のテキスト表示又は上記イベント幅インジケータの位置のテキスト表示を、これらインジケータのいずれかをユーザが移動させたときに、アップデートするように構成される。
【0075】
実施例22は、実施例17による方法であって、上記出力表示部が、ユーザ・インタフェースであって、ユーザが、上記イベント遅延インジケータ又は上記イベント幅インジケータのいずれかを選択したときに、テキスト・ベースのダイアログ・ボックスを生成するように構成される。
【0076】
実施例23は、先行する例示的方法のいずれかによる方法であって、上記1つ以上のイベントが、タイミング信号、トリガ信号、制御信号、電力信号、コード、情報又はオン/オフ・イベントである。
【0077】
加えて、本願の説明は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例に関連して開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例との関連においても利用できる。
【0078】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0079】
説明の都合上、本開示技術の具体的な態様を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本開示技術は、添付の請求項以外では、限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0080】
20 被試験デバイス(DUT)
40 試験測定装置
42 入力ポート
43 通信経路
44 出力ポート
45 通信経路
50 プロセッサ
52 メモリ
60 ユーザ・インタフェース
70 表示部/データ出力部
80 測定ユニット
90 信号/イベント生成ユニット
92 外部パソコン(PC)
94 ユーザ・インタフェース
96 表示部/データ出力部
100 試験測定システム
200 従来のイベント定義画面
210 セクション
212 設定メニュー
214 設定メニュー
220 エリア
232 グラフィック領域
234 グラフィック領域
300 視覚化画面
301 測定ウィンドウ前のイベント・マーカの部分
302 測定ウィンドウ
304 測定ウィンドウ
306 測定ウィンドウ
308 測定ウィンドウ
309 イベント
310 イベント・パラメータ情報
312 試験期間
314 イベント遅延
316 イベント幅
318 測定ウィンドウ
400 イベント
401 測定ウィンドウ前のイベント・マーカの部分
402 測定ウィンドウ
404 セレクタ
410 イベント遅延バー(インジケータ・バー)
420 測定バー(インジケータ・バー)
430 イベント幅バー(インジケーター・バー)
500 テキスト・データ・ボックス
600 ダイアログ・ボックス
604 セレクタ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
【外国語明細書】