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特開2022-164675ユーザ端末に用いられるコンピュータプログラム、それが適用されたユーザ端末に用いるイベントシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164675
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】ユーザ端末に用いられるコンピュータプログラム、それが適用されたユーザ端末に用いるイベントシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221020BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20221020BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20221020BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F13/30
A63F13/533
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123603
(22)【出願日】2022-08-02
(62)【分割の表示】P 2019155022の分割
【原出願日】2019-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】北野 豊文
(57)【要約】
【課題】演出機器を通じた演出を含むイベントにおいてそのイベントの参加者の参加意識を向上させることができるイベントシステムを提供する。
【解決手段】イベントシステム1は、演出機器3Bを通じた演出を含むイベントの運営者によって設定された演出データADに従って演出機器3Bを制御することにより演出として運営側演出を実現するシステムに、ネットワークNTを介して接続されるユーザ端末4が、演出としてユーザ演出を運営側演出に付加するための選択肢OPをユーザ端末4のユーザに提供するとともに、選択肢OPが選択された場合にその選択肢OPの選択を示す選択結果の情報をシステムに提供するときに、そのシステムとして機能する。そして、イベントシステム1は、その選択結果の情報をユーザ端末4から取得し、その結果に基づいて、ユーザ演出が運営側演出に付加されるように演出機器3Bを制御する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出機器を通じた演出を含むイベントの運営者によって設定された設定データに従って前記演出機器を制御することにより前記演出として運営側演出を実現するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末に組み込まれるコンピュータを、
前記演出としてユーザ演出を前記運営側演出に付加するための付加選択肢を前記ユーザ端末のユーザに提供する選択肢提供手段、及び前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供する結果提供手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出機器を通じた演出を含むイベントの運営者によって設定された設定データに従って前記演出機器を制御することにより前記演出として運営側演出を実現するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末のコンピュータプログラム、及びそのようなコンピュータプログラムが適用されたユーザ端末のシステムとして機能するイベントシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
演出機器を通じた演出を含むイベントの運営者によって設定された設定データに従って前記演出機器を制御することにより前記演出として運営側演出を実現するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末のコンピュータプログラム、及びそのようなコンピュータプログラムが適用されたユーザ端末のシステムとして機能するイベントシステムが存在する。例えば、このようなイベントシステムと同種のシステムとして、演出機器の代わりに、イベント会場に設置された大型表示装置に表示されるキャラクタを利用し、そのような大型表示装置のキャラクタを観覧させるイベントを実現するコンテンツ上映システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-158046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、キャラクタの動作を制御するためのコマンドの候補が提示され、その候補から選択されたコメントに対応する動作を大型表示装置のキャラクタが実際に実行する。これにより、イベント会場の観客の特性に応じた動作をより簡便にキャラクタに実行させ、ひいては満足度の高いイベントの実現が図られている。一方で、このようなコマンドを介したキャラクタの動作の制御は操作者に限定されており、観客の希望が反映されるわけではない。このため、観客の満足度を向上させる余地がある。また、イベント会場では演出機器を通じた演出が実行される場合も多いが、このような演出機器は、演出時期等が記述された所定のデータを通じて制御されるのが一般的である。しかし、引用文献1のシステムは、このような一般的なイベントにおける演出機器の制御には比較的向いていない。
【0005】
そこで、本発明は、演出機器を通じた演出を含むイベントにおいてそのイベントの参加者の参加意識を向上させることができるイベントシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のユーザユーザ端末に用いられるコンピュータプログラムは、演出機器を通じた演出を含むイベントの運営者によって設定された設定データに従って前記演出機器を制御することにより前記演出として運営側演出を実現するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末に組み込まれるコンピュータを、前記演出としてユーザ演出を前記運営側演出に付加するための付加選択肢を前記ユーザ端末のユーザに提供する選択肢提供手段、及び前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供する結果提供手段として機能させるように構成されたものである。
【0007】
一方、本発明のイベントシステムは、演出機器を通じた演出を含むイベントの運営者によって設定された設定データに従って前記演出機器を制御することにより前記演出として運営側演出を実現するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末が、前記演出としてユーザ演出を前記運営側演出に付加するための付加選択肢を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステムであって、前記選択結果の情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手段と、前記情報取得手段の取得結果に基づいて、前記ユーザ演出が前記運営側演出に付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手段と、を備えるものである。
【0008】
一方、本発明のイベントシステムに用いられるコンピュータプログラムは、前記ユーザ端末に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータを、上述のイベントシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0009】
また、本発明のイベントシステムに用いられる制御方法は、演出機器を通じた演出を含むイベントの運営者によって設定された設定データに従って前記演出機器を制御することにより前記演出として運営側演出を実現するシステムに、ネットワークを介して接続されるユーザ端末が、前記演出としてユーザ演出を前記運営側演出に付加するための付加選択肢を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステムに組み込まれるコンピュータに、前記選択結果の情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手順と、前記情報取得手順の取得結果に基づいて、前記ユーザ演出が前記運営側演出に付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手順と、を実行させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一形態に係るイベントシステムの概略構成を示す図。
図2】イベントシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
図3】イベント関連サービスの概要を説明するための説明図。
図4】イベント関連サービスの流れの一例を説明するための説明図。
図5】運営者側演出と視聴者演出との間の調整の一例を説明するための説明図。
図6】演出データの構成の一例を示す図。
図7】イベントデータの構成の一例を示す図。
図8】販売データの構成の一例を示す図。
図9】動画データの構成の一例を示す図。
図10】選択肢提供処理の手順の一例を示すフローチャート。
図11】対価徴収処理の手順の一例を示すフローチャート。
図12】演出付加処理の手順の一例を示すフローチャート。
図13】売上分配処理の手順の一例を示すフローチャート。
図14】情報追加処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一形態に係るイベントシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るイベントシステムの全体構成を説明する。イベントシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワークNTを介して接続可能なクライアント装置としての複数のネットワーク機器3と、を含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0012】
ネットワークNTは、センターサーバ2に対してネットワーク機器3を接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、センターサーバ2及びネットワーク機器3のそれぞれをインターネットに接続するLANとによって構築されてよい。なお、ネットワーク機器3とLANとの間には、ネットワーク機器3を制御するローカルサーバ等の各種のコンピュータ装置が適宜に介在してもよい。この場合、このようなコンピュータ装置を通じて制御可能な各種の機器がネットワーク機器3として機能してよい。
【0013】
ネットワーク機器3は、ネットワークNTに接続可能な機器である。ネットワーク機器3は適宜の場所に設置されてよいが、図1の例ではいずれもイベント会場EFに設置されている。同様に、ネットワーク機器3として各種の機器が利用されてよいが、図1の例ではカメラ3A及び演出機器3Bが示されている。これらのカメラ3A及び演出機器3Bは、いずれもいわゆるIOT(Internet of Things)機器として構成されたネットワーク機器3である。これらのカメラ3A及び演出機器3Bは、いずれもネットワークNTを介してセンターサーバ2によって動作が制御される。なお、ネットワーク機器3がコンピュータ装置を介してネットワークNTに接続される場合、これらのカメラ3A及び演出機器3Bの動作はコンピュータ装置を介してセンターサーバ2に制御されてもよい。この場合、このようなコンピュータ装置、及びネットワーク機器3は、イベント会場EFにおけるイベントを管理するためのシステムとして構築されてもよい。
【0014】
カメラ3Aは、周知の光学機器である。カメラ3Aは、イベント会場EFにそこで開催されるイベントの状況を撮影するように設置される。演出機器3Bは、各種の演出を実現する周知の出力機器である。演出機器3Bは、イベント会場EFにおいてイベントに適宜の演出を付加するように設置される。演出機器3Bとして適宜の機器が利用されてよいが、図1の例ではライト3B1、スピーカ3B2、及びスモーク装置3B3が示されている。ライト3B1は、点灯、点滅、消灯、或いは適宜の発色等の照明(光)による各種の視覚的な演出を実行する周知の照明機器である。スピーカ3B2は、各種の音声を再生(出力)することにより聴覚的な演出を実行する周知の音声出力装置である。スモーク装置3B3は、適宜の量のスモーク(煙)を発生させることにより視覚的な演出を実行する周知の装置である。
【0015】
イベントシステム1には、ネットワークNTを介してユーザ端末4が接続される場合がある。ユーザ端末4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。ユーザ端末4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。例えば、ユーザ端末4は、所定のアプリケーション(ソフトウエア)の実行に伴いカメラ3Aの撮影した撮影動画を表示可能な表示用端末として機能する。ユーザ端末4として適宜のコンピュータ装置が利用されてよいが、図1の例では携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4A、携帯型タブレット端末装置4B、及びブック型(据置型でもよい)のパーソナルコンピュータ4Cといったユーザ端末装置が示されている。これらは、例えばアクセスポイントAP等を通じて適宜にネットワークNTに接続される。なお、その他にも、例えば据置型の家庭用ゲーム機、或いは携帯型ゲーム機といったネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末4として利用されてよい。
【0016】
センターサーバ2は、ネットワーク機器3に対して各種の機器用サービスを提供する。機器用サービスは、カメラ3A及び演出機器3Bを制御する制御サービスを含む。また、ネットワーク機器3(あるいはイベントシステム)がプログラム或いはデータを記憶可能に構成される場合、機器用サービスは、ネットワークNTを介して、このようなプログラム或いはデータを配信し、更新するデータ配信サービスを含んでもよい。
【0017】
同様に、センターサーバ2は、ネットワークNTを介してユーザ端末4のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスは、カメラ3Aの撮影結果に対応する動画を配信する動画配信サービス、及びそのような動画に関連するイベント関連サービスを含んでいる。動画配信サービスは、カメラ3Aの撮影結果を動画としてパケット通信を利用して随時配信するためのサービスである。つまり、カメラ3Aの撮影結果(イベント会場EFの状況)は、動画配信サービスを通じて随時ストリーミング配信される。イベント関連サービスの詳細は後述する。なお、Webサービスは、例えばその他にも、各ユーザ端末4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)するデータ配信サービス、各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するID付与サービス、ユーザ端末4からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証する認証サービス、或いは周知の決済処理を通じてユーザ端末4の各ユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。
【0018】
次に、図2を参照してイベントシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0019】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット内に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には、各種のサービスの提供に必要なサーバ用データ23が記憶される。そのようなサーバ用データ23は、機器用サービス、或いはWebサービスの提供に必要な各種のデータを含んでいるが、図2の例ではそのような各種のデータの一種として、設定データとしての演出データAD、イベントデータED、販売データSD、及び動画データMDが示されている。
【0020】
動画データMDは、カメラ3Aの撮影結果に対応する動画をユーザ端末4に表示させるための周知の動画データである。演出データADは、演出機器3Bを制御するためのデータである。イベントデータEDは、イベント内容(換言すれば、ストリーミング配信中の動画の内容)を管理するためのデータである。販売データSDは、イベント関連サービスの一部として動画に関連する各種の要素(あるいは特典)が販売される場合に、それらの要素、及び販売実績を管理するためのデータである。演出データAD、イベントデータED、販売データSD、及び動画データMDの詳細は更に後述する。なお、サーバ用データ23は、例えばその他にも各種のサービスを実現するための各種のデータを含んでよい。例えば、そのようなデータには、ユーザID等の各種IDを管理するためのID管理データ、或いは動画の視聴実績等の各種の活動実績をユーザ毎に管理する実績データ等が含まれてよい。しかし、それらの図示は省略した。
【0021】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、機器用サービス管理部24、及び端末用サービス管理部25が設けられる。機器用サービス管理部24は、ネットワーク機器3に対して上述の機器用サービスを実現するための各種処理を実行する。このような処理には、制御サービスを実現するための処理が含まれる。具体的には、機器用サービス管理部24は、このような処理として、例えば演出付加処理を実行する。一方、端末用サービス管理部25は、ユーザ端末4に対して各種のWebサービスを実現するための各種の処理を実行する。このような処理には、動画配信サービス、及びイベント関連サービスを実現するための処理が含まれる。具体的には、端末用サービス管理部25は、動画配信サービスを実現するための処理として、ストリーミング配信を実現する周知の処理を実行する。また、端末用サービス管理部25は、イベント関連サービスを実現するための処理として、例えば選択肢提供処理、対価徴収処理、売上分配処理、及び情報追加処理を実行する。演出付加処理、選択肢提供処理、対価徴収処理、売上分配処理、及び情報追加処理の手順の詳細は後述する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0022】
一方、ユーザ端末4には、コンピュータとしての制御ユニット41と、記憶手段としての記憶部42とが設けられる。制御ユニット41は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0023】
記憶部42は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部42には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット41に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG2が記録される。また、記憶部42には、動画の表示、或いはWebサービスの享受に必要な端末データTDが記録される。そのような端末データTDには各種のデータが含まれるが、図2の例ではその一種として演出データAD、イベントデータED、販売データSD、及び動画データMDが示されている。これらの演出データAD、イベントデータED、販売データSD、及び動画データMDは、イベント関連サービス、或いは動画配信サービス(又はデータ配信サービス)の一部としてセンターサーバ2から提供される。なお、端末データTDには、センターサーバ2から適宜に提供されるID管理データ、或いは実績データ等が含まれ得る。また、端末データTDには、例えば、その他にも動画配信に関連する各種の画像を表示するための画像データ、或いは各種のBGMを再生するためのBGMデータ等が含まれ得る。しかし、これらの図示は省略した。
【0024】
制御ユニット41には、制御ユニット41のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって各種の論理的装置が構成される。そして、それらの論理的装置を通じてWebサービスの享受に必要な各種の処理が実行されるが、これらに関連する論理的装置として、図2の例では画像制御部43、及びデータ管理部44が示されている。画像制御部43は、各種の画像(動画を含む)を表示するための各種の処理を行う論理的装置である。そのような処理には、動画を表示するための処理(動画配信サービスを享受するための処理)、及びイベント関連サービスの享受のために動画に関連する各種の画像を表示するための処理が含まれる。具体的には、画像制御部43は、このような処理として、例えば選択肢提供処理をセンターサーバ2と協働で実現する。
【0025】
一方、データ管理部44は、記憶部42に記録される各種データの管理に関する各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、演出データAD、イベントデータED、販売データSD、及び動画データMDをセンターサーバ2から取得する処理、それらを適宜に更新する処理、或いは更新後のデータをセンターサーバ2に提供(送信)する処理が含まれる。具体的には、データ管理部44は、このような処理として、例えば対価徴収処理をセンターサーバ2と協働で実現する。
【0026】
また、ユーザ端末4には、モバイル端末装置4A等のユーザ端末装置等の種類に応じて適宜に各種の出力装置、及び入力装置が設けられてよいが、図2の例ではモニタ47、及びスピーカSPがユーザ端末4に設けられる出力装置として示されている。モニタ37、及びスピーカSPは、それぞれ動画等の各種の画像を表示するための周知の表示装置、及び音声を再生するための周知の音声再生装置である。同様に、図2の例では、ユーザ端末4に設けられる入力装置として、ユーザのタッチ操作を入力するためのタッチパネル46が示されている。タッチパネルは、ユーザのタッチ操作の位置を検出し、その位置に応じた信号を出力する周知の入力装置(検出装置)である。このようなタッチパネルへのタッチ操作を通じて、ユーザ端末4には動画配信サービス、或いはイベント関連サービスを利用するための適宜のタッチ操作が入力される。
【0027】
次に、図3図4を参照して、モバイル端末装置4Aがユーザ端末4として利用される場合を例に、イベント関連サービスの詳細について説明する。動画配信サービスは、ストリーミング配信を通じてカメラ3Aの撮影結果(イベントの状況)をほぼリアルタイムにユーザ端末4に配信する周知のサービスである。一方、イベント関連サービスは、このような動画配信サービスを通じて配信される動画、或いはその動画によってほぼリアルタイムに表示されるイベントに関連する各種の情報、若しくは選択肢をユーザに提供するサービスである。これらのサービスには説明の便宜のために別々の名称が使用されているが、動画配信サービス及びイベント関連サービスの一方は他方の一部として構成されてもよい。
【0028】
図3は、イベント関連サービスの概要を説明するための説明図である。図3に示すように、イベント関連サービスの一部として、モバイル端末装置4Aのモニタ47には、チケット画面50が表示される。また、チケット画面50は、各種の選択肢OPを含んでいる。例えば、動画配信サービスを通じてイベントを撮影したイベント動画60が配信される場合に、チケット画面50にはそのイベントに関連する各種の要素に対応する選択肢OPが表示される。このような要素として、イベントの出演者やイベント会場EFの演出機器3Bといったイベントに含まれる各種の要素、或いはイベント動画60自体が利用されてよい。このため、選択肢OPには、例えばイベント動画60、或いはそこに表示される実際のイベントに影響を与えるための選択肢OPが含まれる。そして、そのような選択肢OPが選択された場合には、実際にイベント動画60、或いはイベントに選択肢OPに応じた影響が付与される。このため、これらの選択肢OPは、イベント動画60、或いはイベントに影響を与えるための権利(もしくは特典)として機能する。
【0029】
具体的には、チケット画面50は、例えば“スモーク演出券”用選択肢OP1、“ライティング演出券”用選択肢OP2、“サイネージMSG券”用選択肢OP3、及び“関連グッズ購入券”用選択肢OP4の4つの選択肢OPを含んでいる。“スモーク演出券”用選択肢OP1、及び“ライティング演出券”用選択肢OP2は、実際のイベントに影響を与える選択肢OPとして機能し、いずれもそのような影響として演出機器3Bの制御を通じた所定の演出を付加するために使用される。より具体的には、“スモーク演出券”用選択肢OP1は、イベント会場EF(イベント)にスモークの演出を付加するための選択肢OPである。同様に、“ライティング演出券”用選択肢OP2は、イベント会場EF(イベント)にライティング(照明)の演出を付加するための選択肢OPである。これらの選択肢OPが選択された場合、その選択結果を示す情報がセンターサーバ2に送信され、センターサーバ2を介して実際にスモーク装置3B3等が所定の演出を付加するように制御される。具体的には、“スモーク演出券”用選択肢OP1が選択された場合には所定量(あるいは時間)のスモークを発生させるようにスモーク装置3B3が制御され、“ライティング演出券”用選択肢OP2が選択された場合には所定の点灯等を実行するようにライト3B1が制御される。つまり、“スモーク演出券”用選択肢OP1の選択に伴いスモーク演出が、“ライティング演出券”用選択肢OP2の選択に伴いライティング演出が、それぞれイベントに実際に付加される。
【0030】
一方、“サイネージMSG券”用選択肢OP3は、イベント動画60に影響を与える選択肢OPとして機能し、そのような影響としてイベント動画60に広告、コメント、或いはメッセージといった情報を付加するために使用される。このような広告等の情報は、固定(例えば支払った対価の額等)、任意(自由入力)、指定(複数の候補からの選択)といった適宜の手法で設定されてよいが、一例として視聴者P3の自由入力(文章、或いは記号等)によって任意に設定される。そして、“サイネージMSG券”用選択肢OP3が選択された場合には、その選択結果を示す情報がセンターサーバ2に送信され、そのような選択に伴う適宜の広告等がセンターサーバ2を介して実際にイベント動画60に付加される。つまり、“サイネージMSG券”用選択肢OP3の選択に伴い、そのような広告等の付加されたイベント動画60が実際に配信される。なお、上述のとおり演出機器3B(あるいはネットワーク機器3)は各種の機器を含んでよいが、例えば大型モニタ等の電子看板を含んでいてもよい。そして、このような電子看板がイベント会場EFに設置され、演出機器3Bの一種として利用される場合、“サイネージMSG券”用選択肢OP3(あるいはそれに対応するチケット)は、そのような電子看板に広告等の情報を表示させるための選択肢OP(あるいは権利)として機能してもよい。つまり、“サイネージMSG券”用選択肢OP3の選択(チケットの使用)に伴い自由入力された文章等がイベント会場EFの電子看板に表示されてもよい。あるいは、“サイネージMSG券”用選択肢OP3は、そのような電子看板、及びイベント動画60の両方に広告等の情報を表示させる(それぞれに少なくとも一部が相違する情報を表示させる場合を含む)選択肢OPとして機能してもよい。さらに、イベント動画60用のサイネージMGS券と電子看板用のサイネージMSG券とが別々に選択肢OPとして用意されてもよい。
【0031】
また、“関連グッズ購入券”用選択肢OP4は、イベントに関連する各種の要素を購入するための選択肢OPである。このような要素として、イベントに関連する各種のグッズ(例えば、イベントの参加者或いは出演者が使用するためのグッズ、郵送等により送付されるグッズ、及び電子的なグッズを含む)、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の選択が有料の場合にはそれらの選択肢OPを選択するための権利、或いはイベントの出演者への払い込み(いわゆるおひねり、或いは投げ銭)といった適宜の要素が利用されてよい。“関連グッズ購入券”用選択肢OP4が選択された場合、対応する対価の徴収を条件に、その選択結果を示す情報がセンターサーバ2に送信され、その選択に対応する各種の要素が実際に付与される。
【0032】
“スモーク演出券”用選択肢OP1、“ライティング演出券”用選択肢OP2、及び“サイネージMSG券”用選択肢OP3の選択、或いは選択に伴う特典の付与は、無料であっても有料(所定の対価の徴収と引き換え)であってもよいが、図3の例では有料で(所定の対価と引き換えに)提供されている。また、有料の場合の所定の対価の徴収は、各種の電子通貨(各種のアプリケーション、或いは物理的なカードを介して決済される場合を含む)等を通じて適宜に実行されてよいが、図3の例ではクレジットカードCDが利用されている。つまり、“スモーク演出券”用選択肢OP1、“ライティング演出券”用選択肢OP2、“サイネージMSG券”用選択肢OP3、及び“関連グッズ購入券”用選択肢OP4のいずれに対応する特典(権利)も対価の徴収と引き換えに購入され、それらにそれぞれ対応する演出或いはグッズ等の要素が特典として実際に付与される。
【0033】
より具体的には、例えば、クレジットカードCDによる所定の対価の徴収と引き換えに“ライティング演出券”用選択肢OP2が選択された場合には、その選択結果(徴収結果を含んでよい)がセンターサーバ2に提供される。そして、センターサーバ2は“ライティング演出券”用選択肢OP2に対応する所定の演出(ライティング)を実行するようにライト3B1の動作を制御し、イベント会場EFのイベントに実際にそのようなライティング演出が付加される。また、イベントは演出機器3Bを通じた演出を含み、そのような演出はイベント動画60を通じて配信されるが、“ライティング演出券”用選択肢OP2の選択に伴うライティング演出の付加も、イベント動画60を通じて各モバイル端末装置4Aに配信される。つまり、イベント動画60を通じて、“ライティング演出券”用選択肢OP2の選択の選択結果がその選択を行ったユーザに届けられる。図3の例において、イベント動画60が本発明の撮影動画として機能する。また、各選択肢OPが本発明の付加選択肢、或いは購入選択肢として機能する。さらに、“スモーク演出券”用選択肢OP1等に対応する各種の演出等(特典)が本発明の演出特典として機能する。
【0034】
図4は、イベント関連サービスの流れの一例を説明するための説明図である。以下では、ユーザ端末4のユーザのうちイベント動画60を視聴するユーザを視聴者と呼ぶ場合がある。図4に示すように、イベント関連サービスは、例えばF1~F5までの五つの手順を含んでいる。具体的には、まずイベント会場EFのイベント状況がイベント動画60として、各モバイル端末装置4Aに動画配信サービスを通じて配信される(F1)。イベントは出演者P1、及び参加者P2を含み、これらの出演者P1及び参加者P2がイベント会場EFにおいて実際にイベントを実現しているが、このような動画配信サービスを通じてイベント動画60の視聴者P3もイベントの実現に寄与する。また、イベント動画60の視聴中、各モバイル端末装置4Aには、所定の時期、或いはユーザの選択等の適宜の条件に基づいてチケット画面50が表示される。チケット画面50は、イベント動画60と同時に表示されてもよいし、イベント動画60とは別々の時期に時差的に表示されてもよい。そして、このようなチケット画面50における選択結果の情報(あるいは選択後に購入される場合は購入情報、若しくは事前に購入済みの各選択肢OPがチケット画面50に表示される場合は、購入済みの各チケットの使用情報)はセンターサーバ2に送信される(F2)。
【0035】
チケット画面50における選択結果が、例えば“スモーク演出券”用選択肢OP1、或いは“ライティング演出券”用選択肢OP2に対応する場合、センターサーバ2は、イベント会場EFに設置されたスモーク装置3B3、或いはライト3B1といった演出機器3Bをそれらの選択肢OPに対応する演出を実行するように制御する(F3)。結果として、チケット画面50における選択結果が実際にイベント会場EFのイベントに反映され、イベント状況と連動する(F4)。同様に、チケット画面50における選択結果が、“サイネージMSG券”用選択肢OP3に対応する場合、センターサーバ2は広告等の所定の情報(例えば“キター”等の文字等)をイベント動画60に付加する。結果として、チケット画面50における選択結果が実際にイベント動画60に反映され、イベント動画60の配信と連動する(F4)。“関連グッズ購入券”用選択肢OP4によってイベント、或いはイベント動画60に影響を与える要素が販売されている場合も同様である。
【0036】
チケット画面50における“スモーク演出券”用選択肢OP1等の選択結果、換言すれば販売結果は販売データSDで管理される。このため、センターサーバ2は、そのような選択結果を販売データSDに反映する。販売結果は、例えば“関連グッズ購入券”用選択肢OP4によって出演者P1のグッズ等、出演者P1と関連する要素が販売されている場合、出演者P1と対応するように管理される。また、“スモーク演出券”用選択肢OP1、“ライティング演出券”用選択肢OP2、及び“サイネージMSG券”用選択肢OP3は、出演者P1、或いは参加者P2と無関係であっても関係していてもよく、適宜に管理されてよいが、一例として“スモーク演出券”用選択肢OP1の選択時(購入時)に出演中の出演者P1と対応するように管理される。つまり、“スモーク演出券”用選択肢OP1、“ライティング演出券”用選択肢OP2、“サイネージMSG券”用選択肢OP3、或いは“関連グッズ購入券”用選択肢OP4のいずれの選択肢OPも、出演者P1と関連付けられるように販売結果(実績)が販売データSDにおいて管理される。そして、イベント終了後(出演者P1の出演終了時でもよい)には、このような販売データSDの販売実績に応じて売上額の一部が所定の割合で出演者P1に分配される(F5)。一例として、このような流れでイベント関連サービスは実現される。図5の例において、“スモーク演出券”用選択肢OP1等に対応するイベント会場EFの演出機器3B、“サイネージMSG券”用選択肢OP3に対応する情報の付加対象であるイベント動画60、或いは“関連グッズ購入券”用選択肢OP4に対応するイベントの出演者P1が、本発明のイベント要素として機能する。
【0037】
次に、図5を参照して、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の選択に伴う演出機器3Bの制御について更に説明する。イベントには、これらの選択肢OPの選択にかかわらず、基礎的な演出がイベントの運営者によって予め設定されている。このため、このような基礎的な演出(以下、運営側演出と呼ぶ場合がある)を実現するように演出機器3Bを適宜制御するためのデータとして演出データADが予め用意されている。一方、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の選択に伴う演出、換言すれば視聴者P3が適宜付加する演出(以下、ユーザ演出としての視聴者演出と呼ぶ場合がある)が選択肢OPの選択を通じて適宜に視聴者P3によって指示される場合、このような視聴者演出の指示が運営側演出に影響を与える場合がある。例えば、視聴者演出は、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の選択に伴い、所定のバッチ処理の時期(特定の時期、或いは所定数集まった時期等)等、適宜の時期に付加されてよいが、一例として各選択肢OPの購入(あるいは予めチケット等の権利として購入され、所持される場合はそのようなチケット等の使用時期でもよい)に伴い付加のための処理が開始され、所定時期(購入結果の送受信等の視聴者演出の付加に必要な各種の処理の終了時期)に付加される。つまり、そのような所定時期に視聴者演出が実現されるように“スモーク演出券”用選択肢OP1等の選択肢OPは選択される。結果として、視聴者演出が運営側演出に競合(反対、或いは矛盾する場合を含む)したり、或いは反対に既に視聴者演出と同様の演出が運営側演出として予定され、重複していたりする場合がある。複数の視聴者演出の指示がある場合には、視聴者演出間においても同様の影響が生じ得る。このような場合、実際に付加される演出は所定の規則に従って適宜に調整される。
【0038】
図5は、運営者側演出と視聴者演出との間の調整の一例を説明するための説明図である。図5の例は、縦軸を演出機器3B、横軸を時間進行とする二軸のグラフとして、(a)運営者側演出、及び(b)調整後の演出にそれぞれ対応する演出機器3Bとその演出時期との間の関係を示している。また、図5の例は、演出機器3Bが三つのライト3B1、及び二つのスモーク装置3B3を含む場合を示している。この場合、図5の例の(a)のグラフが示すように、運営側演出として、これらの三つのライト3B1、及び二つのスモーク装置3B3の演出時期が適宜に設定される。また、このような場合、“スモーク演出券”用選択肢OP1、及び“ライティング演出券”用選択肢OP2は、各スモーク装置3B3、或いは各ライト3B1を指定しないように選択されも、指定するように選択されてよいが、図5の例では各スモーク装置3B3等が指定されるように選択されている。同様に、スモーク演出のスモークの量、或いは点灯、点滅等のライティング演出の種類も指定されてもよいし、指定されなくてもよいが、図5の例ではライティング演出の種類が指定されている。そして、このような“スモーク演出券”用選択肢OP1等の選択を通じて、運営側演出に対して任意の時期に視聴者演出の付加が指示される。結果として、視聴者演出が重複する場合、或いは競合する場合が生じ得る。
【0039】
図5の例では、例えば、三つのライト3B1のうち“ライト-3”に運営側演出が設定されていない時期に、“ライティング演出券”用選択肢OP2を通じて、その“ライト-3”のライト3B1を点滅させるライティング演出が視聴者演出として指示されている。この場合、運営側演出と視聴者演出とは競合等していないため、視聴者演出は特に調整されず、“ライト-3”のライト3B1はその指示(非競合指示)のとおりその時期(所定時期)に点滅するように制御される。一方、三つのライト3B1のうち“ライト-1”及び“ライト-2”の両方を点灯する演出が既に運営側演出として設定されている時期に、“ライティング演出券”用選択肢OP2を通じて、それらのうちの“ライト-2”のライト3B1を点滅させるライティング演出も視聴者演出として指示されている。この場合、同じ“ライト-2”のライト3B1を通じた演出において、運営側演出の点灯と視聴者演出の点滅とは互いに競合する関係にあると言える。同様に、二つのスモーク装置3B3のうち“スモーク-2”のスモーク装置3B3に運営側演出としてスモーク演出が既に設定されている時期に、二つの“スモーク演出券”用選択肢OP1(一人の視聴者P3による二度の選択でもよいし、二人の視聴者P3にそれぞれ対応する選択でもよい)を通じて、“スモーク-2”のスモーク装置3B3にスモーク演出を実行させる視聴者演出が指示されている。この場合、運営側演出と視聴者演出とが重複している。これらの場合、視聴者演出は所定の規則に従い調整後演出に調整され、実際にはその調整後演出が視聴者演出として付加される。
【0040】
具体的には、図5の例の(b)に示すように、非競合指示に関しては、指示のとおりのライティング演出が運営側演出(運営側演出としては非点灯の時期)に実際に付加される。一方、運営側演出と視聴者演出とが競合する競合指示に関しては、運営側演出が優先され、視聴者演出の付加時期が別の時期に変更される。つまり、競合指示の場合、運営側演出が優先されるように、視聴者演出の付加時期を変更する(ずらす)調整が実行される。より具体的には、視聴者演出は、その指示に対応する所定時期(運営側演出として点灯が設定される時期)ではなく、別の時期として点滅が指示された“ライト-3”のライト3B1による演出を含まない次回の運営側演出の時期に実行される。
【0041】
また、運営側演出と視聴者演出とが重複する重複指示に関しては、そのような重複指示が反映されるように、運営側演出として設定されていたスモーク演出のスモーク量が増量される。つまり、二つの“スモーク演出券”用選択肢OP1に対応する一回の演出がその効果が数に応じて大きくなるように実行される。より具体的には、運営側演出として所定量のスモーク演出が実行される時期に一つの“スモーク演出券”用選択肢OP1に対応するスモーク量の二倍の量が付加され、結果的に二つの“スモーク演出券”用選択肢OP1に対応するスモーク量よりも多い量のスモークがスモーク演出として運営側演出と同じ時期に付加される。結果として、このような視聴者演出を指示した視聴者P3(一人或いは二人)から見れば、一つ(あるいは二つ)の“スモーク演出券”用選択肢OP1に対応するスモーク量を付加する指示がそれ以上のスモーク量の付加として実現される。換言すれば、重複指示の場合、指示に対応するスモーク演出の効果(量的パラメータ、或いはスモーク量)の度合いが大きくなる(増加する)ように複数の視聴者演出を一つの視聴者演出に集約する調整が実行される。所定の規則として適宜の規則が採用されてよいが、一例としてこのように指示の数を利用する規則(重複指示の場合)、或いは運営側演出を優先する規則(競合指示の場合)が採用され、数に応じて度合いが大きくなるように指示を一つに集約する調整、或いは運営側演出を優先するように時期を変更する調整が実行される。なお、指示を一つに集約する調整の場合、その指示に対応する演出の効果の度合いが大きくなる限り、そのような調整は視聴者演出の量的パラメータの増加、及び運営側演出の量的パラメータの増加のいずれによって実現されてもよい。
【0042】
複数の視聴者演出間に重複が生じた場合も同様である。一方、複数の視聴者演出が競合した場合、所定の規則として、運営側演出を優先する代わりに、それらの視聴者演出の間に優劣を設定する適宜の規則が採用されてよいが、一例として選択順(あるいは購入順)が採用される。つまり、複数の視聴者演出が競合した場合、それらは選択順に従って順に付加されるように付加時期が調整される。
【0043】
なお、図5の例の他にも視聴者演出として適宜の演出が採用されてよく、このような適宜の演出に応じて優劣等を設定する適宜の規則が所定の規則として採用されてよい。例えば、視聴者演出としてライティング演出が一定期間継続する演出が指示され、このような指示が運営側演出の演出時期と重なった場合、所定の規則として運営側演出の優先が利用され、運営側演出を優先するように視聴者演出に対応するライティング演出の継続期間に運営側演出を割り込ませる調整が実行されてもよい。換言すれば、視聴者演出に対応するライティング演出の継続期間の途中に運営側演出の演出時期が到来する場合、運営側演出の演出時期を基準にその前後に継続期間を分けるように、二つに分割することにより運営側演出を優先する調整が実現されてもよい。同様に、図5の例の他にも、例えば同じライト3B1に対する別々の配色の指示等、各種の競合が生じてよい。
【0044】
次に、演出データAD、イベントデータED、販売データSD、及び動画データMDの詳細について説明する。演出データADは、上述のとおり運営側演出を実現するためのデータである。図6は、演出データADの構成の一例を示す図である。図6に示すように、演出データADは、各演出機器3Bの演出時期をイベント毎に関連づけて管理する演出レコードADRを含んでいる。このような管理を実現するために、演出レコードADRは、例えば“イベントID”、“機器ID”、“演出”、及び“時期”の情報を含んでいる。
【0045】
“イベントID”は、複数のイベントが演出データADを通じて管理される場合に、各イベントを識別するためにイベント毎にユニークなイベントIDを示す情報である。イベント毎に演出データADが用意される場合、“イベントID”の情報は省略されてもよい。“機器ID”は、各演出機器3Bを識別するために演出機器3B毎にユニーク(同じライト3B1間でもユニーク)な機器IDを示す情報である。例えば、このような機器IDとして、ネットワークNTにおいて演出機器3B毎に固有に割り当てられるアドレス(例えばIPアドレス)が利用されてよい。
【0046】
また、“演出”は、各演出機器3Bが実行すべき演出、換言すれば各演出機器3Bに実行すべき制御内容を示す情報である。例えば、演出機器3Bがライト3B1である場合、点灯、点滅、消灯、色、或いはそれらの時間等を示す情報が、“演出”の情報として記述される。スモーク装置3B3の場合も同様であり、スモーク量、色、或いは発生期間等の情報が“演出”の情報として記述される。“時期”は、演出時期を示す情報である。例えば、“時期”には、特定の基準時期(例えば、演出開始時期、或いはイベントの運営者等によって適宜の時期に実行される特定の操作の時期等)からの経過時間が演出時期の情報として記述される。演出レコードADRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、演出データADは、これらの情報に限定されず、演出機器3Bの特性、或いはイベントの特性等に応じて演出機器3Bの制御により各種の演出を実現するための適宜の情報を管理してよい。
【0047】
図7は、イベントデータEDの構成の一例を示す図である。図7の例は、イベントの内容としてイベントに出演する出演者P1及びその出演時間が管理される場合を示している。また、このようなイベントデータEDは、例えばチケット画面50における各選択肢OPがイベントの出演者P1と関連付けられる場合に、各選択肢OPの選択とそれに対応する出演者P1とを特定するため、或いは出演者P1に固有の選択肢OPが存在する場合はそのような選択肢OPの提示の可否を判別するために使用される。図7に示すように、このようなイベントデータEDは、出演者P1及びその出演時期をイベント毎に関連づけて管理するイベントレコードEDRを含んでいる。このような管理を実現するために、イベントレコードEDRは、例えば“イベントID”、“出演者ID”、及び“出演時間”の情報を含んでいる。
【0048】
“イベントID”は、演出データADの“イベントID”の情報と同様である。“出演者”は、各イベントに出演する各出演者P1を識別するために出演者P1毎にユニークな出演者IDの情報である。“出演時間”は、各出演者P1の出演時間を示す情報である。“出演時間”には、演出データADの“時期”の情報と同様に、特定の基準時期からの経過時間が演出時期の情報として記述される。イベントレコードEDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、イベントデータEDは、これらの情報に限定されず、イベントの特性等に応じて適宜の情報を管理してよい。あるいは、例えばイベントの出演者P1が一人の場合、このようなイベントデータEDは省略されてもよい。
【0049】
図8は、販売データSDの構成の一例を示す図である。図8の例は、チケット画面50を通じて販売されるべき要素(換言すれば、チケット画面50に表示されるべき選択肢OP)、その対価、及びその販売実績が出演者P1と関連付けられるように販売データSDによって管理される場合を示している。この場合、図8に示すように、販売データSDは、各イベントに含まれる販売用の要素(イベント要素)の販売実績をイベント毎に管理するための販売レコードSDRを含んでいる。このような管理を実現するために、販売レコードSDRは、例えば“イベントID”、“チケットID”、“出演者ID”、“対価”、及び“販売数”の情報を含んでいる。
【0050】
“イベントID”は演出データAD等の“イベントID”の情報と、“出演者ID”はイベントデータEDの“出演者ID”の情報と、それぞれ同様である。“チケットID”は、例えばチケット画面50を通じてチケット(券)として販売されるべき販売用の各要素(特典)を識別するためにチケット(特典)毎にユニークなチケットIDを示す情報である。例えば、ライティング演出券(“ライティング演出券”用選択肢OP2)、スモーク演出券(“スモーク演出券”用選択肢OP1)、広告情報等を付加するサイネージMSG券(“サイネージMSG券”用選択肢OP3)、或いは関連グッズ券(“関連グッズ購入券”用選択肢OP4)といったチケット(特典、或いはそれに対応する権利)毎にユニークなチケットIDの情報が“チケットID”に記述される。“対価”は、各要素(チケット)の対価(販売価格、或いは販売料金)を示す情報である。“販売数”は、各要素の販売数(販売実績)を示す情報である。販売レコードSDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、販売データSDは、これらの情報に限定されず、各要素の特性、或いはイベントの特性等に応じて適宜の情報を管理してよい。例えば、関連グッズとして各種のグッズ(電子的グッズを含む)が用意される場合、そのようなグッズ(アイテム)もチケットの一種として管理されてもよいし、それとは別の情報として各アイテムを識別するためのアイテムID等を通じて各出演者(出演者ID)等と関連付けられるように管理されてもよい。
【0051】
図9は、動画データMDの構成の一例を示す図である。動画配信サービスでは、各種の動画が適宜に配信されてよいが、図9の例はイベント動画60に対応する動画データMDの構成の一例を示している。図9に示すように、この場合、動画データMDは、イベント動画60を表示するための映像データ等をイベント動画60毎に管理するための動画レコードMDRを含んでいる。このような管理を実現するために、動画レコードMDRは、例えば“動画ID”、“イベントID”、“映像データ”、及び“音声データ”の情報を含んでいる。
【0052】
“動画ID”は、各動画を識別するために動画毎にユニークな動画IDを示す情報である。また、“イベントID”は、演出データAD等の“イベントID”の情報と同様である。一方、“映像データ”、及び“音声データ”は、イベント動画60の映像部分、或いは音声部分をそれぞれ表示或いは再生するために所定のフォーマットに従って構成されたデータである。動画レコードMDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。なお、動画データMDは、これらの情報に限定されず、各動画の特性、或いはイベントの特性等に応じて適宜の情報を管理してよい。
【0053】
次に、図10図14を参照して、選択肢提供処理、対価徴収処理、演出付加処理、売上分配処理、及び情報追加処理について説明する。選択肢提供処理は、チケット画面50を通じて選択肢OPを提供するための処理である。チケット画面50では、毎回固定的に同じ選択肢OP(例えば毎回同じ“スモーク演出券”用選択肢OP1等の四つの選択肢OP)が提供されてもよいし、適宜の条件に応じて適切な選択肢OPが提供されてもよい(例えばイベント動画60に出演中の出演者P1に対応するグッズが販売されているか否かに応じて“関連グッズ購入券”用選択肢OP4が表示されない、或いは別の選択肢OPに変更される等、各選択肢OPの選択可否が制御されてよい)が、一例として運営側演出の演出時期を基準(条件)に各選択肢OPの提供の可否が制御される。より具体的には、チケット画面50では、例えばスピーカ3B2が今回のイベントにおいて利用不可(或いは制御不可)の場合、そのようなスピーカ3B2を制御するための選択肢OPが含まれない(選択不可の状態で提供されてもよい)ように選択可能な選択肢OPが判別され、提供される。つまり、チケット画面50では、各選択肢OPは制御可能な演出機器3Bに対応する選択肢OPだけに限定されるように提供される。図10の例は、このように選択肢OPの提供の可否を制御する場合の選択肢提供処理の手順の一例を示している。なお、図10及び図11の例では、ユーザ端末4の制御ユニット41によって主として実行される処理がユーザ端末4として、センターサーバ2の制御ユニット21によって主として実行される処理がセンターサーバ2として、それぞれ示されている。
【0054】
ユーザ端末4は、チケット画面50の表示が要求されると図10の選択肢提供処理を開始し、まずそのユーザ端末4が提供中のイベント動画60に対応するデータをセンターサーバ2に要求する(ステップS201)。例えば、ユーザ端末4は、“動画ID”の情報を含むようにイベント動画60用の動画データMDが配信される場合、提供中のイベント動画60に対応する動画IDの情報を含むようにセンターサーバ2にデータを要求してもよい。
【0055】
一方、センターサーバ2は、ユーザ端末4からデータが要求されると図10の選択肢提供処理を開始し、まずユーザ端末4の要求に対応するデータを特定する(ステップS301)。具体的には、センターサーバ2は、まずユーザ端末4の要求に動画IDの情報が含まれる場合には、動画データMDを参照しつつ、その動画IDに対応する“イベントID”を特定する。あるいは、センターサーバ2は、ユーザ端末4から要求があった場合に、動画データMDを参照しつつ、そのユーザ端末4に配信中のイベント動画60に対応する“イベントID”の情報を特定してもよい。次に、センターサーバ2は、その特定した“イベントID”に対応するレコードを含むように、例えば演出データAD及び販売データSDを特定する。続いて、センターサーバ2は、その特定した演出データAD及び販売データSDを要求に対応するデータとしてユーザ端末4に提供(送信)する(ステップS302)。そして、その提供の後、センターサーバ2は今回の選択肢提供処理を終了する。なお、イベント動画60の配信に伴い、既に演出データAD等の必要なデータがユーザ端末4に提供されている場合は、ステップS301~S302の処理は省略されてもよい。
【0056】
また、ユーザ端末4は、センターサーバ2から演出データAD及び販売データSDを取得すると、その演出データAD及び販売データSDに基づいてチケット画面50を介して提供可能な選択肢OP(換言すれば各選択肢OPの提供の可否)を判別する(ステップS202)。具体的には、ユーザ端末4は、まず演出データADの“イベントID”及び“機器ID”の情報に基づいて、現在提供中のイベント動画60において運営側演出として制御される予定の演出機器3Bを特定する。一方、ユーザ端末4は、販売データSDの“チケットID”の情報を参照し、今回のイベント全体として用意された選択肢OPを特定する。そして、ユーザ端末4は、そのような全体の選択肢OPのうち現在時刻を基準とする所定期間内に運営側演出が予定されていない演出機器3Bに対応する選択肢OPを提供不可と、運営側演出が予定されている演出機器3Bに対応する選択肢OPを提供可と、それぞれ判別する。
【0057】
続いてユーザ端末4は、ステップS202で判別した選択肢OPをチケット画面50に提示することによりユーザに提供する(ステップS203)。この場合において、ユーザ端末4は、提供可能な選択肢OPのみに限定して各選択肢OPを提供してもよいし、選択不可の状態ながら提供不可な選択肢OPも含むように各選択肢OPを提供してもよい。そして、このような提供の後、ユーザ端末4は今回の選択肢提供処理を終了する。これにより、チケット画面50に実際のイベント、或いはイベント動画60に影響を与えるための選択肢OPが提示される。また、そのような提示は、運営側演出の演出時期を基準に提供の可否が制御されるように実現される。
【0058】
なお、提供可能な選択肢OPの判別(例えばステップS202の処理)はセンターサーバ2側で実行され、ユーザ端末4はその判別結果を単に提示するだけでもよい。つまり、選択肢提供処理のうちステップS202の処理は省略されてもよい。この場合、その処理の代わりに同様の処理がセンターサーバ2によって実行され、その処理結果(判別結果)の情報がユーザ端末4に提供されてよい。また、上述のとおり、イベント動画60に出演中の出演者P1に対応するグッズが販売されているか否かに応じて“関連グッズ購入券”用選択肢OP4の提供の可否が判別されてもよく、このような判別(ステップS202の処理)は例えば次のように実行されてもよい。具体的には、ユーザ端末4は、演出データADの代わりにイベントデータEDをセンターサーバ2に要求し、まずそのイベントデータEDの“出演時間”及び“出演者ID”の情報に基づいて、現在提供中のイベント動画60に出演している出演者P1を特定する。次に、ユーザ端末4は、販売データSDを参照しつつ、その出演者P1に関連付けられる“チケットID”の情報を特定する。販売データSDには、例えばその出演者P1に対応するグッズ等が存在する場合にはその出演者P1に関連づけられるように“関連グッズ購入券”用選択肢OP4に対応する“チケットID”の情報が記述される。一方、グッズ等が用意されていない場合には、そのような“関連グッズ購入券”用選択肢OP4に対応する“チケットID”の情報が省略されるか、若しくはそのような情報として不存在を示す情報が記述される。このため、ユーザ端末4は、その特定した“チケットID”に対応する選択肢OPを提供可能な選択肢OPとして判別する。また、このような判別の後に、ユーザ端末4は、出演者P1に対応するグッズに応じた名称(表示)に“関連グッズ購入券”の表示を変更し、そのような変更後の表示の選択肢OPを提供してもよい。一方、上述のとおり、チケット画面50の選択肢OPは固定的に表示されてもよく、この場合にはステップS202の処理は省略されてもよい。
【0059】
対価徴収処理は、各選択肢OPに対応する対価を徴収するための処理である。このような対価の徴収はプリペイド方式等の適宜に実行されてよいが、図11の例は各選択肢OPの選択後に対価が徴収される場合の対価徴収処理の手順の一例を示している。ユーザ端末4は、チケット画面50において各選択肢OPが選択された場合に図11の対価徴収処理を開始し、まずその各選択肢OPに対する選択結果を取得する(ステップS401)。この選択結果には、“スモーク演出券”用選択肢OP1に対応するスモーク演出券(チケット、或いは権利)等の各選択肢OPに対応するチケットの複数枚の購入が許与される場合、購入枚数(あるいは選択数)の情報を含んでいてよい。続いてユーザ端末4は、その選択結果、つまりチケット画面50において選択された選択肢OPに対応する対価を徴収するための決済を実行する(ステップS402)。このような決済は周知の決済処理(クレジットカードCDの使用に伴うその発行元が提供する決済処理等)を通じて適宜に実現されてよい。そして、ユーザ端末4は、その決済の後にその決済対象の選択結果、つまりステップS401で取得した選択結果の情報(購入情報)をセンターサーバ2に提供(送信)して、今回の対価徴収処理を終了する。
【0060】
一方、センターサーバ2は、ユーザ端末4から選択結果が提供されると図11の対価徴収処理を開始し、まずその選択結果の情報(購入情報)を取得する(ステップS501)。続いてセンターサーバ2は、その取得した選択結果、換言すれば販売結果(既に決済を通じて選択結果に対応する対価が徴収されている)が反映されるように、販売データSDを更新する(ステップS502)。具体的には、センターサーバ2は、今回の販売結果に対応する数量だけ“販売数”の数が増加するように販売データSDを更新する。そして、この更新の後、センターサーバ2は今回の対価徴収処理を終了する。これにより、各選択肢OPの選択に伴い所定の対価が徴収されるとともに、その販売結果が販売データSDに反映される。
【0061】
演出付加処理は、選択肢OPに応じた視聴者演出を実際のイベントに付加するための処理である。このような視聴者演出として適宜の演出が実行されてよいが、図12の例は“ライティング演出券”用選択肢OP2、及び“スモーク演出券”用選択肢OP1の選択に対応する視聴者演出が実行される場合の演出付加処理の手順の一例を示している。機器用サービス管理部24は、対価徴収処理の選択結果として“ライティング演出券”用選択肢OP2、或いは“スモーク演出券”用選択肢OP1の選択に対応する選択結果が提供されると図12の演出付加処理を開始し、まずその選択結果の情報(購入情報)を取得する(ステップS601)。
【0062】
続いて機器用サービス管理部24は、その取得した選択結果に基づいて演出対象の演出機器3B、換言すれば制御対象の演出機器3Bを特定する(ステップS602)。具体的には、機器用サービス管理部24は、“ライティング演出券”用選択肢OP2が選択されている場合には制御対象の演出機器3Bとしてライト3B1を特定する。同様に、機器用サービス管理部24は、スモーク演出券”用選択肢OP1が選択されている場合には制御対象の演出機器3Bとしてスモーク装置3B3を特定する。
【0063】
次に機器用サービス管理部24は、ステップS602で特定した演出機器3Bの制御が調整条件を満たすか否か判別する(ステップS603)。調整条件は適宜の場合に満たされてよいが、一例として今回の選択結果に対応する視聴者演出が運営側演出、或いは他の視聴者演出と競合したり重複したりした場合に満たされる。このため、機器用サービス管理部24は、演出データADを参照しつつ、今回の付加予定の視聴者演出が運営側演出と競合、或いは重複するか否か判別する。あるいは、機器用サービス管理部24は、今回の付加予定の視聴者演出が他のユーザ端末4から送信された選択結果に対応する視聴者演出と競合、或いは重複するか否か判別する。そして、機器用サービス管理部24は、今回の付加予定の視聴者演出が、運営側演出、或いは他の視聴者演出と競合、或いは重複する場合に調整条件が満たされると、これらと競合も重複もしない場合に調整条件が満たされないと、それぞれ判別する。
【0064】
調整条件が満たされる(今回の付加予定の視聴者演出が、運営側演出、或いは他の視聴者演出と競合、或いは重複する)場合、機器用サービス管理部24は、今回の付加対象(付加予定)の視聴者演出を調整する(ステップS604)。このような調整は、所定の規則に従って調整後演出に変更されるように実行される。具体的には、機器用サービス管理部24は、例えば今回の付加対象の視聴者演出が運営側演出と競合する場合、つまり演出時期及び演出対象の演出機器3Bが共通し、かつそれらに対する互いに反する指示である場合、所定の規則として運営側演出の優先を採用し、運営側演出が優先されるように今回の付加対象の視聴者演出の時期を別の時期に変更する。同様に、機器用サービス管理部24は、例えば今回の付加対象の視聴者演出が他の視聴者演出と競合する場合、所定の規則として選択順(あるいは決済終了順)を採用し、各視聴者演出が選択順に付加されるように各視聴者演出の付加時期を調整する。一方、例えば今回の付加対象の視聴者演出が運営側演出等と重複する場合、機器用サービス管理部24は、演出機器3Bの演出の度合いが大きくなるように視聴者演出の程度を調整する。また、同様の視聴者演出が複数存在する場合には、その程度(効果、或いは価値)はその数(あるいは対価の額)に応じて大きくなるように調整される。
【0065】
なお、このような数(あるいは対価の額)に応じた程度の調整は、数に応じて線形に変化するだけでなく、数が多くなるに従って曲線的(例えば指数関数的)に変化するようにボーナスが付加される等、適宜に実行されてよい。視聴者演出と運営側演出とが重複する場合も同様である。つまり、単に視聴者演出と運営側演出との重複として二つ分の演出が付加されるだけでなく、三つ分に相当する演出等の適宜に重複に伴うボーナスが付加されてもよい。あるいは、スモーク演出券等の各チケット(特典)に複数の対価が設定されている場合(視聴者P3が任意に対価としての購入額を入力できる場合を含む)、対価の額が大きくなるほど価値(効果)が高くなるようにチケットに対応する効果(例えばスモーク演出等のチケット購入に伴う特典)が付与されてもよい。このような対価の額に応じた価値の変化は、重複の場合に限らず、単独の視聴者演出が付加される場合に適用されてもよい。
【0066】
一方、ステップS603において調整条件が満たされない(今回の付加予定の視聴者演出が、運営側演出、或いは他の視聴者演出と競合も重複もしない)場合、或いはステップS604の調整の後に、機器用サービス管理部24は、今回の付加予定の視聴者演出(未調整のもの)、或いは調整後演出(調整後の視聴者演出)を実際にイベントに付加する(ステップS605)。つまり、機器用サービス管理部24は、今回の付加予定の視聴者演出、或いは調整後演出が実現されるように、イベント会場EFの演出機器3Bを実際に制御する。そして、このような付加(制御)の後に、機器用サービス管理部24は今回の演出付加処理を終了する。
【0067】
図12の手順により、チケット画面50における“ライティング演出券”用選択肢OP2、及び“スモーク演出券”用選択肢OP1の選択(購入)に対応する演出がイベント会場EFの演出機器3Bを通じて実際に実現される。つまり、これらの選択肢OPに対応する視聴者演出が実際にイベントに反映される。また、このような視聴者演出は、調整条件が満たされる場合には調整後演出に調整され、反映される。具体的には、運営側演出或いは他の視聴者演出と競合したり重複したりする場合には、時期がずらされたり、視聴者演出の程度(効果)が大きくなるように調整され、反映される。
【0068】
売上分配処理は、各選択肢OPがイベントの出演者P1に関連づけられる場合に、各選択肢OPの売上を分配条件に応じてその出演者P1に分配するための処理である。端末用サービス管理部25は、開始条件が満たされた場合(例えばイベントの終了に対応する所定時間が到来した場合、或いは所定の開始指示が実行された場合)に図13の売上分配処理を開始し、まずその開始条件を満たしたイベント(所定時間が到来したイベント、或いは開始指示が実行されたイベント)に対応する販売データSDを取得する(ステップS701)。
【0069】
続いて端末用サービス管理部25は、その取得した販売データSDを参照しつつ、分配条件に従って売上を分配する(ステップS702)。具体的には、端末用サービス管理部25は、販売データSDの“対価”及び“販売数”を参照し、これらの積に基づいて売上を算出する。また、端末用サービス管理部25は、販売データSDの“出演者ID”の情報に基づいてその売上の分配先を判別する。そして、端末用サービス管理部25は、その判別した分配先の出演者P1に算出した売上を分配条件に従って分配する。分配条件として、適宜の条件が採用されてよいが、一例として所定の割合(例えば一割等)が採用される。つまり、端末用サービス管理部25は、算出した売上のうち所定の割合(例えば一割)に対応する分配額を分配先の出演者P1に分配する。そして、このような分配の後、端末用サービス管理部25は今回の売上分配処理を終了する。これにより、各選択肢OPの選択に伴う売り上げが各選択肢OPに対応する出演者P1に分配条件(例えば所定の割合)に応じて分配される。
【0070】
情報追加処理は、“サイネージMSG券”用選択肢OP3が選択(購入)された場合に、イベント動画60に視聴者P3が入力した情報(広告等のコメント)を表示するための処理である。端末用サービス管理部25は、チケット画面50における選択結果の情報(購入情報)として“サイネージMSG券”用選択肢OP3の選択を取得した場合に図14の情報追加処理を開始し、まずイベント動画60に表示すべき情報として“サイネージMSG券”用選択肢OP3の選択に伴い入力される入力結果を取得する(ステップS801)。この取得は、端末用サービス管理部25によってユーザ端末4にリクエストすることにより実現されてもよい。あるいは、“サイネージMSG券”用選択肢OP3が選択された場合に、ユーザ端末4はそのような情報を含むように選択結果の情報をセンターサーバ2に送信してもよい。この場合、端末用サービス管理部25は、選択結果の情報に含まれる入力結果の情報を特定することにより、この取得を実現してよい。
【0071】
続いて端末用サービス管理部25は、イベント動画60においてコメント等の入力結果を配置すべき配置位置を特定する(ステップS802)。配置位置は、“サイネージMSG券”用選択肢OP3に伴い、視聴者P3によって指定されてもよい。この場合、端末用サービス管理部25は、このような指定結果(例えば選択結果の情報に含まれていてもよいし、ユーザ端末4にリクエストしてもよい)に基づいて配置位置を特定する。あるいは、所定の対価の額、時期、順番等の各種の条件によって配置位置は特定されてもよい。具体的には、例えば対価の額が大きいほど見やすい位置(価値の高い位置)に配置されるように配置位置が特定されてもよい。なお、コメント等の入力結果を表示する大きさ、或いは文字数も指定、或いは対価の額等に応じて適宜に決定されてよい。これらも同様に対価の額が大きくなるほど文字等が大きくなる、或いは文字数が増えるといった具合に価値が増加してよい。そして、これらの場合、このような大きさも配置位置と同様にステップS802において特定されてよい。
【0072】
次に端末用サービス管理部25は、ステップS801で取得した入力結果をステップS802で特定した配置位置に(場合によってはそこで特定した大きさで)イベント動画60に配置する(ステップS803)。具体的には、端末用サービス管理部25は、そのような配置位置に対応するイベント動画60の上に入力結果を含む画像レイヤを表示することにより、このような配置を実現する。そして、このような配置の後に、端末用サービス管理部25は今回の情報追加処理を終了する。これにより、“サイネージMSG券”用選択肢OP3の選択(購入)に対応するコメント等の情報が実際にイベント動画60に表示される。つまり、サイネージMSG券”用選択肢OP3が選択(購入)された場合の特典が実現される。
【0073】
以上に説明したように、この形態によれば、視聴者演出として演出機器3Bを制御するための“ライティング演出券”用選択肢OP2、或いは“スモーク演出券”用選択肢OP1といった選択肢OPがイベント動画60の視聴者P3にチケット画面50を介して提供され、その選択結果(購入結果)に応じて視聴者選出が実際のイベントに付加されるようにイベント会場EFの演出機器3Bが制御される。このため、イベント動画60を視聴する視聴者P3は、そのイベントに視聴者演出として実際に影響を与えることができる。これにより、イベント動画60が単に視聴されるだけの場合に比べて、そのような視聴者P3のイベントへの臨場感を向上させることができる。また、このような視聴者演出の付加は、イベントの盛り上げにも寄与する。結果として、イベント動画60の視聴者P3の満足度はもちろん、そのような視聴者P3の関与を通じてイベントの参加者P2の満足度も向上させることができる。
【0074】
また、そのような視聴者演出が調整条件を満たす場合には、所定の規則に従って適宜調整される。具体的には、視聴者演出と運営側演出とが競合する場合には、運営側演出が優先されるように、視聴者演出の付加時期が調整される。結果として、このような競合が生じる場合でも、運営側演出の実行が確保される。これにより、運営側演出の最低限の趣旨を維持することができるとともに、視聴者演出をそのような運営側演出を補強する演出として活用することができる。あるいは、視聴者演出と運営側演出とが重複する場合には、視聴者演出の数(あるいは対価の額)が大きくなるほど効果(あるいは価値)の度合いが大きくなるように視聴者演出が運営側演出に付加される。この場合もやはり運営側演出の実行は確保される。このため、同様に、運営側演出の最低限の趣旨の確保、及び運営側演出の補強としての視聴者演出の活用を実現することができる。また、複数の視聴者演出間に競合、或いは重複が生じた場合も同様の調整が実行されるが、これにより複数の視聴者演出の実現が担保される。
【0075】
さらに、チケット画面50において各選択肢OPの提供の可否が演出データAD等に基づいて制御される場合、不適切な視聴者演出の指示、或いは販売不可な関連グッズの販売等、不適切な選択(販売)を抑制することができる。これにより、視聴者P3の利便性を向上させることができるとともに、使用不可の演出機器3Bの制御等が視聴者演出等として要求される場合に生じる視聴者の要求と実現不可な演出等との間の齟齬を抑制することができる。
【0076】
一方、チケット画面50における“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPの選択(それらに対応するスモーク演出券等の使用権)は所定の対価の徴収と引き換えに提供される。このため、このような選択(権利)が無償で実行(付与)される場合に比べて、無秩序な多数の視聴者演出等の付与を抑制することができる。また、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPに対応する視聴者演出等の影響(特典)の効果(価値)は、例えば各選択肢OPの選択数(例えば視聴者演出の付加の指示の数)、或いはそのために徴収された対価の額が大きくなるほど大きくなるため、視聴者P3の参加意識の度合い、或いはイベントに対する意識を、そのような選択数、或いは対価の額の大きさを通じてイベントの演出等の各種のイベント要素に反映することができる。これらにより、イベント動画60の視聴者P3のそのイベントへの参加意識を向上させることができる。
【0077】
さらに、各選択肢OPがイベントの出演者P1に関連づけられ、各選択肢OPの選択(販売)に伴う売り上げが所定の割合等の分配条件に応じて分配される場合、そのような分配条件に基づく分配額を利用して、出演者P1のイベントに対するモチベーションを向上させることができる。出演者P1のモチベーションはイベントの盛り上がり度等のイベント状況に影響を与える場合が多いため、このような分配額を利用して、イベントが盛り上がる確率を向上させることができる。
【0078】
以上の形態において、ユーザ端末4の画像制御部43が、図10のステップS203の処理を実行することにより本発明の選択肢提供手段として機能する。また、ユーザ端末4のデータ管理部44が、図11のステップS403の処理を実行することにより本発明の結果提供手段として機能する。一方、センターサーバ2の端末用サービス管理部25が、図10のステップS302の処理を実行することにより本発明の情報提供手段として機能する。同様に、センターサーバ2の機器用サービス管理部24が、図12のステップS601の処理、ステップS604の処理、及びステップS605の処理を実行することにより本発明の情報取得手段、演出調整手段、及び機器制御手段(あるいは特典付与手段)としてそれぞれ機能する。あるいは、センターサーバ2の端末用サービス管理部25が、図14のステップS801の処理、及びステップS803の処理を実行することにより本発明の情報取得手段、及び特典付与手段としてそれぞれ機能してもよい。もしくは、センターサーバ2の端末用サービス管理部25が、図13のステップS702を実行することにより本発明の特定付与処理として機能してもよい。
【0079】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPの効果は選択時期、或いは購入時期等によって変化せず、一律に生じている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPに対応する特典の効果は、運営側演出の時期と重複する時期(例えば“スモーク演出券”用選択肢OP1に対応する視聴者演出の時期が運営側演出のスモーク演出の時期と重なる場合)、運営者が設定する特定の時期、或いは特定の出演者P1が出演している時期等の適宜の時期条件に応じて変化してよい。つまり、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPには、その効果がそれ以外の時期に比べて高くなる特定時期が設定されていてもよい。そして、端末用サービス管理部25、或いは端末用サービス管理部25は、このような特定時期に“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPに対応する効果(例えば視聴者演出等)が付加される場合に、その特定時期以外の時期に比べて高い効果を付与してもよい。
【0080】
また、上述の形態では、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPの選択(購入)に伴い、それらに対応する効果が即所定時期に付加されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、上述のとおり、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPは、事前に権利として購入され、各視聴者P3によって所持されてもよい。例えば、このような所持数(所持する権利の数)は、上述の実績データを介して管理されてもよい。具体的には、実績データは、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の各選択肢OPに対応する権利(特典)とそれを所有する各視聴者P3を識別するために視聴者P3毎にユニークなユーザID(ユーザ識別情報)とが関連付けられるように記述されたレコードを含んでいてよい。そして、このようなレコードを介して実績データによって視聴者P3毎に視聴者演出等を付加する権利(あるいはチケット)の所有数が管理されてよい。この場合、各権利(チケット)の使用時に視聴者演出等の実際の特典が付与されてもよい。このため、例えば、上述の特定期間として、各チケットに対応付けられる出演者P1の出演時期が機能してもよい。つまり、各チケットがそれに対応付けられる出演者の出演時期に使用された場合に、その出演時期以外の時期よりも高い効果が付与されてもよい。各選択肢OPに対応する権利(特典)が実績データを介して管理される場合において、その実績データが本発明の特典データとして機能する。また、そのような実績データを含むサーバ用データ23を記憶することにより、センターサーバ2の記憶部22が本発明のデータ記憶手段として機能する。
【0081】
上述の形態では、動画配信サービスを通じてイベント動画60が配信されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。適宜の動画が動画配信サービスを通じて配信されてよい。そして、そのような動画の特性に対応する各種の選択肢OPが用意され、そのような選択肢OPに対応する各種の効果(特典)がそれらの選択肢OPの選択(購入)に伴い付加されてよい。例えば、このような動画として、演出機器3Bを通じた演出を含まないイベントを撮影した動画が利用されてもよい。この場合、“スモーク演出券”用選択肢OP1等の演出機器3Bを制御するための選択肢OPは省略されてもよい。
【0082】
上述の形態では、ユーザ端末4を介してイベント動画60を視聴する視聴者P3にチケット画面50が提供されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。イベントシステム1では、イベント動画60の視聴とは無関係にチケット画面50が提供されてもよい。つまり、イベント関連サービス(チケット画面50の提供、及びそこで選択された選択肢OPに対応する特典の付与)は、イベント動画60、或いは動画配信サービスと無関係に提供されてもよい。この場合、例えば、イベントの参加者P2がイベント会場EFにおいてユーザ端末4を介してイベント関連サービスを享受してもよい。つまり、各種チケットの販売、或いはそれらに対応する特典(演出機器3Bを通じた演出等)は、イベント会場EFの参加者P2に提供されてもよい。この場合において、チケットの使用(あるいは各選択肢OPの選択に伴う特典の付加対象、若しくは各選択肢OPの提供の可否)とそれに対応するイベントとの間の対応関係は、適宜に特定されてよい。例えば、イベント一覧からユーザ(参加者P2)が対象のイベントを選択することにより、これらの間の対応関係が特定されてもよい。もしくは、各チケットは、各イベントに関連づけられて販売されてもよい。つまり、各チケットは、特定のイベントに固有のものとして販売されてよい。そして、例えばユーザ端末4のユーザがイベントに参加しているか否かにかかわらず、そのようなチケットの使用はそのチケットに対応するイベントへの特典の付与指示として機能してよい。もしくは、例えば、イベントの会場EF内に設置されたWi-Fi等の無線設備を利用して通信を行うユーザ(参加者P2)はイベント会場にいると判断され、イベント関連サービスが提供されてもよい。つまり、設備固有の識別情報を利用したりロケーション情報を利用したりしてユーザとイベントとの対応関係が特定されてもよい。そして、これらの場合、動画配信サービスは省略されてもよい。
【0083】
また、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をイベントシステム等の他のシステムが実行してもよい。つまり、本発明のイベントシステムは、各種の他のシステムを適宜に含んでいてもよい。一方で、センターサーバ2のみが本発明のイベントシステムとして機能してもよい。
【0084】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0085】
本発明のユーザ端末に用いられるコンピュータプログラム(PG2)は、演出機器(3B)を通じた演出を含むイベントの運営者によって設定された設定データ(AD)に従って前記演出機器を制御することにより前記演出として運営側演出を実現するシステム(1)に、ネットワーク(NT)を介して接続されるユーザ端末(4)に組み込まれるコンピュータ(41)を、前記演出としてユーザ演出を前記運営側演出に付加するための付加選択肢(OP)を前記ユーザ端末のユーザに提供する選択肢提供手段(43)、及び前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供する結果提供手段(44)として機能させるように構成されたものである。
【0086】
一方、本発明のイベントシステムは、演出機器(3B)を通じた演出を含むイベントの運営者によって設定された設定データ(AD)に従って前記演出機器を制御することにより前記演出として運営側演出を実現するシステムに、ネットワーク(NT)を介して接続されるユーザ端末(4)が、前記演出としてユーザ演出を前記運営側演出に付加するための付加選択肢(OP)を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステム(1)であって、前記選択結果の情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手段(24)と、前記情報取得手段の取得結果に基づいて、前記ユーザ演出が前記運営側演出に付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手段(24)と、を備えるものである。
【0087】
本発明のユーザ端末に用いられるコンピュータプログラム、及びイベントシステムによれば、ユーザ演出として演出機器を制御するための選択肢がユーザ端末のユーザに提供され、その選択結果に応じてユーザ演出が実際のイベントに付加されるように演出機器が制御される。このため、ユーザ端末のユーザは、そのイベントにユーザ演出として実際に影響を与えることができる。これにより、例えばそのようなユーザ端末のユーザがそのイベントに参加者として参加している場合において、そのイベントの参加者の参加意識を向上させることができる。また、ユーザ端末は適宜のユーザによって使用されてよいが、例えばそのようなユーザはイベントの参加者だけでなく、配信等を通じてイベントの撮影動画を視聴する視聴者(撮影動画を介したイベントの参加者)に該当する場合がある。それらのいずれの場合でもイベントへの参加者意識の向上を図ることができるが、特にユーザが後者に該当するのであれば、イベントの撮影動画が単に視聴されるだけの場合に比べて、そのような撮影動画の視聴者の臨場感を向上させることができる。また、ユーザ演出の付加はイベントの盛り上げにも寄与する。結果として、撮影動画の視聴者の満足度はもちろん、そのような視聴者の関与を通じてイベントの参加者の満足度も向上させることができる。
【0088】
ユーザ演出は、適宜に実現されてよい。例えば、ユーザ演出は無条件に(あるいは優先的に)イベントに付加されてもよい。一方で、ユーザ演出は、イベント状況に応じて適宜に調整されてもよい。具体的には、例えば、イベントに予め運営側が用意した運営側演出が存在する場合にはその運営側演出の趣旨を壊さないように適宜に制限されてもよい。少なくとも運営側演出が優先されるように調整されてもよい。あるいは、イベント会場における現実的な制限として音量制限等が設けられている場合には、そのような制限に応じて適宜調整されてもよい。例えば、本発明のイベントシステムの一態様として、前記ユーザ演出を所定の規則に従って調整することにより調整後演出に変更する演出調整手段を備え、前記機器制御手段は、前記ユーザ演出として前記調整後演出が前記運営側演出に付加されるように前記演出機器を制御する態様が採用されてもよい。
【0089】
所定の規則は適宜に設定されてよい。例えば、所定の規則として、運営側演出とユーザ演出とが競合した場合に運営側演出をユーザ演出よりも優先する規則が採用されてもよいし、その反対にユーザ演出を運営側演出よりも優先する規則が採用されてもよい。具体的には、ユーザ演出が所定の規則に従って調整される態様において、前記演出調整手段は、前記ユーザ演出が所定時期に実現されるように前記付加選択肢が選択され、前記所定時期において前記ユーザ演出と前記運営側演出とが競合する場合に、前記所定の規則として前記運営側演出の優先を利用し、前記運営側演出を優先するように前記ユーザ演出を前記調整後演出に変更してもよい。この場合、運営側演出の実行が確保される。これにより、運営側演出の最低限の趣旨を維持することができるとともに、ユーザ演出をそのような運営側演出を補強する演出として活用することができる。
【0090】
また、運営側演出の優先は適宜に実現されてよい。例えば、演出機器としてのライトを点灯させる演出が運営側演出として実行される時期にユーザ演出としてその同じライトを点滅させる演出が要求される場合、実際のライトは点灯(運営側演出)され、その同じ時期にユーザ演出として他の演出機器としてのスモーク装置からスモークを発生させる演出が実行されてもよい。つまり、運営側演出とユーザ演出とが競合した場合に運営側演出が優先され、ユーザ演出の演出対象は別の演出機器(ユーザの要求とは異なる)に変更されてもよい。あるいは、運営側演出が優先されるように単にユーザ演出の時期が変更されてもよい。具体的には、運営側演出が優先される調整が実行される態様において、前記演出調整手段は、前記所定時期を別の時期に変更することにより前記ユーザ演出を前記調整後演出に変更してもよい。あるいは、運営側演出が優先される調整が実行される態様において、前記演出調整手段は、前記ユーザ演出として一定期間継続する演出が利用され、当該一定期間の途中に前記運営側演出の時期が到来する場合に、当該運営側演出の時期を基準に当該時期の前後に前記ユーザ演出を分けることにより前記ユーザ演出を前記調整後演出に変更してもよい。
【0091】
付加選択肢を通じたユーザ演出の選択(要求)は適宜に実行されてよい。例えば、各ユーザは同時期に一度のユーザ演出の要求(付加選択肢の選択)に制限されてもよいし、一度に複数のユーザ演出の付加が要求されてもよい。あるいは、複数のユーザ(複数のユーザ端末)を通じて複数のユーザ演出が同時期に要求されてもよい。このような場合において、複数のユーザ演出は適宜に実現されてよい。例えば、これらのユーザ演出は、数を優先し、順番に随時実現される等、一部時期がずれるように実現されてもよい。あるいは、時期を優先し、これらのユーザ演出は一つに集約され、同時に一度のユーザ演出として実現されてもよい。この場合において、その一度のユーザ演出の程度(効果)には、集約されたユーザ演出の数が反映されてもよいし、反映されなくともよい。例えば、所定の規則に従ってユーザ演出を調整する本発明の一態様において、前記演出調整手段は、前記付加選択肢を通じて複数のユーザ演出の付加が指示される場合に、前記所定の規則として前記複数のユーザ演出の数を利用し、当該数が増加するほど前記演出機器を通じた演出の度合いが大きくなる一回の演出が前記調整後演出として実行されるように前記複数のユーザ演出を一回の前記調整後演出に集約することにより各ユーザ演出を前記調整後演出に変更してもよい。また、所定の規則に従ってユーザ演出を調整する本発明の一態様において、前記演出調整手段は、前記演出調整手段は、前記付加選択肢を通じて複数のユーザ演出が所定時期において競合するように指示される場合に、前記所定の規則として前記付加選択肢の選択順を利用し、各ユーザ演出を前記所定時期から前記選択順に実行する調整を実行することにより各ユーザ演出を前記調整後演出に変更してもよい。
【0092】
また、付加選択肢は適宜に提供されてよい。例えば、付加選択肢は、イベントを通して一律に(固定的に)提示されてもよいし、適宜に変更されてもよい。例えば、このような変更は、イベントに複数の出演者が含まれる場合にはそのような出演者(あるいはそのような出演者に対応する時期)に応じて、そのような出演者に応じた適宜の選択肢が提示されるように実現されてもよい。あるいは、使用可能な演出機器がイベント中において変化する場合には、そのような使用可能な演出機器に応じて付加選択肢の内容は変化してもよい。同様に、例えば運営側演出で使用予定の演出機器の利用に限定される、運営側演出と競合する演出機器の利用が制限される等、運営側演出を基準に付加選択肢の内容は変化してもよい。
【0093】
具体的には、例えば、所定の規則に従ってユーザ演出を調整する本発明の一態様として、前記運営側演出の時期を基準に前記付加選択肢の提供の可否が制御されるように、前記運営側演出の時期の情報を前記ユーザ端末に提供する情報提供手段(25)を備える態様が採用されてもよい。また、この態様において、前記情報提供手段は、前記演出機器として複数の演出機器が利用され、当該複数の演出機器にそれぞれ対応する複数の付加選択肢が各演出機器の制御を通じて前記ユーザ演出をそれぞれ付加するための前記付加選択肢として用意される場合に、各演出機器と各演出機器の演出時期とが関連付けられるように記述された演出データに基づいて付加選択肢毎に各付加選択肢の提供の可否が制御されるように、前記運営側演出の時期の情報として前記演出データを前記ユーザ端末に提供してもよい。これらの場合、ユーザの利便性を向上させることができるとともに、使用不可の演出機器の制御がユーザ演出として要求される場合等に生じるユーザの要求と実現可能な演出との間の齟齬を抑制することができる。
【0094】
ユーザ端末は適宜のユーザによって使用されてよい。例えば、上述のとおりユーザ端末のユーザはイベントの参加者であってもよいし、そのイベントに対応する撮影動画の視聴者(参加者である場合を含む)であってもよい。このため、本発明のイベントシステムの一態様において、前記機器制御手段は、前記イベントを撮影した撮影動画が前記ユーザ端末に配信され、前記撮影動画の視聴者が前記ユーザとして機能する場合に、前記撮影動画の前記イベントに含まれる前記運営側演出に前記ユーザ演出が付加されるように、前記撮影動画の前記イベントにおいて前記演出機器を制御してもよい。
【0095】
一方、本発明のイベントシステムに用いられるコンピュータプログラム(PG1)は、前記ユーザ端末に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータ(21)を、上述のイベントシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0096】
また、本発明のイベントシステムに用いられる制御方法は、演出機器(3B)を通じた演出を含むイベントの運営者によって設定された設定データ(AD)に従って前記演出機器を制御することにより前記演出として運営側演出を実現するシステムに、ネットワーク(NT)を介して接続されるユーザ端末(4)が、前記演出としてユーザ演出を前記運営側演出に付加するための付加選択肢(OP)を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記付加選択肢が選択された場合に当該付加選択肢の選択を示す選択結果の情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記選択結果の情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手順と、前記情報取得手順の取得結果に基づいて、前記ユーザ演出が前記運営側演出に付加されるように前記演出機器を制御する機器制御手順と、を実行させるものである。これらのコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のイベントシステムを実現することができる。
【0097】
(参考例)
上述のとおり特許文献1のシステムでは、キャラクタの動作を制御するためのコマンドの候補が提示され、その候補から選択されたコメントに対応する動作を大型表示装置のキャラクタが実際に実行する。これにより、イベント会場の観客の特性に応じた動作をより簡便にキャラクタに実行させ、ひいては満足度の高いイベントの実現が図られている。一方で、このようなコマンドを介したキャラクタの動作の制御は操作者に限定されており、観客の希望が反映されるわけではない。このため、観客の満足度を向上させる余地がある。
【0098】
そこで、以下に例示する態様は、イベントへの参加意識を向上させることができるイベントシステム等を提供することを目的とする。
【0099】
本参考例のユーザ端末に用いられるコンピュータプログラム(PG2)は、イベント会場(EF)で開催されるイベントにおいて当該イベントの一部として機能するイベント要素の提供を制御するシステムに、ネットワーク(NT)を介して接続されるユーザ端末(4)に組み込まれるコンピュータ(41)を、前記イベント要素に対応する特典を所定の対価と引き換えに購入するための購入選択肢(OP)を前記ユーザ端末のユーザに提供する選択肢提供手段(43)、及び前記購入選択肢の選択を通じて購入された前記特典としての購入特典が使用された場合に、前記購入特典の使用を示す使用情報を前記システムに提供する結果提供手段(44)として機能させるように構成されたものである。
【0100】
一方、本参考例のイベントシステムは、イベント会場(EF)で開催されるイベントにおいて当該イベントの一部として機能するイベント要素の提供を制御するシステムに、ネットワーク(NT)を介して接続されるユーザ端末(4)が、前記イベント要素に対応する特典を所定の対価と引き換えに購入するための購入選択肢(OP)を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記購入選択肢の選択を通じて購入された前記特典としての購入特典が使用された場合に、前記購入特典の使用を示す使用情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステム(1)であって、前記使用情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手段(24、25)と、前記使用情報に基づいて、前記購入特典に対応する前記所定の対価の額が大きくなるほど価値が高くなるように前記購入特典を前記イベント要素に付与する特典付与手段(24、25)と、を備えるものである。
【0101】
本参考例のユーザ端末に用いられるコンピュータプログラム、及びイベントシステムによれば、イベント要素に対応する特典を購入するための選択肢がユーザ端末のユーザに提供され、所定の対価と引き換えに購入された選択肢が使用された場合にその選択肢に対応する特典が所定の対価の額が大きくなるほど価値が高くなるようにイベント要素に実際に付与される。このため、ユーザ端末のユーザは、そのような特典の使用を通じてイベントに実際に影響を与えることができる。これにより、そのイベントへのユーザの参加意識を向上させることができる。一方で、このような特典は所定の対価と引き換えに購入されるため、無償で付与される場合に比べて、無秩序な多数の特典の付与を抑制することができる。さらに、特典の価値が所定の対価の額が大きくなるほど大きくなるため、視聴者の参加意識の度合い、或いはイベントに対する意識を、そのような対価の額の大きさを通じてイベント要素に反映することができる。また、ユーザ端末は適宜のユーザによって使用されてよいが、例えばそのようなユーザはイベントの参加者、或いは配信等を通じてイベントの撮影動画を視聴する視聴者に該当する場合がある。それらのいずれの場合でもイベントへの参加者意識の向上を図ることができるが、特にユーザが後者に該当するのであれば、このような選択肢がない場合に比べて、イベントを撮影した撮影動画を視聴する視聴者のイベントへの臨場感を向上させることができる。
【0102】
特典は、イベントの内容、時期、或いは出演者等にかかわらず一律であってもよいし、それら等の各種の条件に応じて適宜に調整されてもよい。例えば、本参考例のイベントシステムの一態様において、前記特典付与手段は、前記購入特典が前記イベントに出演する複数の出演者(P1)の各出演者に関連づけられる場合に、前記購入特典が使用されたときの各出演者に応じて前記購入特典を調整してもよい。
【0103】
イベント要素として、イベントに含まれる各種の要素が利用されてよい。例えば、イベント要素としてイベントの参加者が利用され、イベントの参加者にライト等の適宜のグッズを配布する特典が特典の購入に伴い付与されてもよい。あるいは、イベント要素としてイベントの出演者が利用され、その出演者にいわゆるおひねり(あるいは投げ銭)を付与する特典が特典の購入に伴い付与されてもよい。また、演出機器による演出を含むイベントの場合、そのような演出がイベント要素として利用され、その演出機器に所定の演出を付加する特典が特典の購入に伴い付与されてもよい。さらに、イベントを撮影した撮影動画がユーザ端末に配信される場合において、そのような撮影動画がイベント要素として利用され、その撮影動画に適宜の情報を付加する特典が特典の購入に伴い付与されてもよい。
【0104】
具体的には、例えば、各出演者に応じて購入特典が調整される態様において、前記特典付与手段は、前記イベントの演出に所定の演出を付与する演出特典が前記購入特典として利用される場合に、前記イベント要素として前記演出を利用し、前記演出特典の使用に伴い前記購入特典として前記所定の演出を前記イベントの前記演出に付与してもよい。また、この態様において、前記特典付与手段は、ネットワーク(NT)を介して接続される演出機器(3B)の制御を通じて前記演出が実現されるように前記演出機器が前記イベントのために前記イベント会場に用意される場合に、前記演出特典の使用に伴い前記所定の演出が前記演出機器を通じて実現されるように前記演出機器を制御することにより前記所定の演出を前記イベントの前記演出に付与してもよい。そして、これらの態様において、前記特典付与手段は、前記所定の演出が各出演者に応じて変化するように、前記購入特典が使用されたときの各出演者に応じて前記所定の演出を調整してもよい。あるいは、各出演者に応じて購入特典が調整される態様において、前記特典付与手段は、前記イベント要素、及び前記購入特典として、前記購入特典に対応する出演者、及び前記所定の対価の額の少なくとも一部を分配する分配額をそれぞれ利用し、各出演者に対応する前記所定の対価の額に応じて前記分配額を調整してもよい。
【0105】
特典の効果は、所定の対価の額に応じて価値が高くなる限り、適宜に付与されてよい。例えば、所定の対価の額が同じ場合において、特典の効果は、無条件に一律に同様であってもよいし、条件に応じて変化してもよい。例えば、特典の効果は、イベントの運営者等の設定結果、所定の時期、或いはイベントの出演者等の適宜の条件に応じて所定の対価の額が同じ場合においても変化してよい。具体的には、例えば、購入特典として演出特典が利用される態様において、前記特典付与手段は、前記イベントの特定期間において前記演出特典が使用された場合に、前記特定期間以外の期間に前記演出特典が使用される場合に比べて効果が高くなるように前記所定の演出を前記イベントの前記演出に付与してもよい。この場合、演出特典の付加を特定期間に誘導することができる。このため、特定期間を利用して、例えばイベント状況から見て最も効果的と考えられる期間に演出特典の時期を誘導することができる。
【0106】
特定期間は、適宜に設定されてよい。例えば、特定期間は、特典の購入額、或いは購入数等の購入条件が満たされた場合、或いは参加者数、視聴者数等の人数条件が満たされた場合に、それらの条件が満たされた時期を基準に適宜に設定されてもよい。また、特定期間は、例えば運営者、参加者、出演者、或いは視聴者等によって適宜に設定されてよい。このため、例えば、このような期間として、運営者(あるいはイベント会場)等の要請に基づく適宜の期間が設定されてよい。具体的には、例えば、特定期間が利用される態様において、前記特典付与手段は、前記出演者と当該出演者の出演時間とが関連付けられるように記述されたイベントデータ(ED)の前記出演時間を前記特定期間として利用し、前記演出特典が前記出演時間に使用された場合に当該出演時間以外の時間よりも高い効果を付与することにより各出演者に応じて前記所定の演出を調整してよい。また、このような態様において、前記特典付与手段は、前記購入特典の使用に伴い当該購入特典の一部として更に当該購入特典に対応する前記所定の対価の額の少なくとも一部を当該購入特典に対応する出演者に分配額として分配するとともに、前記所定の対価の額に応じて前記分配額を調整してもよい。この場合、このような分配額を利用して、出演者のイベントに対するモチベーションを向上させることができる。
【0107】
特典の付与(少なくとも特典を付与のための処理)は、選択肢の選択に伴い即実行されてもよいし、適宜の所定の時期に実行されてもよい。あるいは、特典の付与は、指定等に基づいて購入者(例えば視聴者)の希望する任意の時期に実行されてもよい。具体的には、例えば、特典は、購入に伴い、購入者の所有する権利として別途管理され、その権利(特典)の使用に伴いその使用時期に付与されてもよい。また、このような特典(権利)の所有数は、適宜のデータを介して管理されてよい。具体的には、例えば、本参考例のイベントシステムの一態様として、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報と各ユーザが購入した前記購入特典の情報とが関連づけられるように記述された特典データ(23)を記憶するデータ記憶手段(22)を備え、前記情報取得手段は、前記ユーザ端末から前記購入特典の情報及び前記購入特典を購入したユーザに対応する前記ユーザ識別情報が提供される場合に、当該購入特典の情報が前記特典データに反映されるように前記特典データを更新する態様が採用されてもよい。
【0108】
また、イベント要素として、上述のとおりイベントに関連する要素が利用されてよい。例えば、イベントの撮影動画がユーザ端末に配信される場合、そのような撮影動画がイベント要素として機能してもよい。このため、例えば、本参考例のイベントシステムの一態様において、前記特典付与手段は、前記イベントを撮影した撮影動画(60)が前記ユーザ端末に配信され、前記撮影動画の視聴者が前記ユーザとして機能する場合に、前記イベント要素、及び前記特典として前記撮影動画、及び当該撮影動画用の演出を利用し、当該撮影動画用の演出を前記撮影動画に付与してもよい。
【0109】
一方、本参考例のイベントシステムに用いられるコンピュータプログラム(PG1)は、前記ユーザ端末に前記ネットワークを介して接続されるコンピュータ(21)を、上述のイベントシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0110】
また、本参考例のイベントシステムに用いられる制御方法は、イベント会場(EF)で開催されるイベントにおいて当該イベントの一部として機能するイベント要素の提供を制御するシステムに、ネットワーク(NT)を介して接続されるユーザ端末(4)が、前記イベント要素に対応する特典を所定の対価と引き換えに購入するための購入選択肢(OP)を前記ユーザ端末のユーザに提供するとともに、前記購入選択肢の選択を通じて購入された前記特典としての購入特典が使用された場合に、前記購入特典の使用を示す使用情報を前記システムに提供するときに、前記システムとして機能するイベントシステム(1)であって、前記使用情報を前記ユーザ端末から取得する情報取得手順と、前記使用情報に基づいて、前記購入特典に対応する前記所定の対価の額が大きくなるほど価値が高くなるように前記購入特典を前記イベント要素に付与する特典付与手順と、を実行させるものである。これらのコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本参考例のイベントシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0111】
1 イベントシステム
2 センターサーバ(サーバ装置)
4 ユーザ端末
21 制御ユニット(コンピュータ)
22 記憶部(データ記憶手段)
23 サーバ用データ(特典データ)
24 機器用サービス管理部(情報取得手段、機器制御手段、演出調整手段、特典付与手段)
25 端末用サービス管理部(情報提供手段、情報取得手段、特典付与手段)
41 制御ユニット(コンピュータ)
43 画像制御部(選択肢提供手段、結果提供手段)
AD 演出データ(設定データ)
ED イベントデータ
OP 選択肢(付加選択肢、購入選択肢)
NT ネットワーク
PG1 プログラム(コンピュータプログラム)
PG2 プログラム(コンピュータプログラム)
図1
図2
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