(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164719
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】荷車
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20221020BHJP
B62B 5/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
G07G1/00 301Z
B62B5/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130119
(22)【出願日】2022-08-17
(62)【分割の表示】P 2018037808の分割
【原出願日】2018-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】原 法義
(72)【発明者】
【氏名】飯坂 仁志
(72)【発明者】
【氏名】内藤 英浩
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 孝浩
(72)【発明者】
【氏名】横山 佑季子
(72)【発明者】
【氏名】倉田 真考
(57)【要約】
【課題】商品を特定する商品特定装置を使い易い位置に取り付けられる荷車を提供すること。
【解決手段】実施形態のショッピングカートは、床面上を走行自在に設けられたキャスタ部を備えている。キャスタ部の後端には、上方に向けて設けられたフレームが設けられており、キャスタ部上又はフレーム前側には、商品を載置する載置部が設けられている。フレームには、設けられ、操作者が把持するグリップ部と、このグリップ部の複数の位置に着脱可能に構成され、商品を特定する商品特定装置が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上を走行自在に設けられたキャスタ部と、
前記キャスタ部の後端から上方に向けて設けられたフレームと、
前記キャスタ部上又は前記フレーム前側に設けられ、商品を載置する載置部と、
前記フレームに設けられ、操作者が把持するグリップ部と、
このグリップ部の複数の位置に着脱可能に構成され、商品を特定する商品特定装置と、を具備する荷車。
【請求項2】
前記グリップ部は、水平方向に延設されたハンドバーである請求項1に記載の荷車。
【請求項3】
前記商品特定装置は、前記グリップ部に締結部材により固定される請求項1に記載の荷車。
【請求項4】
前記フレームは、前記ハンドバーの両端より外側に延出して配置され、前記操作者が把持する延長グリップをさらに有する請求項2に記載の荷車。
【請求項5】
前記延長グリップは、前記フレームに対し、着脱自在に取り付けられる請求項4に記載の荷車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、荷車に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやショッピングモール等の店舗において、POS(point-of-sale)システムが導入されている店舗が増えつつある。このような店舗では、顧客が使用するショッピングカートに商品を特定する商品特定装置、例えば、スキャナを取り付けて、商品に付された商品コードを顧客に読み取らせるようにしたショッピングカートが知られている。このようなスキャナは、ショッピングカートのハンドバーに取り付けられている。
【0003】
しかしながら、ハンドバーは顧客がショッピングカートを押し引きするために設けられており、スキャナを設置する位置によっては、ハンドバーを掴みづらく、ショッピングカートの移動に支障を感じる例があった。また、ショッピングカートの中央に取り付けると、買い物カゴの内部が見にくくなるといった例もがあった。
【0004】
このため、スキャナをハンドバーの適切な位置に設置できるショッピングカートが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、商品を特定する商品特定装置を使い易い位置に取り付けられる荷車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の荷車は、床面上を走行自在に設けられたキャスタ部を備えている。キャスタ部の後端には、上方に向けて設けられたフレームが設けられており、キャスタ部上又はフレーム前側には、商品を載置する載置部が設けられている。フレームには、設けられ、操作者が把持するグリップ部と、このグリップ部の複数の位置に着脱可能に構成され、商品を特定する商品特定装置が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態にかかるショッピングカートを示す外観斜視図である。
【
図2】
図2は、ショッピングカートに組み込まれた制御部を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、ショッピングカートに取り付けられたスキャナの移設位置を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、延設アームが取り付けられたショッピングカートを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態にかかるPOS(point-of-sale)システムに対応したショッピングカート(荷車)10を示す外観斜視図、
図2は、ショッピングカート10に組み込まれた制御部200を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、ハンドルフレーム部40側を後方とし、ハンドルフレーム部から突出する籠受部50の突出方向を前方とする。
【0010】
なお、図示はしないが、ショッピングカート10は顧客が購入を希望する商品の商品コードを読み取る登録機として機能する。読取った商品のリストは別装置である精算機へと転送される。顧客は精算機を使用することによって、精算を行うものとする。
【0011】
図1に示すように、本実施形態にかかるショッピングカート10は、商品を収容する買い物カゴPを運搬するカート部20と、カート部20に取り付けられた電装部100とを備えている。カート部20は、床面上を円滑に移動させるためのキャスタ部30と、このキャスタ部30の後輪側に立設されたハンドルフレーム部40と、このハンドルフレーム部40の高さ方向の中間位置に、前方に向けて取り付けられた籠受部50とを備えている。キャスタ部30及び籠受部50は、買物カゴPが適宜載せられるように構成されている。買い物カゴPは、揺動する持ち手Paを有している。
【0012】
キャスタ部30は、後辺が開口した四角枠状のフレーム31と、このフレーム31の四隅にそれぞれ設けられたキャスタ32を備えている。キャスタ32は、鉛直方向の軸周りに自由に回転するブラケット32aと、このブラケット32aに水平方向に自由に回転するゴムあるいは樹脂製の車輪32bを備えている。このフレーム31には、受け部33が設けられている。受け部33は、買い物カゴPの下部が収まる寸法で形成されている。
【0013】
ハンドルフレーム部40は、キャスタ部30の左右の後輪側にそれぞれ取り付けられた縦フレーム41,41と、これら縦フレーム41,41の上端を繋ぐ水平方向のハンドバー42を備えている。左側の縦フレーム41には、延長アーム43が取り付けられている。
【0014】
籠受部50は、四角枠状のフレーム51と、このフレーム51の下側に設けられた受け部52を有している。受け部52は買い物カゴPの下部が収まる寸法で形成されている。
【0015】
電装部100は、キャスタ部30の上部に設けられる。ハンドルフレーム部40の下端側に縦フレーム41,41に亘って取り付けられたバッテリ部110と、商品コードを読み取るためのスキャン装置120を設ける。また、スキャン装置120で読み取った商品の商品名称・単価等の各種情報を表示する表示器150と、買い物カゴP内部等を撮像するカメラ160とを備えている。バッテリ部110は、スキャン装置120、表示器150、カメラ160にハンドルフレーム部40に内装された電力線を介して電力を供給している。また、スキャン装置120、表示器150、カメラ160相互は、ハンドルフレーム部40及び延長アーム43に内装したケーブルにより接続されている。表示器150は、延長アーム43の上端に取り付けられている。また、カメラ160は延長アーム43の中途部に取り付けられている。これらの構成によって顧客が購入を希望する商品の商品コードを読み取る登録機としてのショッピングカートが構成される。
【0016】
図1に示すように、スキャン装置120は、ハンドバー42に着脱自在に取り付けられるクランプ121と、このクランプ121に一体的に取り付けられたスキャナ本体122を具備している。クランプ121は、ハンドバー42の軸方向に移動することを防止するためボルト121aによって締結されている。
【0017】
スキャナ本体122の前面には、商品を特定する商品コードを読み取る読取部(商品特定装置)123が設けられている。さらに、スキャナ本体122の上面には読取部123による読取動作を開始するためのスキャナトリガ124が設けられている。
【0018】
表示器150はタッチパネル機能を有する表示パネル152を有する。端末筐体151の正面に表示パネル152が設けられている。端末筐体151内部には、バッテリ部110、スキャン装置120、表示器150、カメラ160を連携制御する制御部200が設けられている。
【0019】
図2に示すように、制御部200は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)201に、バスライン210を介して、固定データを固定的に記憶するROM(Read Only Memory)202と、可変データを書き換え自在に記憶してCPU201のワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)203と、不揮発性メモリ204とが接続されている。RAM203には、上位サーバからダウンロードした商品マスタや、顧客が読取った商品コードと商品マスタに基づいて作成される買物リストを記憶する記憶領域が設けられている。また、不揮発性メモリ204には、CPU201により実行されるプログラムが記憶されている。さらに、CPU201は、バスライン210を介して、表示パネル152とのインターフェイス205、スキャン装置120とのインターフェイス206、バッテリ部110とのインターフェイス207、カメラ160とのインターフェイス208と接続されている。また、CPU201はバスライン210を介して通信インターフェイス209と接続されている。通信インターフェイス209を介して、精算機や上位サーバなどと通信を行う。
【0020】
このように構成されたショッピングカート10は以下のように使用される。すなわち、ショッピングカート10は当初、店舗の入口等に置かれている。この時、スキャン装置120は、クランプ121によってハンドバー42の例えば中央部に固定されている。スキャン装置120の固定は、店舗の店員等が工具を用いてボルト121aを締め付けることによって行われる。なお、店員等が工具を用いてボルト121aを緩めることで、クランプ121の締結位置をハンドバー42の任意の位置に移動させることができる。したがって、顧客は使用中にスキャン装置120を移動させることはない。
【0021】
次に、顧客は使用するショッピングカート10を引き出し、買い物カゴPを取り、キャスタ部30又は籠受部50の少なくとも一方に買い物カゴPを載置する。ここではキャスタ部30及び籠受部50にそれぞれに買い物カゴPを載置するものとする。そして、顧客はハンドバー42を押しながら、商品の陳列されている商品棚に向けてショッピングカート10を移動させる。
【0022】
顧客は、商品棚から目的の商品を取り出し、スキャン装置120の読取部123に商品の商品コードを近づけ、スキャナトリガ124を押す。これにより、商品コードがスキャン装置120に読み取られ、読み取られた情報は、制御部200に送られ、RAM203に保存されると共に、表示パネル152に商品名や金額として表示される。顧客は商品をキャスタ部30又は籠受部50のいずれかに載置された買い物カゴPに入れる。全ての買い物が終了したら、顧客は精算機へ赴く。そして表示器150のタッチパネルを操作するなどして、RAMに記憶された買物リストを精算機へと送信する。顧客は精算機を使用して、決済を行う。決済を終えた客は、ショッピングカート10を店舗の所定位置に返却する。
【0023】
次に、スキャン装置120の移設について説明する。上述したように、クランプ121のボルト121aを緩めることで、ハンドバー42の任意の位置にクランプ121を移動させることが可能となる。例えば、
図1の例では、ハンドバー42の中央位置にスキャン装置120を締結させたが、店舗側の判断により顧客にとって買い物カゴP内が見えづらいと考える場合もある。このため、
図3に示すように、スキャン装置120を二点鎖線で示す位置から、ハンドバー42の右側にずらした位置に締結させるようにしてもよい。同様に左側にずらした位置で締結させるようにしてもよい。
【0024】
このようにして、店員がハンドバー42上でのスキャン装置120の位置を変えることで、顧客の利便性向上を考えた配置とすることができる。なお、スキャン装置120の位置は店舗が決定するものであるが、例えば、それぞれ中央位置・右位置・左位置に締結したショッピングカート10を予め準備しておくことで、顧客は好みの位置にスキャン装置120が取り付けられたショッピングカート10を選択することが可能となる。
【0025】
このように本実施形態に係るショッピングカート10は、商品を特定するスキャン装置120を顧客にとって使い易い位置に取り付けることができ、利便性が向上する。
【0026】
図4は、延設アーム44,44がそれぞれ縦フレーム41,41取り付けられたショッピングカート10を示す斜視図である。ショッピングカート10には、必要に応じて延設アーム44,44を取り付けることができる。延設アーム44,44の取付けは、ボルトやロック機構等による締結によって強固に行う。
【0027】
ショッピングカート10は、顧客はハンドバー42を押し引きして店舗内を移動するため、ハンドバー42にスキャン装置120が取り付けられていると、手を掛けるグリップ部が少なくなる。このため、延設アーム44,44を取り付けることで、クリップ部が増え、顧客の取扱いが容易になる。
【0028】
なお、延設アーム44,44についても、店舗が予めショッピングカート10に取り付けておくことになる。また、延設アーム44,44を取り付けないショッピングカート10と混在させても良い。
【0029】
なお、上述した実施形態においては、スキャン装置120を取り付ける位置をハンドバー42としたが、顧客が把持してショッピングカート10の押し引きに用いる箇所(グリップ)であれば、取り付ける位置はハンドバー42に限られない。また、延設アーム44,44についても、左右一対ではなく1本でも良い。また、スキャン装置120のハンドバー42への取付はクランプ121を用いた取付方法以外の取付方法でも良く、クランプ121を用いた場合であってもボルト121a以外の締結方法を用いても良い。
【0030】
さらに、スキャン装置120は商品コードを光学的に読み取るものであるが、無線タグで商品コードを読み取らせるような構成のものを用いても良い。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
10…ショッピングカート、20…カート部、30…キャスタ部、31…フレーム、32…キャスタ、40…ハンドルフレーム部、41…縦フレーム、42…ハンドバー、43…延長アーム、44…延設アーム、50…籠受部、51…フレーム、100…電装部、110…バッテリ部、120…スキャン装置、121…クランプ、121a…ボルト、122…スキャナ本体、123…読取部(商品特定装置)、124…スキャナトリガ、150…表示器、151…端末筐体、152…表示パネル、160…カメラ、200…制御部、P…買い物カゴ。