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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164749
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】毛髪洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/46 20060101AFI20221020BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20221020BHJP
   A61K 8/85 20060101ALI20221020BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A61K8/46
A61K8/42
A61K8/73
A61K8/85
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022134219
(22)【出願日】2022-08-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小山 哲也
(57)【要約】
【課題】泡性能(泡の量、泡のきめ細かやさ)、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさ、及び高温安定性に優れ、光沢感のある毛髪洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(A)アニオン界面活性剤と、(B)両性界面活性剤と、(C)カチオン性ポリマーと、(D)パール化剤と、を含有することを特徴とする毛髪洗浄剤組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アニオン界面活性剤と、
(B)両性界面活性剤と、
(C)カチオン性ポリマーと、
(D)パール化剤と、を含有することを特徴とする毛髪洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比[(A)/(B)]が、1.5以上4.0以下である、請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
【請求項3】
(E)ヒドロキシピリドン誘導体を含有する、請求項1から2のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物。
【請求項4】
(F)多価アルコールを含有する、請求項1から2のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物。
【請求項5】
(G)カンゾウ抽出末を含有する、請求項1から2のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物。
【請求項6】
(H)防腐剤を含有する、請求項1から2のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャンプー等の、シリコーンを含有しない毛髪洗浄剤組成物には、泡性能(泡の量、泡のきめ細やかさ)や、すすぎ時及び乾燥時の毛髪のなめらかさ等の性能に優れるものが求められている。例えば、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤とを特定の量比で含み、かつ特定のカチオン化ポリマーを含むことにより、泡性能や毛髪のなめらかさに優れた毛髪洗浄剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の毛髪洗浄剤組成物においては、頭皮のさっぱり感を好む人にとって、洗い上がりの毛髪のぬるつき感が気になり、嗜好性の悪化という観点から改善の余地があった。
【0003】
また、光沢を付与し高級感を演出する観点から、パール化剤を含有する毛髪洗浄剤組成物も提案されている。
しかしながら、当該パール化剤を含有する毛髪洗浄剤組成物においては、高温条件下において分離が生じる場合があり、高温安定性に改善の余地があった。
【0004】
したがって、泡性能(泡の量、泡のきめ細やかさ)、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさ、及び高温安定性に優れ、光沢感のある毛髪洗浄剤組成物は未だ提供されておらず、その速やかな開発が強く望まれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-102586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、泡性能(泡の量、泡のきめ細やかさ)、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさ、及び高温安定性に優れ、光沢感のある毛髪洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の毛髪洗浄剤組成物は、(A)アニオン界面活性剤と、(B)両性界面活性剤と、(C)カチオン性ポリマーと、(D)パール化剤と、を含有することにより、泡性能(泡の量、泡のきめ細やかさ)、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさ、及び高温安定性に優れ、光沢感のある毛髪洗浄剤組成物を得ることができることを知見した。
【0008】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。
<1>(A)アニオン界面活性剤と、
(B)両性界面活性剤と、
(C)カチオン性ポリマーと、
(D)パール化剤と、を含有することを特徴とする毛髪洗浄剤組成物である。
<2>前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比[(A)/(B)]が、1.5以上4.0以下である、請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物である。
<3>(E)ヒドロキシピリドン誘導体を含有する、請求項1から2のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物である。
<4>(F)多価アルコールを含有する、請求項1から3のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物である。
<5>(G)カンゾウ抽出末を含有する、請求項1から4のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物である。
<6>(H)防腐剤を含有する、請求項1から5のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、泡性能(泡の量、泡のきめ細やかさ)、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさ、及び高温安定性に優れ、光沢感のある毛髪洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(毛髪洗浄剤組成物)
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、(A)アニオン界面活性剤と、(B)両性界面活性剤と、(C)カチオン性ポリマーと、(D)パール化剤とを含有し、必要に応じて、(E)ヒドロキシピリドン誘導体、(F)多価アルコール、(G)カンゾウ抽出末、(H)防腐剤、及びその他の成分を含有していてもよい。
なお、本明細書において、(A)アニオン界面活性剤は「(A)成分」、(B)両性界面活性剤は「(B)成分」、(C)カチオン性ポリマーは「(C)成分」、(D)パール化剤は「(D)成分」、(E)ヒドロキシピリドン誘導体は「(E)成分」、(F)多価アルコールは「(F)成分」、(G)カンゾウ抽出末は「(G)成分」、(H)防腐剤は「(H)成分」とそれぞれ称することがある。
【0011】
<(A)アニオン界面活性剤>
前記(A)アニオン界面活性剤は、泡の量を良好とするために含有される。
前記(A)アニオン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アシル化アミノ酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩(アルキレン部分としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンが好ましく、ポリオキシエチレンがより好ましい)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン塩等のN-アシル-N-メチルタウリン塩、オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム等の脂肪酸石ケン、アルキルリン酸エステル塩、N-ラウロイルグルタミン酸塩、N-パルミトイルグルタミン酸塩等のN-アシルグルタミン酸塩、N-ラウロイル-N-エチルグリシン塩等のN-アシル-N-カルボキシアルキル-グリシン塩、N-ラウロイルサルコシン塩等のアシルサルコシン塩、N-ミリストイル-β-アラニン塩等のN-アシル-β-アラニン塩などが挙げられる。
これらの中でも、泡の量、泡のきめ細やかさ、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び高温安定性の観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムがより好ましい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0012】
これらの塩の対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩などが挙げられる。
【0013】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、泡性能(泡の量、泡のきめ細やかさ)、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び高温安定性を付与する観点から、アルキル基部分の炭素数として10~24が好ましく、12~14がより好ましく、エチレンオキサイドの平均付加モル数(以下、「EO」とも称することがある)としては、1~3が好ましく、1~2がより好ましい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミンなどが挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属、アンモニウムが好ましく、ナトリウム、アンモニウムがより好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
【0014】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(商品名:エマール170J、EO:1、花王株式会社製)
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(商品名:シノリンSPE-1250、EO:2、新日本理化株式会社製)
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(商品名:テイカポールNE1270、EO:3、テイカ株式会社製)
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、泡立ちのよさ、及び泡のきめ細やかさの点から、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(商品名:シノリンSPE-1250、EO:2、新日本理化株式会社製)が好ましい。
【0015】
前記(A)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、泡性能(泡の量、泡のきめ細やかさ)、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び高温安定性の観点から、毛髪洗浄剤組成物全量に対して4.0質量%以上20.0質量%以下が好ましく、5.0質量%以上11.0質量%以下がより好ましい。
前記(A)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して4.0質量%以上であると、泡性能(泡の量、泡のきめ細やかさ)及び高温安定性が良好となるため好ましい。
前記(A)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して20.0質量%以下であると、すすぎ時の毛髪のなめらかさが良好となるため好ましい。
【0016】
<(B)両性界面活性剤>
前記(B)両性界面活性剤は、泡のきめ細やかさ、及びすすぎ時の毛髪のなめらかさを付与するために含有される。
前記(B)両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベタイン系両性界面活性剤、アミノプロピオン酸系両性界面活性剤、アミノ酸系両性界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、ベタイン系両性界面活性剤が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0017】
<<ベタイン系両性界面活性剤>>
前記ベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン系両性界面活性剤、アミドベタイン系両性界面活性剤、スルホベタイン系両性界面活性剤、ホスホベタイン系界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン系両性界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、泡の量、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び泡のきめ細やかさの観点から、アルキルベタイン系両性界面活性剤、アミドベタイン系両性界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン系両性界面活性剤が好ましく、アミドベタイン系両性界面活性剤がより好ましい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0018】
―アルキルベタイン系両性界面活性剤―
前記アルキルベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。当該アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインとしては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。これらの中でも、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】
―アミドベタイン系両性界面活性剤―
前記アミドベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミドプロピルベタインなどが挙げられる。当該アルキルアミドプロピルベタインとしては、泡の量、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び泡のきめ細やかさの観点から、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(コカミドプロピルベタイン)、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、イソステアラミドプロピルベタインが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0020】
―スルホベタイン系両性界面活性剤―
前記スルホベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ヒドロキシスルホベタイン系両性界面活性剤、アミドスルホベタイン系両性界面活性剤などが挙げられる。
当該ヒドロキシスルホベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。
当該前記アミドスルホベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタインなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】
―ホスホベタイン系界面活性剤―
前記ホスホベタイン系界面活性剤としては、例えば、アルキルヒドロキシホスホベタインなどが挙げられる。当該アルキルヒドロキシホスホベタインとしては、例えば、ラウリルヒドロキシホスホベタイン、ミリスチルヒドロキシホスホベタイン、ステアリルヒドロキシホスホベタインなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0022】
―イミダゾリニウムベタイン系両性界面活性剤-
前記イミダゾリニウムベタイン系両性界面活性剤としては、例えば、ヤシ油アルキル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。これらの中でも、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】
<<アミノプロピオン酸系両性界面活性剤>>
前記アミノプロピオン酸系両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸トリエタノールアミンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
<<アミノ酸系両性界面活性剤>>
前記アミノ酸系両性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミノ脂肪酸、又はこれらの塩などが挙げられる。当該アルキルアミノ脂肪酸としては、例えば、ラウリルアミノ脂肪酸、ステアリルアミノ脂肪酸、ミリスチルアミノ脂肪酸などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
前記塩の対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩などが挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム、カリウムがより好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
【0026】
前記(B)両性界面活性剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(B)両性界面活性剤の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・ラウリン酸アミドプロピルベタイン(商品名:エナジコールL-30B、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)
・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液(商品名:アンヒトール55AB、花王株式会社製)
・2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(商品名:アンヒトール20Y-B、花王株式会社製)
・ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(商品名:アモーゲンS-H、第一工業製薬株式会社製)
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
前記(B)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、泡の量、泡のきめ細やかさ、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及びすすぎ後の毛髪のぬるつきのなさの観点から、毛髪洗浄剤組成物全量に対して1.0質量%以上14.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以上6.0質量%以下がより好ましい。
前記(B)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して1.0質量%以上であると、泡の量、泡のきめ細やかさ、及びすすぎ時の毛髪のなめらかさが良好であるため好適である。
前記(B)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して14.0質量%以下であると、すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさが良好となるため好適である。
【0028】
<質量比[(A)/(B)]>
本発明の毛髪洗浄剤組成物において、前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比[(A)/(B)](以下、質量比[(A)/(B)]と称する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡の量、泡のきめ細やかさ、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさ、及び高温安定性の観点から、1.5以上4.0以下であることが好ましく、2.0以上3.0以下であることが好ましい。
前記質量比[(A)/(B)]が1.5以上であると、泡の量、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及びすすぎ後のぬるつきのなさが良好となるため好適である。
前記質量比[(A)/(B)]が4.0以下であると、泡のきめ細やかさ、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び高温安定性が良好となるため好適である。
【0029】
<(C)カチオン性ポリマー>
前記(C)カチオン性ポリマーは、泡のきめ細やかさ、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び優れた高温安定性を付与するために含有される。
前記(C)カチオン性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡のきめ細やかさ、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び高温安定性の観点から、カチオン化セルロース、カチオン化グァーガム、及びカチオン化デンプンが好ましく、カチオン化セルロースがより好ましい。
【0030】
前記(C)カチオン性ポリマーとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(C)成分の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
―カチオン化セルロース(塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース)―
・商品名:カチナールHC-100(東邦化学工業株式会社)
・商品名:カチナールHC-200(東邦化学工業株式会社)
・商品名:カチナールLC-100(東邦化学工業株式会社)
・商品名:カチナールLC-200(東邦化学工業株式会社)
・商品名:DOCQUAT-10(DOC JAPAN株式会社)
・商品名:DOCQUAT-10V(DOC JAPAN株式会社)
―カチオン化グァーガム(塩化O-〔2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル〕グァーガム)―
・商品名:JAGUAR EXCEL(三昌株式会社製)
―カチオン化デンプン(塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン)―
・商品名:SensomerCI-50(日本ルーブリゾール株式会社)
・商品名:DOCSTARCHCP(DOC JAPAN株式会社)
・商品名:DOCSTARCHCP PF(DOC JAPAN株式会社)
・商品名:DOCSTARCHCP Plus(DOC JAPAN株式会社)
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、泡のきめ細やかさ、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び高温安定性の観点から、カチオン化セルロース(塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース)が好ましい。
【0031】
前記(C)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、泡のきめ細やかさ、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさ、及び高温安定性の観点から、毛髪洗浄剤組成物全量に対して0.05質量%以上0.35質量%以下が好ましく、0.15質量%以上0.25質量%以下がより好ましい。
前記(C)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して0.05質量%以上であると、泡のきめ細やかさ、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及びすすぎ後の毛髪のぬるつきのなさが良好となるため好適である。
前記(C)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して0.35質量%以下であると、高温安定性が良好となるため好適である。
【0032】
<(D)パール化剤>
前記(D)パール化剤は、光沢を付与し高級感を演出するために含有される。
前記(D)パール化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールジ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテルなどが挙げられる。これらのなかでも、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールジ脂肪酸エステルが好ましい。当該エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、及び当該エチレングリコールジ脂肪酸エステルとしては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、エチレングリコールモノステアリルエーテル、エチレングリコールジステアリルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、光沢を付与し高級感を演出できる観点、及び高温安定性の観点から、ジステアリン酸エチレングリコールが好ましい。
【0033】
前記(D)パール化剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(D)成分の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・ジステアリン酸エチレングリコール(商品名:GENAPOL PMS、クラリアントジャパン株式会社)
【0034】
前記(D)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、光沢感及び高温安定性の観点から、毛髪洗浄剤組成物全量に対して0.5質量%以上5質量%以下が好ましく、0.7質量%以上3質量%以下がより好ましい。
前記(D)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して0.5質量%以上であると、光沢感を十分に付与できるため好適である。
前記(D)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して5質量%以下であると、高温安定性が良好であるため好適である。
【0035】
<(E)ヒドロキシピリドン誘導体>
前記(E)ヒドロキシピリドン誘導体は、頭皮のかゆみのなさを付与するために含有されていてもよい。
前記(E)ヒドロキシピリドン誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロクトンオラミン[別名:1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリドンモノエタノールアミン塩](商品名:「オクトピロックス」、クラリアント社製、以下同様)、1-ヒドロキシ-4-メチル-ピリドン、1-ヒドロキシ-4,6-ジメチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-イソブチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-ノニル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-6-ウンデシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-ウンデシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4,6-ジウンデシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-6-トリデシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-トリデシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-3,4,5-トリメチル-6-トリデシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4,6-ジトリデシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-ペンタデシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-ヘプタデシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-ノナデシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-トリコシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-シクロプロピル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-6-シクロペンチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-シクロペンチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-シクロオクチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-ベンジル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-フェニル-2-ピリドンなどが挙げられる。これらの中でも、頭皮のかゆみのなさ、及び高温安定性の観点からピロクトンオラミンが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0036】
前記(E)ヒドロキシピリドン誘導体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(E)ヒドロキシピリドン誘導体の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・ピロクトンオラミン(商品名:オクトピロックス、クラリアントジャパン株式会社)
【0037】
前記(E)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、頭皮のかゆみのなさ、及び高温安定性の観点から、毛髪洗浄剤組成物全量に対して0.01質量%以上2質量%以下が好ましい。
前記(E)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して0.01質量%以上であると、頭皮のかゆみのなさが良好となるため好適である。
前記(E)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して2質量%以下であると、高温安定性が良好であるため好適である。
【0038】
<(F)多価アルコール>
前記(F)多価アルコールは、頭皮のかゆみのなさ、及び高温安定性を付与するために含有されていてもよい。
前記(F)多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、糖アルコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。これらの中でも、頭皮のかゆみのなさ、及び高温安定性の観点から、糖アルコールが好ましい。当該糖アルコールとしては、ソルビトールがより好ましい。
【0039】
前記(F)多価アルコールとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記(F)多価アルコールの市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・ソルビトール(商品名:ソルビット D-70、三菱商事ライフサイエンス株式会社)
・へキシレングリコール(商品名:へキシレングリコール、三井化学株式会社)
【0040】
前記(F)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさ、頭皮のかゆみのなさ、及び高温安定性の観点から、毛髪洗浄剤組成物全量に対して1質量%以上10質量%以下が好ましく、3質量%以上8質量%以下がより好ましい。
前記(F)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して1質量%以上であると、頭皮のかゆみのなさ、及び高温安定性が良好となるため好適である。
前記(F)成分の含有量が、毛髪洗浄剤組成物全量に対して10質量%以下であると、すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさが良好であるため好適である。
【0041】
<(G)カンゾウ抽出末>
前記(G)カンゾウ抽出末は、頭皮のかゆみのなさを付与するために含有されていてもよい。
前記(G)カンゾウ抽出末は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該(G)成分の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・カンゾウ抽出末(商品名:カンゾウ抽出末、丸善製薬株式会社)
【0042】
前記(G)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、頭皮のかゆみのなさを付与する観点から、毛髪洗浄剤組成物全量に対して0.0001質量%以上2質量%以下が好ましく、0.001質量%以上1質量%以下がより好ましい。
【0043】
<(H)防腐剤>
前記(H)防腐剤は、防腐効果を付与するために含有されていてもよい。
前記(H)防腐剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノキシエタノール、安息香酸又はその塩、パラベン類、ケーソンCGなどが挙げられる。
前記(H)防腐剤は適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該(H)防腐剤の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・フェノキシエタノール(商品名:ニューポールEPF、三洋化成株式会社)
【0044】
前記(H)成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、防腐効果を付与する観点から、毛髪洗浄剤組成物全量に対して0.1質量%以上1質量%以下が好ましく、0.5質量%以上0.9質量%以下がより好ましい。
【0045】
<その他の成分>
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、前記(A)成分~前記(H)成分の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分以外のアニオン界面活性剤、前記(B)成分以外の両性界面活性剤、アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、ポリオール類、食塩、芒硝等の無機塩類、有機塩類、モノラウリン酸ポリグリセリル、多価アルコール以外の保湿剤、トニック剤、可溶化剤、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、α-トコフェロール等の酸化防止剤、トリクロサン、トリクロロカルバン等の殺菌剤、脂肪酸ジエタノールアミド等の粘度調整剤、紫外線吸収剤、タンパク質誘導体、動植物抽出液、ジンクピリチオン等のフケ防止剤、グリチルリチン酸ジカリウム等の抗炎症剤、クエン酸、トリエタノールアミン等のpH調整剤、乳濁剤、ハイドロトロープ、低級アルコール、ビタミン類、揮発性油分、疎水性溶媒、精製水等の希釈性溶媒、色素、香料などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができる。
前記その他の成分は適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0046】
<pH>
本発明の毛髪洗浄剤組成物のpH(25℃)は、特に制限されないが、pH3~7が好ましく、pH4~6がより好ましい。なお、pHは外原規(医薬部外品原料規格)一般試験法pH測定法に準拠して測定することができる。
前記毛髪洗浄剤組成物のpHとしては、すべての成分を混合した後に、pHを確認しながらクエン酸等のpH調整剤を加えることで調整することができる。より詳しくは、クエン酸等のpH調整剤以外の成分の合計が約98質量%となるように精製水をバランスとして混合攪拌する。必要なら加温してもよい。混合攪拌中にクエン酸等のpH調整剤の水溶液を徐々に添加し、それぞれpHを測定しながら目標とするpHとなるまで添加する。目標pHとなったところで、最後に残りの精製水を加えて、全体で100質量%となるように水を加える。
【0047】
<粘度>
本発明の毛髪洗浄剤組成物の粘度(25℃)は、特に制限されないが、1~10Pa・sの範囲が好ましく、2~5Pa・sの範囲がより好ましい。当該毛髪洗浄剤組成物の粘度が1Pa・s以上であると、使用時に手からこぼれてしまうため、使用しにくくなるといった問題を解消することができ好適である。当該毛髪洗浄剤組成物の粘度が10Pa・s以下であると、後述する容器からの排出性が悪くなるといった問題を解消することができ好適である。なお、粘度は25℃で、外原規一般試験法粘度測定法第2法に準拠して測定することができる。
【0048】
<製造方法>
前記毛髪洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記(A)成分~前記(H)成分、及び前記その他の成分を混合して調製することができる。具体的には、前記(C)成分、及び精製水を50℃~60℃で均一混合し、膨潤させた後、70℃~75℃に加熱して、前記(A)成分、前記(B)成分、及び前記(D)成分を添加し、均一に混合する。その後、40℃以下まで冷却し、前記(E)~(H)成分の混合物を添加し、均一に混合する。30℃以下に冷却後、前記その他の成分を添加し、毛髪洗浄剤組成物の全体が100質量%となるように精製水を残量配合し、均一に混合することで毛髪洗浄剤組成物を得ることができる。
前記毛髪洗浄剤組成物を調製する装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断と全体混合できる複数の攪拌羽根(プロペラ、タービン、ディスパー等)を備えた攪拌装置などが挙げられる。
【0049】
<容器>
本発明の毛髪洗浄剤組成物を充填する容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートチューブ、EVALチューブ、アルミニウムチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブ等のチューブ容器、機械的又は差圧によるポンプ容器及びスクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、ボトル容器などが挙げられる。
前記アルミニウムラミネートチューブ容器の材質としては、例えば、ラミネートフィルムなどが挙げられる。当該ラミネートフィルムとしては、強度、柔軟性、耐候性等の点から、通常2層以上の多層を有することが好ましく、2層~5層がより好ましい。当該ラミネートフィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン-酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂、紙、アルミニウム蒸着プラスチックなどが挙げられる。
前記ボトル容器の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン-ビニルアルコール樹脂、アクリロニトリル-スチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ガラスなどが挙げられる。これらは、単層乃至2層以上組み合わせて用いることが好ましい。
【0050】
<用途>
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、シャンプー(後工程にコンディショナーやトリートメントを用いる。)、リンスインシャンプー、コンディショニングシャンプー、トリートメントインシャンプー(コンディショナーやトリートメント等の後工程は行わない。本発明においては、これらをまとめてリンスインシャンプーという。)等のインバスヘアケア剤として幅広く利用でき、特に、簡便な使用性の点から、リンスインシャンプーとして用いることが好ましく、これらを製品の常用量で常法に従って使用することができる。
【実施例0051】
以下に、本発明を実施例、比較例、及び処方例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
また、実施例、比較例、及び処方例に記載の各成分の含有量は「質量%」で示し、全て純分換算した値である。
【0052】
(実施例1~32及び比較例1~6)
下記表1~表10に示す組成、及び含有量の毛髪洗浄剤組成物を以下の方法で調製した。
前記(C)成分、及び精製水を50℃~60℃で均一混合し、膨潤させた後、70℃~75℃に加熱して、前記(A)成分、及び前記(B)成分及び前記(D)成分を添加し、均一に混合した。その後、40℃以下まで冷却し、前記(E)~(H)成分の混合物を添加し、均一に混合した。30℃以下に冷却後、前記その他の成分を添加し、毛髪洗浄剤組成物の全体が100質量%となるように精製水を残量配合して均一に混合することで、実施例1~32及び比較例1~6の毛髪洗浄剤組成物を得た。
なお、各成分の混合は、攪拌羽根としてプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌することにより行った。
【0053】
専門パネラー6名が、それぞれの髪の長さに応じて、得られた実施例1~32及び比較例1~6の各毛髪洗浄剤組成物6g又は3gを2日間使用し、「泡の量」、「泡のきめ細やかさ」、「すすぎ時の毛髪のなめらかさ」、「すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさ」、及び「頭皮のかゆみのなさ」を評価した。前記専門評価者6名が評価した評価点の合計を求め、下記判定基準に基づき判定した。なお、判定基準が「◎」、「◎~〇」、又は「〇」であった場合を合格レベルとした。結果を下記表1~表10に示した。
<泡の量の評価基準>
5点:泡の量がとても多い
4点:泡の量が多い
3点:頭全体にちょうど行き渡る泡量である
2点:泡の量が少ない
1点:泡の量がとても少ない
<泡のきめ細やかさの評価基準>
5点:全体が均一に細やかな泡である
4点:きめ細やかな泡が多いが、大きな泡が僅かにある
3点:きめ細やかな泡の中に大きな泡が目立つ
2点:きめ細やかな泡より、大きな泡が多い
1点:きめ細やかな泡はほとんどなく、大きな泡がとても多い
<すすぎ時の毛髪のなめらかさの評価基準>
5点:抵抗を感じずに毛先まで指が通る
4点:少し抵抗を感じるが毛先まで指が通る
3点:部分的に強い抵抗を感じるが毛先まで指が通る
2点:毛先で指がひっかかる
1点:指が通らない
<すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさの評価基準>
5点:毛髪のぬるつきを全く感じない
4点:毛髪のぬるつきをほとんど感じない
3点:毛髪のぬるつきをやや感じる
2点:毛髪のぬるつきを感じる
1点:毛髪のぬるつきをとても感じる
[判定基準]
◎ :26点以上30点
◎~〇:21点以上25点以下
〇 :16点以上20点以下
△ :11点以上15点以下
× :10点以下
【0054】
専門パネラー6名が、実施例1~32及び比較例1~6の各毛髪洗浄剤組成物6gを手に取ったときの外観を評価した。前記専門評価者6名が評価した評価点の平均値(平均評価点)を求め、下記判定基準に基づき判定した。結果を下記表1~表10に示した。
<光沢感の評価基準>
4点:光沢がとてもある
3点:光沢がある
2点:光沢があまりない
1点:光沢が全くない
[判定基準]
◎:平均評価点が3.5点以上4.0点
〇:平均評価点が3.0点以上3.5点未満
△:平均評価点が2.0点以上3.0点未満
×:平均評価点が1.0点以上2.0点未満
【0055】
<高温安定性の評価>
実施例1~32及び比較例1~6の各毛髪洗浄剤組成物50mLをガラスバイアルに充填し、50℃に温度管理された恒温槽内に1ヵ月保存した。1か月保存直後の外観、及び1か月保存後、25℃の環境に1日間放置後の外観を下記評価基準に基づき評価した。結果を下記表1~表10に示した。
<評価基準>
◎ :全く分離が起こらず均一外観である
◎~〇:50℃の環境でもほとんど分離がおこらず、均一外観である
〇 :50℃でわずかに分離傾向だが、25℃の環境で直ちに均一外観に戻る
△ :50℃で分離し、25℃の環境でもわずかに分離する
× :50℃で分離し、25℃の環境でも分離したままである
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】
【表10】
【0066】
(処方例1~12)
下記表11~13に示す組成及び含有量の毛髪洗浄剤組成物を、実施例1と同様の方法で調製した。
【0067】
【表11】
【0068】
【表12】
【0069】
【表13】
【0070】
前記実施例1~32、比較例1~6、及び処方例1~12で使用した各成分の詳細について、下記表14に示す。
【0071】
【表14】
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の毛髪洗浄剤組成物は、泡性能(泡の量、泡のきめ細やかさ)、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、すすぎ後の毛髪のぬるつきのなさ、及び高温安定性に優れ、光沢感があるため、例えば、シャンプー(後工程にコンディショナーやトリートメントを用いる。)、リンスインシャンプー、コンディショニングシャンプー、トリートメントインシャンプー(コンディショナーやトリートメント等の後工程は行わない。本発明においては、これらをまとめてリンスインシャンプーという。)等のインバスヘアケア剤などに好適に用いることができる。