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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016476
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】液体を収容する呼吸補助装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/16 20060101AFI20220114BHJP
   A61M 15/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
A61M16/16 A
A61M15/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021180027
(22)【出願日】2021-11-04
(62)【分割の表示】P 2019162901の分割
【原出願日】2015-01-29
(31)【優先権主張番号】61/933,775
(32)【優先日】2014-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】スン イ-チェン
(57)【要約】
【課題】加湿するために加圧呼吸ガスを受け取りかつ液体隔離構造を有する呼吸装置を提供する。
【解決手段】呼吸補助装置は、本体内に画定された加湿コンパートメントを有し、加湿チャンバを受け入れるように適合される。本体内には流れ発生器も設けられる。流れ発生器および加湿コンパートメントは、流れ発生器と加湿コンパートメントとの間に介挿される液体収容コンパートメントを介して流体接続される。液体収容コンパートメントは、加湿チャンバからこぼれる水が呼吸補助装置の他の領域に達するのを防止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体内に画定されかつ加湿チャンバを受け入れるように適合された加湿コンパートメントと、前記本体内に配置された流れ発生器とを備え、前記流れ発生器および前記加湿コンパートメントが流体接続されており、液体収容コンパートメントが、前記本体内の前記流れ発生器と前記加湿コンパートメントとの間に介挿されており、前記液体収容コンパートメントが、前記流れ発生器および前記加湿コンパートメントの両方に流体接続されており、それにより、前記流れ発生器から前記加湿コンパートメントへのガス流路が前記液体収容コンパートメントを通過し、前記液体収容コンパートメントが、前記液体収容コンパートメントから前記加湿コンパートメントに流れ出るガス流用の出口を画定する第1開口部と、前記流れ発生器から前記液体収容コンパートメントに流れ込むガス流用の入口を画定する第2開口部とを備え、前記液体収容コンパートメントの前記第1開口部および前記第2開口部が、少なくとも2つの直交する空間方向において互いにずれている、呼吸補助装置。
【請求項2】
前記液体収容コンパートメントの前記第1開口部および前記第2開口部が、水平方向にかつ垂直方向にずれている、請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
前記液体収容コンパートメントの前記第1開口部および前記第2開口部が、3つの直交する空間方向において互いにずれている、請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
前記液体収容コンパートメントの前記第1開口部および前記第2開口部が、2つの直交する方向において水平方向にかつ垂直方向にずれている、請求項3に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
前記第1開口部のいずれの部分も前記第2開口部に垂直方向に位置合わせされていない、請求項1~4のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
前記第1開口部のいずれの部分も前記第2開口部に水平方向に位置合わせされていない、請求項1~5のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
前記液体収容コンパートメントが下面を含み、前記第2開口部が、前記下面より概して垂直方向に高く配置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項8】
前記第2開口部がある垂直距離にわたり、前記第2開口部の最下部分が、前記液体収容コンパートメントの前記下面より垂直方向に高い、請求項7に記載の呼吸補助装置。
【請求項9】
前記液体収容コンパートメントの前記下面がある垂直距離にわたり、前記第2開口部が、前記第2開口部に直接隣接する前記下面のいかなる部分よりも垂直方向に高い、請求項7に記載の呼吸補助装置。
【請求項10】
前記第2開口部が前記第1開口部に向かって傾斜している、請求項7~9のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項11】
前記第2開口部の最下部分が、前記液体収容コンパートメントの前記下面の最下部分より垂直方向に高い、請求項7~10のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項12】
前記第2開口部が、前記第2開口部の前記第1開口部から反対側にある前記第2開口部の部分に画定されたリップを有する、請求項7~11のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項13】
前記リップが、前記第2開口部に通じる、台の中に画定された通路の上に張り出し、前記通路が前記ガス流路の一部を形成している、請求項12に記載の呼吸補助装置。
【請求項14】
前記第2開口部が、前記第1開口部の最も近くに配置されている前記第2開口部の一部に画定された幅狭領域を有している、請求項7~13のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項15】
前記第2開口部が、前記液体収容コンパートメントの前記下面から前記液体収容コンパートメント内に延在している台の頂部に設けられ、前記台が、前記流れ発生器に流体接続されて前記ガス流路の一部を形成する通路を備える、請求項7に記載の呼吸補助装置。
【請求項16】
前記第2開口部が、前記ガス流路の一部を形成する前記本体内の1つまたは複数の通路によって、前記流れ発生器に流体接続されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項17】
前記本体が、合わせて固定されるように構成されている上部ハウジングおよび下部ハウジングを備え、前記液体収容コンパートメントが、前記本体の前記下部ハウジングの一部である下面と、前記本体の前記上部ハウジングの一部である前記液体収容コンパートメントの側面を画定する垂直壁とを備えている、請求項1~16のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項18】
前記液体収容コンパートメントの前記垂直壁の一部が、前記加湿コンパートメントを画定する垂直壁の一部に対応する、請求項17に記載の呼吸補助装置。
【請求項19】
前記第1開口部が、前記加湿コンパートメントの前記垂直壁に対応する前記液体収容コンパートメントの前記垂直壁の前記一部を通って延在している、請求項18に記載の呼吸補助装置。
【請求項20】
前記液体収容コンパートメントの前記垂直壁の一部が、前記上部ハウジングによって提供される前記本体の外壁の一部に対応する、請求項17~19のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項21】
前記液体収容コンパートメントが、前記液体収容コンパートメントの前記下面の周縁部を画定しかつ前記本体の前記下部ハウジングから延在する畝状部を備え、前記畝状部が、前記上部ハウジングに設けられた前記液体収容コンパートメントの前記垂直壁の構成に一致し、それにより、前記本体が組み立てられるとき、前記下部ハウジングの前記畝状部と前記上部ハウジングの前記垂直壁とが互いに当接して前記液体収容コンパートメントを形成する、請求項17~20のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項22】
前記液体収容コンパートメントの前記畝状部が、前記液体収容コンパートメントのリザーバを画定しかつそれを取り囲んでいる、請求項21に記載の呼吸補助装置。
【請求項23】
前記液体収容コンパートメントの前記畝状部が前記第2開口部を包囲している、請求項21または22に記載の呼吸補助装置。
【請求項24】
シールが、前記液体収容コンパートメントを形成する前記下部ハウジングの畝状部と前記上部ハウジングの前記垂直壁との間に設けられている、請求項21~23のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項25】
前記畝状部が溝を含み、前記シールが前記溝内に設けられている、請求項24に記載の呼吸補助装置。
【請求項26】
前記流れ発生器が、前記本体の前記下部ハウジングにまたはその中に取り付けられている、請求項17~25のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して呼吸装置に関する。より詳細には、本発明は、加湿するために加圧呼吸ガスを受け取りかつ液体隔離構造を有する呼吸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸治療装置は、一般に、加圧ガスを供給する空気流発生器を含む。いくつかの呼吸治療装置では、装置は、一体化した給水チャンバを含む場合がある。水チャンバは、呼吸治療装置によって供給されている呼吸ガスを加湿するために使用される給水源を含むことができる。
【0003】
いくつかの構成では、呼吸治療装置は、携帯型でありかつ/または移動可能であるように設計されている。こうした装置を、給水リザーバを収容した状態で移動させる場合、リザーバが傾いて、水が水リザーバから呼吸治療装置の他の領域にこぼれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さまざまな構成要素を保護するために、こぼれた水または他の液体を収容することができ、水または液体の浸入を制御することができる場合が望ましい。したがって、本発明のいくつかの特徴、態様および利点は、液体収容構造を提供することに関する。本発明の目的は、少なくとも、業界および使用者に有用な選択肢を提供することでもある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、概して、本体と、本体内に画定されかつ加湿チャンバを受け入れるように適合された加湿コンパートメントと、本体内に配置された流れ発生器とを備え、流れ発生器および加湿コンパートメントが流体接続されており、液体収容コンパートメントが、本体内の流れ発生器と加湿コンパートメントとの間に介挿されており、液体収容コンパートメントが、流れ発生器および加湿コンパートメントの両方に流体接続されており、それにより、流れ発生器から加湿コンパートメントへのガス流路が液体収容コンパートメントを通過し、液体収容コンパートメントが、液体収容コンパートメントから加湿コンパートメントに流れ出るガス流用の出口を画定する第1開口部と、流れ発生器から液体収容コンパートメントに流れ込むガス流用の入口を画定する第2開口部とを備え、液体収容コンパートメントの第1開口部および第2開口部が、少なくとも2つの直交する空間方向において互いにずれている、呼吸補助装置にある。
【0006】
いくつかの構成では、液体収容コンパートメントの第1開口部および第2開口部は、水平方向にかつ垂直方向にずれている。
【0007】
いくつかの構成では、液体収容コンパートメントの第1開口部および第2開口部は、3つの直交する空間方向において互いにずれている。一例では、液体収容コンパートメントの第1開口部および第2開口部は、2つの直交する方向において水平方向にかつ垂直方向にずれている。
【0008】
いくつかの構成では、第1開口部のいずれの部分も第2開口部に垂直方向に位置合わせされていない。
【0009】
いくつかの構成では、第1開口部のいずれの部分も第2開口部に水平方向に位置合わせされていない。
【0010】
いくつかの構成では、液体収容コンパートメントは下面を含み、第2開口部は、下面より概して垂直方向に高く配置されている。一例では、第2開口部はある垂直距離にわたり、第2開口部の最下部分は、液体収容コンパートメントの下面より垂直方向に高い。別の例では、液体収容コンパートメントの下面はある垂直距離にわたり、第2開口部は、第2開口部に直接隣接する下面のいかなる部分よりも垂直方向に高い。
【0011】
いくつかの構成では、第2開口部は第1開口部に向かって傾斜している。
【0012】
いくつかの構成では、第2開口部の最下部分は、液体収容コンパートメントの下面の最下部分より垂直方向に高い。
【0013】
いくつかの構成では、第2開口部は、第2開口部の第1開口部から反対側にある第2開口部の部分に画定されたリップを有する。一例では、リップは、第2開口部に通じる、台の中に画定された通路の上に張り出し、通路はガス流路の一部を形成している。
【0014】
いくつかの構成では、第2開口部は、第1開口部の最も近くに配置されている第2開口部の一部に画定された幅狭領域を有している。
【0015】
いくつかの構成では、第2開口部は、液体収容コンパートメントの下面から液体収容コンパートメント内に延在している台の頂部に設けられ、台は、流れ発生器に流体接続されてガス流路の一部を形成する通路を備える。
【0016】
いくつかの構成では、第2開口部は、ガス流路の一部を形成する本体内の1つまたは複数の通路によって、流れ発生器に流体接続されている。
【0017】
いくつかの構成では、本体は、合わせて固定されるように構成されている上部ハウジングおよび下部ハウジングを備え、液体収容コンパートメントは、本体の下部ハウジングの一部である下面と、本体の上部ハウジングの一部である液体収容コンパートメントの側面を画定する垂直壁とを備えている。
【0018】
いくつかの構成では、液体収容コンパートメントの垂直壁の一部が、加湿コンパートメントを画定する垂直壁の一部に対応する。一例では、第1開口部は、加湿コンパートメントの垂直壁に対応する液体収容コンパートメントの垂直壁の一部を通って延在している。
【0019】
いくつかの構成では、液体収容コンパートメントの垂直壁の一部は、上部ハウジングによって提供される本体の外壁の一部に対応する。
【0020】
液体収容コンパートメントは、液体収容コンパートメントの下面の周縁部を画定しかつ本体の下部ハウジングから延在する畝状部を備え、畝状部は、上部ハウジングに設けられた液体収容コンパートメントの垂直壁の構成に一致し、それにより、本体が組み立てられるとき、下部ハウジングの畝状部と上部ハウジングの垂直壁とが互いに当接して液体収容コンパートメントを形成する。
【0021】
いくつかの構成では、液体収容コンパートメントの畝状部は、液体収容コンパートメントのリザーバを画定しかつそれを取り囲んでいる。
【0022】
いくつかの構成では、液体収容コンパートメントの畝状部は、第2開口部を包囲している。
【0023】
いくつかの構成では、シールが、液体収容コンパートメントを形成する下部ハウジングの畝状部と上部ハウジングの垂直壁との間に設けられている。一例では、畝状部は溝を含み、シールは溝内に設けられている。
【0024】
いくつかの構成では、流れ発生器は、本体の下部ハウジングにまたはその中に取り付けられている。
【0025】
以下、他の態様についても説明する。いくつかの構成では、呼吸補助装置は、本体を備える。本体内に加湿コンパートメントが画定され、加湿チャンバを受け入れるように適合されている。本体内に流れ発生器が配置されている。流れ発生器および加湿コンパートメントは流体接続され、液体収容コンパートメントが、流れ発生器と加湿コンパートメントとの間に介挿されている。液体収容コンパートメントは、流れ発生器および加湿コンパートメントの両方に流体接続されている。
【0026】
いくつかの構成では、流れ発生器から加湿コンパートメントまでのガス流路が、液体収容コンパートメントを通過する。
【0027】
いくつかのこうした構成では、液体収容コンパートメントは、液体収容コンパートメントから流れ出るガス流用の出口を画定する第1開口部と、液体収容コンパートメントに流れ込むガス流用の入口を画定する第2開口部とを備える。液体収容コンパートメントは下面を備え、第2開口部は、下面より概して垂直方向に高く配置されている。
【0028】
いくつかのこうした構成では、第2開口部は第1開口部に向かって傾斜している。
【0029】
いくつかのこうした構成では、第2開口部の最下部分は、下面の最下部分より垂直方向に高い。
【0030】
いくつかのこうした構成では、第2開口部は、第2開口部の第1開口部から反対側にある第2開口部の部分に画定されたリップを有する。
【0031】
いくつかのこうした構成では、リップは、第2開口部に通じる、台の中に画定された通路の上に張り出している。
【0032】
いくつかのこうした構成では、液体収容コンパートメントは、液体収容コンパートメントから流れ出るガス流用の出口を画定する第1開口部と、液体収容コンパートメントに流れ込むガス流用の入口を画定する第2開口部とを備える。第1開口部が第2開口部と垂直方向に位置合わせされないように、第1開口部は第2開口部からずれている。
【0033】
いくつかのこうした構成では、第1開口部のいかなる部分も第2開口部に垂直方向に位置合わせされていない。
【0034】
いくつかのこうした構成では、第1開口部および第2開口部は、3つの直交する空間方向において互いにずれている。
【0035】
本明細書および特許請求の範囲で用いる「備える(comprising)」という用語は、「少なくとも部分的に~からなる」を意味する。本明細書および特許請求の範囲で「備える」を含む記述を解釈するとき、その用語が後置された1つまたは複数の特徴以外の特徴も存在する可能性がある。備える(comprise、comprises)等の関連する用語も同様に解釈されるべきである。
【0036】
本明細書において、特許明細書、他の外部文献または他の情報源を参照する場合、これは、概して、本発明の特徴について考察するための背景を提供することが目的である。別段の定めのない限り、こうした外部文献を参照することは、いかなる権限においても、こうした文献またはこうした情報源が、従来技術であるか、または本技術分野における共通の一般常識の一部を形成すると認めるものと解釈されるべきではない。
【0037】
ここで、本発明のこれらおよび他の特徴、態様および利点について、好ましい実施形態の図面を参照して説明する。それらの実施形態は、本発明を例示するように意図されており、限定するようには意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明のいくつかの特徴、態様および利点に従って配置されかつ構成される呼吸加湿装置を含むシステムの斜視図である。
図2図1の呼吸加湿装置の斜視図である。
図3図1の呼吸加湿装置の一部の斜視図である。
図4図1の呼吸加湿装置の一部の組立分解斜視図である。
図5図3の線5-5に沿った図1の加湿装置の一部の断面図である。
図6図1の呼吸加湿装置の下部の上面図である。
図7図1の呼吸加湿装置の液体隔離チャンバを通る空気流路を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
ここで図1を参照すると、本発明のいくつかの特徴、態様および利点に従って配置されかつ構成されている呼吸補助装置20が示されている。図示する構成では、呼吸補助装置20は導管22に接続され、導管22は、呼吸マスク等のユーザインタフェース24に接続されている。任意の好適なユーザインタフェース24を使用することができる。
【0040】
呼吸補助装置20は、導管22およびユーザインタフェース24を介してユーザに加圧呼吸ガスの流れを送達するように構成されている。したがって、図示する呼吸補助装置20は、図1に概略的に示している流れ発生器26を備えている。流れ発生器26は、任意の好適な構造を有することができる。いくつかの構成では、流れ発生器26は、周囲空気を呼吸補助装置20内に引き込み、加圧呼吸ガスの流れを発生させるブロワである。
【0041】
呼吸補助装置20はまた、加圧呼吸ガスの流れを使用者に送達する前に加湿するように構成されている。したがって、図2に示すように、図示する呼吸補助装置20はまた、加湿チャンバ28も備えている。加湿チャンバ28は、呼吸補助装置20から取外し可能であり得る。加湿チャンバ28に対して、任意の好適な構造を用いることができる。加湿チャンバ28は、水等、ある容量の液体を収容するように構成することができる。加圧呼吸ガスの流れは、使用者のところに向かう途中でその容量の液体を通過することができ、それにより、加圧呼吸ガスの流れは湿度を上昇させることができる。
【0042】
図示するように、呼吸補助装置20は、概して本体30を備えている。図4を参照すると、本体30は、上部ハウジング32および下部ハウジング34を備えることができる。上部ハウジング32および下部ハウジング34を任意の好適な方法で合わせて固定することができる。いくつかの構成では、下部ハウジング34の底部を、さらなるカバーによって密閉することができる。
【0043】
続けて図4を参照すると、下部ハウジング34は空気入口36を含むことができ、そこを通して、流れ発生器26が空気を引き込む。流れ発生器26は、下部ハウジング34にまたは下部ハウジング34内に取り付けることができる。下部ハウジング34はまた、加熱要素38も支持することができる。加熱要素38との相互作用により、加湿チャンバ28内の液体を加熱することができる。いくつかの構成では、加熱要素38をヒータプレートとすることができ、加湿チャンバ28はヒータプレートの上に載ることができる。他の構成も可能である。
【0044】
図2を参照すると、本体30は、少なくとも1つの外壁40を備えている。図示する構成では、本体30は、4つの概して垂直な外壁40を備えている。少なくとも1つの壁40の上部は、概して開口部42を画定している。図1に示すように、開口部42を蓋44で閉鎖することができる。蓋44は、いくつかの構成では開口部42を封止することができる。
【0045】
本体30は、加湿チャンバ28を受け入れる加湿コンパートメント50を含む。図示する構成では、加湿コンパートメント50は、概して、少なくとも1つの外壁40、蓋44および基面46内に画定されている。より詳細には、図示する構成では、少なくとも1つの概して垂直な内壁52が、加湿コンパートメント50の少なくとも一部を画定している。さらにより詳細には、少なくとも1つの概して垂直な内壁52を含む4つの概して垂直な壁が、加湿コンパートメント50の大部分を画定している。
【0046】
加湿コンパートメント50から、液体収容コンパートメント54を分離することができる。いくつかの構成では、液体収容コンパートメント54は、加湿チャンバ28からこぼれる可能性がある液体の移動を制限する。いくつかの構成では、液体収容コンパートメント54は、加湿コンパートメント50内にかつ加湿チャンバ28の外側にこぼれる可能性がある液体の移動を制限することができる。
【0047】
液体収容コンパートメント54は、呼吸補助装置20の本体30内に配置することができる。図示する構成では、液体収容コンパートメント54は、呼吸補助装置20の本体30に組み込まれている。液体収容コンパートメント54および流れ発生器26をともに、本体30に組み込むことができる。いくつかの構成では、液体収容コンパートメント54は、流れ発生器26にかつ加湿コンパートメント50に流体接続されている。いくつかのこうした構成では、液体収容コンパートメント54は、流れ発生器26と加湿コンパートメント54との間に配置されている。いくつかの構成では、本体の外壁40と内壁52との間に液体収容コンパートメント54を配置することができる。いくつかの構成では、内壁52は、液体収容コンパートメント54から加湿コンパートメント50を分離する。
【0048】
液体収容コンパートメント54は2つの開口部を含むことができる。第1開口部56は、図3に示すように、内壁52を通って延在している。第1開口部56は、加湿コンパートメント50用のガス入口と液体収容コンパートメント54用のガス出口とを画定している。第1開口部56を通って流れるガスは、加湿チャンバ28によって受け取られ、使用者に送達される前に加湿される。言い換えれば、蓋44が適所にあって閉鎖された状態で、加湿チャンバ28は、加湿コンパートメント50内の適所で封止される。第1開口部56を通過するガスは、加湿コンパートメント50内に流れ込み、ガスは、加湿コンパートメントから、加湿チャンバ28内に流れ込んだ後、呼吸補助装置20から出る。
【0049】
図4に示す第2開口部58が、液体収容コンパートメント54へのガス入口と、流れ発生器26から通じる通路66からの流れのためのガス出口とを画定している。一構成では、第1開口部56は上部ハウジング32にあり、第2開口部58は下部ハウジング34にある。いくつかの構成では、第1開口部56は、第2開口部から水平方向および垂直方向両方にずれている。いくつかの構成では、第1開口部56は、図5に示すように、第2開口部58から少なくとも水平方向にずれている(すなわち、第1開口部56は第2開口部58の右側にある)。いくつかの構成では、第1開口部56は、第2開口部58から少なくとも水平方向に完全にずれている。いくつかの構成では、2つの開口部56、58は、2つの直交する方向に(たとえば、水平方向にかつ垂直方向に)ずれている。いくつかの構成では、2つの開口部56、58は、3つの直交する方向に(2つの直交する方向において水平方向にかつ垂直方向に)ずれている。第2開口部58に対して第1開口部56をずらして配置することにより、液体が第1開口部56を通って液体収容コンパートメント54にこぼれ、流出し、沈積し、または他の方法で流れ込み、液体収容チャンバ54に対して流れ発生器26に向かってさらに上流に流れる可能性が低減する。言い換えれば、液体は、容易に第1開口部56を通って第2開口部58に流れ込む可能性は低い。したがって、加湿チャンバ28から流れ発生器26に向かう液体の浸入を阻止することができる。
【0050】
ここで図4を参照すると、液体収容コンパートメント54は、少なくとも下壁70を備えている。下壁70は、下部ハウジング34の一部として形成することができる。図示する構成では、下部ハウジング34の一部に畝状部72を画定することができる。図示する畝状部72は、概してリザーバ74を取り囲むことができる。図6に示すように、畝状部72は、概して第2開口部58を包囲している。他の構成も可能である。
【0051】
再び図5を参照すると、第2開口部58は、下壁70より垂直方向に高い。いくつかの構成では、第2開口部58は、ある垂直距離にわたり、第2開口部58の最下部分は、下壁70より垂直方向に高い。いくつかの構成では、下壁70は、ある垂直距離にわたることができ(すなわち、実質的に平坦ではない)、第2開口部58は、第2開口部58に直接隣接している下壁70のいかなる部分より垂直方向に高い。
【0052】
図示する構成では、第2開口部58は、台76の頂部に形成されている。台76を下部ハウジング34とともに一体的に形成することができる。台76は、図5および図6に示すように、概して通路80を取り囲んでいる。図示する台76の上端では、第2開口部58は概して傾斜しており、それにより、図示する台の上面は、第1開口部56に向かって角度をなしている。さらに、図5を参照すると、少なくとも、第1開口部56から最も遠い台76の内面が、第1開口部56に向かって曲がっている。概して第2開口部58に隣接している台76の偏向した部分がリップ82を形成している。リップ82は、第1開口部56の全体的な方向に向かってガス流を偏向させるのに役立つことができる。
【0053】
図6を参照すると、第2開口部58は幅狭領域84も有している。幅狭領域84は、図示する構成では第1開口部56に最も近接して配置されている。図5に示すように、幅狭領域84は、リップ領域82と同じ程度までは上方に延在していない。リップ領域82および/または幅狭領域84は、ガス流を所望の方法で適応させかつ方向付けるのに役立つことができる。他の構成も可能である。
【0054】
上述したように、いくつかの構成では、本体30の内壁52と外壁40との間に、液体収容コンパートメント54の少なくとも一部が画定されている。図7を参照すると、少なくとも第1壁78およびいくつかの構成では第2壁84が、内壁52および外壁40と協働して、液体収容コンパートメント54の側面を画定することができる。これらの壁40、52、78、84を上部ハウジング32と一体的に形成することができる。
【0055】
畝状部72は、これらの壁40、52、78、84の構成と一致することができる。したがって、畝状部72およびこれらの壁40、52、78および84は互いに当接することができる。畝状部72および壁40、52、78、84の接合部における漏れの可能性を低減させるために、上部ハウジング32と下部ハウジング34との間にシール86を配置することができる。図示する構成では、シール86は溝90内に配置される(図5を参照)。畝状部72内に溝90を配置することができる。シール86は、畝状部72より弾性のある材料から形成することができる。したがって、シール86は、壁40、52、78、84と接触した時に変形することができる。シール86の圧縮により、液体またはガスが液体収容コンパートメント54内外に漏れる可能性を低減させることができる。
【0056】
さらに、液体が第1開口部56を通って液体収容チャンバ54内に流れ込む場合、液体は、液体収容チャンバ54内に保持される。したがって、上部ハウジング32と下部ハウジング34との間のシール86により、液体収容チャンバ54内の液体の液面が畝状部72の高さを越える場合であっても、液体が流動する可能性を低減させることができる。
【0057】
本発明について、いくつかの実施形態に関して説明したが、当業者に明らかである他の実施形態もまた本発明の範囲内にある。したがって、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな変形および変更を行うことができる。たとえば、さまざまな構成要素を要求通りに位置を変えることができる。さらに、特徴、態様および利点のすべてが必ずしも本発明を実施するために必要であるとは限らない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲のみによって定義されるように意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体内に画定されかつ加湿チャンバを受け入れるように適合された加湿コンパートメントと、
前記本体内に配置された流れ発生器と、
前記本体内に配置された液体収容コンパートメントであって、前記液体収容コンパートメントが、前記流れ発生器および前記加湿コンパートメントの両方に流体接続されており、それにより、前記流れ発生器から前記加湿コンパートメントへのガス流路が前記液体収容コンパートメントを通過する、前記液体収容コンパートメントと、を備え、
前記加湿チャンバが前記加湿コンパートメント内に受け入れられているとき、前記加湿コンパートメントが、前記加湿チャンバからこぼれた容量の液体を前記加湿コンパートメント内に保持するように構成されている、呼吸補助装置。
【請求項2】
前記液体収容コンパートメントが、第1開口部を備えている、請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
前記加湿チャンバが前記加湿コンパートメント内に受け入れられているとき、前記容量の液体が、前記第1開口部の下方にある、請求項2に記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
前記第1開口部が、前記液体収容コンパートメントから前記加湿コンパートメントに流れ出るガス流用の出口を画定する、請求項2または3に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
前記液体収容コンパートメントが、前記流れ発生器から前記液体収容コンパートメントに流れ込むガス流用の入口を画定する第2開口部を備える、請求項2~4のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
前記加湿チャンバ入口が、前記第1開口部から離間している、請求項2~5のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
前記加湿コンパートメントが、導管および患者インタフェースに接続するように構成されたコンパートメント出口を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項8】
前記液体収容コンパートメントの下面が、前記加湿コンパートメントの下面と同じ高さである、請求項1~7のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項9】
前記液体収容コンパートメントが、下面を含み、前記液体収容コンパートメントの第2開口部が、前記下面より概して垂直方向に高く配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項10】
前記液体収容コンパートメントが、下面を含み、前記液体収容コンパートメントの第2開口部が、前記液体収容コンパートメントの前記下面から前記液体収容コンパートメント内に延在している台の頂部に設けられ、前記台が、前記流れ発生器に流体接続されて前記ガス流路の一部を形成する通路を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項11】
前記液体収容コンパートメントは、前記加湿チャンバからこぼれた第2容量の液体を前記液体収容コンパートメント内に保持するように構成され、前記第2容量の液体が、前記液体収容コンパートメントへのガス入口の下方にある、請求項1~10のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項12】
前記液体収容コンパートメントが、第1開口部および第2開口部を備え、前記液体収容コンパートメントの前記第1開口部および前記第2開口部が、少なくとも2つの直交する空間方向において互いにずれている、請求項1~11のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項13】
前記液体収容コンパートメントが、前記加湿コンパートメントから分離されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項14】
前記液体収容コンパートメントは、前記加湿チャンバからこぼれた液体の移動を制限するように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項15】
前記液体収容コンパートメントは、前記加湿チャンバからこぼれた第2容量の液体を前記液体収容コンパートメント内に保持するように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の呼吸補助装置。
【請求項16】
本体と、
前記本体内に画定されかつ加湿チャンバを受け入れるように適合された加湿コンパートメントと、
前記本体内に配置された流れ発生器と、
前記本体内に配置された液体収容コンパートメントであって、前記液体収容コンパートメントが、前記流れ発生器および前記加湿コンパートメントの両方に流体接続されており、それにより、前記流れ発生器から前記加湿コンパートメントへのガス流路が前記液体収容コンパートメントを通過する、前記液体収容コンパートメントと、を備え、
前記加湿チャンバが前記加湿コンパートメント内に受け入れられているとき、前記加湿チャンバからこぼれる液体が最初に前記加湿コンパートメント内に保持される、呼吸補助装置。
【請求項17】
前記液体収容コンパートメントが、前記加湿コンパートメントに向かう第1開口部と、前記流れ発生器に向かう第2開口部と、を備え、前記第1開口部および前記第2開口部が、ずれている、請求項16に記載の呼吸補助装置。
【請求項18】
前記第2開口部に対して前記第1開口部がずれた配置が、液体が前記第1開口部を通って前記液体収容コンパートメントに流れ込み、前記液体収容チャンバに対して前記流れ発生器に向かってさらに上流に流れる可能性を低減する、請求項17に記載の呼吸補助装置。
【請求項19】
液体が前記第1開口部を通って前記第2開口部に流れ込むことが概して防止され、それにより、前記加湿チャンバから前記流れ発生器に向かう液体の浸入が概して防止される、請求項17または18に記載の呼吸補助装置。
【請求項20】
本体と、
前記本体内に画定されかつ加湿チャンバを受け入れるように適合された加湿コンパートメントと、
前記本体内に配置された流れ発生器と、
液前記本体内の前記流れ発生器と前記加湿コンパートメントとの間に介挿された液体収容コンパートメントであって、前記液体収容コンパートメントが、前記流れ発生器および前記加湿コンパートメントの両方に流体接続されており、それにより、前記流れ発生器から前記加湿コンパートメントへのガス流路が前記液体収容コンパートメントを通過する、前記液体収容コンパートメントと、を備え、
前記液体収容コンパートメントが、前記液体収容コンパートメントと前記加湿コンパートメントとの間に第1開口部を備え、
ある容量の液体が、前記第1開口部の下方の前記加湿コンパートメント内に保持されるように構成されている、呼吸補助装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して呼吸装置に関する。より詳細には、本発明は、加湿するために加圧呼吸ガスを受け取りかつ液体隔離構造を有する呼吸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸治療装置は、一般に、加圧ガスを供給する空気流発生器を含む。いくつかの呼吸治療装置では、装置は、一体化した給水チャンバを含む場合がある。水チャンバは、呼吸治療装置によって供給されている呼吸ガスを加湿するために使用される給水源を含むことができる。
【0003】
いくつかの構成では、呼吸治療装置は、携帯型でありかつ/または移動可能であるように設計されている。こうした装置を、給水リザーバを収容した状態で移動させる場合、リザーバが傾いて、水が水リザーバから呼吸治療装置の他の領域にこぼれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さまざまな構成要素を保護するために、こぼれた水または他の液体を収容することができ、水または液体の浸入を制御することができる場合が望ましい。したがって、本発明のいくつかの特徴、態様および利点は、液体収容構造を提供することに関する。本発明の目的は、少なくとも、業界および使用者に有用な選択肢を提供することでもある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、特許請求の範囲に記載の呼吸補助装置を提供する。
【0006】
本明細書および特許請求の範囲で用いる「備える(comprising)」という用語は、「少なくとも部分的に~からなる」を意味する。本明細書および特許請求の範囲で「備える」を含む記述を解釈するとき、その用語が後置された1つまたは複数の特徴以外の特徴も存在する可能性がある。備える(comprise、comprises)等の関連する用語も同様に解釈されるべきである。
【0007】
本明細書において、特許明細書、他の外部文献または他の情報源を参照する場合、これは、概して、本発明の特徴について考察するための背景を提供することが目的である。別段の定めのない限り、こうした外部文献を参照することは、いかなる権限においても、こうした文献またはこうした情報源が、従来技術であるか、または本技術分野における共通の一般常識の一部を形成すると認めるものと解釈されるべきではない。
【0008】
ここで、本発明のこれらおよび他の特徴、態様および利点について、好ましい実施形態の図面を参照して説明する。それらの実施形態は、本発明を例示するように意図されており、限定するようには意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のいくつかの特徴、態様および利点に従って配置されかつ構成される呼吸加湿装置を含むシステムの斜視図である。
図2図1の呼吸加湿装置の斜視図である。
図3図1の呼吸加湿装置の一部の斜視図である。
図4図1の呼吸加湿装置の一部の組立分解斜視図である。
図5図3の線5-5に沿った図1の加湿装置の一部の断面図である。
図6図1の呼吸加湿装置の下部の上面図である。
図7図1の呼吸加湿装置の液体隔離チャンバを通る空気流路を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで図1を参照すると、本発明のいくつかの特徴、態様および利点に従って配置されかつ構成されている呼吸補助装置20が示されている。図示する構成では、呼吸補助装置20は導管22に接続され、導管22は、呼吸マスク等のユーザインタフェース24に接続されている。任意の好適なユーザインタフェース24を使用することができる。
【0011】
呼吸補助装置20は、導管22およびユーザインタフェース24を介してユーザに加圧呼吸ガスの流れを送達するように構成されている。したがって、図示する呼吸補助装置20は、図1に概略的に示している流れ発生器26を備えている。流れ発生器26は、任意の好適な構造を有することができる。いくつかの構成では、流れ発生器26は、周囲空気を呼吸補助装置20内に引き込み、加圧呼吸ガスの流れを発生させるブロワである。
【0012】
呼吸補助装置20はまた、加圧呼吸ガスの流れを使用者に送達する前に加湿するように構成されている。したがって、図2に示すように、図示する呼吸補助装置20はまた、加湿チャンバ28も備えている。加湿チャンバ28は、呼吸補助装置20から取外し可能であり得る。加湿チャンバ28に対して、任意の好適な構造を用いることができる。加湿チャンバ28は、水等、ある容量の液体を収容するように構成することができる。加圧呼吸ガスの流れは、使用者のところに向かう途中でその容量の液体を通過することができ、それにより、加圧呼吸ガスの流れは湿度を上昇させることができる。
【0013】
図示するように、呼吸補助装置20は、概して本体30を備えている。図4を参照すると、本体30は、上部ハウジング32および下部ハウジング34を備えることができる。上部ハウジング32および下部ハウジング34を任意の好適な方法で合わせて固定することができる。いくつかの構成では、下部ハウジング34の底部を、さらなるカバーによって密閉することができる。
【0014】
続けて図4を参照すると、下部ハウジング34は空気入口36を含むことができ、そこを通して、流れ発生器26が空気を引き込む。流れ発生器26は、下部ハウジング34にまたは下部ハウジング34内に取り付けることができる。下部ハウジング34はまた、加熱要素38も支持することができる。加熱要素38との相互作用により、加湿チャンバ28内の液体を加熱することができる。いくつかの構成では、加熱要素38をヒータプレートとすることができ、加湿チャンバ28はヒータプレートの上に載ることができる。他の構成も可能である。
【0015】
図2を参照すると、本体30は、少なくとも1つの外壁40を備えている。図示する構成では、本体30は、4つの概して垂直な外壁40を備えている。少なくとも1つの壁40の上部は、概して開口部42を画定している。図1に示すように、開口部42を蓋44で閉鎖することができる。蓋44は、いくつかの構成では開口部42を封止することができる。
【0016】
本体30は、加湿チャンバ28を受け入れる加湿コンパートメント50を含む。図示する構成では、加湿コンパートメント50は、概して、少なくとも1つの外壁40、蓋44および基面46内に画定されている。より詳細には、図示する構成では、少なくとも1つの概して垂直な内壁52が、加湿コンパートメント50の少なくとも一部を画定している。さらにより詳細には、少なくとも1つの概して垂直な内壁52を含む4つの概して垂直な壁が、加湿コンパートメント50の大部分を画定している。
【0017】
加湿コンパートメント50から、液体収容コンパートメント54を分離することができる。いくつかの構成では、液体収容コンパートメント54は、加湿チャンバ28からこぼれる可能性がある液体の移動を制限する。いくつかの構成では、液体収容コンパートメント54は、加湿コンパートメント50内にかつ加湿チャンバ28の外側にこぼれる可能性がある液体の移動を制限することができる。
【0018】
液体収容コンパートメント54は、呼吸補助装置20の本体30内に配置することができる。図示する構成では、液体収容コンパートメント54は、呼吸補助装置20の本体30に組み込まれている。液体収容コンパートメント54および流れ発生器26をともに、本体30に組み込むことができる。いくつかの構成では、液体収容コンパートメント54は、流れ発生器26にかつ加湿コンパートメント50に流体接続されている。いくつかのこうした構成では、液体収容コンパートメント54は、流れ発生器26と加湿コンパートメント54との間に配置されている。いくつかの構成では、本体の外壁40と内壁52との間に液体収容コンパートメント54を配置することができる。いくつかの構成では、内壁52は、液体収容コンパートメント54から加湿コンパートメント50を分離する。
【0019】
液体収容コンパートメント54は2つの開口部を含むことができる。第1開口部56は、図3に示すように、内壁52を通って延在している。第1開口部56は、加湿コンパートメント50用のガス入口と液体収容コンパートメント54用のガス出口とを画定している。第1開口部56を通って流れるガスは、加湿チャンバ28によって受け取られ、使用者に送達される前に加湿される。言い換えれば、蓋44が適所にあって閉鎖された状態で、加湿チャンバ28は、加湿コンパートメント50内の適所で封止される。第1開口部56を通過するガスは、加湿コンパートメント50内に流れ込み、ガスは、加湿コンパートメントから、加湿チャンバ28内に流れ込んだ後、呼吸補助装置20から出る。
【0020】
図4に示す第2開口部58が、液体収容コンパートメント54へのガス入口と、流れ発生器26から通じる通路66からの流れのためのガス出口とを画定している。一構成では、第1開口部56は上部ハウジング32にあり、第2開口部58は下部ハウジング34にある。いくつかの構成では、第1開口部56は、第2開口部から水平方向および垂直方向両方にずれている。いくつかの構成では、第1開口部56は、図5に示すように、第2開口部58から少なくとも水平方向にずれている(すなわち、第1開口部56は第2開口部58の右側にある)。いくつかの構成では、第1開口部56は、第2開口部58から少なくとも水平方向に完全にずれている。いくつかの構成では、2つの開口部56、58は、2つの直交する方向に(たとえば、水平方向にかつ垂直方向に)ずれている。いくつかの構成では、2つの開口部56、58は、3つの直交する方向に(2つの直交する方向において水平方向にかつ垂直方向に)ずれている。第2開口部58に対して第1開口部56をずらして配置することにより、液体が第1開口部56を通って液体収容コンパートメント54にこぼれ、流出し、沈積し、または他の方法で流れ込み、液体収容チャンバ54に対して流れ発生器26に向かってさらに上流に流れる可能性が低減する。言い換えれば、液体は、容易に第1開口部56を通って第2開口部58に流れ込む可能性は低い。したがって、加湿チャンバ28から流れ発生器26に向かう液体の浸入を阻止することができる。
【0021】
ここで図4を参照すると、液体収容コンパートメント54は、少なくとも下壁70を備えている。下壁70は、下部ハウジング34の一部として形成することができる。図示する構成では、下部ハウジング34の一部に畝状部72を画定することができる。図示する畝状部72は、概してリザーバ74を取り囲むことができる。図6に示すように、畝状部72は、概して第2開口部58を包囲している。他の構成も可能である。
【0022】
再び図5を参照すると、第2開口部58は、下壁70より垂直方向に高い。いくつかの構成では、第2開口部58は、ある垂直距離にわたり、第2開口部58の最下部分は、下壁70より垂直方向に高い。いくつかの構成では、下壁70は、ある垂直距離にわたることができ(すなわち、実質的に平坦ではない)、第2開口部58は、第2開口部58に直接隣接している下壁70のいかなる部分より垂直方向に高い。
【0023】
図示する構成では、第2開口部58は、台76の頂部に形成されている。台76を下部ハウジング34とともに一体的に形成することができる。台76は、図5および図6に示すように、概して通路80を取り囲んでいる。図示する台76の上端では、第2開口部58は概して傾斜しており、それにより、図示する台の上面は、第1開口部56に向かって角度をなしている。さらに、図5を参照すると、少なくとも、第1開口部56から最も遠い台76の内面が、第1開口部56に向かって曲がっている。概して第2開口部58に隣接している台76の偏向した部分がリップ82を形成している。リップ82は、第1開口部56の全体的な方向に向かってガス流を偏向させるのに役立つことができる。
【0024】
図6を参照すると、第2開口部58は幅狭領域84も有している。幅狭領域84は、図示する構成では第1開口部56に最も近接して配置されている。図5に示すように、幅狭領域84は、リップ領域82と同じ程度までは上方に延在していない。リップ領域82および/または幅狭領域84は、ガス流を所望の方法で適応させかつ方向付けるのに役立つことができる。他の構成も可能である。
【0025】
上述したように、いくつかの構成では、本体30の内壁52と外壁40との間に、液体収容コンパートメント54の少なくとも一部が画定されている。図7を参照すると、少なくとも第1壁78およびいくつかの構成では第2壁84が、内壁52および外壁40と協働して、液体収容コンパートメント54の側面を画定することができる。これらの壁40、52、78、84を上部ハウジング32と一体的に形成することができる。
【0026】
畝状部72は、これらの壁40、52、78、84の構成と一致することができる。したがって、畝状部72およびこれらの壁40、52、78および84は互いに当接することができる。畝状部72および壁40、52、78、84の接合部における漏れの可能性を低減させるために、上部ハウジング32と下部ハウジング34との間にシール86を配置することができる。図示する構成では、シール86は溝90内に配置される(図5を参照)。畝状部72内に溝90を配置することができる。シール86は、畝状部72より弾性のある材料から形成することができる。したがって、シール86は、壁40、52、78、84と接触した時に変形することができる。シール86の圧縮により、液体またはガスが液体収容コンパートメント54内外に漏れる可能性を低減させることができる。
【0027】
さらに、液体が第1開口部56を通って液体収容チャンバ54内に流れ込む場合、液体は、液体収容チャンバ54内に保持される。したがって、上部ハウジング32と下部ハウジング34との間のシール86により、液体収容チャンバ54内の液体の液面が畝状部72の高さを越える場合であっても、液体が流動する可能性を低減させることができる。
【0028】
本発明について、いくつかの実施形態に関して説明したが、当業者に明らかである他の実施形態もまた本発明の範囲内にある。したがって、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな変形および変更を行うことができる。たとえば、さまざまな構成要素を要求通りに位置を変えることができる。さらに、特徴、態様および利点のすべてが必ずしも本発明を実施するために必要であるとは限らない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲のみによって定義されるように意図されている。
【外国語明細書】