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特開2022-16478ホール・エルーセルのカソード集電体/コネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016478
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】ホール・エルーセルのカソード集電体/コネクタ
(51)【国際特許分類】
   C25C 3/08 20060101AFI20220114BHJP
   C22B 21/00 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
C25C3/08
C22B21/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021180174
(22)【出願日】2021-11-04
(62)【分割の表示】P 2019526369の分割
【原出願日】2017-07-26
(31)【優先権主張番号】102016213715.8
(32)【優先日】2016-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518445676
【氏名又は名称】トーカイ・コベックス・ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】519028955
【氏名又は名称】ノヴァルム・エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・プフェッファー
(72)【発明者】
【氏名】レネ・フォン・ケーネル
(57)【要約】
【課題】ホール・エルー法を用いたアルミニウムの製造、特に、セルを外部バスに接続するためのカソード集電体/コネクタバーの最適化を提供する。
【解決手段】本発明は、カソードの下に集電バー(7)、すなわち外側端部が、集電バーの電気接続を与える導体要素(30)によって外部バス(40)に接続される銅集電バーを含むアルミニウム(2)製造用の電解セルに関する。この導体要素(30)は、銅などの導体バー(7)と同じかまたは異なる高導電性金属の可撓性コネクタストリップを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムを製造するためのホール・エルーセルのカーボンカソードに組み立てられたカソード集電体およびコネクタアセンブリであって、前記カーボンカソードの下に位置する少なくとも1本の高導電性金属のバーを備え、前記高導電性金属が鋼よりも高い電気伝導率を有し、高導電性集電バーまたはそれらの各々が、セル外装カバーの内側または外側までコネクタへと外方向に延びる1つまたは2つの端部を含み、前記高導電性集電バーまたはそれらの各々の前記端部が、外部バスへの接続を提供する導体要素にそれぞれ直列に電気接続されているカソード集電体およびコネクタアセンブリにおいて、
外部バスへの前記集電バーの電気接続を提供する前記導体要素が、導体バーと同じまたは異なる高導電性金属の可撓性コネクタストリップを含むことを特徴とする、カソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記高導電性金属が、銅、アルミニウム、銀およびそれらの合金、好ましくは銅または銅合金から選択される、請求項1に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記可撓性コネクタストリップが、前記集電バーの前記端部および外部バスへと直接または間接的に接続するためのリングまたはフックを有する固体銅の接続片をその端部に有する銅または銅合金の可撓性ストリップである、請求項1または2に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記集電バーの前記端部が、前記コネクタの近傍に、断面積減少ゾーンを含み、前記端部の前記ゾーンの断面積が、前記端部の残りの部分の断面積よりも小さい、請求項1から3のいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記断面積減少ゾーンが、前記集電バーの前記端部に少なくとも1つの開口部、または厚さが低減された部分もしくは凹部を含む、請求項4に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記コネクタが前記集電バーと同じまたは異なる高導電性金属の導体ブロックを含み、前記導体ブロックが、前記端部の上下からおよび/または両側から横方向に突出するように前記集電バーの前記端部に取り付けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記集電バーが、横材によって外側端部で接合された2つの離間したアームを含み、前記導体ブロックが前記横材に外面接続されており、前記2つの離間したアームの各々が、前記横材との接続部に隣接する、各アームの断面積が前記アームの残りの部分の断面積よりも小さいゾーンを含む、請求項6に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記導体ブロックが、高導電性金属の複数のストリップまたはブレイドまたはエンボス部で作製された可撓性コネクタストリップに接続されており、前記導体ブロックが、好ましくは、アルミニウム、銅、またはそれらの合金でできており、前記可撓性コネクタストリップが銅または銅合金でできている、請求項6または7に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記導体ブロックと前記集電バーとの対向面の間にバイメタル板を備える、請求項6から8のいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項10】
銅または銅合金の前記集電バーが、前記カーボンカソードと直接電気接触しており、前記カーボンカソードの下から、銅または銅合金の前記集電バーが銅または銅合金でできている可撓性ストリップに接続されている前記セルの外側の端部まで延在している、請求項1から9のいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記集電バーの前記端部が、前記コネクタの近傍まで延びる金属の外側保護ケーシングを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項12】
前記集電バーと前記保護ケーシングとの間の空間が、低電気伝導率および低熱伝導率の圧縮性材料で任意選択的に充填されている、請求項11に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項13】
少なくとも1つのカソードが、少なくとも50重量%の割合、好ましくは少なくとも60重量%の割合、より好ましくは少なくとも80重量%の割合、さらに好ましくは少なくとも90重量%の割合、最も好ましくは95重量%の割合のカーボンおよび/または黒鉛からなる、請求項1から12のいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記カソードの上部がTiBのような少なくとも1つの耐火性硬質金属化合物を含み、前記カソードの下部がカーボンでできている、請求項1から13のいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリを備えたアルミニウム製造用のホール・エルーセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホール・エルー法を用いたアルミニウムの製造、特に、セルを外部バスに接続するためのカソード集電体/コネクタバーの最適化に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムは、1000℃までの温度の氷晶石ベースの電解質中に溶解したアルミナを電気分解することによって、ホール・エルー法によって製造される。典型的なホール・エルーセルは、鋼製シェル、耐火材料の絶縁ライニング、および液体金属を保持するカーボンカソードで構成されている。カソードは、セルを流れる電流を取り出すために集電バーがその底部に埋め込まれているいくつかのカソードブロックからなる。
【0003】
多くの特許文献が、液体金属と集電バーの端部との間の電圧降下を最小にするための異なるアプローチを提案している。WO2008/062318は、既存の鋼製集電体バーを補完するものとして高導電性材料を使用することを提案しており、鋼製集電体バーの内側に銅インサートを使用するという解決策を開示しているWO02/42525、WO01/63014、WO01/27353、WO2004/031452およびWO2005/098093を参照している。米国特許第4,795,540号では、カソードが集電体バーと同様にセクションに分割されている。WO2001/27353およびWO2001/063014では、集電体バーの内側に高導電性材料が使用されている。US2006/0151333は、集電体バーにおける異なる電気伝導率の使用をカバーしている。WO2007/118510は、カソードの表面における電流分布を変化させるためにセルの中心に向かって集電体バーの断面積を増大させることを提案している。US5,976,333および6,231,745は、鋼製集電体バーの内側に銅インサートを使用することを提示している。EP2133446A1は、金属パッドの表面での波を安定させ、ACD(アノードからカソードまでの距離)を最小にするために、カソードの表面形状を修正するカソードブロック構成を記載している。
【0004】
WO2011/148347には、カーボンカソード内の筐体内に密封された高導電性インサートを含むアルミニウム製造セルのカーボンカソードが記載されている。これらのインサートは、カソード本体の電気伝導率を変えるが、集電体バーによる集電および抽出には関与しない。
【0005】
溶融氷晶石の電気伝導率は非常に低く、典型的には220Ω-1-1であり、金属‐浴(金属‐氷晶石電解質)界面で波をもたらす磁気流体力学的不安定性の形成のためにACDをあまり減らすことができない。波の存在はプロセスの電流効率の損失を招き、臨界値以下にエネルギー消費を減らすことができない。アルミニウム業界では平均して、電流密度はACDでの電圧降下が0.3V/cmで最小になる。ACDは3から5cmなので、ACDにおける電圧降下は通常1.0Vから1.5Vである。液体金属内部の磁場は、外部バスバーに流れる電流および内部電流の結果である。液体金属内部の内部局所電流密度は、大部分がカソードの幾何学的形状およびその局所的な電気伝導率によって決まる。磁場および電流密度は、それ自体が金属表面輪郭、金属速度場を生成し、そして磁気流体力学的セル安定性のための基本的環境を規定するローレンツ力場を生成する。セル安定性は、金属パッドの表面に不安定な波を発生させることなくACDを低下させる能力として表すことができる。安定性のレベルは、電流密度および誘導磁場だけでなく、液体金属プールの形状にも依存する。プールの形状は、カソードの表面およびレッジの形状に依存する。従来技術の解決策は、良好なセル安定性(低いACD)を満たすために必要な磁気流体力学的状態に対する所与のレベルに対応するが、銅インサートを使用する解決策は非常に高価であり、しばしば高度な機械加工プロセスを必要とする。
【0006】
その内容が参照により本明細書に組み込まれるWO2016/079605には、カーボンカソードの中央部の下に位置し、通常はカソードスロットまたはスルーホール内に直接位置するまたは支持体としてU形状を使用した中央部を備える高導電性コネクタバーが記載されており、この高導電性コネクタバーの中央部は、少なくともその上部外面がカーボンカソードと直接電気的に接触しているか、または高導電性コネクタバーの表面上に適用された導電性接着剤および/または導電性可撓性箔またはシートによって形成された導電性界面を通じてカーボンカソードと接触している。高導電性コネクタバーは、銅、アルミニウム、銀およびそれらの合金、好ましくは銅または銅合金から選択され、中央部の片側または両側におよびそこに隣接して配置された1つまたは2つの外側部分と、前記外側部分から外側に延在する1つまたは複数の端部とを含む。高導電性集電バーのこれらの端部は、高導電性コネクタバーよりも大きい断面積を有する鋼製導体バーにそれぞれ直列に電気的に接続され、前記鋼製導体バーは外部電流供給バスバーに接続するために外側に延びている。
【0007】
この既知の構成では、高導電性金属バーの末端部分は、トランジションジョイントを形成する鋼製導体バーと好ましくは直列に電気接続され、高導電性金属バーと鋼製導体バーは互いに部分的に重なり合い、溶接によって、導電性接着剤によって、および/または圧入を達成するためのクランプ、または熱膨張によって固定されるジョイントなどの機械的圧力を加えるための手段によって固定される。あるいは、固定された端部が互いにねじ込まれる。トランジションジョイントを形成する鋼製バーは、セルの外部のバスバーネットワークに接続するために外側に延び、鋼製バーの外側に延びる端部は、電圧降下を低減し、セルの熱バランスを確保するために大きな断面を有する。
【0008】
トランジションジョイントを形成する鋼製バーを用いた既知の構成は、小さな過電圧の不利益に対して十分な熱損失を生じるという点で部分的に満足のいくものである。しかしながら、銅/鋼接続は複雑であり、製造コストの増加を招くのに対して、これらの銅/鋼接続は時間の経過と共に劣化しやすくなり、接触不良につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2008/062318号
【特許文献2】国際公開第02/42525号
【特許文献3】国際公開第01/63014号
【特許文献4】国際公開第01/27353号
【特許文献5】国際公開第2004/031452号
【特許文献6】国際公開第2005/098093号
【特許文献7】米国特許第4,795,540号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2006/0151333号明細書
【特許文献9】国際公開第2007/118510号
【特許文献10】米国特許第5,976,333号明細書
【特許文献11】米国特許第6,231,745号明細書
【特許文献12】欧州特許出願公開第2133446号明細書
【特許文献13】国際公開第2011/148347号
【特許文献14】国際公開第2016/079605号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の第1の目的は、鋼製バーが以前接続されていた位置で接続されるセルのすぐ外側でカーボンカソードの内側から延びる1つの部品として1つの銅バー(または複数の銅バー)を使用することによって、集電バーシステムを簡略化することである。
【0011】
本発明によれば、用語「カーボンカソード」は、無煙炭および/または黒鉛および/またはコークスに基づく全ての種類のカソードを意味し、これらのカソードが焼成されているか黒鉛化されているかは無関係である。
【0012】
別の目的は、様々な技術を使用して断面を減少させることによって銅バー内の熱流束の減少を実現することである。
【0013】
別の目的は、銅バーの端部から銅フレックスを使用して主バスバーに直接接続することによって、接続をさらに簡略化することである。
【0014】
本発明の別の目的は、銅バーが中間の鋼要素なしにセルから出て、フレックスまたはバスバーに直接接続可能にすることである。接続点での所望の温度(150℃から250℃)、液体金属から接続点での所望の電圧降下(100mVから300mV)、および所望の熱流束(500Wから1500W)を達成するために、接続点の手前で、好ましくはセルの外側で、銅バーの断面の減少を実現することができる。
【0015】
したがって、本発明は、熱流束を低減し、過電圧の不利益がより低い、長期間にわたって信頼性のある接続を提供することによって、以前の鋼製コネクタバーをより低いコストで有利に省略することを可能にする。
【0016】
説明として、電流はカーボンカソードから銅バーに流れ込み、銅バーはそれ自体が隣のセルに電流を導くために、アルミニウム製の外部主バスバーに接続されなければならない。
【0017】
目的は、電圧降下を最小限に抑えることであり、これは、技術的に実現可能な最も低い電気抵抗を実現することを意味する。これは集電バー自体の大きな断面を意味する。カソードから外部バスバーへの銅は、高い電気伝導性に起因する妥当な断面を備えて適切に機能することができる。
【0018】
熱力学の第一法則によれば、発生する熱は定常状態での熱損失に等しいので、カソードからセルの外側に向かって抽出される熱の量をできるだけ少なくするべきである。言い換えると、断面が大きすぎると、セルから出る熱が多すぎ、低電圧のために氷晶石がカソードの表面で凍結し、これは許容できない。また、アルミニウム主バスバーに高温の銅バーを接続することはできない。
【0019】
以前は、これらの制約により、セル内部の銅バーとセルの外側部分との間にバーの形態の鋼要素を設けなければならないと考えられていた。銅バーの端を冷却するための解決策があり、セルの要件を満たすその熱量を調整できるのであれば、セルの外側への接続に銅などの電気伝導率の高い金属のみ使用できると計算された。
【0020】
銅集電バーの端部を冷却するための1つの解決策は、銅またはアルミニウム製フレックスを使用することである。銅集電バーの端部を冷却するための別の解決策は、その断面を調整することである。銅集電バーの端部を冷却するためのさらに別の解決策は、大きなアルミニウムブロックを取り付けることである。これらのおよび他の解決策は、本発明単独でまたは組み合わせて企図される。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、アルミニウムを製造するためのホール・エルーセルのカーボンカソードに組立てられたカソード集電体及びコネクタアセンブリに関し、該アセンブリはカーボンカソードの下に配置された少なくとも1本の高導電性金属のバーを備える。高導電性金属は鋼よりも高い電気伝導率を有し、好ましくは銅または銅合金である。高導電性集電バーまたはその各々は、セル外側カバーの内側または外側まで外方向に延びる1つまたは2つの端部を含み、高導電性集電バーまたはその各々の前記端部は、外部バスへの接続を提供する導体要素にそれぞれ直列に電気接続される。
【0022】
本発明の主な態様によれば、集電バーを外部バスに電気的に接続する導体要素は、コネクタバーと同じまたは異なる高導電性金属の可撓性コネクタストリップを含む。
【0023】
高導電性金属は、銅、アルミニウム、銀およびそれらの合金、好ましくは銅または銅合金から選択される。
【0024】
したがって、銅フレックスの適切な表面が自然対流冷却を有するように決定することができる。断面は電圧降下と熱伝導(セルから取り出される熱)を規定し、フレックスの表面は、好ましくは100℃~120℃より下に維持される主導体に到達する前に温度を低下させるために必要なフレックスの熱損失を決定する。
【0025】
可撓性コネクタストリップは、通常、集電バーの端部および外部バスに直接または間接的に接続するためにその端部にリングまたはフックを備えた銅接続片を有する可撓性銅または銅合金ストリップである。そのような可撓性コネクタが集電バーとバスとの間に接続される場合、可撓性コネクタは典型的にはその中央部分で垂れ下がるかまたは撓む。
【0026】
集電バーの端部は、有利には、前記コネクタの近傍に、端部のあるゾーンの断面積が前記端部の残りの部分の断面積よりも小さい断面積減少ゾーンを含む。
【0027】
断面積減少ゾーンは、典型的には、集電バーの端部に少なくとも1つの開口部、または凹部または減少した厚さの部分を含む。
【0028】
このようにして、高導電性(銅)バーは、中間の鋼プレートまたはバーなしでセルから出ることができ、屈曲導体または外部バスバーに直接接続することができる。断面減少ゾーンは接続点の前に設けられており、好ましくはセルの外側にある。この断面積減少ゾーンは、カソードにおいて発生した熱を平衡化するような方法で熱損失を最小にするために接続領域の断面が低減される。従って、それは接続点において150℃から250℃の所望の温度、液体金属から接続点まで100mVから300mVの所望の電圧降下、および500Wから1500Wの所望の熱流束を提供する。
【0029】
いくつかの実施形態では、コネクタは、集電バーと同じまたは異なる高導電性金属の導体ブロックを含み、導体ブロックは、前記端部の上下からおよび/または両側から横方向に突出するように集電バーの端部に接続される。
【0030】
特定の実施形態では、集電バーは、横材によって外側端部で接合された2つの離間したアームを含み、導体ブロックは横材に外面接続され、2つの離間したアームの各々は、横材との接続部に隣接して、各アームの断面積が前記アームの残りの部分の断面積よりも小さい断面積減少ゾーンを含む。
【0031】
この場合、導体ブロックは、高導電性金属の複数のストリップまたはブレイドまたはエンボス部からなる可撓性コネクタストリップに接続することができる。
【0032】
上述の導体ブロックは、アルミニウム、銅、またはそれらの合金で作製することができるが、可撓性コネクタストリップは、銅または銅合金で作製するのが好ましい。
【0033】
好ましい実施形態では、導体ブロックは、前記端部の上および/または下からおよび/または両側から横方向に突出するように、集電バーの端部に取り付けられる。
【0034】
好ましくは、バイメタル板が導体ブロックと集電バーとの対向面間に設けられる。集電バーと接触するバイメタル板の一面は、好ましくは集電バーと同じ金属、例えば銅で作られる。導体ブロックと接触するバイメタル板の他面は、好ましくは導体ブロックと同じ金属、例えばアルミニウムから作られる。このバイメタル板は、対向面間の空間のみを占有することができ、あるいは導体ブロックの自由面を部分的にまたは完全に覆うことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、集電バーの端部は、前記コネクタの近傍まで延びる、好ましくは鋼製の外側保護ケーシングを含む。この保護ケーシングは、典型的には、提供されている場合には、上記断面積減少ゾーンの手前、または提供されている場合には上記横材の手前に留まる。集電バーと保護ケーシングとの間の空間は、任意選択的に、電気伝導率の低い材料、例えばセラミックまたはアモルファスカーボンをベースとする材料、好ましくはセラミック材料で充填される。このアモルファスカーボンはコークスまたは無煙炭であり得る。セラミック材料は、セラミック繊維シート、セラミック繊維ウールまたは顆粒であり得る。
【0036】
すべての実施形態において、少なくとも1つのカソードは、少なくとも50重量%の割合、好ましくは少なくとも60重量%の割合、さらに好ましくは少なくとも80重量%の割合、さらにより好ましくは少なくとも90重量%の割合、最も好ましくは少なくとも95重量%のカーボンからなる。
【0037】
別の実施形態では、カソードの上部、典型的にはその上面は、TiBのような少なくとも1つの耐火性硬質金属化合物を含むことができ、カソードの下部はカーボンおよび/または黒鉛、例えば特に無煙炭を含むアモルファスカーボンで作られる。
【0038】
本発明によるカソード集電体およびコネクタアセンブリは、WO2016/079605に記載されているすべての特徴を組み込むことができる。例えば、銅集電体は、通常、カソードのカーボンブロックと直接接触するであろう。特に、この新たな発明は、例えば、WO2016/079605からの以下の特徴を組み込むことができる。
【0039】
高導電性金属の上部の表面および任意選択的に側面は、カーボンカソードとの接触を強化するために、粗面化されるかまたは溝のような凹部もしくはフィンのような突起部が設けられ得る。
【0040】
高導電性金属とカーボンカソードとの間に導電性界面がある場合、そのような導電性界面は、好ましくは銅、銅合金、ニッケルもしくはニッケル合金の金属布、メッシュまたは発泡体、黒鉛箔もしくは布、接着剤の導電層、またはそれらの組み合わせから選択できる。有利には、導電性界面は、固体炭素含有成分を二成分硬化性接着剤の液体成分と混合することによって得られる炭素系導電性接着剤を含む。
【0041】
セルの設計に応じて、高導電性金属バーの側面および任意選択的に底部は、カーボンカソードと接触しているラミングペーストまたは耐火レンガと直接または間接的に接触することができる。
【0042】
高導電性金属バーには、少なくとも1つのスロットを設けるように機械加工することができ、または別の空間を設けることができ、スロットまたは空間は、スロットによって提供される空間への高導電性金属の内側への膨張を可能にすることによってカソードにおけるバーの熱膨張を補償するように構成される。
【0043】
カソードカーボンは、高導電性金属上のカソードの重量の結果として、および高導電性金属の制御された熱膨張によって、高導電性金属の開放上部外面に電気的に接触することができる。
【0044】
高導電性コネクタバーの外側部分は、典型的にはセル底部の導電性部分の下または中を通って延在し、その場合高導電性コネクタバーのこれらの外側部分はセル底部の導電性部分から、特にカーボンカソードまたはラミングペーストの側面部分から電気的に絶縁される。高導電性金属バーのいくつかの部分は、絶縁体で覆うことによって、特に前記外側部分の周りに巻かれたアルミナなどの絶縁材料の1枚以上のシートまたは1200℃までの温度に耐えることができる電気絶縁接着剤またはセメントまたは任意の絶縁材料の層で覆うことによってセル底部の導電性部分から都合よく絶縁される。
【0045】
カソード集電体の中央部分の高導電性金属のバーは、ホール・エルーセルカソードの温度でその強度を保持する材料で作られたU字型の形状に保持することができる。このようなU字形の形状は、前記バーの下に位置しかつその上にバーが載置される底部、任意選択的に少なくとも1つの直立フィン、および側面上に延び、高導電性バーの側面から離間するかまたは接触する側面部分を有することができる。前記高導電性バーは、高導電性金属がカーボンカソードに直接または導電性界面を介して接触することを可能にするために、少なくとも後方上部および任意選択的に側部もU字型の形状によって自由に保たれる。高導電性金属の開放上部部分、および好ましくは側面も、直接または導電性界面を介してカーボンカソードと接触する。U字形の形状は典型的には鋼などの金属、またはコンクリートもしくはセラミックで作られる。
【0046】
WO2016/079605によるカソード集電バーを使用すると、カーボンカソードの電気伝導率が増加し、元のカソード設計および新しい集電バーの高導電性金属の上部接触形状の設計に応じて、カソードブロックの有用な高さを10%から30%増加させることができる。カソードブロックの高さを増加させることによって、カソード、ひいてはセルの有効寿命をそれに応じて増加させることができる。
【0047】
WO2016/079605によるカソード集電バーを使用するとさらに、液体金属内および/またはカーボンカソード内に最適化された電流分布をもたらし、より低い電圧でセルを動作させることが可能となる。より低い電圧は、より短いアノード‐カソード間距離(ACD)、および/または液体金属から集電バーの端部までカーボンカソード内部のより低い電圧降下から生じる。
【0048】
カーボンカソードに対する熱膨張の制御は、1つまたは複数のスロットを高導電性バーに機械加工することによって、または2本またはそれより多くの離間したバーを使用することによって達成することができる。
【0049】
添付の図面を参照しながら実施例によって本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1A】従来技術の集電体およびコネクタバーの構成を備えたホール・エルーセルの概略断面図である。
図1B】本発明による集電体およびコネクタバーの構成を備えたホール・エルーセルの概略図である。
図2】銅集電バーの外部バスバーへの接続を示す概略斜視図である。
図3】集電バーに断面減少ゾーンを設ける1つの可能性を示す概略図である。
図4】集電バーの端部における温度低下を示す。
図5】断面および接続領域が減少された曲げバーを示す。
図6】集電バーの断面を減少させるための異なる形状の穴の例を示す。
図7】集電バーの断面を減少させる別の方法を示す。
図8】可撓性銅ストリップの2つの例を示す。
図9A】断面減少ゾーンのない集電バーの効果を断面減少ゾーンのあるものと比較するための試験構成を示す。
図9B】断面減少ゾーンのない集電バーの効果を断面減少ゾーンのあるものと比較するための試験構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、カーボンカソードセル底部4、カーボンカソードセル底部4上の液体カソードアルミニウムのプール2、アルミニウムプール2の上部の溶解アルミナを含む、フッ化物すなわち氷晶石ベースの溶融電解質3、および電解質3中に懸架されている複数のアノード5を備えるWO2016/079605によるホール・エルーアルミニウム製造セル1を概略的に示す。セルカバー6、セル容器8の外からカーボンセル底部4に通じている本発明によるカソード集電バー7、およびアノード懸架ロッド9も示されている。図から分かるように、集電バー7はいくつかのゾーンに分割されている。ゾーン10は電気的に絶縁されており、ゾーン11はいくつかの層から構成されている。溶融電解質3は、凍結電解質のクラスト12内に含まれている。
【0052】
WO2016/079605の本質的な考察は、断面積の大きな鋼バー18が集電バー7の端部に電気的に直列に接続され、外部電源に接続するためにセル1の外側に突出していることである。集電バーのゾーン10は、例えば、アルミナのシートに包まれることによって、または電気絶縁性の接着剤もしくはセメントで覆われることによって電気的に絶縁されている。
【0053】
図1Bは、本発明による集電体およびコネクタバーの構成を備えたホール・エルーセルを概略的に示す。ここでは、銅集電バー7が、中間アルミニウムブロック20および可撓性銅コネクタ30を介して主バスバー40に直接接続されている。
【0054】
図2は、銅集電バー7の外部バスバー40への接続の一例を示す拡大斜視図である。図示されているように、この例では、集電バー7は、横材によって外側端部で接続された2つの平行に離間したアームを備える。離間したアーム7よりも広く、それよりもはるかに高いアルミニウム導体ブロック20は、横材に外面接続されている。2つの離間したアームはそれぞれ、横材との接続部に隣接して、この例では、接続領域に隣接する対向するアームに円形の穴を設けることによって、各アームの断面積が前記アームの残りの部分の断面積よりも小さいゾーン15を備える。
【0055】
アルミニウム導体ブロック20は、集電バー7と比較して大きく、集電バー7の端部の上下からおよび両側から横方向に突出するように集電バーの横材に取り付けられる。図示されているように、集電バー7に対向する導体ブロック20の突出した底部は、他端がバスバー40に接続された可撓性銅コネクタ30に接続され、この可撓性コネクタ30は中間部で撓んでいる。
【0056】
アルミニウム製である場合の導体ブロック20は、例えば、通常220×120×50mmの大きさにすることができるが、このブロック20は、銅フレックスを使用する場合には省略することができる。
【0057】
図3は、集電バーにおいて、横材に沿っておよび隣接して厚さを減少させることによって、断面減少ゾーン16を提供する1つの可能性を示す概略図である。
【0058】
図4は、集電バーの端部における温度低下を示す。温度は典型的にはカーボンカソード内部で950℃近くであり、カソードから離れた銅バー/フレックス界面で約200℃に達するまで低下する。
【0059】
図5は、接続領域17内の断面が減少された曲げバー7を示す。曲げ領域は、銅バーの端部を銅フレックスおよび/または固体界面20にボルト止めするために使用される。
【0060】
図6は、ゾーン15内の集電バー7の断面を低減するための様々な形状の穴の例を示す。図6aは、円形または任意選択的に楕円形の開口部を示す。図6bは、縁部が丸みを帯びた細い長方形の開口部を示す。図6cは丸い縁部を有する正方形の開口部を示し、6dは丸い縁部を有する菱形の形状を示す。図6eは、一群化された5つの円形開口部のアレイを示す。
【0061】
図7は、2つのローラ22の間で圧縮することによって集電バー7の断面を減少させて、ローラによって成形された断面減少ゾーン15を形成する別の方法を示す。
【0062】
図8は、ブロック20を外部バス40に接合するための可撓性銅ストリップ30の2つの例を示す。各可撓性ストリップ30は、ブロック20またはバス40への接続用の固体銅コネクタ34を両端に有する凹凸またはリブ付きまたは網状銅ストリップ32からなる。コネクタ34は、接続を行うための中央円形開口部を有するので、銅バー7の一端を可撓性ストリップ30の一端またはブロック20の下面にボルト止めすることができ、可撓性ストリップ30の他端は、主バスバー40に固定することができる。
【0063】
経時的に非常に低い接触電圧を実現するために、ECOCONTACT(商標)のような特別な導電性金属フォームを銅‐アルミニウム接点(30/20)および銅‐銅接点(30/40)で使用することができる。
【0064】
これらの銅可撓性ストリップ30は、現在のアルミニウムフレックスに代えて有利に使用することができる。アルミフレックスと比較した場合の銅フレックスの利点は数多くある。
‐高速実装
‐手順を容易にする高度な可撓性
‐低い電圧降下
‐正しいセクションを見つけやすい
‐銅バーに機械的応力がない
外部電圧の低下が大きくなり得る。
【0065】
図9Aおよび図9Bは、断面減少ゾーンのない集電バーの効果を断面減少ゾーンのあるものと比較するための試験構成を示す。
【0066】
図9Aに示されるように、断面減少ゾーンのない集電バー7はアルミニウムブロック20に接続され、アルミニウムブロック20は可撓性銅コネクタ30によって外部バス40に接続される。図9Bは、集電バー7が、集電バー7を構成する2つのアームの対向する側における対向する溝の対によって形成された、断面減少ゾーン15を有することを除いて同一の構成を示す。2つの構成は、同一の試験条件で、バーの温度が測定された。集電バーの端部、すなわち端部横材の位置での温度は、それぞれ、断面減少ゾーンのない集電バーの場合には241℃であり、減少ゾーンのある集電バーの場合には218℃であった。
【符号の説明】
【0067】
7 銅集電バー
15、16 断面減少ゾーン
20 導体ブロック
22 ローラ
30 コネクタ
40 バスバー
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
【手続補正書】
【提出日】2021-12-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムを製造するためのホール・エルーセルのカーボンカソードに組み立てられたカソード集電体およびコネクタアセンブリであって、前記カーボンカソードの下に位置する少なくとも1本の高導電性金属の集電バーを備え、前記高導電性金属が鋼よりも高い電気伝導率を有し、高導電性集電バーまたはそれらの各々が、セル外装カバーの内側または外側までコネクタへと外方向に延びる1つまたは2つの端部を含み、前記高導電性集電バーまたはそれらの各々の前記端部が、外部バスへの接続を提供する導体要素にそれぞれ直列に電気接続されているカソード集電体およびコネクタアセンブリにおいて、
外部バスへの前記集電バーの電気接続を提供する前記導体要素が、導体バーと同じまたは異なる高導電性金属の可撓性コネクタストリップを含み、
前記高導電性集電バーまたはそれらの各々の前記端部が、前記コネクタの近傍に、断面積減少ゾーンを含み、前記端部の前記ゾーンの断面積が、前記端部の残りの部分の断面積よりも小さいことを特徴とする、カソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記高導電性金属が、銅、アルミニウム、銀およびそれらの合金、好ましくは銅または銅合金から選択される、請求項1に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記可撓性コネクタストリップが、前記集電バーの前記端部および外部バスへと直接または間接的に接続するためのリングまたはフックを有する固体銅の接続片をその端部に有する銅または銅合金の可撓性ストリップである、請求項1または2に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記断面積減少ゾーンが、前記集電バーの前記端部に少なくとも1つの開口部、または厚さが低減された部分もしくは凹部を含む、請求項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記コネクタが前記集電バーと同じまたは異なる高導電性金属の導体ブロックを含み、前記導体ブロックが、前記端部の上下からおよび/または両側から横方向に突出するように前記集電バーの前記端部に取り付けられている、請求項1からのいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記集電バーが、横材によって外側端部で接合された2つの離間したアームを含み、前記導体ブロックが前記横材に外面接続されており、前記2つの離間したアームの各々が、前記横材との接続部に隣接する、各アームの断面積が前記アームの残りの部分の断面積よりも小さいゾーンを含む、請求項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記導体ブロックが、高導電性金属の複数のストリップまたはブレイドまたはエンボス部で作製された可撓性コネクタストリップに接続されており、前記導体ブロックが、好ましくは、アルミニウム、銅、またはそれらの合金でできており、前記可撓性コネクタストリップが銅または銅合金でできている、請求項またはに記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記導体ブロックと前記集電バーとの対向面の間にバイメタル板を備える、請求項からのいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項9】
銅または銅合金の前記集電バーが、前記カーボンカソードと直接電気接触しており、前記カーボンカソードの下から、銅または銅合金の前記集電バーが銅または銅合金でできている可撓性ストリップに接続されている前記セルの外側の端部まで延在している、請求項1からのいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記集電バーの前記端部が、前記コネクタの近傍まで延びる金属の外側保護ケーシングを含む、請求項1からのいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項11】
前記集電バーと前記保護ケーシングとの間の空間が、低電気伝導率および低熱伝導率の圧縮性材料で任意選択的に充填されている、請求項10に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項12】
少なくとも1つのカソードが、少なくとも50重量%の割合、好ましくは少なくとも60重量%の割合、より好ましくは少なくとも80重量%の割合、さらに好ましくは少なくとも90重量%の割合、最も好ましくは95重量%の割合のカーボンおよび/または黒鉛からなる、請求項1から11のいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記カソードの上部がTiBのような少なくとも1つの耐火性硬質金属化合物を含み、前記カソードの下部がカーボンでできている、請求項1から12のいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリ。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のカソード集電体およびコネクタアセンブリを備えたアルミニウム製造用のホール・エルーセル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
その内容が参照により本明細書に組み込まれるWO2016/079605には、カーボンカソードの中央部の下に位置し、通常はカソードスロットまたはスルーホール内に直接位置するまたは支持体としてU形状を使用した中央部を備える高導電性集電バーが記載されており、この高導電性集電バーの中央部は、少なくともその上部外面がカーボンカソードと直接電気的に接触しているか、または高導電性集電バーの表面上に適用された導電性接着剤および/または導電性可撓性箔またはシートによって形成された導電性界面を通じてカーボンカソードと接触している。高導電性集電バーは、銅、アルミニウム、銀およびそれらの合金、好ましくは銅または銅合金から選択され、中央部の片側または両側におよびそこに隣接して配置された1つまたは2つの外側部分と、前記外側部分から外側に延在する1つまたは複数の端部とを含む。高導電性集電バーのこれらの端部は、高導電性集電バーよりも大きい断面積を有する鋼製導体バーにそれぞれ直列に電気的に接続され、前記鋼製導体バーは外部電流供給バスバーに接続するために外側に延びている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
したがって、本発明は、熱流束を低減し、過電圧の不利益がより低い、長期間にわたって信頼性のある接続を提供することによって、以前の鋼製導体バーをより低いコストで有利に省略することを可能にする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明の主な態様によれば、集電バーを外部バスに電気的に接続する導体要素は、集電バーと同じまたは異なる高導電性金属の可撓性コネクタストリップを含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
本発明によるカソード集電体およびコネクタアセンブリは、WO2016/079605に記載されているすべての特徴を組み込むことができる。例えば、銅集電バーは、通常、カソードのカーボンブロックと直接接触するであろう。特に、この新たな発明は、例えば、WO2016/079605からの以下の特徴を組み込むことができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
高導電性集電バーの外側部分は、典型的にはセル底部の導電性部分の下または中を通って延在し、その場合高導電性集電バーのこれらの外側部分はセル底部の導電性部分から、特にカーボンカソードまたはラミングペーストの側面部分から電気的に絶縁される。高導電性金属バーのいくつかの部分は、絶縁体で覆うことによって、特に前記外側部分の周りに巻かれたアルミナなどの絶縁材料の1枚以上のシートまたは1200℃までの温度に耐えることができる電気絶縁接着剤またはセメントまたは任意の絶縁材料の層で覆うことによってセル底部の導電性部分から都合よく絶縁される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
図1A】従来技術の集電バーおよびコネクタの構成を備えたホール・エルーセルの概略断面図である。
図1B】本発明による集電バーおよびコネクタの構成を備えたホール・エルーセルの概略図である。
図2】銅集電バーの外部バスバーへの接続を示す概略斜視図である。
図3】集電バーに断面減少ゾーンを設ける1つの可能性を示す概略図である。
図4】集電バーの端部における温度低下を示す。
図5】断面および接続領域が減少された曲げバーを示す。
図6】集電バーの断面を減少させるための異なる形状の穴の例を示す。
図7】集電バーの断面を減少させる別の方法を示す。
図8】可撓性銅ストリップの2つの例を示す。
図9A】断面減少ゾーンのない集電バーの効果を断面減少ゾーンのあるものと比較するための試験構成を示す。
図9B】断面減少ゾーンのない集電バーの効果を断面減少ゾーンのあるものと比較するための試験構成を示す。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
図1Bは、本発明による集電バーおよびコネクタの構成を備えたホール・エルーセルを概略的に示す。ここでは、銅集電バー7が、中間アルミニウムブロック20および可撓性銅コネクタ30を介して主バスバー40に直接接続されている。
【外国語明細書】