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特開2022-164878販売管理システム及び販売管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164878
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】販売管理システム及び販売管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20221020BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139417
(22)【出願日】2022-09-01
(62)【分割の表示】P 2021071689の分割
【原出願日】2017-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】宮城 大輔
(57)【要約】
【課題】 陳列場所から取り出した買物客を特定できない商品についての店舗における処置を適切に行えるようにする。
【解決手段】 実施形態の販売管理システムは、特定手段、第1の更新手段、判定手段及び第2の更新手段を備える。特定手段は、商品が陳列場所から移動された場合に、当該商品を陳列場所から取り出した買物客を特定する。第1の更新手段は、特定手段により買物客が特定された場合に、当該特定された買物客に関連づけられた買上品リストを、商品の識別コードを含むように更新する。判定手段は、商品を陳列場所から取り出した可能性のある1又は複数の買物客を判定する。第2の更新手段は、特定手段により買物客が特定されなかった場合に、判定手段により判定された1又は複数の買物客にそれぞれ関連づけられた不明品リストを、商品の識別コードを含むように更新する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品が陳列場所から移動された場合に、前記商品を前記陳列場所から取り出した買物客を特定する特定手段と、
前記特定手段により前記買物客が特定された場合に、当該特定された買物客に関連づけられた買上品リストを、前記商品の識別コードを含むように更新する第1の更新手段と、
前記商品を前記陳列場所から取り出した可能性のある1又は複数の買物客を判定する判定手段と、
前記特定手段により前記買物客が特定されなかった場合に、前記判定手段により判定された1又は複数の買物客にそれぞれ関連づけられた不明品リストを、前記商品の識別コードを含むように更新する第2の更新手段と、
を具備した販売管理システム。
【請求項2】
前記不明品リストの内容を、予め定められた通知対象者に通知するための通知処理を行う通知手段、
をさらに備える請求項1に記載の販売管理システム。
【請求項3】
前記通知手段は、前記不明品リストが関連づけられた買物客を前記通知対象者とする、請求項2に記載の販売管理システム。
【請求項4】
前記不明品リストに含まれた識別コードで識別される商品が、前記不明品リストが関連づけられた買物客が買い上げる買上商品であるか否かを区分する区分手段と、
前記不明品リストとともに同一の前記買物客に関連づけられた前記買上品リストを、前記区分手段により前記買上商品に区分した商品の識別コードを含むように更新する第3の更新手段と、
前記第3の更新手段により前記買上品リストに含められた識別コードを含まないように前記不明品リストを更新する第4の更新手段と、
をさらに具備する請求項3に記載の販売管理システム。
【請求項5】
前記通知手段は、前記買上品リストに示された商品コードで識別される商品の決済を行うとき、あるいは当該決済の完了後に、当該買上品リストとともに同一の前記買物客に関連づけられた前記不明品リストに識別コードが含まれるならば、当該不明品リストの内容を店員に通知するための処理として前記通知処理を行う、
請求項2又は請求項3に記載の販売管理システム。
【請求項6】
コンピュータを、
商品が陳列場所から移動された場合に、前記商品を前記陳列場所から取り出した買物客を特定する特定手段と、
前記特定手段により前記買物客が特定された場合に、当該特定された買物客に関連づけられた買上品リストを、前記商品の識別コードを含むように更新する第1の更新手段と、
前記商品を前記陳列場所から取り出した可能性のある1又は複数の買物客を判定する判定手段と、
前記特定手段により前記買物客が特定されなかった場合に、前記判定手段により判定された1又は複数の買物客にそれぞれ関連づけられた不明品リストを、前記商品の識別コードを含むように更新する第2の更新手段と、
して機能させるための販売管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売管理システム及び販売管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を陳列販売する店舗において、買物客が陳列場所から取り出した商品を、その買物客の買上リストに追加することにより、買上登録を自動的に行う技術は既に知られている。この技術は具体的には、商品が、その商品の陳列場所から移動された場合に、当該移動がどの買物客による取り出しであったのかを特定する。そして特定された買物客に関連づけられた買上リストに、移動された商品の識別コードを追加する。
【0003】
ところが、陳列場所の近辺に複数の買物客が位置している場合には、どの買物客が商品を取り出したのかを特定することができない場合がある。そしてこの場合には、該当する商品について、店舗において適切に処置することができなかった。
このような事情から、商品を取り出した買物客を特定できなかった場合における店舗での処置を適切に行えることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09-97382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、商品を取り出した買物客を特定できなかった場合における店舗での処置を適切に行うことを可能とする販売管理システム及び販売管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の販売管理システムは、特定手段、第1の更新手段、判定手段及び第2の更新手段を備える。特定手段は、商品が陳列場所から移動された場合に、当該商品を陳列場所から取り出した買物客を特定する。第1の更新手段は、特定手段により買物客が特定された場合に、当該特定された買物客に関連づけられた買上品リストを、商品の識別コードを含むように更新する。判定手段は、商品を陳列場所から取り出した可能性のある1又は複数の買物客を判定する。第2の更新手段は、特定手段により買物客が特定されなかった場合に、判定手段により判定された1又は複数の買物客にそれぞれ関連づけられた不明品リストを、商品の識別コードを含むように更新する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る販売管理装置の要部回路構成と、当該販売管理装置を含んだ店舗システムの概略構成とを示すブロック図。
図2図1中のメインメモリに記憶される不明品リストの1つの構成を示す図。
図3】買上登録のための図1中のプロセッサの情報処理のフローチャート。
図4】一例としての確認画面を示す図。
図5】買物客によりチェックボックスがタッチされた後の確認画面を示す図。
図6】別の一例としての確認画面を示す図。
図7】不明品リストのチェックのための図1中のプロセッサの情報処理のフローチャート。
図8】一例としての警告画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、販売管理システムとしての機能の全てを備えた販売管理装置を例に説明する。
【0009】
図1は本実施形態に係る販売管理装置1の要部回路構成と、当該販売管理装置1を含んだ店舗システム100の概略構成とを示すブロック図である。
店舗システム100は、販売管理装置1、複数のセンサ2、無線アクセスポイント(無線AP)3及びアテンダント端末4を、ネットワーク5に接続して構成されている。なお、無線アクセスポイント3及びアテンダント端末4は、1つのみを図示しているが、複数がネットワーク5に接続されていてもよい。
【0010】
販売管理装置1は、店舗で陳列販売される商品についての販売を管理するための各種の処理を行う。この販売管理装置1が行う処理には、後述する情報処理が含まれる。
センサ2は、店舗内に分散して配置され、商品の移動や買物客の位置などを検出する。センサ2は、典型的にはビデオカメラである。しかしながらセンサ2としては、重量センサ、光センサ及び無線タグ受信機などの他の様々なセンサを用いてもよい。またセンサ2としては、これら複数種のセンサが混在して設けられてもよい。
無線アクセスポイント3は、無線回線を介してネットワーク5へと無線端末を接続する。無線アクセスポイント3が通信を行う対象となる無線端末には、買物客が所持するスマートフォンなどの携帯情報端末(以下、買物客端末と称する)200を含む。
【0011】
アテンダント端末4は、店員に対して各種の情報を通知するための情報処理、ならびに店員による操作に応じた情報処理を行う情報処理端末である。アテンダント端末4のハードウェアとしては、例えばパーソナルコンピュータ及びタブレットコンピュータなどを用いることができる。
ネットワーク5は、接続された各部の間で授受されるデータを伝送する。ネットワーク5としては、任意のタイプのものを適宜に適用可能であるが、典型的には店舗内に構築されたLAN(local area network)が適用される。
【0012】
販売管理装置1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶ユニット13、通信インタフェース14及び伝送システム15を含む。
【0013】
プロセッサ11と、メインメモリ12、補助記憶ユニット13及び通信インタフェース14とは、伝送システム15によって接続される。そして、プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶ユニット13が伝送システム15によって接続されることにより、販売管理装置1を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成している。
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムに従って、販売管理装置1としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0014】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0015】
補助記憶ユニット13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット13は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶ユニット13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ11での情報処理によって生成されたデータとを保存する。補助記憶ユニット13は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
メインメモリ12又は補助記憶ユニット13が記憶するアプリケーションプログラムのうちの1つは、後述する情報処理の手順について記述した販売管理プログラムである。
【0016】
通信インタフェース14は、ネットワーク5を介したデータ通信を行う。通信インタフェース14としては、例えばLANを介したデータ通信のための周知の処理を行うように構成された周知のものを用いることができる。
伝送システム15は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等と、インタフェース回路などを含み、接続されている各部の間で授受されるデータや制御信号を伝送する。
【0017】
さて、メインメモリ12の記憶領域の一部は、買上品リスト12a及び不明品リスト12bを記憶するために使用される。買上品リスト12a及び不明品リスト12bは、在店中の買物客のそれぞれに関連づけてメインメモリ12に設定される。買上品リスト12aは、関連づけられた買物客によって陳列棚から取り出されたことを特定済みである商品(以下、買上品と称する)のリストである。不明品リスト12bは、関連づけられた買物客により陳列場所から取り出された可能性があるものの、そのことを特定するに至っていない商品(以下、不明品と称する)のリストである。
【0018】
図2は不明品リスト12bの1つの構成を示す図である。
不明品リスト12bはさらに、客コード121及び不明品データ122を含む。客コードは、関連づけられた買物客を識別するための識別コードである。不明品データ122は、不明品を個々に管理するためのデータである。従って、不明品データ122は、不明品リスト12bに1つも含まれない場合もあるし、複数が含まれる場合もある。不明品データ122はさらに、不明品コード122a、商品コード122b及びステータス122cを含む。不明品コード122aは、不明品が生じる毎に、他の不明品に割り当てられた不明品コードとは重複しないように割り当てられる識別コードである。商品コード122bは、不明品となっている商品の識別コードである。ステータス122cは、不明品に関する確認状態を表す。本実施形態においては、ステータス122cは、「未確認」「否認」及び「確認済み」のいずれかを示す。
【0019】
図1に示す補助記憶ユニット13の記憶領域の一部は、不明履歴データ13aを記憶するために使用される。なお、不明履歴データ13aの詳細については後述する。
【0020】
次に、以上のように構成された店舗システム100の動作について説明する。
買物客は、店舗システム100が設けられた店舗にて買い物をする場合には、店舗システム100を利用するためのアプリケーションを、自らが所持する買物客端末200で実行させておく。なお当該買物客端末200には、無線アクセスポイント3の通信エリア内においては、無線アクセスポイント3を介した通信を行うことができるように通信設定を事前に行っておく。また買物客は、事前にユーザ登録を行っておき、客コードの割り当てを受けると共に、決済のためのクレジットカード情報の登録などのユーザ設定を行っておく。
【0021】
プロセッサ11は、買物客の来店を検出した場合、その買物客に関連付けた買上品リスト12a及び不明品リスト12bをメインメモリ12に作成する。ただしこの時点で買上品リスト12aは商品コードを含まず、不明品リスト12bは不明品データ122を含まない。
プロセッサ11は、センサ2の検出データを収集し、分析することで、陳列されている商品の移動、買物客の位置及び買物客の動作などを監視する。なお、この監視のための具体的な処理は、本実施形態の特徴とするところではなく、例えば既存の技術を利用できるので、その詳細な説明は省略する。
【0022】
そして陳列場所から商品が取り出されたことが認識された場合にプロセッサ11は、その商品(以下、取出商品と称する)を対象に、買上登録のための情報処理を開始する。なおプロセッサ11は、当該情報処理を実行中に、別の商品の取り出しが認識された場合には、当該情報処理を並行的に複数実行する。
【0023】
図3は買上登録のためのプロセッサ11の情報処理のフローチャートである。プロセッサ11は、メインメモリ12又は補助記憶ユニット13に記憶された販売管理プログラムに従って当該情報処理を実行する。なお、以下に説明する情報処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な情報処理を適宜に利用できる。
【0024】
Act1としてプロセッサ11は、取出商品を判定する。すなわちプロセッサ11は、取出商品の商品コードを判定する。
Act2としてプロセッサ11は、取出商品を取り出した可能性のある買物客として、候補客を判定する。なお、候補客は、1又は複数となる。かくして販売管理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは判定手段として機能する。
【0025】
Act3としてプロセッサ11は、上記の候補客の中から、取出商品を取り出した買物客の特定を試みる。例えばプロセッサ11は、候補客それぞれの位置や動作などから、取出商品を取り出した可能性の大きさを示すスコアを算出し、それらスコアに基づいて買物客の特定を試みる。かくして販売管理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは特定手段として機能する。
なお、以上のAct1-Act3の処理の具体的な内容は、本実施形態の特徴とするところではなく、例えば既存の技術を利用できるので、その詳細な説明は省略する。
【0026】
Act4としてプロセッサ11は、取出商品を取り出した買物客を特定できたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、特定できたならばYesと判定し、Act5へと進む。
Act5としてプロセッサ11は、Act1で判定した商品コードを含むように、Act3で特定した買物客の客コードに関連づけられた買上品リスト12aを更新する。かくして販売管理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは第1の更新手段として機能する。そしてプロセッサ11はこののち、図3に示す情報処理を終了する。
【0027】
一方でプロセッサ11は、買物客を特定するに至らなかった場合には、Act4にてNoと判定し、Act6へと進む。
Act6としてプロセッサ11は、Act2で判定した候補客にそれぞれ関連付けられた不明品リスト12bを更新する。具体的にはプロセッサ11は、メインメモリ12に記憶されている全ての不明品データ122に含まれた不明品コード122aのいずれとも重複しない不明品コード122aを発行する。そしてプロセッサ11は、当該不明品コード122aと、Act1で判定した商品コードとを含んで作成した不明品データ122と、「未確認」を示すステータス122cとを含んだ不明品データ122を、該当の不明品リスト12bに追加する。かくして販売管理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは第2の更新手段として機能する。
【0028】
Act7としてプロセッサ11は、候補客が所持する買物客端末200に対して確認画面表示を要求する。具体的にはプロセッサ11は、確認画面を表す画面データを含んだ要求データを、該当の買物客端末200に宛てて通信インタフェース14からネットワーク5へと送出する。当該要求データは、ネットワーク5及び無線アクセスポイント3を介して、該当の買物客端末200に伝送される。買物客端末200は、このように伝送された要求データを受信すると、確認画面を表示する。なおプロセッサ11は、候補客が複数存在する場合には、それら候補客がそれぞれ所持する複数の買物客端末200のそれぞれに宛てて、各買物客端末200向けに作成した要求データを送出する。確認画面表示を要求する処理は、不明品リスト12bの内容を、予め定められた通知対象者としての買物客に通知するための通知処理の一例である。かくして販売管理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは通知手段として機能する。
【0029】
図4は一例としての確認画面SC1を示す図である。
確認画面SC1は、領域AR1,AR2及びボタンBU1を含む。
領域AR1は、不明品の一覧を表すとともに、当該不明品を購入商品として登録するか否かの指定を受けるためのGUI(graphical user interface)画像を表す。領域AR1では、候補客に関連付けられた不明品リスト12bに含まれる商品コードで識別される商品のそれぞれについて、商品名及び価格と、承諾及び否認のそれぞれのチェックボックスCB1,CB2とを示している。
【0030】
なお確認画面SC1は、第1の買物客に関連付けられた不明品リスト12bに「AAAガム」が既に含まれるとともに、そのステータス122cが「未確認」を示すときに、「BBBガム」が新たに不明品とされ、かつ「BBBガム」についての候補客の1人として第1の買物客が判定された場合の一例である。従って確認画面SC1は、第1の買物客が所持する買物客端末200で表示される。
【0031】
領域AR2は、買上品の一覧を表す。領域AR2では、候補客に関連付けられた買上品リスト12aに含まれる商品コードで識別される商品のそれぞれについて、商品名及び価格を示している。
ボタンBU1は、確認画面SC1の表示の終了を買物客が指示するためのボタンである。
なおプロセッサ11は、確認画面SC1を作成するに当たっては、商品名及び価格を、例えば予め定められた商品データベースから取得する。
【0032】
買物客は、自らが所持する買物客端末200にて確認画面が表示されたならば、領域AR1に示された商品を陳列場所から取り出したか否かを確認する。そして当該商品を取り出しており、かつ当該商品が領域AR2に示された一覧に正しく含まれていないならば、承諾のチェックボックスCB1にタッチする。また買物客は、領域AR1に示された商品を陳列場所から取り出していないならば、否認のチェックボックスCB2にタッチする。また買物客は、領域AR1に示された商品を陳列場所から取り出したものの、既に当該商品が領域AR2に示された一覧に正しく含まれている場合には、否認のチェックボックスCB2にタッチする。これは、第1の買物客が取り出した商品が第1の買物客の買上品リスト12aに正しく登録されているにも拘わらずに、ほぼ同時に第2の買物客により取り出された同品目の商品が不明品とされ、かつ第1の買物客が候補客とされるような場合である。
【0033】
図5は買物客によりチェックボックスがタッチされた後の確認画面SC1を示す図である。
図5は、いずれの不明品についても、買物客がチェックボックスCB2をタッチした場合であり、チェックボックスCB2のいずれにもチェックマークCM1が示されている。なお、このような確認画面SC1の変更は、買物客端末200により行われる。
なお、候補客が複数存在する場合には、それら候補客がそれぞれ所持する複数の買物客端末200にて、候補客それぞれに応じた確認画面が表示される。
【0034】
図6は別の一例としての確認画面SC2を示す図である。
確認画面SC2は、図5に示す確認画面SC1が第1の買物客が所持する買物客端末200で表示される場面において、別の候補客である第2の買物客が所持する買物客端末200で表示されるものである。
【0035】
確認画面SC2は、確認画面SC1と同様に領域AR1,AR2及びボタンBU1を含むが、領域AR1,AR2に示される内容は第2の買物客に関連付けられた不明品リスト12b及び買上品リスト12aに応じていて、確認画面SC1とは異なっている。また確認画面SC2は、第2の買物客がチェックボックスCB1をタッチした後であり、チェックボックスCB1にチェックマークCM1が示されている。
【0036】
買物客は、自らが所持する買物客端末200に表示された確認画面での確認を終えたら、ボタンBU1をタッチする。なお、買物客が、チェックボックスCB1,CB2のどちらにタッチすべきか判断できない場合も想定される。そこで、チェックボックスCB1,CB2のいずれにもタッチしない状態でボタンBU1をタッチすることも許容することとする。このようにボタンBU1がタッチされたならば、買物客端末200は、チェックボックスCB1,CB2へのタッチの結果と客コードとを含んだ確認通知を販売管理装置1に宛てて無線アクセスポイント3へと送信する。この確認通知は、無線アクセスポイント3を介してLAN5を販売管理装置1へと伝送される。そして確認通知は、通信インタフェース14により受信される。
【0037】
図3のAct8としてプロセッサ11は、Act7での要求先の買物客端末200から確認通知がなされるのを待ち受ける。そしてプロセッサ11は、該当の買物客端末200から送信された確認通知が通信インタフェース14により受信されるとYesと判定し、Act9へと進む。
Act9としてプロセッサ11は、いずれかの不明品に関する承諾がなされているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、承諾がなされているならばYesと判定し、Act10へと進む。
【0038】
Act10としてプロセッサ11は、承諾がなされた不明品の商品コードを含むように、確認通知に含まれた客コードに関連付けられた買上品リスト12aを更新する。
Act11としてプロセッサ11は、承諾がなされた不明品に関する不明品データ122を削除するように、確認通知に含まれた客コードに関連付けられた不明品リスト12bを更新する。
【0039】
Act12としてプロセッサ11は、確認通知に含まれた客コードとは別の客コードに関連づけられた不明品リスト12bを更新する。プロセッサ11は具体的には、Act11で削除した不明品データ122に含まれた不明品コードを含んだ他の不明品データ122を検索し、該当する不明品データ122が存在するならば、当該不明品データ122を含んだ不明品リスト12bを、当該不明品データ122を削除するように更新する。
【0040】
プロセッサ11はこののち、Act13へと進む。なおプロセッサ11は、承諾がなされていないならばAct9にてNoと判定し、Act10-Act12をパスしてAct13へと進む。
Act13としてプロセッサ11は、いずれかの不明品に関する否認がなされているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、否認がなされているならばYesと判定し、Act14へと進む。
【0041】
Act14としてプロセッサ11は、否認がなされた不明品に関する不明品データ122に含まれているステータス122cを「否認」に変更する。なおプロセッサ11は、同じ買物客が候補客となる別の不明品が生じた場合には、Act7にて当該買物客が所持する買物客端末200に対して確認画面表示を再度要求することになる。このときにプロセッサ11は、ステータス122cが「否認」である不明品データ122に関する不明品については、確認画面に表さない。
【0042】
つまりプロセッサ11は、不明品が、買物客が買い上げる買上商品であるか否かを区分し、買上商品に区分した商品の識別コードである商品コードを含むように買上品リスト12aを更新し、かつ上記商品コードを含まないように不明品リスト12bを更新する。かくして販売管理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは区分手段、第3の更新手段及び第4の更新手段として機能する。
【0043】
プロセッサ11はこののち、Act15へと進む。なおプロセッサ11は、否認がなされていないならばAct13にてNoと判定し、Act14をパスしてAct15へと進む。
Act15としてプロセッサ11は、Act7での要求先の買物客端末200の全てからの確認通知が完了したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、まだ完了していないならばNoと判定し、Act8の待機状態に戻る。そしてプロセッサ11は、別の買物客端末200からの確認通知が受信されたならば、それに応じてAct9-Act14を上記と同様に実行する。
【0044】
かくしてプロセッサ11は、例えば、第1の買物客が、まず確認画面SC1が図5に示す状態であるときにボタンBU1にタッチしたとすると、Act9及びAct13を経てAct14へと進む。そしてプロセッサ11は、第1の買物客に関連付けられた不明品リスト12bに含まれる「AAAガム」及び「BBBガム」のそれぞれに関する不明品データ122において、ステータス122cをそれぞれ「否認」に変更する。これにより、不明品リスト12bがこの状態のままであり、かつ第1の買物客が候補客となる別の不明品が生じた場合には、「AAAガム」及び「BBBガム」は確認画面には表示されない。
【0045】
さてプロセッサ11は、次いで第2の買物客が、確認画面SC2が図6に示す状態であるときにボタンBU1にタッチしたとすると、Act9を経てAct10-Act12を実行する。つまりプロセッサ11は、「BBBガム」の商品コードを含むように、第2の買物客に関連付けられた買上品リスト12aを更新するとともに、「BBBガム」の商品コードを削除するように第2の買物客に関連付けられた不明品リスト12bを更新する。さらにプロセッサ11は、「BBBガム」の商品コードを削除するように、第1の買物客に関連付けられた不明品リスト12bを更新する。
そしてプロセッサ11は、Act7での要求先の買物客端末200の全てからの確認通知が完了しているならば、Act15にてYesと判定し、図3に示す情報処理を終了する。
【0046】
買物客は、買い上げるべき商品の全てを陳列場所から取り出し終えたならば、所定の売場出口を通って売場から出て、さらに店舗出口へ向かう。プロセッサ11は、買物客が売場出口から売場を出たことをセンサ2での検出結果に基づいて判定すると、当該買物客(以下、対象客と称する)を対象として、以下に説明するような不明品チェックのための情報処理を開始する。
【0047】
図7は不明品チェックのためのプロセッサ11の情報処理のフローチャートである。プロセッサ11は、メインメモリ12又は補助記憶ユニット13に記憶された販売管理プログラムに従って当該情報処理を実行する。なお、以下に説明する情報処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な情報処理を適宜に利用できる。
【0048】
Act21としてプロセッサ11は、対象客に関連付けられた不明品リスト12bに不明品が示されているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当の不明品リスト12bに1つでも不明品データ122が含まれているならばYesと判定し、Act22へと進む。
【0049】
Act22としてプロセッサ11は、警告画面の表示をアテンダント端末4に対して要求する。具体的にはプロセッサ11は、警告画面を表す画面データを含んだ要求データを、アテンダント端末4に宛てて通信インタフェース14からネットワーク5へと送出する。なおプロセッサ11は、複数のアテンダント端末4が存在する場合には、これら複数のアテンダント端末4に宛てて上記の要求データを送出してもよいし、予め定められた条件に合致するアテンダント端末4のみに上記の要求データを送信してもよい。一例としてプロセッサ11は、対象客に最寄りの1つのアテンダント端末4のみに上記の要求データを送信する。当該要求データは、ネットワーク5を介してアテンダント端末4に伝送される。アテンダント端末4は、このように伝送された要求データを受信すると、警告画面を表示する。アテンダント端末4での警告画面の表示には、例えばウェブブラウザなどの機能を用いることができる。これにより警告画面は、アテンダント端末4を担当する店員により目視されることになる。かくして警告画面表示を要求する処理は、不明品リスト12bの内容を、予め定められた通知対象者としての店員に通知するための通知処理の一例である。かくして販売管理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは通知手段として機能する。
【0050】
図8は一例としての警告画面SC3を示す図である。
警告画面SC3は、領域AR3,AR4及びボタンBU2を含む。
領域AR3は、不明品の一覧を表すとともに、当該不明品を購入商品として追加するか否かの指定を受けるためのGUI画像を表す。領域AR3では、対象客に関連付けられた不明品リスト12bに含まれる商品コードで識別される商品のそれぞれについて、商品名及び価格と、追加及び削除のそれぞれのチェックボックスCB3,CB4とを示している。
【0051】
なお警告画面SC3は、対象客に関連付けられた不明品リスト12bに「AAAガム」が既に含まれる場合の一例である。これは例えば、対象客が前述の具体例における第1の買物客であり、図5に示す例のように「AAAガム」についての購入登録を否認したものの、他の候補客も「AAAガム」についての購入登録を承諾していないような場合に相当する。
【0052】
領域AR4は、買上品の一覧を表す。領域AR4では、対象客に関連付けられた買上品リスト12aに含まれる商品コードで識別される商品のそれぞれについて、商品名及び価格を示している。
ボタンBU2は、確認結果の設定を確定することを店員が指示するためのボタンである。
なおプロセッサ11は、警告画面SC3を作成するに当たっては、商品名及び価格を、例えば予め定められた商品データベースから取得する。
【0053】
アテンダント端末4で表示された警告画面を確認した店員は、対象客が所持している商品を確認し、不明品となっている商品がそこに含まれていて、かつ登録済みではないか確認する。そして店員は、これに合致する商品があるならば、その商品に関するチェックボックスCB3にタッチする。また店員は、合致しない商品があるならば、その商品に関するチェックボックスCB4にタッチする。なお、図示は省略するが、チェックボックスCB3又はチェックボックスCB4がタッチされたことに応じて、アテンダント端末4は図5と同様にチェックマークを示すように警告画面を更新する。そして店員は、全ての不明品に関しての確認を終えたならば、ボタンBU2にタッチする。このようにボタンBU2がタッチされたならば、アテンダント端末4は、チェックボックスCB3,CB4へのタッチの結果と客コードとを含んだ確認通知を販売管理装置1に宛てて無線アクセスポイント3へと送信する。この確認通知は、無線アクセスポイント3を介してLAN5を販売管理装置1へと伝送される。そして確認通知は、通信インタフェース14により受信される。
【0054】
図7中のAct23としてプロセッサ11は、アテンダント端末4からの確認通知がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、確認通知がなされていないならばNoと判定し、Act24へと進む。
Act24としてプロセッサ11は、対象客が店舗出口を通過して店舗外へと出たか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、対象客がまだ店舗出口を通過していないならばNoと判定し、Act23へと戻る。
かくしてプロセッサ11はAct23及びAct24においては、確認通知がなされるか、又は対象客が退店するのを待ち受ける。
【0055】
プロセッサ11は、アテンダント端末4から送信された確認通知が通信インタフェース14により受信されるとAct23にてYesと判定し、Act25へと進む。
Act25としてプロセッサ11は、いずれかの不明品に関する追加指定がなされているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、追加指定がなされているならばYesと判定し、Act26へと進む。
Act26としてプロセッサ11は、追加指定がなされた不明品の商品コードを含むように、確認通知に含まれた客コードに関連付けられた買上品リスト12aを更新する。
【0056】
Act27としてプロセッサ11は、追加指定がなされた不明品に関する不明品データ122を削除するように、確認通知に含まれた客コードに関連付けられた不明品リスト12bを更新する。
Act28としてプロセッサ11は、確認通知に含まれた客コードとは別の客コードに関連づけられた不明品リスト12bを更新する。プロセッサ11は具体的には、Act27で削除した不明品データ122に含まれた不明品コードを含んだ他の不明品データ122を検索し、該当する不明品データ122が存在するならば、当該不明品データ122を含んだ不明品リスト12bを、当該不明品データ122を削除するように更新する。
【0057】
プロセッサ11はこののち、Act29へと進む。なおプロセッサ11は、追加指定がなされていないならばAct25にてNoと判定し、Act26-Act28をパスしてAct29へと進む。
Act29としてプロセッサ11は、いずれかの不明品に関する削除指定がなされているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、削除指定がなされているならばYesと判定し、Act30へと進む。
【0058】
Act30としてプロセッサ11は、削除指定がなされた不明品に関する不明品データ122に含まれているステータス122cを「確認済み」に変更する。
プロセッサ11はこののち、Act31へと進む。なおプロセッサ11は、削除指定がなされていないならばAct29にてNoと判定し、Act30をパスしてAct31へと進む。
【0059】
Act31としてプロセッサ11は、対象客が店舗出口を通過して店舗外へと出るのを待ち受ける。そしてプロセッサ11は、対象客が店舗出口を通過したならばYesと判定してAct32へと進む。なおプロセッサ11は、Act23及びAct24の待受状態にあるときに対象客が店舗出口を通過したならば、Act24にてYesと判定し、Act25-Act31をパスしてAct32へと進む。
Act32としてプロセッサ11は、対象客に関連付けられた買上品リスト12aに示された商品に関する代金を、予め登録されたクレジットカード情報などを用いて決済するための決済処理を行う。
【0060】
Act33としてプロセッサ11は、対象客について不明品があるか否かを確認する。プロセッサ11は、対象客に関連付けられた不明品リスト12bに不明品データ122が1つでも含まれるならばYesと判定し、Act34へと進む。
Act34としてプロセッサ11は、対象客に関連付けられた不明品リスト12bを含むように不明履歴データ13aを更新する。そしてプロセッサ11はこののち、図7に示す情報処理を終了する。かくして不明履歴データ13aは、買物客が退店する際に不明品データ122が残っていた不明品リスト12bを集積したものとなる。
【0061】
なおプロセッサ11は、対象客に関連付けられた不明品リスト12bに不明品データ122が1つも含まれないならばAct33にてNoと判定し、Act34をパスして図7に示す情報処理を終了する。
【0062】
プロセッサ11は、売場を出た買物客に関連付けられた不明品リスト12bに不明品データ122が1つも含まれていないならば、Act21にてNoと判定し、Act22-Act34の処理をいずれも行うことなしに、図7に示す情報処理を終了する。つまりプロセッサ11は、次の場合は警告画面の表示を行わず、かつ不明履歴データ13aの更新も行わない。
(1) 当該買物客に関して不明品が全く生じなかった場合。
(2) 当該買物客が、売場から出るまでの間に、全ての不明品についての購入を承諾した場合。
(3) 当該買物客が、売場から出るまでの間に、不明品の一部について購入を承諾するとともに、残りの不明品の全てについては他の買物客が購入を承諾した場合。
(4) 当該買物客が売場から出るまでの間に、不明品の全てについて他の買物客が購入を承諾した場合。
【0063】
以上のように販売管理装置1は、陳列場所からの取り出しを行った買物客を特定するに至らなかった不明品を、当該不明品の取り出しを行った可能性のある全ての買物客にそれぞれ関連付けられた不明品リスト12bに登録する。従って、この不明品リスト12bを参照することにより、買物客が持っていながら買上品リスト12aには登録されていない可能性のある商品を容易に確認できる。この結果、陳列場所からの取り出しを行った買物客を特定できない場合における店舗での処置を適切に行えるようになる。例えば、上記実施形態のように、買物客が買い上げようとしている商品に不明品リスト12bに示されている商品が含まれるか否かを店員が確認し、含まれるならば該当の商品の買上登録を行うことができる。
【0064】
また販売管理装置1は、不明品リスト12bに登録された商品を買い上げるか否かを、当該不明品リスト12bが関連付けられた買物客に通知する。そして販売管理装置1は、買物客が買い上げを承認した商品については、当該買物客の買上品リスト12aに追加し、当該買物客及び他の買物客の不明品リスト12bから除外する。多くの買物客は、自らが買い上げようとして陳列場所から取り出した商品について、買い上げるか否かを問われれば、正直に承認するものと想定される。従って、買物客がこのように行動する限りは、不明品は速やかに不明品ではなくなり、買上品として正しく登録されることになる。
【0065】
なお販売管理装置1は、問合せに対して買物客が買い上げを否認した不明品については、他の買物客が同じ不明品についての買い上げを承認しない限りは不明品リスト12bに残す。つまり、買物客が、自らが買い上げようとして陳列場所から取り出した商品についての合せに対して買い上げを否認した場合には、当該商品が不明品として不明品リスト12bに残ることとなり、当該買物客は、退店時に店員によるチェックを受けることになる。このため、上記のような不適切な否認が買物客により行われることは、抑止される。
【0066】
また販売管理装置1は、買物客が退店した場合に、当該買物客に関連付けられた買上品リスト12aに登録済みの商品についての代金を自動的に決済する。このため、何らかの理由で、不明品に関するチェックがなされないままで買物客が退店した場合には、その買物客に関連付けられた不明品リスト12bに不明品データ122が残ることになる。また、店員が不明品をチェックするとしても、買物客が不明品を隠し持っている場合に、それを確実にチェックすることは困難な場合もある。そこで販売管理装置1は、買物客が持っていないことを店員が確認した不明品に関する不明品データ122は、不明品リスト12bに残すこととしている。そして販売管理装置1は、これらの決済後も不明品データ122を含む不明品リスト12bは、不明履歴データ13aに追加する。かくして、不明履歴データ13aに基づいて、決済に至らなかった不明品についての事後検証を行うことが可能となる。例えば、同じ買物客に関する不明品が決済に至らないことが頻繁にある場合には、その買物客が不正を行っていると疑うことができる。そしてこのような不正が疑われる場合に、当該の買物客に関連付けられた不明品データ122に、ステータス122cが「未確認」又は「否認」であるものが多く存在する場合には、店員によるチェックを受けずに退店している可能性が高いことが分かる。また、当該の買物客に関連付けられた不明品データ122に、ステータス122cが「確認済み」であるものが多く存在する場合には、商品を隠すなどして店員によるチェックをすり抜けている可能性が高いことが分かる。
【0067】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
プロセッサ11が行う前述した情報処理の一部は省略してもよい。例えば、プロセッサ11は、Act7-Act15の処理と、Act22,Act23,Act25-Act31の処理との、いずれか一方を行わなくてもよい。つまり、不明品が生じた場合には店員によるチェックを行うことを基本として、買物客による確認は不要としてもよいし、買物客による確認が適正に行われることを前提として店員によるチェックを行わないようにしてもよい。
【0068】
プロセッサ11は、Act7-Act15の処理と、Act22,Act23,Act25-Act31の処理との、双方を行わなくてもよい。この場合でも、不明履歴データとして集積される不明品リスト12bを事後に検証することによって、不明品の発生状況を把握することが可能となる。そして例えば、センサ2の配置を改善するなどの処置を講じることが可能となる。
【0069】
買上品リスト12a、不明品リスト12b及び不明履歴データ13aのうちの少なくとも1つは、販売管理装置1の外部に設けられた記憶デバイスにより記憶されてもよい。
【0070】
販売管理装置1の機能は、アテンダント端末4又はPOSシステムに含まれるPOSサーバなどの別の機能を備えた装置に前述した情報処理を実行させることにより実現することもできる。
【0071】
例えば図3に示す情報処理と、図7に示す情報処理とを別々の情報処理装置により分担して実行するなど、複数の装置を組み合わせた販売管理システムとして実現することもできる。
【0072】
販売管理装置1は例えば、ハードウェアとして汎用の情報処理装置を用い、その情報処理装置が備えた補助記憶ユニット13に、販売管理プログラムを書き込むことにより実現できる。なお、補助記憶ユニット13に販売管理プログラムが記憶されて販売管理装置1として譲渡されてもよいし、上記の情報処理装置と販売管理プログラムとが別々に譲渡されてもよい。後者の場合、販売管理プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して譲渡される。そして、例えば販売管理装置1の使用者の操作の下に、販売管理プログラムが補助記憶ユニット13に書き込まれる。
【0073】
情報処理によりプロセッサ11が実現する各機能は、その一部または全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1…販売管理装置、2…センサ、3…無線アクセスポイント、4…アテンダント端末、5…ネットワーク、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶ユニット、14…通信インタフェース、15…伝送システム、100…店舗システム、200…携帯情報端末(買物客端末)。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8