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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164891
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/216 20140101AFI20221020BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20221020BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20221020BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20221020BHJP
   A63F 13/847 20140101ALI20221020BHJP
   A63F 13/48 20140101ALI20221020BHJP
【FI】
A63F13/216
A63F13/65
A63F13/79
A63F13/30
A63F13/847
A63F13/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022139755
(22)【出願日】2022-09-02
(62)【分割の表示】P 2021025868の分割
【原出願日】2021-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】三浦 昂太
(72)【発明者】
【氏名】市川 啓翔
(72)【発明者】
【氏名】岩嵜 友樹
(57)【要約】
【課題】各プレイヤのプレイ環境を向上させ、かつ、周囲に迷惑をかけることを抑制する。
【解決手段】プログラムがコンピュータを、各プレイヤの現在位置を取得する取得手段52、プレイヤに対応する共通イベントの発生地点を決定する決定手段54、プレイヤの現在位置が当該プレイヤに対応する発生地点に到達した場合、当該プレイヤに対して共通イベントへの参加を許可する制御手段56、として機能させ、決定手段54は、一のプレイヤに対応する第一発生地点と、他のプレイヤに対応する第二発生地点とを異ならせる。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各プレイヤが共通して参加可能な共通イベントを実行するプログラムであって、
コンピュータを、
各プレイヤの現在位置を取得する取得手段、
前記プレイヤに対応する前記共通イベントの発生地点を決定する決定手段、
前記プレイヤの現在位置が当該プレイヤに対応する発生地点に到達した場合、当該プレイヤに対して前記共通イベントへの参加を許可する制御手段、
として機能させ、
前記決定手段は、前記発生地点として、一のプレイヤに対応する第一発生地点と、他のプレイヤに対応する第二発生地点とを異ならせる、
プログラム。
【請求項2】
前記決定手段は、プレイヤの属性情報毎に、前記発生地点を異ならせる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記属性情報は、プレイヤの年齢であって、
前記決定手段は、各プレイヤの年齢に応じて、前記発生地点を異ならせる、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記属性情報は、前記共通イベントの発生地点が別のプレイヤと同一の発生地点となることを許容するか否かを示す許容情報であって、
前記決定手段は、前記プレイヤの許容情報に応じて、前記発生地点を異ならせる、
請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記許容情報は、前記プレイヤの設定操作によって設定される、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記許容情報は、前記プレイヤの行動履歴に応じて設定される、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記決定手段は、前記他のプレイヤに対応する第二発生地点を、前記一のプレイヤの現在位置から所定距離を超える地点に決定する、
請求項1乃至6の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記決定手段は、前記他のプレイヤに対応する第二発生地点を、前記一のプレイヤが実行しているクエストの目的地から所定距離を超える地点に決定する、
請求項1乃至6の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記一のプレイヤと前記他のプレイヤが一定距離よりも接近している場合、少なくとも一方のプレイヤに対して報知を行う、
請求項1乃至8の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記決定手段は、前記第一発生地点と、前記第二発生地点とを、所定領域内に決定し、
前記制御手段は、前記一のプレイヤの現在位置を前記他のプレイヤに通知するとともに、当該他のプレイヤの現在位置を当該一のプレイヤに通知する、
請求項1乃至9の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
各プレイヤが共通して参加可能な共通イベントを実行する情報処理装置であって、
各プレイヤの現在位置を取得する取得手段と、
前記プレイヤに対応する前記共通イベントの発生地点を決定する決定手段と、
前記プレイヤの現在位置が当該プレイヤに対応する発生地点に到達した場合、当該プレイヤに対して前記共通イベントへの参加を許可する制御手段と、
を備え、
前記決定手段は、前記発生地点として、一のプレイヤに対応する第一発生地点と、他のプレイヤに対応する第二発生地点とを異ならせる、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のプレイヤが参加可能な共通イベント(例えば、敵キャラクタとの対戦イベント)を発生させる位置情報ゲームが知られている。
【0003】
これに関して、特許文献1には、所定人数のプレイヤの位置情報が所定範囲内に密集している場合、プレイヤの集団に目掛けて敵キャラクタ(レイドボス)を移動するように制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6090495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、複数のプレイヤが密集することによってイベントのプレイが有利になる一方で、当該密集によって、各プレイヤが混雑している中でプレイしなければならなかったり、ゲームをプレイしていない通行者などの周囲に迷惑をかけてしまったりするという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、各プレイヤのプレイ環境を向上させ、かつ、周囲に迷惑をかけることを抑制することができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、各プレイヤが共通して参加可能な共通イベントを実行するプログラムであって、コンピュータを、各プレイヤの現在位置を取得する取得手段、前記プレイヤに対応する前記共通イベントの発生地点を決定する決定手段、前記プレイヤの現在位置が当該プレイヤに対応する発生地点に到達した場合、当該プレイヤに対して前記共通イベントへの参加を許可する制御手段、として機能させ、前記決定手段は、前記発生地点として、一のプレイヤに対応する第一発生地点と、他のプレイヤに対応する第二発生地点とを異ならせる。
なお、上記「前記プレイヤの現在位置が当該プレイヤに対応する発生地点に到達した場合」とは、前記プレイヤの現在位置が当該プレイヤに対応する発生地点を含む所定範囲に到達した場合も含んでもよい。
【0008】
また、本発明の第二態様では、前記決定手段は、プレイヤの属性情報毎に、前記発生地点を異ならせる。
【0009】
また、本発明の第三態様では、前記属性情報は、プレイヤの年齢であって、前記決定手段は、各プレイヤの年齢に応じて、前記発生地点を異ならせる。
【0010】
また、本発明の第四態様では、前記属性情報は、前記共通イベントの発生地点が別のプレイヤと同一の発生地点となることを許容するか否かを示す許容情報であって、前記決定手段は、前記プレイヤの許容情報に応じて、前記発生地点を異ならせる。
【0011】
また、本発明の第五態様では、前記許容情報は、前記プレイヤの設定操作によって設定される。
【0012】
また、本発明の第六態様では、前記許容情報は、前記プレイヤの行動履歴に応じて設定される。
【0013】
また、本発明の第七態様では、前記決定手段は、前記他のプレイヤに対応する第二発生地点を、前記一のプレイヤの現在位置から所定距離を超える地点に決定する。
【0014】
また、本発明の第八態様では、前記決定手段は、前記他のプレイヤに対応する第二発生地点を、前記一のプレイヤが実行しているクエストの目的地から所定距離を超える地点に決定する。
【0015】
また、本発明の第九態様では、前記制御手段は、前記一のプレイヤと前記他のプレイヤが一定距離よりも接近している場合、少なくとも一方のプレイヤに対して報知を行う。
【0016】
また、本発明の第十態様では、前記決定手段は、前記第一発生地点と、前記第二発生地点とを、所定領域内に決定し、前記制御手段は、前記一のプレイヤの現在位置を前記他のプレイヤに通知するとともに、当該他のプレイヤの現在位置を当該一のプレイヤに通知する。
【0017】
また、本発明の第十一態様に係る情報処理装置は、各プレイヤが共通して参加可能な共通イベントを実行する情報処理装置であって、各プレイヤの現在位置を取得する取得手段と、前記プレイヤに対応する前記共通イベントの発生地点を決定する決定手段と、前記プレイヤの現在位置が当該プレイヤに対応する発生地点に到達した場合、当該プレイヤに対して前記共通イベントへの参加を許可する制御手段と、を備え、前記決定手段は、前記発生地点として、一のプレイヤに対応する第一発生地点と、他のプレイヤに対応する第二発生地点とを異ならせる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、各プレイヤのプレイ環境を向上させ、かつ、周囲に迷惑をかけることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2】サーバ装置のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
図3図1に示す端末装置としてスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】サーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係るゲームシステムにおいて、図4に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6A】一のプレイヤの端末装置に表示される通知画面の一例を示す図である。
図6B】他のプレイヤの端末装置に表示される通知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0021】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置10と、一又は複数の端末装置12と、を備える。これらのサーバ装置10と端末装置12とは、イントラネットやインターネット、電話回線等の通信ネットワークNTを介して通信可能に接続されている。
【0023】
サーバ装置10は、ゲームプログラム14を実行して得られるゲームの実行結果、又はゲームプログラム14そのものを、通信ネットワークNTを介して各端末装置12に提供する情報処理装置である。本実施形態では、サーバ装置10は、ゲームプログラム14そのものを端末装置12に提供する。
【0024】
各端末装置12は、各プレイヤが所持する情報処理装置であって、サーバ装置10から受信したゲームプログラム14がインストールされた後、実行することで、各プレイヤにゲームを提供する情報処理装置である。これらの端末装置12としては、ビデオゲーム機や、アーケードゲーム機、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の様々なものが挙げられる。
【0025】
<ハードウェア構成>
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【0026】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0027】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0028】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0029】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置28は、ゲームプログラム14を含む、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0030】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、複数の端末装置12のハードウェア構成も、例えば操作手段や表示装置、音出力装置を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えることができる。
【0031】
図3は、図1に示す端末装置12としてスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0032】
図3に示すように、端末装置12は、主制御部30と、タッチパネル(タッチスクリーン)32と、カメラ34と、移動体通信部36と、無線LAN通信部38と、GPS受信部39と、記憶部40と、スピーカ42と、を備える。
【0033】
主制御部30は、CPUやメモリ等を含んで構成される。この主制御部30には、表示入力装置としてのタッチパネル32と、カメラ34と、移動体通信部36と、無線LAN通信部38と、GPS受信部39と、記憶部40と、スピーカ42と、に接続されている。そして、主制御部30は、これら接続先を制御する機能を有する。
【0034】
タッチパネル32は、表示機能及び入力機能の両方の機能を有し、表示機能を担うディスプレイ32Aと、入力機能を担うタッチセンサ32Bとで構成される。本実施形態では、ディスプレイ32Aは、ボタン画像、十字キー画像やジョイスティック画像などの操作入力画像を含むゲーム画像を表示可能である。タッチセンサ32Bは、ゲーム画像に対するプレイヤの入力位置を検出可能である。
【0035】
カメラ34は、静止画又は/及び動画を撮影し、記憶部40に保存する機能を有する。
【0036】
移動体通信部36は、アンテナ36Aを介して、移動体通信網と接続し、当該移動体通信網に接続されている他の通信装置と通信する機能を有する。
【0037】
無線LAN通信部38は、アンテナ38Aを介して、通信ネットワークNTと接続し、当該通信ネットワークNTに接続されているサーバ装置10等の他の装置と通信する機能を有する。
【0038】
GPS受信部39は、アンテナ39Aを介して、GPS衛星から電波を受信し、現在位置を表す位置情報を取得する機能を有する。この位置情報としては、例えば、住所や、緯度及び経度が挙げられる。
【0039】
記憶部40には、ゲームプログラム14や、当該ゲームプログラム14のゲームの進行状況やプレイヤ情報を示すプレイデータ等、各種プログラムや各種データが記憶されている。なお、プレイデータは、サーバ装置10に記憶されてもよい。
【0040】
スピーカ42は、ゲーム音等を出力する機能を有する。
【0041】
<ゲーム概要>
本実施形態に係るゲームは、プレイヤの現実世界における位置や移動をゲーム内容に反映させる位置情報ゲームである。このゲームでは、例えばプレイヤが現実世界で移動することにより、ゲームフィールド(仮想世界)に配置されたプレイヤキャラクタも移動する。このプレイヤキャラクタは、プレイヤがゲーム内で利用可能な1又は複数のキャラクタである。プレイヤは、タッチパネル32に入力操作等を行うことにより、プレイヤキャラクタに対して指示を行う。
【0042】
また、本実施形態に係るゲームでは、フィールドモードと、イベントモードとが存在する。
フィールドモードは、プレイヤキャラクタがゲームフィールドを移動するモードである。このフィールドモードでは、プレイヤは、所有している装備アイテムの装備(着脱)や、所有している消費アイテム等の使用(消費)をプレイヤキャラクタに対して指示することができる。装備アイテムは、例えば武器や防具、アクセサリー等を含む。消費アイテムは、例えばプレイヤキャラクタのヒットポイントを回復する道具や、プレイヤキャラクタのステータス異常(麻痺、混乱等)を回復させる道具、装備アイテムを強化する道具等を含む。
また、イベントモードは、プレイヤが現実世界を移動すること、すなわちプレイヤキャラクタがゲームフィールドを移動することに応じて発生したイベントを実行するモードである。このイベントは、例えば、敵キャラクタ(各種モンスター)との対戦ゲームである。例えば、通常モンスターとの対戦ゲームは、ゲームフィールドにおいて無作為(ランダム)に通常モンスターが出現(遭遇)したことに応じて実行される。また、ボスモンスターとの対戦ゲームは、クエストの目的地に到達したことによって、ボスモンスターが出現したことに応じて実行される。また、レイドボスモンスターとの対戦ゲームは、プレイヤが当該プレイヤに対応するレイドボスモンスターの出現地点(発生地点)に到達したことに応じて実行される。このレイドボスモンスターとの対戦ゲームは、例えば、同一グループにマッチングされた各プレイヤが共通して参加可能な共通イベントであって、各プレイヤが互いに協力して当該レイドボスモンスターと対戦するゲームである。具体的には、同一グループにマッチングされた各プレイヤは、共通(同一)のレイドボスモンスターと対戦し、互いに協力して当該レイドボスモンスターのヒットポイントを徐々に減らすことを目的とする。
これらの対戦ゲームでは、プレイヤは、攻撃やスキルの使用、防御、アイテムの使用(消費)等をプレイヤキャラクタに対して指示する。プレイヤが各種モンスターに勝利した場合、クリア報酬をプレイヤに付与する。この勝利とは、例えばモンスターのヒットポイントを0以下にすることである。クリア報酬は、例えばプレイヤキャラクタを成長(レベルアップ)させる経験値や、ゲーム内で利用可能な通貨(例えばメダルやコイン)、ドロップアイテム(例えば装備アイテムや消費アイテム)等である。例えば、モンスターの能力が高い場合や出現頻度が低い場合、多くの経験値や通貨等が報酬として付与される。
【0043】
また、本実施形態に係るゲームは、複数種類のクエストが存在し、それぞれ異なる名称(タイトル)が付けられている。各クエストは、クエストのメニュー画面等において、プレイヤによって選択可能となっている。プレイヤは、クエストの目的地(ゴール地点)で遭遇したボスモンスターに勝利することにより、当該クエストをクリアすることができる。このクエストは、ノーマルクエストと、期間限定クエストを含む。ノーマルクエストは、プレイヤが選択可能な一のクエストをクリアすることによって次のクエストがプレイ可能となる(開放される)。この次のクエストは、例えば、当該一のクエストよりも高い難易度が設定されており、モンスターやボスモンスターの能力等が高くなる。期間限定クエストは、時間帯や期間によって選択可能なクエストが入れ替わる形式のクエストである。これらのクエストでは、ゲームフィールドで出現する通常モンスターや、クエストの目的地で出現するボスモンスターが対応付けられている。
【0044】
また、本実施形態に係るゲームでは、現実世界における地点に、共通イベントの発生地点や、各クエストの目的地が設定される。この地点としては、商業施設や公共施設、観光スポット、プレイヤが任意で設定した地点等が挙げられる。これらの地点は、ゲームフィールドにおける仮想地点と対応付けられており、当該仮想地点がレイドボスモンスターやボスモンスターの出現地点となり得る。また、例えば、クエストを実行中のプレイヤは、当該クエストの目的地に向かう途中(移動経路上)において、ゲームフィールドに出現した通常モンスターや、レイドボスモンスターと対戦することができる。
例えば、プレイヤは、共通イベントの発生地点の近傍(例えば半径20m以内)まで到達(移動)することによって、別のプレイヤと共通する共通イベントに参加することができる。言い換えれば、プレイヤは、プレイヤキャラクタをゲームフィールドにおいてレイドボスモンスターが出現している出現地点の範囲の内側まで到達(移動)させることによって、当該レイドボスモンスターと対戦することができる。
また、プレイヤは、クエストの目的地が設定された地点の近傍(例えば半径20m以内)まで移動することによって、ゲームフィールドにおいて当該クエストに対応するボスモンスターと対戦することができる。
【0045】
<機能手段>
図4は、サーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0046】
図4に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段50と、取得手段52と、決定手段54と、制御手段56と、を備える。記憶手段50は、1又は複数の記憶装置28で実現される。記憶手段50以外の機能手段は、記憶装置28等に格納されたゲームプログラム14を制御装置20が実行することにより実現される。
【0047】
記憶手段50は、プレイヤ情報50Aや、プレイヤキャラクタ情報50B、敵キャラクタ情報50C、クエスト情報50D等を記憶する機能手段である。
【0048】
プレイヤ情報50Aは、プレイヤ毎に、当該プレイヤのプレイヤIDと対応付けて記憶されている。このプレイヤ情報50Aは、例えば、プレイヤの名前や属性情報、利用キャラクタ情報、所有アイテム情報、クエスト進捗情報を含む。
属性情報は、プレイヤの属性を示す情報であって、例えば年齢や性別、住所(居住地)、許容情報等を含む。許容情報は、共通イベントの発生地点が別のプレイヤと同一の発生地点となることを許容するか否かを示す情報(例えばフラグ情報)である。この許容情報は、プレイヤの当該許容に関する設定操作や、プレイヤの行動履歴に応じて予め設定される。この設定操作は、例えばゲーム内における設定メニュー画面において、プレイヤが許容情報を「許容する」又は「許容しない」に設定する操作である。行動履歴は、例えばプレイヤがゲームのプレイ中に、現実世界における混雑箇所(例えば、繁華街や、主要ターミナル駅、満員電車等)に滞在していた時間を含む。許容情報は、例えば、プレイヤが混雑箇所に滞在していた時間が、単位時間(例えば5時間)あたり所定時間(例えば1時間)以上である場合、「許容する」を含む。一方、許容情報は、プレイヤが混雑箇所に滞在していた時間が、単位時間あたり所定時間未満である場合、「許容しない」を含む。
利用キャラクタ情報は、プレイヤが利用可能なプレイヤキャラクタそれぞれのキャラクタIDに対応付けて、能力情報を含む。能力情報は、能力値やスキル情報を含む。能力値は、例えばレベルや、ヒットポイント、攻撃力、防御力等を含む。スキル情報は、プレイヤキャラクタが習得済み(利用可能)であるスキルのスキルIDを含む。このスキルとしては、例えばプレイヤキャラクタのヒットポイントを回復させる魔法や、火属性で攻撃する特技等が挙げられる。
所有アイテム情報は、プレイヤが所有しているアイテム(装備アイテムや消費アイテム)のアイテムIDと個数を含む。
クエスト進捗情報は、プレイ可能クエスト情報と、実行クエスト情報を含む。プレイ可能クエスト情報は、プレイヤがプレイ可能なノーマルクエストと期間限定クエストのクエストIDを含む。例えば、プレイ可能クエスト情報では、プレイヤがプレイ可能なクエストのうち最高難易度のノーマルクエストをクリアしたことによって、次のノーマルクエストのクエストIDが追加される。また、例えば、プレイ可能クエスト情報は、一定時間(一定期間)の経過によって、期間限定クエストのクエストIDが入れ替わる。実行クエスト情報は、プレイヤが実行(選択)しているノーマルクエスト及び期間限定クエストのクエストIDに対応付けて、目的地を含む。目的地は、例えば、現実世界における地点の住所、又は、緯度及び経度を含む。
【0049】
プレイヤキャラクタ情報50Bは、プレイヤキャラクタ毎に、当該プレイヤキャラクタのキャラクタIDに対応付けて記憶されている。このプレイヤキャラクタ情報50Bは、例えば、プレイヤキャラクタの名前や画像、レベル毎の必要経験値、レベル毎の能力情報、装備可能アイテム等を含む。
必要経験値は、各レベルに到達するために必要な総経験値を含む。
能力情報は、各レベルにおける習得スキルや、能力値(ヒットポイント、攻撃力、防御力等)を含む。
装備可能アイテムは、装備可能な装備アイテムのアイテムIDを含む。
【0050】
敵キャラクタ情報50Cは、敵キャラクタ毎に、当該敵キャラクタのキャラクタIDに対応付けて記憶されている。この敵キャラクタは、例えば、通常モンスターや、ボスモンスター、レイドボスモンスターを含む。この敵キャラクタ情報50Cは、名前や画像、出現情報、能力情報、報酬情報等を含む。
出現情報は、出現時間や出現地域を含む。出現時間は、敵キャラクタが現実世界に対応するゲームフィールドに出現する時間を含む。例えば、通常モンスターNの出現時間は、午後0時~午後5時である。また、例えば、レイドボスモンスターRの出現時間(発生時間)は、午後7時~午後8時である。なお、ボスモンスターは、プレイヤがクエストの目的地に到達した際に出現するため、出現時間には「#N/A」が含まれる。出現地域は、敵キャラクタが現実世界に対応するゲームフィールドに出現(発生)する複数の地点又は領域(範囲)を含む。この出現地域は、現実世界における住所や緯度及び経度によって示される。なお、この出現地域は、ゲームフィールドにおける座標によって示されてもよい。
能力情報は、能力値(ヒットポイント、攻撃力、防御力等)やスキル情報を含む。
報酬情報は、経験値や通貨量、ドロップアイテム情報を含む。ドロップアイテム情報は、ドロップアイテムのアイテムIDと、ドロップ率とを含む。ドロップ率は、報酬としてドロップアイテムをプレイヤに付与する確率である。
【0051】
クエスト情報50Dは、クエスト毎に、当該クエストのクエストIDに対応付けて記憶されている。このクエスト情報50Dは、例えば、クエストの名前(タイトル)や、開放条件、敵キャラクタ出現情報を含む。
開放条件は、例えばノーマルクエストの場合は直前のクエストがクリアされたことが含まれ、期間限定クエストの場合は開放される時間(期間)を含む。
敵キャラクタ出現情報は、クエストの実行により、ゲームフィールドで出現する各種キャラクタのキャラクタIDを含む。例えば、敵キャラクタ出現情報には、クエストの目的地に向かう途中に出現する通常モンスターや、当該目的地で出現するボスモンスターのキャラクタIDが含まれる。
【0052】
取得手段52は、各プレイヤに関する各種情報を取得する機能手段である。本実施形態では、取得手段52は、各プレイヤの現実世界における現在位置を取得する。例えば、取得手段52は、GPS受信部39から、一定時間(例えば10秒)毎にプレイヤの端末装置12の現在位置を示す住所、又は、緯度及び経度を取得する。
【0053】
決定手段54は、イベントの発生地点を決定する機能手段である。本実施形態では、決定手段54は、制御手段56によってマッチングされたプレイヤそれぞれに対応する共通イベントの発生地点(レイドボスモンスターの出現地点)を決定する。例えば、決定手段54は、敵キャラクタ情報50Cの出現地域を参照して、レイドボスモンスターの出現地域(地点又は領域)のうち、各プレイヤに対応する発生地点を無作為(ランダム)に決定する。
【0054】
また、本実施形態では、決定手段54は、一のプレイヤに対応する発生地点と、他のプレイヤに対応する発生地点とを異ならせる。例えば、決定手段54は、レイドボスモンスターの出現地域のうち、一のプレイヤに対応する第一発生地点とは異なる地点に、他のプレイヤに対応する第二発生地点を決定する。具体的には、決定手段54は、第一発生地点と第二発生地点を、予め定められた距離(例えば100m)よりも離れるように決定する。
【0055】
また、本実施形態では、決定手段54は、プレイヤの属性情報毎に、発生地点を異ならせる。例えば、決定手段54は、各プレイヤの年齢に応じて、発生地点を異ならせる。具体的には、決定手段54は、一のプレイヤの年齢層(例えば10代)と、他のプレイヤの年齢層(例えば30代)とが異なる場合、一のプレイヤに対応する第一発生地点と、他のプレイヤに対応する第二発生地点を異ならせる。また、例えば、決定手段54は、第一所定年齢(例えば12歳)以下である一のプレイヤに対応する第一発生地点と、第二所定年齢(例えば18歳)以上の他のプレイヤに対応する第二発生地点とを異ならせる。なお、第一所定年齢と第二所定年齢は、同一の年齢であってもよい。
また、決定手段54は、プレイヤの許容情報に応じて、発生地点を異ならせる。例えば、決定手段54は、許容情報が「許容しない」である一のプレイヤに対応する第一発生地点と、他のプレイヤに対応する第二発生地点とを異ならせる。一方、決定手段54は、許容情報が「許容する」である一のプレイヤに対応する第一発生地点と、許容情報が「許容する」である他のプレイヤに対応する第二発生地点とを、同一の地点又は予め定められた距離(例えば100m)未満になることを許容する。
【0056】
また、本実施形態では、決定手段54は、他のプレイヤに対応する第二発生地点を、一のプレイヤの現在位置から所定距離を超える地点に決定する。この所定距離は、例えば300mである。例えば、決定手段54は、レイドボスモンスターの出現地域のうち、一のプレイヤの現在位置から所定距離を超える地点に、他のプレイヤに対応する第二発生地点を決定する。言い換えれば、決定手段54は、一のプレイヤの現在位置から所定距離以内の地点に、他のプレイヤに対応する第二発生地点を決定しない。
【0057】
また、本実施形態では、決定手段54は、他のプレイヤに対応する第二発生地点を、一のプレイヤが実行しているクエストの目的地から所定距離を超える地点に決定する。例えば、決定手段54は、レイドボスモンスターの出現地域のうち、当該目的地から所定距離を超える地点に、他のプレイヤに対応する第二発生地点を決定する。言い換えれば、決定手段54は、当該目的地から所定距離以内の地点に、他のプレイヤに対応する第二発生地点を決定しない。
また、例えば、決定手段54は、一のプレイヤの現在位置からクエストの目的地までの一又は複数の移動経路上において、他のプレイヤに対応する第二発生地点を決定しないこととしてもよい。これにより、一のプレイヤと他のプレイヤが鉢合わせることを抑制することができ、各プレイヤの身元等が特定されることを抑制することができる。
【0058】
また、本実施形態では、決定手段54は、一のプレイヤに対応する第一発生地点と、他のプレイヤに対応する第二発生地点とを、所定領域内に決定する。この所定領域としては、例えば、同一の市内や町内、予め定められた区画(例えば、周囲4kmの円形や多角形)等が挙げられる。例えば、決定手段54は、レイドボスモンスターの出現地域のうち、同一の町内において、一のプレイヤに対応する第一発生地点と、他のプレイヤに対応する第二発生地点とを決定する。
【0059】
制御手段56は、ゲーム全体を制御する機能手段である。本実施形態では、制御手段56は、共通イベントに参加可能な複数のプレイヤをマッチングする。例えば、制御手段56は、敵キャラクタ情報50Cの出現情報を参照して、レイドボスモンスターの出現時間(出現開始時)に、当該レイドボスモンスターの出現地域から予め定められた距離(例えば600m)以内でゲームをプレイ中である各プレイヤを同一グループにマッチングする。
また、例えば、制御手段56は、マッチングを行う際、予め定められた距離(例えば200m)よりも近くでゲームをプレイ中のプレイヤ同士をマッチングしないように制御する。すなわち、制御手段56は、予め定められた距離よりも接近しているプレイヤ同士の少なくとも一方を、レイドボスモンスターとの対戦ゲームに参加不可能とするようにマッチングを行う。これにより、プレイヤ同士が鉢合わせることを抑制することができ、各プレイヤの身元等が特定されることを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、制御手段56は、共通イベントに参加可能なプレイヤの現在位置が当該プレイヤに対応する発生地点に到達した場合、当該プレイヤに対して共通イベントの参加を許可する。例えば、制御手段56は、共通イベントにマッチングされたプレイヤの現在位置が、当該プレイヤに対応する共通イベントの発生地点の近傍(例えば20m以内)に到達した場合、当該プレイヤに共通イベントへの参加(レイドボスモンスターとの対戦ゲームの実行)を許可する。言い換えれば、制御手段56は、ゲームフィールドにおいてプレイヤキャラクタが、レイドボスモンスターの出現地点を中心に設定された範囲の内側に到達した場合、当該プレイヤにレイドボスモンスターとの対戦ゲームの実行を許可する。
【0061】
また、本実施形態では、制御手段56は、共通イベントに参加可能な一のプレイヤと他のプレイヤが一定距離よりも接近している場合、少なくとも一方のプレイヤに対して報知を行う。この一定距離は、例えば25mである。例えば、制御手段56は、静止している一のプレイヤの現在位置に、他のプレイヤの現在位置が接近している場合(一定距離よりも短くなった場合)、一のプレイヤの端末装置12に第一報知画面を表示させる。この第一報知画面は、例えば、「他のプレイヤが接近しています」というテキスト情報を含む。また、制御手段56は、接近している他のプレイヤの端末装置12に第二報知画面を表示させる。この第二報知画面は、例えば、「レイドボスモンスターの出現地点から離れています」というテキスト情報を含む。また、制御手段56は、例えば、一のプレイヤと他のプレイヤの双方が移動することにより接近している場合、双方のプレイヤの端末装置12に第一報知画面又は第二報知画面を表示させる。この他にも、制御手段56は、一定範囲(例えば半径25m)以内に所定人数(例えば5人)以上のプレイヤが所定時間(例えば10分)以上留まっている場合端末装置12に第一報知画面や第二報知画面を表示させてもよい。
なお、制御手段56は、プレイヤの属性情報に応じて、第一報知画面を表示させるか第二報知画面を表示させるかを異ならせてもよい。例えば、制御手段56は、年齢が低いプレイヤ(例えば未成年プレイヤ)の端末装置12には第一報知画面を表示させ、年齢が高いプレイヤ(例えば成年プレイヤ)の端末装置12には第二報知画面を表示させてもよい。また、例えば、制御手段56は、許容情報が「許容しない」であるプレイヤの端末装置12には第一報知画面を表示させ、許容情報が「許容する」であるプレイヤの端末装置12には第二報知画面を表示させてもよい。
また、制御手段56は、共通イベントに参加可能な一のプレイヤと他のプレイヤの現在位置が一定距離よりも接近している場合、共通イベントを終了させてもよい(マッチングを解消させてもよい)。また、制御手段56は、共通イベントに参加可能な一のプレイヤと他のプレイヤの現在位置が一定距離よりも接近している場合、共通イベントの発生地点を変更(移動)させてもよい。例えば、制御手段56は、一のプレイヤと他のプレイヤの現在位置が一定距離よりも接近している場合、レイドボスモンスターが移動した(逃げた)ことを示す画面を、一のプレイヤ及び/又は他のプレイヤの端末装置12に表示させ、レイドボスモンスターの第一出現地点(第一発生地点)及び/又は第二出現地点(第二発生地点)を変更する。これらにより、一のプレイヤと他のプレイヤが鉢合わせることを抑制することができ、各プレイヤの身元等が特定されることを抑制することができる。
【0062】
また、本実施形態では、制御手段56は、一のプレイヤの現在位置を他のプレイヤに通知するとともに、当該他のプレイヤの現在位置を当該一のプレイヤに通知する。例えば、制御手段56は、マッチングされた他のプレイヤの現在位置に対応する地点を示すマーカを含むゲームフィールドを一のプレイヤの端末装置12に表示させる。
なお、制御手段56は、プレイヤの属性情報に応じて、マーカを表示させないこととしてもよい。例えば、制御手段56は、年齢が低いプレイヤ(例えば未成年プレイヤ)の現在位置に対応する地点を示すマーカを表示させないこととしてもよい。また、例えば、制御手段56は、許容情報が「許容しない」であるプレイヤの現在位置に対応する地点を示すマーカを表示させないこととしてもよい。
さらに、制御手段56は、マーカを表示させる際、プレイヤの現在位置の詳細が特定されないように、当該マーカの形状を大きくしてもよい。
【0063】
<処理の流れ>
図5は、本実施形態に係るゲームシステムにおいて、図4に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、レイドボスモンスターRが出現するタイミングで開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0064】
(ステップSP10)
制御手段56は、敵キャラクタ情報50Cの出現情報を参照して、レイドボスモンスターRの出現地域から予め定められた距離(例えば600m)以内でゲームをプレイ中である各プレイヤを抽出する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0065】
(ステップSP12)
制御手段56は、ステップSP10において抽出した各プレイヤを、レイドボスモンスターRとの対戦ゲーム(共通イベント)に参加可能なプレイヤとして同一グループにマッチングする。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0066】
(ステップSP14)
取得手段52は、プレイヤ情報50Aを参照して、ステップSP12においてマッチングされた各プレイヤの属性情報を取得する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0067】
(ステップSP16)
決定手段54は、敵キャラクタ情報50Cの出現地域を参照して、ステップSP12においてマッチングされた各プレイヤに対応する共通イベントの発生地点(レイドボスモンスターRの出現地点)を決定する。ここで、決定手段54は、ステップSP14において取得された属性情報毎に、発生地点を異ならせる。具体的には、決定手段54は、プレイヤの年齢が10代以下である場合、当該プレイヤに対応する発生地点(第一発生地点)を地点P1に決定し、プレイヤの年齢が20代である場合、当該プレイヤに対応する発生地点(第二発生地点)を地点P2に決定し、プレイヤの年齢が30代である場合、当該プレイヤに対応する発生地点(第三発生地点)を地点P3に決定し、プレイヤの年齢が40代以上である場合、当該プレイヤに対応する発生地点(第四発生地点)を地点P4に決定する。ここで、地点P1~P4は、例えば、現実世界において同一の町内ではあるものの、予め定められた距離(例えば100m)よりも離れている。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0068】
(ステップSP18)
制御手段56は、ステップSP12においてマッチングされた各プレイヤの端末装置12に、共通イベントが発生したこと(レイドボスモンスターRが出現したこと)を通知する通知画面を表示させる。
【0069】
図6Aは、一のプレイヤの端末装置12に表示される通知画面60の一例を示す図である。また、図6Bは、他のプレイヤの端末装置12に表示される通知画面60の一例を示す図である。
【0070】
図6A及び図6Bに示すように、通知画面60は、例えば、ゲームフィールド62と、通知領域64と、クエストボタン66と、メニューボタン68と、対戦ボタン70と、を含む。
ゲームフィールド62は、例えば現実世界におけるプレイヤの現在位置周辺の風景に似せて表現されている。ゲームフィールド62には、プレイヤキャラクタCと、通常モンスターEと、レイドボスモンスターRが表されている。プレイヤキャラクタCは、プレイヤのプレイヤキャラクタ情報50Bに基づいて表示される。通常モンスターEやレイドボスモンスターRは、敵キャラクタ情報50Cに基づいて表示される。ゲームフィールド62には、このレイドボスモンスターRの出現地点(共通イベントの発生地点)を中心に範囲Aが設定されている。この範囲Aの内側にプレイヤキャラクタCが到達した場合、プレイヤは、レイドボスモンスターRとの対戦ゲームを実行することができる。ここで、一のプレイヤのゲームフィールド62におけるレイドボスモンスターRの第一出現地点(共通イベントの第一発生地点)と、他のプレイヤのゲームフィールド62におけるレイドボスモンスターRの第二出現地点(共通イベントの第二発生地点)は、異なっている。
通知領域64には、一のプレイヤ及び他のプレイヤに共通して、レイドボスモンスターRが出現したことが表されている。
クエストボタン66は、クエスト情報50Dが示す複数のクエストのうち、プレイヤがプレイ可能なクエストを表示するためのボタンである。
メニューボタン68は、許容情報の設定や、装備アイテムの装備(着脱)、消費アイテム等の使用(消費)等の各種メニューを表示するためのボタンである。
対戦ボタン70は、レイドボスモンスターRとの対戦ゲームの実行を指示するためのボタンである。この対戦ボタン70は、プレイヤキャラクタCが範囲Aの内側に到達した場合に押下することが可能となる。
【0071】
図5に戻って、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0072】
(ステップSP20)
制御手段56は、ステップSP20において通知が行われたプレイヤの現在位置が、当該プレイヤに対応する共通イベントの発生地点の近傍(例えば20m以内)に到達したか否かを判定する。言い換えれば、制御手段56は、プレイヤキャラクタが、ゲームフィールドにおいてレイドボスモンスターRの出現地点を中心に設定された範囲の内側に到達したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP22の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP22)
制御手段56は、共通イベントの発生地点の近傍に位置しているプレイヤに対して、共通イベントへの参加を許可する。具体的には、制御手段56は、レイドボスモンスターRと対戦するための対戦ボタンを押下可能にする。そして、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0074】
(ステップSP24)
制御手段56は、プレイヤから共通イベントに参加する指示があったか否かを判定する。具体的には、制御手段56は、プレイヤから、レイドボスモンスターRとの対戦するための対戦ボタンの押下があったか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP26の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP26)
制御手段56は、プレイヤによる共通イベントを実行し、当該プレイヤが共通イベントをクリアしたか否かを判定する。具体的には、制御手段56は、プレイヤ(プレイヤキャラクタ)によるレイドボスモンスターRとの対戦ゲームを実行し、当該プレイヤがレイドボスモンスターRに勝利したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP28の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0076】
(ステップSP28)
制御手段56は、共通イベントに参加した各プレイヤにクリア報酬を付与する。具体的には、制御手段56は、敵キャラクタ情報50Cの報酬情報を参照して、レイドボスモンスターRとの対戦ゲームを実行したプレイヤそれぞれに、当該レイドボスモンスターに対応する報酬(経験値や通貨、ドロップアイテム等)を付与する。そして、処理は、図5に示す一連の処理を終了する。
【0077】
<効果>
以上、本実施形態では、各プレイヤが共通して参加可能な共通イベントを実行するプログラムであって、コンピュータを、各プレイヤの現在位置を取得する取得手段52、プレイヤに対応する共通イベントの発生地点を決定する決定手段54、プレイヤの現在位置が当該プレイヤに対応する発生地点に到達した場合、当該プレイヤに対して共通イベントへの参加を許可する制御手段56、として機能させ、決定手段54は、一のプレイヤに対応する第一発生地点と、他のプレイヤに対応する第二発生地点とを異ならせる。
【0078】
この構成によれば、一のプレイヤに対応する第一発生地点と、他のプレイヤに対応する第二発生地点とを異ならせることで、複数のプレイヤが密集することを抑制できる。これにより、各プレイヤのプレイ環境を向上させ、かつ、周囲に迷惑をかけることを抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態では、決定手段54は、プレイヤの属性情報毎に、発生地点を異ならせる。
【0080】
この構成によれば、プレイヤの属性情報毎に発生地点が異なるため、複数のプレイヤが密集することを抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態では、属性情報は、プレイヤの年齢であって、決定手段54は、各プレイヤの年齢に応じて、発生地点を異ならせる。
【0082】
この構成によれば、プレイヤの年齢に応じて発生地点が異なるため、複数のプレイヤが密集することを抑制することができる。また、プレイヤ同士が鉢合わせることを抑制することができ、例えば未成年プレイヤが犯罪等に巻き込まれることを抑制することができる。
【0083】
また、本実施形態では、属性情報は、共通イベントの発生地点が別のプレイヤと同一の発生地点となることを許容するか否かを示す許容情報であって、決定手段54は、プレイヤの許容情報に応じて、発生地点を異ならせる。
【0084】
この構成によれば、プレイヤの許容情報に応じて、発生地点を異ならせるため、複数のプレイヤが密集することを抑制することができる。
【0085】
また、本実施形態では、許容情報は、プレイヤの設定操作によって設定される。
【0086】
この構成によれば、プレイヤの設定操作によって、別のプレイヤと同一の発生地点となることを許容するか否かを設定することができるため、当該プレイヤの好みに応じて発生地点を決定することができる。
【0087】
また、本実施形態では、許容情報は、プレイヤの行動履歴に応じて設定される。
【0088】
この構成によれば、プレイヤの行動履歴によって、別のプレイヤと同一の発生地点となることを許容するか否かが設定されるため、当該プレイヤによる手間をかけずに、当該プレイヤの好みに応じた発生地点を決定することができる。
【0089】
また、本実施形態では、決定手段54は、他のプレイヤに対応する第二発生地点を、一のプレイヤの現在位置から所定距離を超える地点に決定する。
【0090】
この構成によれば、一のプレイヤの現在位置から離れた地点に、他のプレイヤに対応する第二発生地点が決定されるため、プレイヤ同士が接近することを抑制することができ、もって複数のプレイヤが密集することを抑制できる。また、プレイヤ同士が鉢合わせることを抑制することができ、プレイヤの身元等が特定されることを抑制することができる。
【0091】
また、本実施形態では、決定手段54は、他のプレイヤに対応する第二発生地点を、一のプレイヤが実行しているクエストの目的地から所定距離を超える地点に決定する。
【0092】
この構成によれば、一のプレイヤが実行しているクエストの目的地から離れた地点に、他のプレイヤに対応する第二発生地点が決定されるため、プレイヤ同士が接近することを抑制することができ、もって複数のプレイヤが密集することを抑制できる。また、プレイヤ同士が鉢合わせることを抑制することができ、プレイヤの身元等が特定されることを抑制することができる。
【0093】
また、本実施形態では、制御手段56は、一のプレイヤと他のプレイヤが一定距離よりも接近している場合、少なくとも一方のプレイヤに対して報知を行う。
【0094】
この構成によれば、報知によってプレイヤ同士が接近することを抑制することができ、もって複数のプレイヤが密集することを抑制できる。また、プレイヤ同士が鉢合わせることを抑制することができ、プレイヤの身元等が特定されることを抑制することができる。
【0095】
また、本実施形態では、決定手段54は、第一発生地点と、第二発生地点とを、所定領域内に決定し、制御手段56は、一のプレイヤの現在位置を他のプレイヤに通知するとともに、当該他のプレイヤの現在位置を当該一のプレイヤに通知する。
【0096】
この構成によれば、所定領域内において、別のプレイヤが共通イベントに参加していることが通知されるため、プレイヤに別のプレイヤと共に共通イベントをプレイしていることを実感させることができる。これにより、プレイヤに共通イベントをプレイするモチベーションを与えることができる。
【0097】
<変形例>
なお、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0098】
例えば、本実施形態では、決定手段54は、各プレイヤに対応する発生地点を無作為(ランダム)に決定する場合を説明したが、各プレイヤに対応する発生地点を、各プレイヤの現在位置から一定距離(例えば500m)だけ離れた地点に決定してもよい。これにより、複数のプレイヤに対して、同じタイミングで共通イベントに参加することを促すことができ、プレイヤに別のプレイヤと共に共通イベントをプレイしていることを実感させることができ、もってプレイヤに共通イベントをプレイするモチベーションを与えることができる。
【0099】
また、制御手段56は、プレイヤの端末装置12に、別のプレイヤが共通イベントの発生地点に到着するまでの距離や、到着予想時間(到着予想時刻)等を表示させてもよい。これにより、複数のプレイヤに対して、同じタイミングで共通イベントに参加することを促すことができ、プレイヤに別のプレイヤと共に共通イベントをプレイしていることを実感させることができ、もってプレイヤに共通イベントをプレイするモチベーションを与えることができる。
【0100】
また、本実施形態では、制御手段56は、レイドボスモンスターが出現するタイミングで各プレイヤを同一グループにマッチングする場合を説明したが、レイドボスモンスターの出現中にゲームを開始したプレイヤを、既にマッチングされているグループに追加することとしてもよい。
【0101】
また、本実施形態では、許容情報は、プレイヤの行動履歴(例えば現実世界における混雑箇所に滞在していた時間)に応じて予め設定される場合を説明したが、プレイヤが別のプレイヤとの交流した行動履歴(社交度合い)に応じて予め設定されてもよい。この行動履歴としては、例えば、プレイヤが別のプレイヤとメッセージ交換をした回数や、別のプレイヤにアイテム等をプレゼントした回数等が挙げられる。例えば、許容情報は、プレイヤが別のプレイヤとメッセージ交換をした回数が、所定回数(例えば100回)以上である場合に「許容する」を含み、所定回数未満である場合に「許容しない」を含む。
【0102】
また、本実施形態では、共通イベントは、同一グループにマッチングされた各プレイヤが互いに協力してレイドボスモンスターと対戦するゲームである場合を説明したが、一又は複数のプレイヤが所属するチーム同士が互いに対戦するゲームであってもよい。例えば、このゲームとしては、プレイヤが自身に対応付けられた共通イベントの発生地点まで移動(到達)して、他のチームに所属するプレイヤとの対戦ゲームに参加し、所属するチームが最後の1チームに残ることを目的とするサバイバルゲームが挙げられる。
【符号の説明】
【0103】
10…サーバ装置(コンピュータ)、12…端末装置、50…記憶手段、52…取得手段、54…決定手段、56…制御手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
【手続補正書】
【提出日】2022-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各プレイヤが共通して参加可能な共通イベントを実行するプログラムであって、
コンピュータを、
各プレイヤの現在位置を取得する取得手段、
前記プレイヤに対応する前記共通イベントの発生地点を決定する決定手段、
前記プレイヤの現在位置が当該プレイヤに対応する発生地点に到達した場合、当該プレイヤに対して前記共通イベントへの参加を許可する制御手段、
として機能させ、
前記制御手段は、前記共通イベントに参加可能な前記プレイヤのうち一のプレイヤと他のプレイヤが一定距離よりも接近している場合、少なくとも一方のプレイヤに対して報知を行う、
プログラム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記プレイヤの属性情報に応じて前記報知の内容を異ならせる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記属性情報は年齢であり、
前記制御手段は、前記共通イベントに参加可能な前記プレイヤのうち前記年齢が低いプレイヤには、前記他のプレイヤが接近している旨を報知し、前記年齢が高いプレイヤには前記発生地点から離れている旨を報知する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記制御手段は、一定範囲以内に所定人数以上のプレイヤが所定時間以上留まっている場合、当該プレイヤに報知する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
各プレイヤが共通して参加可能な共通イベントを実行する情報処理装置であって、
各プレイヤの現在位置を取得する取得手段と、
前記プレイヤに対応する前記共通イベントの発生地点を決定する決定手段と、
前記プレイヤの現在位置が当該プレイヤに対応する発生地点に到達した場合、当該プレイヤに対して前記共通イベントへの参加を許可する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記共通イベントに参加可能な前記プレイヤのうち一のプレイヤと他のプレイヤが一定距離よりも接近している場合、少なくとも一方のプレイヤに対して報知を行う、
情報処理装置。