(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164911
(43)【公開日】2022-10-27
(54)【発明の名称】糖化ストレス抑制剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/63 20060101AFI20221020BHJP
A61K 31/19 20060101ALI20221020BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20221020BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20221020BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20221020BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20221020BHJP
【FI】
A61K8/63
A61K31/19
A61P1/02
A61P17/00
A61Q19/00
A61Q11/00
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022140516
(22)【出願日】2022-09-05
(62)【分割の表示】P 2021062810の分割
【原出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柚鳥 眞里
(72)【発明者】
【氏名】山口 継乃
(57)【要約】
【課題】本発明は、生体内で起こる糖化ストレスを抑制する活性を有する新たな糖化ストレス抑制剤を提供することを目的とする。
【解決手段】グリチルリチン酸類、アラントイン類、アズレン類、塩酸ピリドキシン、ヒノキチオール類、銅葉緑素類、塩化リゾチーム、及びイプシロンアミノカプロン酸からなる群より選ばれる1種以上を含有する糖化ストレス抑制剤、糖化反応抑制剤又は、AGEsによる炎症反応を抑制する、炎症反応抑制剤を提供する。各剤は、外用剤、口腔用剤、歯肉ケア剤、歯周病予防剤として有用である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリチルリチン酸類より選ばれる1種以上を含有するAGEs(Advanced Glycation End Products;最終糖化産物)生成抑制剤。
【請求項2】
AGEsがコラーゲンに由来するAGEsである、請求項1に記載のAGEs生成抑制剤。
【請求項3】
AGEsがコラーゲンとグリセルアルデヒドに由来するAGEsである請求項1又は2に記載のAGEs生成抑制剤。
【請求項4】
グリチルリチン酸類より選ばれる1種以上を含有する糖化反応抑制剤。
【請求項5】
コラーゲンの糖化反応を抑制する、請求項4に記載の糖化反応抑制剤。
【請求項6】
コラーゲンのグリセルアルデヒドによる糖化反応を抑制する、請求項4又は5に記載の糖化反応抑制剤。
【請求項7】
グリチルリチン酸類より選ばれる1種以上を含有する、糖化ストレス抑制剤。
【請求項8】
口腔用である、請求項1~7のいずれか1項に記載の剤。
【請求項9】
グリチルリチン酸類が、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸誘導体、及びこれらを含む植物または植物抽出物から選ばれる請求項1~8のいずれか1項に記載の剤。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の剤を含む外用剤。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項に記載の剤を含む口腔用剤。
【請求項12】
歯肉ケア剤である、請求項11に記載の口腔用剤。
【請求項13】
歯周病予防剤である、請求項11に記載の口腔用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖化ストレス抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ブドウ糖などの還元糖とタンパク質との間でメイラード反応(糖化反応)が起こると糖化産物が生成することは、食品等の褐変現象として古くからよく知られている。この糖化反応は生体内でも起こっており、糖化反応で生成された物質を最終糖化産物(Advanced Glycation End Products:以下、AGEsと言う)という。AGEsの生成は不可逆反応であり、生成したAGEsは、代謝によって体外へ排出される。しかし、加齢等により代謝速度が遅くなると、生体内の各組織に蓄積されやすくなる(特許文献1)。
【0003】
AGEsは、単球/マクロファージ、血管内皮細胞、線維芽細胞などの細胞膜に発現するRAGE(Receptor for AGE;AGEs受容体)と結合すると、AGEs由来の酸化ストレス、NF-κB活性の活性化、mitogen-activated protein kinase(MAPK)、protein kinase C(PKC)等の細胞内シグナルの活性化等の要因により炎症が惹起される。このAGEsによる炎症反応は、糖化ストレスやAGE-RAGE相互作用と呼ばれ、種々の症状を引き起こすことが知られている。糖化ストレスはAGEsが引き起こす炎症反応だけでなく、AGEsが生み出される過程で生じる生体ストレスや生体に及ぼす様々な影響のことを総合した表現として用いられる。例えば、糖化ストレスは、皮膚では肌の褐変化や肌のくすみの一因になり、高血糖状態では白内障、血管障害、腎機能障害の原因となる(非特許文献1)。従って、糖化ストレスを予防または抑制することは極めて重要であると言える。
【0004】
特許文献1には、柑橘類の揮発性油状物が、メイラード反応阻害活性およびAGE-タンパク質架橋物質切断活性を有することが記載されている。特許文献2には、オウレン抽出物、オウバク抽出物及びサンシシ抽出物が、AGEs産生抑制効果を有し、皮膚刺激性のない安全な素材であるため、各種皮膚化粧料、浴用剤等に用いることにより、皮膚老化予防を図ることができることが記載されている。特許文献3には、ハンゲショウ属植物の抽出物がAGEとRAGEの結合を阻害することでAGEsによる炎症を抑制することが記載されている。特許文献4には、ケルセチンおよびスルフォラファンの組み合わせが、RAGEの発現を抑制することにより、AGEs由来の炎症に効果があることが記載されている。
【0005】
一方、従来より種々の抗炎症成分が知られている。例えば、アラントインは皮膚増殖および創傷治癒の促進、抗炎症作用などを有することが知られているが、その作用機序は知られていない。グリチルリチン酸ジカリウムは、抗炎症成分として広く用いられているが、その作用機序はアラキドン酸カスケードの阻害である。アラキドン酸カスケードとは、細胞膜を構成するリン脂質由来のアラキドン酸を原料としてプロスタグランジン類やトロンボキサン類などの起炎物質を作る代謝経路である。グリチルリチン酸ジカリウムは、ホスホリパーゼA、リポキシゲナーゼ等の酵素の活性化を阻害することでリン脂質由来の起炎物質の産生を抑制し抗炎症作用を発揮している。塩酸ピリドキシンは、ビタミンB6サプリメントなどで最も多く含まれるビタミンB6のビタマーである。塩酸ピリドキシンの作用としては、代謝改善のほか、塩酸ピリドキシンが欠乏している場合に皮膚や粘膜における炎症を抑制する作用が知られているが、その他要因による炎症に対して抑制する作用はない(非特許文献2及び3)。ヒノキチオールは、細菌や真菌に対する抗菌活性、及び抗炎症作用を有することが知られている。この抗炎症作用は局所コルチゾール修飾酵素の1つである11β-hydroxysteroid dehydrogenase(11β-HSD)の阻害作用に起因することが知られている(非特許文献4)。イプシロンアミノカプロン酸は止血や抗炎症作用が知られるが、これは抗プラスミン作用が起因していることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-35424号公報
【特許文献2】特開2016-210729号公報
【特許文献3】特開2021-31424号公報
【特許文献4】特開2017-145236号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】八木ほか「糖化ストレスと抗糖化作用の評価」オレオサイエンス 第18巻第2号(2018)67~73頁
【非特許文献2】Chiang EP et al.,Arthritis Research & Therapy 2005,7:R1254-R1262
【非特許文献3】Chiang EP et al.,Arthritis Research & Therapy 2005,7:R1404-R1411
【非特許文献4】Itoi-Ochi et al.,日本研究皮膚科学会年次学術大会・総会プログラム 42回 Page225(2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、いずれの成分の抗炎症作用機序もAGEs由来の炎症の発症機序とは異なることから、抗炎症成分であるからといってAGEsによる炎症反応に有効であるとは言えない。本発明は、生体内で起こる糖化ストレスを抑制する活性、特にAGEs産生抑制作用、糖化反応抑制作用、AGEsによる炎症を抑制する作用を有する新たな糖化ストレス抑制剤、特にAGEs産生抑制剤、糖化反応抑制剤、AGEs由来の炎症抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の〔1〕~〔12〕を提供する。
〔1〕グリチルリチン酸類、アラントイン類、アズレン類、塩酸ピリドキシン、ヒノキチオール類、銅葉緑素類、塩化リゾチーム、及びイプシロンアミノカプロン酸からなる群より選ばれる1種以上を含有する糖化ストレス抑制剤。
〔2〕グリチルリチン酸類、アラントイン類、アズレン類、塩酸ピリドキシン、ヒノキチオール類、銅葉緑素類、塩化リゾチーム、及びイプシロンアミノカプロン酸からなる群より選ばれる1種以上を含有するAGEs(Advanced Glycation End Products;最終糖化産物)生成抑制剤。
〔3〕AGEsがコラーゲンに由来するAGEsである、〔2〕に記載のAGEs生成抑制剤。
〔4〕AGEsがコラーゲンとグリセルアルデヒドに由来するAGEsである〔2〕又は〔3〕に記載のAGEs生成抑制剤。
〔5〕グリチルリチン酸類、アラントイン類、アズレン類、塩酸ピリドキシン、ヒノキチオール類、銅葉緑素類、塩化リゾチーム、及びイプシロンアミノカプロン酸からなる群より選ばれる1種以上を含有する糖化反応抑制剤。
〔6〕コラーゲンの糖化反応を抑制する、〔5〕に記載の糖化反応抑制剤。
〔7〕コラーゲンのグリセルアルデヒドによる糖化反応を抑制する、〔5〕又は〔6〕に記載の糖化反応抑制剤。
〔8〕グリチルリチン酸類、アラントイン類、アズレン類、塩酸ピリドキシン、ヒノキチオール類、銅葉緑素類、塩化リゾチーム、及びイプシロンアミノカプロン酸からなる群より選ばれる1種以上を含有し、AGEsによる炎症反応を抑制する、炎症反応抑制剤。
〔9〕〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の剤を含む外用剤。
〔10〕〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の剤を含む口腔用剤。
〔11〕歯肉ケア剤である、〔10〕に記載の口腔用剤。
〔12〕歯周病予防剤である、〔10〕に記載の口腔用剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、生体内で起こる糖化ストレスを抑制する糖化ストレス抑制剤、AGEs生成反応を抑制する活性を有するAGEs生成抑制剤、糖化反応(メイラード反応)を抑制する糖化反応抑制剤、AGEsによる炎症反応を抑制する、炎症反応抑制剤が提供される。これらの剤は、外用剤、口腔用剤、歯肉ケア剤、歯周病予防剤等として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、試験例1のIL-6濃度の結果を示す図である。
【
図2】
図2は、試験例3のAGEsによる炎症を抑制する作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1.糖化ストレス抑制剤、AGEs生成抑制剤、糖化反応抑制剤、炎症反応抑制剤]
[1.1 有効成分]
本発明においては、グリチルリチン酸類、アラントイン類、塩酸ピリドキシン、ヒノキチオール類、銅葉緑素類、塩化リゾチーム、及びイプシロンアミノカプロン酸からなる群より選ばれる1種以上を有効成分とする。
【0013】
<グリチルリチン酸類>
本明細書において、グリチルリチン酸類は、グリチルリチン、グリチルリチン酸、その加水分解物、それらの誘導体、及びこれらを含む植物、植物抽出物を意味する。グリチルリチン酸類としては、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸塩、グリチルリチン酸の酸分解物であるグリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル等のグリチルレチン酸誘導体、甘草(例えば、根)、甘草抽出物が挙げられ、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルが好ましい。
【0014】
<アラントイン類>
本明細書において、アラントイン類は、アラントイン、その誘導体及びそれらの塩を意味する。アラントイン類としては、例えば、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、これらの2以上の組み合わせが挙げられ、好ましくはアラントインである。
【0015】
<アズレン類>
本明細書において、アズレン類は、アズレン、その誘導体及びそれらの塩を意味する。アズレン類としては、例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム、アズレン、1,4-ジメチル-7-イソプロピルアズレン、4,8-ジメチル-2-イソプロピルアズレン、これらの2以上の組み合わせが挙げられ、アズレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
【0016】
<塩酸ピリドキシン>
塩酸ピリドキシンは、ピリドキシンの塩酸塩である。
【0017】
<ヒノキチオール類>
本明細書においてヒノキチオール類とは、ヒノキチオール、その誘導体、及びそれらの塩(ナトリウム塩等)を意味する。ヒノキチオールの製造方法としては、タイワンヒノキまたは青森ヒバの木部や根部を蒸留して得られる油分から得る方法が挙げられるが、これに限定されない。ヒノキチオール類としては、例えば、ヒノキチオール、その塩、金属錯体、及びこれらから選ばれる2以上の組み合わせが挙げられ、本発明の所望の効果を発現する観点から、ヒノキチオールが好ましい。ヒノキチオールは1)抗菌作用、2)抗炎症作用などが知られている。
【0018】
<銅葉緑素類>
本明細書において、銅葉緑素類とは、銅クロロフィリン及び同クロロフィリン塩である。銅クロロフィリン及びその塩の製造方法としては、例えば、植物のクロロフィル分子中のマグネシウムを銅と置換して安定化させる方法が挙げられるが、これに限定されない。銅葉緑素類としては、例えば、銅クロロフィリン、銅クロロフィリン塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)、これらの2以上の組み合わせが挙げられ、本発明の所望の効果をより効率的に発現する観点から、銅葉緑素類としては、銅クロロフィリンナトリウムが好ましい。
【0019】
<塩化リゾチーム>
塩化リゾチームは鶏卵に含まれる成分であり、その製造方法は、公知の方法によればよく特に限定されない。塩化リゾチームとしては、日本薬局方又は化粧品原料基準に記載の塩化リゾチームを使用できる。
【0020】
<イプシロンアミノカプロン酸>
イプシロンアミノカプロン酸は、日本薬局方又は化粧品原料基準に記載のイプシロンアミノカプロン酸を使用できる。
【0021】
有効成分としては、グリチルリチン酸類、塩酸ピリドキシン、アラントイン、ヒノキチオール、及びイプシロンアミノカプロン酸から選ばれる1つを少なくとも含むことが好ましく、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸塩、アラントイン、ヒノキチオールまたは塩酸ピリドキシンであることがより好ましい。
【0022】
[1.2 有効量]
各有効成分の有効量は、適用対象に応じて適宜定めることができるが、ヒトの1回あたりの使用量は、通常0.00001mg以上、好ましくは0.001mg以上、より好ましくは0.01mg以上である。上限は、通常1g以下、好ましくは0.1g以下である。特に、投与手段が局所投与(外用)である場合、投与製剤中の有効濃度は、下限は0.0001質量%以上が好ましく、より好ましくは0.001質量%である。上限は10質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
【0023】
[1.3 作用]
上記有効成分は、糖化ストレスを制御できる。本明細書において糖化ストレスとは、糖とタンパク質が結合して(糖化反応;メイラード反応)AGEsが生成(AGEs生成反応)してからAGEsが細胞に作用(炎症反応)することまでの前記各反応を包含する。AGEsによる炎症反応は、モノサイト/マクロファージ、血管内皮細胞、線維芽細胞などの細胞膜に発現するRAGE(Receptor for AGE)に結合することで、細胞内にシグナルを伝達し、AGEs由来の酸化ストレス、NF-κB活性、mitogen-activated protein kinase(MAPK)、protein kinase C(PKC)が活性化して炎症を起こす反応である。上記有効成分は、糖化ストレスの少なくとも一部を抑制でき、例えば、糖化ストレス抑制剤、AGEs生成抑制剤(糖化物生成抑制剤、AGEs形成抑制剤、糖化物形成抑制剤等と言い換えることができる)、糖化反応(メイラード反応)抑制剤(抗糖化剤、糖化抑制剤等と言い換えることができる)として利用できる。本発明の剤は、皮膚老化抑制、歯肉ケア、歯周病、ドライアイ、白内障予防、網膜症、老眼予防の目的で用いることが好ましい。
【0024】
[1.4 任意成分]
本発明の剤(糖化ストレス抑制剤、AGEs生成抑制剤、糖化反応抑制剤、AGEsによる炎症反応抑制剤)は、後述するように各種の投与形態として使用される。上記剤は、当該成分からなるものでもよいし、これらに加えて他の任意成分を含有するものであってもよい。任意成分としては、例えば、界面活性剤、緩衝剤、希釈剤、結合剤、増粘剤、保存剤、賦形剤、分散剤、崩壊剤、溶剤、抗酸化剤、安定剤、甘味剤、着色剤、着香剤、防腐剤、乳化剤およびこれらから選ばれる2以上の組み合わせが挙げられるが、各投与形態の分野において用いられる添加剤であれば特に制限されない。
【0025】
[1.5 剤形]
糖化ストレス抑制剤、AGEs生成抑制剤、糖化反応抑制剤、AGEsによる炎症反応抑制剤の剤形としては、例えば、液状、ゲル状、クリーム状(ペースト状)、粉末状(散剤状)、顆粒状、錠剤状、フィルム状、シート状が挙げられ、特に制限されない。
【0026】
[2.用途]
上記糖化ストレス抑制剤、AGEs生成抑制剤、糖化反応抑制剤、AGEsによる炎症反応抑制剤は、医薬部外品、医薬、化粧品、食品として利用できる。
【0027】
[2.1 適用対象、適用部位]
本発明の剤の適用対象は、ヒトを含む動物であればよく、通常は哺乳類、鳥類、魚類、好ましくは哺乳類、より好ましくはヒトである。適用対象は健常者でもよいし、高齢者、感染者または感染が疑われる者でもよい。ヒト以外の動物としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタ、サルなどが挙げられる。
【0028】
本発明の剤の適用部位は、局所(口腔用、眼科用等の粘膜、皮膚用、毛髪用)、全身(内服用)のいずれでもよい。
【0029】
[2.2 投与形態]
剤の投与形態としては、例えば、経口投与(内服)、非経口投与(例えば、経皮経粘膜投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経鼻投与、経肺投与)が挙げられ、これらの中でも侵襲性の少ない投与形態が好ましく、経皮経粘膜投与(外用)、経口投与がより好ましい。
【0030】
[2.3 投与剤型]
本発明の剤は、医薬品、医薬部外品、化粧料、機能性食品等として利用できる。剤型は、例えば、液剤、スプレー剤、固形剤、半固形剤、粉剤、顆粒剤、シート剤が挙げられ、特に限定されない。
【0031】
[2.4 製剤への使用]
本発明の剤は、グリチルリチン酸類、アラントイン類、アズレン類、塩酸ピリドキシン、ヒノキチオール類、銅葉緑素類、塩化リゾチーム、及びイプシロンアミノカプロン酸からなる群より選ばれる1種以上の糖化ストレス抑制剤、AGEs生成抑制剤、糖化反応抑制剤、又はAGEsによる炎症反応抑制剤を有効成分として含有する外用剤、内服剤等の各種製剤とすることができる。
【0032】
外用剤としては、粘膜用剤、皮膚用剤、毛髪用剤が挙げられるが、粘膜用剤が好ましく、口腔用剤がより好ましく、歯肉ケア用、歯周病予防用であることが特に好ましい。
【0033】
口腔用製剤としては歯磨剤(例えば、練歯磨、ジェル状歯磨、潤製歯磨、液体歯磨)、歯肉ケア剤、洗口剤、舌磨剤、口腔内スプレー、口腔内タブレット、ガム、口中清涼剤、うがい用錠剤、口腔用パスタ、口腔用ゲル剤、口腔用軟膏剤が挙げられる。
【0034】
皮膚用剤型(皮膚外用剤)としては、例えば、ジェル剤、軟膏、クリーム、外用液、ローション、スプレー、パック等が挙げられる。
【0035】
内服用剤形(医薬品、機能性食品)としては、例えば、内服液、シロップ、クリーム、ゼリー、ペースト、錠剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル、ハードカプセル)等が挙げられる。
【0036】
化粧料としては、例えば、クリーム剤、乳液、パック剤、ジェル剤、エアゾール、シート剤等の剤形で利用できる。具体的には例えば、化粧水、美容液、美白剤、保湿剤、フェイスマスク、乳液、ファンデーション、アイシャドウ、マスカラ、眉墨、アイライン、チークパウダー、口紅、リップクリーム、パック、石鹸等の皮膚用化粧料;ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアローション、ヘアトニック、ヘアパック、ヘアクリーム、コンディショニングムース、ヘアムース、ヘアスプレー、シャンプー、リーブオントリートメント、染毛料、整髪料等の毛髪用化粧料が挙げられる。
【0037】
食品(食品組成物)としては例えば、健康食品、機能性食品、健康食品、健康補助食品(サプリメント)、栄養補助食品、特定保健用食品、栄養機能食品、医療用食品、病者用食品、乳児用食品、介護用食品、高齢者用食品等の用途を付した食品組成物が挙げられる。
【0038】
[2.5 剤の含有量]
上記各用途における本発明の有効成分(アズレン類、アラントイン類、グリチルリチン酸類、塩酸ピリドキシン、銅葉緑素類、ヒノキチオール類、塩化リゾチーム、及びイプシロンアミノカプロン酸の、それぞれの含有量)の含有量は、特に限定されない。一例をあげると、剤全質量に対し、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上である。上限は好ましくは10質量%以下、より好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。アズレン類、アラントイン類は、2質量%以下が好ましく、1質量%がより好ましい。従って、本発明の所望の効果を発現する観点から、剤全質量に対して0.0001~10質量%が好ましく、0.0001~2質量%がより好ましく、0.001~1質量%が特に好ましい。なお、グリチルリチン酸類として甘草抽出物を用いる場合、その含有量は、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの塩の合計量に換算した量である。
【0039】
[2.6 任意成分]
本発明の剤が他の任意成分を含むいわゆる組成物の形態である場合、他の成分としては、例えば、薬効成分、緩衝剤、溶解補助剤、等張化剤、安定化剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、油性成分、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、着色剤、発色剤、矯味剤(酸味剤、香料、甘味剤)、酸化防止剤、強化剤、膨張剤、増粘剤、界面活性剤、研磨剤、湿潤剤、保湿剤、清涼剤、研磨剤、粘結剤、収斂剤、植物抽出エキス、紫外線吸収剤、水性溶媒、防腐剤、調味料、食品原料(食品添加物を含む)等の、上記有効成分以外の成分が挙げられる。任意成分の種類、含有量は、医薬品、医薬部外品、食品組成物、化粧料の各用途、及び/又は剤形、投与方法等に応じて選択すればよく、1種でもよいし2種以上の組み合わせでもよい。
【0040】
<薬効成分>
薬効成分としては、例えば、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リテックエンザイム等の酵素;フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズ等のフッ化物;トラネキサム酸、ジヒドロコレステロール等の抗炎症剤;亜鉛塩、銅塩、スズ塩等の金属塩;縮合リン酸塩、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤;ビタミンE(例えば、酢酸トコフェロール)等の血流促進剤;硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム等の知覚過敏抑制剤;ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等のコーティング剤;ビタミンC(例えば、アスコルビン酸またはその塩)、塩化ナトリウム等の収斂剤;グルコン酸銅等の水溶性銅化合物;歯石予防剤;アラニン、グリシン、プロリン等のアミノ酸類;タイム、オウゴン、チョウジ、ハマメリス等の植物エキス;カロペプタイド;ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。他の例としては、充血除去剤、消炎剤、収斂剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン類、アミノ酸類、殺菌剤、局所麻酔剤、上記本発明における有効成分以外のAGEsの生成抑制又は抗炎症作用を有する成分、これらから選ばれる2以上の組み合わせも挙げられる。充血除去剤としては、例えば、塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、dl-塩酸メチルエフェドリン、硝酸テトラヒドロゾリン、硝酸ナファゾリンが挙げられる。消炎、収斂剤としては、例えば、メチル硫酸ネオスチグミン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、ブロメライン、カミツレ、クロモグリク酸ナトリウムが挙げられる。抗ヒスタミン剤としては、例えば、塩酸イプロヘプチン、塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、塩酸イソチペンジル、マレイン酸クロルフェニラミンが挙げられる。ビタミン類としては、例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、ビタミンA類(例えば酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール)、ビタミンE類(酢酸トコフェロール(例えば、酢酸d-α-トコフェロール))が挙げられる。アミノ酸類としては、例えば、L-アスパラギン酸カリウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウムが挙げられる。殺菌剤としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトリウム、ヨウ素、ヨウ化カリウム、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム、イソプロピルメチルフェノールが挙げられる。局所麻酔剤としては、例えば、リドカイン、塩酸リドカイン、塩酸ジブカイン、クロロブタノールが挙げられる。それぞれの薬効成分は、1つ又は2以上を組み合わせて用いてもよい。薬効成分の含有量は、常法に従って有効量を適宜設定できる。
【0041】
<界面活性剤>
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合し得る。
【0042】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アシルアミノ酸塩、アシルタウリン塩、α-オレフィンスルホン酸塩、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸塩、ラウリルスルホ酢酸塩が挙げられる。アルキル基、アシル基は直鎖及び分岐鎖のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよく、その炭素原子数は通常10~20であり、好ましくは12~18であり、より好ましくは12~14である。塩は、薬理学的に許容される塩から選択され得る。薬理学的に許容される塩としては、例えば、塩基付加塩及びアミノ酸塩が挙げられる。その具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。中でも、無機塩基塩が好ましく、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)又はアンモニウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
【0043】
アルキル硫酸塩としては、例えば、ラウリル硫酸塩(ラウリル硫酸ナトリウム)、ミリスチル硫酸塩が挙げられる。アシルアミノ酸塩としては、例えば、ラウロイルグルタミン酸塩、ミリストイルグルタミン酸塩、パルミトイルグルタミン酸塩等のアシルグルタミン酸塩;N-ラウロイル-N-メチルグリシン塩、ココイルグリシン塩等のアシルグリシン塩;N-ラウロイル-β-アラニン塩、N-ミリスチル-β-アラニン塩、N-ココイル-β-アラニン塩、N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニン塩、N-ミリストイル-N-メチル-β-アラニン塩、N-メチル-N-アシルアラニン塩等のアシルアラニン塩;ラウロイルアスパラギン酸塩等のアシルアスパラギン酸塩が挙げられる。アシルタウリン塩としては、例えば、ラウロイルメチルタウリン塩、N-メチル-N-アシルタウリン塩、N-ココイルメチルタウリン塩が挙げられる。α-オレフィンスルホン酸塩としては、例えば、テトラデセンスルホン酸塩等の炭素原子数12~18のα-オレフィンスルホン酸塩が挙げられる。アニオン性界面活性剤の他の例としては、例えば、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
【0044】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート)、アルキロールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル(例、マルトース脂肪酸エステル)、糖アルコール脂肪酸エステル(例、マルチトール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル)、脂肪酸ジエタノールアミド(例、ラウリル酸モノ又はジエタノールアミド)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステルが挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルのアルキル鎖の炭素原子数は、通常、14~18であり、エチレンオキサイド平均付加モル数は、通常、5~30モルである。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油のエチレンオキサイド平均付加モル数は、通常20~100モル、好ましくは20~60モルである。ソルビタン脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素原子数は、通常12~18である。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの脂肪酸の炭素原子数は、通常16~18であり、エチレンオキサイド平均付加モル数は、通常10~40モルである。アルキロールアミドのアルキル鎖の炭素原子数は、通常12~14である。
【0045】
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えば、コカミドプロピルベタイン)等のベタイン型両性界面活性剤;N-脂肪酸アシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩(例えば、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)、ヤシ油脂肪酸イミダゾリニウムベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタインが挙げられる。
【0046】
界面活性剤を含む場合、アニオン性、ノニオン性、両性界面活性剤それぞれの含有量は、通常、剤全体の0.01~10質量%、好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは0.2~3質量%である。
【0047】
<研磨剤>
研磨剤としては、例えば、無機研磨剤及び有機研磨剤のいずれでもよい。無機研磨剤としては、例えば、沈降性シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート、結晶性ジルコニウムシリケート、チタン結合性シリカ等の研磨性シリカ;第2リン酸カルシウム・2水和塩又は無水和物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系化合物;炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム系研磨剤;水酸化カルシウム、硫酸カルシウム等の、炭酸/リン酸以外のカルシウム系研磨剤;酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナ等のアルミニウム系材料;無水ケイ酸、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム等のケイ酸系材料;炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム等のマグネシウム系材料;ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト等のアパタイト系材料;二酸化チタン、雲母チタン、酸化チタン等のチタン系材料;ベントナイト等の鉱物が挙げられる。有機研磨剤としては、例えば、ポリメチルメタアクリレート、合成樹脂系研磨剤が挙げられる。これらのうち、研磨性シリカ、リン酸カルシウム系化合物が好ましく、無水ケイ酸がより好ましい。研磨剤の量は、剤全体に対し、50質量%以下が好ましく、8~50質量%がより好ましい。
【0048】
<湿潤剤>
湿潤剤としては、例えば、糖アルコール、糖アルコール以外の多価アルコールが挙げられる。糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール(ソルビット)、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール等が挙げられる。糖アルコール以外の多価アルコールとしては、グリセリン;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)等のグリコール;還元でんぷん糖化物が挙げられる。ポリエチレングリコールとしては、例えば、平均分子量150~6000のポリエチレングリコールが好ましく、平均分子量190~630のポリエチレングリコール(PEG200、PEG300、PEG400、PEG600)が好ましい。平均分子量は、医薬部外品原料規格2006記載の平均分子量である。湿潤剤の含有量は、剤全体に対し、通常、40質量%以下であり、好ましくは1~30質量%である。
【0049】
<粘結剤>
粘結剤としては、従来公知の任意好適な有機粘結剤、例えば、多糖類、セルロース系粘結剤(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カチオン化セルロース等)、その他の多糖系増粘剤(例、キサンタンガム、グアガム、ジェランガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム)、合成水溶性高分子(例、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸プロピレングリコール)が挙げられる。さらには増粘性シリカ、ケイ酸アルミニウム等の無機粘結剤を含有させることもできる。有機粘結剤の含有量は、剤全体に対し、0~3質量%が好ましく、0.1~2質量%がより好ましい。無機粘結剤の含有量は、0~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましい。
【0050】
<緩衝剤>
緩衝剤としては、例えば、クエン酸又はその塩(例えば、クエン酸ナトリウム)、リン酸又はその塩(例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二水素カリウム)、酒石酸又はその塩(例えば、酒石酸ナトリウム)、グルコン酸又はその塩(例えば、グルコン酸ナトリウム)、酢酸又はその塩(例えば、酢酸ナトリウム)、炭酸又はその塩(例えば、炭酸水素ナトリウム)、トロメタモール、アミノ酸類(例えば、アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム)、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。溶解補助剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(例えば、p=60)硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(例えば、p=20)ソルビタンモノオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。安定化剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、シクロデキストリン、亜硫酸塩、クエン酸又はその塩、ジブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。キレート剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、これらの組み合わせが挙げられる。pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、フェノール、アクリノール等のアルコール誘導体、ソルビン酸及びその塩(ソルビン酸カリウム等)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、アルキルポリアミノエチルグリシン、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。
【0051】
<保湿剤>
保湿剤としては、例えば、グリセリン、濃グリセリン、糖アルコール類(例えば、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、マンニトール、還元水飴、還元パラチノース、エリスリトール、ラクチトール、イソマルト)、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。
【0052】
<矯味剤>
矯味剤としては、例えば、甘味剤(例、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、ステビオサイド、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ペリラルチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル、ソーマチン、アセスルファムカリウム、スクラロース、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、還元水飴、還元パラチノース、キシリトール、エリスリトール、ラクチトールなどの人工甘味料など)、香料(例、アニス油、カシア油、ウィンターグリーン油、マスチック油、ネロリ油(オレンジフラワー油)、レモングラス油、ジャスミン油、ローズ油、イリス油、クローブ油、セージ油、カルダモン油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、バジル油、マジョラム油、レモン油、オレンジ油、ライム油、柚子油、ナツメグ油、ラベンダー油、パラクレス油、バニラ油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、ハッカ油、ライチ油等の天然精油);メントール、カルボン、シンナミックアルデヒド、アネトール、メチルサリシレート、オイゲノール、リナロール、リモネン、メントン、メンチルアセテート、シトラール、デカナール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール、n-デシルアルコール、シトロネロール、α-テルピネオール、シトロネリルアセテート、エチルリナロール、ワニリン等の上記天然精油中に含まれる香料成分;エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキサナール、ヘキセナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ベンズアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フラネオール、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド、メンチルラクテート、エチレングリコール-l-メンチルカーボネート等の香料成分;及びいくつかの香料成分や天然精油を組み合わせてなるミント系、フルーツ系、ハーブ系等の各種調合フレーバー(例えば、ペパーミントミクロンX-8277-T、ドライコート抹茶#421)、酸味料(例、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸)、緑茶末が挙げられる。
【0053】
<油性成分>
油性成分としては、例えば、脂肪酸エステル(例えば、グリセリン脂肪酸エステル)、炭化水素(例、パラフィン、流動パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス)、高級脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の炭素原子数8~22の脂肪酸)、高級アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の炭素原子数8~22のアルコール)、植物油脂(例えば、オリーブ油、ひまし油、やし油等の植物油;ミリスチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル)、蜜蝋、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。
【0054】
<防腐剤>
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル(例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル)、安息香酸ナトリウム、及びこれらの2以上の組み合わせが挙げられる。
【0055】
<湿潤剤>
湿潤剤としては、例えば、糖アルコール、糖アルコール以外の多価アルコールが挙げられる。糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール(ソルビット)、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール等が挙げられる。糖アルコール以外の多価アルコールとしては、グリセリン;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)等のグリコール;還元でんぷん糖化物が挙げられる。ポリエチレングリコールとしては、例えば、平均分子量150~6000のポリエチレングリコールが好ましく、平均分子量190~630のポリエチレングリコール(PEG200、PEG300、PEG400、PEG600)が好ましい。平均分子量は、医薬部外品原料規格2006記載の平均分子量である。湿潤剤の量は、剤全体に対し、通常、40質量%以下であり、好ましくは1~30質量%である。
【0056】
<着色剤>
着色剤としては例えば、ベニバナ赤色素、クチナシ黄色素、クチナシ青色素、シソ色素、紅麹色素、赤キャベツ色素、ニンジン色素、ハイビスカス色素、カカオ色素、スピルリナ青色素、タマリンド色素等の天然色素や、赤色2号、赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、赤色227号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の法定色素、リボフラビン、二酸化チタン等が挙げられる。着色剤を含む場合、その含有量は、剤全体に対し0.00001~3質量%とすることが好ましい。
【0057】
<pH調整剤>
pH調整剤としては、例えば、フタル酸、クエン酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、及び乳酸等の有機酸又はそれらの塩(クエン酸ナトリウム)、リン酸(オルトリン酸)等の無機酸又はそれらの塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物が挙げられる。無機酸塩としては、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムが挙げられる。pH調整剤の含有量は、通常、添加後の剤のpHが5~9、好ましくは6~8.5となる量とすることができる。本明細書において、pH値は、通常、測定開始から25℃、3分後の値をいう。pH値は、例えば、東亜電波工業社製のpHメーター(型番Hm-30S)を用いて測定することができる。
【0058】
<溶媒>
溶媒としては、例えば、水(精製水)、エタノールが挙げられ、水が好ましい。溶媒は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0059】
<賦形剤>
賦形剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース及びその薬理学的に許容される誘導体;ポリビニルピロリドン、部分けん化ポリビニルアルコール等の合成高分子;ゼラチン、アラビアゴム末、プルラン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、キタンサンガム等の多糖類;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ等のスターチおよびその薬理学的に許容される誘導体;乳糖、乳糖造粒物、果糖、ブドウ糖、白糖、グラニュウ糖、含水ブドウ糖、トレハロース、パラチノース、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マルトテトラオース、ラクチトール、イソマルト、還元パラチノース、還元水飴、粉末還元麦芽糖水飴、マルチトール;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、二酸化ケイ素(別名:無水ケイ酸、微粒二酸化ケイ素)、酸化チタン、水酸化アルミニウムゲル等の無機賦形剤;これらの2以上の組み合わせが挙げられる。
【0060】
<崩壊剤>
崩壊剤としては、例えば、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスリンクドインソルブルポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルスターチ、部分α化デンプン、トウモロコシデンプン、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。
【0061】
<結合剤>
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デキストリン、デンプン、アルファー化デンプン、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。
【0062】
<滑沢剤>
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、これらの2以上の組み合わせが挙げられる。
【0063】
<他の任意成分>
上記以外の任意成分の例としては、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ウレタン、シリコン、天然ゴムが挙げられる。これら他の任意成分の含有量は、本発明の効果を妨げない範囲で適宜設定できる。
【0064】
〔3.製造方法〕
口腔用剤、外用剤等、糖化ストレス抑制剤、AGEs生成抑制剤、糖化反応抑制剤又はAGEsによる炎症反応抑制剤を用いる各剤の製造方法は、剤型、用途、適用部位に応じて定めればよい。例えば、練歯磨剤として利用する場合、溶媒に溶解する成分を調製した後、それ以外の不溶性成分を混合し、必要に応じて脱泡(例えば、減圧等)を行う方法が挙げられるまた他の例としては例えば、有効成分及び必要に応じて用いる他の成分を水性溶媒(例えば、精製水、滅菌水等の水)に分散し、溶解することにより組成物を調製し、適切な容器(例えば、ガラス製、樹脂製)に充てんする方法が挙げられる。容器は、口腔用剤の容器としては、例えば、ラミネートチューブが挙げられ、材質は例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の樹脂が用いられ得る。スプレー剤の場合には、噴霧手段を備える容器(例えば、トリガー式、ポンプ式、エアゾール式容器)を選択すればよい。得られる練歯磨剤は、容器に収容して製品とすることができる。容器は、形状、材質は特に制限されず、通常の口腔用組成物に使用される容器を使用できる。
【0065】
〔4.使用方法〕
口腔用剤、外用剤等、糖化ストレス抑制剤、AGEs生成抑制剤、糖化反応抑制剤又はAGEsによる炎症反応抑制剤を用いる各剤の使用方法は、例えば、適用部位に剤を投与すればよい。1日あたり投与回数は特に限定されないが、例えば1~6回、それ以上でもよい。口腔用剤の場合、適量の剤を歯ブラシに載せ歯の表面をブラッシングし、使用後水ですすぐ方法(歯磨剤)、適量の剤を口に含みうがいをした後吐き出す方法(洗口剤)によればよい。
【実施例0066】
[試験例1]糖化による歯肉の炎症反応評価(参考例)
ヒト歯肉線維芽細胞をマルチウェルプレートに播種、10%ウシ血清入りα-MEM(ThermoFischer製)でサブコンフルエントまで培養した。その後、培地を除去し、Control-BSA(以下BSA、BioVision製)を0、250、500、1000μg/mL、AGEs-BSA(Control-BSAの糖化物、以下AGEs、BioVision製)を0、250、500、1000μg/mL、それぞれ添加した培地に交換した。24時間後、培養上清を回収し、上清中のIL-6タンパク量をELISA(R&DSystems製)で評価した。(
図1)。BSAを添加した細胞上清と比較して、AGEsを添加した細胞上清では、IL-6の濃度が高かった。また、IL-6濃度はAGEs濃度に依存して高まることが明らかとなった。本試験例の結果は、AGEsが濃度依存的に炎症を進行させることを示している。
【0067】
[試験例2]AGEs生成阻害活性試験(実施例1~8および比較例1)
<コラーゲンゲルの作製>
氷冷した中和コラーゲン溶液を、96wellブラックプレートに50μL/wellずつ分注し、湿潤条件下の37℃インキュベーターで一晩静置した。
【0068】
<サンプル溶液の調製>
アズレンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業株式会社製)、アラントイン(富士フィルム和光純薬株式会社製)、グリチルリチン酸ジカリウム(アルプス薬品工業株式会社製)、塩酸ピリドキシン(DSM株式会社製)、銅クロロフィリンナトリウム(タマ生化学株式会社製)、ヒノキチオール(富士フィルム和光純薬株式会社製)、塩化リゾチーム(富士フィルム和光純薬株式会社製)、イプシロンアミノカプロン酸(日本理化学薬品株式会社製、実施例8)は各成分が所定の濃度となるようにリン酸緩衝液(PBS)で希釈し調製した。酢酸トコフェロール(富士フィルム和光純薬株式会社製)はエタノールに溶解した後、エタノール終濃度が1%以下となるようにPBSで希釈し調製した。なお、サンプルは、以下の試験例でも本試験例と同じ市販品を用いた。
【0069】
<被験物質の調製>
予め作製したコラーゲンゲル上にサンプル溶液群40μLと500mMグリセルアルデヒド溶液を10μLとを混合した。その後、湿潤条件下の37℃で24時間静置した。そして、そのコラーゲンゲルに370nmの励起光を照射し、生じる440nmの蛍光を測定した。この測定で得られた結果を測定値Aとした。
【0070】
<blankの調製>
blankの調製は以下のように行った。予め、作製したコラーゲンゲル上にPBS40μLと500mMグリセルアルデヒド溶液を10μLとを混合した。その後、湿潤条件下の37℃で24時間静置した。そして、そのコラーゲンゲルに370nmの励起光を照射し、生じる440nmの蛍光を測定した。この測定で得られた結果を測定値Bとした。
【0071】
<試験結果>
試験結果は、AGEs生成抑制率(%)=100-{(測定値A/測定値B)×100}で算出した。なお、各値はN=3の平均値である。
【0072】
【0073】
比較例1では、AGEs生成阻害率が0%以下であったのに対し、実施例1~8では、AGEs生成阻害率が0%を超えており、中でも溶液濃度0.001、0.01、1%の場合に生成阻害率20%以上と高い数値を示した。本結果は、実施例の各化合物は、糖化反応を抑制し、糖化反応抑制剤として作用することを示している。また、その結果、AGEs生成が抑制され、AGEs生成抑制剤として作用することを示している。
【0074】
糖化反応には酸化ストレスが関係することが知られており、酢酸トコフェロール(比較例1)は、抗酸化物質であり、いずれも糖化反応を抑制すると予想されていた。しかし、本実施例では、酢酸トコフェロールはAGEs生成を阻害しなかったことから(表1)、本試験例の結果は、抗酸化活性を有する物質がAGEs生成阻害活性を有するとは限らないことを示している。
【0075】
[試験例3]AGEsによる炎症反応抑制評価
<サンプル溶液の調製>
α-MEM(ThermoFischer製)に表2に示す1~7の成分を添加し、サンプル溶液を調製した。
【表2】
【0076】
<サンプル溶液の炎症反応評価>
ヒト歯肉線維芽細胞をマルチウェルプレートに播種、10%ウシ血清入り培地でサブコンフルエントまで培養した。その後、培地を除去しサンプル溶液に交換した。6時間後、ヒト歯肉線維芽細胞を回収、RNAを抽出、cDNAを作製しRT-PCRによってIL-6濃度の遺伝子発現解析を実施した。IL-6遺伝子発現量を内在性コントロールであるGAPDHの遺伝子発現量を用いて標準化、陰性コントロールを1としてIL-6の遺伝子発現比率を算出した(
図2)。
【0077】
AGEs250μg/mL(陽性コントロール:比較例3)のIL-6遺伝子発現比率は、BSA250μg/mL(陰性コントロール:比較例2)と比較して約2.5倍高かった。AGEs250μg/mLにアラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム、塩酸ピリドキシン、ヒノキチオール、イプシロンアミノカプロン酸をそれぞれ0.1%添加したサンプル溶液では陽性コントロールと比較してIL-6遺伝子発現比率は低下していた。(実施例9~13)。
【0078】
本試験の結果は、AGEsが炎症反応を引き起こすこと、本発明の剤が、AGEsによる炎症反応を抑制できることを示している。
【0079】
以上の実施例より、各有効成分が、生体内で起こる糖化ストレス、炎症反応の原因となるAGEs生成反応を抑制する活性、及び、AGEsによる炎症反応自体を抑制する活性を有し、AGEsによる炎症を抑制しうることが明らかである。