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特開2022-164984情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022164984
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/07 20060101AFI20221024BHJP
   G09F 19/00 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
G06F11/07 190
G09F19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070117
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大形 尚弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慎介
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042JJ03
5B042JJ15
5B042KK15
5B042MA08
5B042MC35
5B042MC40
(57)【要約】      (修正有)
【課題】表示端末のエラーによる不具合なのか別の原因による不具合なのかを特定する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】空室管理システムにおいて、施設A,Bに含まれる複数のトイレ個室20に設置された表示端末の夫々と通信可能に接続された空室管理サーバ(情報処理装置)であって、表示装置のそれぞれから送信されたデータを、所定時間ごとに受信する処理と、表示装置のそれぞれから送信されたデータの最新受信日時に基づいて、表示装置のそれぞれと通信不可か否か判定する第1判定処理と、第1判定処理により通信不可であると判定した対象の表示装置が属する施設の他の個室に設置された他の表示装置から送信されたデータに基づいて、通信不可であると判定した対象の表示装置の状態を判定する第2判定処理と、第2判定処理の判定結果を出力する処理と、を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に含まれる複数の個室に設置された表示装置のそれぞれと通信可能に接続された情報処理装置であって、
前記表示装置のそれぞれの状態を監視し、不具合の有無を判定するプログラムを格納する記憶デバイスと、
前記記憶デバイスから前記プログラムを読み込んで実行するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記表示装置のそれぞれから送信されたデータを、所定時間ごとに受信する処理と、
前記表示装置のそれぞれから送信されたデータの最新受信日時に基づいて、前記表示装置のそれぞれと通信不可か否か判定する第1判定処理と、
前記第1判定処理により通信不可であると判定した対象の表示装置が属する施設の他の個室に設置された他の表示装置から送信されたデータに基づいて、前記通信不可であると判定した前記対象の表示装置の状態を判定する第2判定処理と、
前記第2判定処理の判定結果を出力する処理と、
を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1判定処理において、前記プロセッサは、前記データの最新受信日時から所定時間経過している場合には前記対象の表示装置がエラー状態であると判定する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第2判定処理において、前記プロセッサは、前記他の表示装置の全てがエラー状態であると判定した場合、前記エラー状態であると判定した前記対象の表示装置の不具合以外の原因で通信不可となったと判定する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項において、
前記受信する処理において、前記プロセッサは、前記表示装置のそれぞれと前記情報処理装置との通信を中継する中継器を介して、前記表示装置のそれぞれから送信されたデータを、受信する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記プロセッサは、前記他の表示装置の全てがエラー状態であると判定した場合、前記中継器の不具合であると判定する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1、2、および4の何れか1項において、
前記第2判定処理において、前記プロセッサは、前記他の表示装置の少なくとも1つが正常に通信可能であると判定したときであって、前記通信不可であると判定した前記対象の表示装置の他に所定数の表示装置がエラー状態であると判定した場合には、ネットワークの不具合が生じていると判定する、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1または2において、
前記第2判定処理において、前記プロセッサは、前記他の表示装置の少なくとも1つが正常に通信可能であると判定したときであって、エラー状態であると判定した前記対象の表示装置の他にエラー状態である表示装置が所定数未満であると判定した場合には、前記対象の表示装置に不具合が生じていると判定する、情報処理装置。
【請求項8】
請求項1または2において、
前記第2判定処理において、前記プロセッサは、前記他の表示装置の全てがエラー状態であると判定した場合、さらに計画停電の有無を確認し、計画停電がない場合には前記施設を収容する建物・施設が予期せぬ停電になっている可能性があると判定する、情報処理装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項において、
前記プロセッサは、さらに、前記個室のそれぞれに設置され、個室利用者の入室を検知する通信機能付きセンサから、前記個室利用者の入室検知結果を受信すると、当該入室検知結果に対応する個室に設置された表示端末にコンテンツを表示するように制御する、情報処理装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項において、
前記個室はトイレ個室である、情報処理装置。
【請求項11】
建物・施設に設けられた複数の施設の各個室に設置された表示装置のそれぞれの状態を管理する情報処理方法であって、
前記表示装置のそれぞれが、自装置が正常に動作していることを空室管理サーバで確認するためのデータを送信することと、
前記空室管理サーバが、前記データを所定時間ごとに受信することと、
前記空室管理サーバが、前記表示装置のそれぞれから送信されたデータの最新受信日時に基づいて、前記表示装置のそれぞれと通信不可か否か判定することと、
前記空室管理サーバが、通信不可であると判定した対象の表示装置が属する施設の他の個室に設置された他の表示装置から送信されたデータに基づいて、前記通信不可であると判定した表示装置の状態を判定することと、
前記空室管理サーバが、前記表示装置の状態の判定結果を管理端末装置に送信することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを請求項1から10の何れか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ施設の個室等に表示端末を設置し、利用者が便器に近づくとセンサにより利用者を検知し広告やイベント情報等の画像を表示することが広まりつつある。例えば、特許文献1は、トイレ個室内に通信機能を有する表示端末を設置し、利用者に対して当該表示端末の画面を介して広告コンテンツを表示するシステムについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-42813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるようなシステムでは、所定の時間おきに表示端末からサーバに対してネットワークを介してデータを送信させることで、サーバが表示端末の動作を監視する場合がある。
しかしながら、表示端末が正常に動作していても、表示端末自身以外の理由(表示端末の故障以外の理由)により表示端末からのデータをサーバが受信できないことがある。このとき、サーバは、表示端末が正常に動作しているにも拘らず表示端末のエラーとして認識してしまうことになる。これでは、トイレの各個室に設置された表示端末に関して実体と合致しない管理となってしまい、管理者としては適切なエラー対策を講じることができない。
本開示は、このような状況に鑑み、表示端末のエラーによる不具合なのか別の原因による不具合なのかを特定することが可能な技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本開示は、トイレ施設に含まれる複数のトイレ個室に設置された表示装置のそれぞれと通信可能に接続された情報処理装置であって、表示装置のそれぞれの状態を監視し、不具合の有無を判定するプログラムを格納する記憶デバイスと、記憶デバイスからプログラムを読み込んで実行するプロセッサと、を備え、プロセッサは、表示装置のそれぞれから送信されたデータを、所定時間ごとに受信する処理と、表示装置のそれぞれから送信されたデータの最新受信日時に基づいて、表示装置のそれぞれと通信不可か否か判定する第1判定処理と、第1判定処理により通信不可であると判定した対象の表示装置が属するトイレ施設の他のトイレ個室に設置された他の表示装置から送信されたデータに基づいて、通信不可であると判定した対象の表示装置の状態を判定する第2判定処理と、第2判定処理の判定結果を出力する処理と、を実行する、情報処理装置を提案する。
【0006】
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではないことを理解する必要がある。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態によれば、各トイレ個室に設置された表示端末に不具合が生じているのか、別の原因による不具合が発生しているのか容易に特定(推定)することができるようになる。従って、トイレ個室管理者は、表示端末を含めたトイレ個室を効率的に管理することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る空室管理システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態における、1つのトイレ施設の各トイレ個室20の設置例を示す図である。
図3A】空室管理サーバ10のハードウェア構成例を示す図である。
図3B】表示端末40のハードウェア構成例を示す図である。
図3C】中継器50のハードウェア構成例を示す図である。
図3D】管理端末60のハードウェア構成例を示す図である。
図4A】空室管理サーバ10のソフトウェア構成例を示す図である。
図4B】表示端末40のソフトウェア構成例を示す図である。
図5A】空室管理DBのデータ構成例を示す図である。
図5B】広告管理DBのデータ構成例を示す図である。
図5C】表示端末管理DBのデータ構成例を示す図である。
図6】本実施形態に係る空室管理サーバ10による表示端末の監視処理を説明するためのフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係る、空室管理サーバ10によるエラー対処判定処理を説明するためのフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係る、空室管理サーバ10によるエラー対処判定処理を説明するためのフローチャートである。
図9】第3の実施形態に係る、空室管理サーバ10によるエラー再チェック処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(1)第1の実施形態
<システム構成>
(ネットワーク構成)
図1は、本実施形態に係る空室管理システムの構成例を示す図である。図1の空室管理システム100は、空室管理サーバ10と、エリア単位で管理される複数のトイレ施設の各トイレ個室20に設けられる空室検知センサ30および表示端末(表示装置)40と、同一エリアの空室検知センサ30および表示端末40と通信を行い空室管理サーバに情報を送信する中継器50と、管理端末60と、を備える。なおトイレ施設とは、共通の出入り口から入室可能なトイレ個室群を示す。また、エリアとは中継器50が管理する個室群とし、本実施形態においては、隣接して設置された男性用トイレ施設(トイレ施設A)と女性用トイレ施設(トイレ施設B)を、1つのエリアとして管理していることとする。
【0010】
空室管理サーバ10は、管理端末60とネットワーク70を介して接続されるように構成してもよいし、直接管理端末と接続されるように構成してもよい。また、空室管理サーバ10は、ネットワーク70を介して(中継器50を介さず)表示端末40にデータを送信(広告データの配信)することができるように構成されている。空室検知センサ30および表示端末40は中継器50を介して空室管理サーバ10に情報(データ)を送信するように構成されている。
【0011】
中継器50は、空室管理サーバおよび管理端末60とネットワーク70を介して通信を行う。また、中継器50は、同一エリアの複数のトイレ施設の各トイレ個室20に設けられた空室検知センサ30および表示端末40から情報を受信し、受信した情報を空室管理サーバ10に送信する。中継器50は、例えば、同一エリア内にあるトイレ施設の各トイレ個室20に設置された空室検知センサ30および表示端末40と、空室管理サーバ10との通信を中継するため、上記エリアの1つのトイレ施設Aの洗面台の下やトイレ施設入口付近に設置され、電源とつながっている。
【0012】
空室管理サーバ10は、表示端末40に、広告画像、広告動画又はアンケート画像などをはじめとする表示コンテンツ(以下、広告コンテンツという)を配信する情報処理装置である。配信された広告コンテンツは、トイレ個室20内にそれぞれ設置された表示端末40のディスプレイ上に表示される。
【0013】
表示端末40は、複数のトイレ施設AからBのトイレ個室毎に設置され、利用者がトイレ個室利用中に広告などの広告コンテンツを表示する情報表示装置である。例えば表示端末40としてタブレット端末を利用することができる。また、表示端末40は、所定時間(例えば、10分)ごとに、表示端末が起動中であることを示す動作確認用データを、エリアID、施設ID、およびトイレ個室ID(図5C参照:なお、表示端末自体に識別情報を付してそれを用いてもよい)とともに中継器50に送信する。動作確認用データとは、表示端末40が正常に動作していることを示すデータである。表示端末40が故障している場合や表示端末40に電源が供給されていないような場合には、当該データは表示端末40から発信されないことになる。中継器50は、ネットワーク70を介して空室管理サーバ10に対して、エリアID、施設ID、およびトイレ個室IDとともに表示端末40の動作確認用データを送信する。
【0014】
空室検知センサ30は、トイレ施設A及びBそれぞれのトイレ個室毎に設置され、利用者に利用されるトイレ個室20の空室情報(空室状況または利用状況を示す)を検知するための検知機器(監視機器)である。空室検知センサ30は、監視対象となる個室毎に設置される。空室検知センサ30は、トイレ個室20が利用者に利用されているか否かを検出する。
【0015】
空室検知センサ30としては、例えばトイレ個室20内の人(利用者)の存在を検知する人感センサやトイレ個室20の扉の開閉を検知する磁気センサなどを用いることができる。人感センサを用いた場合にはトイレ個室20内に人感を検知したときに、トイレ個室20が利用者に利用されていると判定することができる。また、トイレ個室20が常開式である場合、磁気センサを用いてトイレ個室20の扉が閉まったことを検知したときに、トイレ個室20が利用者に利用されていると判定することができる。空室検知センサ30は、例えば5秒おきに扉の開閉状態を検知する。また、空室検知センサ30は、開閉状態が変化した時に検知結果(利用者が入退室)を中継器50に送信し、さらに、一定の時間(例えば、10秒)ごとにトイレ個室20が利用者に利用されているか否かを検知し、検知結果を中継器50に送信する。ここで、空室検知センサ30は、ドアが閉まっている場合には検知信号1を、ドアが開いている場合には検知信号0をトイレ個室ID(図5C参照:空室検センサ自体に識別情報を付してそれを用いてもよい)とともに出力する。中継器50は、ネットワーク70を介して空室管理サーバ10に対して、トイレ個室20の検知結果を送信する。なお、本実施形態においては、扉の開閉を検知する磁気センサを空室検知センサ30として用いるものとする。
【0016】
なお、ネットワーク70は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク70は、例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)などを含む。
【0017】
(設置例)
図2は、本実施形態における、1つのトイレ施設の各トイレ個室20の設置例を示す図である。空室検知センサ30は、トイレ個室20の空室情報(空室状況)を監視するため、各トイレ個室20内の所定の場所に設置される。図2のトイレ施設の場合には、合計5つの個室が設けられているため、トイレ個室20毎に、合計5台の空室検知センサ30が設置される。空室検知センサ30は、トイレ施設内の無線又は有線ネットワーク(ローカルネットワーク)を介して中継器50と通信可能に接続される。
【0018】
上述したように、空室検知センサ30は、例えばトイレ個室20内の利用者の人感を検知する人感センサやトイレ個室20の扉の開閉を検知する磁気センサなどを用いることができる。空室検知センサ30に人感センサを用いた場合、空室検知センサ30はトイレ個室20の天井等に設置されうる。また、空室検知センサ30に磁気センサを用いた場合、空室検知センサ30はトイレ個室20の扉に設置されうる。
【0019】
表示端末40は、トイレ個室に入室した利用者が閲覧可能なように、各トイレ個室20内の所定の場所に設置される。図2のトイレ施設の場合には、合計5つの個室が設けられているため、トイレ個室20毎に、合計5台の表示端末40が設置される。表示端末40は、トイレ施設内の無線又は有線ネットワークを介して中継器50と通信可能に接続される。
【0020】
(ハードウェア構成)
図3Aは、空室管理サーバ10のハードウェア構成例を示す図である。図3Bは、表示端末40のハードウェア構成例を示す図である。図3Cは、中継器50のハードウェア構成例を示す図である。図3Dは、管理端末60のハードウェア構成例を示す図である。
【0021】
図3Aに示されるように、空室管理サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)14、及び通信装置15を有する。
【0022】
CPU11は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM12は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM13は、CPU11での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。HDD14は、各種データ及びプログラムを格納する。通信装置15は、ネットワーク70を介して他装置との通信を行う。
【0023】
図3Bに示されるように、表示端末40は、CPU41、ROM42、RAM43、通信装置44、メモリ45、及びディスプレイ装置46を有する。
【0024】
CPU41は、各種プログラムの実行や演算処理を行う。ROM42は、起動時に必要なプログラムなどが記憶されている。RAM43は、CPU41での処理を一時的に記憶したり、データを記憶したりする作業エリアである。通信装置44は、ネットワーク70を介して空室管理サーバ10との通信を行う。メモリ45は、広告コンテンツデータを格納し保存する。ディスプレイ装置46は、空室管理サーバ10から配信された広告コンテンツを表示する。
【0025】
図3Cに示されるように、中継器50は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、および通信装置54を有する。CPU51は、ROM52から動作プログラムを読み込み、図示しない内部メモリに展開して必要な機能を実現する。中継器50では、通信装置54が空室検知センサ30あるいは表示端末40から通知を受信すると、CPU51は、RAM53に一時的に(例えば、同一トイレ個室IDに関して次の通知を受けるまで)格納するとともに、空室管理サーバ10に受信した通知を送信するように通信装置54を制御する。
【0026】
図3Dに示されるように、管理端末60は、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63、通信装置64、メモリ65、ディスプレイ装置66、およびHDD(Hard Disk Drive)64を有する。CPU61は、ROM62から動作プログラムを読み込み、図示しない内部メモリに展開して必要な機能を実現する。管理端末60では、通信装置64が空室管理サーバ10から通知(いずれかの表示端末40が動作していないこと、中継器50が動作していないこと、あるいは通信状況が悪いこと)を受信すると、CPU61は、RAM63に一時的に格納するとともに、当該受信した通知を表示するようにディスプレイ装置66を制御する。
【0027】
なお、空室検知センサ30のハードウェア構成例については図示していないが、空室検知センサ30は、少なくともセンサと、CPUと、通信装置を含む構成となっている。
【0028】
(ソフトウェア構成)
図4Aは、空室管理サーバ10のソフトウェア構成例を示す図である。図4Bは、表示端末40のソフトウェア構成例を示す図である。なお、ここでは、上述した課題を解決するための、空室管理サーバ10および表示端末40のソフトウェア構成例を示すこととする。
【0029】
空室管理サーバ10は、利用状況管理機能、広告制御機能、および監視機能を少なくとも含む。利用常用管理機能は、空室検知センサ30からの検知情報に基づいて各トイレ個室20の利用状況を管理する機能である。広告制御機能は、広告管理データベース(DB:Data Base)を保持し、各表示端末40に配信する機能である。監視機能は、各表示端末40との通信状態を監視する機能である。これらの機能を実現するため、図4Aに示されるように、空室管理サーバ10は、主な機能部として、配信部101、管理部102、第1判定部103、第2判定部104、表示制御部105、および記憶部106を有する。記憶部106は、空室管理DB106a、広告管理DB106b、および表示端末管理DB106cを格納している。
【0030】
配信部101は、例えばトイレ施設が設置されている施設(例えば、ショッピングモールや商業ビルなど)の営業時間外に、複数のトイレ個室20内に設置された各表示端末40に対して、広告コンテンツ(動画ファイルと表示期間情報)を配信する。
【0031】
管理部102は、複数のトイレ個室20のそれぞれを利用する利用者の有無を検出する。具体的に管理部102は、トイレ個室20に設置された空室検知センサ30からの検知情報を、中継器50を介して、定期的又は検知情報が変化したタイミングで受信する。検知情報は、施設ID、個室ID、および検知信号を含む。そして、管理部102は、検知信号が1を示す場合に検出結果として当該施設における当該トイレ個室は利用者ありと検出し、検知信号が0を示す場合に検出結果として当該施設における当該トイレ個室は利用者なしと検出する。また、管理部102は、検知情報と当該検知情報の受信時刻に基づいて、空室管理DB106aを更新する。さらに、管理部102は、後述の第2判定部104の判定結果に応じて、エラーの発生及びその種別(特定の表示端末40の非動作状態か中継器50の非動作状態)を管理端末60に通知する。
【0032】
第1判定部103は、事前に設定された順に、各表示端末40において前回のデータ受信日時から所定の時間(例えば20分)以上経過しているかを監視する。この場合、第1判定部103は、表示端末40と空室管理サーバ間で2回(上記20分間は2回分の動作確認用データ受信間隔時間に相当する)、動作確認用データの通信に失敗するとエラー候補として認識することになる。
【0033】
第2判定部104は、第1判定部103がエラー候補となる表示端末40を検出した場合に、エラー通知の内容を決定する。本実施形態ではエラー通知として管理端末60にエラーが起きている表示端末40を通知するか否かを判定する。なお、空室管理サーバ10が表示端末40の動作確認用データを受信しない場合、表示端末40の故障だけがその原因ではない。例えば、中継器50が故障などで動作していない場合もある(例えば、水が掛かって一時的に非動作状態になったり、いたずらや清掃時に電源線が抜けてしまったりするなど)。中継器50が故障している場合には、中継器50にアクセスしている同じエリアの他の表示端末40からの動作確認用データも空室管理サーバ10に送信されなくなる。そこで、エラー候補として検出された表示端末40がある場合に、当該表示端末40と同じエリアに設置された他の表示端末40も全てエラー候補と同じ状態であるかどうかを判定し、通知内容を決定することになる。
【0034】
記憶部106は、空室管理DB(Data Base)106a及び広告管理DB106bを記憶する。空室管理DB106aは、トイレ施設におけるトイレ個室20の空室情報(空室状況)をリアルタイムに管理するためのデータベースである。広告管理DB106bは、トイレ個室20に備えられた表示端末40に表示させるための広告コンテンツを管理するためのデータベースである。
【0035】
なお、上述の広告制御機能、利用状況管理機能、および監視機能は、それぞれ別のサーバ装置で実現してもよい。1つのサーバで実現した場合、このサーバが停止してしまうとすべての機能が動作しなくなるため、リスク低減および分散の観点から監視機能のみを別のサーバで実現するようにしてもよい。
【0036】
図4Bに示されるように、表示端末40は、主な機能部として、通信部401、記憶部402、および表示制御部403を有する。通信部401は、空室管理サーバ10の配信部101により配信された広告コンテンツや当該トイレ個室が利用中であることを示す空室情報を受信する。また、通信部401は、上述したように、定期的に中継器50に動作確認用データを送信する。
【0037】
記憶部402は、通信部401が受信した広告コンテンツをメモリ45に記憶する。表示制御部403は、空室管理サーバ10の表示制御部105の制御に従って広告コンテンツを表示又は非表示する。また、表示制御部403は、所定の時間(例えば8秒)ごとに空室管理サーバ10に自端末のIDとともに上記空室情報の送信をリクエストして、利用状況情報を取得し、利用者による入室を検知したら広告を表示する。さらに、表示制御部403は、利用者の退室を検知すると、広告表示を終了する。
【0038】
なお、各機能部は、空室管理サーバ10及び表示端末40を構成するコンピュータのCPU、ROM、RAM等のハードウェア資源上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されるものである。これらの機能部は、「手段」、「モジュール」、「ユニット」、又は「回路」に読替えてもよい。
【0039】
(空室管理DB、広告管理DB、および表示端末管理DB)
図5Aは、空室管理DBのデータ構成例を示す図である。図5Bは、広告管理DBのデータ構成例を示す図である。図5Cは、表示端末管理DBのデータ構成例を示す図である。
【0040】
図5Aに示されるように、空室管理DB106aは、例えば、「施設ID」、「施設名」、「個室数」、「空室数」、「個室ID及び空室情報」などのデータ項目を有する。
【0041】
「施設ID」は、トイレ施設毎に付番される固有の識別子を示す。「施設名」は、トイレ施設の名称を示す。「個室数」は、トイレ施設に設けられたトイレ個室の総数を示す。「空室数」は、「個室数」のうち、空室であるトイレ個室の数を示す。「空室数」は、トイレ個室の空室状況に応じてリアルタイムに変動する。
【0042】
「個室ID及び空室情報」は、トイレ個室毎に付番される固有の識別子及び当該トイレ個室の空室情報を示す。図5Aの場合、「個室ID」は、1、2、3、4、5に対応し、このうち「個室ID」を示す数字が下線表示になっているトイレ個室は利用中である状態を示す。一方、「個室ID」を示す数字が下線非表示になっているトイレ個室は非利用中である状態を示す。
【0043】
空室管理サーバ10は、トイレ個室20に設置された空室検知センサ30からの検知情報を、中継器50を介して受信した場合、検知情報に含まれる施設ID及び個室IDを特定するとともに、検知情報に含まれる検知信号が1を示す場合には当該トイレ個室は利用中の状態であるとして空室管理DB106aを更新し、検知情報に含まれる検知信号が0を示す場合には当該トイレ個室は非利用中の状態であるとして空室管理DB106aを更新する。また、空室管理サーバ10は、トイレ個室20の空室情報を更新すると、対応するトイレ施設の空室数も更新する。
【0044】
図5Bに示されるように、広告管理DB106bは、例えば、「広告ID」、「広告主ID」、「広告コンテンツデータ」などのデータ項目を有する。「広告ID」は、広告毎に付番される固有の識別子を示す。「広告主ID」は、広告を出稿した広告主毎に付番される固有の識別子(識別情報)を示す。「広告コンテンツデータ」は、出稿された広告のコンテンツデータを示す。
【0045】
図5Cに示されるように、表示端末管理DB106cは、例えば、「エリアID」、「施設ID」、「施設名」、「個室ID」、および「最新の動作確認用データ受信時刻」などのデータ項目を有する。「エリアID」は、対応するトイレ施設が設置されているエリアを一意に特定する固有の識別子である。「施設ID」は、対応するトイレ施設を一意に特定する固有の識別子である。「施設名」は、対応するトイレ施設の名称を示す。「個室ID」は、対応するトイレ施設に設置されたトイレ個室を一意に特定する固有の識別子である。「最新の動作確認用データ受信時刻」は、対応するトイレ個室に設置された表示端末40から送信された最新の動作確認用データを、中継器50を介して受信した時刻を示す。
【0046】
空室管理サーバ10は、各表示端末40が定期的に(例えば、10分毎)発信する動作確認用データを、中継器50を介して受信すると、当該動作確認用データに含まれる「エリアID」「施設ID」「個室ID」と表示端末管理DB106cの「エリアID」「施設ID」「個室ID」とを照合し、対応する「最新の動作確認用データ受信時刻」に当該動作確認用データの受信時刻(日時)を入力する。「最新の動作確認用データ受信時刻」と紐づけて「最新の動作確認用データ」自体も表示端末管理DB106cに格納するようにしてもよい。何らかの理由(表示端末40が非動作状態、あるいは中継器50が非動作状態)により動作確認用データを受信しない場合には、「最新の動作確認用データ受信時刻」は更新されないことになる。
【0047】
<監視処理>
図6は、本実施形態に係る空室管理サーバ10による表示端末の監視処理を説明するためのフローチャートである。監視処理は、表示端末管理DB106cに蓄積された各表示端末40の最新の動作確認用データの受信時刻に基づいてエラー候補の表示端末40を決定する処理である。CPU11が図6に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップ(以下、「S」と表記する)を実現することができる。
【0048】
(i)S601
第1判定部103は、エラー候補か否かの判定を行う処理対象の表示端末40を表示端末管理DB106cから選択する。表示端末管理DB106cには、表示端末IDは含まれていないが、一トイレ個室に一表示端末であるので、処理対象のトイレ個室(個室ID)を選択すれば処理対象の表示端末40を選択したことになる。なお、管理をさらに容易にするために、表示端末管理DB106cに表示端末を特定するための識別情報を含めてもよい。
【0049】
(ii)S602
第1判定部103は、処理対象の表示端末40から最後に受信した動作確認用データの受信時刻(日時)を表示端末管理DB106c(最新の動作確認用データの受信時刻(日時))から取得する。
【0050】
(iii)S603
第1判定部103は、現在の時刻(日時)の情報を取得する。
【0051】
(iv)S604
第1判定部103は、S602で取得した最新の動作確認用データの受信時刻(日時)と現在の時刻(日時)を比較し、最後の受信から所定時間(例えば、20分)以上経過しているか判定する。最後の受信時刻から所定時間以上経過している場合(S604でYesの場合)、処理はS605に移行する。最後の受信時刻から未だ所定時間は経過していない場合(S604でNoの場合)、処理はS606に移行する。
【0052】
(v)S605
第1判定部103は、処理対象の表示端末40を不具合が生じている可能性のあるエラー状態とみなし、エラー候補に設定する。そして、エラー候補とされた表示端末40が設置されたトイレ個室の個室IDがRAM13に一時的に格納される。なお、表示端末管理DB106cで表示端末IDが管理されている場合には、対象の表示端末IDをRAM13に格納してもよい。
【0053】
(vi)S606
第1判定部103は、監視処理を完了するか判断する。具体的には、第1判定部103は、表示端末管理DB150cを参照し、同一エリアにあるトイレ施設の各個室に配置された各表示端末40についてエラー候補か否か判断する処理対象の表示端末40があるか確認する。監視処理完了と判断された場合、つまり同一エリアの各トイレ個室に設置された表示端末40のすべてについてエラー候補判定が完了している場合(S606でYesの場合)、監視処理は終了する。監視処理未完了と判断された場合、つまり同一エリアの各トイレ個室に設置された表示端末40にエラー候補判定すべき表示端末40が残っている場合(S606でNoの場合)、処理はS601に移行する。
【0054】
以上のような監視処理を実行することにより、同一エリアのトイレ施設の各トイレ個室に設置された各表示端末が正常に動作しているか判断することができ、正常に動作していない表示端末をエラー候補として特定することができる。
【0055】
<エラー対処判定処理>
図7は、第1の実施形態に係る、空室管理サーバ10によるエラー対処判定処理を説明するためのフローチャートである。エラー対処判定処理は、エラー候補であると認定した表示端末40の個数に基づいてエラー種別(中継器50の不具合、あるいはエラー候補の表示端末40自体の不具合か)を判定する処理である。CPU11が図7に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップ(以下、「S」と表記する)を実現することができる。
【0056】
(i)S701
第2判定部104は、エラー候補となっている表示端末40を選択し、それに対応する個室ID、施設ID、およびエリアIDを取得する。
【0057】
(ii)S702
第2判定部104は、S701で選択した表示端末40と同一エリアIDを持つ表示端末40が存在するか判断する。同一エリアIDを有する表示端末が他にある場合(S702でYesの場合)、処理はS703に移行する。同一エリアIDを有する表示端末が他にない場合(S702でNoの場合)、処理はS710に移行する。
【0058】
(iii)S703
第2判定部104は、同じエリアIDを有するトイレ個室の個室IDを取得する。表示端末管理DB106cが表示端末IDを項目として有している場合には、同一エリアIDを有する表示端末IDを取得するようにしてもよい。
【0059】
(iv)S704
第2判定部104は、S703で取得した個室IDに対応する最新の動作確認用データ受信時刻(日時)を取得する。個室IDは対応するトイレ個室20に設置された表示端末40に紐づいているため、個室IDを取得することによって対象の表示端末40の動作確認用データ受信時刻(日時)を特定することができる。
【0060】
(v)S705
第2判定部104は、現在の時刻(日時)を取得し、S704で取得した動作確認用データ受信時刻(日時)から所定時間(例えば、20分)以上経過しているか判断する。動作確認用データ受信時刻(日時)から20分以上経過している場合(S705でYesの場合)、処理はS706に移行する。一方、動作確認用データ受信時刻(日時)から未だ所定時間経過していない場合(S705でNoの場合)、処理はS707に移行する。
【0061】
(vi)S706
第2判定部104は、エラー状態にある表示端末の数(エラー端末数)を1つインクリメント(+1)する。
【0062】
(vii)S707
第2判定部104は、同一エリアIDを有する未判定の表示端末40があるか確認する。つまり、第2判定部104は、動作確認用データの最後の受信時刻(日時)から所定時間経過しているか否かを判断していない表示端末40が同一エリアに存在するか判定する。同一エリアに未判定の表示端末40がある場合(S707でYesの場合)、処理はS704に戻る。同一エリア内の全ての表示端末40について判定し終わっている場合(S707でNoの場合)、処理はS708に移行する。
【0063】
(viii)S708
第2判定部104は、同一エリア内の全表示端末がエラー状態にあるか否か判定する。同一エリア内の全表示端末がエラー状態である場合(S708でYesの場合)、処理はS709に移行する。同一エリア内の正常に動作している表示端末が存在する場合(S708でNoの場合)、処理はS710に移行する。
【0064】
(ix)S709
第2判定部104は、同一エリアにおける全ての表示端末40がエラー状態であることを根拠として、中継器50に不具合(故障や電源が供給されていないことを含む)があると判断する。そして、管理部102は、第2判定部104から判定結果を取得し、中継器50に不具合が発生していることを管理端末60に通知する。そして、管理端末60の表示画面上には、例えば「エリアID〇〇の中継器に不具合が生じている可能性があります」といったメッセージが表示される。
【0065】
(x)S710
第2判定部104は、同一エリアにおける幾つかの表示端末40が正常に動作していることを根拠として、エラー状態にあると判断した表示端末40に不具合(故障や電源が供給されていないことを含む)があると判断する。そして、管理部102は、第2判定部104から判定結果を取得し、エラー状態にあると判定した表示端末40に不具合が発生していることを管理端末60に通知する。そして、管理端末60の表示画面上には、例えば「エリアID〇〇のトイレ個室ID××の表示端末△△にエラーが生じています」といったメッセージが表示される。
【0066】
<第1の実施形態の効果>
空室管理サーバ10がある表示端末40からの動作確認用データが受信できていない場合、当該表示端末40の動作が止まっているわけではなく、同一エリアに設置された中継器50の不具合により動作確認用データを受信できなかっただけである場合と、表示端末40自身に不具合(エラー)が生じている可能性がある場合とを区別して管理端末60にエラー通知できる。これにより、管理者は、対象の機器に対して迅速にかつ適切に必要な対策を講ずることが可能となる。
【0067】
また、表示端末40が広告を正常に表示できていない場合、管理者はできるだけ早く当該表示端末40をチェックしたい。しかし、動作確認用データのみでは上記いずれの理由で広告が正常に表示できていないのかが分からず、トイレ個室20にチェックに行く必要があるか否か判断できない。そこで、第2判定部104は、エラー候補となった表示端末40の周囲の表示端末40の動作状態もチェックし、他の表示端末40の動作状態に基づいて、エラー候補の表示端末40の修理の必要性の有無を判定している。
【0068】
(2)第2の実施形態
特定のエリアに設置されたトイレ施設の各トイレ個室20に設置された表示端末40のうち、エラー候補以外に、全てではないが他にもエラー状態になっている場合がある。これは、当該エリアにおける電波が混雑していることで、通信状態がよくないときに起こりやすい現象である。そこで、第2の実施形態では、さらに、同一エリアにエラー状態の端末があるかどうかに応じてエラー通知をすることについて説明する。なお、第2の実施形態でも、システム構成、各装置の構成、各DBの項目などは第1の実施形態と同じである。よって、ここでは、これらの説明は省略する。
【0069】
<エラー対処判定処理>
図8は、第2の実施形態に係る、空室管理サーバ10によるエラー対処判定処理を説明するためのフローチャートである。第2の実施形態によるエラー対処判定処理は、第1の実施形態と同様に、エラー候補であると認定した表示端末40の個数に基づいてエラー種別を判定する処理であるが、第1の実施形態の種別(中継器50の不具合、あるいはエラー候補の表示端末の不具合か)に加えて、通信エラーの発生を判定する。CPU11が図7に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップ(以下、「S」と表記する)を実現することができる。
【0070】
(i)S801
第2判定部104は、エラー候補となっている表示端末40を選択し、それに対応する個室ID、施設ID、およびエリアIDを取得する。
【0071】
(ii)S802
第2判定部104は、S701で選択した表示端末40と同一エリアIDを持つ表示端末40が存在するか判断する。同一エリアIDを有する表示端末が他にある場合(S802でYesの場合)、処理はS803に移行する。同一エリアIDを有する表示端末が他にない場合(S802でNoの場合)、処理はS812に移行する。
【0072】
(iii)S803
第2判定部104は、同じエリアIDを有するトイレ個室の個室IDを取得する。表示端末管理DB106cが表示端末IDを項目として有している場合には、同一エリアIDを有する表示端末IDを取得するようにしてもよい。
【0073】
(iv)S804
第2判定部104は、S803で取得した個室IDに対応する最新の動作確認用データ受信時刻(日時)を取得する。個室IDは対応するトイレ個室20に設置された表示端末40に紐づいているため、個室IDを取得することによって対象の表示端末40の動作確認用データ受信時刻(日時)を特定することができる。
【0074】
(v)S805
第2判定部104は、現在の時刻(日時)を取得し、S804で取得した動作確認用データ受信時刻(日時)から所定時間(例えば、20分)以上経過しているか判断する。動作確認用データ受信時刻(日時)から20分以上経過している場合(S805でYesの場合)、処理はS806に移行する。一方、動作確認用データ受信時刻(日時)から未だ所定時間経過していない場合(S805でNoの場合)、処理はS807に移行する。
【0075】
(vi)S806
第2判定部104は、エラー状態にある表示端末の数(エラー端末数)を1つインクリメント(+1)する。
【0076】
(vii)S807
第2判定部104は、同一エリアIDを有する未判定の表示端末40があるか確認する。つまり、第2判定部104は、動作確認用データの最後の受信時刻(日時)から所定時間経過しているか否かを判断していない表示端末40が同一エリアに存在するか判定する。同一エリアに未判定の表示端末40がある場合(S807でYesの場合)、処理はS804に戻る。同一エリア内の全ての表示端末40について判定し終わっている場合(S807でNoの場合)、処理はS808に移行する。
【0077】
(viii)S808
第2判定部104は、同一エリア内の全表示端末がエラー状態にあるか否か判定する。同一エリア内の全表示端末がエラー状態である場合(S808でYesの場合)、処理はS809に移行する。同一エリア内の正常に動作している表示端末が存在する場合(S808でNoの場合)、処理はS810に移行する。
【0078】
(ix)S809
第2判定部104は、同一エリアにおける全ての表示端末40がエラー状態であることを根拠として、中継器50に不具合(故障や電源が供給されていないことを含む)があると判断する。そして、管理部102は、第2判定部104から判定結果を取得し、中継器50に不具合が発生していることを管理端末60に通知する。そして、管理端末60の表示画面上には、例えば「エリアID〇〇の中継器に不具合が生じている可能性があります」といったメッセージが表示される。
【0079】
(x)S810
第2判定部104は、ある1台の表示端末40がエラー状態である場合に、当該エラー状態の表示端末40と同一エリアにエラー状態の表示端末40が他にN台以上あるか判断する(例えば、N=1と設定することができる)。つまり、N=1と設定した場合、第2判定部104は、同一エリアにエラー状態の表示端末40が複数あるか判断することになる。他にエラー状態の表示端末40がN台以上あると判断された場合(S810でYesの場合)、処理はS811に移行する。一方、他にエラー状態の表示端末40がN台未満であると判断された場合(S810でNoの場合:例えば、N=1の場合、エラー状態の表示端末が1台のみの場合)、処理はS812に移行する。
【0080】
(xi)S811
第2判定部104は、通信エラー(通信が混雑していて不具合が起きている)と判断する。そして、管理部102は、第2判定部104から判定結果を取得し、通信状態に不具合が発生していることを管理端末60に通知する。そして、管理端末60の表示画面上には、例えば、「エリアID〇〇における通信状態が一時的に悪くなっている可能性があります」といったメッセージが表示される。
【0081】
(xii)S812
第2判定部104は、エラー状態にあると判断した表示端末40に不具合(故障や電源が供給されていないことを含む)があると判断する。そして、管理部102は、第2判定部104から判定結果を取得し、エラー状態にあると判定した表示端末40に不具合が発生していることを管理端末60に通知する。そして、管理端末60の表示画面上には、例えば「エリアID〇〇のトイレ個室ID××の表示端末△△にエラーが生じている可能性があります」といったメッセージが表示される。
【0082】
<第2実施形態の効果>
同一エリア内の全ての表示端末40ではないが、他にもエラー状態の表示端末40がある場合には、通信状態が悪い可能性が高く、エラー候補の表示端末40自身の故障の可能性は低いと考えられる。そこで、同一エリアに他にもエラー状態の表示端末40がある場合には、表示端末40の不具合(故障など)を管理端末60に通知するのではなく、通信状態が一時的に悪くなっている可能性を通知する。これにより、表示端末40が動作しているにも拘らず、当該表示端末40が設置されたエリアに行って無駄な確認(表示端末のチェック)をしまう可能性を低減することができる。
【0083】
なお、さらに同じ階の他のエリアの表示端末40のエラー状態を参照して機器の不具合の有無や種別を判断するようにしてもよい。複数の階層からなる建物・施設(例えば、オフィスビルやショッピングモールなどの商業施設)の場合、1つのフロアには男性用のトイレ施設と、女性用のトイレ施設が設置されていることが多い。そこで、管轄の中継器50およびエリアが異なるトイレ施設に設置された表示端末40の動作確認用データも参照する。この場合、まず、空室管理テーブル106aに階数に関する情報を登録しておく。例えば、エラー候補の表示端末40が設置されたトイレ個室20のエリアに5つのトイレ個室があり、同じフロアの他のエリアに対応するトイレ個室が5つあったとする。このときまず、同じエリアの4つの他の表示端末のエラー状態を判定し、中継器50の故障(不具合)かどうかを判定する。さらに、同じエリアの他の表示端末40の全てがエラー状態ではない場合(同一エリアの少なくとも1つの表示端末40が正常に動作している場合)、同じフロアの9つのトイレ個室に設置された9つの表示端末40からの動作確認用データを取得してエラー状態かどうかを判定し、さらに9つの表示端末40に対してエラー状態の表示端末40がN台以上あるかどうかを判定することにより、通信エラーが一時的に生じているか可能性があるか否か判定するようにしてもよい。
【0084】
(3)第3の実施形態
第3の実施形態では、エラー状態が検知された表示端末40の動作状況を再度チェックする方法について説明する。また、建物・施設によっては、年に1回など決められた日や営業していない曜日(日曜など)は施設全体を停電(計画停電)にしている場合がある。そこで、本実施形態では、施設全体が停電の場合にはエラー通知を管理端末60に対してしないようにする。まず、本実施形態の場合、ある表示端末40に関して一度エラーを管理端末60に通知したら、通知した当日にはエラー対処判定処理は実行しないようにする。これは、すでに動作確認しに行っている場合でも、エラーを解消するまでに時間を要すること、あるいは、通信状態が回復するのを待つために意図的に様子見をする場合もあることなどを踏まえて、すでにエラーへの対処を決定しているにも拘らず何度も同じエラー通知がなされることを避けるためである。なお、第3の実施形態でも、システム構成、各装置の構成、各DBの項目などは第1の実施形態と同じである。よって、ここでは、これらの説明は省略する。
【0085】
<エラー再チェック処理>
図9は、第3の実施形態に係る、空室管理サーバ10によるエラー再チェック処理を説明するためのフローチャートである。
【0086】
(i)S901
第2判定部104は、前日に不具合(エラー)が生じていると管理端末60に通知した処理対象の表示端末40に対応するエリアID、施設ID、個室ID、および最新の動作確認用データ受信時刻(日時)を表示端末管理DB106cから取得する。
【0087】
(ii)S902
第2判定部104は、現在の日時データを取得する。
【0088】
(iii)S903
第2判定部104は、最新の動作確認用データを受信したのが20分以上前であるか判断する。最新の動作確認用データ受信から20分以上経過してしまっている場合(S903でYesの場合)、処理はS904に移行する。最新の動作確認用データ受信から未だ20分経過していない場合(S903でNoの場合)、当該表示端末40はエラー通知リスト(エラー候補がリストアップされている)から削除され、エラー再チェック処理は終了する。なお、S903は、例えば、前日の対処(現地に行って再起動したり、電源を正しく入れるなど)や自然解消(通信状況が良くなったなど)で、エラー通知をしてから本処理を実行するまでの間にエラーだった表示端末40が回復している場合を考慮して設けられた処理である。
【0089】
(iv)S904
第2判定部104は、表示端末管理DB106cを参照し、処理対象の表示端末40と同一施設IDを有する他の表示端末40が存在するか判断する。そのような他の表示端末40が存在する場合(S904でYesの場合)、処理はS905に移行する。そのような他の表示端末40は存在しない場合(S904でNoの場合)、処理はS913に移行する。
【0090】
(v)S905
第2判定部104は、表示端末管理DB106cを参照し、処理対象の表示端末40と同一施設IDを有する他の表示端末40の個室ID(表示端末IDが表示端末管理DB106cに登録されている場合には表示端末ID)およびエリアIDを取得する。
【0091】
(vi)S906
第2判定部104は、表示端末管理DB106cを参照し、S905で取得した個室ID(あるいは表示端末ID)に対応する表示端末40の最新の動作確認用データ受信時刻(日時)を取得する。
【0092】
(vii)S907
第2判定部104は、S906で取得した最新の動作確認用データ受信時刻から20分以上経過しているか判断する。最新の動作確認用データ受信時刻から20分以上経過している場合(S907でYesの場合)、処理はS908に移行する。最新の動作確認用データ受信時刻から未だ20分経過していない場合(S907でNoの場合)、処理はS909に移行する。
【0093】
(viii)S908
第2判定部104は、エラー状態にある表示端末の数(エラー端末数)を1つインクリメント(+1)する。
【0094】
(ix)S909
第2判定部104は、S905で取得した表示端末40に未処理のもの(S906からS908の処理を行っていないもの)があるか判断する。未処理の表示端末40がある場合(S909でYesの場合)、処理はS906に戻る。S905で取得した表示端末40の全てについてS906からS908の処理が完了している場合(S909でNoの場合)、処理はS910に移行する。
【0095】
(x)S910
第2判定部104は、S901の表示端末40およびS905で取得した表示端末40の全てがエラー状態にあるか判断する。対象の表示端末40の全てがエラー状態にある場合(S910でYesの場合)、処理はS911に移行する。対象の表示端末40のうち1つでも正常に動作しているものがある場合(S910でNoの場合)、処理はS913に移行する。
【0096】
(xi)S911
第2判定部104は、現在、事前に設定された停電の期間内であるか確認する。なお、事前の停電期間の情報は、管理端末60からオペレータによって入力され、空室管理サーバ10に事前に通知され、RAM13やHDD14に格納されるようにすることができる。現在、事前に設定された停電の期間内である場合(S911でYesの場合)、エラー再チェック処理は終了する。現在、事前に設定された停電の期間外である場合(S911でNoの場合)、処理はS912に移行する。
【0097】
(xii)S912
第2判定部104は、建物・施設全体で通信エラーが発生している可能性があると判断する。そして、管理部102は、第2判定部104から判定結果を取得し、施設全体で通信に不具合が発生していることを管理端末60に通知する。そして、管理端末60の表示画面上には、例えば、「建物・施設全体が予期せぬ停電になっている可能性があります」といったメッセージが表示される。なお、建物・施設全体の不具合は重大であるため、管理端末60ではなく、特定のメールアドレス(例えば、防災アドレスなど)に通知するようにしてもよいし、管理端末60および特定のメールアドレスの双方に通知するようにしてもよい。
【0098】
(xiii)S913
第2判定部104は、エラー状態にあると判断した表示端末40に不具合(故障や電源が供給されていないことを含む)があると判断する。そして、管理部102は、第2判定部104から判定結果を取得し、エラー状態にあると判定した表示端末40に不具合が発生していることを管理端末60に通知する。そして、管理端末60の表示画面上には、例えば「エリアID〇〇のトイレ個室ID××の表示端末△△にエラーが生じている可能性があります」といったメッセージが表示される。
【0099】
<第3の実施形態の効果>
第3の実施形態によれば、1つの表示端末40でエラーが起きている場合や通信にエラーが発生している場合、表示端末40の交換や修理をせずしばらく様子を見ることがある。しかし、翌日もエラー状態が検知された場合、何らかの対処が必要である可能性が高い。そこで、エラー通知をした対象の表示端末40の最新の動作確認用データを再度確認し、回復したかどうかをチェックする。さらに、再度エラー故障を通知する場合には、前回の通知とは異なる内容、あるいは通知手段とすることで、対処方法の見直しが必要である可能性が高いことを管理者に知らせることができる。
【0100】
また、第3の実施形態では、建物・施設全体のエラー状態を参照することで、建物・施設自体の停電の可能性を検知することしている。事前に想定されていない(計画停電がない)にも拘らず建物・施設内の全ての表示端末40のエラー状態を検知した場合は、施設で想定外の停電が発生している可能性が高く、その旨を施設の管理者に通知することができる。
【0101】
<その他>
上述の実施形態では、2つのトイレ施設(隣接して設置された男性用トイレと女性用トイレ)に対して1つの中継器50を設置し、1エリアとして管理することとした。他にも各トイレ施設に1つの中継器50を設置して、1つのトイレ施設を1つのエリアとして管理することとしてもよい。この場合、空室管理サーバ10は、エラー候補の表示端末40を検出した際に、同じトイレ施設内の他の表示端末40に基づいてエラー通知の内容を判定してもいいし、さらに空席管理データベースに、位置情報や近接するトイレ施設を管理するIDに関する情報をさらに記憶しておき、上述の実施形態同様、エラー候補の表示端末40の付近とみなせる他の表示端末40のエラー状態に基づいてエラー通知の内容を判定してもいい。
【0102】
また、上述の実施形態では、空室検知センサ30及び表示端末40はいずれも中継器50を介して空室管理サーバ10と通信するシステムを例に説明したが、これに限らない。例えば、空室検知センサ30のみ中継器50を開始、表示端末40は直接空室管理サーバ10と通信するシステムや、中継器50を用いないシステムであってもよい。このような場合であっても、エラー状態にある表示端末40がトイレ施設内、あるいは同一エリア内に複数検出された場合には、トイレ施設付近で通信エラーが起こっている可能性が高い。そこで、例えば、S708において第2判定部104は、同一エリア内で所定の数以上のエラー状態の表示端末40があるか否かを判定し、所定の数以上のエラー状態の表示端末40がある場合にはS709に進んで、管理部102がエリアにおける通信状態が悪い可能性がある旨を管理端末60に通知する。これにより、表示端末40固有の不具合なのか、エリア一帯の通信状況の悪化が生じているのかを区別してエラー通知することができる。
また上述の実施形態は、複数の個室を含む授乳室などにも適用可能である。
【0103】
以上、好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本開示の技術について説明したが、特許請求の範囲に規定された内容の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本開示の技術が限定されるものと解釈してはならない。
【0104】
また、本開示の技術は、上述の実施形態の1つ以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークまたは記録媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し作動させる処理でも実現可能である。
【符号の説明】
【0105】
10 空室管理サーバ
20 トイレ個室
30空室検知センサ
40 表示端末
50 中継器
60 管理端末
70 ネットワーク
100 空室管理システム
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9