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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165017
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/46 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
A47C7/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070186
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】中村 謙介
(72)【発明者】
【氏名】市川 智昭
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 泰崇
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084HA06
3B084HA07
(57)【要約】
【課題】ランバーサポートを、背凭れに対して上下方向に位置変更可能、且つ、止着具を着脱させることなく着脱可能に設け得る好適な構成を備えた椅子を提供する。
【解決手段】背凭れは、左右の側枠材2にランバーサポート保持部Nが配設されている。ランバーサポート保持部Nは、前方に開放された収容溝221と、収容溝221の前に配設された前規制部q1とを備えたものである。収容溝221を形成し得る側部の溝形成壁221bに、ランバーサポートRを背凭れに対して着脱操作する場合に上突出部分r221及び下突出部分r222を通過させ得る上切欠部221c及び下切欠部221dが設けられている。
【選択図】図33
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座者の腰部を支持し得るランバーサポートを背凭れに対して上下方向に位置変更可能且つ止着具を着脱させることなく着脱可能に設けた椅子であって、
前記背凭れが、上下方向に延びてなる左右の側枠材と、これら左右の側枠材間に張設された張り部材とを備えたものであり、
前記左右の側枠材に、前記ランバーサポートの左右両端部に設けられた被保持部を保持し得るランバーサポート保持部が配設されたものであり、
前記被保持部が、後方に突出した単数または複数の突出部分を備えたものであり、
前記ランバーサポート保持部が、前記突出部分が収容され上下方向に延びてなるとともに前方に開放された収容溝と、この収容溝の前に配設され前記突出部分の前方への移動を規制し得る前規制部とを備えたものであり、
前記前規制部又は前記収容溝を形成し得る側部の溝形成壁に、前記ランバーサポートを前記背凭れに対して着脱操作する場合に前記突出部分を通過させ得る切欠部が設けられている椅子。
【請求項2】
前記被保持部が、上下方向に間隔を空けて配された前記複数の突出部分である上突出部分及び下突出部分を備えたものであり、
前記前規制部又は前記溝形成壁に、前記上突出部分を通過させ得る前記切欠部である上切欠部、及び、前記下突出部分を通過させ得る前記切欠部である下切欠部が設けられている請求項1記載の椅子。
【請求項3】
前記上突出部分の形状が、前記下突出部分の形状と異なった形状に設定されたものであり、
前記上切欠部の形状が、前記上突出部分を通過させ得るように当該上突出部分に対応した形状に設定されたものであり、
前記下切欠部の形状が、前記下突出部分を通過させ得るように当該下突出部分の対応した形状に設定されたものである請求項2記載の椅子。
【請求項4】
前記前規制部が、前記側枠材とは別の部材であり、前記側枠材に対して取り付けられる保持部材に備えたものである請求項1、2又は3記載の椅子。
【請求項5】
前記ランバーサポート保持部が、前記前規制部と前記収容溝を形成し得る奥の溝形成壁とによって前記突出部分を前後方向に挟んで保持し得るものである請求項1、2、3又は4記載の椅子。
【請求項6】
前記ランバーサポートが、ランバーサポート本体と、このランバーサポート本体に支持された左右のアーム材とを備えたものであり、
前記左右のアーム材の外側端部に前記被保持部が設けられている請求項1、2、3、4又は5記載の椅子。
【請求項7】
前記左右のアーム材が、前記ランバーサポート本体に対して左右方向に移動可能に支持されている請求項6記載の椅子。
【請求項8】
前記ランバーサポート本体に設けられた第一の係合部が前記左右のアーム材に設けられた第二の係合部に係合することによって、前記左右のアーム材が前記ランバーサポート本体に対して左右方向に移動可能に構成されたものであり、
前記第一の係合部が、凸状部分又は当該凸状部分よりも幅方向に長い係合孔により構成されたものであり、
前記第二の係合部が、前記凸状部分に係合し得る係合孔又は前記係合孔に係合し得る凸状部分により構成されたものである請求項7記載の椅子。
【請求項9】
前記ランバーサポート本体が、前本体部材と、この前本体部材と略同じ大きさをなし前記前本体部材の背面側に取り付けられた後本体部材とを備えたものであり、
前記左右のアーム材が、前記前本体部材と前記後本体部材との間に挟持されている請求項6、7又は8記載の椅子。
【請求項10】
前記前本体部材が、左右方向に延びた板状をなす合成樹脂製の前本体ベースと、この前本体ベースの前面及び周縁部を被覆する前表皮材とを備えたものであり、
前記後本体部材が、左右方向に延びた板状をなす合成樹脂製の後本体ベースと、この後本体ベースの後面及び周縁部を被覆する後表皮材とを備えたものである請求項9記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、背凭れに対して着座者の腰部を支持し得るランバーサポートを設けてなる椅子が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
従来のランバーサポートには、背凭れに対して上下方向に位置変更可能なものが種々存在している。
【0004】
ところが、従来のランバーサポートは、椅子における完成前の段階で、背凭れに対して止着具を用いて組み付けられているものが殆どであった。
【0005】
換言すれば、従来の椅子においては、その完成後の段階で、背凭れに対して止着具を着脱させることなくいわゆる後付け的に着脱し得る構成のランバーサポートを有するものではなかった。
【0006】
なお、椅子が完成した後の段階において、ランバーサポートを背凭れに対して着脱自在に構成し得る場合には、ランバーサポートが背凭れから意図せずに離脱するような不具合が生じ難いように対策されていることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-058769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたものであり、少なくとも、着座者の腰部を支持し得るランバーサポートを、背凭れに対して上下方向に位置変更可能、且つ、止着具を着脱させることなく着脱可能に設け得る好適な構成を備えた椅子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0010】
請求項1に記載の発明は、着座者の腰部を支持し得るランバーサポートを背凭れに対して上下方向に位置変更可能且つ止着具を着脱させることなく着脱可能に設けた椅子であって、前記背凭れが、上下方向に延びてなる左右の側枠材と、これら左右の側枠材間に張設された張り部材とを備えたものであり、前記左右の側枠材に、前記ランバーサポートの左右両端部に設けられた被保持部を保持し得るランバーサポート保持部が配設されたものであり、前記被保持部が、後方に突出した単数または複数の突出部分を備えたものであり、前記ランバーサポート保持部が、前記突出部分が収容され上下方向に延びてなるとともに前方に開放された収容溝と、この収容溝の前に配設され前記突出部分の前方への移動を規制し得る前規制部とを備えたものであり、前記前規制部又は前記収容溝を形成し得る側部の溝形成壁に、前記ランバーサポートを前記背凭れに対して着脱操作する場合に前記突出部分を通過させ得る切欠部が設けられている椅子である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記被保持部が、上下方向に間隔を空けて配された前記複数の突出部分である上突出部分及び下突出部分を備えたものであり、前記前規制部又は前記溝形成壁に、前記上突出部分を通過させ得る前記切欠部である上切欠部、及び、前記下突出部分を通過させ得る前記切欠部である下切欠部が設けられている請求項1記載の椅子である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記上突出部分の形状が、前記下突出部分の形状と異なった形状に設定されたものであり、前記上切欠部の形状が、前記上突出部分を通過させ得るように当該上突出部分に対応した形状に設定されたものであり、前記下切欠部の形状が、前記下突出部分を通過させ得るように当該下突出部分の対応した形状に設定されたものである請求項2記載の椅子である。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記前規制部が、前記側枠材とは別の部材であり、前記側枠材に対して取り付けられる保持部材に備えたものである請求項1、2又は3記載の椅子である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記ランバーサポート保持部が、前記前規制部と前記収容溝を形成し得る奥の溝形成壁とによって前記突出部分を前後方向に挟んで保持し得るものである請求項1、2、3又は4記載の椅子である。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記ランバーサポートが、ランバーサポート本体と、このランバーサポート本体に支持された左右のアーム材とを備えたものであり、前記左右のアーム材の外側端部に前記被保持部が設けられている請求項1、2、3、4又は5記載の椅子である。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記左右のアーム材が、前記ランバーサポート本体に対して左右方向に移動可能に支持されている請求項6記載の椅子である。
【0017】
請求項8に記載の発明は、前記ランバーサポート本体に設けられた第一の係合部が前記左右のアーム材に設けられた第二の係合部に係合することによって、前記左右のアーム材が前記ランバーサポート本体に対して左右方向に移動可能に構成されたものであり、前記第一の係合部が、凸状部分又は当該凸状部分よりも幅方向に長い係合孔により構成されたものであり、前記第二の係合部が、前記凸状部分に係合し得る係合孔又は前記係合孔に係合し得る凸状部分により構成されたものである請求項7記載の椅子である。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記ランバーサポート本体が、前本体部材と、この前本体部材と略同じ大きさをなし前記前本体部材の背面側に取り付けられた後本体部材とを備えたものであり、前記左右のアーム材が、前記前本体部材と前記後本体部材との間に挟持されている請求項6、7又は8記載の椅子である。
【0019】
請求項10に記載の発明は、前記前本体部材が、左右方向に延びた板状をなす合成樹脂製の前本体ベースと、この前本体ベースの前面及び周縁部を被覆する前表皮材とを備えたものであり、前記後本体部材が、左右方向に延びた板状をなす合成樹脂製の後本体ベースと、この後本体ベースの後面及び周縁部を被覆する後表皮材とを備えたものである請求項9記載の椅子である。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、着座者の腰部を支持し得るランバーサポートを、背凭れに対して上下方向に位置変更可能、且つ、止着具を着脱させることなく着脱可能に設け得る好適な構成を備えた椅子を提供することができるものなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
図2】同実施形態における正面図。
図3】同実施形態における背面図。
図4】同実施形態における右側面図。
図5】同実施形態における左側面図。
図6】同実施形態における平面図。
図7】同実施形態における底面図。
図8】同実施形態における斜視図。
図9】同実施形態における部分拡大左側面図。
図10】同実施形態における部分拡大斜視図。
図11】同実施形態における部分拡大斜視図。
図12】同実施形態における調整レバー(反力調整レバー)の平面図。
図13図9(a)におけるA-A線断面図。
図14】同実施形態における斜視図。
図15】同実施形態における正面図。
図16】同実施形態における背面図。
図17】同実施形態における右側面図。
図18】同実施形態における平面図。
図19図2におけるB-B線断面図。
図20図2におけるC-C線断面図。
図21図2におけるD-D線断面図。
図22】同実施形態における分解斜視図。
図23】同実施形態における分解斜視図。
図24】同実施形態における分解斜視図。
図25】同実施形態における分解斜視図。
図26図15におけるE部分拡大図。
図27図19におけるF-F線断面図。
図28】同実施形態における斜視図。
図29】同実施形態における分解斜視図。
図30】同実施形態における部分拡大背面図。
図31図30におけるG方向矢視図。
図32】同実施形態における分解斜視図。
図33】同実施形態における分解斜視図。
図34】同実施形態における正面図。
図35】同実施形態における正面図。
図36図2におけるJ-J線断面図。
図37】同実施形態における分解斜視図。
図38】同実施形態における分解斜視図。
図39】同実施形態における分解斜視図。
図40】同実施形態における分解斜視図。
図41】同実施形態における斜視図。
図42図41におけるH-H線断面図。
図43図41におけるI-I線断面図。
図44図3におけるL-L線断面図。
図45図44に対応する作用説明用の断面図。
図46図44に対応する作用説明用の断面図。
図47】同実施形態における分解斜視図。
図48】同実施形態における部分拡大背面図。
図49】同実施形態における部分拡大正面図。
図50図3におけるK-K線断面図。
図51】同実施形態における支持基部本体の斜視図。
図52】同実施形態における支持基部本体の正面図。
図53】同実施形態における支持基部本体の背面図。
図54】同実施形態における支持基部本体の右側面図。
図55】同実施形態における支持基部本体の左側面図。
図56】同実施形態における支持基部本体の平面図。
図57】同実施形態における支持基部本体の底面図。
図58】同実施形態における右側面図。
図59図58におけるM-M線断面図。
図60図52におけるN-N線断面図。
図61】同実施形態における支持基部及び背支持体等を示す斜視図。
図62】同実施形態における分解斜視図。
図63】他の実施形態であるランバーサポートを示す部分拡大背面図。
図64】同実施形態におけるランバーサポートの左側面図。
図65】同実施形態における分解斜視図。
図66】同実施形態における分解斜視図。
図67】同実施形態における正面図。
図68】同実施形態における正面図。
図69図67におけるO-O線断面図。
図70図68におけるP-P線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を、図1~62を参照して説明する。
【0023】
この実施形態は、本発明を、オフィス等において好適に使用される事務用の回転椅子(以下、単に「椅子」という。)に適用したものである。
【0024】
椅子は、脚Aと、脚Aに対して旋回可能に支持された支持部材である支持基部Bと、支持基部Bの上に配された座Cと、支持基部Bに対して背支持体Dを介して後傾動作可能に支持された背凭れEと、背凭れEに対して取り付けられたランバーサポートRと、背凭れEに対して選択的に装着されるオプションである背凭れ面拡張部材F及びハンガーGを備えたものである。
【0025】
この実施形態の椅子には、背凭れEの後傾動作に伴わせて座Cを上動及び後方移動させるいわゆる体重感知式のロッキング機構Vが設けられている。
【0026】
<<脚A>>
脚Aは、先端にキャスタa11を有し放射状に配置された複数本の脚羽根a1と、脚羽根a1の基端部に立設された脚支柱a2とを備えたものである。
【0027】
脚支柱a2は、上下方向に伸縮可能に構成されている。脚支柱a2は、図示しないガススプリングにより支持基部Bを上下位置変更可能に支持し得るものとなっている。
【0028】
<<支持基部B>>
支持基部Bは、合成樹脂により一体に形成された支持基部本体1を主体に構成されたものである。支持基部Bは、脚Aの上に取り付けられている。
【0029】
<支持基部本体1>
支持基部本体1は、合成樹脂により一体に成型されたものである。支持基部本体1は、内部に収容空間spを有し上方に開放されたボックス状をなしている。支持基部本体1は、別部材のカバー体により被覆されない仕様のものとなっている。
【0030】
支持基部本体1は、座Cや背凭れEを支持するという本体機能を発揮し得るだけでなくそれ自体で美観を損なわないカバーを兼ねたような意匠性を発揮し得るものとなっている。
【0031】
支持基部本体1における少なくとも一部の外表面、すなわち、基礎底部構造体11における一部の下向面11s、傾斜底壁12の下向面12s、前底壁13の下向面13s、左右の側壁14における一部の外向面14sは外部に露出しており、使用者に対して直接的に視認され得るものとなっている。
【0032】
支持基部本体1は、下向面11sを有し脚支柱a2に取り付けられた基礎底部構造体11と、斜め後下方を向く下向面12sを有し基礎底部構造体11の前端部から斜め下前方に向かって延設された後傾姿勢をなす傾斜底壁12と、下向面13sを有し傾斜底壁12の前端部から前方に延設され前方に向かうに連れて漸次上方に位置するように傾斜した姿勢をなす前底壁13と、基礎底部構造体11、傾斜底壁12、及び、外向面14sを有し前底壁13の左右両端部からそれぞれ上方に延設された起立姿勢をなす左右の側壁14と、前向面15sを有し左右の側壁14の前端部間を繋ぐ起立姿勢をなす前壁15を備えている。
【0033】
支持基部本体1は、基礎底部構造体11、傾斜底壁12、前底壁13、左右の側壁14、及び、前壁15より囲まれており、反力発生部HGや当該反力発生部HGに係合する受け軸d4や当該受け軸d4を支持する受け軸支持部材d3と、反力調整レバーKのレバー基軸部k3が収容される収容空間spを備えている。
【0034】
[基礎底部構造体11]
基礎底部構造体11は、下向面11sを有した底壁部111と、底壁部111に立設されたボス部112と、底壁部111に立設されボス部112よりも後に位置し当該ボス部112に沿って湾曲した起立壁状をなす後湾曲壁113と、底壁部111に立設され前後方向に延びてなりボス部112と左右の側壁14との間に位置してなる起立壁状をなす側起立壁114と、底壁部111に立設されるとともにボス部112における後部の左右方向中央部と後湾曲壁113の左右方向中央部との間を繋ぐ前後方向に延びた後連結壁115と、底壁部111に立設されるとともにボス部112における側部と側起立壁114との間を繋ぐ平面視において傾斜姿勢をなした側連結壁116と、底壁部111に立設されるとともにボス部112における前部と側起立壁114との間を繋ぐ平面視において傾斜姿勢をなした前連結壁117と、底壁部111に立設されるとともに側起立壁114と左右の側壁14との間を繋ぐ平面視において傾斜姿勢をなした外連結壁118と、底壁部111に立設されるとともに側起立壁114と左右の側壁14との間を繋ぎ軸孔1bに挿入された主軸jk1の下に配設された軸下連結部119とを備えたものである。
【0035】
軸下連結部119には、上部に主軸jk1を保持し得る軸保持部JHを構成する軸保持凹部1eを備えている。軸保持部JHについては後で詳述する。
【0036】
基礎底部構造体11は、底壁部111及びボス部112に貫通するように設けられ脚支柱a2に外嵌するための接続部である嵌合孔11aを備えている。
【0037】
底壁部111の後端部には、後傾度合設定レバーHに係合し得る図示しない緩衝用のアタッチメントを取り付けるための取付座111aが設けられている。取付材11aは隔壁111dを挟んで左右に対をなして設けられている。取付座111aには、上下方向に貫通するアタッチメント取付用の孔111bが設けられている。取付座111aに対応する底壁部111の下面側には凹陥部111cが形成されている。
【0038】
ボス部112には、座受c1に配された操作片Lに対する操作力が伝達されて動作し得る図示しないガススプリング操作機構を取り付けるためのナット部n7が配設されている。
【0039】
[傾斜底壁12]
傾斜底壁12は、斜め後下方を向く下向面12sを有し基礎底部構造体11における底壁部111の前端部から斜め下前方に向かって延設された後傾姿勢をなしている。傾斜底壁12の内面には、前後方向に延びてなり基礎底部構造体11の前部及び前底壁13の後部に接続された左右一対の中間連結壁121が立設されている。
【0040】
傾斜底壁12には、基礎底部構造体11の側起立壁114に連続させて前後方向に延びた起立壁状をなした側起立壁122が立設されている。すなわち、側起立壁122は、左右の側壁14の内側に設けられている。
【0041】
[前底壁13]
前底壁13は、下向面13sを有し傾斜底壁12の前端部から前方に延設され前方に向かうに連れて漸次上方に位置するように傾斜した姿勢をなしている。
【0042】
前底壁13には、傾斜底壁12の側起立壁122に連続させて前後方向に延びた起立壁状をなした側起立壁131が立設されている。すなわち、側起立壁131は、左右の側壁14の内側に設けられている。また、前底壁13には、側起立壁131と左右の側壁14との間を繋ぐ複数の連結壁132が立設されている。
【0043】
前底壁13の前部には、反力調整レバーKのレバー基軸部k3に設けられた複数の被保持軸部分k31a、k31b、k31cを受ける複数の軸受部133a、133b、133c、すなわち、一方側たる右側の軸受部133a、中央の軸受部133b、及び、他方側たる左側の軸受部133cが設けられている。
【0044】
右側の軸受部133aの曲率半径よりも中央の軸受部133bの曲率半径の方が大きく設定されており、中央の軸受部133bの曲率半径よりも左側の軸受部133cの曲率半径の方が大きく設定されている。
【0045】
右側の軸受部133a及び左側の軸受部133cはそれぞれ上向きに開放された姿勢をなしている。右側の軸受部133a及び左側の軸受部133cは、側起立壁131の上部に設けられている。右側の軸受部133a及び左側の軸受部133cには、凹み面にグリース保持溝1jが設けられている。
【0046】
中央の軸受部133bは後方に開放された姿勢をなしている。中央の軸受部133bは、前底壁13の左右方向中央部に立設され反力発生部HGにより常時押圧されている反力調整レバーKを裏側から支えるバックサポート部13aに設けられている。中央の軸受部133bにも凹み面にグリース保持溝1jが設けられている。
【0047】
[左右の側壁14]
左右の側壁14は、外側方を向く外向面14aを有し基礎底部構造体11の底壁部111、傾斜底壁12、及び、前底壁13の左右両端部からそれぞれ上方に延設された起立姿勢をなしたものである。
【0048】
左右の側壁14は、基礎底部構造体11における底壁部111の前部に対応する前後方向の位置に設けられ軸である主軸jk1を回転可能に保持し得る左右方向に貫通した軸孔1bと、軸孔1bの周縁部に設けられ当該側壁14の厚み方向に凹ませた凹部1aと、前端部に設けられ座Cの前部を支持するための前軸jk2を前後移動可能に保持し得る左右方向に貫通した長孔1cと、側面視において軸孔1bの開口縁を囲むように外側方に突設された環状突起141と、左の側壁14における長孔1cの後側に設けられ反力調整レバーKが挿通されるレバー挿通孔142を備えている。
【0049】
軸孔1bは、背支持体Dの左右のアームd1間に架設された主軸jk1を回転可能に支持し得るものである。この実施形態では、左右の側壁14に設けられた軸孔1bは、合成樹脂製の支持基部本体1において主軸jk1を好適に保持させるための軸保持部JHを構成する部分になっている。
【0050】
すなわち、軸保持部JHは、左右の側壁14に設けられ主軸jk1の大きさに対応して形成された貫通孔である軸孔1bと、左右の側壁14における内側部側に連設され基礎底部構造体11における側起立壁114及び軸下連結部119の上部に設けられた軸保持凹部1eとによって構成されている。
【0051】
軸保持凹部1eは軸孔1bに対応した位置に形成されている。軸保持凹部1eは、上向きに開放されている。軸保持凹部1eは、軸孔1bにおける下部の内周面に連続した凹み面1fが形成されたものである。
【0052】
軸保持凹部1eは、主軸jk1の下部を回転可能に保持し得るように凹んだ形状をなしている。軸保持凹部1eには、凹み面1fに沿って前後方向に延びてなるグリース保持溝1gが左右方向に離間させて複数設けられている。
【0053】
凹部1aは、軸孔1bの周縁部、より具体的に言えば、軸孔1bの下に形成されている。凹部1aは、軸孔1bの略直下に設けられている。凹部1aは、左右の側壁14における外面側に設けられている。凹部1aは、外側方に開放された略四角柱状の空間seを形成したものとなっている。
【0054】
凹部1aと軸孔1bとの間には樹脂肉部分JNが介在している。樹脂肉部分JNの上下寸法w4は、軸孔1bの直径w2よりも短く設定されている。なお、樹脂肉部分JNは、左右の側壁14における軸孔1bの下の部分と基礎底部構造体11の軸下連結部119とによって構成されている。
【0055】
凹部1aにおける前後方向の内法寸法w1は、軸孔1bの直径w2と略等しい寸法又はそれよりも短い寸法に設定されている。凹部1aにおける上下方向の内法寸法w3は、軸孔1bの直径w2よりも短い寸法に設定されている。凹部1aは、側面視において座Cの座受c1に覆い隠されたものとなっている。
【0056】
長孔1cは、側面視において下端部側が上端部側よりも前に位置するように斜め方向に延びてなるものである。長孔1cには、前軸jk2に対して滑りやすい素材により作られたスリーブ部材SLが内嵌されている。前軸jk2は、スリーブ部材SLを介して長孔1cに支持されたものとなっている。
【0057】
環状突起141は、外側方を向く突出端面が背支持体Dにおける左右のアームd1の内面に接し得るように構成されている。
【0058】
[前壁15]
前壁15は、前向面s15を有し左右の側壁14の前端部間を繋ぐ起立姿勢をなしたものである。前壁15の上部には、リブである左右方向に延びた横延突壁151と、横延突壁151の上に配設され左右方向に間隔を空けて複数設けられた上下方向に延びてなる縦延突壁152とを備えている。
【0059】
支持基部本体1の内部すなわち収容空間spには、後傾動作し得る背凭れEの反力を生じさせるための反力発生部HGが配設されている。反力発生部HGは、支持基部Bに枢支された反力調整レバーKと支持基部Bに枢支されるとともに背凭れEに連結された背支持体Dとの間に介設されたものである。反力発生部HGは、ばね材であるコイルスプリングHG1を主体に構成されている。
【0060】
支持基部Bには、背凭れEの反力を調整するための調整レバーたる反力調整レバーKが回転可能に支持されている。反力調整レバーKは、支持基部本体1と、反力調整レバーKにおけるレバー基軸部k3の上側を覆い支持基部本体1に対してねじv8により取り付けられたカバー体Baとの間で回転可能に保持されている。なお、カバー体Baに設けられた図示しないねじ挿通孔を挿通したねじv8は、前底壁13に設けられたナット部n8に螺着されるものとなっている。
【0061】
<<反力調整レバーK>>
反力調整レバーKは、支持基部1に対して回転可能に支持されている。反力調整レバーKは、左右方向に長手をなすように支持基部1に枢支されている。反力調整レバーKは、使用者の手によって回転操作され、回転に伴わせて反力発生部HGを構成するばね材であるコイルスプリングHGの圧縮度合いを調整し得るものである。
【0062】
反力調整レバーKは、一端部たる先端部に設けられ使用者により把持されて回転操作力が加えられる操作部k1と、操作部k1に軸心jsを合致させて連設され操作部k1から離れるにつれて外径寸法が短くなる形状をなす中間連結部k2と、中間連結部k2に軸心jsを合致させて連設され支持基部本体1に対して軸支される部位である複数すなわち左右及び中央の被保持軸部分k31a、k31b、k31cが設けられたレバー基軸部k3とを備えたものである。
【0063】
反力調整レバーKを構成する操作部k1、中間連結部k2、及び、レバー基軸部k3は合成樹脂により一体に形成されている。
【0064】
<操作部k1>
操作部k1は、外方に開放された略円筒状をなす操作部本体k11と、操作部本体k11の端部に設けられ操作部本体k11の中心部に向かって延びる目印部である突出部k12とを備えたものである。突出部k12は、操作部本体k11の内周面から当該操作部本体k11の中心部に向かって突設された単一のものである。
【0065】
[操作部本体k11]
操作部本体k11は、内部に略円柱状の空間部s1を形成し得るものである。操作部本体k11は、その先端部分k111の外周面が先端に向かうに連れて漸次相寄る方向に位置するように構成されている。また、操作部本体k11における先端部分k111の外周面には、軸心jsに沿って指滑り防止用の複数の溝k112が設けられている。
【0066】
突出部k12に対応する操作部本体k11の先端部分k111における外周面には、突出部k12の厚み寸法と略同じ幅寸法に設定された目印用の凹み部k114が形成されている。すなわち、凹み部k114は、突出部k12が突設された操作部本体k11における内周面の真裏側に位置する先端部分k111の外周面に設けられている。
【0067】
[突出部k12]
突出部k12は、操作部本体k11の内周面から軸心jsに向かって突設されている。突出部k12は、反力調整レバーKの長手方向に沿って延びてなる起立壁状をなしている。突出部k12は、軸心js方向から見た場合に、軸心jsに向かって漸次幅狭になる形状部分たる先端部k121を備えている。この実施形態では、漸次幅狭になる形状部分は突出部k12の先端部k121にのみ有している。より具体的に言えば、突出部k12の先端部k121は、側面視において半円弧状をなしている。
【0068】
突出部k12は、操作部本体k11における外方を向く端縁、すなわち、操作部本体k11の開口縁k113よりも外側に、外方を向く目印用の端面k122を備えている。
【0069】
<中間連結部k2>
中間連結部k2は、操作部k1を有する側からレバー基軸部k3を有する側に向かって漸次外径寸法が短くなる形状をなしている。すなわち、中間連結部k2は、操作部k1とレバー基軸部k3との間に介設された部分円錐状の形状をなしたものである。
【0070】
中間連結部k2の内部には、操作部本体k11の円柱状の空間部s1に連続する略円錐状の奥空間部s2を形成している。中間連結部k2における先端側部分の内周面すなわち操作部k1側の内周面には操作部本体k11に設けられた突出部k12が連設されている。
【0071】
<レバー基軸部k3>
レバー基軸部k3は、中間連結部k2に軸心jsを合致させて連設され支持基部Bに対して軸支される部位である複数の被保持軸部分k31a、k31b、k31cと、支持基部Bのカバー体Baに設けられた図示しない回転範囲規制用の突起に係合し得る係合凸部k32と、支持基部Bの内部に配された反力発生部HGに対して係合し得るカム部分k33とを備えている。
【0072】
被保持軸部分k31a、k31b、k31cは、レバー基軸部k3に複数配設されている。レバー基軸部k3に配された左右及び中央の被保持軸部分k31a、k31b、k31cの内、基端(右)の被保持軸部分k31aの径が最も小さく、左の被保持軸部分k31cすなわち先端側(操作部k1側)の被保持軸部分k31cが最も大きく設定されている。
【0073】
換言すれば、レバー基軸部k3は、基端から先端側に向かって径の大きさの異なる複数の被保持軸部分k31a、k31b、k31cが配設されており、先端側の方が基端側の方よりも径が大きく設定されている。より具体的に言えば、右の被保持軸部分k31aの径よりも中央の被保持軸部分k31bの径の方が大きく設定されており、中央の被保持軸部分k31bの径よりも左の被保持軸部分k31cの径の方が大きく設定されている。
【0074】
係合凸部k32は、レバー基軸部k3の左右二箇所に離間して配設されている。係合凸部k32は、支持基部Bのカバー体Baに設けられた図示しない回転範囲規制用の突起に係合することにより、使用者の操作力を受ける反力調整レバーKの軸心js回りの回転可能範囲を規制し得るものとなっている。
【0075】
カム部分k31は、レバー基軸部k3の左右二箇所に離間して配設されている。
【0076】
<<座C>>
座Cは、座受c1と、座受c1上に前後位置を変更可能に設けられた座本体c2とを備えたものである。
【0077】
座受c1の下部には、図示しないガススプリングに作用し、脚支柱a2を上下方向に伸縮操作し得る操作片Lがフラップ動作可能に枢支されている。
【0078】
この実施形態では、支持基部本体1の外面側に設けられた凹部1aが、側面視において座受c1に覆い隠されたものとなっている。すなわち、座受c1の下部には、前部及び左右両側部に支持基部本体1の前側及び両側部を覆い得る前の下延壁c11及び左右の下延壁c12が形成されている。そして、座受c1における左右の下延壁c12が支持基部本体1の凹部1aを外側から覆い隠すようになっている。
【0079】
左の下延壁c12には、支持基部本体1から突設された反力調整レバーKを避けるように切欠部c121が形成されている。
【0080】
座本体c2は、座受c1に対して前後方向にスライド移動し得るように構成されている。
【0081】
<<背支持体D>>
背支持体Dは、支持基部Bと背凭れEの間、及び、支持基部Bと座Cとの間に介設されている。背支持体Dは、座Cの座受c1に設けられた図示しない軸受部に係わり合う左右方向に延びた後軸jk3を備えている。換言すれば、背支持体Dは、座Cを支持基部Bに支持させるために介設された座支持体の機能を兼ねたものである。
【0082】
背支持体Dには、背凭れEの後傾度合いを選択的に設定し得る後傾度合設定レバーHが回転可能に支持されている。
【0083】
背支持体Dは、合成樹脂により一体形成されたカバー体Iにより覆い隠されたものとなっている。
【0084】
背支持体Dは、前後方向に延びてなる起立板状をなし軸である主軸jk1を介して支持基部Bの支持基部本体1に枢支された左右一対のアームd1と、左右一対のアームd1における後部間を結合する起立板状をなす結合部材d2と、左右一対のアームd1における主軸挿通孔d13よりも前側の部位に支持された左右方向に延びてなる後軸jk3と、左右一対のアームd1よりも内側すなわち左右方向中央部側に配設され上部が後軸jk3に連結された左右一対の受け軸支持部材d3と、左右一対の受け軸支持部材d3の下部間に連結された受け軸d4を備えたものである。
【0085】
<左右のアームd1>
左右のアームd1は、金属製のものである。左右のアームd1は、前後方向に延びてなる部位である左右のアーム本体d11を有した起立壁状をなしている。左右のアームd1は、支持基部本体d1における左右の側壁14よりも外側に配設されている。
【0086】
左右のアームd1は、前後方向に延びてなり前端部において主軸jk1を支持し得る左右のアーム本体d11と、左右のアーム本体d11の前端部から斜め前上方に一体に延設され上端部において座Cに係合する後軸jk3を支持する左右の前アーム部d12と、左右のアーム本体d11と左右の前アーム部d12との間に設けられ主軸jk1を保持し得る左右方向に貫通した主軸挿通孔d13とを備えている。
【0087】
[左右のアーム本体d11]
左右のアーム本体d11は、前後方向に略直線状に延びてなるものである。左右のアーム本体d11の後部間は、結合部材d2により連結されている。左右のアームd11の後端部は、結合部材d2よりも後に突出したものとなっており、その突出部分d111が背凭れEの下枠材4における背支持体連結部41に内嵌し得るものとなっている。
【0088】
左右のアーム本体d11における結合部材d2が止着した部分よりも前に位置する部分には左右方向に貫通した軸孔d112が設けられている。軸孔d112には、複数タイプに設定された背凭れ5の後傾度合いの中から一の後傾度合いを選択的に設定し得る後傾度合設定レバーHが回転可能に支持されている。
【0089】
[左右の前アーム部d12]
左右の前アーム部d12は、左右のアーム本体d11の前端部から斜め前上方に向かって一体に延設されたものである。左右の前アーム部d12の先端部には、座Cに係合し得る左右方向に延びた後軸jk3が剛結されている。
【0090】
[主軸挿通孔d13]
主軸挿通孔d13は、主軸jk1が貫装されるものである。主軸挿通孔d13は、左右のアーム本体d11の前端部、及び、左右の前アーム部d12の基端部が位置する箇所、すなわち、左右のアームd1におけるくの字状に屈曲した部分に設けられている。
【0091】
<結合部材d2>
結合部材d2は、金属製のものである。結合部材d2は、左右方向に延びてなる起立板状をなしたものである。結合部材d2の左右両端部は、左右のアームd1の内側部に対して溶接により剛結されている。
【0092】
結合部材d2には、背凭れEを取り付けるためのねじv6が螺着されるナット部n6が設けられている。換言すれば、背支持体Dの後部には、背凭れEが取り付けられる背凭れ取付部daが設けられている。
【0093】
背凭れ取付部daは、左右のアームd1の後部、及び、当該左右のアームd1の後部間を繋ぐ結合部材d2によって平面視又は底面視においてH字状に構成された部分により構成されている。
【0094】
<後軸jk3>
後軸jk3は、左右方向に延びてなり左右のアームd1の前端部すなわち左右の前アーム部d12の上端部に連結されたものである。後軸jk3は、支持基部本体1よりも上に位置しており、且つ、支持基部本体1の両側部よりも外側に延びたものである。
【0095】
<左右の受け軸支持部材d3>
左右の受け軸支持部材d3は、反力発生部HGに押圧される受け軸d4を支持するものである。左右の受け軸支持部材d3は、下端部において受け軸d4の両端部を剛結させている。
【0096】
左右の受け軸支持部材d3は、板状をなし互いに平行をなして配されている。左右の受け軸支持部材d3は、左右のアームd1よりも内側であり、且つ、支持基部本体1の側壁14よりも内側に配されている。すなわち、左右の受け軸支持部材d3は、支持基部本体1における左右の側壁14よりも左右方向中央部側に配されている。
【0097】
左右の受け軸支持部材d3の上部は、後軸jk3の左右方向中央部に連結されている。また、左右の受け軸支持部材d3の上部よりも下に位置している左右の受け軸支持部材d3の後部には、主軸jk1が挿通し得る主軸挿通孔d31が設けられている。つまり、左右の受け軸支持部材d3の後部は主軸jk1に係合したものとなっている。
【0098】
<受け軸d4>
受け軸d4は、左右方向に延びたものであり支持基部本体1の内部に配設されている。受け軸d4は、支持基部Bに配設された反力発生部HGに連結され、反力発生部HGにより生ずる背凭れEを通常姿勢の方向に付勢するための付勢力を受けるものである。この実施形態では、受け軸d4は、後軸jk3の略真下に位置するように受け軸支持部材d3に支持されたものとなっている。
【0099】
以上に述べた背支持体Dは、左右の受け軸支持部材d3の下端部に受け軸d4が支持されており、上端部において後軸jk3に連結するとともに後端部において主軸jk1に係合したものとなっている。このため、背支持体Dは、反力発生部HGから受け軸d4に対して伝達された付勢力が、上向きに開放された支持基部本体1との干渉を避けつつ、左右の受け軸支持部材d3及び後軸jk3を経由して、主軸jk1回りに回転する左右のアームd1に対して無理なく伝達され得る構成を備えたものとなっている。
【0100】
<<主軸jk1>>
主軸jk1は、支持基部本体1の軸保持部JHに保持されるものである。主軸jk1は左右方向に延びてなる主軸本体jk11と、主軸本体jk11の一端部に一体に設けられ背支持体Dにおける左右のアームd1の何れか一方の外面に係合し得る鍔部jk12と、主軸本体jk11の他端部に取り付けられ左右のアームd1の他方の外面に係合し得る抜け止め部材たる抜け止めリングjk13とを備えたものである。
【0101】
<<背凭れE>>
背凭れEは、ねじ挿通孔h6を有し背支持体Dの背凭れ取付部daにねじv2により取り付けられた背凭れ基部である背フレームMと、背フレームMに対して着脱可能に取り付けられ背フレームMにおける下枠材4に形成された凹所Uの収容空間sdを覆い得る隠蔽部材たる背フレームキャップTと、背フレームMに張り設けられたメッシュ状の張り部材Pとを備えてなる。
【0102】
背凭れEは、メッシュ状の生地を主体にして構成された張り部材Pにより、着座者の背中を後方から受け止める背凭れ面pmが構成されたものとなっている。
【0103】
この実施形態の椅子は、背凭れEの上枠材3に対して、オプションである背凭れ面拡張部材FやハンガーGを選択的に取り付け可能に構成されている。
【0104】
この実施形態の椅子は、背凭れEにおける左右の側枠材2に対して、着座者の腰部を後側から支持し得るランバーサポートRが架設されている。
【0105】
<背フレームM>
背フレームMは、外側方に開口した張り部材取付溝mzを有した左右の側枠材2と、上方に開口した張り部材取付溝mzを有し左右の側枠材2の上部間を連結する上枠材3と、左右の側枠材2の下部間を連結する下枠材4と、下方に開口した張り部材取付溝mzを有し上枠材3との間に上の空洞saを形成するとともに下枠材4との間に下の空洞sbを形成した状態で左右の側枠材2同士を連結する中間連結枠材5とを有したものである。
【0106】
左右の側枠材2、上枠材3、及び、下枠材4は、合成樹脂により一体に成型されている。中間連結枠材5は、左右の側枠材2に対してねじv5により取り付けられるものとなっている。
【0107】
背フレームMは、左右の側枠材2と上枠材3と中間連結枠材5とによって内部に上の空洞saを形成した上の枠状部w1と、左右の側枠材2と下枠材4と中間連結枠材5とによって内部に下の空洞sbを形成した下の枠状部w2とを備えている。
【0108】
この実施形態における背凭れEは、背フレームMに設けられた枠状部たる上の枠状部w1に対して背凭れ面pmを構成し得る張り部材Pが張設されたものとなっている。
【0109】
下の枠状部w2には、張り部材Pが張設されていないものとなっている。換言すれば、下枠材4と横架材である中間連結枠材5との間には、張り部材Pが張設されていない空洞sbが形成されている。
【0110】
[左右の側枠材2]
左右の側枠材2は上下方向に延びてなるものである。左右の側枠材2の外側面には、当該側枠材2の上端から中間連結枠材5の下縁に略対応する高さ位置まで連続する張り部材取付溝mzが形成されている。上下方向に延びてなる左右の側枠材2間には、張り部材Pが張設されている。
【0111】
左右の側枠材2のそれぞれには、互いに相寄る方向に延設され中間連結枠材5を連結させるための延設部23を備えている。延設部23は、内側方に向かって柱状に延びてなる基端部231と、基端部231の延出端から内側方に向かって延びてなり起立板状をなし当該基端部231よりも前後方向の厚み寸法が短く設定された先端部232とを備えている。
【0112】
先端部232の前面は、基端部231の前面と略面一をなしている。一方で、先端部232の背面は、基端部321の背面よりも前に位置している。換言すれば、延設部23の先部における背面側には、前方に凹んだ凹み部233が形成されている。凹み部233には、中間連結枠材5を取り付ける際に当該中間連結枠材5の側端部が配設されるようになっている。
【0113】
先端部232は、前後方向に貫通するねじ挿通孔h5aを有するとともに前面側にナットn5を配設するための矩形状の凹陥部232aが形成されている。
【0114】
左右の側枠材2は、外側方に開放された張り部材取付溝mzを有する外枠部分21と、外枠部分21の内側に位置し前部を外枠部分21における前部よりも後方に位置させた内枠部分22とを備えている。
【0115】
左右の側枠材2の外側面には、当該側枠材2の上端から延設部23の基端部231の上縁に略対応する高さ位置まで連続する張り部材取付溝mzが形成されている。
【0116】
また、左右の側枠材2の前面には、張り部材取付溝mzの下端部付近から内方に略水平に延びる段部2aが形成されている。段部2aは、側枠材2における延設部23の上縁に略対応した高さ位置の前面部分に形成されている。段部2aは、下部側が上部側よりも前に出た形態をなし、その段差寸法は、張り部材Pの厚み寸法に略対応したものとなっている。
【0117】
左右の側枠材2の上下方向中間部、より具体的に言えば、着座者の腰部に対応する高さ位置である左右の側枠材2における内枠部分22の上下方向中間部には、ランバーサポートRを上下位置変更可能に保持し得るランバーサポート保持部Nが配設されている。
【0118】
ランバーサポート保持部Nは、左右の側枠材2における側面視において前方に凸をなすように屈曲した部位(側面視においてくの字状に曲がった部位)に設けられている。
【0119】
ランバーサポート保持部Nは、ランバーサポートRの左右両端部に設けられた被保持部r22を保持し得るものである。ランバーサポート保持部Nは、ランバーサポートRの被保持部r22に備えた複数すなわち二つの突出部分である上突出部分r221及び下突出部分r222が収容され上下方向に延びてなるとともに前方に開放された収容溝221と、収容溝22の前に配設され上突出部分r221及び下突出部分r222の前方への移動を規制し得る前規制部q1を有した保持部材Qとを備えたものである。
【0120】
収容溝221は、被保持部r22に係わり合う奥の溝形成壁221a及び側部の溝形成壁221bを主体に形成されている。収容溝221は、上突出部分r221及び下突出部分r222の後側に位置する奥の溝形成壁221aと、奥の溝形成壁221aの内側部から前方に延設され上突出部分r221及び下突出部分r222の内側に位置する側部の溝形成壁221bとを備えたものである。
【0121】
奥の溝形成壁221aの前面は、上突出部分r221及び下突出部分r222の突出端に接する当接部をなしている。奥の溝形成壁221aの当接部たる前面は、内側が外側よりも後に位置するように傾斜した姿勢をなしている。
【0122】
側部の溝形成壁221bの内面すなわち奥の溝形成壁221aの前面側を臨む面は、上突出部分r221及び下突出部分r222の内側部に接する当接部をなしている。収容溝221を形成し得る側部の溝形成壁221bには、ランバーサポートRを背凭れEに対して着脱操作する場合に上突出部分r221及び下突出部分r222を通過させ得る切欠部である上切欠部221c及び下切欠部221dが設けられている。
【0123】
すなわち、側部の溝形成壁221bには、ランバーサポートRを背凭れEに対して装着及び離脱する場合に、上突出部分r221を通過させ得る上切欠部221cを有するとともに下突出部分r222を通過させ得る下切欠部221dを有している。上切欠部221c及び下切欠部221dは側部の溝形成壁221bにおける上下に離間して形成されている。また、上切欠部221c及び下切欠部221dは側部の溝形成壁221bにおける前半部に設けられている。
【0124】
上切欠部221cの形状は、ランバーサポートRの上突出部分r221を通過させ得るように当該上突出部分r221に対応した形状に設定されている。なお、上切欠部221cには、上突出部分r221の形状に対応させて上下方向中央部に突起221eが突設されている。
【0125】
下切欠部221dの形状は、ランバーサポートRの下突出部分r222を通過させ得るように当該下突出部分r222に対応した形状に設定されている。なお、ランバーサポートRにおける上突出部分r221の形状と下突出部分r222の形状とは異なったものとなっている。
【0126】
上突出部分r221に対応する上切欠部221cの形状と下突出部分r222に対応する下切欠部221dの形状を異ならせることにより、使用者は、ランバーサポートRの上下位置を容易に把握することができるものとなっている。換言すれば、この実施形態の椅子は、使用者がランバーサポートRの上下を間違えて背凭れEに装着することができない工夫がなされている。
【0127】
保持部材Qは、合成樹脂により形成されたものであり、左右の側枠材2とは別の部材により構成されている。すなわち、保持部材Qは、左右の側枠材2とは別体をなしている。保持部材Qは、左右の側枠材2のそれぞれに取り付けられている。保持部材Qは、ねじv3を介して左右の側枠材2における内枠部分22に取り付けられている。
【0128】
保持部材Qは、上下方向に延びてなり、収容溝221の前に配設されランバーサポートRの上突出部分r221及び下突出部分r222に対して当接することにより当該上突出部分r221及び下突出部分r222の前方への移動を規制し得る前規制部q1と、前規制部q1の上端部及び下端部に連設され前後方向に貫通するねじ挿通孔h3が形成された取付部q2と、前規制部q1の外側部から後方すなわち内枠部分22方向に向かって延設され収容溝221と外枠部分21との間に配される位置決め壁q3とを備えている。
【0129】
前規制部q1は、上下方向に延びたレール状をなしている。前規制部q1は、収容溝221を形成し得る奥の溝形成壁221aとの協働によって上突出部分r221及び下突出部分r222を前後方向に挟み得るものとなっている。
【0130】
保持部材Qの前規制部q1と収容溝221における側部の溝形成壁221との間には、先端に上突出部分r221、下突出部分r222、及び、突出部220を設けたランバーサポートRにおける左右のアーム材r2の被保持部r22が連通し得る上下方向に延びた連通空間scが形成されている。
【0131】
換言すれば、保持部材Qは、左右の側枠材2と協働することにより、上突出部分r221及び下突出部分r222を挟んで保持し得るものとなっている。このため、ランバーサポートRは、左右の側枠材2における前向き面と保持部材Qにおける後向き面とによって前後方向に挟圧されることになり、収容溝221内において重力により下方に滑り落ちることなく所定の上下位置に適切に保持され得るものとなっている。
【0132】
取付部q2には、保持部材Qを左右の側枠材2の内枠部分22に取り付けるためのねじ挿通孔h3が形成されている。また、取付部q2には、左右の側枠材2における内枠部分22に突設されたナット部n3の周縁部に外嵌し得る外嵌壁q21が突設されている。
【0133】
保持部材Qは、ねじ挿通孔h3に挿通されたねじv3を左右の側枠材2に設けられたナット部n3に螺着することにより、左右の側枠材2における内枠部分22に取り付けられている。
【0134】
[上枠材3]
上枠材3は左右方向に延びてなるものである。上枠材3は、張り部材Pを取り付けるための上方に開放された張り部材取付溝mzが形成された外枠部分31と、外枠部分31の下に配された内枠部分32とを備えている。上枠材3には、詳しくは後述するように、オプションを取り付けるためのナット部材Jが保持され得るナット保持凹所ntが設けられている。
【0135】
外枠部分31は、上枠材3の上部分を構成するものである。外枠部分31の前面は、張り部材Pの背面に添接する部分すなわち張り部材Pの裏当てをする部分をなしている。
【0136】
内枠部分32は、上枠材3の下部分を構成するものである。内枠部分32は、外枠部分31よりも内側に位置している。すなわち、内枠部分32は、正面視において張り部材Pにより覆われる箇所に設けられている。
【0137】
内枠部分32は、外枠部分31の後部から下方に垂下するように設けられた垂下壁321と、垂下壁321の下端部から前方に延設された下端壁322と、下端壁322と外枠部分31との間、及び、下端壁322と垂下壁321との間を繋ぐ起立壁状をなす複数の連結壁323を備えている。
【0138】
垂下壁321の背面は、外枠部分31の背面と略面一をなしている。下端壁322は、外枠部分31に対して上下方向に離間して設けられている。連結壁323は、下端壁322と外枠部分31との連結強度を高めるためのものであり、左右方向に一定の間隔を空けて複数設けられている。
【0139】
内枠部分32には、上方に開放された上開放部kh1、下方に開放された下開放部kh2、及び、前方に開放された前開放部kh3が形成されてなりナット部材Jを保持し得るナット保持凹所ntが設けられている。ナット保持凹所ntは、内枠部分32の複数箇所に設けられている。
【0140】
ナット保持凹所ntは、内枠部分32の下端壁322に設けられている。ナット保持凹所ntは左右の起立壁状部nt1と、左右の起立壁状部nt1の後部間を繋ぐ後の起立壁状部nt2とを有したものである。ナット保持凹所ntは、底面視において前方に開放された略U字孔状をなしている。
【0141】
ナット保持凹所ntは、左右の起立壁状部nt1、及び、後の起立壁状部nt2によって、上方に開放された上開放部kh1、下方に開放された下開放部kh2、及び、前方に開放された前開放部kh3が形成されたものとなっている。
【0142】
また、ナット保持凹所ntは、左右の起立壁状部nt1の上端縁、及び、後の起立壁状部nt2の上端縁によって、上開放部kh1を形成し得る部分をなしているとともにナット部材Jの鍔部j2の下面と係合し得る部分である鍔部係合部分nt3をなしている。
【0143】
ナット保持凹所ntは、外枠部分31との間にナット部材Jの鍔部j2を収容し得る隙間skが形成されている。
【0144】
この実施形態では、内枠部分32には、左右方向に間隔を空けて四ケ所にナット保持凹所ntが設けられている。左右の両外側に位置する一対のナット保持凹所ntは背凭れ面pmを拡張するための背凭れ面拡張部材Fを取り付ける場合に使用されるものであり、左右の両内側に位置する一対のナット保持凹所ntは、被服を掛けるためのハンガーGを取り付ける場合に使用されるものとなっている。
【0145】
ナット保持凹所ntに保持されるナット部材Jは、金属製のものである。ナット部材Jは、ナット保持凹所ntにおける囲まれた空間内に収容され内周面にねじ溝j11が設けられたボス部j1と、ボス部j1の上に連設され下面が上開放部kh1を形成する部分たる鍔部係合部分nt3に係合し得る鍔部j2とを備えたものである。
【0146】
ナット部材Jは、略T字状の形態をなしている。すなわち、鍔部j2は、略円筒状をなすボス部j1の上端部から左右方向外側に長手をなすように延設されたものとなっている。
【0147】
なお、背凭れEに設けられたナット保持凹所ntにナット部材Jを保持させて、オプションである背凭れ面拡張部材F、及び、オプションであるハンガーGを取り付ける方法については、後で詳述するものとする。
【0148】
[下枠材4]
下枠材4は、左右の側枠材2の下部間を繋ぐとともに背支持体Dに連結する部分を有している。下枠材4には、背支持体Dに設けられた背凭れ取付部daに外嵌して連結するための前方に開放された凹陥状の背支持体連結部41が設けられている。
【0149】
下枠材4の背面側には、背支持体Dに対して背フレームMを連結するためのねじv6の頭部v61を収容し得る収容空間sdが形成された凹所Uを備えている。凹所Uは、後方に開口しつつ内部に収容空間sdが形成され得るように窪んだ形態をなしている。すなわち、凹所Uには、収容空間sdが形成されているとともに後方に開放された開口部ukを備えている。
【0150】
下枠材4には、ねじv6が挿通されるねじ挿通孔h6が前後方向に貫通するように設けられている。ねじ挿通孔h6は、左右に対をなして設けられている。ねじ挿通孔h6は、後方に開放された凹所Uと前方に開放された背支持体連結部41との間を連通し得るように貫設されたものとなっている。
【0151】
凹所Uは、ねじ挿通孔h6が穿設されているとともにねじv6の頭部61が係合し得る奥壁であるねじ係合壁u1と、ねじ係合壁u1よりも後側であり且つ開口部ukよりも前側に位置した手前壁である起立壁u2と、前後方向に延びてなり内面側が収容空間sdを臨む周壁u3と、前後方向に延びてなり収容空間sdを臨む面を有するとともに起立壁u2の外側端部とねじ係合壁u1の内側端部との間を繋ぐ中間壁u4を備えたものである。
【0152】
ねじ係合壁u1は、左右に対をなして設けられている。ねじ係合壁u1は、背面視において円形をなしており、その中心部にねじ挿通孔h6が形成されている。なお、ねじ係合壁u1の反対面である前向面は、背支持体Dにおける結合部材d2の背面に当接するものとなっている。つまり、ねじ係合壁u1は、背支持体Dの結合部材d2との係合壁を兼ねたものとなっている。
【0153】
起立壁u2は、背面視において左右に設けられたねじ係合壁u1の内側に設けられている。起立壁u2は、左右方向に長手をなしねじ係合壁u1と略平行をなす姿勢で配されている。起立壁u2は、背フレームキャップTの外れ止め突部t3に形成された係止突起t31が係合し得る係合部たる窓孔u21を有している。窓孔u21は、略矩形状をなし左右に対をなして設けられている。
【0154】
周壁u3は、前後方向に対して略直交する方向を向く内周面u31を有しており、当該周壁u3における後端部の内周面u31により開口部ukが形成されている。つまり、開口部ukには、背フレームキャップTのキャップ本体t1が奥方に進行し過ぎないように規制し得る部位が設けられていない。
【0155】
すなわち、開口部ukは、キャップ本体t1の奥方への進行を許容し得る形状をなしており、段部や突出部やリブ等により形成され得る奥行方向への移動を禁止し得る部位が設けられていないものとなっている。
【0156】
<背フレームキャップT>
背フレームキャップTは、下枠材4に対して着脱可能に取り付けられ凹所Uの収容空間sdを覆い得るものである。この実施形態では、背フレームキャップTの下枠材4に対する相対位置に基づいて、ねじv6に関する確認を行うことができるものとなっている。
【0157】
背フレームキャップTは、凹所Uの開口部ukに配設され収容空間sdを外部から隠し得る隠蔽部材本体たるキャップ本体t1と、キャップ本体t1から突設され先端t21がねじv6の頭部v61に当接し得るねじ頭当接突部t2と、キャップ本体t1から突設され凹所Uに係合することにより背フレームMからの背フレームキャップTの離脱を抑制する外れ止め突部t3とを備えている。
【0158】
[キャップ本体t1]
キャップ本体t1は、左右方向に長手をなす起立板状をなしたものである。すなわち、キャップ本体t1は、フラットな外面4aを有し全体として起立姿勢をなした横長板状の形態をなしている。キャップ本体t1の左右両側部は背面視において半円状に形成されている。
【0159】
[ねじ頭当接突部t2]
ねじ頭当接突部t2は、キャップ本体t1から前方に向かって突設されたものである。ねじ頭当接突部t2は、左右のねじ挿通孔h6に対応させて左右に対をなして設けられている。ねじ頭当接突部t2は、キャップ本体t1における左右両端部から前方に向かって突設されている。
【0160】
ねじ頭当接突部t2の突出寸法は、ねじv6が背支持体Dのナット部n6に適切に螺着し終えた場合(つまり、ねじv6の頭部v61がねじ係合壁u1に当接することにより、それ以上前方に進行できなくなった場合。)の頭部v61に先端t21が係合したときに、キャップ本体t1の外面t11が凹所Uにおける周縁部の外面4aと略面一をなす長さに設定されている。
【0161】
[外れ止め突部t3]
外れ止め突部t3は、キャップ本体t1から前方に向かって突設されたものである。外れ止め突部t3は、左右に対をなして設けられている。左右一対の外れ止め突部t3は、左右に対をなして設けられたねじ頭当接突部t2の間に配されている。
【0162】
外れ止め突部t3は、側面視において略矢印形状をなしている。外れ止め突部t3は、その先端近傍部において上方向及び下方向にそれぞれ突出した係止突起t31を備えている。外れ止め突部t3は、係止突起t31以外の部分が窓孔u21を前後方向に通過し得る大きさに設定されている。
【0163】
外れ止め突部t3の係止突起t31は、凹所Uの起立壁u2に設けられた窓孔u21に対して係合することにより、背フレームキャップTの後方への移動のみが規制されている。係止突起t31が窓孔u21に対して係合し、後方への移動が規制されている状態では、キャップ本体t1の外面t11が凹所Uにおける周縁部の外面4aと略面一をなしている。
【0164】
[背フレームキャップTの位置によるねじv6に関する確認機能]
この実施形態の椅子は、背フレームキャップTの下枠材4に対する相対位置に基づいて、ねじv6に関する確認を行うことができるものとなっている。
【0165】
より具体的に言えば、背フレームキャップTの外面t11と下枠材4の外面4aとの相対位置に基づいて、ねじv6が所期の通りに適切に螺合しているか否か、及び、ねじv6を付け忘れがないか否かを確認できるように構成されている。
【0166】
背フレームキャップTは、ねじv6が、ねじ挿通孔h6に挿入されるとともに背支持体Dに設けられたナット部n6に対する螺合進入を完了した場合、すなわち、正常なねじv6の取り付けが実行された場合にのみ、キャップ本体t1の外面t11が、凹所Uにおける周縁部の外面4aと略面一をなし得るように構成されている。
【0167】
[ねじv6が正常に取り付けられた場合]
図44に示すように、背フレームキャップTは、ねじ頭当接突部t2の先端t21が、ねじv6の頭部v61に当接することにより、それ以上の前方への移動が規制されたものとなっている。
【0168】
これに加えて、背フレームキャップTは、外れ止め突部t3の係止突起t31が凹所Uにおける起立壁u2の窓孔u21に係合しているため、後方への移動が規制されたものとなっている。
【0169】
この状態では、背フレームキャップTにおけるキャップ本体t1の外面t11が、凹所Uにおける周縁部の外面4aと略面一をなしているため、組み立て作業者は、各外面t11、4aが略面一になっている状態を見て、背凭れEを背支持体Dに対してねじv6を用いて正常に取り付けられていることを確認することができるものとなっている。
【0170】
[ねじv6の螺着状態が異常(螺合進入が未完了)な場合]
図45に示すように、背フレームキャップTは、ねじ頭当接突部t2の先端t21が、ねじv6の頭部v61に当接することにより、それ以上の前方への移動が規制されたものとなっている。
【0171】
ところが、図45に示されたものは、ねじv6の螺合進入が未完了(ねじv6の締め付けが不十分な状態・ねじ止めが甘い状態)であるため、この状態では、背フレームキャップTにおけるキャップ本体t1の外面t11が、凹所Uにおける周縁部の外面4aよりも外側に位置することになる。
【0172】
このため、組み立て作業者は、各外面t11、4aの位置が略面一になっていない状態を見て、背凭れEを背支持体Dに対して正常にねじ止めされていないことを確認することができるものとなっている。
【0173】
[ねじv6が装着されていなかった場合]
図46に示すように、背支持体Dの背凭れ取付部daを構成する突出部分d111に対して、背凭れEの背支持体連結部41が外嵌することにより仮支持されている状態を経て、その後、作業者がねじv6により螺着する作業を忘れるという場合があり得る。
【0174】
この場合、ねじv6の頭部v61が凹所U内に配設されていないので、背フレームキャップTにおけるねじ頭当接突部t2の先端t21が、ねじv6の頭部v61に当接することができないことになる。さらに、背フレームキャップTは、外れ止め突部t3の係止突起t31が凹所Uにおける起立壁u2の窓孔u21を通過してさらに前進を続けることになる。
【0175】
このとき、外れ止め突部t3の係止突起t31は、所定の位置においてのみ、窓孔u21と係合して後方への移動のみを規制し得る一方で、前方への移動は規制することができないものとなっている。
【0176】
図46に示すように、仮に、背凭れEを背支持体Dに取り付けるためのねじv6が、ねじ挿通孔h6に挿入されていなかった場合には、キャップ本体t1の外面t11が、凹所Uにおける周縁部の外面4aと略面一をなさないように、背フレームキャップTが凹所Uの奥方に入り込むものとなっている。
【0177】
外れ止め突部t3は、窓孔u21内を前方に進入し続ける結果、凹所Uを形成し得る奥壁であるねじ係合壁u1に背フレームキャップTのねじ頭当接突部t2の先端t21が突き当たることにより、漸く、背フレームキャップTにおける奥方への移動が規制されることになる。
【0178】
背フレームキャップTは、少なくともその状態において、キャップ本体t1の外面t11が凹所Uにおける周縁部の外面4aよりも奥に位置するように構成されているため、組み立て作業者は、各外面t11、4aの位置が略面一になっていない状態を見て、背凭れEを背支持体Dに対して正常にねじ止めされていない(ねじv6が無い)ことを確認することができるものとなっている。
【0179】
[中間連結枠材5]
横架材である中間連結枠材5は、左右方向に延びてなるものである。中間連結枠材5は、左右の側枠材2における側面視において前傾した部位間に架設されている。中間連結枠材5は、背フレームMを構成する他の枠材すなわち左右の側枠材2、上枠材3、及び、下枠材4とは別体をなしている。
【0180】
この実施形態では、中間連結枠材5は、左右の側枠材2に対してねじv5を介して着脱可能に構成されている。中間連結枠材5の左右両端部は、それぞれ左右の側枠材2に対してねじ止めされるようになっている。中間連結枠材5は、平面視において後方に向けて凸をなすように湾曲した形状をなしている。中間連結枠材5には、下方に開口した張り部材取付溝mzが形成されている。
【0181】
中間連結枠材5は、張り部材Pの下部を支持し得るものである。中間連結枠材5は、下方に開放された張り部材取付溝5を設けた起立板状をなす中間連結枠材本体51と、中間連結枠材本体51の両端部に配され前後方向に貫通するねじ挿通孔h5bを有した取付部52とを備えたものである。
【0182】
中間連結枠材5を構成する中間連結枠材本体51には、下方に開放された張り部材取付溝mzを備えている。張り部材取付溝mzには、張り部材Pにおける下部の端部分peが取り付けられている。
【0183】
左右の取付部52は、ねじ挿通孔h5bが形成されたものであり、左右の側枠材2に設けられた延設部23に対してねじv5により取り付けられるようになっている。つまり、中間連結枠材5は、ねじ挿通孔h5b、h5aに挿通されたねじv5を延設部23のナットn5に螺着することにより、左右の側枠材2に対して取り付けられるようになっている。
【0184】
左右の取付部52は、中間連結枠材本体51よりも前後方向の厚み寸法が短く設定されている。取付部52の後面は、中間連結枠材本体51の後面と略面一をなしている。一方で、取付部52の前面は、中間連結枠材本体51の前面よりも後に位置している。換言すれば、中間連結枠材5の両端部における前面側には、後方に凹んだ凹み部53が形成されている。凹み部53には、延設部23の先端部232が配設されるようになっている。
【0185】
この実施形態では、張り部材Pは、図50に示すように、中間連結枠材5の背面を被覆し得るように当該中間連結枠材5に巻回支持されている。より具体的に言えば、張り部材Pは、下部の端部分pe側から背面、上面、前面、底面、背面の順に、中間連結枠材5に巻回されている。このため、中間連結枠材5の背面側には、張り部材Pが前後二層に配設されたものとなっている。
【0186】
<張り部材P>
張り部材Pは、背凭れ面pmを形成し得るメッシュ状の生地を主体に構成されたものである。
【0187】
張り部材Pは、その周縁部が背フレームMにおける上の枠状部w1に設けられた張り部材取付溝mzに取り付けられるものとなっている。張り部材Pは、背フレームMにおける上の枠状部w1の前面側に張設されている。
【0188】
上の枠状部w1に取り付けられる張り部材Pの端部分peには、張り部材取付溝mz内に張り部材Pとともに挿入される被挿入部材psが縫着されている。なお、端部分peの被挿入部材psは、組み付け時において上の枠状部w1の張り部材取付溝mz内に圧入され得る大きさのものであり、例えば、合成樹脂により作られた帯状のものである。
【0189】
張り部材Pにおける下縁部の端部分peは、中間連結枠材5の張り部材取付溝mzに取り付けられるものとなっている。張り部材Pは、図50に示すように、下部の端部分pe側から背面、上面、前面、底面、背面の順に、中間連結枠材5に巻回されている。
【0190】
張り部材Pが巻き付けられた状態の中間連結枠材5を左右の側枠材2における延設部23に取り付ける場合の一例は次の通りである。
【0191】
まず、張り部材Pにおける取付部52の回りを巻回している部分を一時的に中間連結枠材本体51側に押圧して移動させ、外部に露出した取付部52を延設部23に対してねじv5により止着する。
【0192】
次に、一時的に中間連結枠材本体51側に押圧して移動させていた部分を取付部52及び延設部23を巻回し得る位置までずらすようにして移動させる。これにより、中間連結枠材5を左右の側枠材2に取り付けるためのねじv5は、背面視において張り部材Pにより二重に被覆されたものとなり、好適な外観を提供し得るものとなる。
【0193】
その後、張り部材Pの上部及び左右両側部の端部分peを上枠材3及び左右の側枠材2の各張り部材取付溝mzに取り付けて、背フレームMに対する張り部材Pの装着は完了する。
【0194】
なお、上述した取付手順は一例に過ぎない。例えば、中間連結枠材5が左右の側枠材2にねじ止めされている状態で、当該中間連結枠材5に対して張り部材Pを巻回させるようにしてもよい。
【0195】
<<ランバーサポートR>>
ランバーサポートRは、左右の側枠材2間に架設されている。ランバーサポートRは、張り部材Pの後に位置し、着座者の腰部を支持し得るものである。ランバーサポートRは、背凭れEにおける左右の側枠材2に対して上下方向に位置変更可能であり、且つ、ねじ等の止着具を着脱させることなく着脱可能に設けられている。
【0196】
つまり、この実施形態のランバーサポートRは、背凭れEに対して後付け装着する場合であっても、背凭れEから離脱させる場合であっても、ねじ等の止着具を使わずにランバーサポートRを一時的に撓ませてランバーサポート保持部Nに対して被保持部r22を挿脱することにより実行できるようになっている。
【0197】
ランバーサポートRは、左右方向に延びてなるランバーサポート本体r1と、ランバーサポート本体r1に支持された左右のアーム材r2とを備えたものである。左右のアーム材r2は、ランバーサポート本体r1に対して左右方向に移動可能に支持されている。
【0198】
<ランバーサポート本体r1>
ランバーサポート本体r1は、前本体部材r11と、前本体部材r11と略同じ大きさをなし前本体部材r11の背面側に取り付けられた後本体部材r12とを備えたものである。
【0199】
[前本体部材r11]
前本体部材r11は、左右方向に延びた板状をなす合成樹脂製の前本体ベースr111と、前本体ベースr111の前面及び周縁部を被覆する前表皮材r112とを備えたものである。
【0200】
前本体ベースr111は、一時的に厚み方向に撓み得るものとなっている。前本体ベースr111は、全体として起立姿勢をなした横長板状の形態をなしている。前本体ベースr111の左右両側部は正面視において半円状に形成されている。
【0201】
前本体ベースr111には、複数箇所に後本体部材r12の後本体ベースr121に設けられた係合爪r123を受ける爪受け部r113が配設されている。
【0202】
前本体ベースr111における左右方向及び上下方向中央部には、後本体部材r12の後本体ベースr121に設けられた嵌合凹部r124に嵌合し得る三角柱状をなす位置決め突部r114が後方に向かって突設されている。
【0203】
前本体ベースr111の左右にはそれぞれ左右のアーム材r2を構成するアーム基部r21の外縁と係わり合い、ランバーサポート本体r1に対する左右のアーム材r2の左右方向の移動をガイドし得る外向きコ字状をなすガイド壁r115が設けられている。
【0204】
[後本体部材r12]
後本体部材r12は、左右方向に延びた板状をなす合成樹脂製の後本体ベースr121と、後本体ベースr121の後面及び周縁部を被覆する後表皮材r122とを備えたものである。
【0205】
後本体ベースr121には、複数箇所に前本体部材r11の前本体ベースr111に設けられた爪受け部r113に係合し得る係合爪r123が配設されている。
【0206】
後本体ベースr121における左右方向及び上下方向中央部には、前本体部材r11の前本体ベースr111に設けられた三角柱状をなす位置決め突部r114が嵌合し得る嵌合凹部r124が形成されている。
【0207】
後本体ベースr121の左右にはそれぞれ左右のアーム材r2を構成するアーム基部r21の外縁と係わり合い、ランバーサポート本体r1に対する左右のアーム材r2の左右方向の移動をガイドし得る外向きコ字状をなすガイド壁r125が設けられている。
【0208】
後本体ベースr121のガイド壁r125に囲まれた内側の領域には、前方すなわち前本体ベースr111方向に向かって第一の係合部である上の凸状部分r126及び下の凸状部分r127が配設されている。
【0209】
なお、上の凸状部分r126及び下の凸状部分r127は、左右のアーム材r2における内板状部分r211に設けられた第二の係合部である横長の長孔状をなす上の係合孔r213及び下の係合孔r214に係合し得るものとなっている。
【0210】
<左右のアーム材r2>
左右のアーム材r2は、前本体部材r11と後本体部材r12との間に挟持されたものである。左右のアーム材r2の外側端部には、背凭れEに設けられたランバーサポート保持部Nに保持される被保持部r22が設けられている。左右のアーム材r2はそれぞれ合成樹脂により一体に形成されている。
【0211】
左右のアーム材r2は、左右方向に延びた矩形板状の部分を有するアーム基部r21と、アーム基部r21の外側端部に連設され背凭れEのランバーサポート保持部Nに保持される被保持部r22とを備えたものである。
【0212】
左のアーム材r2を構成するアーム基部r21と被保持部r22とは合成樹脂により一体に形成されており、右のアーム材r2を構成するアーム基部r21と被保持部r22とは合成樹脂により一体に形成されている。
【0213】
[アーム基部r21]
アーム基部r21は、左右方向に延びた矩形状をなしランバーサポート本体r1内に位置する内板状部分r211と、内板状部分r211の外側端縁から斜め前外方に延出した部分を有した板状をなす外板状部分r212とを備えている。
【0214】
内板状部分r211は、上端縁と下端縁とが略平行をなす略長方形状をなしている。内板状部分r211の内側端部における上部及び下部には、それぞれ左右方向に延びた長孔状をなす第二の係合部たる上の係合孔r213及び下の係合孔r214が設けられている。また、内板状部分r211の左右方向中央部には、ねじ挿通孔h4を有したボス部r128を回避するための長孔状の干渉回避孔r215、及び、前本体部材r11と後本体部材r12とを連結するための連結機構である係合爪r123及び爪受け部r113を回避するための矩形孔状の干渉回避孔r216が設けられている。
【0215】
ランバーサポート本体r1に設けられた第一の係合部である上の凸状部分r126及び下の凸状部分r127が、左右のアーム材r2における内板状部分r211に設けられた第二の係合部である上の係合孔r213及び下の係合孔r214に係合することによって、左右のアーム材r2がランバーサポート本体r1に対して左右方向に移動可能に構成されている。上の係合孔r213及び下の係合孔r214は、上の凸状部分r126及び下の凸状部分r127よりも幅方向に長い寸法に設定されている。
【0216】
外板状部分r212は、ランバーサポート本体r1よりも外側に配設されている。外板状部分r212は、内板状部分r211の外側端縁から斜め前外方に延出した傾斜延出板部r217と、傾斜延出板部r217の延出端から外側方に延びた横延板部r218とを備えている。
【0217】
[被保持部r22]
被保持部r22は、後方に突出し、上下方向に間隔を空けて配された上突出部分r221及び下突出部分r222を備えている。
【0218】
上突出部分r221及び下突出部分r222は、アーム基部r21を構成する外板状部分r212の外縁部、すなわち、外板状部分r212における横延板部r218の外側端部から後方に向かって突設されている。上突出部分r221及び下突出部分r222は、アーム基部r21の外端部分から斜め外後方に向かって膨出した形態をなしている。
【0219】
上突出部分r221及び下突出部分r222の各前端部には、前方を向きランバーサポート保持部Nを構成する保持部材Qの前規制部q1に係合し得る前係合部たる前向係合面r223、r227が設けられている。
【0220】
上突出部分r221及び下突出部分r222の各後端部には、後方を向きランバーサポート保持部Nを構成する収容溝221の奥の溝形成壁221aに係合し得る後係合部たる後向係合面r224、r228が設けられている。
【0221】
上突出部分r221及び下突出部分r222の各内側端部には、内側方を向きランバーサポート保持部Nを構成する収容溝221の側部の溝形成壁221bに係合し得る側係合部たる横向係合面r225、r226が設けられている。
【0222】
なお、この実施形態では、上突出部分r221の形状が、下突出部分r222の形状と異なったものに設定されている。より具体的に言えば、上突出部分r221は、突出端部である後端部の上下方向中間部に切欠部r226が設けられているが、下突出部分r222には同様の切欠部が設けられていないものとなっている。また、上突出部分r221の上下寸法は、下突出部分r222の上下寸法よりも短く設定されている。
【0223】
この実施形態の椅子は、使用者がランバーサポートRの上下を間違えて背凭れEに装着することができない工夫がなされている。ランバーサポート保持部Nの収容溝221に形成された上切欠部221cは、ランバーサポートRの上突出部分r221の形状に対応したものとなっている。すなわち、上切欠部221cには、上突出部分r221の切欠部r226に通過し得る突起221eが突設されている。
【0224】
ランバーサポートRの被保持部r22には、上突出部分r221と下突出部分r222との間を繋ぐとともにアーム基部r21の外側端(すなわち外板状部分r212における横延板部r218の外側端)から外側方に向かって突出した庇状の突出部r220が設けられている。
【0225】
<<背凭れ面拡張部材F>>
背凭れ面拡張部材Fは、背凭れEによって形成された背凭れ面pmの上に、別途、使用者に当接し得る当接面たる拡張背凭れ面fmを設けるためのものである。この実施形態の背凭れ面拡張部材Fは、拡張背凭れ面fmに対して主に使用者の肩部が当接し得るため、「ショルダーサポート」と称される。
【0226】
背凭れ面拡張部材Fは、前面を使用者に当接し得る当接面である拡張背凭れ面fmとしたパッド体f1と、パッド体f1を支持し得るベース体f2とを備えたものである。
【0227】
背凭れ面拡張部材Fは、ベース体f2の下部とパッド体f1の下端部との間に、前方及び左右両側方に開放された上枠材配設凹部fuが形成されている。
【0228】
背凭れ面拡張部材Fには、上枠材配設凹部fuを臨む位置に、背凭れEにおける上枠材3の後側に位置し当該上枠材3の後部と係合することにより前方への移動を規制し得る移動規制部ksが設けられている。
【0229】
<パッド体f1>
パッド体f1は、ベース体f2に設けられたパッド体取付部f6に対して取り付けられるパッド体本体f3と、パッド体本体f3の前面部及び周縁部を被覆する前表皮材f4とを備えている。
【0230】
パッド体f1は、正面視において左右方向に長手をなした略矩形状をなしている。パッド体f1は、正面視において左右に略対称の形状をなしている。パッド体f1の左右両側部の端縁は正面視において外側方に向かって凸をなすように緩やかに湾曲したものとなっている。パッド体f1の前面である拡張背凭れ面fmは、張り部材Pにより構成された背凭れ面pmと略面一をなすように設定されている。
【0231】
パッド体f1における上下方向の寸法は、ベース体f2における上下方向の寸法よりも短くなっている。パッド体f1における上縁部の位置は、ベース体f2における上縁部の位置と略合致させてある。パッド体f1の正面視における側縁部の形状は、ベース体f2における同一高さ位置の側縁部の形状と略合致させてある。パッド体f1における下端縁は、上枠材3に対して略当接する位置に設定されている。
【0232】
[パッド体本体f3]
パッド体本体f3は、合成樹脂により形成された略起立板状をなすパッドベースf31と、パッドベースf31の前面に取り付けられた発泡ウレタン製のクッションf32とを備えたものである。
【0233】
パッドベースf31における背面側の上下方向中央部には、左右方向に離間させて一対の係合部たるフック係合部f311が設けられている。フック係合部f311は、上下方向に開放された係合孔f314を形成したものである。
【0234】
フック係合部f311は、後方に突設された左右の突出壁f312と、左右の突出壁f312の後部間を繋ぐ連結壁f313によって、上下方向に貫通した係合孔f314を形成している。フック係合部f311は、ベース体f2のパッド体取付部f6に突設された係合部たるフックf61が、係合孔f314内に挿入されることによりベース体f2に対して係合し得るものとなっている。
【0235】
パッドベースf31における背面側の下部には、左右及び中央部の三箇所に係合部たる左右の嵌合突起f315及び中央の嵌合突起f316が設けられている。各嵌合突起f315、f316は、後方に突設された略矢印形状のものである。各嵌合突起f315、f316は、ベース体f2のパッド体取付部f6に設けられた係合部たる突起嵌合部f62に係合し得るものとなっている。 なお、左右の嵌合突起f315の姿勢は、中央の嵌合突起f316の姿勢と異なった姿勢に設定されている。より具体的に言えば、左右の嵌合突起f315の姿勢は、中央の嵌合突起f316の姿勢に対して背面視において90度回転した姿勢に設定されている。
【0236】
[前表皮材f4]
前表皮材f4は、パッド体本体f3の前面部よりも大きな面積を有する生地により構成されている。前表皮材f4の端縁部分f4eは、パッド体本体f3とベース体f2との間に、外部から視認されないように収容され得るものとなっている。前表皮材f4は、張り部材Pの背凭れ面pmの上に設けられる拡張背凭れ面fmを構成し得るものである。
【0237】
<ベース体f2>
ベース体f2は、略起立板状をなすベース板状部f5と、ベース板状部f5の前面側に設けられパッド体f1が取り付けられるパッド体取付部f6と、パッド体取付部f6よりも下に設けられ上枠材3に対して止着具であるねじv1を用いて取り付けられる上枠材取付部f7と、ベース板状部f5の周縁部及び後面部を被覆する後表皮材f9とを備えたものである。
【0238】
ベース体f2を構成しているベース板状部f5、パッド体取付部f6、及び、上枠材取付部f7は、合成樹脂により一体に形成されている。
【0239】
なお、この実施形態における背凭れ面拡張部材Fは、背面視において、ベース体f2のベース板状部f5を被覆する後表皮材f9のみが視認され得るように構成されている。つまり、背凭れ面拡張部材Fは、背面視において後表皮材f9以外の部材が視認されないように構成されている。
【0240】
[ベース板状部f5]
ベース板状部f5は、背面視において左右方向に長手をなした略矩形状をなしている。ベース板状部f5の左右両側部の端縁は背面視おいて外側方に向かって凸をなすように緩やかに湾曲したものとなっている。ベース板状部f5の後面部は、後表皮材f9により覆われるようになっている。
【0241】
ベース板状部f5の前面側には、先端部がパッドベースf31の背面に当接し得る左右方向に延びた上の横リブf52と、先端部がパッドベースf31の背面に当接し得る上下方向に延びた複数の縦リブf53とを備えている。複数の縦リブf53は、左右方向に間隔を空けて配されている。ベース板状部f5における前面側の下部には先端部が背凭れEの上枠材3に当接し得る左右方向に延びた下の横リブf54が設けられている。
【0242】
この実施形態では、上枠材3の後に位置する部材、すなわち、下の横リブf54の先端部、及び、下の横リブf54の下に位置する縦リブf53の先端部を主体として、上枠材3の背面と係合することにより背凭れ面拡張部材Fの前方への移動を規制し得る移動規制部ksを構成している。
【0243】
[パッド体取付部f6]
パッド体取付部f6は、パッドベースf31のフック係合部f311に対応する位置に突設されたフックf61と、パッドベースf31の左右及び中央の嵌合突起f316に対応する位置に突設された突起嵌合部f62とを備えている。
【0244】
パッド体f1は、パッド体取付部f6に設けられたフックf61に対してフック係合部f311を係わり合わせた上で、左右及び中央の嵌合突起f315、f316をパッド体取付部f6に設けられた突起嵌合部f62に嵌合させることにより、ベース体f2に対して取り付けられるようになっている。
【0245】
[上枠材取付部f7]
上枠材取付部f7は、ベース板状部f5の下端部から前方に突出した部分を主体に構成されている。上枠材取付部f7は、左右方向に延びてなり上枠材3の取付台座面となる上向面f71を有している。
【0246】
上枠材取付部f7には、左右の二箇所に上下方向に貫通したねじ挿通孔h1が設けられている。背凭れ面拡張部材Fは、ねじ挿通孔h1に挿通されたねじv1を上枠材3におけるナット保持凹所ntに配設されたナット部材Jに螺着することにより、上枠材3に対して取り付けられるように構成されている。
【0247】
上枠材取付部f7は、ねじ挿通孔h1が形成された部分に対応する前部の上端部に、上枠材3に設けられたナット保持凹所ntの前開放部kh3に位置し得る凸壁部f72が設けられている。
【0248】
ベース体f2の下部、すなわち、上枠材取付部f7とベース板状部f5の間には、下方及び外側方に開放され、後表皮材f9の端縁部分f9eを収容し得る収容溝f8が形成されている。上枠材取付部f7における両側部の後端部には、ベース板状部f5の周縁部との間に収容溝f8を形成するための溝形成壁f73が立設されている。
【0249】
なお、溝形成壁f73の前面は、上枠材3の背面に当接し得るものであり、背凭れ面拡張部材Fの前方への移動を規制し得る移動規制部ksを兼ねたものとなっている。
【0250】
[後表皮材f9]
後表皮材f9は、ベース板状部f5の後面部よりも大きな面積を有する生地により構成されている。後表皮材f9の端縁部分f9eは、ベース板状部f5とパッド体f1との間に収容され得るとともにベース板状部f5における下部の周縁部と上枠材取付部f7との間に設けられた収容溝f8に収容され得るものとなっている。
【0251】
<<ハンガーG>>
ハンガーGは、使用者の被服等を掛け留めるためのものである。ハンガーGは、背フレームMの上枠材3に取り付けられている。
【0252】
ハンガーGは、被服等を掛けるための左右方向に延びたハンガー本体g1と、ハンガー本体g1の下面から下方に延びるとともに下部において前方に延びてなる左右一対のハンガー脚g2と、左右のハンガー脚g2の下端部間を繋ぐとともに上枠材3に取り付けられる上枠材取付部g7が設けられたベース部g3とを備えたものである。
【0253】
ベース部gは、上枠材取付部g7が設けられたベース部本体g4と、ベース部本体g4の後部に立設され上枠材3の背面に係合し得る移動規制部ksたる起立壁g5とを備えている。
【0254】
上枠材取付部g7は、左右方向に延びてなり上枠材3の取付台座面となる上向面g71を有している。
【0255】
上枠材取付部g7には、左右の二箇所に上下方向に貫通したねじ挿通孔h2が設けられている。ハンガーGは、ねじ挿通孔h2に挿通されたねじv2を上枠材3におけるナット保持凹所ntに配設されたナット部材Jに螺着することにより、上枠材3に対して取り付けられるように構成されている。
【0256】
上枠材取付部g7は、ねじ挿通孔h2が形成された部分に対応する前部の上端部に、上枠材3に設けられたナット保持凹所ntの前開放部kh3に位置し得る凸壁部g72が設けられている。
【0257】
<<オプション(背凭れ面拡張部材F)の取り付け方法>>
本実施形態の椅子は、背凭れEに対して、オプションを取り付け易い取付構造が適用されている。以下、背凭れEの上枠材3に対するオプションの取り付け方法について、背凭れ面拡張部材Fを具体例にして説明する。
【0258】
まず、上枠材3に設けられた前方に開放されたナット保持凹所ntに対してナット部材Jを保持させるようにする。背フレームMにおける上の枠状部w1の前面側には、あらかじめ張り部材Pが張り設けられている。
【0259】
作業者は、略T字状をなすナット部材Jを、上の枠状部w1に囲われた上側の空洞saを後側から前側に向かって通過させた後に、当該ナット部材Jを前方に開放されたナット保持凹所ntに保持させる作業を行う。
【0260】
ナット部材Jのボス部j1は、前開放部kh3を通じてナット保持凹所nt内に収容されるものとなっている。ナット部材Jの鍔部j2はナット保持凹所ntと外枠部分31との間の隙間skに収容されるものとなっている。ナット部材Jの鍔部j2は、ナット保持凹所ntにおける上開放部kh1を形成する部分である鍔部係合部分nt3に係わり合い、下方に移動できないことになる。つまり、ナット部材Jは、ボス部j1がナット保持凹所nt内に収容されるとともに鍔部j2が隙間skに配されることにより、上枠材3に対して仮配置されるものとなる。
【0261】
次いで、背凭れ面拡張部材Fを後方から前方に移動させて、上枠材配設凹部fuが上枠材3を囲む位置に配設する。
【0262】
その後、背凭れ面拡張部材Fの上枠材取付部f7に設けられたねじ挿通孔h1に下側から上側に向かってねじv1を挿通し、そのねじv1をナット部材Jのボス部j1に対して螺着する。ねじv1をナット部材Jに螺合させることにより、背凭れ面拡張部材Fの上枠材取付部f7と上枠材3の内枠部分32とが緊締されることになる。
【0263】
以上の取り付け方法により、背凭れEの上枠材3に対して背凭れ面拡張部材Fを取り付け得るものとなっている。
【0264】
上枠材3に設けられたナット保持凹所ntは前方及び上下方向に開放された形状をなしているため、作業者によってナット部材Jを装着し易い(仮配置しやすい)形状をなしている。作業者は、張り部材Pにより覆われて視認し難い状態のナット保持凹所ntを緻密に確認しなくても、背凭れEの背面側から上枠材3の内枠部分32を手探りするだけで、ナット部材Jを当該ナット保持凹所ntに対して適切に保持させることができるものとなっている。
【0265】
また、背凭れ面拡張部材Fには、前方への移動を規制し得る移動規制部ksが設けられている。このため、仮に、背凭れ面拡張部材Fが前方に押圧された場合であっても、ナット部材Jが、前側に開放されたナット保持凹所ntから前方に移動し得ないものとなっている。
【0266】
<<ロッキング機構V>>
ロッキング機構Vは、背凭れEの傾動に対応させて座Cを一定の比率で移動させるためのものである。
【0267】
この実施形態のロッキング機構Vは、着座者の体重に相応して背凭れEを好適に傾動させることが可能ないわゆる体重感知式の構成を備えている。すなわち、ロッキング機構Vは、背凭れEの後傾動作に伴わせて座Cを後方に移動させつつ着座者の荷重に抗して座Cを持ち上げるように構成したものである。
【0268】
つまり、ロッキング機構Vは、座Cを着座者の荷重に抗して上方に持ち上げる仕組みが含まれているため、背凭れEを後傾させるために着座者の体重に比例した後傾荷重を要する構成をなしている。
【0269】
ロッキング機構Vは、支持基部Bの前端部に前軸jk2を介して座受c1の前部を前後移動可能に支持させるとともに、座Cの前後方向中間部を前アーム部d12に連結された後軸jk3に枢支させたものである。
【0270】
後軸jk3は、左右のアームd1における主軸jk1よりも前及び上に位置する部位に配設されている。この実施形態においては、後軸jk3は、受け軸支持部材d3を介して支持基部本体1の収容空間sp内に配された受け軸d4にも連結されている。
【0271】
上述した実施形態であれば、複雑化が抑制された略円筒状の外形の操作部本体k11を有しつつ、突出部k12によって回転姿勢を指標するインジケーター機能を好適に発揮し得る反力調整レバーKを有してなる椅子を提供することができる。
【0272】
また、上述した実施形態であれば、上下及び前方に開放されたナット保持凹所ntにナット部材Jを保持させることができるので背凭れEに対して背凭れ面拡張部材F等のオプションを取り付け得る好適な構成を有した椅子を提供することができるものとなる。
【0273】
また、上述した実施形態であれば、背凭れEの上枠材3に背凭れ面拡張部材Fが取り付けられている。背凭れ面拡張部材Fは、背面視において、ベース板状部f5を被覆する後表皮材f9のみが視認され得るように構成されているため、後表皮材f9に基づいた背面視における好適な外観を発揮し得るものとなっている。
【0274】
また、上述した実施形態であれば、着座者の腰部を支持し得るランバーサポートRを、背凭れEに対して上下方向に位置変更可能、且つ、止着具を着脱させることなく着脱可能に設け得る好適な構成を備えた椅子を提供することができるものとなっている。
【0275】
また、上述した実施形態であれば、張り部材Pが横架材である中間連結枠材5に巻回支持されているため、中間連結枠材5の背面が外部に露出してしまうことを好適に抑制し得るだけでなく背フレームMに対して張り部材Pを好適な張り具合で張設させ得る柔軟性に優れた椅子を提供することができるものとなっている。
【0276】
また、上述した実施形態であれば、ねじv6の頭部v61にねじ頭当接突部t2の先端t21が係合し得るものであるため、好適な外観を得るために背凭れEを取り付けるためのねじv6を覆い隠し得るだけでなく、ねじv6が背凭れEに対して適切に取り付けられているかどうかを隠蔽部材たる背フレームキャップTの位置に基づいて確認し得る構成を有した椅子を提供することができるものとなっている。
【0277】
また、上述した実施形態であれば、少なくとも、基礎底部構造体11と左右の側壁14とが合成樹脂により一体に成型された支持基部本体1を備えており、当該支持基部本体1における左右の側壁14に、側壁14の厚み方向に凹ませた凹部1aが形成されているものとなっているため、左右の側壁14の成型時の異変形を好適に抑制し得るものとなり、合成樹脂製の支持基部本体1における左右の側壁14に対して軸である主軸jk1を支持させ得る好適な構成を備えた椅子を提供することができるものとなっている。
【0278】
また、左右の側壁14に凹部1aが形成されているため、その凹部1aを利用して組み立て時や分解時において支持基部本体1を好適に位置決めさせ得るものとなっている。したがって、この実施形態であれば、支持基部本体1のデザイン性を向上させたり強度を向上させたりするために、曲面等を有する好適な外形を、組み立てや分解の工程における位置決めのし辛さを気にすることなく、無理なく設計することができるものとなっている。
【0279】
以上説明したように、本実施形態に係る椅子は、着座者の腰部を支持し得るランバーサポートRを背凭れEに対して上下方向に位置変更可能且つ止着具を着脱させることなく着脱可能に設けたものである。
【0280】
そして、背凭れEが、上下方向に延びてなる左右の側枠材2と、左右の側枠材2間に張設された張り部材Pとを備えたものである。左右の側枠材2に、ランバーサポートRの左右両端部に設けられた被保持部r22を保持し得るランバーサポート保持部Nが配設されたものである。被保持部r22が、後方に突出した複数の突出部分である上突出部分r221及び下突出部分r222を備えたものである。
【0281】
ランバーサポート保持部Nが、上突出部分r221及び下突出部分r222が収容され上下方向に延びてなるとともに前方に開放された収容溝221と、収容溝221の前に配設され上突出部分r221及び下突出部分r222の前方への移動を規制し得る前規制部q1とを備えたものである。
【0282】
収容溝221を形成し得る側部の溝形成壁221bに、ランバーサポートRを背凭れEに対して着脱操作する場合に上突出部分r221及び下突出部分r222を通過させ得る上切欠部221c及び下切欠部221dが設けられている。
【0283】
このため、本実施形態であれば、着座者の腰部を支持し得るランバーサポートRを、背凭れEに対して上下方向に位置変更可能、且つ、ねじ等の止着具を着脱させることなく着脱可能に設け得る好適な構成を備えた椅子を提供することができるものとなる。
【0284】
つまり、ランバーサポート保持部Nに、ランバーサポートRの両側端に設けられた上突出部分r221及び下突出部分r222を通過させる上切欠部221c及び下切欠部221dが設けられている。このため、椅子の完成後の段階において、ランバーサポートRを背凭れEに対して着脱自在にすることができるとともに、限られた領域である上切欠部221c及び下切欠部221dを通過しない限りランバーサポートRは背凭れEから外れ得ないため、ランバーサポートRが背凭れEから意図せずに離脱するような不具合が生じ難いものとなる。
【0285】
また、ランバーサポートRの全体を一時的に厚み方向に撓ませることにより、ランバーサポートRの両側端に設けられた上突出部分r221及び下突出部分r222を、ランバーサポート保持部Nの上切欠部221c及び下切欠部221dに通過させ得るように構成されているため、ランバーサポートRが背凭れEから意図せずに離脱するような不具合が生じ難いものとなっている。
【0286】
被保持部r22が、上下方向に間隔を空けて配された複数の突出部分である上突出部分r221及び下突出部分r222を備えたものである。そして、側部の溝形成壁221bに、上突出部分r221を通過させ得る切欠部である上切欠部221c、及び、下突出部分r222を通過させ得る切欠部である下切欠部221dが設けられている。
【0287】
このため、ランバーサポートRの姿勢が好適に維持されやすいだけでなく、ランバーサポート保持部Nに対してランバーサポートRが不意に離脱し難い好適な構成を備えたものとなっている。
【0288】
上突出部分r221の形状が、下突出部分r222の形状と異なった形状に設定されたものである。
【0289】
そして、上切欠部221cの形状が、上突出部分r221を通過させ得るように当該上突出部分r221に対応した形状に設定されたものであり、下切欠部221dの形状が、下突出部分r222を通過させ得るように当該下突出部分r222の対応した形状に設定されたものである。
【0290】
このため、この実施形態であれば、ランバーサポートRの上下が逆転した態様で、当該ランバーサポートRが背凭れEに対して誤って装着されることが好適に抑制されたものとなっている。
【0291】
前規制部q1が、側枠材2とは別の部材であり、側枠材2に対して取り付けられる保持部材Qに備えたものである。
【0292】
このため、前規制部q1を収容溝221の前に配設し得る好適な構成を備えたものとなっている。
【0293】
ランバーサポート保持部Nが、前規制部q1と収容溝221を形成し得る奥の溝形成壁221aとによって上突出部分r221及び下突出部分r222を前後方向に挟んで保持し得るものである。
【0294】
このため、ランバーサポート保持部Nは、上突出部分r221及び下突出部分r222を前後方向から挟む構成をなしているため、ランバーサポートRが自重によって下方に落下しないように当該ランバーサポートRを所定の高さ位置に好適に保持し得るものとなっている。
【0295】
ランバーサポートRが、ランバーサポート本体r1と、ランバーサポート本体r1に支持された左右のアーム材r2とを備えたものである。そして、左右のアーム材r2の外側端部に被保持部r22が設けられている。
【0296】
このため、ランバーサポートRの両外側端部に被保持部r22を設けるための好適な構成を備えたものとなっている。
【0297】
左右のアーム材r2が、ランバーサポート本体r1に対して左右方向に移動可能に支持されている。
【0298】
このため、ランバーサポートRを、背凭れEに設けられたランバーサポート保持部Nに対して着脱操作する柔軟性に優れたものとなる。すなわち、左右方向に移動し得る左右のアーム材r2をそれぞれランバーサポート本体r1の中央部側に移動させておけば、ランバーサポートRの全体を厚み方向に過大に撓ませることなく、当該ランバーサポートRをサンバーサポート保持部Nに対して適切に装着し得るものとなっている。
【0299】
ランバーサポート本体r1に設けられた第一の係合部たる上の凸状部分r126及び下の凸状部分r127が左右のアーム材r2に設けられた第二の係合部たる上の係合孔r213及び下の係合孔r214に係合することによって、左右のアーム材r2がランバーサポート本体r1に対して左右方向に移動可能に構成されたものである。
【0300】
このため、本実施形態であれば、左右のアーム材r2が、ランバーサポート本体r1に対して左右方向に移動可能な構成が好適に実現されたものとなっている。
【0301】
ランバーサポート本体r1が、前本体部材r11と、前本体部材r11と略同じ大きさをなし前本体部材r11の背面側に取り付けられた後本体部材r12とを備えたものであり、左右のアーム材r2が、前本体部材r11と後本体部材r12との間に挟持されている。
【0302】
このため、本実施形態であれば、ランバーサポート本体r1が外観に優れた好適な構成を採り得るだけでなく、左右のアーム材r2をランバーサポート本体r1に対して左右方向に移動可能に支持し得る構成を採りやすいものとなっている。
【0303】
前本体部材r11が、左右方向に延びた板状をなす合成樹脂製の前本体ベースr111と、前本体ベースr111の前面及び周縁部を被覆する前表皮材r112とを備えたものであり、後本体部材r12が、左右方向に延びた板状をなす合成樹脂製の後本体ベースr121と、後本体ベースr121の後面及び周縁部を被覆する後表皮材r122とを備えたものである。
【0304】
このため、前表皮材r112により覆われた前本体ベースr111と、後表皮材r122により覆われた後本体ベースr121とによって、ランバーサポート本体r1が前表皮材r112及び後表皮材r122に基づいた好適な外観を発揮し得るものとなっている。
【0305】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0306】
突出部分を通過させ得る切欠部は、前規制部に設けられたものであってよい。すなわち、椅子は、着座者の腰部を支持し得るランバーサポートを背凭れに対して上下方向に位置変更可能且つ止着具を着脱させることなく着脱可能に設けたものであって、背凭れが、上下方向に延びてなる左右の側枠材と、これら左右の側枠材間に張設された張り部材とを備えたものであり、左右の側枠材に、ランバーサポートの左右両端部に設けられた被保持部を保持し得るランバーサポート保持部が配設されたものであり、被保持部が、後方に突出した単数または複数の突出部分を備えたものであり、ランバーサポート保持部が、突出部分が収容され上下方向に延びてなるとともに前方に開放された収容溝と、この収容溝の前に配設され突出部分の前方への移動を規制し得る前規制部とを備えたものであり、前規制部に、ランバーサポートを背凭れに対して着脱操作する場合に突出部分を通過させ得る切欠部が設けられているものとしてもよい。
【0307】
そして、被保持部が、上下方向に間隔を空けて配された複数の突出部分である上突出部分及び下突出部分を備えたものであり、前規制部に、上突出部分を通過させ得る切欠部である上切欠部、及び、下突出部分を通過させ得る切欠部である下切欠部が設けられているものとしてもよい。
【0308】
以下、より具体的に説明するために、他の実施形態であるランバーサポートR及びランバーサポート保持部Nについて、図63~70を参照しつつ説明する。
【0309】
他の実施形態であるランバーサポート保持部Nは、切欠部である上切欠部q11及び下切欠部q12が背フレームMとは別体に構成された保持部材Qに設けられている。
【0310】
すなわち、ランバーサポート保持部Nは、ランバーサポートRの被保持部r22に備えた複数すなわち二つの突出部分である上突出部分r221及び下突出部分r222が収容され上下方向に延びてなるとともに前方に開放された収容溝221と、収容溝22の前に配設され上突出部分r221及び下突出部分r222の前方への移動を規制し得る前規制部q1を有した保持部材Qとを備えたものである。
【0311】
保持部材Qの前規制部q1と収容溝221における側部の溝形成壁221との間には、先端に上突出部分r221、下突出部分r222、及び、突出部220を設けたランバーサポートRにおける左右のアーム材r2の被保持部r22が連通し得る上下方向に延びた連通空間scが形成されている。
【0312】
この実施形態では、保持部材Qに二つの切欠部である上切欠部q11及び下切欠部q12が形成されている。
【0313】
収容溝221は、被保持部r22に係わり合う奥の溝形成壁221a及び側部の溝形成壁221bを主体に形成されている。収容溝221は、上突出部分r221及び下突出部分r222の後側に位置する奥の溝形成壁221aと、奥の溝形成壁221aの内側部から前方に延設され上突出部分r221及び下突出部分r222の内側に位置する側部の溝形成壁221bとを備えたものである。
【0314】
この実施形態では、上述した実施形態のものとは異なり、側部の溝形成壁221bに切り欠いた部分が形成されていないものとなっている。
【0315】
保持部材Qは、上下方向に延びてなり、収容溝221の前に配設されランバーサポートRの上突出部分r221及び下突出部分r222に対して当接することにより当該上突出部分r221及び下突出部分r222の前方への移動を規制し得る前規制部q1と、前規制部q1の上端部及び下端部に連設され前後方向に貫通するねじ挿通孔h3が形成された取付部q2と、前規制部q1の外側部から後方すなわち内枠部分22方向に向かって延設され収容溝221と外枠部分21との間に配される位置決め壁q3とを備えている。
【0316】
前規制部q1は、上下方向に延びたレール状をなしている。前規制部q1は、収容溝221を形成し得る奥の溝形成壁221aとの協働によって上突出部分r221及び下突出部分r222を前後方向に挟み得るものとなっている。
【0317】
前規制部q1には、ランバーサポートRを背凭れEに対して着脱操作する場合に上突出部分r221及び下突出部分r222を通過させ得る切欠部である上切欠部q11及び下切欠部q12が設けられている。
【0318】
すなわち、前規制部q1には、ランバーサポートRを背凭れEに対して装着及び離脱する場合に、上突出部分r221を通過させ得る上切欠部q11を有するとともに下突出部分r222を通過させ得る下切欠部q12を有している。上切欠部q11及び下切欠部q12は内側方及び上方に開放されたものとなっている。
【0319】
上切欠部q11及び下切欠部q12は、前規制部q1における上下に離間して形成されている。また、上切欠部q11及び下切欠部q12は、それぞれが前規制部q1における上半部に設けられている。
【0320】
ランバーサポートRの被保持部r22には、上突出部分r221と下突出部分r222との間を繋ぐとともにアーム基部r21の外側端(すなわち外板状部分r212における横延板部r218の外側端)から外側方に向かって突出した庇状の突出部r220が設けられている。
【0321】
このため、背凭れEに対して上下動可能なランバーサポートRがランバーサポート保持部Nの上部に位置している際に、当該ランバーサポートRの上突出部分r221及び下突出部分r222が、前規制部q1における上切欠部q11及び下切欠部q12を臨む位置にあった場合であっても、ランバーサポートRがランバーサポート保持部Nから離脱し難いものとなっている。
【0322】
すなわち、仮にランバーサポートRの被保持部r22が前方に移動した場合であっても、当該被保持部r22に設けられた庇状の突出部r220が、その前方に位置する前規制部q1と係合し得ることになる。そのため、ランバーサポートRの被保持部r22における前方への移動が好適に規制されるものとなり、ランバーサポートRがランバーサポート保持部Nから離脱し難いものとなっている。
【0323】
なお、上述した実施形態と同様に、上突出部分r221と下突出部分r222の形状を異ならせるとともに、上突出部分r221に対応する上切欠部q11の形状と下突出部分r222に対応する下切欠部q12の形状を異ならせてもよいことはもちろんのことである。
【0324】
その他についても、本発明は、上述した実施形態に示したものに限られるものではないことは言うまでもない。
【0325】
張り部材は、少なくとも、左右の側枠材間に張設されたものであればよく、上述した実施形態に示されたものに限られるものではない。
【0326】
被保持部は、後方に突出した単数の突出部分のみを備えたものであってもよいし、三つ以上の複数の突出部分を備えたものであってもよい。
【0327】
前規制部は、収容溝の前に配設され突出部分の前方への移動を規制し得るものであれば、どのような構成のものであってもよい。
【0328】
切欠部は、前規制部又は側部の溝形成壁に設けられるものであり、ランバーサポートを背凭れに対して着脱操作する場合に突出部分を通過させ得るものであればよく、その具体的形状は種々設定可能であることは言うまでもない。
【0329】
被保持部を構成する上突出部分の形状は、下突出部分の形状と異なっていないものであってもよい。
【0330】
前規制部が、側枠材とは別の部材でないものであってもよい。換言すれば、前規制部が、側枠材を構成し得る一体に形成された部分であってもよい。
【0331】
ランバーサポートは、その全体が合成樹脂により一体に形成されたものであってもよい。
【0332】
例えば、ランバーサポートを構成するランバーサポート本体と左右のアーム材とが合成樹脂により一体に形成されたものであってもよい。
【0333】
ランバーサポートは、上述した実施形態に示されたような、ランバーサポート本体に対して左右のアーム材が左右方向に移動可能に支持されたものに限られるものではなく、ランバーサポート本体に対して左右のアーム材が左右方向に移動可能に支持されていないものであってもよい。
【0334】
ランバーサポート本体に設けられた第一の係合部が凸状部分よりも幅方向に長い係合孔により構成されたものであり、左右のアーム材に設けられた第二の係合部が係合孔に係合し得る凸状部分により構成されたものであってもよい。
【0335】
例えば、左右のアーム材におけるアーム基部の内板状部分に前方に突出する前突出凸状部分と後方に突出する後突出凸状部分を設け、これらをランバーサポート本体における前本体部材に設けた前突出凸状部分に対応する係合孔に係合させるとともに後本体部材に設けた後突出凸状部分に対応する係合孔に係合させるようにしてもよい。
【0336】
左右のアーム材は、前本体部材と後本体部材との間に挟持されていない構成であってもよい。
【0337】
前本体部材や後本体部材はは、表皮材が被覆されていないものであってもよい。
【0338】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0339】
E…背凭れ
2…側枠材
P…張り部材
R…ランバーサポート
N…ランバーサポート保持部
221…収容溝
221c…上切欠部(切欠部)
221d…下切欠部(切欠部)
r22…被保持部
r221…上突出部分(突出部分)
r222…下突出部分(突出部分)
q1…前規制部
図1
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