(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165040
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】荷台用カバー
(51)【国際特許分類】
B60P 7/04 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
B60P7/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070215
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】519426276
【氏名又は名称】松王 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】弁理士法人森特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松王 夏樹
(57)【要約】
【課題】
荷台の中の温度の上昇を抑制することができる荷台用カバーを提供する。
【解決手段】
車両の荷台を覆うシート状のカバーであり、カバーは、通気用の第1貫通孔と、通気用の第2貫通孔とを備えており、第1貫通孔、及び第2貫通孔は、車両の進行方向に対して、開口する幅を有する形状である車両の荷台用カバーである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷台を覆うシート状のカバーであり、
カバーは、
通気用の第1貫通孔と、
る通気用の第2貫通孔とを備えており、
第1貫通孔、及び第2貫通孔は、車両の進行方向に対して、開口する幅を有する形状である車両の荷台用カバー。
【請求項2】
第2貫通孔は、第1貫通孔を基準として、車両の進行方向に対して後ろ側に配される請求項1に記載の車両の荷台用カバー。
【請求項3】
第1貫通孔、又は第2貫通孔には、編目又は織目の粗い通気性の織編布が配置されている請求項1又は2に記載の荷台用カバー。
【請求項4】
第1貫通孔、又は第2貫通孔には、第1貫通孔、又は第2貫通孔を塞ぐことができる蓋体をさらに備える請求項1ないし3のいずれかに記載の荷台用カバー。
【請求項5】
カバーは、白色である請求項1ないし4のいずれかに記載の荷台用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の荷台を覆うシート状の荷台用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の荷台に乗せた荷物を保護したり、荷物の飛散を防止したりする目的で荷台用カバーが用いられる。
【0003】
例えば、以下の特許文献1には、軽トラックの荷台に取り付けるシート状の荷台カバーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような従来の荷台カバーでは、シート状のカバーで荷物を覆うため、荷台カバーで覆われた荷台の中の温度が上昇するという問題があった。例えば、荷台に野菜、魚介類などの生鮮食品を載せた場合には、生鮮食品が熱で傷むことがあった。また、可燃性の化学物質、可燃性の塗料、燃料、熱で硬化する塗料等を載せた場合には、火災の心配があるし、熱による変性が生じることがあった。
【0006】
特許文献1の荷台カバーは、線ファスナーにより開閉することができる切れ目が2条設けられている。この切れ目を利用して、荷台カバーを軽トラックに取り付けた状態で、荷台に荷物を載せたり、荷台から荷物を取り出したりすることができる。引用文献1の荷台カバーには、線ファスナーによる開口が設けられている。しかしながら、前記開口は、車幅方向に延びる線状であり、通気や排気に適した形状ではない。
【0007】
本発明は、荷台の中の温度の上昇を抑制することができる荷台用カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
車両の荷台を覆うシート状のカバーであり、カバーは、通気用の第1貫通孔と、通気用の第2貫通孔とを備えており、第1貫通孔、及び第2貫通孔は、車両の進行方向に対して、開口する幅を有する形状である車両の荷台用カバーにより、上記の課題を解決する。
【0009】
上記の荷台用カバーでは、車両の進行方向に対して開口する幅を有する第1貫通孔と第2貫通孔とを備えている。車両が移動すると、第1貫通孔から荷台の中に外気が取り込まれ、荷台の中の空気は第2貫通孔から荷台の外へ排出される。これにより、効率的に、荷台の中の温度の上昇が抑制される。
【0010】
上記の荷台用カバーにおいて、第2貫通孔は、第1貫通孔を基準として、車両の進行方向に対して後ろ側に配されるようにすることが好ましい。これにより、第1貫通孔から外気が荷台の中に効率的に取り込まれて、荷台の中の空気が第2貫通孔から効率的に排出される。
【0011】
上記の荷台用カバーにおいて、第1貫通孔、又は第2貫通孔には、編目又は織目の粗い通気性の織編布が配置された構成とすることができる。この構成によれば、第1貫通孔又は第2貫通孔において、通気性を確保し、しかも第1貫通孔、又は第2貫通孔を補強して、第1貫通孔、又は第2貫通孔から荷台用カバーが裂けるように破損することを防止することができる。
【0012】
上記の荷台用カバーにおいて、第1貫通孔、又は第2貫通孔には、第1貫通孔、又は第2貫通孔を塞ぐことができる蓋体をさらに備えるようにすることができる。この構成によれば、天候等の条件に応じて、第1貫通孔、又は第2貫通孔を蓋体で開閉することが可能になる。
【0013】
上記の荷台用カバーにおいて、カバーは白色にすることができる。カバーを白色にすることによって、荷台の中の温度がより上昇しにくくなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、荷台の中の温度の上昇を抑制することができる荷台用カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態に係る荷台用カバーの正面図である。
【
図2】第2実施形態に係る荷台用カバーの正面図である。
【
図3】第3実施形態に係る荷台用カバーの正面図である。
【
図4】第4実施形態に係る荷台用カバーの正面図である。
【
図5】第5実施形態に係る荷台用カバーの正面図である。
【
図6】第6実施形態に係る荷台用カバーの正面図である。
【
図7】荷台用カバーを取り付けた軽トラックを示す斜視図である。
【
図8】データロガーを取り付ける位置を示す斜視図である。
【
図9】車両が走行中における、実施例1、実施例2、又は比較例1に係る荷台用カバーを取り付けた荷台の中の温度と、外気の温度との変化を示すグラフである。横軸は時刻を示し、縦軸は温度(℃)を示す。
【
図10】停車中における、実施例1、実施例2、又は比較例1に係る荷台用カバーを取り付けた荷台の中の温度と、外気の温度との変化を示すグラフである。横軸は時刻を示し、縦軸は温度(℃)を示す。
【
図11】第1実施形態に係る荷台用カバーの背面図である。
【
図12】第1実施形態に係る荷台用カバーの平面図である。
【
図13】第1実施形態に係る荷台用カバーの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の荷台用カバーの実施形態について説明する。以下に示す各実施形態は、荷台用カバーの限られた例に過ぎず、本発明の技術的範囲は例示した実施形態に限定されるものではない。
【0017】
[第1実施形態]
本実施形態の荷台用カバー1は、
図7に示したように、軽トラック9の荷台に取り付けて使用する。この例では、軽トラック9の荷台は、
図8に示したように、四方を壁体91で囲まれており、底が床92になっており、上方が解放された開口部となってる。荷台用カバー1は、開口部を覆い隠すように軽トラックに対して、固定する。
【0018】
荷台用カバー1を軽トラックに固定する方法は特に限定されない。
図7の例では、荷台用カバー1に設けられた複数のハトメ13にゴム紐8を通して、ゴム紐8を軽トラック9に設けられた複数の掛止用の突起93に掛けて固定する。
【0019】
図1に示したように、本実施形態の荷台用カバー1は、通気用の第1貫通孔11と、通気用の第2貫通孔12を備える。第1貫通孔11、及び第2貫通孔12は、荷台の開口部を覆い隠す部分に設けられる。第1貫通孔11、及び第2貫通孔12は、車両の進行方向に交差する方向に延びる形状であり、車両の進行方向に対して、開口する幅を有する形状である。開口する幅の大きさは、開口が線状でなく、車両の進行方向に延在する大きさであればよい。例えば、開口の幅は、50~400mmとすることができる。
【0020】
第1貫通孔11、及び第2貫通孔12は、車両の進行方向に交差する方向に延びる形状とされているため、比較的に多量の空気が、第1貫通孔11から荷台の中に取り込まれて、第2貫通孔12から排出される。これによって、荷台の中の温度の上昇が効率的に抑えられる。
【0021】
線状の切れ目のような貫通孔では、開口が小さいため、多量の空気が、取り込まれにくく、排出されにくい。また、線状の切れ目のような貫通孔では、貫通孔によって、気流が乱れて風切り音が生じることがある。第1貫通孔11、及び第2貫通孔12は、車両の進行方向に対して、開口する幅を有する形状とされているため、比較的に多量の空気が、第1貫通孔11から荷台の中に取り込まれて、第2貫通孔12から排出され、風切り音も生じにくくなる。
【0022】
本実施形態の荷台用カバー1では、第2貫通孔12は、第1貫通孔11を基準として、車両の進行方向に対して後側に配される。車両が進行方向に向かって移動すると、第1貫通孔11から外気が荷台の中に効率的に取り込まれて、第2貫通孔12からは荷台の中の空気が荷台の外へと効率的に排気される。第1貫通孔11と第2貫通孔12とを上記の配置とすることにより、吸気と排気の際に、空気抵抗が生じにくく、効率的に空気の入れ替えを行うことができる。荷台用カバー1では、第1貫通孔11と第2貫通孔12との車幅方向における位置が重複するように、第1貫通孔11と第2貫通孔12とが配置される。これにより、さらに空気抵抗が低減されるように構成されている。
【0023】
本実施形態の荷台用カバー1は、軽トラックの荷台の形状に適した長方形状とされている。荷台用カバー1の縁部分は、
図1において破線で示したように、補強を目的として、折り返した状態で縫合されている。端部を折り返した状態で溶着により、処理してもよい。
【0024】
本実施形態の荷台用カバー1の平面図を
図12に示す。荷台用カバー1の底面は、平面図を基準として上下方向に対称に現れる。荷台用カバー1の左側面図を
図13に示す。荷台用カバー1の右側面図は、左側面図を基準として左右方向に対称に現れる。
【0025】
[第2実施形態]
本実施形態の荷台用カバー1bにおいては、第1貫通孔11bと第2貫通孔12bの構成が異なる。
図2に示したように、荷台用カバー1bでは、第1貫通孔11bと第2貫通孔12bとは、複数の貫通孔14bの群で構成される。第1貫通孔11b又は第2貫通孔12bは、一群の貫通孔14bを一つの孔としてみることが可能である。第1貫通孔11bと第2貫通孔12bとは、車両の進行方向に開口する幅を有する。車両が前方に進むと、第1貫通孔11bから荷台の中に取り込まれて、第2貫通孔12bから排出される。これによって、荷台の中の温度の上昇が効率的に抑えられる。
【0026】
[第3実施形態]
本実施形態の荷台用カバー1cでは、
図3に示したように、第1貫通孔、及び第2貫通孔の孔を覆うように、織目の粗い通気性の織布(メッシュ)を配置している。織布は、編目の粗い通気性の編布にしてもよい。
【0027】
第1貫通孔11c、及び第2貫通孔12cに、通気性の織編布15cを配置することにより、第1貫通孔11c、及び第2貫通孔12cの通気性を喪失させることなく、第1貫通孔11c、及び第2貫通孔12cを簡易な構成で補強することができる。また、第1貫通孔11c、又は第2貫通孔12cから、ゴミなどの不要物が荷台の中に侵入しないようにすることができる。車両が前方に進むと、第1貫通孔11cから荷台の中に取り込まれて、第2貫通孔12cから排出される。これによって、荷台の中の温度の上昇が効率的に抑えられる。
【0028】
[第4実施形態]
本実施形態の荷台用カバー1dでは、
図4に示したように、第1貫通孔11d、及び第2貫通孔12dが、車幅方向における一端部から他端部に至るまで連続するように設けられている。第1貫通孔11d、及び第2貫通孔には、通気性の織編布が設けられている。
【0029】
本実施形態の荷台用カバー1dでは、第1貫通孔11d、第2貫通孔12dを設けるに際して、貫通孔の寸法管理、貫通孔を設ける位置の精度の管理、貫通孔の縁の処理などを簡易化することができる。すなわち、
図4に示したように、カバーの第1部分21と、第1織編布151と、カバーの第2部分22の一端部とを縫合し、カバーの第2部分22の他端部と、第2織編布152と、カバーの第3部分23とを縫合することによって、第1貫通孔11dと第2貫通孔12dとを構成することができる。
【0030】
車両が前方に進むと、第1貫通孔11dから荷台の中に取り込まれて、第2貫通孔12dから排出される。これによって、荷台の中の温度の上昇が効率的に抑えられる。
【0031】
[第5実施形態]
本実施形態の荷台用カバー1eでは、
図5に示したように、第1貫通孔11e、及び第2貫通孔12eを塞ぐ、蓋体3eが設けられている。荷台用カバー1eの第1貫通孔11eと、第2貫通孔12eの縁部には、長手方向に沿って、固定部31eとして面ファスナーが2条設けられている。蓋体3eにも対応する固定部として面ファスナーが2条設けられている。面ファスナーを利用して、蓋体3eを第1貫通孔11e又は第2貫通孔12eに付けたり外したりすることができるようにされている。蓋体3eにより、第1貫通孔11e、又は第2貫通孔12eを閉じることにより、雨水や、ゴミなどの不要物の荷台への侵入を防ぐことができる。
【0032】
蓋体3eを取り外した状態で、車両が前方に進むと、第1貫通孔11eから荷台の中に取り込まれて、第2貫通孔12eから排出される。これによって、荷台の中の温度の上昇が効率的に抑えられる。
【0033】
[第6実施形態]
本実施形態の荷台用カバー1fでは、
図6に示したように、第1貫通孔11f、及び第2貫通孔12fを塞ぐ、蓋体3fが設けられている。蓋体3fの一端部は、第1貫通孔11f、又は第2貫通孔12fの一端部に縫合によって固定されている。蓋体の他端部には、固定部31fとして面ファスナーが設けられている。第1貫通孔11f、又は第2貫通孔12fにも対応する固定部31fとして面ファスナーが設けられている。縫合部を支点として、蓋体3fを回動させることにより、第1貫通孔11f、又は第2貫通孔12fを開閉できるようにしている。これにより、雨水や、ゴミなどの不要物の荷台への侵入を防ぐことができる。
【0034】
蓋体3fを開いた状態で、車両が前方に進むと、第1貫通孔11fから荷台の中に取り込まれて、第2貫通孔12fから排出される。これによって、荷台の中の温度の上昇が効率的に抑えられる。蓋体11fは、カバー1fに縫着されているため、紛失のおそれがない。
【0035】
本発明の荷台用カバーの構成は、上記の各実施形態の荷台用カバーに限定されない。例えば、以下のような構成としてもよい。
【0036】
荷台用カバーには、第1貫通孔、及び第2貫通孔に加えて、さらに貫通孔を設けてもよい。雨天の際に荷物が濡れるのを忌避する場合には、追加の貫通孔は省略することが好ましい。
【0037】
荷台用カバーの素材は、特に限定されず、綿で構成された布地、合成樹脂製のシートなど公知の荷台用カバーと同様の素材を使用することができる。荷台用カバーの素材としては、重帆布と呼ばれる厚手の綿帆布、ターポリンなどの防水性を備えるシート状の素材を使用することが好ましい。
【0038】
荷台用カバーを適用する車両の種類は、特に限定されず、荷台を有する車両であればよい。軽トラック、トラック、貨物電車などが挙げられる。
【0039】
荷台の形状は、荷台に骨組みを組んだ幌車であってもよいし、
図7のように壁体91を備える荷台であってもよい。
【0040】
荷台用カバーの形状は、長方形に限定されず、適用する荷台の形状に合わせて変更することができる。
【0041】
第1貫通孔、又は第2貫通孔の形状は、車両の進行方向に対して、開口する幅を有する形状であればよい。例えば、第1貫通孔、又は第2貫通孔は、長方形、楕円形、円形、三角形などの多角形にすることができる。
【実施例0042】
以下、荷台用カバーの実施例を示す。以下に示す各実施例は、荷台用カバーの限られた例に過ぎず、本発明の技術的範囲は例示した実施例に限定されるものではない。
【0043】
[実施例1]
使用する合成樹脂のシートとしてホワイトカラーを選定し、1.8m×2.2mの長方形の荷台用カバーを作製した。荷台用カバーの形状は、
図1に示した通りであり、第1貫通孔と第2貫通孔とを車両の進行方向に対して前後方向に間隔を空けて配置している。第1貫通孔と第2貫通孔とは、車幅方向の中央に配置されており、車幅方向における位置が一致する。第1貫通孔、及び第2貫通孔のサイズは、600mm×20mmの長方形である。荷台用カバーの縁には、複数のハトメが設けられている。
【0044】
[実施例2]
荷台用カバーの生地を緑色のものに変更した点以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る荷台用カバーを作製した。
【0045】
[比較例1]
第1貫通孔、及び第2貫通孔を設けていない、市販の緑色の荷台用カバーを比較例1に係る荷台用カバーとした。
【0046】
[走行時における温度変化]
実施例1に係る荷台用カバー、実施例2に係る荷台用カバー、比較例1に係る荷台用カバーをそれぞれ、複数台の軽トラックの荷台に対してゴム紐を利用して取り付けて、
図7に示したように、荷台の開口部を完全に覆い隠した状態とした。この状態で複数台の軽トラックを10分間走行させて、10分間停止させるサイクルを複数回繰り返し、外気の温度と荷台の中の温度とを記録した。
【0047】
外気の測定は、次のようにして記録した。
図8において符号Aで示したように、軽トラックの荷台の外に測定時刻と測定した気温とを対にして、記録することができるデータロガーを固定して、外気温を記録した。荷台の中の温度の測定は、次のようにして記録した。
図7において符号Bで示したように、軽トラックの荷台の中ほどに紐を架け渡して、紐の中央に前記データロガーを固定して、荷台の中の気温を記録した。
【0048】
測定した気温の履歴を
図9のグラフに示す。
図9のグラフに示されているように、軽トラックが走行を始めると、実施例1の荷台用カバー、及び実施例2の荷台用カバーにおいて、荷台の中の温度が低下し、30℃を下回る程度まで低下した。一方、比較例1の荷台用カバーにおいては、軽トラックが走行し始めると荷台の中の温度は低下するものの、低下の程度は、実施例1の荷台用カバー、又は実施例2の荷台用カバーに比して、小さかった。白色の実施例1に係る荷台用シートでは、
図9のグラフに示したように、緑色の実施例2の荷台用シートに比して、荷台の中の温度がより低くなった。
【0049】
[停車時における温度変化]
上記と同様の方法で、実施例1に係る荷台用カバー、実施例2に係る荷台用カバー、比較例1に係る荷台用カバーをそれぞれ、複数台の軽トラックの荷台に対して固定した。軽トラックは走行させず、停車時おける外気温と荷台の中の気温とを測定した。データロガーを取り付ける位置は、上記と同様にした。結果を
図10のグラフに示す。
【0050】
図10のグラフに示したように、第1貫通孔と第2貫通孔とを設けた実施例1及び実施例2の荷台用カバーを取り付けた軽トラックの荷台の中の気温は、比較例1の荷台用カバーを取り付けた軽トラックの荷台の中の気温に比して、低く保たれることがわかる。実施例2に比して、白色である実施例1の荷台用カバーでは、荷台の温度がより低くなっていることがわかる。