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  • 特開-装身具用連結具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165095
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】装身具用連結具
(51)【国際特許分類】
   A44C 25/00 20060101AFI20221024BHJP
   A44B 99/00 20100101ALI20221024BHJP
【FI】
A44C25/00 B
A44B99/00 601Q
A44B99/00 611E
A44B99/00 611N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070295
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】520058169
【氏名又は名称】一般社団法人オリジナルジュエリー協会
(74)【代理人】
【識別番号】100180079
【弁理士】
【氏名又は名称】亀卦川 巧
(74)【代理人】
【識別番号】230101177
【弁護士】
【氏名又は名称】木下 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】230116702
【弁護士】
【氏名又は名称】物部 康雄
(72)【発明者】
【氏名】植竹 繁利
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114EB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】連結状態と非連結状態の切替えが容易で、連結状態が不意に解除され難い装身具用連結具を提供すること。
【解決手段】装身具用連結具10は、挿入部材62を基部12の開口部から孔14に挿入すると、挿入部材62が柱状部材42を他端方向に移動させるとともに第二弾性体34を圧縮し、挿入部材62の凹部64にロック部材52が嵌合する位置に達したとき、スライド部材22が第一弾性体32によって開口部方向に移動するとともに、ロック部材52を基部12の孔14の径方向内側に押し出してロック部材52と凹部64を嵌合させ、基部12と挿入部材62を連結状態とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の軸方向に孔が形成され、少なくとも一端に前記孔に連通する開口部と、前記孔に径方向から連通する少なくとも1つの側孔と、第一連結部を具えた基部と
前記基部の径方向外側に設けられ、前記基部に対し、軸方向に進退動可能で、前記開口部側に拡開する拡開内孔部を具えたスライド部材と、
前記基部とスライド部材の間に設けられ、前記スライド部材を前記開口部方向に付勢する第一弾性体と、
前記孔の内部を軸方向に進退動可能な柱状部材と、
前記基部と柱状部材の間に設けられ、前記柱状部材を前記開口部方向に付勢する第二弾性体と、
前記側孔内部に配設され、該側孔内部を軸方向に進退動可能なロック部材と、
前記孔に前記開口部から挿入可能で、第二連結部と、前記ロック部材が嵌合可能な凹部を週方向の少なくとも一部に具えた挿入部材を具え、
前記挿入部材を前記開口部から前記孔に挿入すると、前記挿入部材が前記柱状部材を他端方向に移動させるとともに前記第二弾性体を圧縮し、前記凹部に前記ロック部材が嵌合する位置に達したとき、前記スライド部材が前記第一弾性体によって前記開口部方向に移動するとともに、前記ロック部材を前記孔の径方向内側に押し出して前記ロック部材と前記凹部を嵌合させ、前記基部と挿入部材を連結状態とし、
前記連結状態から、前記スライド部材を他端方向に移動させ、前記ロック部材が前記拡開内孔部に対応する位置にあるときに、前記挿入部材を前記孔から引き抜くと、前記挿入部材が前記ロック部材を前記孔の径方向外側に押し出して、前記挿入部材が前記孔から引き抜かれるとともに、前記柱状部材が前記第二弾性体によって前記開口部方向に移動して、前記ロック部材の前記孔の径方向内側への移動を係止して、前記基部と挿入部材を非連結状態とする、
装身具用連結具。
【請求項2】
前記基部が、前記スライド部材と係合し、該スライド部材の前記開口部方向への移動を掛止する第一掛止部材をさらに具える、請求項1の装身具用連結具。
【請求項3】
前記柱状部材が、前記基部と係合し、該柱状部材の前記開口部方向への移動を掛止する第二掛止部材をさらに具える、請求項1又は2の装身具用連結具。
【請求項4】
前記柱状部材又は基部の一方が、軸方向に設けられた少なくとも一本の溝を具え、
前記柱状部材又は基部の他方が、前記溝の内部を摺動する摺動部をさらに具える、請求項1から3のいずれかに記載の装身具用連結具。
【請求項5】
鎖状の装身具の一方の端部が前記第一連結部に連結され、他方の端部が前記第二連結部に連結されている、請求項1から4のいずれかに記載の装身具用連結具を具えた装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、ネックレスやブレスレットのような、鎖や紐を含む鎖状の装身具の両端を連結する連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鎖状の装身具の両端を連結又は解除するために、開閉部材を具えたC環が用いられている。このタイプの連結具では、C環の開閉部材を開状態とし、C環に輪を通し又は外す、というものが通常である。しかし、このような連結具は、開閉部材を指先で操作し難く、装身具の連結又は解除がし難いという問題がある。そこで、以下のような連結具が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-84613号公報
【特許文献2】特開2000-279219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、収納穴を具えた外殻部材と、この収納穴に内嵌された係合体と、外殻部材の内部で係合体をスライド自在に保持するガイド体と、装飾用鎖状体の係止部を具え、収納穴内にはテーパー面が形成され、係合体にはピンを挿入するピン穴を形成するとともにテーパー面に対応する部位にピン穴まで貫通した孔部を設け、孔部内には球体を転動自在に収容し、係合体とガイド体間には球体をテーパー面に圧接する方向に係合体を付勢するバネ体を設けた連結具が開示されている。
【0005】
特許文献1の連結具によれば、ピン体を係合体内のピン穴に圧入すると、球体を押しのけて侵入し、球体に挟まれ、ピン体を抜こうとしても、球体がバネ体によってテーパー面に押圧され、ピン体を強く係止する。一方で、連結状態を解除するときは、係合体を外殻部材内に押し込むことにより、球体がテーパー面から離れ、ピン体からも離れるので、ピン体を抜くことができるとされている。
【0006】
特許文献2には、棒体の先端に略半球状からなる頭部を形成し、その後方における外周部には係止溝部が形成されたオス型部材と、オス型部材を挿入可能な筒体からなるメス型部材とから構成され、筒体の孔部に遊動球と遊動球を付勢するバネを収納すると共に窓部を開口し、係止爪部と支持爪部を形成した開閉レバーを窓部から挿入して筒体に枢動可能に軸支した連結具が開示されている。
【0007】
特許文献2の連結具によれば、オス型部材の先端をメス型部材に挿入するとき、係止爪部がオス型部材の頭部によって押しのけられ、その後、バネの付勢力によって係止溝部と嵌合して連結状態となり、開閉レバーの一端をメス型部材側に押すと、バネが圧縮されるとともに係止爪部が係止溝部から離れるので、オス型部材をメス型部材から引き抜くことができるとされている。
【0008】
しかし、特許文献1の連結具は、連結状態を解除するときに、係合体を外殻部材内に押し込む必要があり、連結具を小型化すると、当該操作がし難くなり、連結状態を解除し難いという問題がある。また、特許文献2の連結具では、装身具を身に付けているときに、開閉レバーが物との接触などによりメス型部材側に押されてしまうと、係止爪部と係止溝部の嵌合状態が解除されてしまう可能性があり、連結状態が不意に解除されてしまい易いという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、連結状態と非連結状態の切替えが容易で、連結状態が不意に解除され難い装身具用連結具を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、内部の軸方向に孔が形成され、少なくとも一端に前記孔に連通する開口部と、前記孔に径方向から連通する少なくとも1つの側孔と、第一連結部を具えた基部と
前記基部の径方向外側に設けられ、前記基部に対し、軸方向に進退動可能で、前記開口部側に拡開する拡開内孔部を具えたスライド部材と、
前記基部とスライド部材の間に設けられ、前記スライド部材を前記開口部方向に付勢する第一弾性体と、
前記孔の内部を軸方向に進退動可能な柱状部材と、
前記基部と柱状部材の間に設けられ、前記柱状部材を前記開口部方向に付勢する第二弾性体と、
前記側孔内部に配設され、該側孔内部を軸方向に進退動可能なロック部材と、
前記孔に前記開口部から挿入可能で、第二連結部と、前記ロック部材が嵌合可能な凹部を週方向の少なくとも一部に具えた挿入部材を具え、
前記挿入部材を前記開口部から前記孔に挿入すると、前記挿入部材が前記柱状部材を他端方向に移動させるとともに前記第二弾性体を圧縮し、前記凹部に前記ロック部材が嵌合する位置に達したとき、前記スライド部材が前記第一弾性体によって前記開口部方向に移動するとともに、前記ロック部材を前記孔の径方向内側に押し出して前記ロック部材と前記凹部を嵌合させ、前記基部と挿入部材を連結状態とし、
前記連結状態から、前記スライド部材を他端方向に移動させ、前記ロック部材が前記拡開内孔部に対応する位置にあるときに、前記挿入部材を前記孔から引き抜くと、前記挿入部材が前記ロック部材を前記孔の径方向外側に押し出して、前記挿入部材が前記孔から引き抜かれるとともに、前記柱状部材が前記第二弾性体によって前記開口部方向に移動して、前記ロック部材の前記孔の径方向内側への移動を係止して、前記基部と挿入部材を非連結状態とする装身具用連結具によって前記課題を解決した。
【発明の効果】
【0011】
本発明の装身具用連結具によれば、挿入部材を基部の開口部から孔に挿入すると、挿入部材が柱状部材を他端方向に移動させるとともに第二弾性体を圧縮し、挿入部材の凹部にロック部材が嵌合する位置に達したとき、スライド部材が第一弾性体によって開口部方向に移動するとともに、ロック部材を基部の孔の径方向内側に押し出してロック部材と凹部を嵌合させ、基部と挿入部材を連結状態とし、その連結状態から、スライド部材を他端方向に移動させ、ロック部材がスライド部材の拡開内孔部に対応する位置にあるときに、挿入部材を基部の孔から引き抜くと、挿入部材がロック部材を基部の孔の径方向外側に押し出して、挿入部材が孔から引き抜かれるとともに、柱状部材が第二弾性体によって開口部方向に移動して、ロック部材の孔の径方向内側への移動を係止して、基部と挿入部材を非連結状態とすることができるので、連結状態と非連結状態の切替えが容易で、連結状態が不意に解除され難い。
【0012】
また、基部が、スライド部材と係合し、スライド部材の開口部方向への移動を掛止する第一掛止部材をさらに具える構成とすれば、スライド部材が第一弾性体によって付勢されて基部から不意に外れることを防止することができる。
【0013】
また、柱状部材が、基部と係合し、柱状部材の開口部方向への移動を掛止する第二掛止部材をさらに具える構成とすれば、柱状部材が第二弾性体によって付勢されて基部の孔から不意に抜け落ちることを防止することができる。
【0014】
また、柱状部材又は基部の一方が、軸方向に設けられた少なくとも一本の溝を具え、柱状部材又は基部の他方が、前記溝の内部を摺動する摺動部をさらに具える構成とすれば、基部の孔内における柱状部材の軸方向移動が案内されるので、柱状部材が基部の孔内で引っ掛かることを防止することができ、連結状態と非連結状態を円滑に切換え易い。
【0015】
本発明の装身具用連結具の第一連結部に鎖状の装身具の一方の端部を連結し、第二連結部に他方の端部を連結すれば、連結状態と非連結状態の切替えが容易で、連結状態が不意に解除され難い装身具とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一実施形態の装身具用連結具の連結状態の縦断面図。
図2図1の状態から非連結状態への移行期の縦断面図。
図3図1の非連結状態の縦断面図。
図4】本発明の第二実施形態の装身具用連結具の連結状態の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図1~4を参照して説明する。但し、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0018】
図1に示す装身具用連結具10は、主に、基部12、スライド部材22、柱状部材42、ロック部材52、及び挿入部材62で構成されている。装身具用連結具10は、後述する基部12の軸に対し、基本的に対称の構成とすることができる。基部12、スライド部材22、柱状部材42、ロック部材52、及び挿入部材62は、公知の樹脂部材や金属部材で形成すればよい。なお、以下に説明する例では、基部12、スライド部材22、柱状部材42、ロック部材52、及び挿入部材62は、断面円形又は環状であるが、このような形状に限られるものではない。
【0019】
基部12は、その内部の軸方向に孔14が形成されており、その一端には、孔14に連通する開口部15(図3参照)が形成されている。また、基部12には、孔14に対し、径方向から連通する側孔16が形成されている。側孔16は、少なくとも1つ形成されていればよい。基部12には、他端からキャップ17が嵌め込まれている。キャップ17には、第一連結部18が形成されている。なお、基部12とキャップ17が一体的に形成されるように構成することも可能である。
【0020】
スライド部材22は、基部12の径方向外側に、基部12を囲繞するように設けられている。スライド部材22は、基部12に対し、軸方向に進退動可能に構成されている。また、スライド部材22は、基部12の開口部15側に向けて拡開する拡開内孔部24を具えている。拡開内孔部24は、少なくともロック部材52に対応する位置に設けられていればよいが、装身具用連結具10では、スライド部材22の内周全周に亘って設けられているテーパ状のものである。
【0021】
基部12とスライド部材22の間には、スライド部材22を開口部15方向に付勢する第一弾性体32が設けられている。ここで、基部12が、スライド部材22と係合し、スライド部材22の開口部15方向への移動を掛止する第一掛止部材19を具えていれば、スライド部材22が第一弾性体32によって付勢されて基部12から不意に外れることを防止することができる。
【0022】
基部12の孔14の内部には、柱状部材42が配設されている。柱状部材42は、孔14の内部を軸方向に進退動可能に構成されている。基部12と柱状部材42の間には、柱状部材42を開口部15方向に付勢する第二弾性体34が設けられている。ここで、柱状部材42が、基部12と係合し、柱状部材42の開口部15方向への移動を掛止する第二掛止部材44をさらに具えていれば、柱状部材42が第二弾性体34によって付勢されて基部12の孔14から不意に抜け落ちることを防止することができる。
【0023】
なお、第一・第二弾性体32,34としては、図示しているようなコイルばねを適用することができるが、スライド部材22や柱状部材42を付勢することができるものであれば、コイルばねに限らず適用することができる。
【0024】
基部12の側孔16の内部には、それぞれ、側孔16の内部を軸方向に進退動可能なロック部材52が配設されている。装身具用連結具10では、ロック部材52は球体である。
【0025】
挿入部材62は、基部12の孔14に開口部15から挿入可能な形状で形成されている。挿入部材62には、第二連結部66と、ロック部材52が嵌合可能な凹部64がその周方向の全体に亘って設けられている。なお、凹部64は、挿入部材62の周方向の少なくとも一部に設けられた構成としてもよい。鎖状の装身具(図示省略)の一方の端部を第一連結部18に連結し、他方の端部を第二連結部66に連結することにより、装身具用連結具10を具えた装身具とすることができる。
【0026】
図1に示されている連結状態の装身具用連結具10は、以下のようにして非連結状態とすることができる。まず、スライド部材22を他端方向(図中左方向)に移動させ、ロック部材52がスライド部材22の拡開内孔部24に対応する位置にあるときに、挿入部材62を基部12の孔14から引き抜く方向に移動させる。このときの状態を示したのが図2である。このとき、第一弾性体32は圧縮されている。
【0027】
図2に示されている状態では、ロック部材52がスライド部材22の拡開内孔部24に対応する位置にあるため、ロック部材52は、側孔16の内部を、孔14の径方向外側に移動可能な状態となる。ここで、挿入部材62を基部12の孔14から引き抜く方向に移動させると、挿入部材62の凹部64とロック部材52が係合し、ロック部材52を基部12の孔14の径方向外側に押し出すので、ロック部材52と凹部64の嵌合状態が解除され、挿入部材62を孔14から引き抜くことができる。
【0028】
このとき、同時に、第二弾性体34によって開口部15方向に付勢されている柱状部材42が、挿入部材62の移動にともなって開口部15方向に移動する。柱状部材42が、側孔16を塞ぐ位置まで移動すると、ロック部材52の孔14の径方向内側への移動が柱状部材42によって係止される。挿入部材62が孔14から殆ど引き抜かれた状態を示しているのが、図3である。このようにして、基部12と挿入部材62は非連結状態となる。このとき、スライド部材22は、第一弾性体32によって、開口部15方向に付勢されているが、拡開内孔部24に接しているロック部材52の孔14の径方向内側への移動が柱状部材42によって係止されているため、スライド部材22は、開口部15方向に移動することができない。
【0029】
図3に示す非連結状態から連結状態に切り換えるためには、連結状態から非連結状態への動きと逆の動きをする。具体的には、図3に示す状態から、挿入部材62を開口部15から孔14に挿入すると、挿入部材62が柱状部材42を他端方向に移動させるとともに第二弾性体34を圧縮する。このとき、図示しているように、開口部15が孔14に比べて拡開している構成とすることにより、挿入部材62を孔14に挿入し易くすることができるので、非連結状態から連結状態にし易い。
【0030】
図2に示すように、挿入部材62の凹部64がロック部材52の位置に達し始めると、第一弾性体32によって付勢されているスライド部材22が開口部15方向に移動し、拡開内孔部24でロック部材52を基部12の孔14の径方向内側に押し出す。挿入部材62の凹部64がロック部材52の位置に完全に達すると、ロック部材52が凹部64に嵌合して、基部12と挿入部材62が連結状態となり、図1に示す状態となる。この状態で、挿入部材62が孔14から引き抜かれる方向に移動しようとしても、ロック部材52と凹部64は嵌合しており、また、ロック部材52の孔14の径方向外側への移動はスライド部材22によって係止されているため、挿入部材62は、孔14から抜けることがない。
【0031】
装身具用連結具10では、球体のロック部材52と、湾曲形状の凹部64の組合せであるが、例えば、球体のロック部材と断面三角状の溝の凹部、断面楕円状のロック部材と湾曲形状又は断面三角形状の溝の凹部、杭状のロック部材と断面三角形状の溝の凹部など、上述した動作を実現できるものであれば、これらの形状は適宜変更することができる。
【0032】
図示しているように、挿入部材62の外周面に凹状の第一湾曲部68が形成されていれば、挿入部材62を指で摘み易くすることができる。また、スライド部材22の外周面に凹状の第二湾曲部26が形成されていれば、スライド部材22も指で摘み易くすることができる。
【0033】
図4に示すように、柱状部材42が、軸方向に設けられた溝46を具え、基部12が溝46の内部を摺動する摺動部13を具える構成とすれば、基部12の孔14内における柱状部材42の軸方向移動が案内されるので、柱状部材42が基部12の孔14内で引っ掛かることを防止することができ、連結状態と非連結状態を円滑に切換え易くすることができる。溝46は、基部12に設けてもよく、この場合、摺動部13は柱状部材42に設けられる。溝46と摺動部13は、少なくとも1つ設けられていればよいが、図示しているように、複数設けるのがよい。
【0034】
以上に説明したように、本発明によれば、連結状態と非連結状態の切替えが容易で、連結状態が不意に解除され難い装身具用連結具を提供することができる。
【符号の説明】
【0035】
10,10a 装身具用連結具
12 基部
13 摺動部
14 孔
15 開口部
16 側孔
18 第一連結部
19 第一掛止部材
22 スライド部材
24 拡開内孔部
32 第一弾性体
34 第二弾性体
42 柱状部材
44 第二掛止部材
46 溝
52 ロック部材
62 挿入部材
64 凹部
66 第二連結部
図1
図2
図3
図4