(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165134
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】製品管理システム、製品管理方法、及び製品管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20221024BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20221024BHJP
G06K 7/00 20060101ALI20221024BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20221024BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
G06Q50/04
B65G1/137 A
G06K7/00 004
G06K7/10 472
G06K7/10 244
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070366
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 裕二
【テーマコード(参考)】
3C100
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA34
3C100BB02
3C100BB15
3C100BB25
3C100BB33
3C100CC02
3C100DD05
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3C100DD14
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3C100DD32
3F522BB01
3F522CC09
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3F522EE16
3F522GG13
3F522GG23
3F522HH02
3F522HH12
3F522HH22
3F522JJ02
3F522LL58
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】情報記憶媒体を用いた製品管理において、記憶媒体の破損を検出しつつ、製品の過不足の判定精度を向上させることができる。
【解決手段】搬送する製品に付された第1情報記憶媒体から読み出した前記製品を識別する識別情報を含む第1識別情報を生成する第1読出部と、前記製品に付された第2情報記憶媒体から読み出した前記識別情報を含む第2識別情報を生成する第2読出部と、前記第1識別情報と前記第2識別情報の少なくとも一方に含まれる前記識別情報を抽出した統合識別情報を生成する統合部と、搬送予定の製品の前記識別情報を含む搬送製品リストを取得する取得部と、前記搬送製品リストと前記統合識別情報を比較し、前記搬送する製品の過不足を判定する管理部と、前記第1識別情報と前記第2識別情報を比較し、前記第1情報記憶媒体及び前記第2情報記憶媒体の破損の可能性を判定する破損判定部と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送する製品に付された第1情報記憶媒体から読み出した前記製品を識別する識別情報を含む第1識別情報を生成する第1読出部と、
前記製品に付された第2情報記憶媒体から読み出した前記識別情報を含む第2識別情報を生成する第2読出部と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報の少なくとも一方に含まれる前記識別情報を抽出した統合識別情報を生成する統合部と、
搬送予定の製品の前記識別情報を含む搬送製品リストを取得する取得部と、
前記搬送製品リストと前記統合識別情報を比較し、前記搬送する製品の過不足を判定する管理部と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報を比較し、前記第1情報記憶媒体及び前記第2情報記憶媒体の破損の可能性を判定する破損判定部と、
を有する製品管理システム。
【請求項2】
前記管理部は、前記搬送製品リストの前記識別情報の全てが前記統合識別情報に含まれ、かつ前記統合識別情報の前記識別情報の全てが前記搬送製品リストに含まれるとき、前記搬送する製品に過不足はないと判定する
請求項1記載の製品管理システム。
【請求項3】
前記破損判定部は、
前記第1識別情報に含まれるが前記第2識別情報には含まれない前記識別情報に対応する製品に付された前記第2情報記憶媒体が破損している可能性があると判定し、
前記第2識別情報に含まれるが前記第1識別情報には含まれない前記識別情報に対応する製品に付された前記第1情報記憶媒体が破損している可能性があると判定する
請求項1又は2記載の製品管理システム。
【請求項4】
前記管理部は、前記搬送製品リストに含まれるが前記統合識別情報に含まれない前記識別情報に対応する製品が、前記搬送する製品に不足していると判定する
請求項1記載の製品管理システム。
【請求項5】
前記管理部は、前記搬送製品リストに含まれないが前記統合識別情報に含まれる前記識別情報に対応する製品が、前記搬送すべき製品ではないと判定する
請求項1記載の製品管理システム。
【請求項6】
前記第1情報記憶媒体は、前記識別情報を記憶したICチップを有するRFタグであり、前記第2情報記憶媒体は、印刷されたコードに識別情報が含まれるコード媒体である
請求項1記載の製品管理システム。
【請求項7】
前記コード媒体のコードは、一次元コード又は二次元コードを含む
請求項6記載の製品管理システム。
【請求項8】
前記第1読出部は、前記RFタグから前記識別情報を読み出すRFIDリーダを備え、
前記第2読出部は、前記コード媒体を撮影する撮影装置を備え、前記撮影装置が撮影した画像データから、前記コードを検出し、前記識別情報を読み出す
請求項6記載の製品管理システム。
【請求項9】
前記第1情報記憶媒体の破損の要因と、前記第2情報記憶媒体の破損の要因は、それぞれ異なる要因である
請求項1記載の製品管理システム。
【請求項10】
搬送する製品に付された第1情報記憶媒体から読み出した前記製品を識別する識別情報を含む第1識別情報を生成する工程と、
前記製品に付された第2情報記憶媒体から読み出した前記識別情報を含む第2識別情報を生成する工程と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報の少なくとも一方に含まれる前記識別情報を抽出した統合識別情報を生成する工程と、
搬送予定の製品の前記識別情報を含む搬送製品リストを取得する工程と、
前記搬送製品リストと前記統合識別情報を比較し、前記搬送する製品の過不足を判定する工程と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報を比較し、前記第1情報記憶媒体及び前記第2情報記憶媒体の破損の可能性を判定する工程と、
を有する製品管理方法。
【請求項11】
搬送する製品に付された第1情報記憶媒体から読み出した前記製品を識別する識別情報を含む第1識別情報を生成する処理と、
前記製品に付された第2情報記憶媒体から読み出した前記識別情報を含む第2識別情報を生成する処理と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報の少なくとも一方に含まれる前記識別情報を抽出した統合識別情報を生成する処理と、
搬送予定の製品の前記識別情報を含む搬送製品リストを取得する処理と、
前記搬送製品リストと前記統合識別情報を比較し、前記搬送する製品の過不足を判定する処理と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報を比較し、前記第1情報記憶媒体及び前記第2情報記憶媒体の破損の可能性を判定する処理とを、
管理装置が有するプロセッサに実行させる製品管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品管理システム、製品管理方法、及び製品管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報記憶媒体を用いた製品管理が増加している。製品又は製品の梱包に貼り付けられた情報記憶媒体を読み取ることで、当該製品を識別し、管理することができる。
【0003】
情報記憶媒体としては、例えば、RFID(Radio Frequency IDentifier)がある。ユーザは、情報を記憶したIC(Integrated Circuit)チップを有するRFタグを、専用のリーダでスキャンすることで、情報を読み出すことができる。RFIDでは、複数のRFタグを同時にスキャンすることができる。
【0004】
また、情報記憶媒体としては、例えば、バーコードなどの一次元コードや、QR(Quick Response)コードなどの二次元コードなどに代表される、コード媒体がある。ユーザは、カメラなどでコードを読み取り、記憶された情報を読み出すことができる。
【0005】
記憶媒体を用いた製品管理に関する技術は、以下の先行技術文献に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-95529号公報
【特許文献2】特開2015-168544号公報
【特許文献3】特開2006-027773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ユーザは、情報記憶媒体からの情報読み出しを失敗する場合がある。例えば、RFIDは、専用のリーダとの間で電波を用いて情報を送受信するため、電波の状態や、遮蔽物の状況によっては、リーダが電波を適切に受信できず、情報の取得に失敗する場合がある。
【0008】
また、コード媒体は、カメラで取得した画像から情報を取得するため、周辺の明るさ、他の物の影、及び撮影角度などによっては、適切な画像を取得できず、情報の取得に失敗する場合がある。
【0009】
また、情報記憶媒体は、破損により、情報の読み出しができなくなる場合がある。例えば、RFタグ内のICチップは、熱により破損したり、加圧によって折れ曲がることで破損したりする。また、コード媒体は、汚れや擦れによって破損する。
【0010】
ユーザは、製品管理において、例えば、何らかの要因である製品の情報が読み出せなかったとき、製品が不足しているのか、あるいは製品は不足してないが情報の読み出しに失敗したのか、判定することは困難である。このような場合、ユーザは、実際には製品に不足はないが、製品が不足していると誤って判定してしまう場合がある。
【0011】
そこで、一開示は、情報記憶媒体を用いた製品管理において、記憶媒体の破損を検出しつつ、製品の過不足の判定精度を向上させる、製品管理システム、製品管理方法、及び製品管理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
搬送する製品に付された第1情報記憶媒体から読み出した前記製品を識別する識別情報を含む第1識別情報を生成する第1読出部と、前記製品に付された第2情報記憶媒体から読み出した前記識別情報を含む第2識別情報を生成する第2読出部と、前記第1識別情報と前記第2識別情報の少なくとも一方に含まれる前記識別情報を抽出した統合識別情報を生成する統合部と、搬送予定の製品の前記識別情報を含む搬送製品リストを取得する取得部と、前記搬送製品リストと前記統合識別情報を比較し、前記搬送する製品の過不足を判定する管理部と、前記第1識別情報と前記第2識別情報を比較し、前記第1情報記憶媒体及び前記第2情報記憶媒体の破損の可能性を判定する破損判定部と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
上記の本発明の一つの実施の形態によれば、情報記憶媒体を用いた製品管理において、記憶媒体の破損を検出しつつ、製品の過不足の判定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、製品管理システム1の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、製品管理システム1のハードウェア構成の例を示す図である。
【
図3】
図3は、製品管理システム1のソフトウェア構成の例を示す図である。
【
図4】
図4は、製品管理処理のシーケンスの例を示す図である。
【
図5】
図5は、コード識別情報L1、RF識別情報L2、及び統合識別情報L3の例を示す図である。
【
図6】
図6は、過不足判定処理S23の処理フローチャートの例を示す図である。
【
図7】
図7は、統合識別情報L3、搬送製品リストL4、及び過不足判定結果の例を示す図である。
【
図8】
図8は、情報記憶媒体破損判定処理S25の処理フローチャートの例を示す図である。
【
図9】
図9は、RF識別情報L2、コード識別情報L1、及び情報記憶媒体破損判定処理S25の判定結果の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態について説明する。
【0016】
<製品管理システム1の構成例>
図1は、製品管理システム1の構成例を示す図である。製品管理システム1は、管理装置100及びゲート200を有する。製品管理システム1は、所定位置に集められた管理の対象となる複数の製品T1が、収集されるべき製品の識別情報(製品を一意に識別する識別情報子)を記載した製品リストと比較して、過不足がないか否かを判定し、製品T1に付された情報記憶媒体M1~M4の破損を検出する製品管理処理を実行するシステムである。
【0017】
製品T1は、梱包又は製品自体に、それぞれの製品の識別情報が記憶された情報記憶媒体M1~M4が貼り付けられて(付されて)いる。なお、図示しないが、
図1内の他の製品T1それぞれにも、情報記憶媒体が貼り付けられているものとする。
【0018】
情報記憶媒体M1~M4は、例えば、2種類に記憶媒体が一体化された媒体(一体化媒体)である。一体化媒体は、例えば、RFタグ(第1情報記憶媒体)の表面(貼り付け面の裏面)に、バーコードやQRコード(登録商標)などのコード媒体(第2情報記憶媒体)のコードが印刷されたものである。RFタグとコード媒体は、それぞれ製品の識別情報を記憶する。ユーザは、一体化媒体のいずれかの情報記憶媒体から情報を読み出すことで、製品の識別情報を取得することができる。
【0019】
なお、情報記憶媒体M1~M4は、必ずしも一体化されていなくてもよい。RFタグと、コード媒体は、それぞれ異なる場所に貼られてもよい。
【0020】
ゲート200は、収集された製品T1が通過する(入庫又は出庫する)ときに通過するゲートである。ゲート200は、カメラ210-1~3(以下、カメラ210と呼ぶ場合がある)、及びRFIDリーダ220-1~3(以下、RFIDリーダ220と呼ぶ場合がある)を備える。ゲート200は、管理装置100と接続し、通信を行う。ゲート200は、カメラ210が撮影した画像データや、RFIDリーダ220の読み出した製品情報を、管理装置100に送信する。
【0021】
カメラ210は、所定の位置にある複数の製品T1を撮影する撮影装置である。カメラ210は、所定範囲に位置する複数の製品T1を画像データに収める。カメラ210は、複数方向から製品T1を撮影し、製品に付された情報記憶媒体M1~M4の画像データを取得する。カメラ210は、例えば、常時(例えば1秒などの短い時間間隔で)撮影を行う。また、カメラ210は、例えば、ユーザの指示やセンサなどで、製品T1がゲート200付近に位置することを検知したとき、撮影を開始してもよい。
【0022】
RFIDリーダ220は、ゲート200付近に位置する製品T1の情報記憶媒体M1~M4のRFタグから、製品情報を読み出す。例えば、RFタグがパッシブタブである場合、RFIDリーダ220は、RFタグに電波を送信し、RFタグから返信される電波を待ち受ける。RFIDリーダ220は、RFタグから電波を受信し、当該RFタグに記憶された製品の識別情報を取得する。なお、RFタグが、自身が有するバッテリーを動力源として電波を送信するアクティブタブやセミアクティブタブである場合、RFIDリーダ220は、RFタグから送信される電波を待ち受け、RFタグが送信する電波を受信することで、当該RFタグに記憶された製品の識別情報を取得する。
【0023】
管理装置100は、製品管理を行う装置であり、例えば、コンピュータやサーバマシンである。管理装置100は、ゲート200から、カメラ210が撮影した画像データ、及びRFIDリーダ220が読み出した製品の識別情報を取得する。また、管理装置100は、例えば、搬送する製品の識別情報を含む搬送製品リストを管理する装置(図示しない)から、搬送製品リストを取得する。
【0024】
管理装置100は、取得した画像データから、コード媒体を読み取り、識別情報を取得する。管理装置100は、コード媒体から取得した識別情報、RFIDリーダ220が読み出した識別情報、及び、搬送製品管理リストの識別情報を比較し、製品の過不足や、情報記憶媒体の破損などを判定する。
【0025】
<製品管理システムのハードウェア構成例>
図2は、製品管理システム1のハードウェア構成の例を示す図である。製品管理システム1は、管理装置100とゲート200を有する。
【0026】
管理装置100は、CPU(Central Processing Unit)110、ストレージ120、メモリ130、及びディスプレイ160を有する。
【0027】
ストレージ120は、プログラムやデータを記憶する、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置である。ストレージ120は、製品管理プログラム121及びデータ取得プログラム122を記憶する。
【0028】
メモリ130は、ストレージ120に記憶されているプログラムをロードする領域である。また、メモリ130は、プログラムがデータを記憶する領域としても使用されてもよい。
【0029】
CPU110は、ストレージ120に記憶されているプログラムを、メモリ130にロードし、ロードしたプログラムを実行し、各部を構築し、各処理を実行するプロセッサである。
【0030】
ディスプレイ160は、画像や動画を表示する表示部である。ディスプレイ160は、例えば、液晶や有機EL(Electro Luminescence)である。ディスプレイ160は、例えば、過不足判定の結果や、情報記憶媒体の破損状況を表示する。
【0031】
CPU110は、製品管理プログラム121を実行することで、製品管理処理を行う。製品管理処理は、搬送製品の過不足の判定、及び情報記憶媒体の破損を判定する処理である。
【0032】
CPU110は、データ取得プログラム122を実行することで、データ取得処理を行う。データ取得処理は、例えば、ゲート200と通信し、カメラ210が撮影した画像データや、RFIDリーダ220が読み出した識別情報を取得する処理である。また、データ取得処理装置は、例えば、搬送製品リストを管理する装置と通信し、搬送製品リストを取得する処理である。
【0033】
ゲート200は、カメラ210及びRFIDリーダ220を有する。
【0034】
カメラ210は、ゲート200の下(ゲート付近)の製品を撮影する撮影装置である。カメラ210は、1台又は複数台設置される。また、カメラ210は、必ずしもゲート200と接していなくてもよい。カメラ210は、例えば、ゲート200と所定距離離れた位置に設置され、ゲート200を含み、ゲート200周辺を撮影してもよい。
【0035】
RFIDリーダ220は、製品に貼り付けられた情報記憶媒体のRFタグが発信(返信)する電波を受信し、RFタグが記憶する識別情報を取得する装置である。RFIDリーダ220は、ゲート200に内蔵されるタイプであってもよいし、ハンディタイプであってもよい。
【0036】
<製品管理システムのソフトウェ構成例>
図3は、製品管理システム1のソフトウェア構成の例を示す図である。製品管理システム1は、撮影部(第2読出部)10、RFID読出部(第1読出部)20、製品管理部(管理部、第1読出部、統合部、破損判定部、取得部)30を有する。
【0037】
撮影部10は、製品を撮影し、画像データを生成する。撮影部10は、例えば、カメラ210である。撮影部10は、撮影した画像データを、製品管理部30に引き渡す。
【0038】
RFID読出部20は、製品に貼り付けられたRFタグから識別情報を読み出す。RFID読出部20は、例えば、RFIDリーダ220である。RFID読出部20は、読み出した識別情報を、製品管理部30に引き渡す。以下、RFID読出部20が、RFタグから読み出した識別情報、RF識別情報(第1識別情報)と呼ぶ場合がある。
【0039】
製品管理部30は、製品の管理を行う処理部である。製品管理部30は、コード読出部(第2読出部)31、情報統合部(統合部)32、製品過不足判定部(管理部)33、及び情報記憶媒体破損判定部(破損判定部)34を有する。
【0040】
コード読出部31は、撮影部10が撮影した画像データからコード媒体を検出し、コードを読み出し、製品の識別情報を取得する。以下、撮影部10が撮影した画像データから、コード読出部31が読み出した識別情報を、コード識別情報(第2識別情報)と呼ぶ場合がある。
【0041】
情報統合部32は、RF識別情報とコード識別情報に含まれる識別情報を統合した統合識別情報を生成する。統合識別情報は、RF識別情報及びコード識別情報の、少なくともいずれか一方に含まれる識別情報の一覧であり、重複する識別情報を1つの識別情報として記憶する。
【0042】
製品過不足判定部33は、統合識別情報と搬送製品リストから、搬送する製品に過不足がないか否かを判定する。搬送製品リストは、搬送する(搬送する予定の)製品の識別情報のリストであり、例えば、搬送製品リストを管理する装置から事前に、又は過不足判定処理を実行するときに取得する。以下、搬送製品リストに含まれる識別情報を、リスト識別情報と呼ぶ場合がある。
【0043】
情報記憶媒体破損判定部34は、RF識別情報とコード識別情報から、情報記憶媒体が破損しているか否かを判定する。
【0044】
なお、製品管理部30、コード読出部31、情報統合部32、製品過不足判定部33、及び情報記憶媒体破損判定部34は、例えば、管理装置100が有するCPU110が、ロードしたプログラムを実行することで構築される。また、撮影部10は、例えば、カメラ210である。また、撮影部10は、例えば、管理装置100が有するCPU110がロードしたプロラムを実行することで構築され、カメラ210を使用して各処理を行う。また、RFID読出部20は、例えば、RFIDリーダ220である。また、RFID読出部20は、例えば、管理装置100が有するCPU110がロードしたプロラムを実行することで構築され、RFIDリーダ220を使用して各処理を行う。
【0045】
<製品管理処理>
製品管理処理について説明する。
図4は、製品管理処理のシーケンスの例を示す図である。撮影部10は、撮影処理S10を実行する。撮影処理S10は、カメラ210を用いて、ゲート200付近の搬送製品を撮影し、画像データを取得する処理である。撮影部10は、例えば、ユーザによる撮影開始契機(ボタンの押下、スイッチのON/OFFなど)を受信したとき、ゲート200付近に搬送製品が位置すること(近づいたこと)を検出したとき、又は定期的や連続して、撮影処理S10を実行する。撮影部10は、画像データをコード読出処理S12に引き渡す(S11)。
【0046】
コード読出部31は、画像データを取得すると、コード読出処理S12を実行する。コード読出処理S12は、画像データに映るコード媒体を検出し、検出したコード媒体に記憶される識別情報を読み出し、コード識別情報L1を生成する(S13)処理である。コード読出処理S12において、複数のコード媒体が検出された場合、検出したコード媒体それぞれの識別情報を読み出す。また、画像データは、例えば、あるタイミングにおける1枚の画像でもよいし、複数タイミングや複数角度から撮影した複数の画像であってもよい。コード読出部31は、コード識別情報L1を、情報統合処理S20に引き渡す(S14)。また、コード読出部31は、コード識別情報L1を、情報記憶媒体破損判定処理S25に引き渡す(S15)。
【0047】
一方、RFID読出部20は、RFID読出処理S16を実行する。RFID読出処理S16は、RFIDリーダ220から電波を送信し、ゲート200付近に位置する搬送製品から識別情報を含む返信の電波を受信し、RF識別情報L2を生成する(S17)処理である。RFID読出部20は、例えば、ユーザによるRFタグの読み出し開始契機(ボタンの押下、スイッチのON/OFFなど)を受信したとき、ゲート200付近に搬送製品が位置すること(近づいたこと)を検出したとき、又は定期的や連続して、RFID読出処理S16を実行する。RFID読出部20は、RF識別情報L2を、情報統合処理S20に引き渡す(S18)。また、RFID読出部20は、RF識別情報L2を、情報記憶媒体破損判定処理S25に引き渡す(S19)。
【0048】
情報統合部32は、コード識別情報L1及びRF識別情報L2を取得すると(S14、S18)、情報統合処理S20を実行する。情報統合処理S20は、コード識別情報L1及びRF識別情報L2から、統合識別情報L3を生成する(S21)処理である。情報統合部32は、情報統合処理S20において、コード識別情報L1及びRF識別情報L2の両方又はいずれか一方に含まれる識別情報の一覧(重複する識別情報は1つの識別情報とする)を、統合識別情報L3とする。
【0049】
図5は、コード識別情報L1、RF識別情報L2、及び統合識別情報L3の例を示す図である。
図5(A)はコード識別情報L1、
図5(B)はRF識別情報L2、
図5(C)は統合識別情報L3の例を示す図である。
【0050】
図5(A)(B)に示すように、コード識別情報L1には識別情報「1009」(
図5(A)網掛け部)が存在するが、RF識別情報L2には識別情報「1009」が存在しない。また、RF識別情報L2には識別情報「1010」(
図5(B)網掛け部)が存在するが、コード識別情報L1には識別情報「1010」が存在しない。
【0051】
情報統合部32は、情報統合処理S20において、コード識別情報L1とRF識別情報L2の両方に含まれる識別情報である「1001」から「1008」を統合識別情報L3として記憶する。さらに、情報統合部32は、情報統合処理S20において、コード識別情報L1にのみ含まれる識別情報「1009」と、RF識別情報L2にのみ含まれる識別情報「1010」を、統合識別情報L3として記憶する(
図5(C)網掛け部)。情報統合処理S20において、9個の識別情報を含むコード識別情報L1と、9個の識別情報を含むRF識別情報L2を統合し、10個の識別情報を含む統合識別情報L3が生成される。
【0052】
図4のシーケンスに戻り、情報統合部32は、統合識別情報L3を、過不足判定処理S23に引き渡す(S22)。
【0053】
製品過不足判定部33は、統合識別情報L3を取得すると(S22)、過不足判定処理S23を実行する。過不足判定処理S23は、搬送製品に過不足がないか否かを判定する処理である。
【0054】
図6は、過不足判定処理S23の処理フローチャートの例を示す図である。製品過不足判定部33は、過不足判定処理S23において、搬送製品リストを取得する(S23-1)。搬送製品リストは、例えば、ゲート200を通過して入庫する、あるいは出庫する搬送製品の識別情報の一覧である。
【0055】
製品過不足判定部33は、搬送製品リストの識別情報と、統合識別情報の識別情報を比較する(S23-2)。製品過不足判定部33は、識別情報が完全に一致する場合(S23-3のYes)、搬送製品に過不足はないと判定し(S23-4)、処理を終了する。一方、製品過不足判定部33は、識別情報が完全に一致しない場合(S23-3のNo)、搬送製品に過不足があると判定し(S23-5)、処理を終了する。
【0056】
製品の過不足の判定結果は、例えば、管理装置100のディスプレイ160に表示したり、ファイルに出力したりする。また、過不足があると判定されたとき、音や光等で、管理者やユーザに通知してもよい。管理者は、過不足の判定結果を参照し、過不足がある場合、製品の実物を確認することで製品の過不足を確認し、搬送製品の過不足がなくなるよう商品の補充や除去を行う。
【0057】
過不足判定処理S23では、搬送製品リストと統合識別情報の識別情報が完全一致しないと、製品に過不足があると判定する。この判定方式においては、例えば、ある製品のRFタグ及びコード媒体の両方の読み出しに失敗した場合、実際には製品が不足していなくても、製品が不足していると判定される。しかし、RFタグとコード媒体の両方の読み込みを失敗する確率は、1つの情報記憶媒体を読み込む場合と比較し、非常に小さい。統合識別情報は、RFタグ及びコード媒体の少なくとも一方で読み出しが成功した識別情報であることから、RFタグ及びコード媒体の両方で読み出しが失敗した場合のみ、上述した誤判定が発生し得る。RFタグとコード媒体の2つの情報記憶媒体を設置すること、及び過不足判定処理S23において完全一致を過不足がないことの条件とすることで、製品の過不足を自動で判定する精度が向上する。
【0058】
図7は、統合識別情報L3、搬送製品リストL4、及び過不足判定結果の例を示す図である。製品過不足判定部33は、過不足判定処理S23において、統合識別情報L3と搬送製品リストL4の識別情報を比較する(
図6のS23-2)。製品過不足判定部33は、識別情報「1001」から「1010」が、搬送製品リストL4及び統合識別情報の両方に存在することを確認する。しかし、製品過不足判定部33は、搬送製品リストL4の識別情報「1011」(網掛け部)が、統合識別情報L3に存在しないため、搬送製品リストL4と統合識別情報L3は完全一致しないと判定し(
図6のS23-3のNo)、搬送製品に過不足があると判定する(
図6のS23-5)。製品過不足判定部33は、搬送製品リストL4に存在する識別情報が統合識別情報L3に存在しないため、搬送(入庫又は出庫)される製品(識別情報「1011」)が不足していると判定する。
【0059】
なお、統合識別情報L3には存在するが搬送製品リストL4に存在しない識別情報がある場合、製品に過不足があると判定され、例えば、搬送すべきでない製品を搬送しようとしていると判定される。また、統合識別情報L3には存在するが搬送製品リストL4に存在しない識別情報があり、さらに、統合識別情報L3には存在しないが搬送製品リストL4には存在する識別情報がある場合であって、統合識別情報L3と搬送製品リストL4の識別情報の数が同じである場合、製品に過不足があると判定され、例えば、搬送する製品を誤っていると判定される。
【0060】
また、過不足があり搬送する製品を誤っていると判定した場合、上述したシステム構成において、製品がゲート200の内側にあるのか外側にあるのかを判定できない。しかし、管理者は、製品がどこにあるかを特定するのに、相当の時間を要する場合がある。そこで、例えば、システム構成を、ゲート200を通過しているRFIDタグのみを読み取るようにすることで、誤って搬送されると判定された製品の位置を、容易に特定することできる。
【0061】
ゲート200を通過しているRFIDタグのみを読み取る構成としては、例えば、移動しているタグ情報のみを抽出する構成とすることが考えられる。管理装置100は、RFIDリーダ220で読み込まれた複数のRFIDタグのタグ情報から、移動しているタグ情報を取得し、当該移動しているタグ情報を用いて過不足を判定する。管理装置100は、移動しているタグ情報を、例えば、ゲート200と管理装置100との間に設置された、移動体検知フィルタを有するRFIDタグ用フィルタリング装置から取得してもよい。なお、この構成は一例であり、公知の手段を用いてもよい。
【0062】
図4のシーケンスに戻り、情報記憶媒体破損判定部34は、RF識別情報L2及びコード識別情報L1を取得すると(S19、S15)、情報記憶媒体破損判定処理S25を実行する。情報記憶媒体破損判定処理S25は、破損している記憶媒体を検出する処理である。
【0063】
図8は、情報記憶媒体破損判定処理S25の処理フローチャートの例を示す図である。情報記憶媒体破損判定部34は、情報記憶媒体破損判定処理S25において、RF識別情報とコード識別情報を比較する(S25-1)。
【0064】
情報記憶媒体破損判定部34は、RF識別情報に存在するが、コード識別情報に存在しない識別情報の有無を確認する(S25-2)。情報記憶媒体破損判定部34は、RF識別情報に存在するが、コード識別情報に存在しない識別情報がある場合(S25-2のYes)、該当する識別情報の製品のコード媒体が破損している可能性があると判定する(S25-3)。
【0065】
一方、情報記憶媒体破損判定部34は、RF識別情報の識別情報の全てがコード識別情報に存在する場合(S25-2のNo)、コード媒体に破損はないと判定する(S25-4)。
【0066】
情報記憶媒体破損判定部34は、コード識別情報に存在するが、RF識別情報に存在しない識別情報の有無を確認する(S25-5)。情報記憶媒体破損判定部34は、コード識別情報に存在するが、RF識別情報に存在しない識別情報がある場合(S25-5のYes)、該当する識別情報の製品のRFタグが破損している可能性があると判定し(S25-6)、処理を終了する。
【0067】
一方、情報記憶媒体破損判定部34は、コード識別情報の識別情報の全てがRF識別情報に存在する場合(S25-5のNo)、RFタグに破損はないと判定し(S25-7)、処理を終了する。
【0068】
情報記憶媒体破損判定処理S25の結果は、例えば、管理装置100のディスプレイ160に表示したり、ファイルに出力したりする。また、いずれかの情報記憶媒体が破損していると判定されたとき、音や光等で、管理者やユーザに通知してもよい。管理者は、破損している可能性があると判定された製品の情報記憶媒体を確認し、本当に破損しているか否かを確認する。管理者は、破損している情報記憶媒体を検出した場合、例えば、情報記憶媒体を交換する。
【0069】
情報記憶媒体破損判定処理S25では、RF識別情報にあってコード識別情報にない識別情報のコード媒体を、破損している可能性があるとみなす。また、情報記憶媒体破損判定処理S25では、コード識別情報にあってRF識別情報にない識別情報のRFタグを、破損している可能性があるとみなす。この判定方式においては、例えば、RFタグとコード媒体の両方が破損している場合、情報記憶媒体の破損を検出することができない。しかし、製品管理システム1においては、ゲート200を通過するたびに情報記憶媒体破損判定処理S25が実行されるため、少なくとも一方が破損した状態で検出される可能性が高い。また、両方の情報記憶媒体が破損している場合、過不足判定処理S23において搬送製品リストと比較したとき、製品が不足していると判定される。しかし、実際には製品が存在しているため、両方の情報記憶媒体が故障又は読み込みに失敗したと判定することができ、破損を検出することができる。
【0070】
図9は、RF識別情報L2、コード識別情報L1、及び情報記憶媒体破損判定処理S25の判定結果の例を示す図である。なお、
図9(A)、(B)は、それぞれ同じRF識別情報L2及びコード識別情報L1の例を示す図である。
【0071】
図9(A)によると、RF識別情報L2の識別情報「1010」は、コード識別情報L1には存在しない。そのため、情報記憶媒体破損判定部34は、識別情報「1010」のコード媒体を読み出せなかったことを認識し、識別情報「1010」に対応する製品のコード媒体が破損している可能性があると判定する。
【0072】
図9(B)によると、コード識別情報L1の識別情報「1009」は、RF識別情報L2には存在しない。そのため、情報記憶媒体破損判定部34は、識別情報「1009」のRFタグを読み出せなかったことを認識し、識別情報「1009」に対応する製品のRFタグが破損している可能性があると判定する。
【0073】
第1の実施の形態では、管理装置100は、ゲート200を通過する製品の過不足を管理しつつ、製品に付された情報記憶媒体の破損についても検出することができる。
【0074】
[その他の実施の形態]
RFタグやコード媒体は、他の情報記憶媒体であってもよい。上述したように、両方の情報記憶媒体が同時に破損した場合、自動での破損の検出は困難であることから、同時に破損する可能性が低い情報記憶媒体を組み合わせることが好ましい。すなわち、破損要因が異なる(例えば、一方は熱に弱く、もう一方は摩擦に弱いなど)情報記憶媒体を組み合わせることが好ましい。
【0075】
また、2種類より多くの情報記憶媒体を製品に付してもよい。さらに、同じ情報記憶媒体を複数個、製品に付してもよい。同じ情報記憶媒体を製品に付す場合、同時に破損することを避けるため、なるべく離れた位置に貼り付けることが好ましい。また、同じ情報記憶媒体を製品に付す場合、読み込みに成功した個数も管理することで、破損を検出することが可能となる。
【0076】
また、RFタグとコード媒体は、一体化したものに限られない。例えば、それぞれの情報記憶媒体の特性(故障の要因、大きさ、読み込み用の装置の位置)に応じて、異なる場所に貼り付けられてもよい。
【0077】
さらに、コード媒体は、バーコードなどの一次元コードや、QRコード(登録商標)などの二次元コードのいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 :製品管理システム
10 :撮影部
20 :RFID読出部
30 :製品管理部
31 :コード読出部
32 :情報統合部
33 :製品過不足判定部
34 :情報記憶媒体破損判定部
100 :管理装置
110 :CPU
120 :ストレージ
121 :製品管理プログラム
122 :データ取得プログラム
130 :メモリ
160 :ディスプレイ
200 :ゲート
210 :カメラ
220 :RFIDリーダ