(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165135
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】複合共振器および集合体
(51)【国際特許分類】
H01Q 15/24 20060101AFI20221024BHJP
H01Q 15/14 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
H01Q15/24
H01Q15/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070368
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉川 博道
【テーマコード(参考)】
5J020
【Fターム(参考)】
5J020AA06
5J020AA07
5J020AA08
5J020BA01
5J020DA07
(57)【要約】
【課題】設計自由度の高い集合体を構成することができる複合共振器および集合体を提供すること。
【解決手段】複合共振器は、第1面方向に広がる第1共振器と、第1共振器と第1方向に離れており、前記第1面方向に広がる第2共振器と、第1方向において第1共振器および第2共振器の間に位置し、第1共振器および第2共振器の各々に、磁気的もしくは容量的に接続するように構成され、または電気的に接続する第3共振器と、第1面方向に広がり、第1方向において第1共振器および第2共振器の間に位置し、第1共振器および第2共振器の電位基準となる基準導体と、を含む。第3共振器は、第1共振器と第2共振器とを直結し、かつ基準導体に接触しておらず、第1共振器と、第2共振器とは、第1共振器の中心と、第2共振器の中心とが第1方向においてずれて並んでいる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面方向に広がる第1共振器と、
前記第1共振器と第1方向に離れており、前記第1面方向に広がる第2共振器と、
前記第1方向において前記第1共振器および前記第2共振器の間に位置し、前記第1共振器および前記第2共振器の各々に、磁気的もしくは容量的に接続するように構成され、または電気的に接続する第3共振器と、
前記第1面方向に広がり、前記第1方向において前記第1共振器および前記第2共振器の間に位置し、前記第1共振器および前記第2共振器の電位基準となる基準導体と、を含み、
前記第3共振器は、前記第1共振器と前記第2共振器とを直結し、かつ前記基準導体に接触しておらず、
前記第1共振器と、前記第2共振器とは、前記第1共振器の中心と、前記第2共振器の中心とが前記第1方向においてずれて並んでいる、
複合共振器。
【請求項2】
前記第3共振器は、前記第1共振器の前記第1面方向内の第2方向に平行な辺に接続され、前記第2共振器の前記第1面方向内の前記第2方向とは異なる第3方向に平行な辺に接続されている、
請求項1に記載の複合共振器。
【請求項3】
前記第1共振器および前記第2共振器は矩形に構成されており、
前記第2共振器は、少なくとの一つの頂点部を欠いた構造を有している、
請求項1に記載の複合共振器。
【請求項4】
前記第1共振器は、第1方向の順方向からの電磁波の受信によって共振するように構成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の複合共振器。
【請求項5】
前記第2共振器は、共振する際に、電磁波を放射するように構成されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の複合共振器。
【請求項6】
前記第2共振器は、共振する際に、電磁波を前記第1方向の逆方向に放射するように構成されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の複合共振器。
【請求項7】
前記第2共振器は、前記第1方向の逆方向からの電磁波の受信によって共振するように構成されている、
請求項1から6のいずれか1項に記載の複合共振器。
【請求項8】
前記第1共振器は、共振する際に、電磁波を放射するように構成されている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の複合共振器。
【請求項9】
前記第1共振器は、共振する際に、電磁波を前記第1方向の順方向に放射するように構成されている、
請求項8に記載の複合共振器。
【請求項10】
前記第2共振器は、前記第1共振器と異なる位相で共振するように構成されている、
請求項7から9のいずれか1項に記載の複合共振器。
【請求項11】
前記第2共振器は、前記第1面方向において、前記第1共振器と異なる面内方向に共振するように構成されている、
請求項7から10のいずれか1項に記載の複合共振器。
【請求項12】
前記第2共振器の共振方向は、前記第1面方向において、前記第1共振器の共振方向に対して経時変化するように構成されている
請求項7から11のいずれか1項に記載の複合共振器。
【請求項13】
前記第2共振器は、前記第1共振器が受信した電磁波を、第1周波数帯を減衰させて放射するように構成されている、
請求項7から12のいずれか1項に記載の複合共振器。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の複合共振器を複数含み、
複数の前記複合共振器は、前記第1面方向に並んでいる、
集合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合共振器および集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
誘電体レンズを用いずに、電磁波を制御する技術が知られている。例えば、特許文献1には、共振器素子を配列した構造において、各素子のパラメータを変化させることで、電波の偏波を変化させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような共振器素子は、反射させた際に偏波を変更させており、透過に関しては記載がない。
【0005】
本開示は、設計自由度の高い集合体を構成することのできる複合共振器および集合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る複合共振器は、第1面方向に広がる第1共振器と、前記第1共振器と第1方向に離れており、前記第1面方向に広がる第2共振器と、前記第1方向において前記第1共振器および前記第2共振器の間に位置し、前記第1共振器および前記第2共振器の各々に、磁気的もしくは容量的に接続するように構成され、または電気的に接続する第3共振器と、前記第1面方向に広がり、前記第1方向において前記第1共振器および前記第2共振器の間に位置し、前記第1共振器および前記第2共振器の電位基準となる基準導体と、を含み、前記第3共振器は、前記第1共振器と前記第2共振器とを直結し、かつ前記基準導体に接触しておらず、前記第1共振器と、前記第2共振器とは、前記第1共振器の中心と、前記第2共振器の中心とが前記第1方向においてずれて並んでいる。
【0007】
本開示に係る集合体は、本開示に係る複合共振器を複数含み、複数の前記複合共振器は、前記第1面方向に並んでいる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、設計自由度の高い集合体を構成することができる複合共振器および集合体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、各実施形態に係る電波屈折板の概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る単位構造の構成例を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る単位構造の周波数特性を示すグラフである。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る単位構造の周波数特性を示すグラフである。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る単位構造の構成例を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る単位構造の周波数特性を示すグラフである。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る単位構造の周波数特性を示すグラフである。
【
図8】
図8は、第3実施形態に係る単位構造の構成例を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態に係る単位構造の周波数特性を示すグラフである。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係る単位構造の周波数特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下に説明する実施形態により本開示が限定されるものではない。
【0011】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内のX軸と平行な方向をX軸方向とし、X軸と直交する水平面内のY軸と平行な方向をY軸方向とし、水平面と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。また、X軸およびY軸を含む平面を適宜XY平面と称し、X軸およびZ軸を含む平面を適宜XZ平面と称し、Y軸およびZ軸を含む平面を適宜YZ平面と称する。XY平面は、水平面と平行である。XY平面とXZ平面とYZ平面とは直交する。
【0012】
[概要]
図1は、複数の複合共振器が周期的に並ぶ集合体を示す。集合体は、周期的に並ぶ複数の複合共振器が集合として機能を有している。
【0013】
図1に示すように、集合体1は、複数の単位構造10と、基板12と、を含む。
【0014】
複数の単位構造10は、XY面方向に並んでいる。XY面方向は、第1面方向とも呼ばれ得る。すなわち、複数の単位構造10は、2次元的に並んでいる。複数の単位構造10は、それぞれ、共振構造を有する。単位構造10の構造については、後述する。単位構造10は、複合共振器とも呼ばれ得る。基板12は、例えば、誘電体で形成された誘電体基板であり得る。集合体1は、誘電体から構成された基板12に、共振構造を有する複数の単位構造10を2次元的に並ぶことで構成されている。
【0015】
本開示では、以下の各実施形態の複合共振器を
図1に示すように配列することで、集合体を構成することができる。
【0016】
[第1実施形態]
[単位構造の構成]
図2を用いて、第1実施形態に係る単位構造の構成例について説明する。
図2は、第1実施形態に係る単位構造の構成例を模式的に示す図である。この構造は、水平偏波を水平偏波で放射される構造である。
【0017】
第1共振器14は、基板12において、XY平面に広がるように並び得る。第1共振器14は、導体で形成され得る。第1共振器14は、例えば、矩形に形成されたパッチ導体であり得る。
図2に示す例では、第1共振器14は、矩形のパッチ導体として示しているが、本開示はこれに限定されない。第1共振器14の形状は、例えば、線状、円状、ループ形状、矩形を除く多角形状であってもよい。すなわち、第1共振器14の形状は、設計に応じて、任意に変更し得る。第1共振器14は、+Z軸方向から受信した電磁波によって共振するように構成されている。
【0018】
第1共振器14は、共振する際に、電磁波を放射するように構成されている。第1共振器14は、共振する際に、電磁波を+Z軸方向側に放射するように構成されている。
【0019】
第2共振器16は、基板12において、第1共振器14からZ軸方向の離れた位置で、XY平面に広がるように並び得る。第2共振器16は、例えば、矩形に形成されたパッチ導体であり得る。
図2に示す例では、第2共振器16は、矩形のパッチ導体として示しているが、本開示はこれに限定されない。第2共振器16の形状は、例えば、線状、円状、ループ形状、矩形を除く多角形状であってもよい。すなわち、第2共振器16の形状は、設計に応じて、任意に変更し得る。第2共振器16の形状は、第1共振器14の形状と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第2共振器16の面積は、第1共振器14と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0020】
第2共振器16は、共振する際に、電磁波を放射するように構成されている。第2共振器16は、例えば、-Z軸方向側に電磁波を放射するように構成されている。第2共振器16は、共振する際に、電磁波を-Z軸方向に放射するように構成されている。第2共振器16は、-Z軸方向からの電磁波の受信によって共振するように構成されている。
【0021】
第2共振器16は、第1共振器14と異なる位相で共振するように構成されてもよい。第2共振器16は、XY平面方向において、第1共振器14と異なる方向に共振するように構成されてもよい。第2共振器16は、例えば、第1共振器14がX軸方向に共振するように構成されている場合には、Y軸方向に共振するように構成されてもよい。第2共振器16の共振方向は、XY平面方向において、第1共振器14の共振方向の経時変化に対応して経時変化するように構成されてもよい。第2共振器16は、第1共振器14が受信した電磁波を、第1周波数帯が減衰した電磁波を放射するように構成されてもよい。
【0022】
基準導体18は、基板12において、第1共振器14と、第2共振器16との間に並び得る。基準導体18は、例えば、基板12において、第1共振器14と、第2共振器16との中心にあり得るが、本開示はこれに限定されない。基準導体18は、例えば、第1共振器14との距離と、第2共振器16との距離が異なる位置にあってよい。基準導体18は、接続線路20が通過するスルーホール18aを有する。基準導体18は、接続線路20の少なくとも一部を囲うように構成されている。
【0023】
接続線路20は、導体で形成され得る。接続線路20は、Z軸方向において、第1共振器14と、第2共振器16との間に位置する。Z軸方向は、例えば、第1方向とも呼ばれ得る。接続線路20は、第1共振器14と、第2共振器16との各々に接続され得る。接続線路20は、スルーホール18aを通過するが、基準導体18には接触していない。接続線路20は、例えば、第1共振器14および第2共振器16の各々に磁気的もしくは容量的に接続するように構成され得る。接続線路20は、例えば、第1共振器14および第2共振器16の各々に電気的に接続するように構成されてもよい。接続線路20は、第1共振器14のX軸方向に平行な辺に接続され、第2共振器16のX軸方向に平行な辺に接続される。接続線路20は、Z軸方向に平行な経路であり得る。接続線路20は、第3共振器とし得る。
【0024】
単位構造10は、第1共振器14および第2共振器16を、磁気的もしくは容量的に接続、または電気的に接続されて複合するように構成されている。3つの共振器が複合化することで、単位構造10は、第1共振器14に入射した電磁波によって励振された高周波が複合共振器を伝送するように構成されている。単位構造10は、単位構造の伝送特性によって位相シフト、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、およびロウパスフィルタのいずれか1つ、または複数の機能を奏しうる。
【0025】
単位構造10は、第1共振器14に入射した電磁波の位相を変化させて、第2共振器16から出射するように構成されている。位相変化量は、接続線路20の長さによって変化する。位相変化量は、第1共振器14または第2共振器16の面積によっても変化する。
【0026】
図2に示すように、単位構造10は、基板12の上面に配置された第1共振器14と、基板12の下面に配置された第2共振器16とは対向した状態からずれて並んでいる。具体的には、第2共振器16は、基板12の下面の中心と、第2共振器16の中心とをずらして並んでいる。第1共振器14と、第2共振器16とは、第1共振器14にX軸方向から入射した電磁波を第2共振器16からY軸方向に平行な方向に出射するように並んでいる。すなわち、単位構造10は、垂直方向の電磁波を水平方向に変換するように構成されている。言い換えれば、第2共振器16は、XY平面方向において、第1共振器14と異なる面内方向に共振するように構成されている。接続線路20は、第1共振器14と、第2共振器16とにおいて、Y軸方向に平行な辺に接続されている。
【0027】
図3と、
図4とを用いて、第1実施形態に係る単位構造の周波数特性について説明する。
図3と、
図4とは、第1実施形態に係る単位構造の周波数特性を示すグラフである。
【0028】
図3において、横軸は周波数[GHz(Giga Hertz)]、縦軸は利得[dB(deci Bel)]を示す。
図3には、グラフG1と、グラフG2とが示されている。グラフG1は、X軸方向から入射した電磁波のX軸方向へ出射するときの透過係数を示す。グラフG2は、反射係数を示す。グラフG1は、21.00GHz近傍から28.00Hz近傍の領域の挿入損失が-3dB程度以上であり、良好な透過特性を示している。グラフG2は、21.00GHz近傍から28.00GHz近傍の領域の反射係数が低いことを示している。すなわち、
図2に示す単位構造10は、21.00GHz近傍から28.00GHz近傍のように幅広い良好な透過特性を有している。すなわち、単位構造10は、電磁波の位相を変化させる空間フィルタとして使用することができる。
【0029】
図4において、横軸は周波数[GHz]、縦軸は利得[dB]を示す。
図4には、グラフG3が示されている。グラフG3は、X軸方向から入射した電磁波のY軸方向へ出射するときの透過係数を示す。グラフG3に示すように、X軸方向から入射した電磁波のX軸方向へ出射するときの透過係数は、最大で-60dBである。すなわち、単位構造10は、第1共振器14にX軸方向から入射した電磁波を第2共振器16のX軸方向から出射しないように構成されている。
【0030】
[第2実施形態]
[単位構造の構成]
図5を用いて、第2実施形態に係る単位構造の構成例について説明する。
図5は、第2実施形態に係る単位構造の構成例を模式的に示す図である。この構造は、水平偏波を垂直偏波で放射される構造である。
【0031】
図5に示すように、単位構造10Aは、基板12の上面に配置された第1共振器14と、基板12の下面に配置された第2共振器16とは対向した状態からずれて並んでいる。具体的には、第2共振器16は、基板12の下面の中心と、第2共振器16の中心とがずれるように、Y軸方向にシフトした状態で並んでいる。第1共振器14と、第2共振器16とは、第1共振器14にX軸方向から入射した電磁波を第2共振器16から円偏波して出射するように並んでいる。第2実施形態では、接続線路20は、第1共振器14ではY軸方向に平行な辺に接続され、第2共振器16ではX軸方向に平行な辺に接続されている。
【0032】
図6と、
図7とを用いて、第2実施形態に係る単位構造の周波数特性について説明する。
図6と、
図7とは、第2実施形態に係る単位構造の周波数特性を示すグラフである。
【0033】
図6において、横軸は周波数[GHz]、縦軸は利得[dB]を示す。
図6には、グラフG4と、グラフG5とが示されている。グラフG4は、X軸方向から入射した電磁波のX軸方向へ出射するときの透過係数を示す。グラフG5は、反射係数を示す。グラフG5は、各周波数帯域において挿入損失が-40dBであることを意味している。これは、単位構造10Aは、X軸方向に入射した電磁波はX軸方向から出射され難いことを示す。グラフG5は、各周波数帯域において反射係数が低いことを示している。
【0034】
図7において、横軸は周波数[GHz]、縦軸は利得[dB]を示す。
図7には、グラフG6が示されている。グラフG6は、X軸方向から入射した電磁波のY軸方向へ出射するときの透過係数を示す。グラフG6に示すように、21.00GHz近傍から29.00Hz近傍の領域の挿入損失が-3dB程度以上であり、良好な透過特性を示している。単位構造10Aでは、第1共振器14ではY軸方向に平行な辺に接続され、第2共振器16ではX軸方向に平行な辺に接続されている。
【0035】
[第3実施形態]
[単位構造の構成]
図8を用いて、第3実施形態に係る単位構造の構成例について説明する。
図8は、第3実施形態に係る単位構造の構成例を模式的に示す図である。この構造は、直線偏波を水円偏波で放射される構造である。
【0036】
図8に示すように、単位構造10Bは、基板12の下面に配置されている第2共振器16の形状が異なっている点で、
図2に示す単位構造10と異なっている。具体的には、単位構造10Bの第2共振器16は、矩形の共振器の一つの頂点部を切り落としたような形状を有している。第5実施形態では、第2共振器16の共振方向は、XY平面方向において、第1共振器14の共振方向に対して経時変化するように構成されている。
【0037】
図9と、
図10とを用いて、第3実施形態に係る単位構造の周波数特性について説明する。
図9と、
図10は、第3実施形態に係る単位構造の周波数特性を示すグラフである。
【0038】
図9において、横軸は周波数[GHz]、縦軸は利得[dB]を示す。
図9には、グラフG7と、グラフG8とが示されている。グラフG7は、X軸方向から入射した電磁波のX軸方向へ出射するときの透過係数を示す。グラフG8は、反射係数を示す。グラフG7は、21.00GHz近傍から28.00Hz近傍の領域の挿入損失が-5dB程度以上であり、良好な透過特性を示している。グラフG8は、21.00GHz近傍から28.00GHz近傍の領域の反射係数が低いことを示している。すなわち、
図8に示す単位構造10Bは、21.00GHz近傍から28.00GHz近傍のように幅広い良好な透過特性を有している。
【0039】
図10において、横軸は周波数[GHz]、縦軸は利得[dB]を示す。
図10には、グラフG9が示されている。グラフG9は、X軸方向から入射した電磁波のY軸方向へ出射するときの透過係数を示す。グラフG9に示すように、X軸方向から入射した電磁波のY軸方向へ出射するときの透過係数は、21.00GHz近傍から28.00Hz近傍の領域の挿入損失が-5dB程度以上であり、良好な透過特性を示している。
【0040】
単位構造10Bは、第1共振器14にX軸方向から入射した電磁波を第2共振器16のX軸方向およびY軸方向から出射するように構成されている。すなわち、単位構造10Dは、X軸方向から入射した電磁波を円偏波して出射するように構成されている。
【0041】
以上、本開示の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本開示が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
1 集合体
10 単位構造
12 基板
14 第1共振器
16 第2共振器
18 基準導体
20 接続線路