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特開2022-165150スライドカバー装置及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165150
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】スライドカバー装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/02 20060101AFI20221024BHJP
   H02G 3/30 20060101ALI20221024BHJP
   H02G 3/38 20060101ALI20221024BHJP
   H02G 3/08 20060101ALI20221024BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20221024BHJP
   A47B 97/00 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
H02G3/02
H02G3/30
H02G3/38
H02G3/08
A47B13/00 B
A47B97/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070387
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000107572
【氏名又は名称】スガツネ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112140
【弁理士】
【氏名又は名称】塩島 利之
(74)【代理人】
【識別番号】100119297
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 正男
(72)【発明者】
【氏名】吉井 元輝
【テーマコード(参考)】
3B053
5G357
5G361
5G363
【Fターム(参考)】
3B053NN01
5G357CA10
5G357CB10
5G357CC01
5G357CE03
5G361AA02
5G361AA06
5G361AB12
5G361AC03
5G361AD01
5G363AA12
5G363AA20
5G363BA01
5G363DB31
(57)【要約】
【課題】ベースプレートのストッパの強度を確保することができ、いたずら等によってカバーがベースプレートから外れるのを防止できるスライドカバー装置を提供する。
【解決手段】スライドカバー装置1は、配線器具用の少なくとも一つの開口11aを有するベースプレート2と、ベースプレート2にスライド自在に保持され、スライドに応じて少なくとも一つの開口11aを覆うカバー3と、を備える。ベースプレート2は、少なくとも一つの開口11aが形成されるベースプレート本体11と、カバー3に設けられる被当接部に当接してカバー3のスライド幅を規制するストッパ12と、を備える。ストッパ12がベースプレート本体11とは別体であると共に、ベースプレート本体11に連結される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線器具用の少なくとも一つの開口を有するベースプレートと、
前記ベースプレートにスライド自在に保持され、スライドに応じて少なくとも一つの前記開口を覆うカバーと、を備えるスライドカバー装置において、
前記ベースプレートは、少なくとも一つの前記開口が形成されるベースプレート本体と、前記カバーに設けられる被当接部に当接して前記カバーのスライド幅を規制するストッパと、を備え、
前記ストッパが前記ベースプレート本体とは別体であると共に、前記ベースプレート本体に連結されるスライドカバー装置。
【請求項2】
前記ストッパと前記ベースプレート本体それぞれに、互いに係合することで前記ストッパを前記ベースプレート本体に連結させる係合部と被係合部を設けることを特徴とする請求項1に記載のスライドカバー装置。
【請求項3】
前記ストッパの前記係合部をスライド方向と略直角な横方向に撓み自在に形成することを特徴とする請求項2に記載のスライドカバー装置。
【請求項4】
前記ベースプレート本体の長さ方向の端部に前記ストッパの前記係合部が嵌まる切欠きを形成することを特徴とする請求項2又は3に記載のスライドカバー装置。
【請求項5】
前記ストッパに前記カバーの裏面に設けられる凹部に係合して前記カバーの開き位置を保持する係合片を形成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のスライドカバー装置。
【請求項6】
前記カバーと前記ベースプレートそれぞれに、互いに嵌合する嵌合部と被嵌合部を設け、
前記カバーは、前記カバーの表面側を構成するカバー本体と、前記カバー本体の裏面に取り付けられ、前記カバーの前記嵌合部が形成されるスライドガイドと、を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のスライドカバー装置。
【請求項7】
配線器具用の少なくとも一つの開口を有するベースプレートと、前記ベースプレートにスライド自在に保持され、スライドに応じて少なくとも一つの前記開口を覆うカバーと、を備え、前記ベースプレートのストッパが前記カバーの被当接部に当接して前記カバーのスライド幅を規制するスライドカバー装置の製造方法において、
少なくとも一つの前記開口が形成されるベースプレート本体に前記カバーをスライド自在に嵌める工程と、
前記カバーに前記ベースプレート本体とは別体のストッパを組み込む工程と、
前記ベースプレート本体に対して前記カバーをスライドさせて前記ストッパを前記ベースプレート本体に連結する工程と、を備えるスライドカバー装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンセントやモジュラージャック等の配線器具用の開口をカバーによって開閉するスライドカバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、机の天板等に埋め込まれたコンセントやモジュラージャック等の配線器具用の開口を有すると共に、開口をスライド自在なカバーによって開閉するスライドカバー装置が知られている(特許文献1参照)。このスライドカバー装置は、配線器具用の開口を有するベースプレートと、ベースプレートにスライド自在に保持され、スライドに応じてベースプレートの開口を覆うカバーと、を備える。配線器具を使用するときには、カバーをスライドさせて配線器具の差込み口を露出させる。配線器具を使用しないときには、開口をカバーで覆って、配線器具の差込み口にゴミが入るのを防止する。
【0003】
従来のスライドカバー装置において、ベースプレートに対してカバーをスライド自在にするため、カバーとベースプレートそれぞれには、互いに嵌合する嵌合片と溝部が設けられる。そして、ベースプレートからカバーが抜けるのを防止するために、カバーに被当接部を設け、ベースプレートにカバーの被当接部に当接するストッパを設け、カバーのスライド幅を規制している。
【0004】
ベースプレートのストッパは撓み自在に構成される。スライドカバー装置を組み立てられるようにするためである。すなわち、スライドカバー装置を組み立てるとき、ストッパがカバーの被当接部に接触し、撓んでカバーの被当接部を乗り越え、復元する。これにより、スライド装置を組み立てることができる。一方、組み立て後は、復元したストッパがカバーの被当接部に当接するので、カバーのスライド幅を規制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3711904号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のスライドカバー装置においては、ストッパが撓み自在に構成されるので、ストッパの強度が不足し、いたずら等によってカバーがベースプレートから外れるおそれがあるという課題がある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ベースプレートのストッパの強度を確保することができ、いたずら等によってカバーがベースプレートから外れるのを防止できるスライドカバー装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、配線器具用の少なくとも一つの開口を有するベースプレートと、前記ベースプレートにスライド自在に保持され、スライドに応じて少なくとも一つの前記開口を覆うカバーと、を備えるスライドカバー装置において、前記ベースプレートは、少なくとも一つの前記開口が形成されるベースプレート本体と、前記カバーに設けられる被当接部に当接して前記カバーのスライド幅を規制するストッパと、を備え、前記ストッパが前記ベースプレート本体とは別体であると共に、前記ベースプレート本体に連結されるスライドカバー装置である。
【0009】
本発明の他の態様は、配線器具用の少なくとも一つの開口を有するベースプレートと、前記ベースプレートにスライド自在に保持され、スライドに応じて少なくとも一つの前記開口を覆うカバーと、を備え、前記ベースプレートのストッパが前記カバーの被当接部に当接して前記カバーのスライド幅を規制するスライドカバー装置の製造方法において、少なくとも一つの前記開口が形成されるベースプレート本体に前記カバーをスライド自在に嵌める工程と、前記カバーに前記ベースプレート本体とは別体のストッパを組み込む工程と、前記ベースプレート本体に対して前記カバーをスライドさせて前記ストッパを前記ベースプレート本体に連結する工程と、を備えるスライドカバー装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ベースプレートのストッパがベースプレート本体とは別体であると共に、ベースプレート本体に連結されるので、スライドカバー装置を組み立てるとき、ストッパを撓ませてカバーの被当接部を乗り越えさせる必要がない。このため、ストッパの強度を確保することができ、いたずら等によってカバーがベースプレートから外れるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態のスライドカバー装置の斜視図である(図1(a)は開口を閉じた状態を示し、図1(b)は開口を開いた状態を示す)。
図2】本実施形態のスライドカバー装置と取付け枠を示す斜視図である。
図3】本実施形態のスライドカバー装置を取付け枠に取り付けた状態を示す図(図3(a)は側面図、図3(b)は図3(a)のb-b線断面図)である。
図4】本実施形態のスライドカバー装置を取付け枠に取り付けた状態を示す斜視図である(図4(a)は開口を閉じた状態を示し、図4(b)は開口を開いた状態を示す)。
図5】本実施形態のスライドカバー装置の分解斜視図である。
図6】本実施形態のベースプレート本体の斜視図(図6(a)は表面側斜視図、図6(b)は裏面側斜視図)である。
図7】本実施形態のストッパの斜視図(図7(a)は表面側斜視図、図7(b)は裏面側斜視図)である。
図8】本実施形態のスライドガイドの斜視図(図8(a)は表面側斜視図、図8(b)は裏面側斜視図)である。
図9】本実施形態のスライドカバー装置の製造方法の工程図である。
図10】本実施形態のスライドカバー装置の製造方法の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態のスライドカバー装置及びその製造方法を詳細に説明する。ただし、本発明は種々の形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、明細書の開示を十分にすることによって、当業者が発明を十分に理解できるようにする意図をもって提供されるものである。
【0013】
図1(a)(b)は、本発明の一実施形態のスライドカバー装置1の斜視図を示す。本実施形態のスライドカバー装置1は、配線器具用の開口11aを有するベースプレート2と、ベースプレート2にスライド自在に保持され、スライドに応じて開口11aを覆うカバー3と、を備える。図1(a)は開口11aを閉じた状態を示し、図1(b)は開口11aを開いた状態を示す。
【0014】
図2に示すように、スライドカバー装置1は、机の天板等に取り付けられた取付け枠4に取り付けられる。取付け枠4には、配線器具5がその差込み口を露出させた状態で取り付けられる。取付け枠4は、配線器具5を机の天板等の施工面6aに埋め込む形で天板等に取り付けられる。
【0015】
配線器具5は、コンセント、モジュラープラグ、USBコンセント、TVコンセント、スイッチ等である。配線器具5は、樹脂製のボディと、樹脂線のカバーと、これらを結合する金属製の組立枠と、を備える。配線器具5の組立枠には、係合爪が形成される。取付け枠4には、配線器具5の係合爪に係合する可撓片4aが形成される。配線器具5の係合爪が取付け枠4の可撓片4aに係合することで、配線器具5が取付け枠4に取り付けられる。
【0016】
図3(a)は、取付け枠4に取り付けた状態のスライドカバー装置1の側面図を示し、図3(b)は、図3(a)のb-b線断面図を示す。机の天板6等の施工面6aには、配線器具5が埋め込まれる埋込み穴6bが形成される。取付け枠4は、埋込み穴6bの周囲の取付け座6cにねじ等の締結部材9によって締結される(図5参照)。なお、取付け枠4を机の天板6等の施工面6aに取り付けてもよい。配線器具5、取付け枠4は公知であるので、これ以上の詳しい説明を省略する。
【0017】
図3(b)に示すように、ベースプレート2には、下方に突出する一対の突片11bが形成される。取付け枠4には、ベースプレート2の突片11bが係合するぎざぎざ状の被係合部4bが形成される。ベースプレート2の突片11bが取付け枠4の被係合部4bに係合することで、ベースプレート2が取付け枠4に取り付けられる。ベースプレート2を取付け枠4に取り付けると、ベースプレート2が施工面6a上に載置される。そして、ベースプレート2の開口11aから配線器具5の差込み口が露出する(図4(b)参照)。
【0018】
図5は、スライドカバー装置1の分解斜視図を示す。6は机等の天板、5は配線器具、4は取付け枠である。2はスライドカバー装置1のベースプレート、3はスライドカバー装置1のカバーである。
【0019】
ベースプレート2は、開口11aが形成されるベースプレート本体11と、ベースプレート本体11とは別体であり、ベースプレート本体11に連結されるストッパ12と、を備える。ベースプレート本体11は、例えばアルミニウム等の金属製である。ストッパ12は、例えば樹脂製である。なお、ベースプレート本体11とストッパ12を樹脂製にしてもよい。
【0020】
カバー3は、カバー3の表面側を構成するカバー本体13と、カバー本体13の裏面に取り付けられるスライドガイド14と、を備える。カバー本体13は、例えばアルミニウム等の金属製である。スライドガイド14は、例えば樹脂製である。カバー本体13とスライドガイド14は、両面テープ15等の接着手段によって接着される。なお、カバー本体13とスライドガイド14を樹脂製にし、これらを一体に形成してもよい。
【0021】
図6(a)は、ベースプレート本体11の表面側斜視図を示し、図6(b)は、裏面側斜視図を示す。図6(a)に示すように、ベースプレート本体11は、細長の略板状に形成される。ベースプレート本体11には、配線器具5の差込み口を露出させる略矩形状の開口11aが形成される。ベースプレート本体11には、カバー3をスライド自在にするための被嵌合部(溝部11e(図3(b)参照)が形成される。溝部11eは、ベースプレート本体11の短辺方向の両側に形成されて、長手方向に延びる。溝部11eには、カバー3の嵌合部(嵌合片14a(図3(b)、図8(b)参照)が嵌まる。
【0022】
ベースプレート本体11の長手方向の端部には、ストッパ12の一対の係合部12b(図7(b)参照)が嵌まる切欠き11cが形成される。切欠き11cの内側面には、ストッパ12の係合部12bの爪部12b1(図7(b)参照)に係合する被係合部(凹部11c1)が形成される。
【0023】
図6(b)に示すように、ベースプレート本体11の裏面には、一対の突片11bが突出して形成される。この突片11bの先端部には、内側に向かって突出し、取付け枠4のぎざぎざ状の被係合部4bに係合する爪部11b1が形成される。ベースプレート本体11の裏面の中央部には、ベースプレート本体11の長手方向に延びる逃げ溝11dが形成される。この逃げ溝11dは、ベースプレート本体11を取付け枠4に取り付けたとき、ベースプレート本体11と取付け枠4の可撓片4aとの干渉を防止する。
【0024】
図7(a)は、ストッパ12の表面側斜視図を示し、図7(b)は、裏面側斜視図を示す。図7(a)に示すように、ストッパ12は、略矩形で略板状の本体12aと、本体12aと一体に形成される一対の係合部12bと、一対の係合部12bの間に配置される係合片12cと、を備える。本体12aの一端部には、カバー3に設けられる被当接部14b(図8(b)参照)に当接してカバー3の開き方向のスライド幅を規制する当接部12a1が形成される。また、本体12aの一端部には、ベースプレート本体11の切欠き11cの底面近傍11c2(図6(b)参照)を上下に挟む挟持部12a3が形成される。本体12aの他端部には、カバー3に設けられる壁部14c(図8(b)参照)に当接してカバー3の閉じ方向のスライド幅を規制する当接部12a2が形成される。
【0025】
ストッパ12の係合部12bがベースプレート本体11の凹部11c1に係合することにより、ストッパ12がベースプレート本体11に連結される(図10(b)(c)参照)。図7(a)に示すように、ストッパ12の係合部12bは、スライド方向と略直角な横方向に撓み自在に形成される。ここで、横方向とは、ベースプレート本体11を水平面に配置した状態において、スライド方向と略直角な水平方向を意味する。係合部12bが横方向に撓み自在なように、係合部12bの周囲には、溝穴17が形成される。係合部12bの上下方向の厚みは、左右方向の厚みよりも厚く形成される。図7(b)に示すように、係合部12bの先端部には、外側に突出する爪部12b1が形成される。この爪部12b1がベースプレート本体11の凹部11c1に係合する。係合部12bの外側には、ベースプレート本体11の切欠き11cの内側面近傍11c3(図6(b)参照)を挟む挟持部12b2が形成される。
【0026】
ストッパ12の係合片12cは、ストッパ12の当接部12a1がカバー3の被当接部14bに当接すると同時に、カバー3の裏面側の凹部3aに係合してカバー3の開き位置を保持する(図10(a)参照)。また、ストッパ12の係合片12cは、ストッパ12の当接部12a2がカバー3の壁部14cに当接すると同時に、カバー3の裏面側の凹部3bに係合してカバー3の閉じ位置を保持する(図10(a)参照)。
【0027】
図7(a)に示すように、ストッパ12の係合片12cは、スライド方向と略直角な縦方向に撓み自在に形成される。縦方向とは、ベースプレート本体11を水平面に配置した状態において、スライド方向と直角な垂直方向を意味する。係合片12cが縦方向に撓み自在なように、係合片12cの周囲には、溝穴18が形成される。係合片12cの左右方向の厚みは、係合片12cの上下方向の厚みよりも厚く形成される。係合片12cの先端部には、カバー3に向かって突出する爪部12c1が形成される。この爪部12c1がカバー3の凹部3a,3bに係合する。
【0028】
図5に示すように、カバー3は、カバー本体13と、スライドガイド14と、を備える。カバー本体13は、断面コ字状であり、長手方向に一定の断面に形成される。カバー本体13には、スライドガイド14が組み込まれる。
【0029】
図8(a)は、スライドガイド14の表面側斜視図を示し、図8(b)は、スライドガイド14の裏面側斜視図を示す。スライドガイド14は、断面コ字状に形成される。スライドガイド14の短辺方向の両側には、一対の対向壁14-1が形成される。対向壁14-1の先端部には、内側に向かって突出する嵌合片14aが形成される。この嵌合片14aがベースプレート本体11の溝部11eにスライド自在に嵌まる。
【0030】
図8(b)に示すように、スライドガイド14の長さ方向の一端部には、ストッパ12の当接部12a1(図5参照)に当接してカバー3の開き方向のスライド幅を規制する被当接部14bが形成される。スライドガイド14の長さ方向の他端部には、ストッパ12の当接部12a2(図5参照)に当接してカバー3の閉じ方向のスライド幅を規制する壁部14cが形成される。この壁部14cは、カバー本体13の一端部を塞ぐ。
【0031】
スライドガイド14には、ストッパ12の係合片12c(図5参照)に係合する穴14d,14eが形成される。スライドガイド14の穴14d,14eとカバー本体13によってカバー3の凹部3a,3b(図10(a)参照)が構成される。
【0032】
スライドガイド14の裏面の穴14dと穴14eとの間には、ストッパ12の係合片12cのスライドを許容する逃げ穴14fが形成される。カバー3を開き位置に移動させるとき、ストッパ12の係合片12cが逃げ穴14f内を移動し、逃げ穴14fと穴14dの間の被当接部14d1を乗り越えて、穴14dに係合する。これにより、スライドガイド14の開き位置が保持される。一方、カバー3を閉じ位置に移動させるとき、ストッパ12の係合片12cが逃げ穴14f内を移動し、逃げ穴14fと穴14eの間の被当接部14e1を乗り越えて、穴14eに係合する。これにより、スライドガイド14の閉じ位置が保持される。
【0033】
図9及び図10を参照して、本実施形態のスライドカバー装置1の製造方法を説明する。図9及び図10は、スライドカバー装置1を裏面側から見た斜視図を示す。
【0034】
まず、図9(a)(b)に示すように、スライドガイド14をカバー本体13に組み込み、スライドガイド14をカバー本体13に接着してカバー3を製造する。
【0035】
次に、図10(a)に示すように、カバー3の嵌合片14aをベースプレート本体11の溝部11eに嵌める。
【0036】
次に、図10(b)に示すように、カバー3にストッパ12を組み込む。なお、カバー3にストッパ12を組み込んだ後、カバー3の嵌合片14aをベースプレート本体11の溝部11eに嵌めてもよい。
【0037】
カバー3にストッパ12を組み込んだ状態において、ストッパ12は、カバー3に対して長手方向にスライド自在である。ストッパ12のスライドガイド14の一対の嵌合片14a間の間隔は、ストッパ12の横幅よりも僅かに小さい。このため、ストッパ12をカバー3に容易に組み込むことができると共に、カバー3からストッパ12が外れるのを防止することができる。
【0038】
次に、図10(c)に示すように、ベースプレート本体11に対してカバー3を閉じ方向にスライドさせると、ベースプレート本体11の切欠き11cにストッパ12の係合部12bが係合し、ストッパ12がベースプレート本体11に連結される。ストッパ12をベースプレート本体11に連結した状態では、ストッパ12の本体12aの挟持部12a3がベースプレート本体11の切欠き11cの底面近傍11c2を挟むと共に、ストッパ12の係合部12bの挟持部12b2がベースプレート本体11の切欠き11cの内側面近傍11c3を挟む。そして、ストッパ12の本体12aがベースプレート本体11とカバー3との間に配置される。このため、ストッパ12をベースプレート本体11にしっかりと取り付けることができ、ストッパ12の係合片12cを安定して撓ませることができる。
【0039】
以上に本実施形態のスライドカバー装置1及びその製造方法を詳細に説明した。本実施形態のスライドカバー装置1及びその製造方法によれば、以下の効果を奏する。
【0040】
ベースプレート2のストッパ12がベースプレート本体11とは別体であると共に、ベースプレート本体11に連結されるので、スライドカバー装置1を組み立てるとき、ストッパ12を撓ませてカバー3の被当接部14bを乗り越えさせる必要がない。このためストッパ12の強度を確保することができ、いたずら等によってカバー3がベースプレート2から外れるのを防止できる。
【0041】
ストッパ12とベースプレート本体11それぞれに、互いに係合することでストッパ12をベースプレート本体11に連結させる係合部12bと被係合部(凹部11c1)を設けるので、ストッパ12をベースプレート本体11に着脱可能にすることができる。
【0042】
ストッパ12の係合部12bをスライド方向と略直角な横方向に撓み自在に形成するので、スライドカバー装置1を薄くすることができる。
【0043】
ベースプレート本体11の長さ方向の端部にストッパ12の係合部12bが嵌まる切欠き11cを形成するので、スライドカバー装置1を薄くすることができる。
【0044】
ストッパ12にカバー3の裏面に設けられる凹部3aに係合してカバー3の開き位置を保持する係合片12cを形成するので、カバー3の開き位置を保持することができる。
【0045】
カバー3が、カバー3の表面側を構成するカバー本体13と、カバー本体13の裏面に取り付けられるスライドガイド14と、を備えるので、カバー本体13とベースプレート本体11を金属製にした場合、金属同士の摺動を防止することができる。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な実施形態に変更できる。
【0047】
上記実施形態では、スライドカバー装置を机等の天板(水平面)に配置しているが、机等の側板(垂直面)に配置してもよい。
【0048】
上記実施形態では、ストッパの係合部をベースプレート本体の被係合部に係合させることで、ストッパをベースプレート本体に連結しているが、ストッパとベースプレート本体をかしめ、ねじ締結、溶接、接着等の連結手段によって連結してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1…スライドカバー装置
2…ベースプレート
3…カバー
3a,3b…カバーの凹部
5…配線器具
11…ベースプレート本体
11a…開口
11e…ベースプレート本体の溝部(ベースプレートの被嵌合部)
11c…ベースプレート本体の切欠き
11c1…ベースプレート本体の切欠きの凹部(ベースプレート本体の被係合部)
12…ストッパ
12b…ストッパの係合部
12c…ストッパの係合片
13…カバー本体
14…スライドガイド
14a…スライドガイドの嵌合片(カバーの嵌合部)
14b…スライドガイドの被当接部(カバーの被当接部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10