(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165175
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20221024BHJP
B65D 30/28 20060101ALI20221024BHJP
B65D 33/00 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
B65D81/34 U
B65D30/28 K
B65D30/28 M
B65D33/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070416
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】米田 憲司
【テーマコード(参考)】
3E013
3E064
【Fターム(参考)】
3E013BA02
3E013BA11
3E013BA15
3E013BA20
3E013BB11
3E013BC04
3E013BC11
3E013BC12
3E013BC14
3E013BD11
3E013BE01
3E013BF08
3E013BF26
3E013BF36
3E013BF62
3E064AD15
3E064AD18
3E064BA24
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA54
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC01
3E064BC18
3E064HM01
3E064HN05
3E064HP01
(57)【要約】
【課題】開封後に容器として使用でき、加熱後の開封時に高温の蒸気が例えば包装体の横に位置する開封者に向けられるおそれがないとともに、内容物の取り出し易さが十分な包装体を提供する。
【解決手段】少なくとも3つ以上の三角形状の側面部を有する胴部と、側面部の底辺に連設してなる多角形状の底部とを有し、側面部は、三角形状の頂点の位置を一致させ、その三角形状の斜辺同士が連設され、少なくとも1つの先端シール部とそれに連設される少なくとも1つの側面シール部を介して2つの側面部が連設されることで胴部が形成され、胴部は、加熱時に発生する蒸気の圧力により、先端シール部を介して連設された側面部上部同士を剥離し易くすることで、開口した蒸気抜き口を形成可能な易剥離部と、易剥離部に連設し、易剥離部により形成された開口を容易に広げるための易開封部とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つ以上の三角形状の側面部を有する胴部と、前記側面部の底辺に連設してなる多角形状の底部とを有する包装体であり、
前記側面部は、三角形状の頂点の位置を一致させ、その三角形状の斜辺同士が連設され、少なくとも1つの先端シール部とそれに連設される少なくとも1つの側面シール部を介して2つの側面部が連設されることで胴部が形成され、
前記先端シール部は、前記底部と反対側の先端に設けられ、
前記胴部は易剥離部と易開封部とを有し、前記易剥離部は、加熱時に発生する蒸気の圧力により、前記先端シール部を介して連設された側面部上部同士を剥離し易くすることで、開口した蒸気抜き口を形成可能な部分であり、前記易開封部は、前記易剥離部に連設し、前記易剥離部により形成された開口を容易に広げるための部分であることを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記底部と少なくとも1つの側面部とが底面シール部を介して連設されていることを特徴とする、請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
少なくとも前記側面部はシーラント層を有し、前記シーラント層を内側にして前記胴部が形成されており、
前記先端シール部は、片面が易剥離面であるイージーピールテープが貼着されており、
前記先端シール部における前記易剥離面は、加熱時に発生する蒸気の圧力により、前記先端シール部を介して連設された側面部上部同士を剥離し易くする易剥離性を有し、
前記イージーピールテープの易剥離面と前記側面部のシーラント層とが熱融着して剥離可能とすることで易剥離部が形成されていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の包装体。
【請求項4】
少なくとも前記側面部はシーラント層を有し、前記シーラント層を内側にして前記胴部が形成されており、
前記側面シール部は、その少なくとも一部に、片面が易剥離面であるイージーピールテープが貼着されており、
前記側面シール部における前記易剥離面は、前記側面シール部を介して連設された側面部同士を少なくとも加熱後に手動により剥離し易くする易剥離性を有し、
前記イージーピールテープの易剥離面と前記側面部のシーラント層とが熱融着して剥離可能とすることで易開封部が形成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の包装体。
【請求項5】
前記易開封部は、前記側面部の斜辺の少なくとも一部に沿って設けられたハーフカットまたは折り線であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の包装体。
【請求項6】
前記各側面部の底部と反対側の先端に摘み部を有し、前記易剥離部は前記摘み部に連設されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の包装体。
【請求項7】
前記側面部は全て同形状かつ同大の二等辺三角形または正三角形であり、
前記底部は正多角形であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の包装体。
【請求項8】
3つの三角形状の側面部を有する胴部と、前記側面部の底辺に連設してなる三角形状の底部とを有することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の包装体。
【請求項9】
4つの三角形状の側面部を有する胴部と、前記側面部の底辺に連設してなる四角形状の
底部とを有することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等を収容する包装体に関し、特には、電子レンジ等の加熱手段を用いて加熱した時、発生する蒸気の力で開口する蒸気抜き機能を有する包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子レンジ等の加熱または加熱調理(以下、加熱と言う)をした時、発生する蒸気により内部圧力が上昇することにより、包装体が破裂して内容物が飛散することがある。このような包装体の破裂を防止するためにその内部圧力を逃がすことができる蒸気抜き機能を有する包装体が市販されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、矩形状を呈する袋材の底辺に対して直交配置される閉塞部を形成し、底辺を共通の一辺とする三角形状の底側面部、上側面部、及び閉塞部を共通の一辺とする三角形状の左右側面部から成る四面体状で、底辺側に底側面部面に熱溶着で形成した閉塞底部を介して形成された引き手部を有し、引き手部による閉塞底部の剥離と共に左右側辺に沿って容器本体が分断開口されるようにして成り、閉塞底部には、加熱蒸気の蒸気圧力によって剥離される脆弱部が形成されている包装体が記載されている。
【0004】
上記特許文献1の包装体により、電子レンジによる加熱調理を可能とするとともに、加熱調理後にそのまま器形状の容器として使用することも可能となる。
【0005】
また、上記のようないわゆる四面体形状の包装体は、陳列し易く、大きく開口することが可能であるなどの利点があり、上記文献1に記載の包装体の他に、収納部を形成する封止シール部や蒸気抜き部などの構造が異なる複数の包装体が存在する。(特許文献2~5参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4482698号公報
【特許文献2】特許第4523663号公報
【特許文献3】特開2010-202256号公報
【特許文献4】特許第6790471号公報
【特許文献5】特開2019-127277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1~5に記載の従来の包装体は、蒸気抜き部の位置が側部側や底部側など真上ではないため、加熱後の開封時に、開封操作を行う開封者の顔など上半身に加熱蒸気が当たるおそれがある。また、上記包装体は、蒸気抜き部により形成された開口を、内容物を取り出し可能に容易に広げる構造を有していないため、内容物の取り出し易さが十分とは言えない。また、上記包装体の中には、開封後の容器としての使用は考慮されていないものもある。
【0008】
従来技術における上記問題点に鑑み、本発明は、開封後に容器として使用でき、蒸気抜き部を真上に配置することで、蒸気抜き部から真上に高温の蒸気が抜けるため、加熱後の開封時に、開封操作を行う開封者の顔など上半身に加熱蒸気が当たるおそれがなく、さらに、蒸気抜き部により形成された開口を、内容物を取り出し可能に容易に広げる構造を有するため、内容物の取り出し易さが十分な包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、少なくとも3つ以上の三角形状の側面部を有する胴部と、前記側面部の底辺に連設してなる多角形状の底部とを有する包装体であり、前記側面部は、三角形状の頂点の位置を一致させ、その三角形状の斜辺同士が連設され、少なくとも1つの先端シール部とそれに連設される少なくとも1つの側面シール部を介して2つの側面部が連設されることで胴部が形成され、前記先端シール部は、前記底部と反対側の先端に設けられ、前記胴部は易剥離部と易開封部とを有し、前記易剥離部は、加熱時に発生する蒸気の圧力により、前記先端シール部を介して連設された側面部上部同士を剥離し易くすることで、開口した蒸気抜き口を形成可能な部分であり、前記易開封部は、前記易剥離部に連設し、前記易剥離部により形成された開口を容易に広げるための部分であることを特徴とする包装体である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記底部と少なくとも1つの側面部とが底面シール部を介して連設されていることを特徴とする、請求項1に記載の包装体である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、少なくとも前記側面部はシーラント層を有し、前記シーラント層を内側にして前記胴部が形成されており、前記先端シール部は、片面が易剥離面であるイージーピールテープが貼着されており、前記先端シール部における前記易剥離面は、加熱時に発生する蒸気の圧力により、前記先端シール部を介して連設された側面部上部同士を剥離し易くする易剥離性を有し、前記イージーピールテープの易剥離面と前記側面部のシーラント層とが熱融着して剥離可能とすることで易剥離部が形成されていることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の包装体である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、少なくとも前記側面部はシーラント層を有し、前記シーラント層を内側にして前記胴部が形成されており、前記側面シール部は、その少なくとも一部に、片面が易剥離面であるイージーピールテープが貼着されており、前記側面シール部における前記易剥離面は、前記側面シール部を介して連設された側面部同士を少なくとも加熱後に手動により剥離し易くする易剥離性を有し、前記イージーピールテープの易剥離面と前記側面部のシーラント層とが熱融着して剥離可能とすることで易開封部が形成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の包装体である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記易開封部は、前記側面部の斜辺の少なくとも一部に沿って設けられたハーフカットまたは折り線であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の包装体である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記各側面部の底部と反対側の先端に摘み部を有し、前記易剥離部は前記摘み部に連設されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の包装体である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記側面部は全て同形状かつ同大の二等辺三角形または正三角形であり、前記底部は正多角形であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の包装体である。
【0016】
請求項8に記載の発明は、3つの三角形状の側面部を有する胴部と、前記側面部の底辺に連設してなる三角形状の底部とを有することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の包装体である。
【0017】
請求項9に記載の発明は、4つの三角形状の側面部を有する胴部と、前記側面部の底辺に連設してなる四角形状の底部とを有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか
に記載の包装体である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の包装体はいわゆる多角錐体状であり、胴部が、加熱時に発生する蒸気の圧力により、先端シール部を介して連設された側面部上部同士を剥離し易くすることで、開口した蒸気抜き口を形成可能な易剥離部を有する。蒸気抜き部を真上に配置することで、蒸気抜き部から真上に高温の蒸気が抜けるため、加熱後の開封時に、開封操作を行う開封者の顔など上半身に加熱蒸気が当たるおそれがない。また、胴部は、易剥離部に連設し、易剥離部により形成された開口を容易に広げるための易開封部も有する。蒸気抜き部により形成された開口を、内容物を取り出し可能に容易に広げる構造を有するため、内容物の取り出し易さが十分である。また、多角錐体状で底部が平面であることから包装体の載置が安定し、開封後に容器として使用することもできる。よって、食器を別途用意する必要がなく、食事後に皿などの食器を洗う手間が省かれるとともに、洗い物削減により汚水も削減される。さらに、開封時は包装体の一部を切り取ることなく開口を広げて内容物を取り出すことができるため、廃棄時はゴミが1つで済むという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(a)第1実施形態~第4実施形態に係る包装体の加熱調理前の斜視図である。(b)第1実施形態~第4実施形態に係る包装体の加熱調理後で開封前の斜視図である。(c)第1実施形態~第4実施形態に係る包装体の開封後の斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る包装体の展開シートである。
【
図3】
図1(a)の包装体のA-A線断面図、または
図8(a)の包装体のC-C線断面図である。
【
図4】
図1(a)の包装体のB-B線断面図、または
図8(a)の包装体のD-D線断面図である。
【
図5】第2実施形態に係る包装体の展開シートである。
【
図6】第3実施形態に係る包装体の展開シートである。
【
図7】第4実施形態に係る包装体の展開シートである。
【
図8】(a)第5実施形態~第12実施形態に係る包装体の加熱調理前の斜視図である。(b)第5実施形態~第12実施形態に係る包装体の加熱調理後で開封前の斜視図である。(c)第5実施形態~第12実施形態に係る包装体の開封後の斜視図である。
【
図9】第5実施形態に係る包装体の展開シートである。
【
図10】第6実施形態に係る包装体の展開シートである。
【
図11】第7実施形態に係る包装体の展開シートである。
【
図12】第8実施形態に係る包装体の展開シートである。
【
図13】第9実施形態に係る包装体の展開シートである。
【
図14】第10実施形態に係る包装体の展開シートである。
【
図15】第11実施形態に係る包装体の展開シートである。
【
図16】第12実施形態に係る包装体の展開シートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、必要に応じて図面を参照して、本発明に係る包装体の実施形態の例について説明する。なお、本発明の包装体は、少なくとも3つ以上の三角形状の側面部を有する胴部と、前記側面部の底辺に連設してなる多角形状の底部とを有する、いわゆる多角錐体状の包装体であるが、以下では、その中で、底部が三角形のいわゆる三角錐体状、または底部が四角形のいわゆる四角錐体状の包装体を例に説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1~
図4を参照して、第1実施形態に係る包装体100について説明する。
図1は、加熱調理前から開封時までの包装体100の一連の状態を示す図であり、
図1
(a)は、第1実施形態に係る包装体100の加熱調理前の斜視図である。
図1(b)は、第1実施形態に係る包装体100の加熱調理後で開封前の斜視図である。
図1(c)は、第1実施形態に係る包装体100の開封後の斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る包装体100の展開シート300である。
図3は、
図1(a)の包装体100のA-A線断面図である。
図4は、
図1(a)の包装体100のB-B線断面図である。
【0022】
図1(a)および
図2に示されるように、包装体100は、3つの三角形状の側面部1を有する胴部20と、側面部1の底辺2に連設してなる三角形状の底部61とを有する。側面部1は、三角形状の頂点3~5の位置を一致させ、その三角形状の斜辺10同士が連設されており、包装体100は、全体としていわゆる三角錐体状に形成されている。ここで、「斜辺」とは、三角形状の側面部において、その三角形状の頂点から延びるそれぞれの辺を意味する。
【0023】
図2に示されるように、側面部1は全て同形状かつ同大の二等辺三角形であり、底部61は正三角形(正多角形)である。なお、側面部1は全て同形状かつ同大の正三角形でもよい。側面部1を全て同形状かつ同大の二等辺三角形または正三角形とし、底部61を正三角形(正多角形)とすることで、転倒し難く安定性があるとともに外観がよいので好ましい。
【0024】
また、各側面部1の底部61と反対側の先端に摘み部50を有し、後述する易剥離部32は摘み部50に連設されている。摘み部50は、後述する易開封部44により開封する際の開封補助部および火傷防止しての役割を持つ。
【0025】
本発明の包装体は、少なくとも1つの先端シール部とそれに連設される少なくとも1つの側面シール部を介して2つの側面部が連設されることで胴部が形成される。
【0026】
図2に示されるように、底部61の三辺それぞれに側面部1の底辺2が折り罫a~cを介して連設されており、3つの側面部1のそれぞれの一方の斜辺10の端部に先端シール部82および側面シール部81が設けられている。先端シール部82および側面シール部81が設けられた側面部1とその側面部1に連設する側面部1とが、それぞれ1つの先端シール部82および1つの側面シール部81により接着されることで、
図1(a)に示される胴部20に形成され、同時に包装体100に形成される。
図2では、3つの側面部1の全てに先端シール部82および側面シール部81が設けられているが、例えば、1つの側面部1の両方の斜辺10の端部と、別の側面部1の一方の斜辺10の端部に先端シール部82および側面シール部81が設けられていてもよい。
【0027】
胴部20において、先端シール部82は、底部61と反対側の先端に設けられている。また、胴部20は易剥離部32と易開封部44とを有する。易剥離部32は、加熱時に発生する蒸気による包装体100内部の圧力上昇により、先端シール部82を介して連設された側面部1上部同士を剥離し易くすることで、開口した蒸気抜き口90を形成可能な部分である。易開封部44は、易剥離部32に連設し、易剥離部32により形成された開口を容易に広げるための部分である。
【0028】
後述するように包装体100を構成するフィルム200は、少なくとも基材201とシーラント層202を積層した複合フィルム200から構成される。なお、包装体100の側面部1のみがこのような構成の複合フィルムとしてもよい。
【0029】
(包装体を構成するフィルムの基材)
基材201は、シート状またはフィルム状のものであって、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフレート等)、ポリアミド(ナイロン-6、ナイロン-66、ポリイミド等)など、あるいはこれらの高分子の共など、通常包装材料として用いられる比較的耐熱性を有するプラスチックフィルムないしはシートが使用できる。
【0030】
また、基材201には、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができ、必要に応じて適宜添加される。さらに基材201の表面をコロナ放電処理、アンカーコート処理等の表面改質を行い、上述するシーラント層202などとの接着性を向上させることもできる。また、必要に応じて、基材201の表面または裏面に印刷層(図示せず)を形成させることができる。
【0031】
さらにフィルム200のガスバリア性をアルミニウム箔なみに向上させるため、基材201のプラスチックフィルムとして、酸化アルミニウムや酸化ケイ素などの無機化合物の薄膜を物理蒸着あるいは化学蒸着などの蒸着法により20nm~100nm程度の厚さに設けた無機化合物蒸着プラスチックフィルムを用いることもできる。この場合のプラスチックフィルムとしては、延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく使用できる。
【0032】
(包装体を構成するフィルムのシーラント層)
シーラント層202は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン共重合体、飽和ポリエステルなど熱融着性のある樹脂であれば使用できるが、電子レンジ適性等を考慮すると、厚さが60μm~80μm程度のポリプロピレン樹脂がより好ましく使用できる。
【0033】
落下強度、突き刺し強度やガスバリア性を向上させる必要がある場合、基材201とシーラント層202の間に中間層(図示せず)を介在させることができる。中間層としては、例えば、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム等が好ましく使用できる。また、この中間層には、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機化合物の蒸着層を含んでも良い。
【0034】
基材201とシーラント層202、あるいは、基材201と中間層、中間層とシーラント層202の貼り合わせは、例えば、二液反応型のポリウレタン樹脂系接着剤を使用したドライラミネート法等の公知のラミネート方法を用いて容易に行うことができる。
【0035】
易剥離部32は、例えば、下記の構造により形成されている。
図3を参照して説明する。
側面部1はシーラント層202を有し、シーラント層202を内側にして胴部20が形成されている。また、先端シール部82は、その少なくとも一部に、片面が易剥離面であるイージーピールテープ500が貼着されている。先端シール部82における易剥離面は、加熱時に発生する蒸気の圧力により、先端シール部82を介して連設された側面部1上部同士を剥離し易くする易剥離性を有する。イージーピールテープ500の易剥離面と側面部1のシーラント層202とが熱融着して剥離可能とすることで易剥離部32が形成されている。
【0036】
シーラント層202は少なくとも側面部1に有し、シーラント層202を内側にして胴部20が形成されていればよいが、包装体100のように底部61もシーラント層202を有し、シーラント層202を内側にして底部61が形成されていてもよい。
【0037】
(イージーピールテープ500)
イージーピールテープ500としては、例えば、
図3に示されるように、包装体100外面の基材201に対して接着性を示す接着性樹脂層501と、包装体100を加熱して発生する蒸気の圧力で易剥離性を示す剥離性樹脂層502との2層からなるテープが挙げられる。剥離性樹脂層502により易剥離面が構成される。
【0038】
上記接着性樹脂層501としては、上述したフィルム200のシーラント層202を構成する熱融着可能な接着性熱可塑性樹脂をそのまま使用することができるが、CPPと称されるプロピレン系重合体(コポリマーやターポオリマー)や、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、LDPE)からなる層が好適に用いられ、厚み20μm~150μmとすることが多い。
【0039】
また、上記剥離性樹脂層502としては、例えば、ブロックポリプロピレン系コポリマー、ランダムポリプロピレン系コポリマー、エチレン/酢酸ビニル等のエチレン系共重合体などが好適に用いられ、このエチレン系共重合体としては、特にエチレン成分含有量が85~98重量%の共重合体が望ましい。
【0040】
上記接着性樹脂層501と剥離性樹脂層502の積層方法は、特に限定するものではないが、例えば、ドライラミネート、エクストルージョンコーティング、共押出しなどの方法が挙げられ、これらの方法でイージーピールテープ500とすることができる。
【0041】
包装体100は、蒸気抜き部としての上記易剥離部32を有するため、包装体100に収容された内容物(図示せず)を加熱調理する場合、包装体100の破裂などを防止するために包装体100を一旦開封したり内容物を別の容器に移し替えたりする必要がない。
図1(a)に示される包装体100のまま加熱調理すると、
図1(b)に示されるように、易剥離部32により、熱溶着されたイージーピールテープ500の易剥離面と側面部1のシーラント層202の間で剥離され、開口した蒸気抜き口90が形成される。なお、易剥離部32は、蒸気が大量に一気に抜き出て内容物が乾燥したりすることのない程度に開口できるように設けられることが好ましい。
【0042】
易開封部44は、例えば、下記のような構造により形成されている。
図4を参照して説明する。
側面部1はシーラント層202を有し、シーラント層202を内側にして胴部20が形成されている。また、側面シール部81は、片面が易剥離面であるイージーピールテープ510が貼着されている。側面シール部81における易剥離面は、側面シール部81により接着された側面部1同士を少なくとも加熱後に手動により剥離し易くする易剥離性を有する。イージーピールテープ510の易剥離面と側面部1のシーラント層202とが熱融着して剥離可能とすることで易開封部44が形成されている。
【0043】
易開封部44は、加熱時に発生する蒸気の圧力によっては、側面シール部81を介して連設された側面部1同士が剥離せず、加熱時は、
図1(b)に示されるように易剥離部32の部分のみで側面部1が剥離され、大きく開口しすぎて蒸気が大量に一気に抜き出て内容物が乾燥したりすることを防止した上で開口される。
【0044】
蒸気抜き部を真上に配置することで、加熱後の開封時に、開封操作を行う開封者の顔など上半身に加熱蒸気が当たるおそれがない。
【0045】
易開封部44は、上記イージーピールテープ500の易剥離面と側面部1のシーラント層202とが熱融着して剥離可能とするとともに、側面部1の斜辺10の少なくとも一部に沿ってハーフカットまたは折り線が設けられることで形成されていてもよい。ハーフカットは、内容物のバリア性や包装体100の流通時に破損などしない程度の強度を考慮した上で胴部20にハーフカットされていればよく、例えば基材201へのハーフカットとしてもよい。折り線は、包装体100に成形されやすくするためにも、山折り線が好ましい。
【0046】
易開封部44のイージーピールテープ510は、上記易剥離部32のイージーピールテープ500と基本的な構造は同じであるが、加熱時に発生する蒸気の圧力によっては、側面シール部81を介して連設された側面部1同士が剥離せず、側面シール部81により接着された側面部1同士を少なくとも加熱後に手動により剥離し易くする易剥離性を有する。(イージーピールテープ510の構造については、上記イージーピールテープ500の構造の説明について、イージーピールテープ500をイージーピールテープ510に、接着性樹脂層501を接着性樹脂層501に、剥離性樹脂層502を剥離性樹脂層512にそれぞれ読み替える。)
【0047】
なお、胴部20において、安全性を考慮して易開封部44を示す印刷表示を設けたり、より開封しやすくするために易開封線を示す印刷表示を設けたりしても良い。
【0048】
加熱後に包装体100を開封する時は、
図1(b)(c)に示されるように、例えば、隣り合う側面部1の先端の摘み部50同士を手で摘まんでその側面部1同士を離すように外側に持っていき、側面部1の先端側から底部61側へ易開封部44に沿って3つの側面部1を剥離していく。このように、易開封部44によって、易剥離部32により形成された開口を容易に広げることが可能となり、内容物の取り出し易さが十分である。
【0049】
加熱後は側面部1の底部61と反対側の先端部は高温であるおそれがあり、内容物からより離れた部分に位置する摘み部50を手で摘まむことで、火傷を防止することも可能となる。
【0050】
また、包装体100は三角錐体状(多角錐体状)で底部61が平面であることから包装体100の載置が安定し、開封後に容器として使用することもできる。よって、食事後に皿などの食器を洗う手間も省かれるとともに、洗い物削減により汚水も削減される。さらに、開封時は包装体100の一部を切り取ることなく開口を広げて内容物を取り出すことができるため、廃棄時はゴミが1つで済むという利点もある。
【0051】
(第2実施形態)
図1、
図3、
図4、および
図5を参照して、第2実施形態に係る包装体101について説明する。
図1(a)は、第2実施形態に係る包装体101の加熱調理前の斜視図である。
図1(b)は、第2実施形態に係る包装体101の加熱調理後で開封前の斜視図である。
図1(c)は、第2実施形態に係る包装体101の開封後の斜視図である。
図3は、
図1(a)の包装体101のA-A線断面図である。
図4は、
図1(a)の包装体101のB-B線断面図である。
図5は、第2実施形態に係る包装体101の展開シート301である。
【0052】
第2実施形態に係る包装体101は、第1実施形態に係る包装体100と同じように全体としていわゆる三角錐体状に形成されている(
図1(a)参照)。
図5に示されるように、側面部1は全て同形状かつ同大の二等辺三角形であり、底部62は正三角形(正多角形)である。なお、側面部1は全て同形状かつ同大の正三角形でもよい。
【0053】
図5に示されるように、底部62の一辺に、展開シート301における一方の端の側面部1の底辺2が折り罫bを介して連設されている。3つの側面部1が三角形状の頂点3~5の位置を一致させ、その三角形状の斜辺10同士が折り罫d、eを介して連設され、展開シート301における一方の端の側面部1の斜辺10の端部に先端シール部82および側面シール部81が設けられている。先端シール部82および側面シール部81が設けられた側面部1と、包装体101成形時にその側面部1に連設する側面部1とが、1つの先端シール部82および1つの側面シール部81により接着されることで胴部21が形成される。
【0054】
胴部21において、先端シール部82は、底部62と反対側の先端に設けられている。
【0055】
また、底部62の二辺の端部に底面シール部83が設けられている。上記の通り胴部21を形成した上で、底部62とその底部62の底面シール部83側に連設する2つの側面部1とが底面シール部83により接着されることで、包装体101が形成される。
図5では、底部62の二辺の端部に底面シール部83が設けられているが、例えば、底部62に連設する2つの側面部1の底辺2の端部にそれぞれ底面シール部83が設けられ、底面シール部83が設けられた側面部1とその側面部1に連設する底部62とが底面シール部83により接着されていてもよい。または、例えば、底部62の一辺の端部、および、底部62のその辺と別の一辺に連設する1つの側面部1の端部に底面シール部83が設けられ、底部62とその底部62の底面シール部83側に連設する側面部1とが底面シール部83により接着されるとともに、底面シール部83が設けられた側面部1とその側面部1に連設する底部62とが底面シール部83により接着されていてもよい。
【0056】
底面シール部83は、易開封部45のように、加熱時に発生する蒸気の圧力によっては、底面シール部83を介して連設された底部62と側面部1が剥離されないことは勿論だが、易剥離性を有する必要はなく、側面部1と底部62とが熱融着される部分であればよい。
【0057】
本発明の包装体101は、少なくとも1つの先端シール部82とそれに連設される少なくとも1つの側面シール部81を介して2つの側面部1が連設されることで胴部21が形成されるとともに、底部62と少なくとも1つの側面部1とが底面シール部83を介して連設されることで、包装体101が形成される。
【0058】
易剥離部33の構造は、基本的には第1実施形態に係る包装体101における易剥離部32と同じであるため、説明を省略する。(易剥離部33の構造については、易剥離部32の構造の説明について、易剥離部32を易剥離部33に読み替える。)
【0059】
なお、シーラント層202は少なくとも側面部1に有し、シーラント層202を内側にして胴部21が形成されていればよいが、底部62もシーラント層202を有していてもよい。また、本実施形態の包装体101のように、底部62と側面部1が底面シール部83より接着される場合は、例えば、底面シール部83の基材1と側面部1のシーラント層202とが熱融着される。
【0060】
また、易開封部45は、側面シール部81により接着されている側面部1同士の間については、少なくとも下記の構造を有する。
図4を参照して説明する。
側面部1はシーラント層202を有し、シーラント層202を内側にして胴部21が形成されている。また、側面シール部81は、その少なくとも一部に、片面が易剥離面であるイージーピールテープ510が貼着されている。側面シール部81における易剥離面は、側面シール部81により接着された側面部1同士を少なくとも加熱後に手動により剥離し易くする易剥離性を有する。イージーピールテープ510の易剥離面と側面部1のシーラント層202とが熱融着して剥離可能とすることで易開封部45が形成されている。
【0061】
また、易開封部45は、側面シール部81により接着されている側面部1同士の間については、さらに、側面部1同士の間の斜辺10の少なくとも一部に沿ってハーフカットまたは折り線が設けられることで形成されていてもよい。
【0062】
易開封部45は、側面シール部81により接着されていない側面部1同士の間については、側面部1同士の間の斜辺10の少なくとも一部に沿ってハーフカットまたは折り線が
設けられることで形成されている。
【0063】
その他、摘み部50、易剥離部33のイージーピールテープ500、易開封部45のイージーピールテープ510、および包装体101を構成するフィルム200の構造は、基本的には第1実施形態に係る包装体101と同じであるため、説明を省略する。(摘み部50、易剥離部33のイージーピールテープ500、易開封部45のイージーピールテープ510、および包装体101を構成するフィルム200の構造については、上記第1実施形態に係る包装体100のこれらの構造の説明において、胴部20を胴部21に、易剥離部32を易剥離部33に、易開封部44を易開封部45に、底部61を底部62に、包装体100を包装体101に、展開シート300を展開シート301にそれぞれ読み替える。)
【0064】
(第3実施形態)
図1、
図3、
図4、および
図6を参照して、第3実施形態に係る包装体102について説明する。
図6に示されるように、第3実施形態に係る包装体102は、底部の一辺に、展開シートにおける胴部中央の側面部1の底辺2が折り罫bを介して連設されている以外は、基本的には第2実施形態に係る包装体101と同じである。以下の説明では実施形態2と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。(なお、共通する部分の説明においては、胴部21を胴部22に、易剥離部33を易剥離部34に、易開封部45を易開封部46に、底部62を底部63に、包装体101を包装体102に、展開シート301を展開シート302とそれぞれ読み替える。)
【0065】
図1(a)は、第3実施形態に係る包装体102の加熱調理前の斜視図である。
図1(b)は、第3実施形態に係る包装体102の加熱調理後で開封前の斜視図である。
図1(c)は、第3実施形態に係る包装体102の開封後の斜視図である。
図3は、
図1(a)の包装体102のA-A線断面図である。
図4は、
図1(a)の包装体102のB-B線断面図である。
図6は、第3実施形態に係る包装体102の展開シート302である。
図6は、第3実施形態に係る包装体102の展開シート302である。
【0066】
第3実施形態に係る包装体102は、第1実施形態に係る包装体100と同じように全体としていわゆる三角錐体状に形成されている(
図1(a)参照)。
【0067】
(第4実施形態)
図1、
図3、
図4、および
図7を参照して、第4実施形態に係る包装体103について説明する。
図7に示されるように、第4実施形態に係る包装体103は、底部の二辺に側面部1が折り罫を介して連設されている以外は、第2実施形態に係る包装体101と基本的には同じである。以下の説明では実施形態2と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。(なお、共通する部分の説明においては、胴部21を胴部23に、易剥離部33を易剥離部35に、易開封部45を易開封部47に、底部62を底部64に、包装体101を包装体103に、展開シート301を展開シート303と読み替える。)
【0068】
図1(a)は、第4実施形態に係る包装体103の加熱調理前の斜視図である。
図1(b)は、第4実施形態に係る包装体103の加熱調理後で開封前の斜視図である。
図1(c)は、第4実施形態に係る包装体103の開封後の斜視図である。
図3は、
図1(a)の包装体103のA-A線断面図である。
図4は、
図1(a)の包装体103のB-B線断面図である。
図7は、第4実施形態に係る包装体103の展開シート303である。
【0069】
第4実施形態に係る包装体103は、第1実施形態に係る包装体100と同じように全体としていわゆる三角錐体状に形成されている(
図1(a)参照)。
【0070】
図7に示されるように、底部64の二辺に、2つの側面部1の底辺2がそれぞれ折り罫a、bを介して連設されている。その一方の側面部1とさらに別の側面部1とが、三角形状の頂点4、5の位置を一致させた上で、斜辺10同士が折り罫dを介して連設され、2つの側面部1の斜辺10の端部に先端シール部82および側面シール部81が設けられている。先端シール部82および側面シール部81が設けられた側面部1と、包装体103成形時にその側面部1に連設する側面部1とが、それぞれ1つの先端シール部82および1つの側面シール部81により接着されることで胴部23が形成される。
【0071】
また、底部64の一辺の端部に底面シール部83が設けられている。上記の通り胴部23を形成した上で、底部64とその底部64の底面シール部83側に連設する1つの側面部1とが底面シール部83により接着されることで、包装体103が形成される。
図7では、底部64の一辺の端部に底面シール部83が設けられているが、例えば、底部64と折り罫を介していない側面部1の底辺2の端部に底面シール部83が設けられ、底部64とその底部64の底面シール部83側に連設する1つの側面部1とが底面シール部83により接着されていてもよい。
【0072】
(第5実施形態)
図3、
図4、
図8、
図9を参照して、第5実施形態に係る包装体104について説明する。
図3は、後述する
図8(a)の包装体104のC-C線断面図である。
図4は、後述する
図8(a)の包装体104のD-D線断面図である。
図8(a)は、第5実施形態に係る包装体104の加熱調理前の斜視図である。
図8(b)は、第5実施形態に係る包装体104の加熱調理後で開封前の斜視図である。
図8(c)は、第5実施形態に係る包装体104の開封後の斜視図である。
図9は、第5実施形態に係る包装体104の展開シート304である。
【0073】
図8(a)および
図9に示されるように、包装体104は、4つの三角形状の側面部1を有する胴部24と、側面部1の底辺2に連設してなる四角形状の底部65とを有する。側面部1は、三角形状の頂点6~9の位置を一致させ、その三角形状の斜辺10同士が連設されており、包装体104は、全体としていわゆる四角錐体状に形成されている。
【0074】
図9に示されるように、側面部1は全て同形状かつ同大の二等辺三角形であり、底部65は正四角形(正多角形)である。なお、側面部1は全て同形状かつ同大の正三角形でもよい。側面部1を全て同形状かつ同大の二等辺三角形または正三角形とし、底部65を正四角形(正多角形)とすることで、転倒し難く安定性があるとともに外観がよいので好ましい。
【0075】
胴部24において、先端シール部82は、底部65と反対側の先端に設けられている。また、胴部24は易剥離部36と易開封部48とを有する。易剥離部36と易開封部48の各構造は、基本的には上記第1実施形態に係る包装体100と同じであるため、説明を省略する。(なお、共通する部分の説明においては、胴部20を胴部24に、易剥離部32を易剥離部36に、易開封部44を易開封部48に、底部61を底部65に、包装体100を包装体104に、展開シート301を展開シート304にそれぞれ読み替える。)
【0076】
また、各側面部1の底部65と反対側の先端に摘み部50を有し、易剥離部36は摘み部50に連設されている。摘み部50は、後述する易開封部48により開封する際の開封補助部および火傷防止しての役割を持つ。
【0077】
図9に示されるように、底部65の四辺それぞれに側面部1の底辺2が折り罫f~iを介して連設されており、4つの側面部1のそれぞれの一方の斜辺10の端部に先端シール
部82および側面シール部81が設けられている。先端シール部82および側面シール部81が設けられた側面部1とその側面部1に連設する側面部1とが、それぞれ1つの先端シール部82および1つの側面シール部81により接着されることで
図8(a)に示される包装体104に形成される。
図9では、4つの側面部1の全てに先端シール部82および側面シール部81が設けられているが、例えば、1つの側面部1の両方の斜辺10の端部と、別の2つの側面部1の一方の斜辺10の端部とに先端シール部82および側面シール部81が設けられていてもよい。
【0078】
なお、本発明の包装体は、少なくとも1つの先端シール部とそれに連設される少なくとも1つの側面シール部を介して2つの側面部が連設されることで胴部が形成される。
【0079】
胴部24において、先端シール部82は、底部65と反対側の先端に設けられている。胴部24は易剥離部36と易開封部48とを有する。易剥離部36は、加熱時に発生する蒸気による包装体104内部の圧力上昇により、先端シール部82により接着された側面部1上部同士を剥離し易くすることで、開口した蒸気抜き口90を形成可能な部分である。易開封部48は、易剥離部36に連設し、易剥離部36により形成された開口を容易に広げるための部分である。
【0080】
後述するように包装体104を構成するフィルム200は、少なくとも基材201とシーラント層202を積層した複合フィルム200から構成される(
図3、
図4参照)。なお、包装体104の側面部1のみがこのような構成の複合フィルム200としてもよい。
【0081】
易剥離部36は、例えば、下記の構造により形成されている。
図3を参照して説明する。
側面部1はシーラント層202を有し、シーラント層202を内側にして胴部24が形成されている。また、先端シール部82は、その少なくとも一部に、片面が易剥離面であるイージーピールテープ500が貼着されている。先端シール部82における易剥離面は、加熱時に発生する蒸気の圧力により、先端シール部82により接着された側面部1上部同士を剥離し易くする易剥離性を有する。イージーピールテープ500の易剥離面と側面部1のシーラント層202とが熱融着して剥離可能とすることで易剥離部36が形成されている。
【0082】
シーラント層202は少なくとも側面部1に有し、シーラント層202を内側にして胴部24が形成されていればよいが、本実施形態の包装体104のように底部65もシーラント層202を有し、シーラント層202を内側にして底部65が形成されていてもよい。
【0083】
包装体104は、蒸気抜き部としての上記易剥離部36を有するため、包装体104に収容された内容物を加熱調理する場合、包装体104の破裂などを防止するために包装体104を一旦開封したり内容物を別の容器に移し替えたりする必要がない。
図8(a)に示される包装体104のまま加熱調理すると、
図8(b)に示されるように、易剥離部36により、熱溶着されたイージーピールテープ500の易剥離面と側面部1のシーラント層202の間で剥離され、開口した蒸気抜き口90が形成される。なお、易剥離部36は、蒸気が大量に一気に抜き出て内容物が乾燥したりすることのない程度に開口できるように設けられることが好ましい。
【0084】
易開封部48は、例えば、下記のような構造により形成されている。
図4を参照して説明する。
側面部1はシーラント層202を有し、シーラント層202を内側にして胴部24が形成されている。また、側面シール部81は、その少なくとも一部に、片面が易剥離面であ
るイージーピールテープ501が貼着されている。側面シール部81における易剥離面は、側面シール部81により接着された側面部1を少なくとも加熱後に手動により剥離し易くする易剥離性を有する。イージーピールテープ501の易剥離面と側面部1のシーラント層202とが熱融着して剥離可能とすることで易開封部48が形成されている。
【0085】
上記のように、易開封部48は、加熱時に発生する蒸気の圧力によっては、側面シール部81により接着された側面部1が剥離しないため、加熱時に、
図8(b)に示されるように易剥離部36の部分のみで側面部1が剥離され、大きく開口しすぎて蒸気が大量に一気に抜き出て内容物が乾燥したりすることを防止した上で開口される。
【0086】
蒸気抜き部を真上に配置することで、加熱後の開封時に、開封操作を行う開封者の顔など上半身に加熱蒸気が当たるおそれがない。
【0087】
易開封部48は、上記イージーピールテープ501の易剥離面と側面部1のシーラント層202とが熱融着して剥離可能とするとともに、側面部1の斜辺10の少なくとも一部に沿ってハーフカットまたは折り線が設けられることで形成されていてもよい。ハーフカットは、内容物のバリア性や包装体104の流通時に破損などしない程度の強度を考慮した上で胴部24にハーフカットされていればよく、例えば基材201へのハーフカットとしてもよい。折り線は、包装体104に成形されやすくするためにも、山折り線が好ましい。
【0088】
なお、胴部24において、安全性を考慮して易開封部48を示す印刷表示を設けたり、より開封しやすくするために易開封線を示す印刷表示を設けたりしても良い。
【0089】
加熱後に包装体104を開封する時は、
図8(b)、(c)に示されるように、例えば、対向するそれぞれの側面部1の先端の摘み部50同士を手で摘まんでその側面部1同士を離すように外側に持っていき、側面部1の先端側から底部65側へ易開封部48に沿って4つの側面部1を剥離していく。このように、易開封部48によって、易剥離部36により形成された開口を容易に広げることが可能となり、内容物の取り出し易さが十分である。
【0090】
加熱後は側面部1の底部65と反対側の先端部は高温であるおそれがあり、内容物からより離れた部分に位置する摘み部50を手で摘まむことで、火傷を防止することも可能となる。
【0091】
また、包装体104は四角錐体状(多角錐体状)で底部65が平面であることから包装体104の載置が安定し、開封後に容器として使用することもできる。よって、食事後に皿などの食器を洗う手間も省かれるとともに、洗い物削減により汚水も削減される。さらに、開封時は包装体104の一部を切り取ることなく開口を広げて内容物を取り出すことができるため、廃棄時はゴミが1つで済むという利点もある。
【0092】
(第6実施形態)
図3、
図4、
図8、および
図10を参照して、第6実施形態に係る包装体105について説明する。
図3は、
図8(a)の包装体105のC-C線断面図である。
図4は、
図8(a)の包装体105のD-D線断面図である。
図8(a)は、第6実施形態に係る包装体105の加熱調理前の斜視図である。
図8(b)は、第6実施形態に係る包装体105の加熱調理後で開封前の斜視図である。
図8(c)は、第6実施形態に係る包装体105の開封後の斜視図である。
図10は、第6実施形態に係る包装体105の展開シート305である。
【0093】
第6実施形態に係る包装体105は、第5実施形態に係る包装体104と同じように全体としていわゆる四角錐体状に形成されている(
図8(a)参照)。
図10に示されるように、側面部1は全て同形状かつ同大の二等辺三角形であり、底部66は正四角形(正多角形)である。なお、側面部1は全て同形状かつ同大の正三角形でもよい。
【0094】
図10に示されるように、底部66の一辺に、展開シート305における一方の端の側面部1の底辺2が折り罫fを介して連設されている。4つの側面部1が三角形状の頂点6~9の位置を一致させ、その三角形状の斜辺10同士が折り罫j、k、mを介して連設され、展開シート305における一方の端の側面部1の斜辺10の端部に先端シール部82および側面シール部81が設けられている。先端シール部82および側面シール部81が設けられた側面部1と、包装体105成形時にその側面部1に連設する側面部1とが、1つの先端シール部82および1つの側面シール部81により接着されることで胴部25が形成される。
【0095】
胴部25において、先端シール部82は、底部66と反対側の先端に設けられている。胴部25は易剥離部37と易開封部49とを有する。
【0096】
また、底部66の三辺の端部に底面シール部83が設けられている。上記の通り胴部25を形成した上で、底部66とその底部66の底面シール部83側に連設する3つの側面部1とが底面シール部83により接着されることで、包装体105が形成される。
図10では、底部66の三辺に底面シール部83が設けられているが、例えば、底部66に連設される3つの側面部1の底辺2の端部にそれぞれ底面シール部83が設けられ、底面シール部83が設けられた側面部1とその側面部1に連設する底部66とが底面シール部83により接着されていてもよい。または、例えば、底部66の二辺の端部、および、底部66のその二辺と別の一辺に連設する1つの側面部1の端部に底面シール部83が設けられ、底部66とその底部66の底面シール部83側に連設する側面部1とが底面シール部83により接着されるとともに、底面シール部83が設けられた側面部1とその側面部1に連設する底部66とが底面シール部83により接着されていてもよい。
【0097】
また、易開封部49は、側面シール部81により接着されている側面部1同士の間については、少なくとも下記の構造を有する。
図4を参照して説明する。
側面部1はシーラント層202を有し、シーラント層202を内側にして胴部25が形成されている。また、側面シール部81は、その少なくとも一部に、片面が易剥離面であるイージーピールテープ510が貼着されている。側面シール部81における易剥離面は、側面シール部81により接着された側面部1同士を少なくとも加熱後に手動により剥離し易くする易剥離性を有する。イージーピールテープ510の易剥離面と側面部1のシーラント層202とが熱融着して剥離可能とすることで易開封部49が形成されている。
【0098】
また、易開封部49は、側面シール部81により接着されている側面部1同士の間については、さらに、側面部1同士の間の斜辺10の少なくとも一部に沿ってハーフカットまたは折り線が設けられることで形成されていてもよい。
【0099】
易開封部49は、側面シール部81により接着されていない側面部1同士の間については、側面部1同士の間の斜辺10の少なくとも一部に沿ってハーフカットまたは折り線が設けられることで形成されている。
【0100】
摘み部50、易剥離部37のイージーピールテープ500、易開封部49のイージーピールテープ510、および包装体105を構成するフィルム200の構造は、基本的には第5実施形態に係る包装体104と同じであるため、説明を省略する。(なお、摘み部50、易剥離部37のイージーピールテープ500、易開封部49のイージーピールテープ
510、および包装体105を構成するフィルム200の構造については、上記第5実施形態に係る包装体104のこれらの構造の説明において、胴部24を胴部25に、易剥離部36を易剥離部37に、易開封部48を易開封部49に、底部65を底部66に、包装体104を包装体105に、展開シート304を展開シート305にそれぞれ読み替える。)
【0101】
(第7実施形態)
図3、
図4、
図8、および
図11を参照して、第7実施形態に係る包装体106について説明する。
【0102】
図11に示されるように、第7実施形態に係る包装体106は、底部の一辺に、展開シートにおける端から2番目の側面部1の底辺2が折り罫fを介して連設されている以外は、基本的には第6実施形態に係る包装体105と同じである。以下の説明では実施形態6と異なる部分の説明に重点をおき、共通する部分については説明を省略することがある。(なお、共通する部分の説明においては、胴部25を胴部26に、易剥離部37を易剥離部38に、易開封部49を易開封部50に、底部66を底部67に、包装体105を包装体106に、展開シート305を展開シート306にそれぞれ読み替える。)
【0103】
図3は、
図8(a)の包装体106のB-B線断面図である。
図4は、
図8の包装体106のD-D線断面図である。
図8(a)は、第7実施形態に係る包装体106の加熱調理前の斜視図である。
図8(b)は、第7実施形態に係る包装体106の加熱調理後で開封前の斜視図である。
図8(c)は、第7実施形態に係る包装体106の開封後の斜視図である。
図11は、第7実施形態に係る包装体106の展開シート306である。
【0104】
第7実施形態に係る包装体106は、第5実施形態に係る包装体104と同じように全体としていわゆる四角錐体状に形成されている(
図8(a)参照)。
【0105】
(第8実施形態)
図3、
図4、
図8、および
図12を参照して、第8実施形態に係る包装体107について説明する。
図3は、
図8(a)の包装体107のC-C線断面図である。
図4は、
図8(a)の包装体107のD-D線断面図である。
図8(a)は、第8実施形態に係る包装体107の加熱調理前の斜視図である。
図8(b)は、第8実施形態に係る包装体107の加熱調理後で開封前の斜視図である。
図8(c)は、第8実施形態に係る包装体107の開封後の斜視図である。
図12は、第8実施形態に係る包装体107の展開シート307である。
【0106】
第8実施形態に係る包装体107は、第5実施形態に係る包装体104と同じように全体としていわゆる四角錐体状に形成されている(
図8(a)参照)。
【0107】
図12に示されるように、底部68の対向する二辺に、2つの側面部1の底辺2がそれぞれ折り罫f、hを介して連設されている。そのそれぞれの側面部1とさらに別の側面部1とが、三角形状の頂点(6および7、または8および9)の位置を一致させた上で、斜辺10同士が折り罫k、mを介して連設され、2つの側面部1の斜辺10の端部にそれぞれ先端シール部82および側面シール部81が設けられている。先端シール部82および側面シール部81が設けられた2つ側面部1と、包装体107成形時にその側面部1に連設する2つの側面部1とが、それぞれ1つの先端シール部82および1つの側面シール部81により接着されることで胴部27が形成される。
【0108】
また、底部68の別の対向する二辺の端部に底面シール部83が設けられている。上記の通り胴部27を形成した上で、底部68とその底部68の底面シール部83側に連設す
る2つの側面部1とが底面シール部83により接着されることで、包装体107が形成される。
図12では、底部68の別の対向する二辺の端部に底面シール部83が設けられているが、例えば、底部68と折り罫を介していない2つの側面部1の底辺2の端部にそれぞれ底面シール部83が設けられ、2つの側面部1とその側面部1の底面シール部83側に連設する底部68とが底面シール部83により接着されていてもよい。または、底部68の一辺の端部と、その辺に対向する一辺に連設される側面部1の底辺2の端部とにそれぞれ底面シール部83が設けられていてもよい。
【0109】
易剥離部39、易開封部51、摘み部50、および包装体107を構成するフィルム200の構造は、基本的には第6実施形態に係る包装体105と同じであるため、説明を省略する。(易剥離部39、易開封部51、摘み部50、および包装体107を構成するフィルム200の構造については、上記第6実施形態に係る包装体105のこれらの構造の説明において、胴部25を胴部27に、易剥離部37を易剥離部39に、易開封部49を易開封部51に、底部66を底部68に、包装体105を包装体107に、展開シート305を展開シート307にそれぞれ読み替える。)
【0110】
(第9実施形態)
図3、
図4、
図8、および
図13を参照して、第9実施形態に係る包装体108について説明する。
図3は、
図8(a)の包装体108のC-C線断面図である。
図4は、
図8(a)の包装体108のD-D線断面図である。
図8(a)は、第9実施形態に係る包装体108の加熱調理前の斜視図である。
図8(b)は、第9実施形態に係る包装体108の加熱調理後で開封前の斜視図である。
図8(c)は、第9実施形態に係る包装体108の開封後の斜視図である。
図13は、第9実施形態に係る包装体108の展開シート308である。
【0111】
第9実施形態に係る包装体108は、第5実施形態に係る包装体104と同じように全体としていわゆる四角錐体状に形成されている(
図8(a)参照)。
【0112】
図13に示されるように、底部69の対向する二辺に、2つの側面部1の底辺2がそれぞれ折り罫f、hを介して連設されている。その一方の側面部1の両方の斜辺10に、さらに別の側面部1が三角形状の頂点6、7、9の位置を一致させた上で、折り罫j、mを介して連設され、2つの側面部1の斜辺10の端部に先端シール部82および側面シール部81が設けられている。先端シール部82および側面シール部81が設けられた2つの側面部1と、包装体108成形時にそのそれぞれの側面部1に連設する側面部1とが、それぞれ1つの先端シール部82および1つの側面シール部81により接着されることで胴部28が形成される。
【0113】
底面シール部83の形成は、基本的には上記第8実施形態に係る包装体107と同じように、底部69と側面部1が底面シール部83より接着される場合は、例えば、底面シール部83の基材1と側面部1のシーラント層202とが熱融着される。
【0114】
また、易剥離部40、易開封部52、摘み部50、および包装体108を構成するフィルム200の構造は、基本的には第6実施形態に係る包装体105と同じであるため、説明を省略する。(易剥離部40、易開封部52、摘み部50、および包装体108を構成するフィルム200の構造については、上記第6実施形態に係る包装体105のこれらの構造の説明において、胴部25を胴部28に、易剥離部37を易剥離部40に、易開封部49を易開封部52に、底部66を底部69に、包装体105を包装体108に、展開シート305を展開シート309にそれぞれ読み替える。)
【0115】
(第10実施形態)
図3、
図4、
図8、および
図14を参照して、第10実施形態に係る包装体109について説明する。
図3は、
図8(a)の包装体109のC-C線断面図である。
図4は、
図8(a)の包装体109のD-D線断面図である。
図8(a)は、第10実施形態に係る包装体109の加熱調理前の斜視図である。
図8(b)は、第10実施形態に係る包装体109の加熱調理後で開封前の斜視図である。
図8(c)は、第10実施形態に係る包装体109の開封後の斜視図である。
図14は、第10実施形態に係る包装体109の展開シート309である。
【0116】
第10実施形態に係る包装体109は、第5実施形態に係る包装体104と同じように全体としていわゆる四角錐体状に形成されている(
図8(a)参照)。
【0117】
図14に示されるように、底部70の隣り合う二辺に、2つの側面部1の底辺2がそれぞれ折り罫f、gを介して連設されている。そのそれぞれの側面部1とさらに別の側面部1とが、三角形状の頂点(6および9、または7および8)の位置を一致させた上で、斜辺10同士が折り罫k、mを介して連設され、2つの側面部1の斜辺10の端部に先端シール部82および側面シール部81が設けられている。先端シール部82および側面シール部81が設けられた2つの側面部1と、包装体109成形時にそのそれぞれの側面部1に連設する側面部1とが、それぞれ1つの先端シール部82および1つの側面シール部81により接着されることで胴部29が形成される。
【0118】
また、底部70の別の隣り合う二辺の端部に底面シール部83が設けられている。上記の通り胴部29を形成した上で、底部70とその底部70の底面シール部83側に連設する2つの側面部1とが底面シール部83により接着されることで、包装体109が形成される。
図14では、底部70の別の隣り合う二辺の端部に底面シール部83が設けられているが、例えば、底部70と折り罫を介していない2つの側面部1の底辺2の端部にそれぞれ底面シール部83が設けられ、2つの側面部1とその側面部1の底面シール部83側に連設する底部70とが底面シール部83により接着されていてもよい。または、底部70の一辺の端部と、その辺と隣り合う一辺に連設される側面部1の底辺2の端部とにそれぞれ底面シール部83が設けられていてもよい。
【0119】
また、易剥離部41、易開封部53、摘み部50、および包装体109を構成するフィルム200の構造は、基本的には第6実施形態に係る包装体105と同じであるため、説明を省略する。(易剥離部41、易開封部53、摘み部50、および包装体109を構成するフィルム200の構造については、上記第6実施形態に係る包装体105のこれらの構造の説明において、胴部25を胴部29に、易剥離部37を易剥離部41に、易開封部49を易開封部53に、底部66を底部70に、包装体105を包装体109に、展開シート305を展開シート309にそれぞれ読み替える。)
【0120】
(第11実施形態)
図3、
図4、
図8、および
図15を参照して、第8実施形態に係る包装体110について説明する。
図3は、
図8(a)の包装体110のC-C線断面図である。
図4は、
図8(a)の包装体110のD-D線断面図である。
図8(a)は、第11実施形態に係る包装体110の加熱調理前の斜視図である。
図8(b)は、第11実施形態に係る包装体110の 加熱調理後で開封前の斜視図である。
図8(c)は、第11実施形態に係る包装体110の開封後の斜視図である。
図15は、第11実施形態に係る包装体110の展開シート310である。
【0121】
第11実施形態に係る包装体110は、第5実施形態に係る包装体104と同じように全体としていわゆる四角錐体状に形成されている(
図8(a)参照)。
【0122】
図15に示されるように、底部71の隣り合う二辺に、2つの側面部1の底辺2がそれぞれ折り罫f、gを介して連設されている。その一方の側面部1と別の2つの側面部1とが三角形状の頂点6、8、9の位置を一致させた上で、斜辺10同士が折り罫k、mを介して連設されている。また、2つの側面部1の斜辺10の端部に先端シール部82および側面シール部81が設けられている。先端シール部82および側面シール部81が設けられた2つ側面部1と、包装体110成形時にその側面部1に連設する2つの側面部1とが、それぞれ1つの先端シール部82および1つの側面シール部81により接着されることで胴部30が形成される。
【0123】
また、底部71の別の隣り合う二辺の端部に底面シール部83が設けられている。上記の通り胴部30を形成した上で、底部71とその底部71の底面シール部83側に連設する2つの側面部1とが底面シール部83により接着されることで、包装体110が形成される。
図15では、底部71の別の隣り合う二辺の端部に底面シール部83が設けられているが、例えば、底部71と折り罫を介していない2つの側面部1の底辺2の端部にそれぞれ底面シール部83が設けられ、2つの側面部1とその側面部1の底面シール部83側に連設する底部71とが底面シール部83により接着されていてもよい。または、底部71の一辺の端部と、その辺に隣り合う一辺に連設される側面部1の底辺2の端部とにそれぞれ底面シール部83が設けられていてもよい。
【0124】
また、易剥離部42、易開封部54、摘み部50、および包装体110を構成するフィルム200の構造は、基本的には第6実施形態に係る包装体105と同じであるため、説明を省略する。(易剥離部42、易開封部54、摘み部50、および包装体110を構成するフィルム200の構造については、上記第6実施形態に係る包装体105のこれらの構造の説明において、胴部25を胴部30に、易剥離部37を易剥離部42に、易開封部49を易開封部54に、底部66を底部71に、包装体105を包装体110に、展開シート305を展開シート310にそれぞれ読み替える。)
【0125】
(第12実施形態)
図3、
図4、
図8、および
図16を参照して、第12実施形態に係る包装体111について説明する。
図3は、
図8(a)の包装体111のC-C線断面図である。
図4は、
図8(a)の包装体111のD-D線断面図である。
図8(b)は、第12実施形態に係る包装体111の加熱調理後で開封前の斜視図である。
図8(c)は、第12実施形態に係る包装体111の開封後の斜視図である。
図16は、第12実施形態に係る包装体111の展開シート311である。
【0126】
第12実施形態に係る包装体111は、第5実施形態に係る包装体105と同じように全体としていわゆる四角錐体状に形成されている(
図8(a)参照)。
【0127】
図16に示されるように、底部72の隣り合う三辺に、3つの側面部1の底辺2がそれぞれ折り罫f、h、iを介して連設されている。その中の1つの側面部1と別の1つの側面部1とが三角形状の頂点6、7の位置を一致させた上で、斜辺10同士が折り罫jを介して連設されている。また、3つの側面部1の斜辺10の端部に先端シール部82および側面シール部81が設けられている。先端シール部82および側面シール部81が設けられた3つ側面部1と、包装体111成形時にその側面部1に連設する側面部1とが、それぞれ1つの先端シール部82と1つの側面シール部81により接着されることで胴部31が形成される。
【0128】
また、底部72の一辺の端部に底面シール部83が設けられている。上記の通り胴部31を形成した上で、底部72とその底部72の底面シール部83側に連設する1つの側面部1とが底面シール部83により接着されることで、包装体111が形成される。
図16
では、底部72の一辺の端部に底面シール部83が設けられているが、例えば、底部72と折り罫を介していない1つの側面部1の底辺2の端部に底面シール部83が設けられ、1つの側面部1とその側面部1の底面シール部83側に連設する底部72とが底面シール部83により接着されていてもよい。
【0129】
また、易剥離部43、易開封部55、摘み部50、および包装体111を構成するフィルム200の構造は、基本的には第6実施形態に係る包装体105と同じであるため、説明を省略する。(易剥離部43、易開封部55、摘み部50、および包装体111を構成するフィルム200の構造については、上記第6実施形態に係る包装体105のこれらの構造の説明において、胴部25を胴部31に、易剥離部37を易剥離部43に、易開封部49を易開封部55に、底部66を底部72に、包装体105を包装体111に、展開シート305を展開シート311にそれぞれ読み替える。)
【0130】
以上の通り、本発明の包装体はいわゆる多角錐体状であり、胴部が、加熱時に発生する蒸気の圧力により、先端シール部を介して連設された側面部上部同士を剥離し易くすることで、開口した蒸気抜き口を形成可能な易剥離部を有する。蒸気抜き部を真上に配置することで、加熱後の開封時に、開封操作を行う開封者の顔など上半身に加熱蒸気が当たるおそれがない。また、胴部は、易剥離部に連設し、易剥離部により形成された開口を容易に広げるための易開封部も有する。蒸気抜き部により形成された開口を、内容物を取り出し可能に容易に広げる構造を有するため、内容物の取り出し易さが十分である。また、多角錐体状で底部が平面であることから包装体の載置が安定し、開封後に容器として使用することもできる。よって、食器を別途用意する必要がなく、食事後に皿などの食器を洗う手間が省かれるとともに、洗い物削減により汚水も削減される。さらに、開封時は包装体の一部を切り取ることなく開口を広げて内容物を取り出すことができるため、廃棄時はゴミが1つで済むという利点もある。
【0131】
なお、上記実施形態では、例として、底部が三角形のいわゆる三角錐体状、または底部が四角形のいわゆる四角錐体状の包装体を挙げて説明した。しかし、本発明の包装体は、少なくとも3つ以上の三角形状の側面部を有する胴部と、側面部の底辺に連設してなる多角形状の底部とを有する、いわゆる多角錐体状の包装体であればよいため、底部が五角形以上(側面部が5つ以上)の角錐体状としてもよい。ただし、開封時に捲られる側面部が多すぎると、開封が手間となるため、例として示した三角錐体状または四角錐体状程度が好ましい。
【0132】
また、上記の例では、包装体成形時に連設される側面部の斜辺の一方に先端シール部および側面シール部が設けられているが、包装体成形時に連設される側面部の全ての斜辺に先端シール部および側面シール部が設けられていてもよい。この場合、先端シール部および側面シール部の内面同士の間に設けられたイージーピールテープにより側面部を連設することで、包装体が形成される。
【0133】
さらに、本発明の包装体は、各側面部を外側に広げて開封する、いわゆる風呂敷のような構造を有するため、例えば開封する度合いによって開口部の大きさを調整できたり、広げた側面部同士を結ぶことで開口部を閉じたりすることができるという利点がある。
【符号の説明】
【0134】
1・・・側面部
2・・・底辺
3~9・・・頂点
10・・・斜辺
20~31・・・胴部
32~43・・・易剥離部
44~55・・・易開封部
50・・・摘み部
61~72・・・底部
81・・・側面シール部
82・・・先端シール部
83・・・底面シール部
90・・・開口した蒸気抜き口
100~111・・・包装体
200・・・包装体を構成するフィルム
201・・・基材
202・・・シーラント層
300~311・・・展開シート
500、510・・・イージーピールテープ
501、511・・・接着性樹脂層
502、512・・・剥離性樹脂層
a~k、m・・・折り罫