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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165194
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】構造部材の接合構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20221024BHJP
   E04B 1/30 20060101ALI20221024BHJP
   E04B 1/94 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
E04B1/58 506Z
E04B1/30 Z
E04B1/58 506T
E04B1/58 508T
E04B1/94 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070444
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(71)【出願人】
【識別番号】000183428
【氏名又は名称】住友林業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】増子 寛
(72)【発明者】
【氏名】エキ田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼林 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 真理恵
(72)【発明者】
【氏名】青木 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】熊川 佳伸
(72)【発明者】
【氏名】黒田 瑛一
(72)【発明者】
【氏名】間中 護
【テーマコード(参考)】
2E001
2E125
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001FA01
2E001FA02
2E001GA06
2E001GA12
2E001HA01
2E001HA03
2E001HA32
2E001HB01
2E001HC01
2E001LA11
2E001LA15
2E125AA04
2E125AA14
2E125AB01
2E125AB12
2E125AB16
2E125AC15
2E125AC16
2E125AC24
2E125AG03
2E125AG04
2E125AG12
2E125AG23
2E125BB02
2E125BB22
2E125BB36
2E125BD01
2E125BE08
2E125BF06
2E125BF08
2E125CA05
2E125CA79
(57)【要約】
【課題】現場での接合作業の施工性を向上できる構造部材の接合構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る構造部材の接合構造は、荷重支持部(金属質柱10)を備えた第1の構造部材1と、荷重支持部(木質梁20)を備えた第2の構造部材2と、第1の構造部材の荷重支持部と第2の構造部材の荷重支持部とを接合する接合手段3とを備え、接合手段は、第1の構造部材の荷重支持部に接合された第1の接合部材30と、第2の構造部材の荷重支持部に接合された第2の接合部材31と、第1の接合部材と第2の接合部材とを接合する第3の接合部材32とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重支持部を備えた第1の構造部材と、
荷重支持部を備えた第2の構造部材と、
第1の構造部材の荷重支持部と第2の構造部材の荷重支持部とを接合する接合手段とを備え、
接合手段は、
第1の構造部材の荷重支持部に接合された第1の接合部材と、第2の構造部材の荷重支持部に接合された第2の接合部材と、第1の接合部材と第2の接合部材とを接合する第3の接合部材とを備えたことを特徴とする構造部材の接合構造。
【請求項2】
第1の構造部材の荷重支持部が金属質柱又は金属質梁であり、第2の構造部材の荷重支持部が木質梁であり、
第1の接合部材が金属質柱又は金属質梁に接合されて設けられたとともに、第2の接合部材が木質梁の梁端部に接合されて梁端面より突出するように設けられ、
かつ、
金属質柱又は金属質梁を覆うように設けられた第1の耐火被覆部と、
木質梁の側面と下面とを覆うとともに、木質梁の梁端面を超えて延長して第1耐火被覆部と接触するように設けられた第2の耐火被覆部と、
第1耐火被覆部と第2耐火被覆部と木質梁の梁端面とで囲まれた空間部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の構造部材の接合構造。
【請求項3】
空間を隔てて第1の耐火被覆部を覆うように壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の構造部材の接合構造。
【請求項4】
空間を隔てて第1の耐火被覆部を覆うとともに上端が第2の耐火被覆部と接触するように壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の構造部材の接合構造。
【請求項5】
前記第3の耐火被覆部とは別に、空間を隔てて第1の耐火被覆部を覆うとともに上端が天井下地面に取付けられた第4の耐火被覆部と接触するように壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部を備えたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の構造部材の接合構造。
【請求項6】
金属質柱又は金属質梁を空間を隔てて囲い込むように、第2の耐火被覆部と、第2の耐火被覆部と接触するように設けられた第3の耐火被覆部と、第4の耐火被覆部と、第4の耐火被覆部と接触するように設けられた第3の耐火被覆部とが設置されたことを特徴とする請求項5に記載の構造部材の接合構造。
【請求項7】
空間部内に耐火部材が設けられて構成された部材間耐火部を備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の構造部材の接合構造。
【請求項8】
金属質柱又は金属質梁から第1の接合部材及び第2の接合部材を経由して木質梁に熱が伝達される熱橋現象を抑制する熱橋抑制部材を備え、
熱橋抑制部材は、第2の接合部材又は第1の接合部材と接触するように設けられたことを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の構造部材の接合構造。
【請求項9】
第3の接合部材は、
第1の接合部材に形成された貫通孔と、第2の接合部材に形成された貫通孔と、これら貫通孔を貫通して第1の接合部材と第2の接合部材とを接合する貫通軸手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の構造部材の接合構造。
【請求項10】
第1の接合部材及び第2の接合部材に形成された貫通孔のうちの少なくとも一方は、第1の接合部材と第2の接合部材との接合位置を調整するための長孔であることを特徴とする請求項9に記載の構造部材の接合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の構造部材の荷重支持部と第2の構造部材の荷重支持部とを接合する構造部材の接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷重支持部を備えた第1の構造部材と、荷重支持部を備えた第2の構造部材と、第1の構造部材の荷重支持部と第2の構造部材の荷重支持部とを接合する接合手段とを備えた構造部材の接合構造が知られている(特許文献1等参照)。
特許文献1には、第1の構造部材の荷重支持部としての鋼製柱(金属質柱)と第2の構造部材の荷重支持部としての木質梁とを接合する接合構造として、鋼製柱に溶接されて鋼製柱の一側面より突出する接続部材を設けて、当該接続部材と木質梁とをドリフトピンを用いて接合した接合構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6245909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された接合構造においては、鋼製柱に溶接された接続部材を、現場において木質梁のスリットに挿入した後に、現場において木質梁と接続部材とをドリフトピンで接合しなければならない。
即ち、特許文献1に開示された接合構造では、鋼製柱に溶接されて鋼製柱の一側面より突出するように設けられた接続部材を木質梁のスリットに挿入する挿入作業、ドリフトピンを貫通させるために木質梁に形成された貫通孔と接続部材に形成された貫通孔とを位置合わせするための貫通孔位置合わせ作業、位置合わせされた各貫通孔にドリフトピンを貫通させて木質梁と接続部材とを接合する接合作業という一連の柱梁接合作業を、現場での高所である柱梁接合位置にて行わなければならない。
このように、特許文献1に開示された接合構造では、現場における高所での接合作業の工程が多くなるとともに、木質梁に形成された貫通孔と接続部材に形成された貫通孔とを位置合わせするための煩雑な貫通孔位置合わせ作業を現場の高所で行わなければならないため、施工性の面での課題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みて、現場での接合作業の施工性を向上できる構造部材の接合構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る構造部材の接合構造は、荷重支持部を備えた第1の構造部材と、荷重支持部を備えた第2の構造部材と、第1の構造部材の荷重支持部と第2の構造部材の荷重支持部とを接合する接合手段とを備え、接合手段は、第1の構造部材の荷重支持部に接合された第1の接合部材と、第2の構造部材の荷重支持部に接合された第2の接合部材と、第1の接合部材と第2の接合部材とを接合する第3の接合部材とを備えたことを特徴とするので、現場において第1の接合部材と第2の接合部材とを重ね合わせてこれら第1の接合部材と第2の接合部材とを第3の接合部材で接合するだけとなり、現場での接合作業の施工性を向上できる構造部材の接合構造を提供できるようになった。
また、第1の構造部材の荷重支持部が金属質柱又は金属質梁であり、第2の構造部材の荷重支持部が木質梁であり、第1の接合部材が金属質柱又は金属質梁に接合されて設けられたとともに、第2の接合部材が木質梁の梁端部に接合されて梁端面より突出するように設けられ、かつ、金属質柱又は金属質梁を覆うように設けられた第1の耐火被覆部と、木質梁の側面と下面とを覆うとともに、木質梁の梁端面を超えて延長して第1耐火被覆部と接触するように設けられた第2の耐火被覆部と、第1耐火被覆部と第2耐火被覆部と木質梁の梁端面とで囲まれた空間部とを備えたことを特徴とするので、現場での接合作業の施工性を向上できる金属質柱又は金属質梁と木質梁との接合構造を提供できるとともに、金属質柱又は金属質梁から木質梁への熱伝導を抑制できて、耐火性に優れた構造部材の接合構造を提供できるようになった。
また、空間を隔てて第1の耐火被覆部を覆うように壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部を備えたことを特徴とするので、火災時において、室内空間側からの熱が、第3の耐火被覆部、空間、第1の耐火被覆部を介して遮られて、金属質柱や金属質梁側に伝達され難くなるため、耐火性能を向上できる。
また、空間を隔てて第1の耐火被覆部を覆うとともに上端が第2の耐火被覆部と接触するように壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部を備えたことを特徴とするので、火災時において、室内空間側からの熱が、第3の耐火被覆部、第2の耐火被覆部、空間、第1の耐火被覆部を介して遮られて、金属質柱や金属質梁側に伝達され難くなるため、耐火性能を向上できる。さらに、金属質柱又は金属質梁に対する耐火被覆性能を、第1の耐火被覆部だけではなく、第3の耐火被覆部、第2の耐火被覆部にも負担させることができるので、第1の耐火被覆部の被覆厚さを薄くできるようになり、第1の耐火被覆部の施工コストを削減できるようになる。
また、前記第3の耐火被覆部とは別に、空間を隔てて第1の耐火被覆部を覆うとともに上端が天井下地面に取付けられた第4の耐火被覆部と接触するように壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部を備えたことを特徴とするので、火災時において、室内空間側からの熱が、当該第3の耐火被覆部、空間、第4の耐火被覆部、第1の耐火被覆部を介して遮られて、金属質柱や金属質梁側に伝達され難くなるため、耐火性能を向上できる。さらに、金属質柱又は金属質梁に対する耐火被覆性能を、第1の耐火被覆部だけではなく、第3の耐火被覆部、第4の耐火被覆部にも負担させることができるので、第1の耐火被覆部の被覆厚さを薄くできるようになり、第1の耐火被覆部の施工コストを削減できるようになる。
また、金属質柱又は金属質梁を空間を隔てて囲い込むように、第2の耐火被覆部と、第2の耐火被覆部と接触するように設けられた第3の耐火被覆部と、第4の耐火被覆部と、第4の耐火被覆部と接触するように設けられた第3の耐火被覆部とが設置されたことを特徴とするので、火災時において、室内空間側からの熱が、これら第3の耐火被覆部、空間、第2の耐火被覆部、第4の耐火被覆部を介して遮られて、金属質柱側又は金属質梁側に伝達され難くなるため、耐火性能を向上できる。さらに、金属質柱又は金属質梁に対する耐火被覆性能を、第1の耐火被覆部だけではなく、第3の耐火被覆部、第2の耐火被覆部、第4の耐火被覆部にも負担させることができるので、第1の耐火被覆部の被覆厚さを薄くできるようになり、第1の耐火被覆部の施工コストを削減できるようになる。
また、空間部内に耐火部材が設けられて構成された部材間耐火部を備えたことを特徴とするので、耐火性能に優れた接合構造を提供できる。
また、金属質柱又は金属質梁から第1の接合部材及び第2の接合部材を経由して木質梁に熱が伝達される熱橋現象を抑制する熱橋抑制部材を備え、熱橋抑制部材は、第2の接合部材又は第1の接合部材と接触するように設けられたことを特徴とするので、金属質柱から木質梁への熱橋現象をより効果的に抑制でき、耐火性能に優れた接合構造を提供できる。
また、第3の接合部材は、第1の接合部材に形成された貫通孔と、第2の接合部材に形成された貫通孔と、これら貫通孔を貫通して第1の接合部材と第2の接合部材とを接合する貫通軸手段とを備えたことを特徴とするので、第3の接合部材による接合作業がより容易となり、現場での接合作業の施工性をより向上できる構造部材の接合構造を提供できるようになった。
また、第1の接合部材及び第2の接合部材に形成された貫通孔のうちの少なくとも一方は、第1の接合部材と第2の接合部材との接合位置を調整するための長孔であることを特徴とするので、接合作業をより容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】構造部材としての金属質柱と木質梁との接合構造を示す斜視図(実施形態1)。
図2】金属質柱と木質梁との接合構造を示す横断面図(実施形態1)。
図3】金属質柱と木質梁との接合構造を示す縦断面図(図2のA-A断面相当図(ボルト36及びナット37、ドリフトピン34の図示は省略した))(実施形態1)。
図4】金属質柱と木質梁との接合構造を示す横断面図(実施形態2)。
図5】金属質柱と木質梁との接合構造を示す縦断面図(図4のA-A断面相当図(ボルト36及びナット37、ドリフトピン34の図示は省略した))(実施形態2)。
図6】金属質柱と木質梁との接合構造を示す横断面図(実施形態3)。
図7】金属質柱と木質梁との接合構造を示す縦断面図(図6のA-A断面相当図(ボルト36及びナット37の図示は省略した))(実施形態3)。
図8】構造部材としての金属質梁と木質梁との接合構造を示す横断面図(実施形態5)。
図9】金属質梁と木質梁との接合構造を示す縦断面図(図8のA-A断面相当図(ボルト36及びナット37、ドリフトピン34の図示は省略した))(実施形態5)。
図10】金属質柱と木質梁との接合構造を示す横断面図(実施形態6)。
図11】金属質柱と木質梁との接合構造を示す縦断面図(図10のA-A断面相当図(ボルト36及びナット37、ドリフトピン34の図示は省略した))(実施形態6)。
図12】金属質梁と木質梁との接合構造を示す横断面図(実施形態6)。
図13】金属質梁と木質梁との接合構造を示す縦断面図(図12のA-A断面相当図(ボルト36及びナット37、ドリフトピン34の図示は省略した))(実施形態6)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
実施形態1に係る構造部材の接合構造は、図1乃至図3に示すように、荷重支持部を備えた第1の構造部材1と、荷重支持部を備えた第2の構造部材2と、第1の構造部材1の荷重支持部と第2の構造部材2の荷重支持部とを接合する接合手段3とを備えた接合構造である。
【0008】
第1の構造部材1は、荷重を支持する荷重支持部としての例えば断面ロ字状の鉄骨柱等の中空の金属質柱10と、当該金属質柱10を覆うように設けられた第1の耐火被覆部11とを備えた構成とした。
【0009】
第1の耐火被覆部11は、例えば金属質柱10を覆うように設けられた石こうボード等の耐火板による耐火被覆層、あるいは、ロックウールとセメントとを混ぜ合わせた耐火被覆材を金属質柱10の外面に吹き付けて形成された耐火被覆層等により構成される。
尚、第1の耐火被覆部11を石こうボード等の耐火板による耐火被覆層で構成した場合には、第1の耐火被覆部11の表面には、表面仕上げ材を設けることが好ましいが、当該表面仕上げ材は設けなくても良い。
【0010】
第2の構造部材2は、荷重を支持する第2の荷重支持部としての例えば木質梁20と、当該木質梁20の外面に設けられた第2の耐火被覆部21とを備えた構成とした。
【0011】
木質梁20は、例えば、CLT(Cross Laminated Timber(直交集成板))又は集成材又はLVL(Laminated Veneer Lumber(単層積層材))又は無垢材等の木により形成された梁である。
尚、CLTとは、農林水産省告示第3079号に規定されたように、「ひき板又は小角材(これらをその繊維方向を互いにほぼ平行にして長さ方向に接合接着して調整したものを含む。)をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べ又は接着したものを、主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせた一般材」である。
即ち、CLTは、一般に、張り合わせる板の繊維方向が直交するように複数の板を張り合わせて構成された木材であり、直交集成板と呼ばれている。
また、集成材は、一般に、張り合わせる板の繊維方向が並行方向となるように複数の板を張り合わせて構成された木材である。
また、LVLは、一般に、複数の単板(ベニヤ)を、単板の繊維方向に平行に積層して接着した木材である。
【0012】
第2の耐火被覆部21は、木質梁20の両方の側面22,22と下面23とを覆うとともに、木質梁20の梁端面24を超えて延長して第1耐火被覆部11に到達するように設けられた耐火被覆層により構成される。
当該第2の耐火被覆部21は、例えば一層以上の石こうボード等の耐火部材により構成すればよい。
当該第2の耐火被覆部21は、具体的には、例えば、石こうボードと石こうボードとの間に断熱性(耐火性)を有した板(以下、耐熱耐火パネルという)を設けた積層構造の耐火被覆層、即ち、木質梁20の互いに対向する両方の梁側面22,22、及び、木質梁20の下面23に、所定厚さの石こうボードを取付けた1層目の被覆層を形成するとともに、当該1層目の被覆層の表面に断熱耐火パネルを取付けた2層目の被覆層を形成し、当該2層目の被覆層の表面に所定厚さの石こうボードを取付けた3層目の被覆層を形成した耐火被覆構造、つまり、3層構造の耐火被覆層により構成された耐火被覆部とした。
尚、第2の耐火被覆部21の表面には、表面仕上げ材を設けることが好ましいが、表面仕上げ材は設けなくても良い。
【0013】
接合手段3は、金属質柱10に接合された第1の接合部材30と、木質梁20に接合された第2の接合部材31と、第1の接合部材30と第2の接合部材31とを接合する第3の接合部材32とを備えた構成とした。
【0014】
金属質柱10に接合されて設けられた第1の接合部材30は、木質梁20の梁端面24と対向する金属質柱10の一側面12より突出するように設けられた例えばガセットプレートなどの鋼板のような板材(接合板)により形成される。
当該第1の接合部材30は、例えば接合板部となる平板面30aが金属質柱10の一側面12と直交する垂直面となるように、金属質柱10の一側面12と第1の接合部材30の一端縁部30eとが溶接によって接合されて設けられたり、あるいは、金属質柱10の一側面12と面接触させる板部を設けて、当該板部と金属質柱10の一側面12とがボルトなどで接合されて設けられる。
第1の接合部材30の他端縁側には、後述するボルト36を通すために平板面30aを貫通させた貫通孔が、当該第1の接合部材30の垂直方向に沿って所定の間隔を隔てて複数個設けられている。
【0015】
木質梁20に接合されて当該木質梁20の梁端面24より突出するように設けられた第2の接合部材31は、例えば木質梁20の梁端部に埋設される埋設部分31aと木質梁20の梁端面(小口面)24より突出する突出部分31bとを有した鋼板のような板材(接合板)により形成される。
第2の接合部材31の埋設部分31aには、後述するドリフトピン34を通すために平板面を貫通させた貫通孔38が形成されている。
第2の接合部材31の突出部分31bには、後述するボルト36を通すために平板面を貫通させた貫通孔が、当該突出部分31bの垂直方向に沿って所定の間隔を隔てて複数個設けられている。
【0016】
木質梁20の梁端部には、第2の接合部材31の埋設部分31aを挿入するための溝33が形成されている。
当該溝33は、木質梁20の梁端面24に開口して木質梁20の延長方向(材軸方向)側の端部が有底となるように形成された溝である。
【0017】
さらに、木質梁20の梁端部には、ドリフトピン34を貫通させるための貫通孔39が形成されている。
当該貫通孔39は、木質梁20の溝33を経由して一方の梁側面22と他方の梁側面22とに貫通する貫通孔、つまり、木質梁20の梁幅間に亘って貫通する貫通孔である。
【0018】
第2の接合部材31の埋設部分31aを形成する板には、板面の縦横に所定の間隔を隔てて行列状に複数の貫通孔38,38…が形成されている。
そして、第2の接合部材31の埋設部分31aが木質梁20の溝33に挿入された状態において、当該複数の貫通孔38,38…は、金属質柱10に接合される木質梁20の延長方向(水平方向)、及び、当該木質梁20の梁成方向(垂直方向)に沿って所定の間隔を隔てて行列状に位置されることになる。
【0019】
また、ドリフトピン34を貫通させるための貫通孔39は、貫通孔38に対応するように、複数個設けられる。
即ち、1つのドリフトピン34が嵌合状態に挿入される挿入孔が、中心線を同一とする貫通孔38と貫通孔39とで構成され、当該挿入孔が、金属質柱10に接合される木質梁20の延長方向(水平方向)、及び、当該木質梁20の梁成方向(垂直方向)に沿って所定の間隔を隔てて複数個形成されて、これら複数の各挿入孔にそれぞれドリフトピン34が嵌合状態に挿入されることによって、第2の接合部材31が木質梁20の梁端側に接合された構成となっている。
尚、第2の接合部材31と木質梁20との接合作業は、工場にて行なうことが好ましいが、現場にて行うようにしてもよい。
【0020】
図2に示すように、第1の接合部材30及び第2の接合部材31は、例えば板面同士が互いに重ね合わされる板材により形成され、図3に示すように、第1の接合部材30及び第2の接合部材31を形成する各板材には、ボルト36を通すための貫通孔として、第1の接合部材30と第2の接合部材31との接合位置を調整するための長孔35,35が形成されている。
即ち、長孔35は、第1の接合部材30及び第2の接合部材31を構成する板材の板面同士が所定の接合前状態に互いに重ね合わされた状態において、当該第1の接合部材30及び第2の接合部材31の垂直方向に沿って所定の間隔を隔てて複数個設けられ、垂直方向の孔幅よりも水平方向の孔幅が長くなるように形成された孔である(図1図3参照)。
【0021】
尚、長孔35は、第1の接合部材30及び第2の接合部材31のうちの少なくとも一方に形成されていればよい。つまり、第1の接合部材30及び第2の接合部材31のうちの一方がボルト36を通すための貫通孔としての長孔35を備え、第1の接合部材30及び第2の接合部材31のうちの他方がボルト36を通すための貫通孔としての円孔を備えた構成としてもよい。
【0022】
第3の接合部材32は、例えば、板面同士が互いに重ね合わされた、第1の接合部材30に形成された長孔35と、第2の接合部材31に形成された長孔35と、これら長孔35,35を貫通して第1の接合部材30と第2の接合部材31とを接合する貫通軸手段とを備えて構成される。
当該貫通軸手段は、例えば第1の接合部材30及び第2の接合部材31に形成された長孔35,35に貫通する軸材(ねじ)としてのボルト36と、当該ボルト36を第1の接合部材30及び第2の接合部材31に固定して当該第1の接合部材30と第2の接合部材31とを接合した締結部材としてのナット37とを備えた構成とした。
尚、ボルト36は、頭部を有したボルトであってもよいし、頭部を有しない寸切りボルトであってもよい。
また、貫通軸手段は、第1の接合部材30及び第2の接合部材31に形成された長孔35,35を貫通して第1の接合部材30と第2の接合部材31とを接合するリベット等の軸材を用いてもよい。
【0023】
尚、金属質柱10の一側面12より突出するように設けられた第1の接合部材30と木質梁20の梁端部に接合されて梁端面24より突出するように設けられた第2の接合部材31とが例えばボルト36及びナット37により接合された後、金属質柱10の側面を覆うように第1の耐火被覆部11が設けられたり、あるいは、金属質柱10の側面を覆うように第1の耐火被覆部11が設けられた後、金属質柱10の一側面12より突出する第1の接合部材30と木質梁20の梁端部に接合されて梁端面24より突出するように設けられた第2の接合部材31とが例えばボルト36及びナット37により接合される。
そして、木質梁20の側面22,22と下面23とを覆うとともに、木質梁20の梁端面24を超えて延長して金属質柱10の一側面12を覆う第1の耐火被覆部11に到達して当該第1の耐火被覆部11と接触するように第2の耐火被覆部21が設けられる。
以上により、第1の耐火被覆部11と第2の耐火被覆部21と木質梁20の梁端面24とで囲まれた空間部が構成される。
【0024】
また、金属質柱10から第1の接合部材30及び第2の接合部材31を経由して木質梁20に熱が伝達される熱橋現象を抑制する熱橋抑制部材40を備える。
当該熱橋抑制部材40は、例えば木質梁20の梁端面24の全体を被覆し、かつ、第2の接合部材31の突出部分31bと接触するように設けられている。つまり、第2の接合部材31の突出部分31bが、梁端面24の全体を被覆するように設けられた熱橋抑制部材40を貫通するように設けられている。
【0025】
熱橋抑制部材40は、例えば、コンクリート板、耐火シート、石こうボード、セラミックファイバーボード等の耐火材を用いればよい。
【0026】
さらに、金属質柱10の一側面12に設けられた第1の耐火被覆部11と当該第1の耐火被覆部11に到達するように設けられた第2の耐火被覆部21と熱橋抑制部材40とで囲まれた空間内に耐火部材が設けられて構成された部材間耐火部41を備える。
【0027】
部材間耐火部41は、例えばロックウールとセメントとを混ぜ合わせた耐火被覆材等の耐火部材を上述した空間内に吹き付けて充填することにより形成される。
【0028】
以上説明した構成の接合構造の構築手順の一例について説明する。
まず、金属質柱10の一側面12における木質梁20を接合する位置に第1の接合部材30を取付けておく。
また、木質梁20の梁端部に第2の接合部材31をドリフトピン34,34…で取付けておく。また、木質梁20の梁端面24に熱橋抑制部材40を設けておく。
そして、金属質柱10の一側面12から突出する第1の接合部材30の板面と木質梁20の梁端から突出する第2の接合部材31の突出部分31bの板面とを重ね合わせて、第1の接合部材30に形成された長孔35と第2の接合部材31の突出部分31bに形成された長孔35とに例えばボルト36を貫通させた後、当該ボルト36にナット37を締結することにより、第1の接合部材30と第2の接合部材31とが接合されて、金属質柱10と木質梁20とが接合される。
この際、ボルト36を貫通させるために第1の接合部材30及び第2の接合部材31に形成された貫通孔の少なくとも一方が、第1の接合部材30と第2の接合部材31との接合位置を調整するための長孔35に形された構成としたため、例えば、対応する第1の接合部材30の長孔35の中心と第2の接合部材31の長孔35の中心とがずれていたとしても、対応する第1の接合部材30の長孔35と第2の接合部材31の長孔35とに容易にボルト36を貫通させることができるようになり、金属質柱10と木質梁20との接合作業を容易に行えるようになる。
そして、金属質柱10の側面に第1の耐火被覆部11を形成した後に、木質梁20の側面22,22と下面23とを覆うとともに、木質梁20の梁端面24を超えて延長して第1の耐火被覆部11に到達するように設けられた第2の耐火被覆部21を形成する。
その後、金属質柱10の一側面12に設けられた第1の耐火被覆部11と第2の耐火被覆部21と熱橋抑制部材40とで囲まれた空間内に耐火部材が設けられて部材間耐火部41が形成される。
以上により、金属質柱10と木質梁20との接合構造が完成する。
尚、木質梁20の上面には床Fが構築される。床Fは、例えば第1の耐火被覆部11が除去された金属質柱10の側面と接触するように施工される。
【0029】
実施形態1に係る接合構造によれば、金属質柱10の一側面12から突出するように予め設けられた第1の接合部材30と木質梁20の梁端面24から突出するように予め設けられた第2の接合部材31とを現場において重ね合わせてこれら第1の接合部材30と第2の接合部材31とを第3の接合手段32を用いて接合するだけで良いので、現場での柱梁接合作業を容易に行え、施工性に優れた接合構造となる。即ち、現場での接合作業の施工性を向上できる構造部材の接合構造を提供できるようになった。
また、第3の接合部材32を、第1の接合部材30に形成された貫通孔35と、第2の接合部材31に形成された貫通孔35と、これら貫通孔35,35を貫通して第1の接合部材30と第2の接合部材31とを接合するボルト36及びナット37等の貫通軸手段とで構成したので、第3の接合部材32による接合作業がより容易となり、現場での接合作業の施工性をより向上できる構造部材の接合構造を提供できるようになった。
また、金属質柱10を覆うように設けられた第1の耐火被覆部11と、木質梁20の両方の側面22,22と下面23とを覆うとともに、木質梁20の梁端面24を超えて延長して第1耐火被覆部11と接触するように設けられた第2の耐火被覆部21とを備えたので、金属質柱10から木質梁20への熱伝導を抑制できて、耐火性に優れた構造部材の接合構造を提供できるようになった。
即ち、実施形態1に係る接合構造によれば、第1の耐火被覆部11と第2の耐火被覆部21とが協働して、金属質柱10から木質梁20に伝達される熱を、木質梁20が燃焼しない温度まで低下させる接合構造を構成したものである。
つまり、第1の耐火被覆部11と第2の耐火被覆部21とにより、金属質柱10から木質梁20に伝達される熱を、木質梁20が燃焼しない温度まで低下させる耐火被覆部が構成された接合構造とした。
【0030】
また、実施形態1に係る接合構造によれば、金属質柱10から第1の接合部材30及び第2の接合部材31を経由して木質梁20に熱が伝達される熱橋現象を抑制する熱橋抑制部材40を備え、熱橋抑制部材40は、第2の接合部材31と接触するように設けられたので、金属質柱10から木質梁20への熱橋現象をより効果的に抑制でき、耐火性能に優れた接合構造を提供できる。
【0031】
また、実施形態1に係る接合構造によれば、金属質柱10の一側面12に設けられた第1の耐火被覆部11と第2の耐火被覆部21と熱橋抑制部材40とで囲まれた空間内に耐火部材を充填して形成された部材間耐火部41を備えたので、金属質柱10から木質梁20への熱橋現象をさらに効果的に抑制でき、耐火性能に優れた接合構造を提供できる。
【0032】
さらに、実施形態1に係る接合構造によれば、金属質柱10の一側面12より突出する接合板として機能する第1の接合部材30と、木質梁20の梁端面24より突出する接合板として機能する第2の接合部材31の突出部分31bとを備え、ボルト36を貫通させるために第1の接合部材30及び第2の接合部材31に形成された貫通孔のうちの少なくとも一方を、第1の接合部材30と第2の接合部材31との接合位置を調整するための長孔35に形成したので、金属質柱10と木質梁20との接合作業をより容易に行えるようになる。
【0033】
実施形態2
実施形態2に係る構造部材の接合構造は、実施形態1の第2の接合部材31の代わりに、図4及び図5に示すような、第2の接合部材31Aを用いた構成とした。
尚、図4及び図5において、実施形態1の図2及び図3に示した部分と同一又は相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0034】
第2の接合部材31Aは、第1の接合部材30と接合される柱側接合部45と、木質梁20の梁端側に接合される梁側接合部50と、柱側接合部45と梁側接合部50とを接合する手段としてのボルト52及びナット53とを備えた構成とした。
【0035】
柱側接合部45は、例えば平板により形成された柱側接合板部46と、板面が柱側接合板部46の板面と直交する例えば平板により形成された梁端側接合板部47とを備えて、木質梁20の梁成方向に長く延長する断面T字状の部材である。
柱側接合板部46は、板面が木質梁20の梁成に沿った方向に長く延長するように形成されるとともに木質梁20の延長方向に沿って延長するように形成されて、一端側が第1の接合部材30に接合され、他端側と梁端側接合板部47の板面とが結合されている。
梁端側接合板部47は、板面が木質梁20の梁端面24と平行に対向するように配置され、金属質柱10側の板面における木質梁20の梁幅方向の中間位置と柱側接合板部46の他端側とが結合されている。
柱側接合板部46の一端側には、上述したボルト36を通すための貫通孔(長孔35又は円孔)が形成されている。
尚、柱側接合部45としては、T形鋼を用いたり、あるいは、柱側接合板部46と梁端側接合板部47とを溶接などで結合した鋼材を用いてもよい。
【0036】
梁側接合部50は、例えば、柱側接合部45を基準として、木質梁20の一方の側面22側に設けられた梁側接合部材51と、木質梁20の他方の側面22側に設けられた梁側接合部材51とを備える。即ち、梁側接合部50は、例えば、2つの梁側接合部材51,51により構成される。
梁側接合部材51は、梁端面24と平行に位置される板面が木質梁20の梁成に沿った方向に長く延長する例えば平板により形成された基板50aと、基板50aにおける木質梁20の梁幅に沿った方向の両端縁側から木質梁20の材軸方向中央側に向けて延長して板面が互いに平行に対向する例えば平板により形成された挟持板50b,50bとを備えた断面コ字状の部材である。
また、例えば、梁側接合部材51の基板50aにおける金属質柱10の一側面12と向かい合うように配置される外側板面50cとボルト52の頭部の頂面側とが溶接により接合されている。
【0037】
梁側接合部材51の挟持板50b,50bには、ドリフトピン34を貫通させるための貫通孔38が形成される。
木質梁20の梁端部には、梁側接合部材51の挟持板50b,50bを挿入するための溝33aが形成されている。当該溝33aは、実施形態1の溝33と同じように、木質梁20の梁端面24に開口して木質梁20の延長方向側の端部が有底となるように形成された溝である。
さらに、木質梁20の梁端部には、実施形態1と同様に、ドリフトピン34を貫通させるための貫通孔39が形成されている。
つまり、当該貫通孔39は、木質梁20の溝33aを経由して一方の梁側面22と他方の梁側面22とに貫通する貫通孔、つまり、木質梁20の梁幅間に亘って貫通する貫通孔である。
【0038】
従って、各梁側接合部材51,51の挟持板50b,50bを溝33aに挿入して、実施形態1と同様に、ドリフトピン34が、中心線を同一とする貫通孔38と貫通孔39とで構成される挿入孔に嵌合状態に挿入されることによって、各梁側接合部材51,51が木質梁20の梁端側に接合された構成となっている。
そして、各梁側接合部材51,51の基板50aの外側板面50cに固定されたボルト52の軸部を、熱橋抑制部材40に形成された貫通孔、及び、柱側接合部45の梁端側接合板部47に形成された貫通孔に通して、これら貫通孔を貫通したボルト52の軸部の先端側からナット53を締結することにより、熱橋抑制部材40を挟んだ状態で梁側接合部50を構成する各梁側接合部材51,51と柱側接合部45とが結合される。
以上により、木質梁20の梁端部に第2の接合部材31Aが接合され、当該木質梁20の梁端部に接合された第2の接合部材31Aと金属質柱10の一側面12から突出する第1の接合部材30とが上述した第3の接合部材32により接合された接合構造となる。
【0039】
実施形態2に係る接合構造によれば、実施形態1に係る接合構造と同様な効果が得られるとともに、各梁側接合部材51,51が挟持板50b,50bを備えた構成として、挟持板50b,50bと木質梁20の溝33aの溝壁(木壁)との接触面積を多くしたので、木質梁20の木部に対する挟持板50b,50bの拘束力が大きくなり、実施形態1と比べて、各梁側接合部材51,51を木質梁20の梁端部に接合するためのドリフトピン34の個数を少なくできるようになる。
【0040】
実施形態3
実施形態3に係る構造部材の接合構造は、実施形態1の第2の接合部材31の代わりに、図6及び図7に示すような、第2の接合部材31Bを用いた構成とした。
尚、図6及び図7において、実施形態1の図2及び図3、実施形態2の図4及び図5に示した部分と同一又は相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0041】
第2の接合部材31Bは、実施形態2で説明した第1の接合部材30と接合される柱側接合部45により構成され、当該柱側接合部45と木質梁20の梁端部側とが接合手段としてのラグスクリュー等の止めねじ部材60により接合された構成とした。
【0042】
実施形態3に係る構造部材の接合構造の場合、止めねじ部材60としての例えばラグスクリューを、柱側接合部45の梁端側接合板部47に形成された貫通孔、熱橋抑制部材40に形成された貫通孔に通すとともに、木質梁20の梁端面24から木質梁20の延長方向に延長するように形成された下孔にねじ込むことにより、木質梁20の梁端部に第2の接合部材31Bが接合され、当該木質梁20の梁端部に接合された第2の接合部材31Bと金属質柱10の一側面12から突出する第1の接合部材30とが上述した第3の接合部材32により接合された接合構造となる。
【0043】
実施形態3に係る接合構造によれば、実施形態1に係る接合構造と同様な効果が得られるとともに、木質梁20の梁端部に板材を挿入するための溝やドリフトピン34を挿入するための貫通孔を形成する必要がなくなるため、木質梁20の梁端部の加工費用及び手間を削減できるようになる。
【0044】
実施形態4
上述した各実施形態では、金属質柱10の一側面12に設けられた第1の耐火被覆部11と熱橋抑制部材40と木質梁20の第2の耐火被覆部21とで囲まれた空間内が部材間耐火部41に形成された構成を例示したが、当該空間内に部材間耐火部41を設けない構成、即ち、空間のままとした構成としてもよい。
実施形態4に係る接合構造によれば、第1の耐火被覆部11と第2の耐火被覆部21と熱橋抑制部材40とで所望の耐火効果が得られる場合等においては、部材間耐火部41を形成する手間を省略できるので、好ましい。
【0045】
実施形態5
実施形態1乃至4では、第1の構造部材1の荷重支持部である金属質柱10と第1の構造部材2の荷重支持部である木質梁20との接合構造について説明したが、金属質梁と木質梁との接合構造についても、実施形態1乃至実施形態4と同様に構成できる。
例えば、図8,9では、実施形態1の接合構造の態様を、金属質梁と木質梁との接合構造に適用した例を示し、図8,9において、実施形態1の図2及び図3に示した部分と同一又は相当部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0046】
即ち、実施形態5の接合構造は、図8,9に示すように、荷重支持部を備えた第1の構造部材1Aと、荷重支持部としての木質梁20を備えた第2の構造部材2と、第1の構造部材1Aの荷重支持部と第2の構造部材2の荷重支持部とを接合する接合手段3とを備えた接合構造である。
【0047】
第1の構造部材1Aは、荷重を支持する荷重支持部としての例えばH形鋼により形成された金属質梁10Aと、当該金属質梁10Aを覆うように設けられた第1の耐火被覆部11Aとを備えた構成とした。
【0048】
金属質梁10Aを形成するH形鋼と木質梁20との接合位置においては、金属質梁10Aを形成するH形鋼の下部のフランジの下面に、当該金属質梁10Aを補強するための補強体13としてのH形鋼が例えば溶接にて接合されている。
そして、第1の耐火被覆部11Aは、金属質梁10Aを形成するH形鋼及び補強体13形成するH形鋼を覆うように設けられている。尚、第1の耐火被覆部11Aは、上述した耐火被覆部11と同様に構成される。
【0049】
接合手段3は、金属質梁10Aに接合された第1の接合部材30Aと、木質梁20に接合された第2の接合部材31と、第1の接合部材30Aと第2の接合部材31とを接合する第3の接合部材32とを備えた構成とした。
【0050】
第1の接合部材30Aは、例えば、金属質梁10Aを構成するH形鋼のウェブの板面12Aより突出するように設けられた例えばガセットプレートなどの鋼板のような板材(接合板)により形成される。
当該第1の接合部材30Aは、例えば接合板部となる平板面30aが金属質梁10Aを構成するH形鋼のウェブの板面12Aと直交する垂直面となるように、金属質梁10Aの板面12Aと第1の接合部材30Aの一端縁部30eとが溶接によって接合されて設けられたり、あるいは、金属質梁10Aの板面12Aと面接触させる板部を設けて、当該板部と金属質梁10Aの板面12とがボルトなどで接合されて設けられる。
【0051】
その他の構成は、実施形態1と同じであるので、説明を省略する。
また、実施形態2乃至実施形態4で説明した金属質柱10と木質梁20との接合構造を、金属質梁10Aと木質梁20との接合構造に適用できることは言うまでもない。
【0052】
実施形態5によれば、実施形態1乃至実施形態4で説明した金属質柱10と木質梁20との接合構造と同様な効果を奏する金属質梁10Aと木質梁20との接合構造を提供できるようになる。
尚、実施形態5に係る接合構造によれば、第1の耐火被覆部11Aと第2の耐火被覆部21とが協働して、金属質梁10Aから木質梁20に伝達される熱を、木質梁20が燃焼しない温度まで低下させる接合構造を構成したものである。
つまり、第1の耐火被覆部11Aと第2の耐火被覆部21とにより、金属質梁10Aから木質梁20に伝達される熱を、木質梁20が燃焼しない温度まで低下させる耐火被覆部が構成された接合構造とした。
【0053】
実施形態6
上述した各実施形態においては、金属質柱10や金属質梁10Aを覆うように設けられた第1の耐火被覆部11や第1の耐火被覆部11Aと木質梁20の外面に設けられた第2の耐火被覆部21とにより、金属質柱10や金属質梁10Aから木質梁20への熱伝導を抑制する構成としたものを例示したが、実施形態6においては、当該第1の耐火被覆部11や第1の耐火被覆部11Aと第2の耐火被覆部21とに加えて、図10乃至図13に示すように、空間を隔てて第1の耐火被覆部11や第1の耐火被覆部11Aを覆うとともに上端が第2の耐火被覆部21と接触するように壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部7や、空間を隔てて第1の耐火被覆部11や第1の耐火被覆部11Aを覆うとともに、上端が天井下地面に設けられた第4の耐火被覆部8と接触するように壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部7Rを備えた構成とした。
つまり、第3の耐火被覆部7は、第1の耐火被覆部11や第1の耐火被覆部11Aから離間して形成された壁下地面に取付けられて、上端が第2の耐火被覆部21と接触するように設けられている。尚、図10乃至図13の木質梁20が位置される側にも当該木質梁20の横の図外の天井下地面に図外の第4の耐火被覆部8が設けられるため、第3の耐火被覆部7は、上端が当該図外の第4の耐火被覆部8と接触するように設けられている。
また、第3の耐火被覆部7Rは、第1の耐火被覆部11や第1の耐火被覆部11Aから離間して形成された壁下地面に取付けられて、上端が第4の耐火被覆部8と接触するように設けられている。
【0054】
尚、図10及び図11は、金属質柱10と木質梁20との接合構造を示す図であり、図10及び図11において、実施形態1の図2及び図3に示した部分と同一又は相当部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
また、図12及び図13は、金属質梁10Aと木質梁20との接合構造を示す図であり、図12及び図13において、実施形態5の図8及び図9に示した部分と同一又は相当部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0055】
図10及び図11では、金属質柱10の一方の側面12に木質梁20が接合され、その他の三方の側面には、それぞれ上述したような金属質梁10Aが接合された建物構造を例示している。
図12及び図13では、金属質梁10Aを構成するH形鋼のウェブの一方の板面12Aに木質梁20が接合され、金属質梁10Aを構成するH形鋼のウェブの他方の板面12ARには、梁が接合されていない建物構造を例示している。
【0056】
第2の耐火被覆部21と接触するように設けられた第3の耐火被覆部7や、第4の耐火被覆部8と接触するように設けられた第3の耐火被覆部7Rは、壁下地面に取付けられた耐火性を有した壁板により構成される。
尚、第2の耐火被覆部21と接触する第3の耐火被覆部7を取付けるための壁下地面を形成する壁下地構造は、例えば、図外の床に固定された図外の床側ランナーと、床側ランナーの内側に所定の間隔を隔てて立設された複数の下地柱73,73…とで構成される。
そして、所定間隔を隔てて設けられた複数の下地柱73,73…の面により形成された壁下地面に耐火性を有した壁板が取付けられて第3の耐火被覆部7が構成される。
この場合、図10及び図11に示す構造においては、空間は、第3の耐火被覆部7と金属質柱10の一側面12を覆う第1の耐火被覆部11との間の空間である空間S1と、第3の耐火被覆部7と金属質柱10の一側面12や他側面12R以外の側面を覆う第1の耐火被覆部11との間や、第3の耐火被覆部7と金属質梁10Aを覆う第1の耐火被覆部11Aとの間の空間である空間S2とで構成される。また、図12及び図13に示す構造においては、空間は、第3の耐火被覆部7と金属質梁10Aを覆う第1の耐火被覆部11Aとの間の空間である空間S4で構成される。
また、第4の耐火被覆部8と接触する第3の耐火被覆部7Rを取付けるための壁下地面を形成する壁下地構造は、例えば、図外の床に固定された図外の床側ランナーと、床側ランナーの内側に所定の間隔を隔てて立設された複数の下地柱73,73…と、複数の下地柱73,73…の上端側を覆うように設けられた天井側ランナー74とで構成される。
そして、所定間隔を隔てて設けられた複数の下地柱73,73…の面により形成された壁下地面に耐火性を有した壁板が取付けられて第3の耐火被覆部7Rが構成される。
この場合、図10及び図11に示す構造においては、空間は、第3の耐火被覆部7Rと金属質柱10の他側面12Rを覆う第1の耐火被覆部11との間の空間である空間S1と、第3の耐火被覆部7Rと金属質柱10の一側面12や他側面12R以外の側面を覆う第1の耐火被覆部11との間や、第3の耐火被覆部7Rと金属質梁10Aを覆う第1の耐火被覆部11Aとの間の空間である空間S2と、第4の耐火被覆部8と金属質梁10Aを覆う第1の耐火被覆部11Aとの間の空間である空間S3とで構成される。また、図12及び図13に示す構造においては、空間は、第3の耐火被覆部7Rと金属質梁10Aを覆う第1の耐火被覆部11Aとの間の空間である空間S4で構成される。
下地柱73としては、例えばリップ溝形鋼(C形鋼/Cチャンネル)等の鋼材が用いられる。
第3の耐火被覆部7を形成する壁板は、例えば第1耐火板71と第2耐火板72とが積層されて構成される。第1耐火板71としては、例えば壁下地にビス等で取付けられた厚さ12.5mmの石こうボードを用い、第2耐火板72としては、例えば第1耐火板71としての12.5mmの石こうボードの表面に取付けられた厚さ9.5mmの石こうボードを用いればよい。
【0057】
第4の耐火被覆部8は、天井下地面に取付けられた耐火性を有した天井板により構成される。
天井下地構造は、例えば上階の床Fより吊り下げられた吊ボルト87と、吊ボルト87の下端側に取付けられたハンガー86と、ハンガー86に取付けられた野縁受85と、野縁取付具(クリップ)84を用いて野縁受85に取付けられた野縁83とで構成される。
そして、所定間隔を隔てて設けられた複数の野縁83,83…の下面により形成された天井下地面に耐火性を有した天井板が取付けられて第4の耐火被覆部8が構成される。
野縁83としては、例えばリップ溝形鋼(C形鋼/Cチャンネル)等の鋼材が用いられる。
第4の耐火被覆部8を形成する天井板は、例えば第1耐火板81と第2耐火板82とが積層されて構成される。第1耐火板81としては、例えば天井下地面にビス等で取付けられた厚さ9.5mmの石こうボードを用い、第2耐火板82としては、例えば第1耐火板81としての9.5mmの石こうボードの下面に取付けられた厚さ9.0mmの岩綿吸音板を用いればよい。
【0058】
実施形態6の接合構造においては、図10及び図11に示すように、金属質柱10の一側面12に接合された木質梁20の梁端側の下方において金属質柱10の第1の耐火被覆部11を覆うように設けられた第3の耐火被覆部7、及び、金属質柱10の一側面12とは反対側の他側面12Rに接合された金属質梁10Aの梁端側の下方において金属質柱10の第1の耐火被覆部11を覆うように設けられた第3の耐火被覆部7Rを備える。
そして、第3の耐火被覆部7の上端7Tと金属質柱10の一側面12に接合された木質梁20を覆うように設けられた第2の耐火被覆部21の下面とを接触させるとともに、第3の耐火被覆部7Rの上端7RTと金属質柱10の他側面12Rに接合された金属質梁10Aの下方に形成された第4の耐火被覆部8の下面とを接触させた構成とした。
【0059】
また、実施形態6の接合構造においては、図12及び図13に示すように、金属質梁10Aを構成するH形鋼のウェブの一方の板面12Aに接合された木質梁20の梁端側の下方において金属質梁10Aの第1の耐火被覆部11Aを覆うように設けられた第3の耐火被覆部7、及び、金属質梁10Aを構成するH形鋼のウェブの他方の板面12AR側の下方において第3の耐火被覆部7と対向して金属質梁10Aの第1の耐火被覆部11Aを覆うように設けられた第3の耐火被覆部7Rを備える。
そして、第3の耐火被覆部7の上端7Tと木質梁20を覆うように設けられた第2の耐火被覆部21の下面とを接触させるとともに、第3の耐火被覆部7Rの上端7RTと金属質梁10Aを構成するH形鋼のウェブの他方の板面12AR側の区画の天井側に形成された第4の耐火被覆部8の下面とを接触させた構成とした。
【0060】
実施形態6の接合構造によれば、空間を隔てて第1の耐火被覆部11又は11Aから離間して第1の耐火被覆部11又は11Aを覆うとともに上端7Tが第2の耐火被覆部21と接触するように壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部7を備えた構成としたことによって、火災時において、第3の耐火被覆部7に面した室内空間側からの熱が、第3の耐火被覆部7、第2の耐火被覆部21、空間、第1の耐火被覆部11又は11Aを介して遮られて、金属質柱10や金属質梁10A側に伝達され難くなるため、耐火性能を向上できる。
【0061】
また、金属質柱10又は金属質梁10Aに対する耐火被覆性能を、第1の耐火被覆部11又は11Aだけではなく、第3の耐火被覆部7、第2の耐火被覆部21にも負担させることができるので、第1の耐火被覆部11又は11Aの被覆厚さを薄くできるようになり、第1の耐火被覆部11又は11Aの施工コストを削減できるようになる。
【0062】
また、第3の耐火被覆部7とは別に、空間を隔てて第1の耐火被覆部11又は11Aから離間して第1の耐火被覆部11又は11Aを覆うとともに上端7RTが天井下地面に取付けられた第4の耐火被覆部8と接触するように壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部7Rを備えた構成としたので、火災時において、第3の耐火被覆部7Rに面した室内空間側からの熱が、第3の耐火被覆部7R、第4の耐火被覆部8、空間、第1の耐火被覆部11又は11Aを介して遮られて、金属質柱10や金属質梁10A側に伝達され難くなるため、耐火性能を向上できる。
さらに、金属質柱10又は金属質梁10Aに対する耐火被覆性能を、第1の耐火被覆部11又は11Aだけではなく、第3の耐火被覆部7R、第4の耐火被覆部8にも負担させることができるので、第1の耐火被覆部11又は11Aの被覆厚さを薄くできるようになり、第1の耐火被覆部11又は11Aの施工コストを削減できるようになる。
【0063】
また、実施形態6の接合構造によれば、金属質柱10又は金属質梁10Aを空間を隔てて囲い込むように、第2の耐火被覆部21と、第2の耐火被覆部21と接触するように設けられた第3の耐火被覆部7と、第4の耐火被覆部8と、第4の耐火被覆部8と接触するように設けられた第3の耐火被覆部7Rとが設置された構成としたので、火災時において、室内空間側からの熱が、これら第3の耐火被覆部7,7R、第2の耐火被覆部21,第4の耐火被覆部8、空間、第1の耐火被覆部11又は11Aを介して遮られて、金属質柱10側又は金属質梁10A側に伝達され難くなるため、耐火性能を向上できる。
さらに、金属質柱10又は金属質梁10Aに対する耐火被覆性能を、第1の耐火被覆部11又は11Aだけではなく、第3の耐火被覆部7,7R、第2の耐火被覆部21、第4の耐火被覆部8にも負担させることができるので、第1の耐火被覆部11又は11Aの被覆厚さを薄くできるようになり、第1の耐火被覆部11又は11Aの施工コストを削減できるようになる。
【0064】
尚、図10乃至図13では、第3の耐火被覆部7の表面と熱橋抑制部材40の表面とが同一垂直平面上に位置されていない例を図示したが、第3の耐火被覆部7の表面(第2耐火板72の表面)と熱橋抑制部材40の表面とが同一垂直平面上に位置されるように構成してもよい。
【0065】
尚、各実施形態では、熱橋抑制部材40を、第2の接合部材31と接触するように設けた例を示したが、熱橋抑制部材40を、第1の接合部材30と接触するように設けたり、あるいは、熱橋抑制部材40を、第1の接合部材30及び第2の接合部材31と接触するように設けてもよい。
【0066】
また、実施形態6では、壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部7,7Rを備えた構成を例示したが、金属質柱10の横に壁が設けられない場合には、金属質柱10の第1の耐火被覆部11の周囲を空間を隔てて取囲むような第3の耐火被覆部を設けるようにしてもよい。
【0067】
また、実施形態6では、空間を隔てて第1の耐火被覆部を覆うとともに上端が第2の耐火被覆部や第4の耐火被覆部と接触するように壁下地面に取付けられた第3の耐火被覆部7,7Rを例示したが、第3の耐火被覆部は、空間を隔てて第1の耐火被覆部を覆うように壁下地面に取付けられた構成であればよく、第2の耐火被覆部や第4の耐火被覆部と接触しない第3の耐火被覆部であってもよい。
【0068】
また、木質梁20の側面22,22を覆う第2の耐火被覆部21に、ドリフトピン34を通すための貫通孔を形成しておいて、当該貫通孔を介して、貫通孔38と貫通孔39とで形成された挿入孔にドリフトピン34を挿入した後に、当該ドリフトピン34の両端側に耐火材を設けるようにしてもよい。
【0069】
また、各実施形態では、第1の構造部材の荷重支持部が金属質柱10、第2の構造部材の荷重支持部が木質梁20である場合を例にして説明したが、第1の構造部材の荷重支持部がH形鋼梁等の金属質梁、第2の構造部材の荷重支持部が木質柱であってもよい。
【0070】
また、本発明は、柱、梁以外の構造部材の接合構造にも適用可能である。
例えば、柱と耐震壁との接合構造、柱と床との接合構造、耐震壁と床との接合構造等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1,1A 第1の構造部材、2 第2の構造部材、3 接合手段、
7,7R 第3の耐火被覆部、7T,7RT 第3の耐火被覆部の上端、
8 第4の耐火被覆部、10 金属質柱(荷重支持部)、
10A 金属質梁(荷重支持部)、11,11A 第1の耐火被覆部、
20 木質梁(荷重支持部)、
21 第2の耐火被覆部、24 木質梁の梁端面、30 第1の接合部材、
31 第2の接合部材、32 第3の接合部材、35 長孔(貫通孔)、
40 熱橋抑制部材、41 部材間耐火部、S1~S4 空間。
図1
図2
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図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
図13