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特開2022-165202列車乗降支援システム、およびサービス提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165202
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】列車乗降支援システム、およびサービス提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20221024BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070460
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】小林 瞭
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】 車いす利用者が介助に頼る必要なしに乗降できるようにした列車乗降支援システムを提供すること。
【解決手段】 一実施形態に係る列車乗降支援システムは、自動改札機および構内インフラを備える駅に設けられる駅管理システムと、駅管理システムからアクセス可能なサーバとを具備する。サーバは、登録処理部を備える。登録処理部は、車いす利用者と、自動改札機と通信可能な個人識別媒体の識別子とを対応付けてデータベースに登録する。駅管理システムは、問い合わせ部と、サービス提供部とを備える。問い合わせ部は、自動改札機からの入場者が車いす利用者に該当するか否かを、当該自動改札機により取得された個人識別媒体の識別子をキーとしてサーバに問い合わせる。サービス提供部は、入場者が車いす利用者に該当する場合に、構内インフラを制御して乗降支援サービスを提供する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動改札機および構内インフラを備える駅に設けられる駅管理システムと、
前記駅管理システムからアクセス可能なサーバとを具備し、
前記サーバは、
車いす利用者と、前記自動改札機と通信可能な個人識別媒体の識別子とを対応付けてデータベースに登録する登録処理部を備え、
前記駅管理システムは、
前記自動改札機からの入場者が前記車いす利用者に該当するか否かを、当該自動改札機により取得された前記個人識別媒体の前記識別子をキーとして前記サーバに問い合わせる問い合わせ部と、
前記入場者が前記車いす利用者に該当する場合に、前記構内インフラを制御して乗降支援サービスを提供するサービス提供部とを備える、列車乗降支援システム。
【請求項2】
前記サーバは、乗降支援サービスの依頼を受け付ける受付処理部をさらに備え、
前記サービス提供部は、前記乗降支援サービスを依頼した車いす利用者に対して前記乗降支援サービスを提供する、請求項1に記載の列車乗降支援システム。
【請求項3】
前記受付処理部は、前記依頼を降車駅の指定とともに受け付け、
前記サービス提供部は、前記指定された降車駅に前記乗降支援サービスの提供を指示する、請求項2に記載の列車乗降支援システム。
【請求項4】
前記構内インフラは、ランプ付きのホームドアを含み、
前記サービス提供部は、車いす利用者向けの車両の停車位置における前記ホームドアの前記ランプを点灯させて前記乗降支援サービスを提供する、請求項1に記載の列車乗降支援システム。
【請求項5】
前記構内インフラは、車いすを検知するセンサをさらに含み、
前記サービス提供部は、前記センサにより前記車いすが検知された場所の前記ホームドアの前記ランプを点灯させる、請求項4に記載の列車乗降支援システム。
【請求項6】
自動改札機および構内インフラを備える駅に設けられる駅管理システムと、前記駅管理システムからアクセス可能なサーバとを具備する列車乗降支援システムにおけるサービス提供方法であって、
前記サーバが、車いす利用者と、前記自動改札機と通信可能な個人識別媒体の識別子とを対応付けてデータベースに登録することと、
前記駅管理システムが、前記自動改札機からの入場者が前記車いす利用者に該当するか否かを、当該自動改札機により取得された前記個人識別媒体の前記識別子をキーとして前記サーバに問い合わせることと、
前記入場者が前記車いす利用者に該当する場合に、前記駅管理システムが、前記構内インフラを制御して乗降支援サービスを提供することとを具備する、サービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、列車乗降支援システム、およびサービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車いす利用者が列車に乗り降りするときには、いまのところ、駅係員の補助が必要である。しかしながら車いす利用者にとっては、駅係員に補助を依頼するときの心理的負担は大きい。駅係員は気軽に応じてくれるものの、スロープを設置したりなどの作業的な負担は軽いとはいえない。列車の車掌への連絡など駅係員にしかできないこともあるので、結果として、人手によって対処する部分が大きくならざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-197581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
「住み続けられるまちづくり」は、SDGs(Sustainable Development Goals)にも掲げられている。車いす利用者、駅係員の双方にとっての負担を少しでも少なくすることで、車いす利用者にとっても住みやすい環境を作ってゆくことが重要である。
そこで、目的は、車いす利用者が介助に頼る必要なしに乗降できるようにした列車乗降支援システム、およびサービス提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る列車乗降支援システムは、自動改札機および構内インフラを備える駅に設けられる駅管理システムと、駅管理システムからアクセス可能なサーバとを具備する。サーバは、登録処理部を備える。登録処理部は、車いす利用者と、自動改札機と通信可能な個人識別媒体の識別子とを対応付けてデータベースに登録する。駅管理システムは、問い合わせ部と、サービス提供部とを備える。問い合わせ部は、自動改札機からの入場者が車いす利用者に該当するか否かを、当該自動改札機により取得された個人識別媒体の識別子をキーとしてサーバに問い合わせる。サービス提供部は、入場者が車いす利用者に該当する場合に、構内インフラを制御して乗降支援サービスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係わる列車乗降支援システムの一例を示すシステム図である。
図2図2は、図1に示されるサーバ装置20、および駅管理システム30の一例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、図2のデータベース21bに記憶されるテーブルの一例を示す図である。
図4図4は、乗降支援サービスの利用に先立って実施される手続きの一例を示す図である。
図5図5は、乗車時に実行される処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、乗降支援サービスの一例を説明するための模式図である。
図7図7は、比較のため、従来の車いす利用者の乗車方法と駅係員の対応の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、実施形態に係わる列車乗降支援システムの一例を示すシステム図である。この列車乗降支援システムは、各駅に備えられる駅管理システム30と、各駅の駅管理システム30からネットワーク6経由でアクセス可能なサーバ装置20とを備える。それぞれの駅は、自動改札機2と、構内インフラとを備える。構内インフラは、例えばホームドア7を含む。なお、構内インフラは、車いすを検知するセンサ(ビーコンなど)をさらに含んでもよい。
【0008】
ホームドア7は、ランプ8を備える。ランプ8は、駅管理システム30からの制御によりオン/オフ制御される。また、ホームドア7は、車いす利用者向けのスロープを展開/格納する機能も備える。さらに、駅管理システム30は、構内放送の制御なども行う。
【0009】
自動改札機2、ホームドア7、および駅管理システム30は、構内LAN(Local Area Network)を介して通信可能に接続される。さらに、構内LANは、ファイヤーウォール(FW)5を介してネットワーク6に接続される。
【0010】
自動改札機2は、駅利用者の所持する個人識別媒体3と無線通信し、所有者のID(IDentification:識別子)や決済情報等を授受する。個人識別媒体3は、例えばスマートフォンなどのモバイル端末、あるいはICカードであり、所有者のIDを予め記憶する。
【0011】
図2は、図1に示されるサーバ装置20、および駅管理システム30の一例を示す機能ブロック図である。
サーバ装置20は、記憶部21、プロセッサ22、および通信部23を備える。このうちプロセッサ22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、あるいはMPU(Micro Processing Unit)などの演算デバイスである。
記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、あるいはRAM、ROM等の記憶デバイスである。通信部23は、ネットワーク6に接続されて駅管理システム30との通信を制御する。
プロセッサ22、および記憶部21は、サーバ装置20をコンピュータとして機能させる。記憶部21は、プログラム21a、およびデータベース21bを記憶する。プロセッサ22は、記憶部21に記憶されたプログラム21aをロードし、実行することで実施形態に係わる処理機能を実現する。
【0012】
ところで、プロセッサ22は、実施形態に係わる処理機能として登録処理部22a、および受付処理部22bを備える。
登録処理部22aは、車いす利用者と、当該車いす利用者の所有する個人識別媒体3とを対応付けてデータベース21bに登録する。すなわち、ユーザは、タブレットやスマートフォン、あるいはパーソナルコンピュータ(PC)から利用可能な列車乗降支援アプリケーション(アプリ)のGUI画面から、自らが車いす利用者であることをID情報とともに登録する。そうすると、入力されたID情報がサーバ装置20に通知され、図3に示されるように、車いす利用者のID情報(aaaaaaaa,bbbbbbbb,…)がデータベース21bのテーブルに登録される。
【0013】
受付処理部22bは、ユーザからの、乗降支援サービスの依頼を受け付ける。つまり、車いす利用者に対する乗降支援サービスを依頼したいユーザは、例えば、上記列車乗降支援アプリのGUI画面から、乗降支援サービスを受けたいことを要求する。そうすると、この要求がサーバ装置20に通知され、受付処理部22bにより受け付けられる。
また、受付処理部22bは、降車駅を指定してサービス提供の依頼がなされると、この指定された降車駅と通信して、サービスの提供を要請する。
【0014】
一方、駅管理システム30は、プロセッサ11、記憶部12、通信部13、ROM14、RAM15、光学メディアドライブ16、および表示部18を備える。すなわち駅管理システム30は、メモリおよびプロセッサを備えるコンピュータである。
【0015】
図4において、ROM14は、不揮発性のメモリであり、プログラムメモリとして機能する。ROM14は、プロセッサ11が実行するプログラムや制御データなどを記憶する。RAM15は、プログラムがロードされたり、プロセッサ11が処理中のデータを保持したりする。またRAM15は、一時的にデータを保持するワーキングメモリ、あるいはバッファメモリ等としても機能する。
【0016】
記憶部12は、HDD、SSD等の不揮発性メモリである。記憶部12は、プロセッサ11により実行されるプログラム12aを記憶する。プログラム12aは、例えばCD-ROM17に記録されて頒布されることができる。CD-ROM17を光学メディアドライブ16で読み取ることで、プログラム12aを記憶部12にインストールすることができる。
【0017】
通信部13は、構内LAN経由でネットワーク6に接続され、サーバ装置20との通信を制御する。表示部18は、例えば液晶ディスプレイであり、GUI(Graphical User Interface)によるユーザインタフェースを提供する。
【0018】
プロセッサ11は、例えば、CPU、あるいはMPUなどの演算デバイスである。プロセッサ11は、プログラム12aや各種データをRAM15に読み込み、実行して、実施形態に係わる処理機能を実現する。
【0019】
ところで、プロセッサ11は、実施形態に係わる処理機能として問い合わせ部11a、およびサービス提供部11bを備える。問い合わせ部11a、およびサービス提供部11bは、プログラム12aに記述された命令をプロセッサ11が実行することで実現される、処理機能である。
【0020】
問い合わせ部11aは、自動改札機2からの入場者が車いす利用者に該当するか否かを、サーバ装置20に問い合わせる。すなわち、入場者が自動改札機2にICカード等を翳して入場した際、ID情報が取得される。問い合わせ部11aは、その都度、取得されたID情報をキーとしてサーバ装置20に問い合わせる。問い合わせを受けたサーバ装置20は、データベース21bを参照し、ID情報がデータベース21bに登録されているか否かを判定する。
【0021】
サービス提供部11bは、上記問い合わせの結果、入場者が車いす利用者に該当する場合に、駅の構内インフラを制御して乗降支援サービスを提供する。特に、サービス提供部11bは、予め乗降支援サービスの提供を依頼した車いす利用者に対して、乗降支援サービスを提供する。また、サービス提供部11bは、ユーザにより指定された降車駅に対して、乗降支援サービスの提供を指示する。
【0022】
また、サービス提供部11bは、車いす利用者向けの車両の停車位置における、ホームドア7のランプ8を点灯させることにより、乗降支援サービスを提供する。さらに、サービス提供部11bは、車いすを検知するセンサにより車いすが検知された場所のホームドア7のランプ8を点灯させる。このほか、サービス提供部11bは駅ユーザに対する種々のサービスを提供する。
【0023】
次に、上記構成における作用を説明する。
図4は、乗降支援サービスの利用に先立って実施される手続きの一例を示す図である。図4において、車いす利用者10は、自らの所持するICカード(またはモバイル決済端末)をサーバ装置20に登録し、ICカードと列車乗降支援アプリケーションの情報を連動させる。これにより、車いす利用者情報とICカードとを紐づけることができる。
【0024】
登録を終えた車いす利用者10は、列車を利用する前に、行先の降車駅をアプリに登録する。すなわち車いす利用者10は、乗車前に、降車駅を指定して乗降支援サービスの提供をシステムに依頼する。
【0025】
図5は、乗車時に実行される処理手順の一例を示すシーケンス図である。図5において、車いす利用者10は、登録済み媒体(ICカード等)を自動改札機(または窓口)に翳し、ゲートを通過する。そうすると駅管理システム30は、支援対象者であるか否かをサーバ装置20に問い合わせる。該当者である場合には、サーバ装置20は、支援対象に該当することを出発駅の駅管理システム30に回答する。これを受けた駅管理システム30は、ホームドア・乗車予定列車40に支援指示を出し、ホームドア7のランプ8を点灯したり等の乗降支援サービスを行う。
【0026】
図6は、乗降支援サービスの一例を説明するための模式図である。図6(a)に示すように、予め、乗車車両位置(例えば優先席)を特定し、車いす利用者の到着をセンサにより検知する。センサにより車いすが検知されると車いす利用者のホーム到着と乗車予定列車を確定することができる。なお、センサとしては例えば携帯端末をビーコンとして用いたり、画像認識による判別等が考えられる。このとき、車いす利用者の現在位置のホームのホームドア7のランプ8が点灯する。
【0027】
その後、図6(b)のように、車いす利用者が乗車し、センサの検知範囲から外れたとする。そうすると、図6(c)のようにランプ8が消灯され、一連のサービスがクローズされる。
【0028】
目的地の駅で車いす利用者が降車したことは、センサを用いて上記と同様に検知できる。なお、検知できなかった場合は乗車し続けてしまったことが考えられる。降車駅を乗り過ごしてしまった場合はアプリにて降車駅を修正できるようにするとよい。
【0029】
ランプ8とホームドア7は、例えば以下のように制御するとホーム上の乗客に周知しやすい。すなわち、車いす利用者が改札を通過したときに、降車駅へ向かう列車が停車するホームを駅管理システム30で推定する。このとき、優先席のように、車いす利用者向けの車両がある場所のホームドア7が望ましい。ランプ8を点灯させることにより、車いす利用者の乗車位置が分かりやすくなる。また、元々並んでいた人向けに、車いす利用者が来ることを周知することもできる。
【0030】
列車到着後にホームドアを開け、車いす用のスロープなどにより乗車できるようにする。その後、車いす利用者が乗車できたことが確認されると、スロープの収納とホームドア7のランプ8を消灯する。
【0031】
乗車駅において、駅管理システム30は、例えば次のように動作する。すなわち、駅管理システム30は、ホームドア7や放送案内などを制御し、車いす利用者が駅係員の補助なく列車に乗車できるようにする。また、駅管理システム30は、車いす利用者の利用予定列車の車掌へ乗降駅情報などの連絡を行う。
【0032】
車いす利用者が列車に乗車したことを確認する。確認方法は、ビーコン検知による利用者の位置情報や、画像解析などを適用できる。
【0033】
列車の運行情報から降車駅に近づいたことをサーバ装置20側で推測し、車いす利用者の搭乗する列車が接近していることを、サーバ装置20から降車駅の駅管理システム30に通知する。
【0034】
降車駅において、駅管理システム30は、例えば次のように動作する。すなわち、降車駅の駅管理システム30は、ホームドア7や放送案内を通して、車いす利用者が安全に降車できる環境を準備する(例えばホームを広く開けるなど)。また、駅管理システム30は、車いす利用者が降車することを降車予定駅の駅係員へ連絡する。そうして、車いす利用者が改札を出ることで一連のサービスをクローズする
図7は、比較のため、従来の車いす利用者の乗車方法と駅係員の対応の一例を示す図である。車いす利用者10が列車に乗車するとき、先ず、駅係員50に補助を依頼をする。これに応じて駅係員50は、降車補助依頼を降車駅へ連絡する。また、駅係員50は、車いす利用者10をホームまで補助するとともに、車いすが通れるように一般乗客を誘導する。
【0035】
さらに、駅係員50は、列車の到着の前後でのホーム上アナウンスと、車掌への放送連絡を行う。そして列車が到着すると、駅係員50は、スロープ設置を含む乗車補助を行い、車いす利用者の乗車確認後、スロープ撤去・安全確認を行う。
【0036】
この一連の手順と凡そ同じ作業が、降車駅でも発生する。現状ではこれらの作業の負担を軽減することは難しい。ホーム移動やスロープ設置などの作業はボランティアに頼ることもできるが、その一方で、降車駅や車掌への連絡といった駅係員しか担えない作業があるからである。
【0037】
そこで実施形態では、車いす利用者が駅係員に伝える情報をあらかじめアプリなどに入力することにより、構内インフラを効果的に活用できるようにし、駅係員が行っていた作業を自動化するようにした。すなわち、予め登録された情報に基づいてホームドアなどの駅の構内インフラを統括的に制御し、駅係員の補助が最小限で済むようにした。すなわち実施形態によれば、従来、駅係員が行っていた補助作業が自動化される。これにより、車いす利用者が人手を借りることなく、スムーズに乗車することが可能になる。
【0038】
列車乗降支援アプリケーションは、既存の乗換アプリなどと連携しても良い。車いす利用者と、ICカード(またはモバイル端末)とを予め紐づけておくことで、システムを利用するときに車いす利用者が行うことは、改札を通る前に降車駅を指定することだけである。
【0039】
駅係員の補助が無いことにより、車いす利用者が列車に乗るタイミングが正確に分からなかったり、降車駅で降車した証拠が改札通過時にしか分からないことが起こり得る。前者は、例えば、車いす利用者がホームに着くまでにシステムの想定以上に時間を要してしまった場合である。後者は、例えば、車いす利用者が降車駅を間違えてしまったときや、乗り換えを必要とした場合である。これらについては、センサにより車いす利用者の位置を把握することで、解決することができる。
【0040】
このようにしたので、実施形態によれば、車いす利用者が駅係員に補助を依頼する必要無く列車の乗降ができるようになる。つまり、車いす利用者が列車利用情報をあらかじめ登録しておくことによって、駅係員を介さずとも駅務システムで自動的に車いす利用者向けのサービスを提供することができる。これらのことから、実施形態によれば、車いす利用者が介助に頼る必要なしに乗降できるようにした列車乗降支援システム、およびサービス提供方法を提供することが可能になる。
【0041】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウェアを用いて構成するに留まらず、ソフトウェアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウェア、ハードウェアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0042】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
2…自動改札機、3…個人識別媒体、5…ファイヤーウォール、6…ネットワーク、7…ホームドア、8…ランプ、10…利用者、11…プロセッサ、11a…合わせ部、11b…サービス提供部、12…記憶部、12a…プログラム、13…通信部、14…ROM、15…RAM、16…光学メディアドライブ、18…表示部、20…サーバ装置、21…記憶部、21a…プログラム、21b…データベース、22…プロセッサ、22a…登録処理部、22b…受付処理部、23…通信部、30…駅管理システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7