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  • 特開-草刈り機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165230
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】草刈り機
(51)【国際特許分類】
   A01D 43/063 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
A01D43/063
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070498
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】熊代 崇
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA01
2B083BA12
2B083BA18
2B083DA02
2B083DA07
2B083DA08
2B083FA07
2B083FA13
2B083HA32
(57)【要約】
【課題】草刈り機において、刈り草が草刈り装置の搬送風により案内ダクトの内部を集草部に向けて搬送される際、刈り草が案内ダクトの底部に落下する状態に対応する。
【解決手段】草刈り装置と集草部10とに亘って設けられ、草刈り装置により刈り取られた刈り草を集草部10に案内する案内ダクト11が備えられる。案内ダクト11の底部に設けられ、案内ダクト11の底部に落下した刈り草を集草部10に搬送する搬送装置29が備えられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行可能な機体と、
前記機体に支持された草刈り装置と、
前記機体に支持され、刈り草を貯留可能な集草部と、
前記草刈り装置と前記集草部とに亘って設けられ、前記草刈り装置により刈り取られた刈り草を前記集草部に案内する案内ダクトとが備えられ、
前記案内ダクトの底部に設けられ、前記案内ダクトの底部に落下した刈り草を前記集草部に搬送する搬送装置が備えられている草刈り機。
【請求項2】
前記搬送装置は、前記集草部に向けて回転駆動される幅広の搬送ベルトを有している請求項1に記載の草刈り機。
【請求項3】
地面に接地して前記機体の前進に伴って回転駆動される回転体と、前記回転体の回転動力を前記搬送装置に伝達する伝動機構とが備えられ、
前記機体が前進することにより、前記搬送装置が駆動される請求項1又は2に記載の草刈り機。
【請求項4】
左右の走行用の車輪が、前記機体に設けられ、
前記案内ダクトが、平面視で前記左右の車輪の間に配置され、
前記回転体及び前記伝動機構が、平面視で前記左右の車輪の間に配置され、前記案内ダクトに対して下側に配置されている請求項3に記載の草刈り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草刈り機において、集草部への刈り草の供給の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
草刈り機では、特許文献1に開示されているように、草刈り装置と集草部とを機体に設け、案内ダクトを草刈り装置と集草部とに亘って設けたものがある。
特許文献1では、草刈り装置により刈り取られた刈り草が、草刈り装置の作動に伴って生じる搬送風により、案内ダクトの内部を集草部に向けて案内され搬送されて、集草部に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-134055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、雨上がり時や朝露が多く発生している状態では、作業地の草が濡れたり湿ったりしていることが多いので、この状態で作業を行うと、草刈り装置により刈り取られた刈り草は、重い状態であることが多い。
草刈り装置により刈り取られた刈り草が重い場合、刈り草が草刈り装置の搬送風により案内ダクトの内部を集草部に向けて搬送される際、刈り草が集草部に到達できずに案内ダクトの底部に落下して滞留することがある。
前述の状態を防止する為に、草刈り装置の作動速度を上げて搬送風を強くすることが考えられるが、草刈り装置の騒音も大きくなるので、好ましくない。
【0005】
本発明は、草刈り機において、刈り草が草刈り装置の搬送風により案内ダクトの内部を集草部に向けて搬送される際、刈り草が集草部に到達できずに案内ダクトの底部に落下する状態に、適切に対応できるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の草刈り機は、走行可能な機体と、前記機体に支持された草刈り装置と、前記機体に支持され、刈り草を貯留可能な集草部と、前記草刈り装置と前記集草部とに亘って設けられ、前記草刈り装置により刈り取られた刈り草を前記集草部に案内する案内ダクトとが備えられ、前記案内ダクトの底部に設けられ、前記案内ダクトの底部に落下した刈り草を前記集草部に搬送する搬送装置が備えられている。
【0007】
本発明によると、刈り草が草刈り装置の搬送風により案内ダクトの内部を集草部に向けて搬送される際、刈り草が集草部に到達できずに案内ダクトの底部に落下しても、案内ダクトの底部に落下した刈り草は、搬送装置によって集草部に搬送される。
これにより、刈り草が案内ダクトの底部に堆積し、刈り草の堆積が大きくなって、案内ダクトの詰まりに発展するような状態を防止することができる。
本発明によると、草刈り装置からの刈り草が案内ダクトの底部に落下しないようにする為に、草刈り装置の作動速度を必要以上に上げる必要がないので、草刈り装置の騒音防止の面でも有利である。
【0008】
本発明において、前記搬送装置は、前記集草部に向けて回転駆動される幅広の搬送ベルトを有していると好適である。
【0009】
本発明によると、案内ダクトの底部に落下する刈り草を、搬送ベルトにより広い範囲で受け止めて搬送することができるので、案内ダクトの底部に滞留する刈り草を少なくすることができる。
これにより、刈り草が草刈り装置の搬送風により案内ダクトの内部を集草部に向けて搬送される際に、案内ダクトの底部に滞留する刈り草が障害になるような状態を少なくすることができる。
【0010】
本発明において、地面に接地して前記機体の前進に伴って回転駆動される回転体と、前記回転体の回転動力を前記搬送装置に伝達する伝動機構とが備えられ、前記機体が前進することにより、前記搬送装置が駆動されると好適である。
【0011】
草刈り機の原動部(エンジンや電動モータ等)の動力により搬送装置を駆動するように構成する場合、原動部の動力を搬送装置に伝達する伝動軸や伝動ギヤ等を設けるように構成すると、原動部から草刈り装置等への伝動系に大きな改造を施す必要がある。
【0012】
本発明によると、機体が前進するのに伴って、地面に接地する回転体が回転駆動されるのであり、回転体の回転動力が伝動機構を介して搬送装置が駆動される。このことについて言い換えると、原動部の動力が、機体の前進及び地面を介して搬送装置に伝達される。
これにより、搬送装置が設けられていない草刈り機において搬送装置を設けた場合に、原動部から草刈り装置等への伝動系に大きな改造を施すことなく、回転体及び伝動機構を追加することにより、搬送装置の駆動構造が得られるので、構造の簡素化の面で有利である。
【0013】
本発明において、左右の走行用の車輪が、前記機体に設けられ、前記案内ダクトが、平面視で前記左右の車輪の間に配置され、前記回転体及び前記伝動機構が、平面視で前記左右の車輪の間に配置され、前記案内ダクトに対して下側に配置されていると好適である。
【0014】
草刈り機では、案内ダクトが、機体に設けられた左右の走行用の車輪の間に配置されるように構成されることが多くある。
本発明によると、前述の構成において、回転体及び伝動機構が、左右の車輪の間に配置され、案内ダクトに対して下側に配置されている。これにより、回転体及び伝動機構が、左右の車輪及び案内ダクトにより囲まれた状態となり、左右の車輪及び案内ダクトにより保護された状態となるので、回転体及び伝動機構の破損防止の面で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】草刈り機の左側面図である。
図2】刈り草が集草部から地面に放出される状態を示す左側面図である。
図3】案内ダクト及び搬送装置の付近の縦断左側面図である。
図4】案内ダクト及び搬送装置の付近の横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図4に乗用型の草刈り機が示されており、図1図4において、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示し、Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
【0017】
(草刈り機の全体構成)
図1に示すように、左右の前輪1及び左右の後輪2(走行用の車輪に相当)により、機体3が走行可能に支持されており、前輪1を操向操作する操縦ハンドル4及び運転座席5が、機体3に設けられている。機体3の前部に、エンジン6が設けられて、機体3の後部に、ロプスフレーム7が設けられている。
【0018】
草刈り装置8が、前輪1と後輪2との間に位置するように、機体3に支持されている。刈り草を貯留可能な集草部10が、機体3の後部に支持されており、案内ダクト11が草刈り装置8と集草部10とに亘って設けられている。
【0019】
(走行伝動系の構成)
図1に示すように、運転座席5と案内ダクト11との間に、静油圧型式の無段変速装置9及び伝動ケース12が設けられており、エンジン6の後部の出力軸(図示せず)と無段変速装置9とに亘って、伝動軸13が接続されている。
【0020】
図1及び図4に示すように、左右の車輪ケース14が、伝動ケース12の右部及び左部に連結され、案内ダクト11の左右の横外方を下方に向けて延出されており、左右の車輪ケース14の下部に、左右の後輪2が支持されている。これにより、案内ダクト11が、平面視で左右の後輪2の間に配置され、左右の車輪ケース14の間に配置されている。
【0021】
エンジン6の動力が伝動軸13を介して無段変速装置9に伝達され、無段変速装置9により前進側及び後進側に無段階に変速される。無段変速装置9の動力が、伝動ケース12の内部の伝動系から左右の車輪ケース14の内部の伝動系を介して、左右の後輪2に伝達されて、機体3が前進及び後進する。
【0022】
(草刈り装置の構成)
図1に示すように、エンジン6の前部の出力軸(図示せず)に、ベルト伝動装置15が設けられており、ベルト伝動装置15と草刈り装置8とに亘って、伝動軸16が接続されている。
【0023】
草刈り装置8において、上下方向に沿った軸芯周りに回転駆動されるブレード8aが、左右方向に沿って並ぶように配置されている。エンジン6の動力が、ベルト伝動装置15及び伝動軸16を介して草刈り装置8に伝達されて、草刈り装置8のブレード8aが回転駆動される。
【0024】
機体3が前進することにより、草刈り装置8のブレード8aにより草が刈り取られ、草刈り装置8のブレード8aの回転に伴って生じる搬送風により、草刈り装置8によって刈り取られた刈り草が、案内ダクト11を通って集草部10に案内され供給されて、集草部10に貯留される。
【0025】
(集草部の構成)
図1及び図2に示すように、集草部10は、前部17と、箱状の中央部18と、後部19とを有している。
【0026】
中央部18は、箱状に組み立てられたフレームの底部及び左右の横部に、パンチングメタル及びメッシュ等の通気性を有する部材が取り付けられ、フレームの上部に通気性を有しない天板が取り付けられて構成されており、フレームの後部は開放されている。
【0027】
前部17は、平板状に構成され、中央部18の前部に連結されている。前部17の上部及び下部に亘る高さを有する開口部17aが、前部17に開口されている。後部19に、パンチングメタル及びメッシュ等の通気性を有する部材が取り付けられており、後部19は連係リンク20を介して中央部18に支持されている。
【0028】
(集草部の支持構造)
図1及び図2に示すように、ロプスフレーム7の左右の上部に、左右の昇降リンク21,22が上下に揺動可能に支持されており、昇降リンク21,22の延出部に、左右の支持ブラケット23が揺動可能に接続されている。
【0029】
集草部10において、中央部18が、左右方向に沿った軸芯P1周りに揺動可能に支持ブラケット23に支持されており、連係リンク20が、昇降リンク22と支持ブラケット23との接続部分に接続されている。左右の油圧シリンダ24が、ロプスフレーム7と昇降リンク22とに亘って接続され、左右の油圧シリンダ25が、支持ブラケット23と中央部18とに亘って接続されている。
【0030】
図1,3,4に示す状態は、集草部10が作業位置に配置された状態であり、集草部10(前部17)の開口部17aが案内ダクト11に接続され、集草部10において、後部19が中央部18の後部に接続された状態である。この状態で、草刈り装置8によって刈り取られた刈り草が、案内ダクト11を通って集草部10に案内され供給されて、集草部10に貯留される。
【0031】
集草部10が満杯になると、作業者は草刈り作業を中断し、油圧シリンダ24を伸長作動させて昇降リンク21,22を上昇操作する。これにより、集草部10は図1に示す姿勢を維持しながら上昇操作されるのであり、集草部10(前部17)の開口部17aが案内ダクト11から離れる。
【0032】
次に作業者は、図2に示すように油圧シリンダ25を伸長作動させて、集草部10(前部17及び中央部18)を後傾姿勢に操作する。この場合、後部19は、連係リンク20の作用により、図2に示す姿勢に維持されるので、集草部10(前部17及び中央部18)が後傾姿勢に操作されると、中央部18の後部が下向きに開放されて、刈り草が集草部10(中央部18)の後部から地面に放出される。
【0033】
(案内ダクトの構成)
図3及び図4に示すように、案内ダクト11は、上面部26、左右の横面部27、底面部28及び搬送装置29を有して、断面長方形状の筒状に構成されている。
【0034】
案内ダクト11において、上面部26及び横面部27は平板状であり、左右の横面部27が上面部26の右部及び左部に連結されて下方に向けて延出されている。底面部28は平板状であり、左右の横面部27の前部の下部に亘って連結されている。
【0035】
搬送装置29は、左右の横面部27の下部に亘って設けられ、底面部28の後部に接続されるように配置されており、搬送装置29が案内ダクト11の底部に設けられた状態となっている。
【0036】
(搬送装置の構成)
図3及び図4に示すように、駆動ローラー31が、左右方向に沿った軸芯周りに回転可能に、左右の横面部27の下部の前部に亘って支持されており、従動ローラー32が、左右方向に沿った軸芯周りに回転可能に、左右の横面部27の下部の後部に亘って支持されている。
【0037】
左右の横面部27に亘る横幅を有する幅広の搬送ベルト30が、駆動ローラー31及び従動ローラー32に亘って取り付けられている。複数の上支持ローラー33が、左右方向に沿った軸芯周りに回転可能に、左右の横面部27の下部に亘って支持されており、搬送ベルト30の上側部分の下面に接触するように配置されている。複数の下支持ローラー34が、左右方向に沿った軸芯周りに回転可能に、左右の横面部27の下部に亘って支持されており、搬送ベルト30の下側部分に接触するように配置されている。
【0038】
以上のように、搬送装置29は、搬送ベルト30、駆動ローラー31、従動ローラー32、上支持ローラー33及び下支持ローラー34等を有している。
【0039】
(搬送装置を駆動する回転体及び伝動機構の構成)
図1,3,4に示すように、案内ダクト11の底面部28の下面部に、左右の支持ブラケット35が連結されている。伝動機構36及び回転体38が、支持ブラケット35に支持されており、伝動機構37が伝動機構36と搬送装置29の駆動ローラー31とに亘って設けられている。
【0040】
伝動機構36において、伝動ケース39が、左右方向に沿った軸芯P2周りに上下揺動可能に、支持ブラケット35に支持されている。外周部に多数のフィン状のラグが設けられた回転体38が、左右方向に沿った軸芯P3周りに回転可能に、伝動ケース39の延出部分に支持されている。
【0041】
伝動ケース39の内部において、ワンウェイクラッチ40が回転体38の支持部分に設けられている。伝動軸41が軸芯P2の位置に配置されており、ワンウェイクラッチ40のスプロケット40aと伝動軸41のスプロケット41aとに亘って、伝動チェーン42が取り付けられている。
【0042】
案内ダクト11の底面部28と伝動ケース39とに亘って、バネ43が取り付けられ、回転体38が接地状態を維持するように、伝動ケース39が下方に付勢されている。伝動ケース39が上方に揺動した場合、回転体38が搬送ベルト30の下側部分に接触しない上限位置で伝動ケース39を止める上ストッパー部(図示せず)が設けられている。伝動ケース39の下方への揺動の下限位置を決める下ストッパー部(図示せず)が設けられている。
【0043】
伝動機構37において、伝動ケース44が案内ダクト11の左の横面部27に連結されている。伝動ケース44の内部において、伝動軸45が配置されており、伝動軸45と伝動機構36の伝動軸41とに亘って伝動軸46が連結されている。搬送装置29の駆動ローラー31に連結された駆動軸47が設けられ、伝動軸45の伝動ギヤ45aと駆動軸47の駆動ギヤ47aとが咬合している。
【0044】
以上のように、伝動機構36は、伝動ケース39、ワンウェイクラッチ40、伝動軸41及び伝動チェーン42等を有している。伝動機構37は、伝動ケース44、伝動軸45及び駆動軸47等を有している。回転体38及び伝動機構36,37が、平面視で左右の後輪2の間に配置され、案内ダクト11に対して側面視で下側に配置されている。
【0045】
(搬送装置の作動状態)
図1,3,4に示すように、回転体38が接地した状態で、機体3が前進することにより、回転体38は図3の反時計方向に回転駆動される。伝動機構36において、回転体38の回転動力が、ワンウェイクラッチ40及び伝動チェーン42を介して伝動軸41に伝達され、伝動軸46を介して伝動機構37の伝動軸45に伝達される。
【0046】
伝動機構37において、伝動軸45が図3の反時計方向に回転駆動され、伝動軸45の伝動ギヤ45a及び駆動軸47の駆動ギヤ47aにより、駆動軸47が図3の時計方向に回転駆動される。搬送装置29において、伝動機構37の駆動軸47により駆動ローラー31が図3の時計方向に回転駆動され、搬送ベルト30が集草部10に向けて図3の時計方向に回転駆動される。
【0047】
草刈り装置8のブレード8aにより刈り取られた刈り草が、草刈り装置8の搬送風により案内ダクト11の内部を集草部10に向けて搬送される際、集草部10に到達することができない刈り草の多くは、搬送装置29(搬送ベルト30)に落下する。搬送ベルト30が図3の時計方向に回転駆動されることにより、搬送ベルト30に落下した刈り草は、集草部10に向けて搬送されて、集草部10に供給される。
【0048】
機体3が停止すると、回転体38も停止するので、搬送装置29(搬送ベルト30)は停止する。機体3が後進することによって、回転体38が図3の時計方向に回転駆動されても、ワンウェイクラッチ40の作用により、回転体38が空転するだけで、回転体38の回転動力は搬送装置29に伝達されることはなく、搬送装置29(搬送ベルト30)は停止している。
【0049】
(発明の実施の第1別形態)
伝動機構36において、ワンウェイクラッチ40を廃止して、機体3の後進時に、伝動ケース39が自動的に上限位置に上昇操作されて、回転体38が地面から持ち上げられるように構成してもよい。
【0050】
(発明の実施の第2別形態)
搬送装置29において、駆動ローラー31が搬送装置29の後部に設けられ、従動ローラー32が搬送装置29の前部に配置されるように構成されてもよい。これにより、搬送ベルト30が駆動ローラー31により図3の時計方向に回転駆動される際、搬送ベルト30の回転駆動が円滑に行われる。
【0051】
(発明の実施の第3別形態)
伝動機構36,37及び回転体38を廃止して、搬送装置29を電動モータ(図示せず)により回転駆動するように構成してもよい。これにより、機体3が停止しても後進しても、搬送装置29(搬送ベルト30)を図3の時計方向に回転駆動することができる。
【0052】
(発明の実施の第4別形態)
伝動機構36,37及び回転体38を廃止して、右又は左の車輪ケース14の内部の伝動系から動力を取り出し、この動力を搬送装置29に伝達するように構成してもよい。
【0053】
(発明の実施の第5別形態)
搬送装置29において、搬送ベルト30を廃止して、図3の時計方向に回転駆動される多数のローラー(図示せず)を、案内ダクト11の底部の前部から後部に亘って並べるように設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、前輪1及び後輪2の間に草刈り装置8が配置された草刈り機だけではなく、草刈り装置8が前輪1の前方に支持され、案内ダクト11が草刈り装置8の右又は左の横部から後方に向けて延出された草刈り機にも適用できる。
【符号の説明】
【0055】
2 後輪(車輪)
3 機体
8 草刈り装置
10 集草部
11 案内ダクト
29 搬送装置
30 搬送ベルト
36 伝動機構
37 伝動機構
38 回転体
図1
図2
図3
図4