IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 学校法人 芝浦工業大学の特許一覧

特開2022-165273緩衝材、水性媒体付き緩衝材展開体、及び緩衝材の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165273
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】緩衝材、水性媒体付き緩衝材展開体、及び緩衝材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/02 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
B65D81/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070566
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】599016431
【氏名又は名称】学校法人 芝浦工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】重宗 宏毅
(72)【発明者】
【氏名】細矢 直基
(72)【発明者】
【氏名】前田 真吾
(72)【発明者】
【氏名】安藤 元暉
【テーマコード(参考)】
3E066
【Fターム(参考)】
3E066AA25
3E066BA06
3E066CA01
3E066CA03
3E066CA12
3E066CB03
3E066DA03
3E066KA04
3E066MA01
3E066MA09
3E066NA53
3E066NA54
(57)【要約】
【課題】紙含有シートから形成でき、農作物に傷み部が形成されるのを抑制する緩衝材を提供する。
【解決手段】紙からなるか、紙を主成分とする紙含有シートを折り曲げて構成した緩衝材1であって、紙含有シートの一部により形成され、第1方向Xに沿って立ち上がるとともに、第1方向に交差する第2方向Yにそれぞれ延び、第2方向の少なくとも一部において互いに間隔を空けて配置された第1帯片10A及び第2帯片20Aと、紙含有シートの残部の少なくとも一部により形成され、第1帯片及び第2帯片を互いに連結する第1連結片30Aと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙からなるか、紙を主成分とする紙含有シートを折り曲げて構成した緩衝材であって、
前記紙含有シートの一部により形成され、第1方向に沿って立ち上がるとともに、前記第1方向に交差する第2方向にそれぞれ延び、前記第2方向の少なくとも一部において互いに間隔を空けて配置された第1帯片及び第2帯片と、
前記紙含有シートの残部の少なくとも一部により形成され、前記第1帯片及び前記第2帯片を互いに連結する第1連結片と、
を備える、緩衝材。
【請求項2】
前記紙含有シートが平坦である、請求項1に記載の緩衝材。
【請求項3】
前記紙含有シートが、1枚の前記紙含有シートである、請求項1又は2に記載の緩衝材。
【請求項4】
前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ交差する方向を第3方向としたときに、
前記第1帯片の少なくとも一部は、前記第2方向の第1側に向かうに従い前記第3方向の位置が変化するように配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の緩衝材。
【請求項5】
前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ交差する方向を第3方向としたときに、
前記第1帯片の一部と、前記第1帯片の他の一部とは、前記第3方向の位置が互いに異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載の緩衝材。
【請求項6】
前記第1帯片及び前記第2帯片の少なくとも一部は、前記第1方向に見たときに、多角形の外縁状である、請求項1から5のいずれか一項に記載の緩衝材。
【請求項7】
前記多角形は6角形である、請求項6に記載の緩衝材。
【請求項8】
前記第1連結片には、前記第1連結片における他の部位よりもひずみを低減させたひずみ低減部位が形成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の緩衝材。
【請求項9】
前記紙含有シートの前記残部の少なくとも一部により形成され、前記第1方向に沿って立ち上がるとともに、前記第2方向に延び、前記第2帯片に対して前記第1帯片とは反対に配置され、前記第2方向の少なくとも一部において前記第2帯片とは間隔を空けて配置された第3帯片と、
前記紙含有シートの前記残部の少なくとも一部により形成され、前記第2帯片及び前記第3帯片を互いに連結する第2連結片と、
を備え、
前記第1連結片は、前記第1帯片及び前記第2帯片における前記第1方向の第1側の外縁にそれぞれ連結され、
前記第2連結片は、前記第2帯片及び前記第3帯片における前記第1方向の第2側の外縁にそれぞれ連結される、請求項1から8のいずれか一項に記載の緩衝材。
【請求項10】
紙からなるか、紙を主成分とする紙含有シートから切出された緩衝材展開体に、水又は水溶液である水性媒体が浸透された、水性媒体付き緩衝材展開体であって、
前記緩衝材展開体の主面に沿い、互いに交差する方向を第1延面方向及び第2延面方向としたときに、
前記第1延面方向に延びるとともに前記第2延面方向に互いに間隔を空けて配置された第1帯片及び第2帯片と、
前記第1帯片及び前記第2帯片を互いに連結する第1連結片と、
を備え、
前記第1連結片の少なくとも一部には、前記水性媒体が浸透されている、水性媒体付き緩衝材展開体。
【請求項11】
紙からなるか、紙を主成分とする紙含有シートを折り曲げて緩衝材を製造する緩衝材の製造方法であって、
前記紙含有シートの主面に沿い、互いに交差する方向を第1延面方向及び第2延面方向としたときに、
前記紙含有シートの一部から、前記第1延面方向に延びるとともに前記第2延面方向に互いに間隔を空けて配置された第1帯片及び第2帯片を切出し、前記紙含有シートの残部の少なくとも一部から、前記第1帯片及び前記第2帯片を互いに連結する第1連結片を切出す切出し工程と、
前記第1連結片における前記主面から、水又は水溶液である水性媒体を浸透させて、前記紙含有シートの厚さ方向に前記水性媒体の濃度勾配を有する濃度傾斜部位を前記第1連結片の少なくとも一部に形成する浸透工程と、
前記第1連結片を乾燥させることにより、前記第1連結片における乾燥した前記濃度傾斜部位が自律的に折れ曲がり、前記第1帯片及び前記第2帯片が、第1方向に沿って自律的に立ち上がるとともに、前記第1方向に交差する第2方向にそれぞれ延び、前記第2方向の少なくとも一部において互いに間隔を空けて配置されることにより、前記緩衝材を製造する乾燥工程と、
を行う、緩衝材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩衝材、水性媒体付き緩衝材展開体、及び緩衝材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
折り紙技術は、1枚の紙(紙含有シート)を折り曲げることによって、多様な立体構造を形成できる利点を有している。紙を折り曲げるパターンを工夫することによって、紙の展開と収納の機能の繰り返し利用が可能となったり、紙から機械的強度が比較的高い構造体の形成が可能となる。このため、種々の分野で、折り紙技術の応用が期待されている。
【0003】
このような中、紙に対して、その外部から何らかの働きかけを行うことにより、紙が自ら折れ曲がるようにする、自律的な紙の折り曲げ技術が注目されている。このような技術は、“self-folding”(自己折り畳み)という用語で語られることもある。紙の自律的な折り曲げ技術の開発によって、前記のような折り紙の特性の利用が大きく進展することが期待される。
【0004】
このような折り曲げ技術としては、紙に、その外部からの刺激に対して応答する材料を配置しておき、刺激を加えたときのこの材料の応答を利用することで、紙を自律的に折り曲げる技術が、これまでに報告されている。ここで刺激としては、電流、熱等が挙げられる。
しかし、このような折り曲げ技術では、電流、熱等の、何らかのエネルギーの供給が必要であるため、利用環境が制限される可能性があるという問題点がある。さらに、紙を特殊な材料で修飾する必要があるため、高コストであるという問題点がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Hiroki Shigemune, Shingo Maeda, Yusuke Hara, and Shuji Hashimoto “Design of paper mechatronics: Towards a fully printed robot” 2014 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS 2014)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、野菜や果物等の農作物における傷み部(bruise)は、農業産業にとって重大な問題である。傷み部は、農作物の収穫及び収穫後の過程で、農作物に向けて与えられる衝撃や振動によって、農作物の組織が変化して変色することにより形成される。
農作物の品質を低下させるウイルス及び微生物は、傷み部から農作物内に入り込みやすくなる。さらに、傷み部は、消費者の購買意欲を低下させ、農家にとって望ましくない経済的損失を引き起こす。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、紙含有シートから形成でき、農作物に傷み部が形成されるのを抑制する緩衝材、及び緩衝材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の緩衝材は、紙からなるか、紙を主成分とする紙含有シートを折り曲げて構成した緩衝材であって、前記紙含有シートの一部により形成され、第1方向に沿って立ち上がるとともに、前記第1方向に交差する第2方向にそれぞれ延び、前記第2方向の少なくとも一部において互いに間隔を空けて配置された第1帯片及び第2帯片と、前記紙含有シートの残部の少なくとも一部により形成され、前記第1帯片及び前記第2帯片を互いに連結する第1連結片と、を備えることを特徴としている。
【0009】
また、前記緩衝材において、前記紙含有シートが平坦であってもよい。
また、前記緩衝材において、前記紙含有シートが、1枚の前記紙含有シートであってもよい。
【0010】
また、前記緩衝材において、前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ交差する方向を第3方向としたときに、前記第1帯片の少なくとも一部は、前記第2方向の第1側に向かうに従い前記第3方向の位置が変化するように配置されていてもよい。
また、前記緩衝材において、前記第1方向及び前記第2方向にそれぞれ交差する方向を第3方向としたときに、前記第1帯片の一部と、前記第1帯片の他の一部とは、前記第3方向の位置が互いに異なってもよい。
【0011】
また、前記緩衝材において、前記第1帯片及び前記第2帯片の少なくとも一部は、前記第1方向に見たときに、多角形の外縁状であってもよい。
また、前記緩衝材において、前記多角形は6角形であってもよい。
また、前記緩衝材において、前記第1連結片には、前記第1連結片における他の部位よりもひずみを低減させたひずみ低減部位が形成されてもよい。
【0012】
また、前記緩衝材において、前記紙含有シートの前記残部の少なくとも一部により形成され、前記第1方向に沿って立ち上がるとともに、前記第2方向に延び、前記第2帯片に対して前記第1帯片とは反対に配置され、前記第2方向の少なくとも一部において前記第2帯片とは間隔を空けて配置された第3帯片と、前記紙含有シートの前記残部の少なくとも一部により形成され、前記第2帯片及び前記第3帯片を互いに連結する第2連結片と、を備え、前記第1連結片は、前記第1帯片及び前記第2帯片における前記第1方向の第1側の外縁にそれぞれ連結され、前記第2連結片は、前記第2帯片及び前記第3帯片における前記第1方向の第2側の外縁にそれぞれ連結されてもよい。
【0013】
また、本発明の水性媒体付き緩衝材展開体は、紙からなるか、紙を主成分とする紙含有シートから切出された緩衝材展開体に、水又は水溶液である水性媒体が浸透された、水性媒体付き緩衝材展開体であって、前記緩衝材展開体の主面に沿い、互いに交差する方向を第1延面方向及び第2延面方向としたときに、前記第1延面方向に延びるとともに前記第2延面方向に互いに間隔を空けて配置された第1帯片及び第2帯片と、前記第1帯片及び前記第2帯片を互いに連結する第1連結片と、を備え、前記第1連結片の少なくとも一部には、前記水性媒体が浸透されていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の緩衝材の製造方法は、紙からなるか、紙を主成分とする紙含有シートを折り曲げて緩衝材を製造する緩衝材の製造方法であって、前記紙含有シートの主面に沿い、互いに交差する方向を第1延面方向及び第2延面方向としたときに、前記紙含有シートの一部から、前記第1延面方向に延びるとともに前記第2延面方向に互いに間隔を空けて配置された第1帯片及び第2帯片を区画し、前記紙含有シートの残部の少なくとも一部から、前記第1帯片及び前記第2帯片を互いに連結する第1連結片を区画する区画工程と、前記第1連結片における前記主面から、水又は水溶液である水性媒体を浸透させて、前記紙含有シートの厚さ方向に前記水性媒体の濃度勾配を有する濃度傾斜部位を前記第1連結片の少なくとも一部に形成する浸透工程と、前記第1連結片を乾燥させることにより、前記第1連結片における乾燥した前記濃度傾斜部位が自律的に折れ曲がり、前記第1帯片及び前記第2帯片が、第1方向に沿って自律的に立ち上がるとともに、前記第1方向に交差する第2方向にそれぞれ延び、前記第2方向の少なくとも一部において互いに間隔を空けて配置されることにより、前記緩衝材を製造する乾燥工程と、を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の緩衝材、水性媒体付き緩衝材展開体、及び緩衝材の製造方法によれば、紙含有シートから形成でき、農作物に傷み部が形成されるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態の緩衝材の要部を示す斜視図である。
図2】同緩衝材の製造に用いる紙含有シートの断面図である。
図3】同紙含有シートに水性媒体を浸透させて、濃度傾斜部位を形成したときの断面図である。
図4】同紙含有シートを乾燥させて、ひずみ低減部位を形成したときの断面図である。
図5】同緩衝材の斜視図である。
図6】本発明の一実施形態の緩衝材の製造方法を示すフローチャートである。
図7】同緩衝材の製造方法における各工程で用いられる装置の概要を示す図である。
図8】同緩衝材の製造方法で用いられる緩衝材展開体の要部を示す正面図である。
図9】同紙含有シートの第1主面における水性媒体を浸透させる部位を示す正面図である。
図10】同紙含有シートの第2主面における水性媒体を浸透させる部位を示す正面図である。
図11】水性媒体付き緩衝材展開体において、両主面における水性媒体を浸透させる部位を重ねて示す正面図である。
図12】本発明の一実施形態の変形例における緩衝材の要部を示す斜視図である。
図13】乾燥を開始してから15s後の水性媒体付き緩衝材展開体の状態を示す写真である。
図14】乾燥を開始してから60s後の水性媒体付き緩衝材展開体の状態を示す写真である。
図15】乾燥を開始してから150s後の水性媒体付き緩衝材展開体の状態を示す写真である。
図16】乾燥を開始してから300s後の水性媒体付き緩衝材展開体の状態を示す写真である。
図17】圧縮試験に用いた試験装置の正面図である。
図18】同緩衝材の圧縮-ひずみ特性を示す図である。
図19】圧縮試験を行う前の緩衝材の平面図である。
図20】圧縮試験を行った後の緩衝材の平面図である。
図21】落下試験装置の概要を示す図である。
図22】リンゴを落として塑性変形した緩衝材の平面図である。
図23図22中のA1部拡大図である。
図24】サンプル番号1における傷み部を示す写真である。
図25】サンプル番号1における傷み部を示す断面写真である。
図26】サンプル番号2における傷み部を示す写真である。
図27】サンプル番号2における傷み部を示す断面写真である。
図28】サンプル番号3における傷み部を示す写真である。
図29】サンプル番号3における傷み部を示す断面写真である。
図30】サンプル番号4における傷み部を示す写真である。
図31】サンプル番号4における傷み部を示す断面写真である。
図32】サンプル番号5における傷み部を示す写真である。
図33】サンプル番号5における傷み部を示す断面写真である。
図34】サンプル番号7における傷み部を示す写真である。
図35】サンプル番号7における傷み部を示す断面写真である。
図36】サンプル番号による傷み部の体積の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る緩衝材の一実施形態を、図1から図36を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態の緩衝材1の要部を示す。本実施形態の緩衝材1は、図2に示す、平坦な1枚の紙含有シート100を折り曲げて構成される。ここで言う紙含有シート100が平坦であるとは、例えば以下のように規定される。すなわち、紙含有シート100の厚さ方向に見たときの、紙含有シート100の長辺(紙含有シート100が正方形状を呈する場合は、一方の辺)の長さを、aとする。厚さ方向に向かって湾曲した紙含有シート100の、厚さ方向の長さを、Lとする。このとき、紙含有シートが平坦であるとは、(L/a)の値が、0以上100以下のことを意味する。(L/a)の値は、0以上50以下であることが好ましく、0以上10以下であることがより好ましい。
例えば、紙含有シート100は、JIS規格のA4(A列4番)の大きさである。
【0018】
紙含有シート100は、紙からなるシート(以下では、紙製シートと言う)、又は紙を主成分とするシート(以下では、紙主成分シートと言う)である。例えば、紙はセルロースを意味する。例えば、主成分とは、50質量パーセント以上含まれる成分のことを意味する。
【0019】
紙製シートとしては、例えば、トレーシングペーパー等が挙げられる。紙主成分シートは、紙と、紙以外の他の成分と、を含有する。
前記他の成分は、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて任意に選択できる。前記他の成分として、より具体的には、例えば、樹脂、シリカゲル等が挙げられる。
前記他の成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。前記他の成分が2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、任意に選択できる。
紙含有シート100は、その製造方法に起因して、外力によってひずみが生じた状態のまま製造されている。紙含有シート100中では、当初、セルロース分子同士が水素結合によって結合している。
【0020】
紙含有シート100は、水又は水溶液である水性媒体110を用いて折り曲げられる。
前記水溶液中の溶質は、水溶性を有する(換言すると、水和可能である)ものであれば特に限定されず、任意に選択できる。前記水溶液中の溶質としては、例えば、塩等の電解質、染料等が挙げられる。
前記水溶液中の溶質は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。前記水溶液中の溶質が2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
前記水溶液中の、常温で液状の水以外の成分の濃度は、低いほど好ましい。前記水溶液中の溶質の濃度は、例えば、5質量%以下であることが好ましい。この濃度は、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
前記水溶液は、中性であることが好ましい。
【0021】
ここで、紙含有シート100が自律的に折れ曲がる原理について説明する。
図2に示すように、紙含有シート100の第1主面(主面)100aから、紙含有シート100における所定の部位100cに水性媒体110を浸透させる。第1主面100aは、紙含有シート100の厚さ方向に直交する紙含有シート100の外面である。ここで、紙含有シートの第1主面100aに沿い、互いに直交(交差)する方向を第1延面方向U及び第2延面方向Vと言う。例えば、第1延面方向Uは、紙含有シート100を前記厚さ方向に見たときに、紙含有シート100の長辺に沿う方向である。第2延面方向Vは、紙含有シート100を前記厚さ方向に見たときに、紙含有シート100の短辺に沿う方向である。
【0022】
紙含有シート100に水性媒体110を浸透させることにより、図3に示すように、紙含有シート100の厚さ方向に水性媒体110の濃度勾配を有する濃度傾斜部位101を設ける。濃度傾斜部位101中では、水分子がセルロース分子間の水素結合を切断し、セルロース分子間に水分子が介在した状態となる。
紙含有シート100を乾燥させると、濃度傾斜部位101も乾燥し、濃度傾斜部位101が図4に示すひずみ低減部位102となる。濃度傾斜部位101中の水が乾燥により低減されるのに従い、濃度傾斜部位101中では、再度、セルロース分子同士が水素結合によって結合する。このとき、濃度傾斜部位101は、部位100cよりもひずみが低減され(ひずみが解消されも含む)て安定した状態になる。ひずみ低減部位102は部位100cよりも収縮し、紙含有シート100は、ひずみ低減部位102において、第1主面100aが内側となるように自律的に折れ曲がる。
【0023】
ひずみ低減部位102は、部位100cよりも、セルロースのひずみが低減された部位である。
紙含有シート100の第1主面100a、及び紙含有シート100における第1主面100aとは反対の第2主面100bのそれぞれに、水性媒体110を浸透させる場合について説明する。第1主面100aにおいて水性媒体110を浸透させる範囲と、第2主面100bにおいて水性媒体110を浸透させる範囲とは、紙含有シート100の厚さ方向において、少なくとも一部が重なるとする。この場合、両範囲の広さ、両範囲に浸透させる水性媒体110の質量、濃度に応じて、重なる部分が主面100a,100bのどちらが内側となるように自律的に折り曲がるかが決まる。一般的に、浸透させる水性媒体110の質量が多いほど、そして水性媒体110の濃度が高いほど、その水性媒体110が浸透された主面が内側となるように、紙含有シート100が自律的に折り曲がる。
【0024】
図1に示すように、緩衝材1は、第1帯片10Aと、第2帯片20Aと、第3帯片10Bと、第1連結片30Aと、第2連結片35Aと、を備える。
本実施形態では、第1帯片10Aの構成と第3帯片10Bの構成とは、互いに同一である。このため、第1帯片10Aの構成を、符号の数字、又は数字及び英小文字に英大文字「A」を付加することで示す。第3帯片10Bのうち第1帯片10Aに対応する構成を、第1帯片10Aの符号と同一の数字、又は数字及び英小文字に英大文字「B」を付加することで示す。これにより、重複する説明を省略する。例えば、第1帯片10Aの後述する第1延在部11Aと第3帯片10Bの第1延在部11Bとは、互いに同一の構成である。
付加する英大文字「C」、「D」等についても同様である。
【0025】
第1帯片10A、第2帯片20A、及び第3帯片10Bは、紙含有シート100の一部によりそれぞれ帯状に形成される。帯片10A,10B,20Aは、第1方向Xに沿って立ち上がるとともに、第1方向Xに直交する第2方向Yにそれぞれ延びる。なお、第2方向Yは、第1方向Xに交差する方向であるとしてもよい。帯片10A,10B,20Aが第1方向Xに沿って立ち上がるとは、例えば、帯片10A,10B,20Aが立ち上がる前に、帯片10A,10B,20Aと紙含有シート100の厚さ方向とがなす角度よりも立ち上がった後の帯片10A,10B,20Aと第1方向Xとのなす角度が小さくなるとともに、立ち上がった後の帯片10A,10B,20Aと第1方向Xとのなす角度が45°以下であることを意味する。
第1帯片10Aは、第1延在部(第1帯片10Aの一部)11Aと、第1傾斜部12Aと、第2延在部(第1帯片10Aの他の一部)13Aと、第2傾斜部14Aと、を有する。延在部11A,13A及び傾斜部12A,14Aは、それぞれ第1帯片10Aの一部である。なお、本実施形態では、第1帯片10Aは、延在部11A,13A及び傾斜部12A,14Aを組みにして複数有する。
ここで、第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ直交する方向を、第3方向Zと規定する。なお、第3方向Zを、第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ交差する方向としてもよい。
【0026】
延在部11A,13Aは、第2方向Yにそれぞれ延びる。第2延在部13Aは、第1延在部11Aよりも第3方向Zにおける第1側Z1(以下では、単に第1側Z1と言う)に配置される。すなわち、第1延在部11Aと第2延在部13Aとは、第3方向Zの位置が互いに異なる。
傾斜部12A,14Aは、第2方向Yにおける第1側Y1(以下では、単に第1側Y1と言う)に向かうに従い第3方向Zの位置が変化するように配置されている。より詳しく説明すると、第1傾斜部12Aは、第1延在部11Aの第1側Y1の端縁から、第1側Y1に向かうに従い第1側Z1に向かうように配置される。第2延在部13Aは、第1傾斜部12Aの第1側Y1の端縁から、第1側Y1に延びる。
第2傾斜部14Aは、第2延在部13Aの第1側Y1の端縁から、第1側Y1に向かうに従い、第3方向Zにおける第1側Z1とは反対の第2側Z2(以下では、単に第2側Z2と言う)に向かうように配置される。第1延在部11Aは、第2傾斜部14Aの第1側Y1の端縁から、第1側Y1に延びる。
【0027】
第2帯片20Aは、第1延在部21Aと、第1傾斜部22Aと、第2延在部23Aと、第2傾斜部24Aと、を有する。
延在部21A,23Aは、第2方向Yにそれぞれ延びる。第2延在部23Aは、第1延在部21Aよりも第2側Z2に配置される。
傾斜部22A,24Aは、第1側Y1に向かうに従い第3方向Zの位置が変化するように配置されている。より詳しく説明すると、第1傾斜部22Aは、第1延在部21Aの第1側Y1の端縁から、第1側Y1に向かうに従い第2側Z2に向かうように配置される。第2延在部23Aは、第1傾斜部22Aの第1側Y1の端縁から、第1側Y1に延びる。
第2傾斜部24Aは、第2延在部23Aの第1側Y1の端縁から、第1側Y1に向かうに従い第1側Z1に向かうように配置される。第1延在部21Aは、第2傾斜部24Aの第1側Y1の端縁から、第1側Y1に延びる。
【0028】
第1延在部11A,21Aは、互いに第3方向Zに間隔を空けて配置されている。同様に、第2延在部13A,23Aは、互いに第3方向Zに間隔を空けて配置されている。このように、帯片10A,20Aは、第2方向Yの全長にわたって、互いに第3方向Zに間隔を空けて配置されている。
ただし、第1延在部11A,21A間の距離は、第2延在部13A,23A間の距離よりも長い。
【0029】
第1帯片10Aの第1延在部11A、傾斜部12A,14A(第1帯片10Aの一部)、及び第2帯片20Aの第1延在部21A、傾斜部22A,24A(第2帯片20Aの一部)により構成される筒状部10aAは、第1方向Xに見たときに、8角形の外縁状である。なお、筒状部10aAは、第1方向Xに見たときに、4角形、6角形等の多角形の外縁状であってもよい。
緩衝材1には、複数の筒状部10aAが第2方向Yに互いに間隔を空けて並べて形成される。
【0030】
第3帯片10Bは、第1帯片10Aの第1延在部11A、第1傾斜部12A、第2延在部13A、第2傾斜部14Aと同一の構成の第1延在部11B、第1傾斜部12B、第2延在部13B、第2傾斜部14Bを有する。
第3帯片10Bは、第2帯片20Aに対して第1帯片10Aとは反対に配置される。第3帯片10Bは、第2方向Yの全長にわたって、第2帯片20Aとは間隔を空けて配置される。ただし、第2延在部23A,13B間の距離は、第1延在部21A,11B間の距離よりも長い。
第2帯片20Aの第2延在部23A、傾斜部22A,24A、及び第3帯片10Bの第2延在部13B、傾斜部12B,14Bにより構成される筒状部20aAは、第1方向Xに見たときに、8角形の外縁状である。緩衝材1には、複数の筒状部20aAが第2方向Yに互いに間隔を空けて並べて形成される。
前記筒状部10aAと筒状部20aAとは、互いに第2方向Yに位置をずらして配置される。
【0031】
連結片30A,35Aは、紙含有シート100の残部の少なくとも一部によりそれぞれ帯状に形成される。
第1連結片30Aは、第1帯片10A及び第2帯片20Aを、第3方向Zに互いに連結する。より詳しく説明すると、第1連結片30Aは、第1帯片10Aの第2延在部13Aにおける第1方向Xの第1側X1(以下では、単に第1側X1と言う)の外縁、及び第2帯片20Aの第2延在部23Aにおける第1側X1の外縁にそれぞれ連結される。第1連結片30Aは、第3方向Zに延びる帯状に形成され、第1側X1に向かって凸となるように湾曲する。
【0032】
第2連結片35Aは、第2帯片20A及び第3帯片10Bを、第3方向Zに互いに連結する。より詳しく説明すると、第2連結片35Aは、第2帯片20Aの第1延在部21Aにおける第1方向Xの第1側X1とは反対の第2側X2(以下では、単に第2側X2と言う)の外縁、及び第3帯片10Bの第1延在部11Bにおける第2側X2の外縁にそれぞれ連結される。第2連結片35Aは、第3方向Zに延びる帯状に形成され、第2側X2に向かって凸となるように湾曲する。
連結片30A,35Aの中心角は、約180°である。第1連結片30Aの端部は、互いに第3方向Zに離間している。第2連結片35Aについても、同様である。
【0033】
緩衝材1全体としては、図5に示すように構成される。例えば、緩衝材1は、帯片10A,10B,20A及び連結片30A,35Aに加え、第4帯片20B、第5帯片10C、第6帯片20C、第7帯片10D、第3連結片30B、第4連結片35B、第5連結片30C、第6連結片35C、第7連結片30Dを備える。
緩衝材1には、筒状部10aA,20aA以外に、筒状部10aB,20aB,10aC,20aCが形成される。
【0034】
次に、以上のように構成された緩衝材1を製造する緩衝材の製造方法(以下では、単に製造方法と言う)について説明する。以下では、緩衝材1の構成のうち、帯片10A,10B,20A及び連結片30A,35Aを対象にして説明する。
製造方法では、紙含有シート100を折り曲げて緩衝材1を製造する。図6は、本発明の一実施形態の製造方法Sを示すフローチャートである。製造方法Sでは、切出し工程S1と、浸透工程S3と、乾燥工程S5と、を行う。図7に、製造方法Sの各工程で用いられる装置の概要を示す。
【0035】
まず、切出し工程S1において、カッティングプロッタ等の切断装置115を用いて、図8に示すように、紙含有シート100に複数の貫通孔103を形成する。なお、図8には、紙含有シート100の要部を示す。すなわち、切出し工程S1では、紙含有シート100から、緩衝材1を展開させた形状である緩衝材展開体105を切出す(切断する)。
例えば、貫通孔103は、第1延面方向Uに長い長円状である。貫通孔103は、第1延面方向Uに互いに間隔を空けて複数形成される。複数の貫通孔103は、第2延面方向Vに互いに間隔を空けて形成される。第2延面方向Vに隣り合う貫通孔103は、第1延面方向Uの位置がずらされている。
なお、延面方向U,Vは、緩衝材展開体105の第1主面(主面)105a及び第2主面(主面)105bにそれぞれ沿う方向である。
【0036】
こうして、紙含有シート100の一部から帯片10A,10B,20Aを切出す。さらに、紙含有シート100の残部の少なくとも一部から、連結片30A,35Aを切出して、緩衝材展開体105を形成する。すなわち、緩衝材展開体105は、帯片10A,10B,20Aと、連結片30A,35Aと、を備える。緩衝材展開体105は、紙含有シート100から切り出されたシートである。
帯片10A,10B,20Aは、第1延面方向Uに延びる帯状にそれぞれ形成されるとともに、第2延面方向Vに互いに間隔を空けて配置される。第1帯片10A、第2帯片20A、及び第3帯片10Bは、第2延面方向Vの第1側から第2側に向かってこの順に並べて形成される。
【0037】
第1連結片30Aは、第1帯片10A及び第2帯片20Aを第2延面方向Vに互いに連結する。第2連結片35Aは、第2帯片20A及び第3帯片10Bを第2延面方向Vに互いに連結する。第1連結片30A及び第2連結片35Aは、第1延面方向Uの位置が互いにずらされている。
ここで、第1延面方向Uに隣り合う貫通孔103間の長さを、aとする。貫通孔103の第1延面方向Uの長さを、aとする。帯片10A,10B,20Aの第2延面方向Vの長さを、bとする。貫通孔103の第2延面方向Vの長さを、bとする。
【0038】
次に、浸透工程S3において、図7に示すインクジェットプリンタ等の塗布装置116を用いて、図8に示す緩衝材展開体105の第1主面105a及び第2主面105bの少なくとも一方から水性媒体110を浸透させる(印刷する)。図9に、紙含有シート100の第1主面100aにおける水性媒体110を浸透させる部位100c1を、二点鎖線で示す。図10に、紙含有シート100の第2主面100bにおける水性媒体110を浸透させる部位100c2を、点線で示す。部位100c1,100c2を、部位100c1,100c2の内側をハッチングで塗りつぶす代わりに、部位100c1,100c2の内側にX印を付して示す。
緩衝材展開体105に対しても、部位100c1,100c2に対応する部位に水性媒体110を浸透させる。
【0039】
図11に示すように、本実施形態では、緩衝材展開体105(連結片30A,35A)における両主面105a,105bから水性媒体110を浸透させ、水性媒体付き緩衝材展開体106を製造する。緩衝材展開体105の第1主面105aから水性媒体110を浸透させて形成した濃度傾斜部位107aを、二点鎖線で示す。緩衝材展開体105の第2主面105bから水性媒体110を浸透させて形成した濃度傾斜部位107bを、点線で示す。
緩衝材展開体105における貫通孔103が形成された領域では、水性媒体110を浸透させようとしても緩衝材展開体105が存在しないため、水性媒体110は浸透されない。
【0040】
帯片10A,20Aにおいて、貫通孔103を第2延面方向Vに挟む部分における第1延面方向Uの中間部には、濃度傾斜部位107aが2つ形成される。2つの濃度傾斜部位107aは、第1延面方向Uに互いに間隔を空けて形成される。帯片10A,20Aにおいて、貫通孔103を第2延面方向Vに挟む部分における第1延面方向Uの両端部には、濃度傾斜部位107bがそれぞれ形成される。
帯片20A,10Bにおいて、貫通孔103を第2延面方向Vに挟む部分における第1延面方向Uの中間部には、濃度傾斜部位107bが2つ形成される。2つの濃度傾斜部位107bは、第1延面方向Uに互いに間隔を空けて形成される。帯片20A,10Bにおいて、貫通孔103を第2延面方向Vに挟む部分における第1延面方向Uの両端部には、濃度傾斜部位107aそれぞれが形成される。
【0041】
第1連結片30Aには、第1主面105aの全面にわたって濃度傾斜部位107aが形成される。第1連結片30Aにおける第1延面方向Uの両端部には、濃度傾斜部位107bがそれぞれ形成される。第2連結片35Aには、第2主面105bの全面にわたって濃度傾斜部位107bが形成される。第2連結片35Aにおける第1延面方向Uの両端部には、濃度傾斜部位107aがそれぞれ形成される。
本実施形態では、連結片30A,35Aの両主面105a,105b(連結片30A,35Aの少なくとも一部)に水性媒体110が浸透され、濃度傾斜部位107a,107bが形成されている。
ここで、図9に示すように、連結片30A,35Aに対応する部位100c1の長さa,b、及び他の長さa,bを規定する。
【0042】
次に、乾燥工程S5において、水性媒体付き緩衝材展開体106、すなわち帯片10A,10B,20A及び連結片30A,35Aを乾燥させる。水性媒体付き緩衝材展開体106の乾燥は、例えば、常温の環境中に水性媒体付き緩衝材展開体106を放置して行えばよい。すなわち、太陽熱、風等の自然の現象を利用して、性媒体付き緩衝材展開体106を乾燥させればよい(自然乾燥させればよい)。
すると、水性媒体付き緩衝材展開体106(連結片30A,35A)における乾燥した濃度傾斜部位107a,107bが自律的に折れ曲がり、図1に示すひずみ低減部位107a1,107b1となる。例えば、第1連結片30Aには、第1連結片30Aにおける、ひずみ低減部位107b1以外の部位よりもひずみを低減させたひずみ低減部位107a1が形成される。
このため、帯片10A,10B,20Aが、第1方向Xに沿って自律的に立ち上がるとともに、第2方向Yにそれぞれ延びる。帯片10A,10B,20Aが、第2方向Yの全長にわたって互いに間隔を空けて配置される。
以上の工程により、緩衝材1が製造される。緩衝材1は、折り曲げ技術によるハニカム構造である。
【0043】
なお、水性媒体付き緩衝材展開体106は、例えば、水性媒体付き緩衝材展開体106中の水性媒体110が乾燥しないように包装した状態で流通させることができる。流通後の場所で、水性媒体付き緩衝材展開体106から包装を取り除くと、水性媒体付き緩衝材展開体106が自然乾燥して乾燥工程S5が行われ、緩衝材1が製造される。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の緩衝材1によれば、第1帯片10A、第2帯片20A、及び第1連結片30Aを展開したときに、互いに連結された平坦な部材になる。このため、例えば、1枚の紙含有シート100を切断したり孔を開けたりすること等により、紙含有シート100から10A、第2帯片20A、及び第1連結片30Aを切出すことができる。
帯片10A,20Aは、第1方向Xに沿って立ち上がるとともに、第2方向Yの全長にわたって互いに間隔を空けて配置される。第1連結片30Aは、帯片10A,20Aの位置関係を保持する。
【0045】
このため、例えば、緩衝材1を、第1方向Xが上下方向に沿うように配置し、緩衝材1よりも上方から第1帯片10A又は第2帯片20Aに向かって、農作物を落とす。農作物が第1帯片10A又は第2帯片20Aに当たり、農作物の位置エネルギーが、第1帯片10A又は第2帯片20Aが下方に向かって変形したり、互いに間隔を空けて配置された部分に向かって変形したりすることにより吸収される。さらに、農作物の位置エネルギーが、第1帯片10A又は第2帯片20Aに熱が生じたり、第1帯片10A又は第2帯片20Aから音が発せられたりすることにより吸収される。従って、緩衝材1では、農作物が損傷するのを抑制することができる。これにより、農作物に傷み部が形成されるのを抑制することができる。
【0046】
紙含有シート100が、平坦である。このため、インクジェットプリンタ等の塗布装置116を用いて、紙含有シート100に水性媒体110を浸透させやすくなる。
紙含有シート100が、1枚の紙含有シート100である。従って、複数の貫通孔103を形成し、水性媒体110を浸透させた後で乾燥させた1枚の紙含有シート100のみから、緩衝材1を製造することができる。
【0047】
第1帯片10Aの傾斜部12A,14Aは、第2方向Yの第1側Y1に向かうに従い第3方向Zの位置が変化するように配置されている。従って、第1帯片10Aが傾斜部12A,14Aを有さない場合に比べて、第1帯片10Aの第3方向Zにおける長さが長くなる。このため、例えば、第1方向Xが上下方向に沿うように支持面上に配置された第1帯片10Aが、第2方向Yに沿う軸線周りに回転して傾くのを抑制することができる。
第1帯片10Aの第1延在部11Aと第2延在部13Aとは、第3方向Zの位置が互いに異なる。これにより、第1帯片10Aが延在部11A,13Aを有さない場合に比べて、第1帯片10Aの第3方向Zにおける長さが長くなる。このため、例えば、第1方向Xが上下方向に沿うように支持面上に配置された第1帯片10Aが、第2方向Yに沿う軸線周りに回転して傾くのを抑制することができる。
【0048】
帯片10A,20Aの一部は、第1方向Xに見たときに、多角形の外縁状である。このため、例えば、帯片10A,20Aの一部を、第1方向Xに見たときに円形の外縁状にする場合に比べて、折れ曲がった部分を少なくすることができる。従って、平坦な紙含有シート100から、帯片10A,20Aの一部を容易に形成することができる。
【0049】
第1連結片30Aには、ひずみ低減部位107a1が形成される。一般的に、紙含有シートは、その製造方法に起因して、外力によってひずみが生じた状態のまま製造されている。当初、紙含有シート100では、紙に含まれるセルロース分子同士が水素結合によって結合している。例えば、第1連結片30Aの第1主面105aから水性媒体110を浸透させて濃度傾斜部位107aを設ける。この濃度傾斜部位107aでは、第1連結片30Aの厚さ方向に水性媒体110の濃度勾配を有する。濃度傾斜部位107aでは、水性媒体110中の水が、セルロース分子間の水素結合を切断する。濃度傾斜部位107aが乾燥してひずみ低減部位107a1となると、セルロース分子同士が水素結合によって再度結合するが、ひずみが低減又は解消することにより、ひずみ低減部位107a1は、第1連結片30Aにおける水性媒体110が浸透する前の部分よりも収縮する。
従って、平坦な第1連結片30Aを、自律的に折れ曲がらせることができる。
【0050】
緩衝材1が第3帯片10B及び第2連結片35Aを備えることにより、緩衝材1における第3方向Zの長さを長くすることができる。
さらに、第1連結片30Aは帯片10A,20Aにおける第1側X1の外縁にそれぞれ連結され、第2連結片35Aは帯片20A,10Bにおける第2側X2の外縁にそれぞれ連結される。このため、帯片10A,10B,20A及び連結片30A,35Aを展開したときに、互いに連結された平坦な部材になる。従って、平坦な紙含有シート100から、帯片10A,10B,20A及び連結片30A,35Aを備える緩衝材1を容易に製造することができる。
【0051】
また、本実施形態の水性媒体付き緩衝材展開体106によれば、第1連結片30Aの一部には水性媒体110が浸透されているため、この部位では、第1連結片30Aの厚さ方向に水性媒体110の濃度勾配を有する。この部位では、水性媒体110中の水が、セルロース分子間の水素結合を切断する。この部位が乾燥すると、セルロース分子同士が水素結合によって再度結合するが、ひずみが低減することにより、乾燥した部位は、第1連結片30Aにおける水性媒体110が浸透する前の部分よりも収縮する。
従って、平坦な水性媒体付き緩衝材展開体106における前記乾燥した部位が自律的に折れ曲がり、例えば、第1帯片10A及び第2帯片20Aが第1方向Xに沿って立ち上がるとともに第2方向Yにそれぞれ延びた形状になる。第1連結片30Aが第1帯片10A及び第2帯片20Aを互いに連結するため、第1帯片10A、第2帯片20A、及び第1連結片30Aが全体として、緩衝材1の形状になる。
【0052】
例えば、緩衝材1を、第1方向Xが上下方向に沿うように配置し、緩衝材1よりも上方から第1帯片10A又は第2帯片20Aに向かって、農作物を落とす。農作物が第1帯片10A又は第2帯片20Aに当たり、農作物の位置エネルギーが、第1帯片10A又は第2帯片20Aが下方に向かって変形したり、互いに間隔を空けて配置された部分に向かって変形したりすることにより吸収される。さらに、農作物の位置エネルギーが、第1帯片10A又は第2帯片20Aに熱が生じたり、第1帯片10A又は第2帯片20Aから音が発せられたりすることにより吸収される。従って、水性媒体付き緩衝材展開体106では、農作物が損傷するのを抑制することができる。これにより、農作物に傷み部が形成されるのを抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態の製造方法Sによれば、第1帯片10A、第2帯片20A、及び第1連結片30Aを展開したときに、互いに連結された平坦な部材になる。このため、切出し工程S1において、例えば、1枚の紙含有シート100を切断したり孔を開けたりすること等により、紙含有シート100から第1帯片10A、第2帯片20A、及び第1連結片30Aを切出すことができる。浸透工程S3において第1連結片30Aに濃度傾斜部位107aを形成すると、水性媒体110中の水が、セルロース分子間の水素結合を切断する。乾燥工程S5において第1連結片30Aの濃度傾斜部位107aを乾燥させると、セルロース分子同士が水素結合によって再度結合するが、ひずみが低減することにより、ひずみ低減部位107a1では、第1連結片30Aにおける水性媒体110が浸透する前の部分よりも収縮する。そして、第1帯片10A及び第2帯片20Aが、第1方向Xに沿って自律的に立ち上がるとともに、第2方向Yにそれぞ延び、第2方向Yの全長にわたって互いに間隔を空けて配置されて、緩衝材1が製造される。
【0054】
例えば、緩衝材1を、第1方向Xが上下方向に沿うように配置し、緩衝材1よりも上方から第1帯片10A又は第2帯片20Aに向かって、農作物を落とす。農作物が第1帯片10A又は第2帯片20Aに当たり、農作物の位置エネルギーが、第1帯片10A又は第2帯片20Aが下方に向かって変形したり、互いに間隔を空けて配置された部分に向かって変形したりすることにより吸収される。さらに、農作物の位置エネルギーが、第1帯片10A又は第2帯片20Aに熱が生じたり、第1帯片10A又は第2帯片20Aから音が発せられたりすることにより吸収される。従って、製造方法Sでは、農作物が損傷するのを抑制することができる。これにより、農作物に傷み部が形成されるのを抑制することができる。
【0055】
なお、図12に示す変形例の緩衝材1Aのように、連結片30A,35Aの端部は、互いに第3方向Zに接触してもよい。この変形例の緩衝材1Aでは、第1帯片10Aの第2延在部13A及び第2帯片20Aの第2延在部23Aは、互いに接触している。帯片10A,20Aは、第2方向Yの一部において、互いに第3方向Zに間隔を空けて配置されている。この変形例の緩衝材1Aでは、筒状部10aAは、第1方向Xに見たときに、6角形の外縁状である。
緩衝材1Aに、6角形の外縁状の部分である筒状部10aA,20aAを複数形成したときに、例えば、これらをハニカム状に形成することにより、複数の筒状部10aA,20aA全体としての外径を小さくすることができる。
【0056】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、緩衝材1は、第1帯片10A、第2帯片20A、及び第1連結片30Aを備えればよい。この場合、紙含有シート100の一部から、帯片10A,20A及び第1連結片30Aが形成される。さらに、紙含有シート100の残部の少なくとも一部から、第3帯片10B及び第2連結片35Aを形成してもよい。
【0057】
帯片10A,10B,20Aは、それぞれ第2方向Yに平行に延びてもよい。筒状部10aA,20aAは、円筒状でもよい。
紙含有シート100は、平坦でなくてもよい。
紙含有シート100が、複数枚の紙含有シート100であってもよい。そして、例えば、複数枚の紙含有シート100のそれぞれに対して、切出し工程、浸透工程、及び乾燥工程を行い、複数の緩衝材片を製造する。さらに、これら複数の緩衝材片を組み合わせる等して、緩衝材を製造してもよい。
【0058】
(実施例)
以下では、本発明の実施例及び比較例を具体的に示してより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
切断装置115として、Graphtec Silihouette Cameo社製のカッティングプロッタを用いた。塗布装置116として、インクジェットプリンタであるDCP-J540N(ブラザー工業株式会社製)を用いた。紙含有シート100として、厚さが75μmのトレーシングペーパーを用いた。
紙含有シート100の長さa~a及びb~bを、表1のように設定した。
【0059】
【表1】
【0060】
例えば、第1延面方向Uに隣り合う貫通孔103間の長さaは、17mmである。
切出し工程S1において、切断装置115により自動的に紙含有シート100を切出して、緩衝材展開体105を製造する。
次に、浸透工程S3において、緩衝材展開体105を厚紙上にセットし、塗布装置116により緩衝材展開体105の第1主面105aから水性媒体110を浸透させる。紙含有シート100を反転させ、塗布装置116により緩衝材展開体105の第2主面105bから水性媒体110を浸透させる。こうして、緩衝材展開体105から水性媒体付き緩衝材展開体106を製造する。
【0061】
次に、乾燥工程S5において、水性媒体付き緩衝材展開体106を乾燥させる。
図13に、乾燥を開始してから15s(秒)後の水性媒体付き緩衝材展開体106の状態の写真を示す。同様に、図14、15、16に、乾燥を開始してから60s、150s、300s後の水性媒体付き緩衝材展開体106の状態の写真をそれぞれ示す。
すなわち、乾燥工程S5を行って緩衝材1を製造するのに、300sかかった。
【0062】
(実験結果)
(1.緩衝材の圧縮試験)
図17に示す、AGX-50kNX試験装置(株式会社島津製作所製)を用いて、緩衝材1の圧縮試験を行った。アクリル製の板120及びシリコン製のシート121の間に緩衝材1を挟んで、圧縮試験を行った。緩衝材1を、2mm/min(ミリメートル毎分)の速度で圧縮した。
【0063】
図18に、緩衝材1の圧縮-ひずみ特性を示す。図18において、横軸はの緩衝材1変位(mm)を表し、縦軸は緩衝材1に作用する圧縮力(N(ニュートン))を表す。
緩衝材1は、初期のパルス状波形以外は、ハニカム構造の典型的な特徴を示す。圧縮特性には、明らかに3つの段階がある。
1)弾性変形する弾性区域(II)
2)壁が周期的に曲がり、圧縮力がほぼ一定になる台地区域(III)
3)充分に圧縮される高密度区域(IV)(*1)
【0064】
図18における初期弾性区域(I)は、緩衝材1に独特な、連結片30A,35Aが変形することにより生じる区域である。図19に、圧縮試験を行う前の緩衝材1の平面図を示す。図20に圧縮試験を行った後の緩衝材1の平面図を示す。圧縮試験を行った後では、緩衝材1は高密度区域にあり、高密度化していることが分かる。
【0065】
(2.緩衝材の緩衝性能評価)
緩衝材1の緩衝性能を評価するために、図7に示すリンゴC及び落下試験装置125を用いて落下試験を行った。図21に、落下試験装置125の概要を示す。
試験サンプルとして、青森県産で、品種が「ふじ」のリンゴCを12個用いた。リンゴCの赤道が地面に直交するように(リンゴCの軸が上下方向に沿うように)配置して、リンゴCを落下させた。実験上の便宜のため、これらのリンゴCを、サンプル番号1からサンプル番号12と呼ぶ。
実験用に、4種類の受け面を用意した。サンプル番号1用に、表面が鉄(金属)製の板を用意した。サンプル番号2用に、柔らかいシリコンゴム製のシートを用意した。サンプル番号3用に、ニトリルゴム製のシートを用意した。サンプル番号4~12用に、緩衝材1を用意した。
【0066】
落下試験装置125では、鉄製の板126上に、シリコンゴム製のシート127を配置した。シート127上に、ニトリルゴム製のシート128及び緩衝材1を配置した。
サンプル番号1~2は、15cmの高さから落とした。サンプル番号3~12は、約15cmの高さから落とした。
表2及び表3に、受け面の実験条件を示す。
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
例えば、サンプル番号1は、質量が315gであり、鉄製の板126上に落とした。サンプル番号4は、質量が314gであり、緩衝材1上に落とした。緩衝性能は、略楕円形の体積である傷み部の体積Vで、(1)式により計算した(*2)。
V=(πd/24)(3w+4d) ・・(1)
ただし、w,wは、長軸(major axes)、短軸(minor axes)に直交する傷み部の幅である。dは、傷み部の深さである。なお、幅w,w、深さdを、図24図25中にそれぞれ示す。
【0070】
図22及び図23に、サンプル番号4のリンゴCを落としたことにより塑性変形した緩衝材1を示す。図22に緩衝材1の全体図を示し、図23図22中のA1部拡大図を示す。緩衝材1の変形により、リンゴCの落下エネルギーが吸収され、リンゴCの傷み部の体積Vが減少する。リンゴCを傷ませるリンゴCの位置エネルギーは、緩衝材1の変形エネルギーに変換される。その結果、リンゴCの傷みが緩和される。
【0071】
図24から及び図35に、異なる衝撃吸収材における、緩衝試験でのリンゴCの傷み部を示す。例えば、図24は、サンプル番号1における傷み部を示す写真である。図25は、サンプル番号1における傷み部を示す断面写真である。
幅w,w、深さd、及び傷み部の体積の実験結果を、表4及び表5に示す。
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】
【0074】
例えば、サンプル番号1では、幅wは31mm、幅wは26mm、深さdは10mm、傷み部の体積は3689mmである。サンプル番号4では、幅wは20mm、幅wは18mm、深さdは5mm、傷み部の体積は772.3mmである。
緩衝材1に関する9つの実験結果のうち、サンプル番号10~12の3つの実験結果では、リンゴCに傷み部は生じなかった。
図36に、傷み部の体積をまとめた結果を示す。図36において、横軸はサンプル番号を表し、縦軸は傷み部の体積を表す。サンプル番号4~12では緩衝材1が用いられ、サンプル番号10~12ではリンゴCに傷み部は生じなかった。
【0075】
(3.議論)
実施例のサンプル番号4~12では、比較例のサンプル番号1~3に比べて、傷み部の体積を(2/3)以上低減できることが分かった。リンゴCを15cmの高さから落とす場合には、実用に耐える緩衝材1を設計できることが分かった。
用いられる農作物の大きさに応じて、緩衝材1の筒状部10aA,20aAの大きさを調節することが好ましい。例えば、農作物の大きさが小さくなるのに従い、筒状部10aA,20aAの大きさを小さくする。
ハニカム構造の弾性変形にとって、緩衝の効果を決める際に、図18に示す台地区域におけるエネルギーの吸収は重要である(*3)。すなわち、圧縮力が大きいほど、緩衝性能が向上する。
【0076】
発明者等は、台地区域において、変位d=0.01mに対して、緩衝材1は、圧縮力F=200Nで変形すると推測した。そして、変形エネルギーEは、(2)式のように計算される。
=F×d=200×0.01≒2J ・・(2)
前記のように、圧縮速度2mm/minにおいて、Fは測定される。しかしながら、動的条件において、衝撃期間は短いため、F値は増加すると思われる(*4)。これに比例して、変形エネルギーEが増加する。
【0077】
緩衝材1の材料に生じる亀裂は、主に3つのモードに分類される。すなわち、亀裂を生じさせる力の向きに基づいた、開口モード、滑りモード、引き裂きモードである。シート状の物質にとっては、滑りモードにおける亀裂は無視できる。開口モード及び引き裂きモードで亀裂が生じた際のエネルギーを見積もる実験から、変位d=0.01mに対して、引張り力は、1N、0.3Nと見積もられた。開口モード、引き裂きモードで亀裂が生じるエネルギーEco,Ectは、(3)式及び(4)式のように計算される。
co=Fco×dco=1×0.01≒0.01J ・・(3)
ct=Fct×dct=0.3×0.01≒0.003J ・・(4)
従って、全消費エネルギーEは、(5)式のように計算される。
=Eco+Ect≒0.01J ・・(5)
(2)式及び(5)式から、変形で消費されるエネルギーは、亀裂を生じさせるエネルギーの200倍程度大きい。
従って、傷み部を低減させるのに、緩衝材1の塑性変形が支配的要素だと考えられる。
【0078】
(4.参考文献)
*1:Wang, D.M., Wang, Z.W., and Liao, Q.H.“Energy absorption diagrams of paper honeycomb sandwich structures”, 2009. Packag. Technol. Sci. 22(2), p.63-67. DOI: 10.1002/pts.818.
*2:Fadiji, T., Coetzee, C., Pathare, P., and Opara, U.L. “Susceptibility to impact damage of apples inside ventilated corrugated paperboard packages: Effects of package design” 2016, Postharvest Biol. Technol. 111, p.286-296.
*3:Kobayashi, H., Daimaruya, M., and Kobayashi, T., “Dynamic and Static Compression Tests for Paper Honeycomb Cores and Absorbed Energy”, 1998, JSME Int. J. A-Solid Mech. Mater. Eng. 41(3), p.338-344.
*4:Shigemune, H., Maeda, S., Hara, Y., Hosoya, N., and Hashimoto, S., 2016. “Origami Robot: A Self-Folding Paper Robot With an Electrothermal Actuator Created by Printing” IEEE/ASME Trans. Mechatron. 21(6), p.2746-2754. DOI: 10.1109/TMECH.2016.2593912.
【符号の説明】
【0079】
1,1A 緩衝材
10A 第1帯片
20A 第2帯片
10B 第3帯片
30A 第1連結片
35A 第2連結片
100 紙含有シート
100a 第1主面(主面)
106 水性媒体付き緩衝材展開体
107a,107b 濃度傾斜部位
107a1,107b1 ひずみ低減部位
S 緩衝材の製造方法
S1 切出し工程
S3 浸透工程
S5 乾燥工程
U 第1延面方向
V 第2延面方向
X 第1方向
X1,Y1 第1側
X2 第2側
Y 第2方向
Z 第3方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36