(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165282
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】水中ミキサの支持機構、及び、撹拌装置
(51)【国際特許分類】
B01F 27/00 20220101AFI20221024BHJP
B01F 27/71 20220101ALI20221024BHJP
【FI】
B01F7/00 Z
B01F7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070583
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 博章
(72)【発明者】
【氏名】渡部 剛久
(72)【発明者】
【氏名】眞島 薫
【テーマコード(参考)】
4G078
【Fターム(参考)】
4G078AA13
4G078BA01
4G078BA03
4G078CA23
4G078CA24
4G078DA19
4G078DB08
4G078EA20
(57)【要約】
【課題】水中ミキサの姿勢を上下方向に変更できる支持機構において、水中ミキサの姿勢にかかわらず、水中ミキサの軸方向の力を安定的に受けることができる新たな支持構造を提供する。
【解決手段】支持機構4は、スライダ41と、ブラケット44と、を備え、スライダは、本体部42と、支持部43と、を有する。支持部には、第1孔(貫通孔432a~432e)と、第2孔(貫通孔431)とが形成され、ブラケットには、第1孔に結合される第3孔(貫通孔442)と、第2孔に結合される第4孔(貫通孔441)と、を有する。支持部は、側方から昇降ガイドを見た場合に、本体部と重なって配設されていると共に、第1孔及び第3孔は、昇降ガイドよりも水中ミキサに近い位置に、第2孔及び第4孔は、昇降ガイドに重なる位置又は昇降ガイドよりも水中ミキサから離れた位置に設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中ミキサを、水槽に設置された昇降ガイドに対して昇降可能に支持するための支持機構であって、
上下方向に伸びる前記昇降ガイドに沿って昇降するスライダと、
前記昇降ガイドの前方に配設された前記水中ミキサに取り付けられると共に、前記スライダに対して、上下方向に対する角度を変更可能に固定されるブラケットと、を備え、
前記スライダは、前記昇降ガイドに係合しかつ、前記昇降ガイドに沿って昇降する本体部と、前記本体部と一体に設けられた支持部と、を有し、
前記支持部には、前記水中ミキサに対して近い側に設けられた第1孔と、前記水中ミキサに対して遠い側に設けられた第2孔とが形成され、
前記ブラケットは、前記支持部に対し、前後方向に直交する左右方向の側方に隣り合って配設されると共に、前記第1孔に重なる孔であって、結合部材によって前記第1孔に結合される第3孔と、前記第2孔に重なる孔であって、結合部材によって前記第2孔に結合される第4孔と、を有し、
前記第1孔、第2孔、第3孔、及び、第4孔の少なくとも一は、上下方向に対して複数、形成され、複数の中から選択された孔が前記結合部材によって結合されることにより、前記支持部に固定される前記ブラケットの上下方向に対する角度が変わり、
前記支持部は、側方から前記昇降ガイドを見た場合に、前記本体部と重なって配設されていると共に、前記第1孔及び前記第3孔は、前記昇降ガイドよりも前記水中ミキサに近い位置に設けられかつ、前記第2孔及び前記第4孔は、前記昇降ガイドに重なる位置又は前記昇降ガイドよりも前記水中ミキサから離れた位置に設けられている、
支持機構。
【請求項2】
請求項1に記載の支持機構において、
前記第1孔、第2孔、第3孔、及び、第4孔の少なくとも一は、上下方向以外の方向に伸びる長穴形状を有している、
支持機構。
【請求項3】
請求項2に記載の支持機構において、
上下方向に対して複数、形成された孔は、上下方向に伸びる直線上に設けられている、
支持機構。
【請求項4】
請求項2に記載の支持機構において、
前記支持部と前記ブラケットとは、3箇所以上において、孔同士が結合されている、
支持機構。
【請求項5】
水槽内の水を撹拌する撹拌装置であって、
前記水槽に設置された昇降ガイドと、
前記水槽内に設置されかつ、前記水槽内の水を撹拌する水中ミキサと、
前記水中ミキサを、前記昇降ガイドに対して昇降可能に支持する支持機構と、を備え、
前記支持機構は、
前記昇降ガイドに沿って昇降するスライダと、
前記水中ミキサに取り付けられると共に、前記スライダに対して、上下方向に対する角度を変更可能に固定されるブラケットと、を有している、
撹拌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示する技術は、水中ミキサの支持機構、及び、撹拌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水中ミキサを、昇降ガイドに対して昇降可能に支持する支持機構が記載されている。この支持機構は、水中ミキサの姿勢を上向きから下向きまでの間で変更可能に構成されている。具体的に、この支持機構は、昇降ガイドに沿って昇降すると共に、水中ミキサが取り付けられるスライド部材と、スライド部材に取り付けられるガイドローラとを備えている。スライド部材は、前壁と、前壁の左右端部から後方に昇降ガイドを抱持するように延びる左右1対の側壁とを有し、スライド部材の前壁には昇降ガイドに摺接する樹脂製摺接板が設けられている。また、各側壁の上下端部にはそれぞれ、ガイドローラを取り付けるための前側取付部と後側取付部とが前後に間隔を空けて設けられている。
【0003】
水中ミキサを水平姿勢にするときには、スライド部材の左右側壁の上部後側取付部と下部後側取付部とのそれぞれにガイドローラを取り付けて、上部及び下部の後側取付部のガイドローラが昇降ガイドの後側に、またスライド部材前壁の樹脂製摺接板が昇降ガイドの前側にそれぞれ位置付けられた状態で、スライド部材が昇降ガイドに支持される。
【0004】
水中ミキサを上向き姿勢にするときには、スライド部材の左右側壁の上部後側取付部と下部前側取付部とのそれぞれにガイドローラを取り付けて、上部後側取付部のガイドローラが昇降ガイドの後側に、また下部前側取付部のガイドローラが昇降ガイドの前側にそれぞれ位置付けられた状態で、スライド部材が昇降ガイドに支持される。
【0005】
水中ミキサを下向き姿勢にするときには、スライド部材の左右側壁の上部前側取付部と下部後側取付部とのそれぞれにガイドローラを取り付けて、上部前側取付部のガイドローラが昇降ガイドの前側に、また下部後側取付部のガイドローラが昇降ガイドの後側にそれぞれ位置付けられた状態で、スライド部材が昇降ガイドに支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載された構造は、スライド部材を、昇降ガイドに対して傾けて取り付けた場合、樹脂製摺接板が昇降ガイドに対して面接触しない。樹脂製摺接板が局所的に摩耗して、耐久性が低下する恐れがある。また、樹脂製摺接板の上端の一部分、又は、下端の一部分のみが昇降ガイドに接触した状態で、昇降ガイド及びスライド部材は、水中ミキサの軸方向の力を受け止めなければならない。
【0008】
ここに開示する技術は、水中ミキサの姿勢を上下方向に変更できる支持機構において、水中ミキサの姿勢にかかわらず、水中ミキサの軸方向の力を安定的に受けることができる新たな支持構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
具体的に、ここに開示する技術は、水中ミキサを、水槽に設置された昇降ガイドに対して昇降可能に支持するための支持機構に係る。この支持機構は、
上下方向に伸びる前記昇降ガイドに沿って昇降するスライダと、
前記昇降ガイドの前方に配設された前記水中ミキサに取り付けられると共に、前記スライダに対して、上下方向に対する角度を変更可能に固定されるブラケットと、を備え、
前記スライダは、前記昇降ガイドに係合しかつ、前記昇降ガイドに沿って昇降する本体部と、前記本体部と一体に設けられた支持部と、を有し、
前記支持部には、前記水中ミキサに対して近い側に設けられた第1孔と、前記水中ミキサに対して遠い側に設けられた第2孔とが形成され、
前記ブラケットは、前記支持部に対し、前後方向に直交する左右方向の側方に隣り合って配設されると共に、前記第1孔に重なる孔であって、結合部材によって前記第1孔に結合される第3孔と、前記第2孔に重なる孔であって、結合部材によって前記第2孔に結合される第4孔と、を有し、
前記第1孔、第2孔、第3孔、及び、第4孔の少なくとも一は、上下方向に対して複数、形成され、複数の中から選択された孔が前記結合部材によって結合されることにより、前記支持部に固定される前記ブラケットの上下方向に対する角度が変わり、
前記支持部は、側方から前記昇降ガイドを見た場合に、前記本体部と重なって配設されていると共に、前記第1孔及び前記第3孔は、前記昇降ガイドよりも前記水中ミキサに近い位置に設けられかつ、前記第2孔及び前記第4孔は、前記昇降ガイドに重なる位置又は前記昇降ガイドよりも前記水中ミキサから離れた位置に設けられている。
【0010】
この構成によると、スライダは、昇降ガイドに沿って昇降する。スライダは、支持機構において昇降機能を担う。ブラケットは、スライダに対して、上下方向に対する角度を変更可能に固定される。ブラケットは、支持機構において上下方向の角度変更機能を担う。この支持機構は、昇降機能と、角度変更機能とが分離しているから、ブラケットの固定角度が変更されても、スライダと昇降ガイドとの係合状態は変化しない。支持機構は、水中ミキサの姿勢にかかわらず、水中ミキサの軸方向の力を安定的に受けることができる。
【0011】
そして、支持機構は、支持部の孔とブラケットの孔とを結合部材によって結合させる簡易な構成によって、水中ミキサの上下方向に対する角度を変更することができる。
【0012】
この支持機構において、水中ミキサは、支持機構及び昇降ガイドに対して片持ち状態で支持されるから、支持部とブラケットとから構成される角度変更機構において、第1孔と第2孔との前後の間隔(及び、第3孔と第4孔との前後の間隔)は広い方が、支持剛性の観点から有利である。しかしながら、孔同士の前後の間隔を広げると、昇降ガイドから水中ミキサ前端までの距離が長くなってしまい、水槽内へ水中ミキサを降ろす際の、水槽の開口寸法を大きくしなければならなくなる。
【0013】
これに対し、前記の構成は、支持部とブラケットとから構成される角度変更機構が、前後方向について昇降ガイドと重なって配設されている。そして、第1孔及び第3孔は、昇降ガイドよりも水中ミキサに近い位置に設けられかつ、第2孔及び第4孔は、昇降ガイドに重なる位置又は昇降ガイドよりも水中ミキサから離れた位置に設けられるから、孔同士の前後の間隔を十分に広くすることができる。従って、水中ミキサの支持剛性を確保しながら、昇降ガイドから水中ミキサ前端までの距離を短くすることができ、開口寸法を小さくできる。
【0014】
前記第1孔、第2孔、第3孔、及び、第4孔の少なくとも一は、上下方向以外の方向に伸びる長穴形状を有している、としてもよい。
【0015】
こうすることで、支持部とブラケットとを、様々な形態で固定することができる。
【0016】
上下方向に対して複数、形成された孔は、上下方向に伸びる直線上に設けられている、としてもよい。
【0017】
この構成は、昇降ガイドから水中ミキサ前端までの距離をさらに短くことを可能にする。また、第1孔と第3孔とを結合し、第2孔と第4孔とを結合するために、第1孔と第2孔と距離、第3孔と第4孔との距離を等しくしなければならないが、第1孔、第2孔、第3孔、及び、第4孔の少なくとも一を長穴形状とすることによって、上下方向に伸びる直線上に複数の孔を形成した場合において、複数の孔のいずれを選択した場合でも、第1孔と第3孔との結合、及び、第2孔と第4孔との結合が可能になる。
【0018】
前記支持部と前記ブラケットとは、3箇所以上において、孔同士が結合されている、としてもよい。
【0019】
結合箇所を増やすことにより、水中ミキサの支持剛性を高めることができる。
【0020】
ここに開示する技術は、水槽内の水を撹拌する撹拌装置に係る。この撹拌装置は、
前記水槽に設置された昇降ガイドと、
前記水槽内に設置されかつ、前記水槽内の水を撹拌する水中ミキサと、
前記水中ミキサを、前記昇降ガイドに対して昇降可能に支持する支持機構と、を備え、
前記支持機構は、
前記昇降ガイドに沿って昇降するスライダと、
前記水中ミキサに取り付けられると共に、前記スライダに対して、上下方向に対する角度を変更可能に固定されるブラケットと、を有している。
【0021】
支持機構は、水中ミキサの姿勢にかかわらず、水中ミキサの軸方向の力を安定的に受けることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、前記の水中ミキサの支持機構、及び、撹拌装置によると、支持機構は、水中ミキサの軸方向の力を安定的に受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、水槽に対する水中ミキサの設置例を示す側面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る水中ミキサの支持機構を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【
図3】
図3の上図は、第1実施形態に係る水中ミキサを30°だけ上向きの姿勢にした状態、下図は、第1実施形態に係る水中ミキサを15°だけ上向きの姿勢にした状態を示す側面図である。
【
図4】
図4の上図は、第1実施形態に係る水中ミキサを15°だけ下向きの姿勢にした状態、下図は、第1実施形態に係る水中ミキサを30°だけ下向きの姿勢にした状態を示す側面図である。
【
図5】
図5の上図は、第2実施形態に係る水中ミキサの支持機構を示す側面図であり、下図は、第2実施形態に係る水中ミキサを30°だけ下向きの姿勢にした状態を示す側面図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態に係る水中ミキサの支持機構を示す側面図である。
【
図7】
図7の上図は、第3実施形態に係る水中ミキサを30°だけ上向きの姿勢にした状態を示す側面図であり、下図は、第3実施形態に係る水中ミキサを15°だけ上向きの姿勢にした状態を示す側面図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態に係る水中ミキサの支持機構を示す側面図である。
【
図9】
図9の上図は、第4実施形態に係る水中ミキサを30°だけ上向きの姿勢にした状態を示す側面図であり、下図は、第4実施形態に係る水中ミキサを15°だけ上向きの姿勢にした状態を示す側面図である。
【
図10】
図10は、参考形態に係る水中ミキサの支持機構を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図、(d)は拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、水中ミキサの支持機構、及び、撹拌装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ここで説明する水中ミキサの支持機構、及び、撹拌装置は例示である。
【0025】
図1は、撹拌装置1が設置された水槽9を例示している。水槽9は、例えば下水処理場、各種工場等での貯水場、池湖水、濠、養魚場等からなる。撹拌装置1は、水槽9内において、水を撹拌する。尚、以下の説明では、説明を容易にするために、
図1の紙面右を前、紙面左を後として、紙面の左右方向を前後方向とし、紙面に直交する方向を左右方向とする。
【0026】
撹拌装置1は、昇降ガイド31、水中ミキサ10、及び、水中ミキサ10を昇降ガイド31に対して昇降可能に支持する支持機構4、5、6、7、又は8を備えている。支持機構4、5、6、7、又は8の構成は、後で詳細に説明する。
【0027】
昇降ガイド31は、水槽9の側壁91に設置されている。昇降ガイド31は、
図2に示すように、横断面略正方形のパイプによって構成されている。昇降ガイド31は、水槽9の底面92近くから水面93よりも上方の位置まで、上下方向に伸びている。
【0028】
昇降ガイド31の上端部は上部支持部32により、下端部は下部支持部33により、中間部は中間支持部34により、それぞれ支持されている。上部支持部32、下部支持部33、及び中間支持部34はそれぞれ、昇降ガイド31が、鉛直方向に伸びる回動軸回りに回動するよう、昇降ガイド31を支持している。操作者は、昇降ガイド31の上端部に取り付けられたハンドル35を持って昇降ガイド31を回動させることができ、昇降ガイド31が回動すると、昇降ガイド31に支持されている水中ミキサ10の水平面における向きが変わる。
【0029】
水中ミキサ10は、従来の水中ミキサと同じ構造を有している。つまり、水中ミキサ10は、
図2又は
図10に例示するように、羽根車11と、羽根車11を回転させるモータを収容するケーシング12と、を備えている。羽根車11は、モータの回転軸の先端に取り付けられている。羽根車11は、前方に向かって水を吐出する。尚、符号13は案内板であり、案内板13は、羽根車11の周囲を囲むように配設されている。符号14は、ケーシング12に接続されたケーブルであり、ケーブル14は、モータに給電等を行う。符号15は、係止部であり、係止部15には、吊り下げチェーン16の下端部が係止される。吊り下げチェーン16は、水中ミキサ10を吊り下げる。
【0030】
以下、支持機構の構成について、詳細に説明する。
【0031】
(参考形態)
図10は、参考形態に係る支持機構8を示している。支持機構8は、スライダ81と、ブラケット84とを備えている。スライダ81は、本体部82と、支持部83とから構成されている。
【0032】
本体部82は、昇降ガイド31に係合し、昇降ガイド31に沿って昇降する。より詳細に、本体部82は、前壁821と、この前壁821の左右端部から後方に昇降ガイド31を前側から抱持するように互いに平行に延びる左右一対の側壁822、822とを有する、平面視でコ字状の部材である。このスライダ81の前壁821の後面(つまり、内面)には、昇降ガイド31の前面に摺接する樹脂製摺接板823が取付固定されている。
【0033】
各側壁822の上端部における後側には、上側ガイドローラ824が取り付けられている。各上側ガイドローラ824は、そのローラ軸が左右方向を向いて配設されている。また、各側壁822の下端部における後側には、下側ガイドローラ825が取り付けられている。各下側ガイドローラ825も、そのローラ軸が左右方向を向いて配設されている。上側ガイドローラ824及び下側ガイドローラ825はそれぞれ、昇降ガイド31の後面に転動可能に係合する。
【0034】
支持部83は、本体部82に一体に設けられている。支持部83は、本体部82と共に、昇降ガイド31に沿って昇降する。支持部83は、本体部82の前壁821から前方へ突出するように設けられている。支持部83は、前後方向及び上下方向に広がる平板である。
【0035】
支持部83の後端部、つまり昇降ガイド31に近い側の端部における上下方向の中央位置には、貫通孔831(つまり、第2孔が形成されている(
図10(d)も参照)。この貫通孔831は、支持機構8が水中ミキサ10を支持した状態で、水中ミキサ10に対して遠い側に位置する。水中ミキサ10の重心を力点とした場合に、貫通孔831は、支点を構成する。
【0036】
支持部83の前端部には、作用点を構成する複数の貫通孔832a、832b、832c、832d、832e(つまり、第1孔)が形成されている(
図10(d)も参照)。
図10の構成例において、支持部83の前端部には、5つの貫通孔が形成されている。5つの貫通孔832a、832b、832c、832d、832eは、貫通孔831を中心とした円弧上に、周方向に等間隔を空けて設けられている。より詳細に、貫通孔832cは、貫通孔831に対して上下方向に同じ位置に設けられ、貫通孔832a及び貫通孔832bはそれぞれ、貫通孔831となす角度が、水平方向に対して上方に30°及び15°となる位置に設けられ、貫通孔832d及び貫通孔832eはそれぞれ、貫通孔831となす角度が、水平方向に対して下方に15°及び30°となる位置に設けられている。
【0037】
ブラケット84は、水中ミキサ10のケーシング12の後端部に取り付けられている。ブラケット84は、ケーシング12の後端部から後方に向かって伸びている。ブラケット84は、前後方向及び上下方向に広がる平板であり、支持部83の右側に、支持部83と隣り合って配設される(
図10(d)も参照)。
【0038】
ブラケット84には、二つの貫通孔が形成されている。二つの貫通孔の内の一つは、ブラケット84の後端部(つまり、水中ミキサ10から後方に広がるブラケット84の先端部)に設けられている。後端部の貫通孔841(つまり、第4孔)は、支持部83の貫通孔831と重ね合わされて、ボルト・ナットを含む結合部材851により、結合される。もう一つの貫通孔は、ブラケット84の前側に設けられている。前側の貫通孔842(つまり、第3孔)は、支持部83の貫通孔832a、832b、832c、832d、又は、832eと重ね合わされて、ボルト・ナットを含む結合部材852により、結合される。
【0039】
図10(b)(d)では、貫通孔842が、貫通孔832cと結合されている。この場合、水中ミキサ10は、その回転軸が水平方向に沿うようになり、水中ミキサ10は、横向きの姿勢で、支持機構8に支持される。これに対し、図示は省略するが、貫通孔842が、貫通孔832bと重ね合わされて結合されると、水中ミキサ10は、その回転軸が、水平方向に対して15°だけ傾き、水中ミキサ10は、15°だけ上向きの姿勢で、支持機構8に支持される。また、貫通孔842が、貫通孔832aと結合されると、水中ミキサ10は、その回転軸が、水平方向に対して30°だけ傾き、水中ミキサ10は、30°だけ上向きの姿勢で、支持機構8に支持される。
【0040】
同様に、貫通孔842が、貫通孔832dと結合されると、水中ミキサ10は、その回転軸が、水平方向に対して15°だけ傾き、水中ミキサ10は、15°だけ下向きの姿勢で、支持機構8に支持される。貫通孔842が、貫通孔832eと結合されると、水中ミキサ10は、その回転軸が、水平方向に対して30°だけ傾き、水中ミキサ10は、30°だけ下向きの姿勢で、支持機構8に支持される。
【0041】
このように、スライダ81とブラケット84とを備えた支持機構8は、昇降ガイド31に対して昇降する機能と、水中ミキサ10を傾ける機構とが分離されている。このため、スライダ81は、水中ミキサ10の姿勢にかかわらず常に、樹脂製摺接板823が、昇降ガイド31の前面に対して面で当接した状態を保つ。従来の支持構造のような、樹脂製摺接板が局所的に摩耗して、耐久性が低下することが抑制される。また、樹脂製摺接板823は、その全面が昇降ガイド31の前面に当接した状態で、水中ミキサ10の軸方向の力を受けることができる。
【0042】
尚、
図10の支持機構8は、支持部83の前端部に5つの貫通孔を有しているが、貫通孔の数は、任意の数に定めることができる。
【0043】
また、図示は省略するが、支持部83の前端部に複数の貫通孔を形成する代わりに、ブラケット84の前側に、複数の貫通孔を形成してもよい。尚、支持部83の前端部には、少なくとも1の貫通孔を形成する。この場合、ブラケット84の前側に設けた、複数の貫通孔の内の一つを、支持部83の前端部に設けた貫通孔と重ね合わせて、ボルト・ナットを含む締結部材により結合することにより、支持機構は、前記と同様に、水中ミキサ10を、所定の姿勢で支持することができる。
【0044】
さらに、支持部83の前端部に複数の貫通孔を形成する代わりに、支持部83の後端部に複数の貫通孔を形成してもよい。尚、支持部83の前端部には、少なくとも1の貫通孔を形成する。この場合、ブラケット84の後端部に設けた貫通孔を、支持部83の後端部に設けた複数の貫通孔のいずれかと重ね合わせて、ボルト・ナットを含む締結部材により結合することにより、支持機構は、前記と同様に、水中ミキサ10を、所定の姿勢で支持することができる。
【0045】
加えて、支持部83の前端部に複数の貫通孔を形成する代わりに、ブラケット84の後端部に複数の貫通孔を形成してもよい。尚、支持部83の前端部には、少なくとも1の貫通孔を形成する。この場合、ブラケット84の後端部に設けた複数の貫通孔のいずれかを、支持部83の後端部に設けた貫通孔と重ね合わせて、ボルト・ナットを含む締結部材により結合することにより、支持機構は、前記と同様に、水中ミキサ10を、所定の姿勢で支持することができる。
【0046】
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態に係る支持機構4を示している。支持機構4は、参考形態に係る支持機構8を改良した支持機構4である。支持機構4は、水中ミキサ10を水槽9内へ降ろすための開口部の寸法(
図1参照)を小さくすることを可能にする。尚、
図1、2の「開口寸法」を示す矢印は、ここに開示する技術の理解を容易にするために、昇降ガイド31の前壁から水中ミキサ10の前端付近までの距離を示しているが、開口部自体は、昇降ガイド31の後側にも広がって、水槽9に設けられている。
【0047】
支持機構4は、スライダ41と、ブラケット44とを備えている。スライダ41は、スライダ81と同様に、本体部42と支持部43とから構成されている。本体部42は昇降ガイド31に係合し、昇降ガイド31に沿って昇降する。支持部43は、スライダ81の支持部83に対応するが、支持部43は、側方から昇降ガイド31を見た場合に、昇降ガイド31と重なって配設されている。つまり、支持部43は、前述した本体部82の側壁822の一つにも対応しており、支持部43は、本体部42の右側の側壁を兼用している。
【0048】
具体的に支持部43は、昇降ガイド31の右側に位置している。支持部43は、スライダ41の前壁421の右端部に固定されている。支持部43は、昇降ガイド31よりも前方に広がると共に、昇降ガイド31よりも後方に広がる。支持部43の上端部における後側には、上側ガイドローラ424が配設されると共に、支持部43の下端部における後側には、下側ガイドローラ425が配設される。尚、本体部42の左側の側壁422にも、上側ガイドローラ424、及び、下側ガイドローラ425が配設されている。
【0049】
支持部43には、貫通孔431と、貫通孔432a、432b、432c、432d、432eが形成されている。貫通孔431は、貫通孔831に対応し、貫通孔431は、支点を構成する。貫通孔431は、
図2の構成例では、昇降ガイド31よりも後側において、支持部43の上下方向の中央に設けられている。尚、貫通孔431を、昇降ガイド31の側方から見て、昇降ガイド31と重なる位置に設けてもよい。
【0050】
貫通孔432a、432b、432c、432d、432eはそれぞれ、貫通孔832a、832b、832c、832d、832eに対応し、これら貫通孔432a、432b、432c、432d、432eは、作用点を構成する。貫通孔432a、432b、432c、432d、432eは、貫通孔431を中心とした円弧上に、周方向に等間隔を空けて設けられている。貫通孔432a、432b、432c、432d、432eは全て、昇降ガイド31よりも前側に位置している。
【0051】
尚、水中ミキサ10のケーシング12の後端部に取り付けられたブラケット44は、ブラケット84と同じ形状である。ブラケット44は、貫通孔441と貫通孔442とを有している。
【0052】
図2(b)は、貫通孔442が、貫通孔432cと重ね合わされて、ボルト・ナットを含む締結部材452により結合されている。尚、貫通孔441と貫通孔431とは、ボルト・ナットを含む締結部材451により結合されている。この場合、水中ミキサ10は、その回転軸が水平方向に沿うようになり、水中ミキサ10は、横向きの姿勢で、支持機構4に支持される。
【0053】
図10(b)に示す支持機構8と比較して、支持機構4は、支持部43が、前後方向について昇降ガイド31と重なる位置に設けている点が相違する。この構成により、
図2に示す支持機構4を用いた場合、昇降ガイド31から水中ミキサ10の前端までの距離が短くなる。開口寸法は、
図10に示す支持機構8を用いた場合の開口寸法よりも小さくすることができる。
【0054】
図10に示す支持機構8において、支点と作用点との距離を長くした方が、スライダ81とブラケット84とを締結するボルトに作用する負荷(つまり、せん断力)は小さくなる。しかしながら、支持機構8において支点と作用点との距離を長くすると、開口寸法は大きくなってしまう。
図2に示す支持機構4は、支点と作用点との長い距離を確保しながら、開口寸法を小さくできるという利点がある。
【0055】
図3の上図は、貫通孔442が、貫通孔432aと重ね合わされて、ボルト・ナットを含む締結部材452により結合されている。水中ミキサ10は、その回転軸が、水平方向に対して30°だけ傾き、水中ミキサ10は、30°だけ上向きの姿勢で、支持機構4に支持されている。
図3の下図は、貫通孔442が、貫通孔432bと重ね合わされて、ボルト・ナットを含む締結部材452により結合されている。水中ミキサ10は、その回転軸が、水平方向に対して15°だけ傾き、水中ミキサ10は、15°だけ上向きの姿勢で、支持機構4に支持されている。
【0056】
また、
図4の上図は、貫通孔442が、貫通孔432dと重ね合わされて、ボルト・ナットを含む締結部材452により結合されている。水中ミキサ10は、その回転軸が、水平方向に対して15°だけ傾き、水中ミキサ10は、15°だけ下向きの姿勢で、支持機構4に支持されている。
図4の下図は、貫通孔442が、貫通孔432eと重ね合わされて、ボルト・ナットを含む締結部材452により結合されている。水中ミキサ10は、その回転軸が、水平方向に対して30°だけ傾き、水中ミキサ10は、30°だけ下向きの姿勢で、支持機構4に支持されている。
【0057】
尚、
図2の支持機構4においても、支持部43の前端部に形成する貫通孔の数は、任意の数に定めることができる。
【0058】
また、支持部43の前端部に複数の貫通孔を形成する代わりに、ブラケット44の前側に、複数の貫通孔を形成してもよい。また、支持部43の後端部に複数の貫通孔を形成してもよいし、ブラケット44の後端部に、複数の貫通孔を形成してもよい。
【0059】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る支持機構5を示している。支持機構5は、第1実施形態に係る支持機構4の変形例である。支持機構5は、水中ミキサ10を水槽9内へ降ろすための開口部の寸法を、さらに小さくすることを可能にする。
【0060】
支持機構5は、スライダ51と、ブラケット54とを備えている。スライダ51は、
図2のスライダ41と同様に、支持部53が、本体部52の側壁を兼用する。
【0061】
スライダ41に対して異なる点は、支持部53の前端部に設けた複数の貫通孔532a、532b、532c、532d、532eが、円弧上に設けられるのではなく、上下方向に伸びる直線上に設けられている点である。より詳細に、貫通孔532a及び532eはそれぞれ、支持部43の貫通孔432a及び432eと同じ位置に設けられている。貫通孔532b、532c及び532dはそれぞれ、貫通孔432b、432c及び432dよりも後方の位置に設けられている。
【0062】
貫通孔532b、532c及び532dがそれぞれ、後方の位置に設けられているため、支持部53の後端部に、貫通孔431と同じ貫通孔(つまり支点となる貫通孔)を設けたのでは、当該貫通孔と貫通孔532bとの距離、当該貫通孔と貫通孔532cとの距離、及び、当該貫通孔と貫通孔532dとの距離がそれぞれ相対的に短くなる。
【0063】
そこで、支持部53の後端部に設けた貫通孔531は、前後方向に伸びる長穴形状を有している。
図5の上図に示すように、支持機構5が、水中ミキサ10を横向きの姿勢で支持する場合、ブラケット54の貫通孔542が、支持部53の貫通孔532cと重ね合わされて、ボルト・ナットを含む締結部材552により結合される。この状態で、ブラケット54の貫通孔541は、支持部53の貫通孔531における後端部と重なり、貫通孔541と貫通孔531とを、ボルト・ナットを含む締結部材551により結合することができる。
【0064】
また、
図5の下図に示すように、支持機構5が、水中ミキサ10を30°だけ下向きの姿勢で支持する場合、ブラケット54の貫通孔542が、支持部53の貫通孔532eと重ね合わされて、ボルト・ナットを含む締結部材552により結合される。この状態で、ブラケット54の貫通孔541は、支持部53の貫通孔531における前端部と重なり、貫通孔541と貫通孔531とを、ボルト・ナットを含む締結部材551により結合することができる。尚、図示は省略するが、ブラケット54の貫通孔542が、支持部53の貫通孔532aと重ね合わされて、ボルト・ナットを含む締結部材552により結合されると、ブラケット54の貫通孔541は、支持部53の貫通孔531における前端部と重なり、貫通孔541と貫通孔531とを、ボルト・ナットを含む締結部材551により結合することができる。
【0065】
また、図示は省略するが、ブラケット54の貫通孔542が、支持部53の貫通孔532dと重ね合わされて、ボルト・ナットを含む締結部材552により結合された場合、ブラケット54の貫通孔541は、支持部53の貫通孔531における中間部と重なり、貫通孔541と貫通孔531とを、ボルト・ナットを含む締結部材551により結合することができる。同様に、ブラケット54の貫通孔542が、支持部53の貫通孔532bと重ね合わされて、ボルト・ナットを含む締結部材552により結合された場合、ブラケット54の貫通孔541は、支持部53の貫通孔531における中間部と重なり、貫通孔541と貫通孔531とを、ボルト・ナットを含む締結部材551により結合することができる。
【0066】
第2実施形態に示す支持機構5は、貫通孔532b、532c及び532dを後方に設けることによって、水中ミキサ10の前端の位置を、昇降ガイド31に近づけることができるから、開口寸法を小さくすることができる。
【0067】
尚、第2実施形態においては、支持部53の貫通孔531を長穴形状にする分、スライダ51の後端を後方に延長しなければならないが、
図1に例示するように、昇降ガイド31の後方には、一般的に、広い空きスペースが存在しているため、スライダ51の後端を後方に延長することに障害はない。
【0068】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係る支持機構6を示している。支持機構6は、第1実施形態に係る支持機構4の変形例である。支持機構4は、水中ミキサ10の姿勢を、0°、+15°、+30°、-15°、-30°の5つの角度に変更可能にするために、支持部43の前端部に5つの貫通孔432a、432b、432c、432d、432eを設けていた。この場合、支持部43が上下方向に長くなってしまい、スライダ41の強度を確保する上では不利である。
【0069】
支持機構6は、スライダ61の支持部63の上下方向の長さを短くすることを可能にする。具体的に、スライダ61は、本体部62と支持部63とを備えている。支持部63には、その前端部に3つの貫通孔632b、632c、632dが形成されている。3つの貫通孔632b、632c、632dは、
図6の例では、貫通孔631を中心とした円弧上に設けられている。3つの貫通孔632b、632c、632dは、
図2の支持部43の貫通孔432b、432c、432dに対応する。尚、
図5に示すように、3つの貫通孔632b、632c、632dを、上下方向に伸びる直線上に設けても良い。
【0070】
貫通孔632cは、貫通孔631に対して同じ高さに設けられている。貫通孔632bは、貫通孔631となす角度が、水平方向に対して上向きに15°となるように設けられ、貫通孔632dは、貫通孔631となす角度が、水平方向に対して下向きに15°となるように設けられている。貫通孔の数が少ないため、支持部63の前端部は、上下方向の長さが相対的に短い。スライダ61の強度の確保に有利である。尚、図示は省略するが、支持部63の形状を、支持部43と同程度に大きくする一方で、貫通孔432a、432eに対応する貫通孔を形成しない空きスペースであって、支持部63の上端の隅部及び下端の隅部のそれぞれに、補強部材を設けるようにしてもよい。
【0071】
支持機構6はまた、ブラケット64の後端部に、3つの貫通孔641a、641b、641cを形成している。3つの貫通孔641a、641b、641cは、ブラケット64の前側に設けた貫通孔642を中心とする円弧上に設けられている。貫通孔641bは、貫通孔441に対応し、水中ミキサ10を横向きの姿勢にした場合において、支持部63の後端部に設けた貫通孔631と同じ高さに設けられている。貫通孔641aは、貫通孔642となす角度が、水平方向に対して上向きに15°となるように設けられ、貫通孔641cは、貫通孔642となす角度が、水平方向に対して下向きに15°となるように設けられている。
【0072】
図6に示すように、水中ミキサ10を横向きの姿勢に支持する場合、支持機構6は、ブラケット64の貫通孔641bを、支持部63の貫通孔631と重ね合わせ、ブラケットの貫通孔642を、支持部63の貫通孔632cと重ね合わせて、それぞれ、ボルト・ナットを含む締結部材651、652により締結する。
【0073】
そして、
図7の上図に示すように、水中ミキサ10を30°だけ上向きの姿勢に支持する場合、支持機構6は、ブラケット64の貫通孔641aを、支持部63の貫通孔631と重ね合わせ、ブラケット64の貫通孔642を、支持部63の貫通孔632bと重ね合わせて、それぞれ、ボルト・ナットを含む締結部材651、652により締結する。また、
図7の下図に示すように、水中ミキサ10を15°だけ上向きの姿勢に支持する場合、支持機構6は、ブラケット64の貫通孔641bを、支持部63の貫通孔631と重ね合わせ、ブラケットの貫通孔642を、支持部63の貫通孔632bと重ね合わせて、それぞれ、ボルト・ナットを含む締結部材651、652により締結する。
【0074】
また、図示は省略するが、水中ミキサ10を15°だけ下向きの姿勢に支持する場合、支持機構6は、ブラケット64の貫通孔641bを、支持部63の貫通孔631と重ね合わせ、ブラケット64の貫通孔642を、支持部63の貫通孔632dと重ね合わせて、それぞれ、ボルト・ナットを含む締結部材651、652により締結する。また、水中ミキサ10を30°だけ下向きの姿勢に支持する場合、支持機構6は、ブラケット64の貫通孔641cを、支持部63の貫通孔631と重ね合わせ、ブラケット64の貫通孔642を、支持部63の貫通孔632dと重ね合わせて、それぞれ、ボルト・ナットを含む締結部材651、652により締結する。
【0075】
支持機構6は、水中ミキサ10の姿勢を、0°、+15°、+30°、-15°、-30°の5つの角度に変更可能である。
【0076】
尚、支持部63に設ける複数の貫通孔の間隔と、ブラケット64に設ける複数の貫通孔の間隔とを異ならせてもよい。そうすることで、水中ミキサ10の角度を、より多様に変更できる。例えば支持部63に、±22.5°の間隔で複数の貫通孔を設け、ブラケット64に、±7.5°の間隔で複数の貫通孔を設けると、±30°の範囲において、7.5°刻みで、水中ミキサ10の姿勢を変えることができる。
【0077】
尚、
図6及び
図7の構成例ではブラケット64の後端部に複数の貫通孔を形成しているが、これに代えて、支持部63の後端部に、貫通孔631を含む複数の貫通孔を形成してもよい。また、支持部63の前端部に複数の貫通孔を形成する代わりに、ブラケット64の前側に複数の貫通孔を形成してもよい。
【0078】
また、前述したように、複数の貫通孔は円弧上に設ける代わりに、上下方向に伸びる直線上に設けてもよい。この場合は、1又は複数の貫通孔を、前後方向に伸びる長穴形状に形成すればよい。
【0079】
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態に係る支持機構7を示している。支持機構7は、第3実施形態に係る支持機構6の変形例である。支持機構7は、スライダ71とブラケット74との締結箇所の数を増やすことができ、支持剛性の向上に有利である。
【0080】
支持機構7において、スライダ71は、本体部72と支持部73とを備えている。支持部73には、その後端部に1つの貫通孔731と、その前端部に3つの貫通孔732b、732c、732dとが設けられている。これは、支持機構6の支持部63と同じである。
【0081】
ブラケット74の後端部には、3つの貫通孔741a、741b、741cが設けられている。これは、支持機構6のブラケット64と同じである。ブラケット74はまた、その前側に3つの貫通孔742a、742b、742cが設けられている。貫通孔742bは、貫通孔731と同じ高さに設けられている。貫通孔742aは、貫通孔741bとなす角度が、水平方向に対して上向きに15°となるように設けられている。貫通孔742aはまた、所定の長穴形状である。貫通孔742aは、円弧状に曲がっている。貫通孔742cは、貫通孔741bとなす角度が、水平方向に対して下向きに15°となるように設けられている。貫通孔742cはまた、所定の長穴形状である。貫通孔742cは、円弧状に曲がっている。
【0082】
水中ミキサ10を横向きの姿勢に支持する場合、
図8に示すように、支持機構7は、ブラケット74の貫通孔741bを、支持部73の貫通孔731と重ね合わせ、ブラケット74の貫通孔742bを、支持部73の貫通孔732cと重ね合わせて、それぞれ、ボルト・ナットを含む締結部材751、752により締結する。この状態で、ブラケット74の貫通孔742a、742cはそれぞれ、支持部73の貫通孔732b、732dと重なっている。図例では、貫通孔742cと貫通孔732dとを、ボルト・ナットを含む締結部材753により締結している。これにより、3箇所で締結部材751、752、753による締結が行われる。尚、貫通孔742aと貫通孔732bとを、ボルト・ナットを含む締結部材により締結してもよい。また、貫通孔同士が重なり合った全ての箇所において、ボルト・ナットを含む締結部材により締結してもよい。
【0083】
図9の上図に示すように、水中ミキサ10を30°だけ上向きの姿勢に支持する場合、支持機構7は、ブラケット74の貫通孔741aを、支持部73の貫通孔731と重ね合わせ、ブラケット74の貫通孔742bを、支持部73の貫通孔732bと重ね合わせて、それぞれ、ボルト・ナットを含む締結部材751、752により締結する。この状態で、ブラケット74の、長穴形状の貫通孔742cが、支持部73の貫通孔732cと重なるため、ボルト・ナットを含む締結部材753により締結する。こうして、3箇所で締結部材による締結が行われる。
【0084】
また、
図9の下図に示すように、水中ミキサ10を15°だけ上向きの姿勢に支持する場合、支持機構7は、ブラケット74の貫通孔741bを、支持部73の貫通孔731と重ね合わせ、ブラケット74の貫通孔742bを、支持部73の貫通孔732bと重ね合わせて、それぞれ、ボルト・ナットを含む締結部材751、752により締結する。この状態で、ブラケット74の、長穴形状の貫通孔742cが、支持部73の貫通孔732cと重なるため、ボルト・ナットを含む締結部材753により締結する。こうして、3箇所で締結部材による締結が行われる。
【0085】
また、図示は省略するが、水中ミキサ10を15°だけ下向きの姿勢に支持する場合、支持機構7は、ブラケット74の貫通孔741bを、支持部73の貫通孔731と重ね合わせ、ブラケット74の貫通孔742bを、支持部73の貫通孔732dと重ね合わせて、それぞれ、ボルト・ナットを含む締結部材751、752により締結する。この状態で、ブラケット74の、長穴形状の貫通孔742aが、支持部73の貫通孔732cと重なるため、ボルト・ナットを含む締結部材753により締結する。こうして、3箇所で締結部材による締結が行われる。
【0086】
また、図示は省略するが、水中ミキサ10を30°だけ下向きの姿勢に支持する場合、支持機構7は、ブラケット74の貫通孔741cを、支持部73の貫通孔731と重ね合わせ、ブラケット74の貫通孔742bを、支持部73の貫通孔732dと重ね合わせて、それぞれ、ボルト・ナットを含む締結部材751、752により締結する。この状態で、ブラケット74の、長穴形状の貫通孔742aが、支持部73の貫通孔732cと重なるため、ボルト・ナットを含む締結部材753により締結する。こうして、3箇所で締結部材による締結が行われる。
【0087】
尚、ブラケット74の貫通孔を長穴形状にする代わりに、支持部73の貫通孔を長穴形状にしてもよい。尚、ここでいう長穴形状には、円が一方向のみに長く伸びた形状だけでなく、複数の方向、例えば前後方向と上下方向とのそれぞれに伸びた形状を含む。
【0088】
尚、前述した各実施形態、及び、参考形態は、可能な範囲で互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0089】
1 撹拌装置
10 水中ミキサ
31 昇降ガイド
4 支持機構
41 スライダ
42 本体部
43 支持部
431 貫通孔(第2孔)
432a~432e 貫通孔(第1孔)
44 ブラケット
441 貫通孔(第4孔)
442 貫通孔(第3孔)
5 支持機構
51 スライダ
52 本体部
53 支持部
531 貫通孔(第2孔)
532a~532e 貫通孔(第1孔)
54 ブラケット
541 貫通孔(第4孔)
542 貫通孔(第3孔)
6 支持機構
61 スライダ
62 本体部
63 支持部
631 貫通孔(第2孔)
632b~632d 貫通孔(第1孔)
64 ブラケット
641a~641c 貫通孔(第4孔)
642 貫通孔(第3孔)
7 支持機構
71 スライダ
72 本体部
73 支持部
731 貫通孔(第2孔)
732b~732d 貫通孔(第1孔)
74 ブラケット
741a~741c 貫通孔(第4孔)
742a~742c 貫通孔(第3孔)
8 支持機構
81 スライダ
82 本体部
83 支持部
831 貫通孔(第2孔)
832a~832e 貫通孔(第1孔)
84 ブラケット
841 貫通孔(第4孔)
842 貫通孔(第3孔)
9 水槽