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特開2022-165310弾性波デバイスおよびその弾性波デバイスを備えるモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165310
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】弾性波デバイスおよびその弾性波デバイスを備えるモジュール
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/25 20060101AFI20221024BHJP
   H03H 9/64 20060101ALI20221024BHJP
   H03H 9/17 20060101ALI20221024BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
H03H9/25 A
H03H9/64 Z
H03H9/25 C
H03H9/17 F
H01L23/36 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070636
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】518453730
【氏名又は名称】三安ジャパンテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100171077
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 健
(72)【発明者】
【氏名】桑原 英司
【テーマコード(参考)】
5F136
5J097
5J108
【Fターム(参考)】
5F136BA04
5F136BB02
5F136BC03
5J097AA25
5J097BB15
5J097GG03
5J097GG04
5J108AA07
5J108BB08
5J108EE03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】放熱性を向上することができる弾性波デバイスを提供する。
【解決手段】弾性波デバイス1は、配線基板3と、複数の直列共振器を含むデバイスチップ5と、複数のバンプ15と、ヒートシンク6と、ビア7と、熱伝導部材16と、封止部17と、を備える。複数の直列共振器は、デバイスチップの第一主面上に形成されている。バンプは配線基板と、デバイスチップの第一主面上に形成された複数の直列共振器同士を電気的に接続している。ヒートシンクは、デバイスチップの第二主面上に形成されている。ビアは、デバイスチップを貫通してヒートシンクと接合されている。熱伝導部材は、デバイスチップの第一主面上に形成され、バンプ及びビアと接合されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の第一主面上に形成された複数の直列共振器と、
前記基板の第一主面上に形成された前記複数の直列共振器同士を電気的に接続する配線と、
前記基板の第二主面上に形成されたヒートシンクと、
前記基板を貫通し、前記ヒートシンクと接合されたビアと、
前記基板の第一主面上に形成され、前記配線及び前記ビアと接合された熱伝導層と、
を備える弾性波デバイス。
【請求項2】
前記熱伝導層は、金属により形成されている請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記熱伝導層は、多層金属膜である請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記熱伝導層は、絶縁膜に覆われている請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記ヒートシンクは、凹凸形状である請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
前記基板の第一主面上に形成された複数のバンプパッドを備え、前記熱伝導層は、前記複数のバンプパッドのうちの一つのバンプパッドを含んで形成されている請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項7】
前記ヒートシンク、前記ビアおよび前記熱伝導層は、接地されていない請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項8】
前記基板の第二主面上に形成された金属層を備え、前記金属層は、前記ヒートシンクと接合していない請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項9】
前記基板は、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、水晶または圧電セラミックスからなる基板である請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項10】
前記基板の第二主面に、サファイア、シリコン、アルミナ、スピネル、水晶またはガラスからなる基板が接合されている請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項11】
複数の並列共振器をさらに備える、ラダー型フィルタを含んでいる請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の弾性波デバイスを備えるモジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、弾性波デバイスおよびその弾性波デバイスを備えるモジュールに関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、弾性波デバイスを開示する。当該弾性波デバイスは、貫通ビア等の放熱経路を介して放熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-157922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の弾性波デバイスの放熱経路においては、熱容量が十分でない。このため、放熱性が十分でない。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、放熱性を向上することができる弾性波デバイスおよびその弾性波デバイスを備えるモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる弾性波デバイスは、
基板と、
前記基板の第一主面上に形成された複数の直列共振器と、
前記基板の第一主面上に形成された前記複数の直列共振器同士を電気的に接続する配線と、
前記基板の第二主面上に形成されたヒートシンクと、
前記基板を貫通し、前記ヒートシンクと接合されたビアと、
前記基板の第一主面上に形成され、前記配線及び前記ビアと接合された熱伝導層と、
を備える弾性波デバイスとした。
【0007】
前記熱伝導層は、金属により形成されていることが、本開示の一形態とされる。
【0008】
前記熱伝導層は、多層金属膜であることが、本開示の一形態とされる。
【0009】
前記熱伝導層は、絶縁膜に覆われていることが、本開示の一形態とされる。
【0010】
前記ヒートシンクは、凹凸形状であることが、本発明の一形態とされる。
【0011】
前記基板の第一主面上に形成された複数のバンプを備え、前記熱伝導層は、前記複数のバンプのうちの一つのバンプを含んで形成されていることが、本発明の一形態とされる。
【0012】
前記ヒートシンク、前記ビアおよび前記熱伝導層は、接地されていないことが、本開示の一形態とされる。
【0013】
前記基板の第二主面上に形成された金属層を備え、前記金属層は、前記ヒートシンクと接合していないことが、本開示の一形態とされる。
【0014】
前記基板は、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、水晶または圧電セラミックスからなる基板であることが、本開示の一形態とされる。
【0015】
前記基板の第二主面に、サファイア、シリコン、アルミナ、スピネル、水晶またはガラスからなる基板が接合されていることが、本開示の一形態とされる。
【0016】
複数の並列共振器をさらに備える、ラダー型フィルタを含んでいることが、本開示の一形態とされる。
【0017】
前記弾性波デバイスを備えるモジュールが、本開示の一形態とされる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、放熱性を向上することができる弾性波デバイスおよびその弾性波デバイスを備えるモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施の形態1における弾性波デバイスの縦断面図である。
図2】実施の形態1における弾性波デバイスの斜視図である。
図3】実施の形態1における弾性波デバイスの平面図である。
図4】実施の形態1における弾性波デバイスの平面図である。
図5】実施の形態1における弾性波デバイスの弾性波素子の例を示す図である。
図6】実施の形態1における弾性波デバイスの弾性波素子が音響薄膜共振器である例を示す図である。
図7】実施の形態2における弾性波デバイスの縦断面図である。
図8】実施の形態2における弾性波デバイスの斜視図である。
図9】実施の形態2における弾性波デバイスの平面図である。
図10】実施の形態2における弾性波デバイスの平面図である。
図11】実施の形態3における弾性波デバイスが適用されるモジュールの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0021】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における弾性波デバイスの縦断面図である。図2は実施の形態1における弾性波デバイスの斜視図である。
【0022】
図1図2は、弾性波デバイス1として、デュプレクサである弾性波デバイスの例を示す。
【0023】
図1に示されるように、弾性波デバイス1は、配線基板3とデバイスチップ5と複数のバンプ15とヒートシンク6とビア7と熱伝導部材16と封止部17とを備える。
【0024】
例えば、配線基板3は、樹脂からなる多層基板である。例えば、配線基板3は、複数の誘電体層からなる低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramics:LTCC)多層基板である。
【0025】
例えば、デバイスチップ5は、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムまたは水晶などの圧電単結晶で形成された基板である。例えば、デバイスチップ5は、圧電セラミックスで形成された基板である。例えば、デバイスチップ5は、圧電基板と支持基板とが接合された基板である。例えば、支持基板は、サファイア、シリコン、アルミナ、スピネル、水晶またはガラスで形成された基板である。
【0026】
デバイスチップ5は、機能素子が形成される基板である。例えば、デバイスチップ5の第一主面(図1の下面)において、受信フィルタと送信フィルタとが形成される。
【0027】
受信フィルタは、所望の周波数帯域の電気信号が通過し得るように形成される。例えば、受信フィルタは、複数の直列共振器と複数の並列共振器からなるラダー型フィルタである。
【0028】
送信フィルタは、所望の周波数帯域の電気信号が通過し得るように形成される。例えば、送信フィルタは、複数の直列共振器と複数の並列共振器からなるラダー型フィルタである。
【0029】
複数のバンプ15は、デバイスチップ5の第一主面に形成される。例えば、バンプ15は、金バンプである。例えば、バンプ15の高さは、20μmから50μmである。複数のバンプ15は、デバイスチップ5の第一主面の配線と電気的に接続される。複数のバンプ15は、配線基板3と電気的に接続される。
【0030】
ヒートシンク6は、バイスチップ5の第二主面(図1の上面)に形成される。図2に示されるように、ヒートシンク6は、凹凸形状である。
【0031】
ビア7は、デバイスチップ5を貫通する。ビア7は、ヒートシンク6と接合される。
【0032】
例えば、熱伝導部材16は、金属で形成されている。例えば、熱伝導部材16は、多層金属膜である。例えば、熱伝導部材16は、絶縁膜に覆われている。熱伝導部材16は、デバイスチップ5を貫通する。熱伝導部材16は、熱伝導層の一部として、デバイスチップ5の第一主面の配線およびビア6と接合される。熱伝導部材16は、複数のバンプ15のうちの一つのバンプ15と接合される。
【0033】
封止部17は、デバイスチップ5を覆うように形成される。例えば、封止部17は、合成樹脂等の絶縁体により形成される。例えば、封止部17は、金属で形成される。例えば、封止部17は、樹脂層と金属層とで形成される。
【0034】
封止部17が合成樹脂で形成される場合、当該合成樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミドなどである。好ましくは、封止部17は、エポキシ樹脂を用い、低温硬化プロセスを用いてエポキシ樹脂で形成される。
【0035】
次に、図3図4とを用いて、デバイスチップ5の構成を説明する。
図3図4とは実施の形態1における弾性波デバイスの平面図である。
【0036】
図3図4とに示されるように、複数の弾性波素子52と配線パターン54とは、デバイスチップ5の第一主面に形成される。
【0037】
複数の弾性波素子52は、複数の直列共振器S1、S2、S3、S4、S5と複数の並列共振器P1、P2、P3、P4とを含む。
【0038】
複数の直列共振器S1、S2、S3、S4、S5と複数の並列共振器P1、P2、P3、P4とは、送信フィルタとして機能し得るように形成される。その他の直列共振器とその他の並列共振器とは、受信フィルタとしての機能し得るように形成される。
【0039】
例えば、配線パターン54は、銀、アルミニウム、銅、チタン、パラジウムなどの適宜の金属もしくは合金により形成される。例えば、配線パターン54は、複数の金属層を積層してなる積層金属膜により形成される。例えば、配線パターン54の厚みは、1500nmから4500nmである。
【0040】
配線パターン54は、アンテナ用パッドANTと送信用パッドTxと受信用パッドRxと4つのグランドパッドGNDと放熱用パッドHRとを含む。配線パターン54は、弾性波素子52と電気的に接続される。
【0041】
本開示において、放熱用パッドHRは、接地されていない。放熱用パッドHRは、ヒートシンク6に対応した位置に設けられる。図示されないが、放熱用パッドHRは、複数のバンプ15のうちのひとつのバンプ15と熱伝導部材16とを介してヒートシンク6に接合される。
【0042】
次に、図5を用いて、弾性波素子52の例を説明する。
図5は実施の形態1における弾性波デバイスの弾性波素子の例を示す図である。
【0043】
図5に示されるように、IDT(Interdigital Transducer)52aと一対の反射器52bとは、デバイスチップ5の第一主面に形成される。IDT52aと一対の反射器52bとは、弾性表面波を励振し得るように設けられる。
【0044】
例えば、IDT52aと一対の反射器52bとは、アルミニウムと銅の合金で形成される。例えば、IDT52aと一対の反射器52bとは、チタン、パラジウム、銀などの適宜の金属もしくはこれらの合金で形成される。例えば、IDT52aと一対の反射器52bとは、複数の金属層が積層した積層金属膜により形成される。例えば、IDT52aと一対の反射器52bとの厚みは、150nmから400nmである。
【0045】
IDT52aは、一対の櫛形電極52cを備える。一対の櫛形電極52cは、互いに対向する。櫛形電極52cは、複数の電極指52dとバスバー52eとを備える。複数の電極指52dは、長手方向を合わせて配置される。バスバー52eは、複数の電極指52dを接続する。
【0046】
一対の反射器52bの一方は、IDT52aの一側に隣接する。一対の反射器52bの他方は、IDT52aの他側に隣接する。
【0047】
次に、図6を用いて、弾性波素子52が音響薄膜共振器である例を説明する。
図6は実施の形態1における弾性波デバイスの弾性波素子が音響薄膜共振器である例を示す図である。
【0048】
図6において、チップ基板60は、デバイスチップ5として機能する。例えば、例えば、チップ基板60は、シリコン等の半導体基板、または、サファイア、アルミナ、スピネルもしくはガラス等の絶縁基板である。
【0049】
圧電膜62は、チップ基板60上に設けられる。例えば、圧電膜62は、窒化アルミニウムで形成される。
【0050】
下部電極64と上部電極66とは、圧電膜62を挟むように設けられる。例えば、下部電極64と上部電極66とは、ルテニウム等の金属で形成される。
【0051】
空隙68は、下部電極64とチップ基板60との間に形成される。
【0052】
音響薄膜共振器において、下部電極64と上部電極66とは、圧電膜62の内部に厚み縦振動モードの弾性波を励振する。
【0053】
以上で説明された実施の形態1によれば、熱伝導部材16は、熱伝導層の一部として、デバイスチップ5の第一主面の配線及びビア7を介してヒートシンク6と接合される。このため、弾性波デバイス1の放熱性を向上することができる。その結果、弾性波デバイス1の耐電力性を向上することができる。
【0054】
また、熱伝導部材16は、金属により形成されている。このため、弾性波デバイス1の放熱性をより確実に向上することができる。
【0055】
また、熱伝導部材16は、多層金属膜である。このため、弾性波デバイス1の放熱性をより確実に向上することができる。
【0056】
また、熱伝導部材16は、絶縁膜に覆われている。このため、弾性波デバイス1の放熱性をより確実に向上することができる。
【0057】
また、ヒートシンク6は、凹凸形状である。このため、弾性波デバイス1の放熱性をより確実に向上することができる。
【0058】
また、熱伝導層は、複数のバンプ15のうちの一つのバンプ15を含んで形成されている。このため、弾性波デバイス1の放熱性をより確実に向上することができる。
【0059】
また、ヒートシンク6、ビア7および熱伝導層は、接地されていない。このため、弾性波デバイス1の放熱性をより確実に向上することができる。
【0060】
また、デバイスチップ5は、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、水晶または圧電セラミックスからなる基板である。このため、弾性波デバイス1の放熱性をより確実に向上することができる。
【0061】
なお、デバイスチップ5の第二主面に、サファイア、シリコン、アルミナ、スピネル、水晶またはガラスからなる基板を接合してもよい。この場合、弾性波デバイス1の放熱性をより確実に向上することができる。
【0062】
また、弾性波デバイス1は、複数の並列共振器をさらに備えるラダー型フィルタを含んでいる。このため、ラダー型フィルタを備えた弾性波デバイス1の放熱性をより確実に向上することができる。
【0063】
実施の形態2.
図7は実施の形態2における弾性波デバイスの縦断面図である。図8は実施の形態2における弾性波デバイスの斜視図である。図9図10とは実施の形態2における弾性波デバイスの平面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0064】
図7から図10に示されるように、複数のビア7と複数のヒートシンク6と複数の熱伝導部材16とは、送信用パッドTxと2つのグランドパッドGNDと放熱用パッドHRとに対応した位置にそれぞれ設けられる。
【0065】
金属層8は、デバイスチップ5の第二主面上に形成される。金属層8は、複数のヒートシンク6のいずれとも接合していない。
【0066】
以上で説明された実施の形態2によれば、金属層8は、ヒートシンク6と接合していない。このため、アンテナ用パッドANTと送信用パッドTxと受信用パッドRxとにそれぞれ対応した複数の端子の間の信号をより確実に分離することができる。
【0067】
実施の形態3.
図11は実施の形態3における弾性波デバイスが適用されるモジュールの縦断面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0068】
図11において、モジュール100は、配線基板130と集積回路部品ICと弾性波デバイス1とインダクタ11と封止部117とを備える。
【0069】
配線基板130は、実施の形態1の配線基板3と同等である。
【0070】
図示されないが、集積回路部品ICは、配線基板130の内部に実装される。集積回路部品ICは、スイッチング回路とローノイズアンプとを含む。
【0071】
弾性波デバイス1は、配線基板130の主面に実装される。
【0072】
インダクタ11は、配線基板130の主面に実装される。インダクタ11は、インピーダンスマッチングのために実装される。例えば、インダクタ111は、Integrated Passive Device(IPD)である。
【0073】
封止部117は、弾性波デバイス1を含む複数の電子部品を封止する。
【0074】
以上で説明された実施の形態3によれば、モジュール100は、弾性波デバイス1を備える。このため、モジュール100の耐熱性を向上することができる。その結果、モジュール100の耐電力を向上することができる。
【0075】
少なくとも一つの実施形態のいくつかの側面が説明されたが、様々な改変、修正および改善が当業者にとって容易に想起されることを理解されたい。かかる改変、修正および改善は、本開示の一部となることが意図され、かつ、本開示の範囲内にあることが意図される。
【0076】
理解するべきことだが、ここで述べられた方法および装置の実施形態は、上記説明に記載され又は添付図面に例示された構成要素の構造および配列の詳細への適用に限られない。方法および装置は、他の実施形態で実装し、様々な態様で実施又は実行することができる。
【0077】
特定の実装例は、例示のみを目的としてここに与えられ、限定されることを意図しない。
【0078】
本開示で使用される表現および用語は、説明目的であって、限定としてみなすべきではない。ここでの「含む」、「備える」、「有する」、「包含する」およびこれらの変形の使用は、以降に列挙される項目およびその均等物並びに付加項目の包括を意味する。
【0079】
「又は(若しくは)」の言及は、「又は(若しくは)」を使用して記載される任意の用語が、当該記載の用語の一つの、一つを超える、およびすべてのものを示すように解釈され得る。
【0080】
前後左右、頂底上下、横縦、表裏への言及は、いずれも、記載の便宜を意図する。当該言及は、本開示の構成要素がいずれか一つの位置的又は空間的配向に限られるものではない。したがって、上記説明および図面は、例示にすぎない。
【符号の説明】
【0081】
1 弾性波デバイス、 3 配線基板、 5 デバイスチップ、 6 ヒートシンク、 7 ビア、 8 金属層、 15 バンプ、 16 熱伝導部材、 17 封止部、 52 弾性波素子、 52a IDT、 52b 反射器、 52c 櫛形電極、 52d 電極指、 60 チップ基板、 62 圧電膜、 64 下部電極、 66 上部電極、 68 空隙、 70 第1ウェハ、 72 配線用ウェハ、 74 第2ウェハ、 76 金属体、 100 モジュール、 105 デバイスチップ、 111 インダクタ、 117 封止部、 130 配線基板


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11