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特開2022-165313植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165313
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20221024BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20221024BHJP
   G01C 11/00 20060101ALI20221024BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
G06T7/00 350B
G06T1/00 285
G01C11/00
A01G7/00 603
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070641
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
(71)【出願人】
【識別番号】517220036
【氏名又は名称】精密林業計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正人
(72)【発明者】
【氏名】中川 太人
(72)【発明者】
【氏名】藤平 光希
(72)【発明者】
【氏名】トウ ソウキュウ
(72)【発明者】
【氏名】竹中 悠輝
【テーマコード(参考)】
5B057
5L096
【Fターム(参考)】
5B057AA14
5B057AA15
5B057BA02
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE02
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB09
5B057DC25
5B057DC32
5B057DC36
5B057DC40
5L096AA02
5L096AA06
5L096AA09
5L096EA05
5L096FA09
5L096FA52
5L096FA62
5L096GA08
5L096GA40
5L096JA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】植栽木を高精度に自動検出する。
【解決手段】森林域の空撮カラー画像データから前処理後空撮画像データを作成し、前処理後空撮画像データに含まれるノイズを除去してノイズ除去後空撮画像データを作成し、前処理後空撮画像データとノイズ除去後空撮画像データとに基づいて植栽木候補点を検出して植栽木候補点を含む植栽木候補点検出画像データを作成し、植栽木候補点検出画像データのうちの植栽木候補点を含む所定領域から特徴量を抽出して植栽木検出用データを作成し、植栽木検出用データに基づいて空撮カラー画像データに含まれる植栽木を検出する植栽木自動検出装置は、植栽木検出用データを推定用データと訓練用データとに分割し、訓練用データを用いた教師あり学習によって推定モデルを構築し、推定モデルの精度評価を実行し、推定モデルの精度評価の結果に基づいて選定された推定モデルを用いて推定用データに含まれる植栽木を推定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の森林域において植栽木を自動検出する植栽木自動検出装置であって、
前記森林域の空撮カラー画像データの前処理を実行することによって、前処理後空撮画像データを作成する空撮画像データ前処理部と、
前記空撮画像データ前処理部によって作成された前記前処理後空撮画像データに含まれるノイズを除去することによって、ノイズ除去後空撮画像データを作成するノイズ除去処理部と、
前記前処理後空撮画像データと前記ノイズ除去後空撮画像データとに基づいて植栽木候補点を検出し、前記植栽木候補点を含む空撮画像データである植栽木候補点検出画像データを作成する植栽木候補点検出処理部と、
前記植栽木候補点検出処理部によって作成された前記植栽木候補点検出画像データのうちの前記植栽木候補点を含む所定領域から特徴量を抽出し、植栽木検出用データを作成する特徴量抽出処理部と、
前記特徴量抽出処理部によって作成された前記植栽木検出用データに基づいて、前記空撮カラー画像データに含まれる前記植栽木を検出する植栽木検出処理部と、
前記植栽木検出処理部によって検出された前記植栽木に関する情報を作成する植栽木情報作成処理部と、
前記植栽木情報作成処理部によって作成された前記植栽木に関する情報であって、前記森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報を集計する植栽木情報集計処理部とを備え、
前記植栽木検出処理部は、
前記特徴量抽出処理部によって作成された前記植栽木検出用データを、前記植栽木の推定に用いられるデータである推定用データと、前記植栽木の推定モデルの構築に用いられるデータである訓練用データとに分割するデータ分割処理部と、
前記訓練用データを用いた教師あり学習を実行することによって、前記推定モデルを構築する推定モデル構築処理部と、
前記推定モデル構築処理部によって構築された前記推定モデルの精度評価を実行する精度評価処理部と、
前記精度評価処理部によって実行された前記推定モデルの精度評価の結果に基づいて選定された推定モデルである選定後推定モデルを用いることにより、前記推定用データに含まれる前記植栽木を推定する植栽木推定処理部とを備える、
植栽木自動検出装置。
【請求項2】
前記空撮画像データ前処理部は、
前記空撮カラー画像データの入力を受け付ける空撮画像データ入力処理部と、
前記空撮画像データ入力処理部が受け付けた前記空撮カラー画像データから三次元点群データを作成する三次元点群データ作成処理部と、
前記三次元点群データ作成処理部によって作成された前記三次元点群データから、前記前処理後空撮画像データとしての樹冠高画像データを作成する樹冠高画像データ作成処理部とを備え、
前記植栽木候補点検出処理部は、前記前処理後空撮画像データとしての前記樹冠高画像データと、前記ノイズ除去後空撮画像データとを重ね合わせて差分する画像間の差分処理を実行することによって、前記植栽木候補点を検出する、
請求項1に記載の植栽木自動検出装置。
【請求項3】
前記特徴量抽出処理部は、
前記植栽木候補点検出処理部によって作成された前記植栽木候補点検出画像データに含まれる前記植栽木候補点を中心とする半径10センチメートルの円を前記所定領域として作成し、
前記所定領域から抽出される前記特徴量には、
前記所定領域内のRGB値、正規化RGB値および樹冠高値のそれぞれについての画素の合計、最大値、最小値、平均値、範囲、中央値、最小頻値、標準偏差、分散および多様体の統計値が含まれる、
請求項1または請求項2に記載の植栽木自動検出装置。
【請求項4】
前記データ分割処理部は、
前記特徴量抽出処理部によって作成された前記植栽木検出用データの80%を前記推定用データに分割し、
前記特徴量抽出処理部によって作成された前記植栽木検出用データの20%を前記訓練用データに分割する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の植栽木自動検出装置。
【請求項5】
前記推定モデル構築処理部は、
前記訓練用データに含まれる前記特徴量のうち、前記推定モデルの性能に寄与しない特徴量を消去することによって、前記推定モデルを構築する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の植栽木自動検出装置。
【請求項6】
前記精度評価処理部は、
前記訓練用データをk分割し、前記訓練用データの(k-1)/kを学習用データとして用い、前記訓練用データの1/kを検証用データとして用い、前記学習用データと前記検証用データとの組み合わせを変えながら前記推定モデルの精度評価を実行するk分割交差検定法を用いる、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の植栽木自動検出装置。
【請求項7】
前記植栽木推定処理部は、
前記精度評価処理部によって実行された前記推定モデルの精度評価において最も高い精度評価結果が得られた推定モデルである前記選定後推定モデルを用いることにより、前記推定用データに含まれる前記植栽木を推定する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の植栽木自動検出装置。
【請求項8】
前記植栽木情報作成処理部によって作成される前記植栽木に関する情報には、
前記植栽木検出処理部によって検出された前記植栽木のID(識別子)と、
前記植栽木検出処理部によって検出された前記植栽木の立木位置を示す情報と、
前記植栽木検出処理部によって検出された前記植栽木の苗高を示す情報とが、少なくとも含まれる、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の植栽木自動検出装置。
【請求項9】
前記植栽木情報集計処理部によって集計される前記森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報には、
前記森林域に含まれるすべての植栽木の合計本数と、
前記森林域の単位面積あたりの植栽木の本数とが含まれ、
前記植栽木情報集計処理部は、集計した情報をデータベースに登録する機能を有する、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の植栽木自動検出装置。
【請求項10】
所定の森林域において植栽木を自動検出する植栽木自動検出方法であって、
前記森林域の空撮カラー画像データの前処理を実行することによって、前処理後空撮画像データを作成する空撮画像データ前処理ステップと、
前記空撮画像データ前処理ステップにおいて作成された前記前処理後空撮画像データに含まれるノイズを除去することによって、ノイズ除去後空撮画像データを作成するノイズ除去処理ステップと、
前記前処理後空撮画像データと前記ノイズ除去後空撮画像データとに基づいて植栽木候補点を検出し、前記植栽木候補点を含む空撮画像データである植栽木候補点検出画像データを作成する植栽木候補点検出処理ステップと、
前記植栽木候補点検出処理ステップにおいて作成された前記植栽木候補点検出画像データのうちの前記植栽木候補点を含む所定領域から特徴量を抽出し、植栽木検出用データを作成する特徴量抽出処理ステップと、
前記特徴量抽出処理ステップにおいて作成された前記植栽木検出用データに基づいて、前記空撮カラー画像データに含まれる前記植栽木を検出する植栽木検出処理ステップと、
前記植栽木検出処理ステップにおいて検出された前記植栽木に関する情報を作成する植栽木情報作成処理ステップと、
前記植栽木情報作成処理ステップにおいて作成された前記植栽木に関する情報であって、前記森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報を集計する植栽木情報集計処理ステップとを備え、
前記植栽木検出処理ステップには、
前記特徴量抽出処理ステップにおいてによって作成された前記植栽木検出用データを、前記植栽木の推定に用いられるデータである推定用データと、前記植栽木の推定モデルの構築に用いられるデータである訓練用データとに分割するデータ分割処理ステップと、
前記訓練用データを用いた教師あり学習を実行することによって、前記推定モデルを構築する推定モデル構築処理ステップと、
前記推定モデル構築処理ステップにおいて構築された前記推定モデルの精度評価を実行する精度評価処理ステップと、
前記精度評価処理ステップにおいて実行された前記推定モデルの精度評価の結果に基づいて選定された推定モデルである選定後推定モデルを用いることにより、前記推定用データに含まれる前記植栽木を推定する植栽木推定処理ステップとが含まれる、
植栽木自動検出方法。
【請求項11】
コンピュータに、
所定の森林域の空撮カラー画像データの前処理を実行することによって、前処理後空撮画像データを作成する空撮画像データ前処理ステップと、
前記空撮画像データ前処理ステップにおいて作成された前記前処理後空撮画像データに含まれるノイズを除去することによって、ノイズ除去後空撮画像データを作成するノイズ除去処理ステップと、
前記前処理後空撮画像データと前記ノイズ除去後空撮画像データとに基づいて植栽木候補点を検出し、前記植栽木候補点を含む空撮画像データである植栽木候補点検出画像データを作成する植栽木候補点検出処理ステップと、
前記植栽木候補点検出処理ステップにおいて作成された前記植栽木候補点検出画像データのうちの前記植栽木候補点を含む所定領域から特徴量を抽出し、植栽木検出用データを作成する特徴量抽出処理ステップと、
前記特徴量抽出処理ステップにおいて作成された前記植栽木検出用データに基づいて、前記空撮カラー画像データに含まれる植栽木を検出する植栽木検出処理ステップと、
前記植栽木検出処理ステップにおいて検出された前記植栽木に関する情報を作成する植栽木情報作成処理ステップと、
前記植栽木情報作成処理ステップにおいて作成された前記植栽木に関する情報であって、前記森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報を集計する植栽木情報集計処理ステップとを実行させるためのプログラムであって、
前記植栽木検出処理ステップには、
前記特徴量抽出処理ステップにおいてによって作成された前記植栽木検出用データを、前記植栽木の推定に用いられるデータである推定用データと、前記植栽木の推定モデルの構築に用いられるデータである訓練用データとに分割するデータ分割処理ステップと、
前記訓練用データを用いた教師あり学習を実行することによって、前記推定モデルを構築する推定モデル構築処理ステップと、
前記推定モデル構築処理ステップにおいて構築された前記推定モデルの精度評価を実行する精度評価処理ステップと、
前記精度評価処理ステップにおいて実行された前記推定モデルの精度評価の結果に基づいて選定された推定モデルである選定後推定モデルを用いることにより、前記推定用データに含まれる前記植栽木を推定する植栽木推定処理ステップとが含まれる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラムに関する。
詳細には、本発明は、ドローン、航空機等により上空から撮影した画像データ、あるいは、レーザ計測データおよび画像データ(例えばオルソ画像データ)に基づいて、調査対象森林域に関する植栽木を、人工知能(AI)を用いて高精度に抽出する植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
林業においては、戦後植栽されたスギやヒノキの人工林が収穫期を迎えており、全国各地で収穫後の再造林地が急増している。造林事業は補助事業であるため、植栽計画に基づき、植栽木の位置と本数、生育状況を人が調べる必要がある。6~7月に蜂に刺される危険の多い下刈りを行い、植栽面積と本数、枯れについて検査を行うが、面積が急増しているため森林管理署、県・市町村、森林組合は人手が足りず、生産現場の解決すべき大きな課題になっている。
【0003】
このような造林補助事業の植付け作業の検査では、植栽木の生存検査(確認)が夏に実施される。造林(植林)作業者が植栽計画に沿って植付けたかどうかの確認が行われる。抽出検査では、対象面積に対して面積0.02haの抽出検査箇所が複数設置され、植栽本数、枯損率、下刈り作業での損傷率が調査される。確認や検査のための事前調査など夏の暑い時期に蜂に刺される危険と労力を要する中で、現場の森林官、自治体職員、林業事業体職員の負担は大きい。
【0004】
航空機やドローン計測で得られた画像データは数センチメートル~数十センチメートルの高精細な地上分解能力を有するが、植栽木は真上から見ると対象が10センチメートル~20センチメートルの小さな対象物であり、雑草が繁茂した中にある植栽木を画像上で検出することは困難であると考えられてきた。
【0005】
近年、上空から所定の森林域(「調査対象森林域」ともいう。)を含む地域にレーザ光を照射して得られたレーザ計測データに基づいて、調査対象森林域に関する森林資源情報を作成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-084472号公報
【特許文献2】特開2019-068768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、所定の森林域にレーザ光を照射して得られたレーザ計測データに基づいて、調査対象森林域に関する森林資源情報を作成する森林資源情報算定方法であって、三次元のレーザ点群データから、各樹木の樹冠直径、胸高直径及び各樹木の樹高、これら樹高と胸高直径とから得られる材積などの森林資源情報を高精度に算定する方法について記載されている。
しかし、特許文献1に記載された技術では、空撮された画像に含まれる成熟木の情報は算定できるが、植栽木のように周囲を雑草に囲まれた中にある極めて小さい対象物を検出することはできない。
【0008】
特許文献2には、発根した樹木を生育する方法であって、樹木を植えた培地を温度調整可能な植物栽培施設内に配置し、樹木の根を、流液した培養液に浸漬し、植物栽培施設内の環境温度の制御により、休眠中の樹木について休眠打破を行なうことを特徴とする樹木の生育方法について記載されている。
植栽木生産の期間を短縮するため、特許文献2に記載された技術では、植物栽培施設内に、人工光を照射する人工光照明装置が設けられ、休眠打破においては、人工光照明装置を用いて、樹木の明期の時間が制御される。
ところで、特許文献2に記載された技術は、森林に植えられた植栽木の検出や生育診断に使用することができない。
【0009】
上述した問題点に鑑み、本発明は、所定の森林域において植栽木を高精度に自動検出することができる植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラムを提供することを目的とする。
詳細には、本発明は、所定の森林域の全域または任意の範囲において植栽木を、航空機、ドローン等により上空から撮影したカラー画像データから、人工知能(AI)を用いて科学的かつ効率的に自動検出することができる、汎用性のある植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラムを提供することを目的とする。
つまり、本発明は、人手と費用を要する植栽木の確認作業を自動で行うことができ、例えばドローン等による空撮カラー画像データから植栽木の確認および生育診断を自動で行うことができる植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書において、「植栽木」とは、種から育てた樹木の苗木を、森林に植栽したものをいう。植栽木には、例えば、スギ、ヒノキ、カラマツなどの高木となる樹木が含まれる。調査対象森林域とは、調査対象のこれらの樹木によって形成される林が所定の広さを有して存在する森林域である。植栽木は周囲の雑草により被圧され成長が阻害されるため、毎年夏場に下刈り作業によって雑草を刈取る必要がある。造林作業の検査期間は、植栽木が雑草よりも高くなるまでのおおよそ7年~10年の期間、下刈り作業と一緒に実施される。
【0011】
本発明の一態様は、所定の森林域において植栽木を自動検出する植栽木自動検出装置であって、前記森林域の空撮カラー画像データの前処理を実行することによって、前処理後空撮画像データを作成する空撮画像データ前処理部と、前記空撮画像データ前処理部によって作成された前記前処理後空撮画像データに含まれるノイズを除去することによって、ノイズ除去後空撮画像データを作成するノイズ除去処理部と、前記前処理後空撮画像データと前記ノイズ除去後空撮画像データとに基づいて植栽木候補点を検出し、前記植栽木候補点を含む空撮画像データである植栽木候補点検出画像データを作成する植栽木候補点検出処理部と、前記植栽木候補点検出処理部によって作成された前記植栽木候補点検出画像データのうちの前記植栽木候補点を含む所定領域から特徴量を抽出し、植栽木検出用データを作成する特徴量抽出処理部と、前記特徴量抽出処理部によって作成された前記植栽木検出用データに基づいて、前記空撮カラー画像データに含まれる前記植栽木を検出する植栽木検出処理部と、前記植栽木検出処理部によって検出された前記植栽木に関する情報を作成する植栽木情報作成処理部と、前記植栽木情報作成処理部によって作成された前記植栽木に関する情報であって、前記森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報を集計する植栽木情報集計処理部とを備え、前記植栽木検出処理部は、前記特徴量抽出処理部によって作成された前記植栽木検出用データを、前記植栽木の推定に用いられるデータである推定用データと、前記植栽木の推定モデルの構築に用いられるデータである訓練用データとに分割するデータ分割処理部と、前記訓練用データを用いた教師あり学習を実行することによって、前記推定モデルを構築する推定モデル構築処理部と、前記推定モデル構築処理部によって構築された前記推定モデルの精度評価を実行する精度評価処理部と、前記精度評価処理部によって実行された前記推定モデルの精度評価の結果に基づいて選定された推定モデルである選定後推定モデルを用いることにより、前記推定用データに含まれる前記植栽木を推定する植栽木推定処理部とを備える、植栽木自動検出装置である。
【0012】
本発明の一態様の植栽木自動検出装置では、前記空撮画像データ前処理部は、前記空撮カラー画像データの入力を受け付ける空撮画像データ入力処理部と、前記空撮画像データ入力処理部が受け付けた前記空撮カラー画像データから三次元点群データを作成する三次元点群データ作成処理部と、前記三次元点群データ作成処理部によって作成された前記三次元点群データから、前記前処理後空撮画像データとしての樹冠高画像データを作成する樹冠高画像データ作成処理部とを備え、前記植栽木候補点検出処理部は、前記前処理後空撮画像データとしての前記樹冠高画像データと、前記ノイズ除去後空撮画像データとを重ね合わせて差分する画像間の差分処理を実行することによって、前記植栽木候補点を検出してもよい。
【0013】
本発明の一態様の植栽木自動検出装置では、前記特徴量抽出処理部は、前記植栽木候補点検出処理部によって作成された前記植栽木候補点検出画像データに含まれる前記植栽木候補点を中心とする半径10センチメートルの円を前記所定領域として作成し、前記所定領域から抽出される前記特徴量には、前記所定領域内のRGB値、正規化RGB値および樹冠高値のそれぞれについての画素の合計、最大値、最小値、平均値、範囲、中央値、最小頻値、標準偏差、分散および多様体の統計値が含まれてもよい。
【0014】
本発明の一態様の植栽木自動検出装置では、前記データ分割処理部は、前記特徴量抽出処理部によって作成された前記植栽木検出用データの80%を前記推定用データに分割し、前記特徴量抽出処理部によって作成された前記植栽木検出用データの20%を前記訓練用データに分割してもよい。
【0015】
本発明の一態様の植栽木自動検出装置では、前記推定モデル構築処理部は、前記訓練用データに含まれる前記特徴量のうち、前記推定モデルの性能に寄与しない特徴量を消去することによって、前記推定モデルを構築してもよい。
【0016】
本発明の一態様の植栽木自動検出装置では、前記精度評価処理部は、前記訓練用データをk分割し、前記訓練用データの(k-1)/kを学習用データとして用い、前記訓練用データの1/kを検証用データとして用い、前記学習用データと前記検証用データとの組み合わせを変えながら前記推定モデルの精度評価を実行するk分割交差検定法を用いてもよい。
【0017】
本発明の一態様の植栽木自動検出装置では、前記植栽木推定処理部は、前記精度評価処理部によって実行された前記推定モデルの精度評価において最も高い精度評価結果が得られた推定モデルである前記選定後推定モデルを用いることにより、前記推定用データに含まれる前記植栽木を推定してもよい。
【0018】
本発明の一態様の植栽木自動検出装置では、前記植栽木情報作成処理部によって作成される前記植栽木に関する情報には、前記植栽木検出処理部によって検出された前記植栽木のID(識別子)と、前記植栽木検出処理部によって検出された前記植栽木の立木位置を示す情報と、前記植栽木検出処理部によって検出された前記植栽木の苗高を示す情報とが、少なくとも含まれてもよい。
【0019】
本発明の一態様の植栽木自動検出装置では、前記植栽木情報集計処理部によって集計される前記森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報には、前記森林域に含まれるすべての植栽木の合計本数と、前記森林域の単位面積あたりの植栽木の本数とが含まれ、前記植栽木情報集計処理部は、集計した情報をデータベースに登録する機能を有してもよい。
【0020】
本発明の一態様は、所定の森林域において植栽木を自動検出する植栽木自動検出方法であって、前記森林域の空撮カラー画像データの前処理を実行することによって、前処理後空撮画像データを作成する空撮画像データ前処理ステップと、前記空撮画像データ前処理ステップにおいて作成された前記前処理後空撮画像データに含まれるノイズを除去することによって、ノイズ除去後空撮画像データを作成するノイズ除去処理ステップと、前記前処理後空撮画像データと前記ノイズ除去後空撮画像データとに基づいて植栽木候補点を検出し、前記植栽木候補点を含む空撮画像データである植栽木候補点検出画像データを作成する植栽木候補点検出処理ステップと、前記植栽木候補点検出処理ステップにおいて作成された前記植栽木候補点検出画像データのうちの前記植栽木候補点を含む所定領域から特徴量を抽出し、植栽木検出用データを作成する特徴量抽出処理ステップと、前記特徴量抽出処理ステップにおいて作成された前記植栽木検出用データに基づいて、前記空撮カラー画像データに含まれる前記植栽木を検出する植栽木検出処理ステップと、前記植栽木検出処理ステップにおいて検出された前記植栽木に関する情報を作成する植栽木情報作成処理ステップと、前記植栽木情報作成処理ステップにおいて作成された前記植栽木に関する情報であって、前記森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報を集計する植栽木情報集計処理ステップとを備え、前記植栽木検出処理ステップには、前記特徴量抽出処理ステップにおいてによって作成された前記植栽木検出用データを、前記植栽木の推定に用いられるデータである推定用データと、前記植栽木の推定モデルの構築に用いられるデータである訓練用データとに分割するデータ分割処理ステップと、前記訓練用データを用いた教師あり学習を実行することによって、前記推定モデルを構築する推定モデル構築処理ステップと、前記推定モデル構築処理ステップにおいて構築された前記推定モデルの精度評価を実行する精度評価処理ステップと、前記精度評価処理ステップにおいて実行された前記推定モデルの精度評価の結果に基づいて選定された推定モデルである選定後推定モデルを用いることにより、前記推定用データに含まれる前記植栽木を推定する植栽木推定処理ステップとが含まれる、植栽木自動検出方法である。
【0021】
本発明の一態様は、コンピュータに、所定の森林域の空撮カラー画像データの前処理を実行することによって、前処理後空撮画像データを作成する空撮画像データ前処理ステップと、前記空撮画像データ前処理ステップにおいて作成された前記前処理後空撮画像データに含まれるノイズを除去することによって、ノイズ除去後空撮画像データを作成するノイズ除去処理ステップと、前記前処理後空撮画像データと前記ノイズ除去後空撮画像データとに基づいて植栽木候補点を検出し、前記植栽木候補点を含む空撮画像データである植栽木候補点検出画像データを作成する植栽木候補点検出処理ステップと、前記植栽木候補点検出処理ステップにおいて作成された前記植栽木候補点検出画像データのうちの前記植栽木候補点を含む所定領域から特徴量を抽出し、植栽木検出用データを作成する特徴量抽出処理ステップと、前記特徴量抽出処理ステップにおいて作成された前記植栽木検出用データに基づいて、前記空撮カラー画像データに含まれる植栽木を検出する植栽木検出処理ステップと、前記植栽木検出処理ステップにおいて検出された前記植栽木に関する情報を作成する植栽木情報作成処理ステップと、前記植栽木情報作成処理ステップにおいて作成された前記植栽木に関する情報であって、前記森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報を集計する植栽木情報集計処理ステップとを実行させるためのプログラムであって、前記植栽木検出処理ステップには、前記特徴量抽出処理ステップにおいてによって作成された前記植栽木検出用データを、前記植栽木の推定に用いられるデータである推定用データと、前記植栽木の推定モデルの構築に用いられるデータである訓練用データとに分割するデータ分割処理ステップと、前記訓練用データを用いた教師あり学習を実行することによって、前記推定モデルを構築する推定モデル構築処理ステップと、前記推定モデル構築処理ステップにおいて構築された前記推定モデルの精度評価を実行する精度評価処理ステップと、前記精度評価処理ステップにおいて実行された前記推定モデルの精度評価の結果に基づいて選定された推定モデルである選定後推定モデルを用いることにより、前記推定用データに含まれる前記植栽木を推定する植栽木推定処理ステップとが含まれる、プログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、所定の森林域において植栽木を高精度に自動検出することができる植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラムを提供することができる。
詳細には、本発明によれば、所定の森林域の全域または任意の範囲において植栽木を、航空機、ドローン等により上空から撮影したカラー画像データから、人工知能(AI)を用いて科学的かつ効率的に自動検出することができる、汎用性のある植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラムを提供することができる。
つまり、本発明によれば、人手と費用を要する植栽木の確認作業を自動で行うことができ、例えばドローン等による空撮カラー画像データから植栽木の確認および生育診断を自動で行うことができる植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態の植栽木自動検出装置の一例を示す図である。
図2】空撮画像データ入力処理部が受け付けた空撮カラー画像データの一例を説明するための図である。
図3】樹冠高画像データ作成処理部によって作成された樹冠高画像データの一例を説明するための図である。
図4】植栽木候補点検出処理部による処理の一例を説明するための図である。
図5】植栽木候補点検出処理部によって作成された植栽木候補点を含む空撮画像データである植栽木候補点検出画像データの一例を説明するための図である。
図6図5に示す植栽木候補の検出処理画像を拡大して示した図である。
図7】特徴量の抽出が行われる所定領域および特徴量の一例を説明するための図である。
図8】精度評価処理部が5分割交差検定法を用いる例を説明するための図である。
図9】精度評価処理部によって実行される推定モデルの精度評価において精度評価の高い推定モデルを検証するための一致率と誤検出率とを算定する式の一例を示す図である。
図10】植栽木推定処理部によって推定された植栽木を含む空撮画像データの一例を示す図である。
図11図10の一部などを拡大して示す図である。
図12】植栽木情報作成処理部によって作成された植栽木に関する情報の一例を示す図である。
図13】植栽木情報集計処理部によって集計された調査対象森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報の一例を示す図である。
図14】第1実施形態の植栽木自動検出装置において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図15図14のステップS50において実行される処理の一例を詳細に説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラムの実施形態について説明する。
【0025】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の植栽木自動検出装置1の一例を示す図である。
図1に示す例では、植栽木自動検出装置1が、所定の森林域において植栽木を自動検出する。詳細には、植栽木自動検出装置1は、その森林域を含むように航空機またはドローンから撮影された空撮カラー画像データに含まれる植栽木を自動検出する。植栽木自動検出装置1は、空撮画像データ前処理部11と、ノイズ除去処理部12と、植栽木候補点検出処理部13と、特徴量抽出処理部14と、植栽木検出処理部15と、植栽木情報作成処理部16と、植栽木情報集計処理部17とを備えている。
【0026】
空撮画像データ前処理部11は、森林域の空撮カラー画像データの前処理を実行することによって、前処理後空撮画像データを作成する。空撮画像データ前処理部11は、空撮画像データ入力処理部11Aと、三次元点群データ作成処理部11Bと、樹冠高画像データ作成処理部11Cとを備えている。
空撮画像データ入力処理部11Aは、上述した森林域(調査対象森林域)を含むようにドローンまたは航空機から撮影された空撮カラー画像データの入力を受け付ける。
【0027】
図2は空撮画像データ入力処理部11Aが受け付けた空撮カラー画像データの一例を説明するための図である。詳細には、図2は、ドローンから撮影された調査対象森林域の空撮カラー画像がディスプレイ(図示せず)に表示された状態を示している。
図2において、符号「AR1」および符号「AR2」で示す枠によって囲まれた範囲が、現地調査による精度検証地の植栽地の範囲を示している。符号「AR1」および符号「AR2」で示す枠内の帯状の部分(符号「HW」で示す。)は、伐採跡の林地残材をブルドーザーで集積した箇所(集積箇所)であり、広葉樹が生育している。符号「AR1」および符号「AR2」で示す枠内の集積箇所HWと集積箇所HWとの間の部分(符号「PT」で示す。)は、植栽地(植栽木が存在する可能性がある箇所)を示している。
【0028】
図1に示す例では、三次元点群データ作成処理部11Bは、空撮画像データ入力処理部11Aが受け付けた空撮カラー画像データから、三次元点群データを作成する。カラー画像データから三次元点群データを作成する技術としては、例えば下記のURLに対応する公知の技術などを用いることができる。
https://psgsv2.gsi.go.jp/koukyou/download/danmen_manual_190329.pdf
https://www.hitachicm.com/global/jp/solution-linkage/about-ict/3d-point-cloud/
https://const.fukuicompu.co.jp/constmag/info/54
【0029】
樹冠高画像データ作成処理部11Cは、三次元点群データ作成処理部11Bによって作成された三次元点群データから、前処理後空撮画像データとしての樹冠高画像データを作成する。
詳細には、樹冠高画像データ作成処理部11Cは、三次元点群データ作成処理部11Bによって作成された三次元点群データに基づいて、メッシュ化されたデジタル表層モデルデータとデジタル標高モデルデータとを作成し、メッシュごとにデジタル表層モデルデータとデジタル標高モデルデータとの差分を取ることによって、メッシュごとに樹冠高が求められた樹冠高画像データを作成する。
【0030】
あるいは、樹冠高画像データ作成処理部11Cは、国土地理院の航空レーザ測量で計測して作成された基盤地図情報(数値標高モデル)5mメッシュ(標高)を代用して、メッシュサイズを同一にする処理を行った上で、デジタル表層モデルデータと基盤地図情報(数値標高モデル)との差分を取ることによって、樹冠高画像データを作成してもよい。
【0031】
図3は樹冠高画像データ作成処理部11Cによって作成された樹冠高画像データの一例を説明するための図である。詳細には、図3は、樹冠高画像がディスプレイ(図示せず)に表示された状態を示している。
図3に示す植栽地PTは、図2に示す植栽地PTに対応している。
図3に示す例では、樹冠高画像データ作成処理部11Cが、50cmの画素ごとのメッシュ化されたデジタル表層モデルデータとデジタル標高モデルデータとを作成し、メッシュごとにデジタル表層モデルデータとデジタル標高モデルデータとの差分を取ることによって、50cm×50cmのメッシュごとに樹冠高が求められた樹冠高画像データを作成している。
【0032】
図1に示す例では、ノイズ除去処理部12が、空撮画像データ前処理部11によって作成された前処理後空撮画像データ(樹冠高画像データ)に含まれるノイズを除去することによって、ノイズ除去後空撮画像データを作成する。ノイズ除去処理部12は、画像を平滑化してノイズを除去する平均化フィルター処理を実行することにより、樹冠高画像データに含まれるノイズを除去する。
【0033】
植栽木候補点検出処理部13は、空撮画像データ前処理部11によって作成された前処理後空撮画像データ(樹冠高画像データ)と、ノイズ除去処理部12によって作成されたノイズ除去後空撮画像データとに基づいて植栽木候補点を検出し、植栽木候補点を含む空撮画像データである植栽木候補点検出画像データを作成する。
詳細には、植栽木候補点検出処理部13は、前処理後空撮画像データとしての樹冠高画像データと、ノイズ除去後空撮画像データとを重ね合わせて差分する画像間の差分処理を実行することによって、植栽木候補点を検出する。
差分処理された画像(植栽木候補点検出画像)をディスプレイに表示することによって、変化箇所が機械的に検出され、植栽木の頂点はゼロになり、植栽木候補点を検出できる。一方、植栽木候補には、植林地内に生育する広葉樹とススキなどの大形草本の雑草も含まれている。
【0034】
図4は植栽木候補点検出処理部13による処理の一例を説明するための図である。詳細には、図4(A)は前処理後空撮画像データ(樹冠高画像データ)とノイズ除去後空撮画像データとが重ね合わされた状態を示している。図4(A)において、(1)は樹冠高画像データとしての植栽木の樹冠高モデルを示しており、(2)はノイズ除去後空撮画像データとしてのノイズ除去の平均化フィルター処理を行った樹冠高補正モデルを示している。図4(B)は樹冠高モデルと樹冠高補正モデルとの差分を計算することによって作成される差分ファイル(3)を示している。図4(C)は差分ファイル(3)の値がゼロになる点(植栽木の頂点候補点)などを示している。
図4に示すように、植栽木候補点検出処理部13が、樹冠高画像データとノイズ除去後空撮画像データとを重ね合わせて差分する画像間の差分処理を行うことで、変化箇所が機械的に検出され、植栽木の頂点では差分がゼロになり、植栽木候補点を検出することができる。
【0035】
図5は植栽木候補点検出処理部13によって作成された植栽木候補点を含む空撮画像データである植栽木候補点検出画像データの一例を説明するための図である。詳細には、図5図3に示す樹冠高画像データなどに基づいて植栽木候補点検出処理部13によって作成された植栽木候補点を含む空撮画像データを示している。
つまり、図5は、実質的に、図2に示す空撮カラー画像上に、植栽木候補点がプロットされたものである。
図5に示す例では、調査対象森林域の植栽木候補の検出処理画像(植栽木候補点が空撮カラー画像上にプロットされたもの)が、ディスプレイに表示されている。
【0036】
図6図5に示す植栽木候補の検出処理画像(植栽木候補点が空撮カラー画像上にプロットされたもの)を拡大して示した図である。詳細には、図6はディスプレイに表示された植栽木候補の検出処理拡大画像を示している。
図6に示す例では、3箇所の破線円で示すように、植栽木候補点に、植林地内に生育する広葉樹とススキなどの大形草本が含まれている。
つまり、図6に示す例では、3箇所の破線円内の植栽木候補点が、植栽木を示しているのではなく、広葉樹または大形草本を示している。すなわち、植林地内に生育する広葉樹とススキなどの大形草本が、植栽木として誤検出(誤推定)されるおそれがあることがわかる。
【0037】
図1に示す例では、特徴量抽出処理部14が、植栽木候補点検出処理部13によって作成された植栽木候補点検出画像データのうちの植栽木候補点(差分がゼロの点)を含む所定領域から特徴量を抽出し、植栽木検出用データを作成する。
詳細には、特徴量抽出処理部14は、上述した所定領域としての、植栽木候補点検出処理部13によって作成された植栽木候補点検出画像データに含まれる植栽木候補点(差分がゼロの点)を中心とする半径10センチメートルの円から、特徴量を抽出する。その所定領域から抽出される特徴量には、所定領域内のRGB値、正規化RGB値および樹冠高値のそれぞれについての画素の合計、最大値、最小値、平均値、範囲、中央値、最小頻値、標準偏差、分散および多様体の統計値が含まれる。
つまり、所定領域から抽出される特徴量には、所定領域内のR値についての画素の合計、最大値、最小値、平均値、範囲、中央値、最小頻値、標準偏差、分散および多様体の統計値(10個の値)と、所定領域内のG値についての画素の合計、最大値、最小値、平均値、範囲、中央値、最小頻値、標準偏差、分散および多様体の統計値(10個の値)と、所定領域内のB値についての画素の合計、最大値、最小値、平均値、範囲、中央値、最小頻値、標準偏差、分散および多様体の統計値(10個の値)と、所定領域内の正規化R値についての画素の合計、最大値、最小値、平均値、範囲、中央値、最小頻値、標準偏差、分散および多様体の統計値(10個の値)と、所定領域内の正規化G値についての画素の合計、最大値、最小値、平均値、範囲、中央値、最小頻値、標準偏差、分散および多様体の統計値(10個の値)と、所定領域内の正規化B値についての画素の合計、最大値、最小値、平均値、範囲、中央値、最小頻値、標準偏差、分散および多様体の統計値(10個の値)と、所定領域内の樹冠高値についての画素の合計、最大値、最小値、平均値、範囲、中央値、最小頻値、標準偏差、分散および多様体の統計値(10個の値)とが含まれる。
【0038】
図7は特徴量の抽出が行われる所定領域および特徴量の一例を説明するための図である。
図7に示すように、特徴量抽出処理部14によって実行される処理では、植栽木候補の検出処理画像(植栽木候補点が空撮カラー画像上にプロットされたもの)に対し、植栽木候補点毎に、半径10センチの円が作成される。その円の中に含まれる写真画像(空撮カラー画像)の赤緑青(RGB)の計測値、RGBの正規化指数値、樹冠高値(例えば樹冠高画像データ作成処理部11Cによって算出された値)の7つのファイルのそれぞれに対して、画素の合計、最大値、最小値、平均値、範囲、中央値、最小頻値、標準偏差、分散および多様体の10の統計値が算定される。
【0039】
図1に示す例では、植栽木検出処理部15が、特徴量抽出処理部14によって作成された植栽木検出用データに基づいて、空撮カラー画像データに含まれる植栽木を検出(推定)する。植栽木検出処理部15は、データ分割処理部15Aと、推定モデル構築処理部15Bと、精度評価処理部15Cと、植栽木推定処理部15Dとを備えている。
データ分割処理部15Aは、特徴量抽出処理部14によって作成された植栽木検出用データを、植栽木の推定に用いられるデータである推定用データと、植栽木の推定モデルの構築に用いられるデータである訓練用データとに分割する。詳細には、データ分割処理部15Aは、特徴量抽出処理部14によって作成された植栽木検出用データの80%を推定用データに分割し、特徴量抽出処理部14によって作成された植栽木検出用データの20%を訓練用データに分割する。
これにより、訓練データを教師あり学習用データとして、AIプログラムでモデル構築に使用できる。また、推定データは構築した推定モデルの精度検証(性能指標)に使用できる。
【0040】
推定モデル構築処理部15Bは、訓練用データを用いた教師あり学習を実行することによって、推定モデルを構築する。詳細には、推定モデル構築処理部15Bは、訓練用データに含まれる特徴量のうち、推定モデルの性能に寄与しない特徴量を例えば1つずつ消去することによって、推定モデルを構築する。
図1に示す例では、植栽木候補の検出処理に含まれる植栽木と植栽木以外の二項目に二値分類する。例えば、特徴量70個から再帰的特徴量削減(Recursive Feature Elimination)のアルゴリズムを使用し、特徴量数が69~5までの計65個のサポートベクターマシーン(Support Vector Machine)モデルを推定モデルとして構築する。
他の例では、推定モデル構築処理部15Bが、サポートベクターマシーンモデル以外のモデルを推定モデルとして構築してもよい。
【0041】
図1に示す例では、精度評価処理部15Cが、推定モデル構築処理部15Bによって構築された推定モデルの精度評価を実行する。詳細には、精度評価処理部15Cは、訓練用データをk分割し、訓練用データの(k-1)/kを学習用データとして用い、訓練用データの1/kを検証用データとして用いる。また、精度評価処理部15Cは、学習用データと検証用データとの組み合わせを変えながら推定モデルの精度評価を実行するk分割交差検定法を用いる。
【0042】
図8は精度評価処理部15Cが5分割交差検定法を用いる例を説明するための図である。
図8に示す例では、精度評価処理部15Cが訓練用データを5分割し、学習用データと検証用データとの組み合わせを変えながら繰り返し学習を行い、推定モデル(機械学習モデル)の精度検証を行う。精度評価処理部15Cは、5分割交差検定法を用いることによって、65個のサポートベクターマシーンモデルを精度評価する。
【0043】
推定モデルの現地での精度検証には、画像上でサンプルエリアをランダムサンプリングで選択し、エリア内の植栽木が正しく判定されたか目視判読または現地調査で確認する。現地調査と目視判読の本数を正解本数、学習モデルから検出した植栽木本数をモデル検出本数、正解本数とモデル検出本数の植栽木位置が一致した本数を一致本数とする。
つまり、上述した教師あり学習では、空撮画像データと、その空撮画像データに含まれる植栽木の現地調査結果(空撮画像のどの位置に植栽木が存在するか等を示す結果)との組が、教師データ(訓練用データ)として用いられる。
【0044】
図9は精度評価処理部15Cによって実行される推定モデルの精度評価において精度評価の高い推定モデルを検証するための一致率と誤検出率とを算定する式の一例を示す図である。
図9に示す式において、正解本数は、サンプルエリア内の植栽木を目視判読と現地確認した本数である。検出本数は、学習モデル(推定モデル)から検出した植栽木の本数である。一致本数は、正解本数と検出本数の植栽木位置が一致した本数である。
【0045】
図1に示す例では、植栽木推定処理部15Dが、精度評価処理部15Cによって実行された推定モデルの精度評価の結果に基づいて選定された推定モデルである選定後推定モデルを用いることにより、推定用データ(空撮画像データ)に含まれる植栽木を推定(検出)する。詳細には、植栽木推定処理部15Dは、精度評価処理部15Cによって実行された推定モデルの精度評価において最も高い精度評価結果が得られた推定モデルである選定後推定モデルを用いることにより、推定用データ(空撮画像データ)に含まれる植栽木を推定(検出)する。
【0046】
図10および図11は植栽木推定処理部15Dによって推定(検出)された植栽木などの一例を示す図である。
詳細には、図10は植栽木推定処理部15Dによって推定(検出)された植栽木を含む空撮画像データの一例を示す図である。つまり、図10は、実質的に、図2に示す空撮カラー画像上に、植栽木推定処理部15Dによって推定(検出)された植栽木を示す点がプロットされたものである。
図11(A)は図5に示す植栽木候補点を含む空撮画像データの一部を拡大して示しており、図11(B)は図11(A)に対応する位置における、植栽木推定処理部15Dによって推定(検出)された植栽木を示す点を含む空撮画像データの一部を拡大して示している。
【0047】
図10に示す例では、調査対象森林域の植栽木の検出処理画像(植栽木を示す点が空撮カラー画像上にプロットされたもの)が、ディスプレイに表示されている。そのため、調査地全体における植栽木の検出結果を確認することができる。
図11(A)に示す例では、3箇所の破線円で示すように、植栽木候補点に、植林地内に生育する広葉樹とススキなどの大形草本が含まれている。つまり、図11(A)に示す例では、3箇所の破線円内の植栽木候補点が、植栽木を示しているのではなく、広葉樹または大形草本を示している。
一方、図11(B)に示す例では、植栽木推定処理部15Dは、3箇所の破線円内に植栽木が存在しないと推定する。つまり、植栽木推定処理部15Dは、図11(A)に示す3箇所の破線円内の植栽木候補点が、植栽木を示しているのではなく、広葉樹または大形草本を示していると推定する。
【0048】
すなわち、図11(B)に示す例では、調査対象森林域の植栽木と植栽木以外を区別することができ、植栽木のみを自動検出し、マップ化することができる。
植栽木推定処理部15D(AIプログラムの学習モデル)は、植栽木候補点に含まれている広葉樹や大形草本が植栽木ではないと推定することができ、植栽木のみを自動検出することができる。
【0049】
図1に示す例では、植栽木情報作成処理部16が、植栽木検出処理部15によって検出された植栽木に関する情報(例えばID(識別子)、立木位置、苗高などの情報)を作成する。
そのため、図1に示す例では、植栽木自動検出装置1が、植栽木のデータベースを作成することができる。植栽木に関する情報を例えば一覧表としてディスプレイに表示することによって、調査対象森林域の植栽木の資源の概要を把握することができる。
【0050】
図12は植栽木情報作成処理部16によって作成された植栽木に関する情報の一例を示す図である。
図12に示す例では、植栽木情報作成処理部16によって作成される植栽木に関する情報に、植栽木検出処理部15によって検出(推定)された植栽木のIDと、植栽木検出処理部15によって検出(推定)された植栽木の立木位置を示す情報(X座標およびY座標)と、植栽木検出処理部15によって検出された植栽木の苗高を示す情報とが含まれている。
例えばIDが「556」の植栽木では、植栽木のX座標が「-29598.1」であり、植栽木のY座標が「83922.83」であり、植栽木の苗高が「1.2702」である。例えばIDが「716」の植栽木では、植栽木のX座標が「-29593.2」であり、植栽木のY座標が「83920.23」であり、植栽木の苗高が「0.47168」である。例えばIDが「827」の植栽木では、植栽木のX座標が「-29607.7」であり、植栽木のY座標が「83918.13」であり、植栽木の苗高が「1.28333」である。
植栽木情報作成処理部16は、例えば図12に示すような植栽木に関する情報を作成するために公知の表計算ソフトを利用し、植栽木に関する情報を例えばGISデータとして出力することができる。
【0051】
図1に示す例では、植栽木情報集計処理部17が、植栽木情報作成処理部16によって作成された植栽木に関する情報であって、調査対象森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報を集計する。植栽木情報集計処理部17によって集計される調査対象森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報には、調査対象森林域に含まれるすべての植栽木の合計本数と、調査対象森林域の単位面積(例えば1ヘクタール)あたりの植栽木の本数とが含まれる。植栽木情報集計処理部17は、集計した情報をデータベースに登録する機能を有する。
【0052】
図13は植栽木情報集計処理部17によって集計された調査対象森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報の一例を示す図である。
図13に示す例では、植栽木情報集計処理部17によって集計される調査対象森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報に、調査対象森林域の面積と、調査対象森林域に含まれるすべての植栽木の合計本数と、調査対象森林域の単位面積(1ヘクタール)あたりの植栽木の本数とが含まれている。
詳細には、図13に示す例では、植栽木情報集計処理部17によって集計された調査対象森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報が、ディスプレイに表示されている。植栽木情報集計処理部17は、調査対象森林域のすべての植栽木に関する情報を集計し、植栽面積、本数、ヘクタール当たり本数、平均の苗高などの資源情報を算定し、データベースに登録することができる。
【0053】
図13に示す例のように、各植栽木の立木位置などの、調査対象森林域のすべての植栽木に関する情報がディスプレイに表示されることによって、調査対象森林域でどれだけ植栽されたのかを示す植栽木の本数、植え付け位置を正確に把握することができ、これを基にすることで、植栽計画の出来形(面積、植栽本数と植栽間隔)の判定を行うことができる。
【0054】
図14は第1実施形態の植栽木自動検出装置1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。図15図14のステップS50において実行される処理の一例を詳細に説明するためのフローチャートである。
図14および図15に示す例では、ステップS10において、空撮画像データ前処理部11が、森林域の空撮カラー画像データの前処理を実行する。
詳細には、ステップS11では、空撮画像データ入力処理部11Aが、調査対象森林域を含むように航空機またはドローンから撮影された空撮カラー画像データの入力を受け付ける。
次いで、ステップS12では、三次元点群データ作成処理部11Bが、ステップS11において受け付けられた空撮カラー画像データから、三次元点群データを作成する。
次いで、ステップS13では、樹冠高画像データ作成処理部11Cが、ステップS12において作成された三次元点群データから、前処理後空撮画像データとしての樹冠高画像データを作成する。
【0055】
次いで、ステップS20では、ノイズ除去処理部12が、ステップS10において作成された前処理後空撮画像データ(ステップS13において作成された樹冠高画像データ)に含まれるノイズを除去することによって、ノイズ除去後空撮画像データを作成する。
次いで、ステップS30では、植栽木候補点検出処理部13が、ステップS10において作成された前処理後空撮画像データ(ステップS13において作成された樹冠高画像データ)と、ステップS20において作成されたノイズ除去後空撮画像データとに基づいて植栽木候補点を検出し、植栽木候補点を含む空撮画像データである植栽木候補点検出画像データを作成する。
次いで、ステップS40では、特徴量抽出処理部14が、ステップS30において作成された植栽木候補点検出画像データのうちの植栽木候補点を含む所定領域から特徴量を抽出し、植栽木検出用データを作成する。
【0056】
次いで、ステップS50では、植栽木検出処理部15が、ステップS40において作成された植栽木検出用データに基づいて、空撮カラー画像データに含まれる植栽木を検出(推定)する。
詳細には、ステップS51では、データ分割処理部15Aが、ステップS40において作成された植栽木検出用データを、植栽木の推定に用いられるデータである推定用データと、植栽木の推定モデルの構築に用いられるデータである訓練用データとに分割する。
次いで、ステップS52では、推定モデル構築処理部15Bが、訓練用データを用いた教師あり学習を実行することによって、推定モデルを構築する。
次いで、ステップS53では、精度評価処理部15Cが、ステップS52において構築された推定モデルの精度評価を実行する。
次いで、ステップS54では、植栽木推定処理部15Dが、ステップS53において実行された推定モデルの精度評価の結果に基づいて選定された推定モデルである選定後推定モデルを用いることにより、推定用データ(空撮画像データ)に含まれる植栽木を推定(検出)する。
【0057】
次いで、ステップS60では、植栽木情報作成処理部16が、ステップS50において検出された植栽木に関する情報(例えばID、立木位置、苗高などの情報)を作成する。
次いで、ステップS70では、植栽木情報集計処理部17が、ステップS60において作成された植栽木に関する情報であって、調査対象森林域に含まれるすべての植栽木に関する情報を集計する。
【0058】
<第2実施形態>
以下、本発明の植栽木自動検出装置、植栽木自動検出方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態の植栽木自動検出装置1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の植栽木自動検出装置1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の植栽木自動検出装置1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の植栽木自動検出装置1と同様の効果を奏することができる。
【0059】
上述したように、第1実施形態の植栽木自動検出装置1では、空撮画像データ入力処理部11Aが、調査対象森林域を含むようにドローンまたは航空機から撮影された空撮カラー画像データの入力を受け付ける。
一方、第2実施形態の植栽木自動検出装置1では、空撮画像データ入力処理部11Aが、ドローンまたは航空機による上空からのレーザ計測時に、調査対象森林域を含むように撮影された空撮カラー画像データ(例えばオルソ画像を作成するために用いられる空撮カラー画像データ)の入力を受け付けてもよい。
【0060】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を組み合わせてもよい。
【0061】
なお、上述した実施形態における植栽木自動検出装置1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0062】
1…植栽木自動検出装置、11…空撮画像データ前処理部、11A…空撮画像データ入力処理部、11B…三次元点群データ作成処理部、11C…樹冠高画像データ作成処理部、12…ノイズ除去処理部、13…植栽木候補点検出処理部、14…特徴量抽出処理部、15…植栽木検出処理部、15A…データ分割処理部、15B…推定モデル構築処理部、15C…精度評価処理部、15D…植栽木推定処理部、16…植栽木情報作成処理部、17…植栽木情報集計処理部
図1
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