(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165327
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】ペットボトル保温カバー
(51)【国際特許分類】
A47J 41/02 20060101AFI20221024BHJP
F16L 59/065 20060101ALI20221024BHJP
【FI】
A47J41/02 102A
F16L59/065
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070661
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000111867
【氏名又は名称】パール金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134050
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 博孝
(72)【発明者】
【氏名】高波 久雄
【テーマコード(参考)】
3H036
4B002
【Fターム(参考)】
3H036AA09
3H036AB33
3H036AC06
4B002AA13
4B002BA59
4B002CA01
4B002CA32
(57)【要約】
【課題】
温かいペットボトル飲料を長時間保温することができるペットボトル保温カバーを提供する。
【解決手段】
ペットボトル10を出し入れするための第1開口112及びペットボトル10の飲み口を露出させるための第2開口113を備えた真空容器本体110と、第1開口112に着脱可能に構成される底部120と、を備え、真空容器本体110内に配置される真空部111を、ペットボトル10の側面側から当該ペットボトル10の飲み口へと繋がる縮径部11の上方の位置にまで延在させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料が入ったペットボトルの飲み口を露出させた状態で収容でき、真空断熱構造を備えたペットボトル保温カバーであって、
前記ペットボトルを出し入れするための第1開口及び前記ペットボトルの飲み口を露出させるための第2開口を備えた真空容器本体と、
前記第1開口に着脱可能に構成される底部と、を備え、
前記真空容器本体内に配置される真空部が、前記ペットボトルの側面側から当該ペットボトルの飲み口へと繋がる縮径部の上方の位置にまで延在している
ことを特徴とするペットボトル保温カバー。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2開口の内側には、前記ペットボトル収容時に当該ペットボトルの前記縮径部に当接できる形状の弾性部材と、当該弾性部材を前記第2開口に固定すると共に前記ペットボトルの飲み口がギリギリ通過できる貫通孔を備えたスリーブが取り付けられる
ことを特徴とするペットボトル保温カバー。
【請求項3】
請求項2において、
前記弾性部材には、リング状に形成されたハンドル部が一体成形されている
ことを特徴とするペットボトル保温カバー。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、
前記底部と前記真空容器本体とは、二条ネジによる螺号構造によって着脱可能とされている
ことを特徴とするペットボトル保温カバー。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかにおいて、
前記底部にも真空断熱構造を備える
ことを特徴とするペットボトル保温カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料が入ったペットボトルに被せて保温するカバーに関し、特に真空断熱構造を備えたペットボトル保温カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、飲料が入ったペットボトルに被せて使用する真空断熱構造を備えた保温カバーは公知である(非特許文献1を参照)。この保温カバーは有底円筒形状の本体の上部に、柔軟性を有する素材で作られたヒダ状の押さえカバーが取り付けられて構成されている。上から飲料の入ったペットボトルを差し込んで使用するものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】@BAILA ワークマン(WORKMAN)幻の大人気商品「真空保温ペットボトルホルダー」新作が登場、ペットボトル飲料を温かい&冷たいままおいしく飲めてSNSで大人気の紹介ページhttps://baila.hpplus.jp/38905/1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に記載のペットボトル保温カバーの場合、上部から熱が逃げてしまうため直ぐ冷めてしまうといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、こういった問題点を解決するべくなされたものであって、温かいペットボトル飲料を長時間保温することができるペットボトル保温カバーを提供する事をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するべく、本願発明は、飲料が入ったペットボトルの飲み口を露出させた状態で収容でき、真空断熱構造を備えたペットボトル保温カバーであって、前記ペットボトルを出し入れするための第1開口及び前記ペットボトルの飲み口を露出させるための第2開口を備えた真空容器本体と、前記第1開口に着脱可能に構成される底部と、を備え、前記真空容器本体内に配置される真空部が、前記ペットボトルの側面側から当該ペットボトルの飲み口へと繋がる縮径部の上方の位置にまで延在していることを特徴とする。
【0007】
このような構成を採用したことによって、温かいペットボトル飲料を長時間保温することが可能となった。高い断熱効果を得られる真空部を、収容するペットボトルの「肩」(飲み口に向かって縮径する部分)を覆うような位置にまで延在させることによって、熱が上方から逃げることを可能な限り防止しているのである。
【0008】
更に、前記第2開口の内側には、前記ペットボトル収容時に当該ペットボトルの前記縮径部に一周に渡って当接できる形状の弾性部材と、当該弾性部材を前記第2開口に固定すると共に前記ペットボトルの飲み口がギリギリ通過できる貫通孔を備えたスリーブが取り付けられることを特徴とする。
【0009】
このような構成を採用したことによって、第2開口とペットボトルとの隙間を極限までなくして、熱が逃げることを防止している。また、弾性部材がペットボトルの縮径部に対して一周ぐるりと取り囲むように当接するため、この部分でも熱が上方に逃げることを防止できると共に、ペットボトルの回転(キャップを捻る時などに生じる回転)を押さえ込みペットボトルのキャップ開閉操作がし易くなっている。
【0010】
また、前記弾性部材には、リング状に形成されたハンドル部が一体成形されていることを特徴とする。
【0011】
このような構成を採用したことによって、持ち運び時に当該ハンドル部に指など引っ掛けて運搬できるため便利である。また、飲み口に近い位置にハンドル部が備わることになるので安定的に保持できると共に、大袈裟な構造のハンドルが不要となるためペットボトル保温カバー全体の軽量化に寄与できる。
【0012】
また、前記底部と前記真空容器本体とは、二条ネジによる螺号構造によって着脱可能とされていることを特徴とする。
【0013】
このような構成を採用したことによって、長さの異なるペットボトルの収容を可能とすると共に、素早い着脱が可能となっている。
【0014】
また、前記底部にも真空断熱構造を備えるように構成してもよい。
【0015】
このような構成を採用したことによって、冷たい飲み物の保温にも更に高い保温効果を発揮させることが可能となる。
ことを特徴とする
【発明の効果】
【0016】
本発明を適用することで、温かいペットボトル飲料を長時間保温することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(a)が本発明の実施形態の一例であるペットボトル保温カバーの側面図、(b)が同中央断面図である。
【
図3】(a)がペットボトル(小)を収容した状態のペットボトル保温カバーの全体斜視図、(b)が同中央断面図である。
【
図5】(a)がペットボトル(大)を収容した状態のペットボトル保温カバーの全体斜視図、(b)が同中央断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例であるペットボトル保温カバー100について説明を加える。なお、図面理解容易の為、各部の大きさや寸法を誇張して表現している部分があり、実際の製品と必ずしも一致しない部分があることを付記しておく。また各図面は符号の向きに見るものとし、当該向きを基本に上下左右、手前、奥と表現する。
【0019】
〈ペットボトル保温カバーの構成〉
図1~
図3に示しているように、本発明の実施形態の一例として示すペットボトル保温カバー100は、略円筒形状の真空容器本体110と、当該真空容器本体110の下側に着脱可能な底部120とを主たる要素として構成される。
【0020】
真空容器本体110の底には、ペットボトル10を出し入れするための第1開口112が形成されると共に当該第1開口112近くの外周面には二条ネジ114が形成される。また、真空容器本体110の上部には、ペットボトル10の飲み口を露出させるための第2開口113が形成されている。また、真空容器本体110内には断熱構造としての真空部111が備わっている。
【0021】
第2開口113の内側には、例えば熱可塑性ポリウレタン(TPU)で環状に構成された弾性部材150が取り付けられた上で、当該弾性部材150を強固に固定するべく同様に環状のスリーブ160が更にその内側に取り付けられる。なお、スリーブは、例えばポリプロピレンといった硬度の高い樹脂製である。
【0022】
底部120は略有底円筒形状に構成される。内周面には真空容器本体110に形成されている二条ネジ114に螺号可能なネジ溝121が形成されている。底部120の内側には、断熱材130が配置され、その上に中底が取り付けられている。なお、図示はしていないが、底部120にも真空断熱構造を備えるような構成を採用することも可能である。
【0023】
〈ペットボトル保温カバーの作用・機能〉
ペットボトル保温カバー100の使い方は極めて簡単である。まず底部120を捻って取り外し、露出した第1開口112からペットボトル10を飲み口側から挿入する。その上で底部120を再び取り付ける。そうすると、
図3に示しているように、ペットボトル10の飲み口だけが露出してくる。
【0024】
底部120は二条ネジ114によって素早く着脱できると共に、長さの異なるペットボトル20であっても収容が可能となっている(
図3及び
図5を参照)。
【0025】
上記構成でも説明した通り、本願発明の実施形態の一例として示したペットボトル保温カバー100は、飲料が入ったペットボトル10の飲み口を露出させた状態で収容でき、真空断熱構造を備え、ペットボトル10を出し入れするための第1開口112及びペットボトル10の飲み口を露出させるための第2開口113を備えた真空容器本体110と、第1開口112に着脱可能に構成される底部120と、を備え、真空容器本体110内に配置される真空部111が、ペットボトル10の側面側から当該ペットボトル10の飲み口へと繋がる縮径部11(
図4参照)の上方の位置にまで延在するように構成されていた。
【0026】
このような構成を採用したことによって、温かいペットボトル飲料を長時間保温することが可能となっている。高い断熱効果を得られる真空部111を、収容するペットボトル10の「肩」(飲み口に向かって縮径する部分)を覆うような位置にまで延在させることによって、熱が上方から逃げることを可能な限り防止しているのである。
【0027】
更に、第2開口113の内側には、ペットボトル10収容時に当該ペットボトル10の縮径部11に弾性部材150から下方に延在している押圧部151が、飲み口の周りを囲むように一周に渡って当接し、更に、弾性部材150を第2開口113に固定すると共にペットボトル10の飲み口がギリギリ通過できる貫通孔161を備えたスリーブ160が取り付けられていた。即ち、貫通孔161の直径とペットボトル10の飲み口部分の最大径が略一致(d1)するように構成されている。
【0028】
このような構成を採用したことによって、第2開口113とペットボトルと10の隙間を極限までなくして、熱が逃げることを防止している。また、弾性部材150(の押圧部151)がペットボトル10の縮径部11に対して一周ぐるりと取り囲むように当接するため、この部分でも熱が上方に逃げることを防止できると共に、ペットボトル10の回転(キャップを捻る時などに生じる回転)を押さえ込みペットボトル10のキャップ開閉操作がし易くなっている。
【0029】
また、弾性部材150には、リング状に形成されたハンドル部152が一体成形されていた。
【0030】
このような構成を採用したことによって、持ち運び時に当該ハンドル部152に指など引っ掛けて運搬できるため便利である。また、飲み口に近い位置にハンドル部152が備わることになるので安定的に保持できると共に、大袈裟な構造のハンドルが不要となるためペットボトル保温カバー100全体の軽量化に寄与できる。
【0031】
また、底部120と真空容器本体110とは、二条ネジ114による螺号構造によって着脱可能とされていた。
【0032】
このような構成を採用したことによって、この締付けによってペットボトル10を上方に押し込むようにして安定的に保持することができる。
【符号の説明】
【0033】
10・・・ペットボトル
11・・・縮径部
100・・・ペットボトル保温カバー
110・・・真空容器本体
111・・・真空部
112・・・第1開口
113・・・第2開口
114・・・二条ネジ
120・・・底部
130・・・断熱材
140・・・中底
150・・・弾性部材
151・・・押圧部
152・・・ハンドル部
160・・・スリーブ