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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165337
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】入力システム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/00 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
B25J13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070697
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500294785
【氏名又は名称】株式会社ホンダファイナンス
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 智弘
(72)【発明者】
【氏名】吉池 孝英
(72)【発明者】
【氏名】室町 維昭
(72)【発明者】
【氏名】菅野 琢生
(72)【発明者】
【氏名】吉本 幸生
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 翔
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS26
3C707ES06
3C707JS03
3C707JU12
3C707KT01
3C707KT06
(57)【要約】
【課題】キーボードへの入力作業を遠隔地からロボットに代行させ、且つキーボードに入力された情報の漏洩を抑制する。
【解決手段】入力システムは、情報端末に対する入力のためのロボット用キーボード4と、ロボット用キーボード4に入力する入力アクチュエータ12及びロボット通信部55を備えるロボット10と、ユーザ用キーボード32及び入力されたロボット10に対する所定のキーボード入力情報をロボット10に送信する端末通信部(74、65)を備える遠隔端末60(20、30)と、ロボット用キーボード4のキー配列を所定のルールに基づいて変更するキー配列制御部43と、変更されたキー配列に基づいてキーボード入力情報をロボット用キーボード4における位置情報に変換する情報変換部51とを備える。ロボット10は、位置情報に基づいて入力アクチュエータ12を駆動し、ロボット用キーボード4にキーボード入力情報を入力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末に対する入力システムであって、
前記情報端末に対する入力のためのロボット用キーボードと、
前記ロボット用キーボードに入力する入力アクチュエータ及び、情報を通信するロボット通信部を備えるロボットと、
ユーザ用キーボード及び、前記ユーザ用キーボードに入力された前記ロボットに対する所定のキーボード入力情報を前記ロボットに送信する端末通信部を備える遠隔端末と、
前記ロボット用キーボードのキー配列を所定のルールに基づいて変更するキー配列制御部と、
変更された前記キー配列に基づいて前記キーボード入力情報を前記ロボット用キーボードにおける位置情報に変換する情報変換部とを備え、
前記ロボットが、前記位置情報に基づいて前記入力アクチュエータを駆動し、前記ロボット用キーボードに前記キーボード入力情報を入力する入力システム。
【請求項2】
前記ロボットが前記情報変換部を有し、
前記遠隔端末が、変更された前記キー配列を前記ロボットに教示するキー配列教示部を備える請求項1に記載の入力システム。
【請求項3】
前記遠隔端末が、前記情報変換部を有し、前記ロボット用キーボードにおける前記位置情報を前記ロボットに送信する請求項1に記載の入力システム。
【請求項4】
前記ロボット用キーボードのキーには割り当てられた文字又は記号が表示されていない請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の入力システム。
【請求項5】
前記ロボット用キーボードのキーには割り当てられた文字又は記号とは異なる文字又は記号が表示されている請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の入力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報端末に対する入力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットがキーボードを操作して紙文書に記載された文字情報の入力作業を行い、事務機器のオペレータが行う作業の代行を行うロボットシステムが公知である(特許文献1)。このロボットシステムでは、制御装置が、カメラにより撮影された撮影データに含まれる紙文書の入力対象の文字列を判定する文字列判定部と、入力対象の文字列の各文字に対応するキー(操作部)の位置を判定するキー位置判定部とを備える。すなわち、キー位置判定部は、予め設定され、記憶部に記憶されているキーボードの各キーの位置情報に基づき、文字列の各文字に対応するキーの位置を判定する。更に制御装置は、各文字に対応する操作部の位置に基づいてロボットアームユニットに保持された操作子ユニットが各文字の並び順にキーを操作して移動するようにロボットアームユニットを制御するロボット制御部を備える。これにより、入力対象となる文字列がキーボードを介して情報処理装置に入力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/085932号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このロボットシステムは紙文書に記載された文字情報の入力作業を行うものであり、機密性の高い文字情報の入力作業を代行させるのには適していない。例えば、ロボットに入力させる文字をロボットシステムに読み取らせるのではなく、遠隔地からロボットシステムに提供し、ロボットシステムに入力作業を代行させたい場面がある。このような場面でこのロボットシステムを利用すると、ロボットアームユニットの操作子ユニットがキーを操作する順番から、キーボードに入力された文字が読み取られ、入力された情報が漏洩する虞がある。そのため、機密性の高い情報の入力作業を代行させるには適していない。
【0005】
本発明は、このような背景に鑑み、キーボードへの入力作業を遠隔地からロボットに代行させることができ、且つキーボードに入力された情報の漏洩を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、本発明のある実施形態は、情報端末(2、3)に対する入力システムであって、前記情報端末に対する入力のためのロボット用キーボード(4)と、前記ロボット用キーボードに入力する入力アクチュエータ(12)及び、情報を通信するロボット通信部(55)を備えるロボット(10)と、ユーザ用キーボード(32)及び、前記ユーザ用キーボードに入力された前記ロボットに対する所定のキーボード入力情報を前記ロボットに送信する端末通信部(74、65)を備える遠隔端末(60(20、30))と、前記ロボット用キーボードのキー配列を所定のルールに基づいて変更するキー配列制御部(43)と、変更された前記キー配列に基づいて前記キーボード入力情報を前記ロボット用キーボードにおける位置情報に変換する情報変換部(51、68)とを備え、前記ロボットが、前記位置情報に基づいて前記入力アクチュエータを駆動し、前記ロボット用キーボードに前記キーボード入力情報を入力する。
【0007】
この構成によれば、ユーザは遠隔地にてユーザ用キーボードに入力することで、ロボットを操作してロボット用キーボードを介して情報端末に所望の入力情報を入力することができる。このとき、ロボット用キーボードのキー配列が所定のルールに基づいて変更されるため、入力アクチュエータがキーを操作する順番が読み取られても、入力された情報は読み取られない。これにより、ロボット用キーボードに入力された情報の漏洩が抑制される。
【0008】
好ましくは、前記ロボットが前記情報変換部(51)を有し、前記遠隔端末が、変更された前記キー配列を前記ロボットに教示するキー配列教示部(64)を備えるとよい。
【0009】
この構成によれば、遠隔端末がキー配列とキーボード入力情報とを端末通信部からロボットに送信することで、ロボットの情報変換部にてキーボード入力情報がロボット用キーボードにおける位置情報に変換される。
【0010】
或いは、前記遠隔端末が、前記情報変換部(68)を有し、前記ロボット用キーボードにおける前記位置情報を前記ロボットに送信してもよい。
【0011】
この構成によれば、遠隔端末がキーボード入力情報をロボット用キーボードにおける位置情報に変換し、変換された位置情報を端末通信部からロボットに送信することで、ロボットが位置情報を直接受信する。
【0012】
好ましくは、前記ロボット用キーボードのキーには割り当てられた文字又は記号が表示されていないとよい。
【0013】
この構成によれば、入力アクチュエータがキーを操作する順番が読み取られても、キーに文字又は記号が表示されていないため、ロボット用キーボードに入力されたキーボード入力情報は読み取られない。
【0014】
或いは、前記ロボット用キーボードのキーには割り当てられた文字又は記号とは異なる文字又は記号が表示されていてもよい。
【0015】
この構成によれば、入力アクチュエータがキーを操作する順番が読み取られても、キーに表示された文字又は記号と実際に操作されたときに割り当てられている文字又は記号とが一致しないため、ロボット用キーボードに入力されたキーボード入力情報は読み取られない。
【発明の効果】
【0016】
このように本発明によれば、キーボードへの入力作業を遠隔地からロボットに代行させることができ、且つキーボードに入力された情報の漏洩を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る情報管理システムの構成図
図2】第1実施形態に係る情報管理システムの機能ブロック図
図3】情報管理データベースの例を示す図
図4】アクセス履歴データベースの例を示す図
図5】第2実施形態に係る情報管理システムの機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0019】
≪第1実施形態≫
まず、図1図4を参照して本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る情報管理システム1の構成図である。情報管理システム1は、例えば、自治体や企業、団体等によって管理される情報を管理するためのシステムであり、本実施形態では企業の情報を管理するために用いられる。
【0020】
図1に示すように、情報管理システム1は、情報を電子的に記憶する企業サーバ2と、企業サーバ2にアクセスするためのアクセス用端末3とを有している。アクセス用端末3には、企業サーバ2にアクセスするための情報を入力するための入力装置としてロボット用キーボード4が接続されている。またアクセス用端末3には、企業サーバ2にアクセスして企業サーバ2から受信した情報を表示する情報表示装置としてのディスプレイ5が接続されている。
【0021】
ロボット用キーボード4は物理的なキーボードであってもよく、仮想キーボードであってもよい。仮想キーボードは、レーザー等の可視光線を用いた2次元又は3次元の可視キーボードや、不可視キーボードであってよい。ロボット用キーボード4のキーには、汎用キーボードに対応する文字や記号が表示されていてもよく、文字や記号が表示されていなくてもよい。
【0022】
アクセス用端末3は、設定時やメンテナンス時などを除き、企業に所属する者であっても入室が認められない、人がいない専用の部屋に配置される。この部屋は、企業サーバ2が保管されている部屋と同じ部屋にあってもよく、異なる部屋にあってもよい。
【0023】
ロボット用キーボード4のそばには、ロボット用キーボード4に対する入力操作を行うためのロボット10が配置されている。ロボット10は、ロボット用キーボード4のそばに固定されており、ロボット用キーボード4に対する入力操作を行う入力アクチュエータ12を備えている。本実施形態では、入力アクチュエータ12は、人の手と同様の構成をしており、左右のアーム13と、各アーム13の先端に設けられ、キーへの入力操作子をなす複数のフィンガー14とを有している。またロボット10は、ディスプレイ5の画面を撮影する撮像装置としてカメラ15を備えている。本実施形態では、カメラ15は、ロボット10の入力アクチュエータ12と一体的且つ固定的に設けられている。
【0024】
他の実施形態では、カメラ15がロボット10の入力アクチュエータ12から離れて設けられてもよく、可動に設けられてもよい。
【0025】
また情報管理システム1は、企業の管理者によって管理される管理者端末20と、企業の従業員や顧客などのユーザによって操作される複数のユーザ端末30(30A、30B、30C)とを備えている。管理者端末20は、ロボット10及び複数のユーザ端末30(30A、30B、30C)のそれぞれと通信ネットワーク40を介して通信可能に構成されており、ロボット10とユーザ端末30の間に介在する。
【0026】
通信ネットワーク40は、通信プロトコルTCP/IPを用いたIP網であって、種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、CDMA2000などの第3世代(3G)、LTEなどの第4世代(4G)及び第5世代(5G)等の通信方式の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワーク)を相互に接続して構築される分散型のIP網である。このIP網には、10BASE-Tや100BASE-TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
【0027】
ユーザ端末30(30A、30B、30C)は、情報処理機能を備えた装置であればよく、汎用的なコンピューターや、専用の装置であってよい。図示例では、第1ユーザ端末30A及び第2ユーザ端末30Bは専用の装置により構成されており、第3ユーザ端末30Cは汎用的なコンピューターにより構成されている。
【0028】
各ユーザ端末30は、通信ネットワーク40上のアドレスとしてMACアドレス(Media Access Control addres)を有している。MACアドレスは端末ごとに付与されている。また、各ユーザ端末30は、所定のアプリケーションプログラムをインストールされており、アプリケーションプログラムを実行することで所定の処理を実行する。第1ユーザ端末30A及び第2ユーザ端末30Bは共通の構成を有している。以下、第2ユーザ端末30Bの説明は適宜省略する。
【0029】
第1ユーザ端末30Aは、情報処理機能を備えたユーザ制御装置31Aと、ユーザ制御装置31Aと通信可能な入力装置としてのユーザ用キーボード32A及び、表示装置或いは表示部としてのユーザ用ディスプレイ33Aとを備えている。第1ユーザ端末30Aには、携帯用情報記録媒体に情報を記録するための情報記録部は設けられていない。
【0030】
ユーザ制御装置31Aには、ユーザIDカード34を装着するためのID装着部35Aが設けられている。ユーザIDカード34は、企業の従業員に対して配布された個人認証用の端末であり、他人に貸与できないものとして各ユーザによって管理される。ユーザIDカード34にはユーザの氏名、所属、ユーザID等のユーザに関する情報が格納されている。ID装着部35Aは、ユーザIDカード34から情報を取得可能な構成であればよく、本実施形態ではユーザIDカード34を挿入可能なスロット及びスロットの奥に配置された情報取得器(後述するユーザID読取部71)により構成されている。ID装着部35Aは、情報取得器の近傍に形成されたカード置き場として構成されてもよい。
【0031】
ユーザ用キーボード32Aは、汎用的なキーボードであり、有線又は無線により通信可能にユーザ制御装置31Aと接続されている。ユーザ用ディスプレイ33Aは、ユーザの頭部に装着されるように構成されたヘッドマウントディスプレイであり、有線又は無線により通信可能にユーザ制御装置31Aと接続されている。ユーザ制御装置31AにID装着部35Aが設けられる代わりに、ユーザ用ディスプレイ33AにID装着部35Aが設けられてもよい。
【0032】
第3ユーザ端末30Cは、情報処理機能を備えたノート型コンピューターであり、ユーザ用キーボード32C及びユーザ用ディスプレイ33Cを備えている。また、第3ユーザ端末30CはUSBポート等の出入力インターフェースを有している。第3ユーザ端末30Cは、USBメモリやCD/DVD/ブルーレイディスク等の携帯用情報記録媒体に情報を記録するための情報記録部を備えているが、上記アプリケーションプログラムの実行中には携帯用情報記録媒体への情報の記録ができないように構成されている。
【0033】
第3ユーザ端末30Cは企業から企業の従業員に貸与されており、貸与された従業員(ユーザ)により他人に貸与できないものとして管理される。或いは、ユーザIDカード34から情報を取得可能な図示しない情報取得器が出入力インターフェース介して第3ユーザ端末30Cに接続されており、ユーザIDカード34を有する複数のユーザが第3ユーザ端末30Cを使用できてもよい。
【0034】
図2は第1実施形態に係る情報管理システム1の機能ブロック図である。図2に示すように、企業サーバ2は、所定の情報の集合体であるデータベース41を備えている。データベース41には、企業が扱う製品やサービス、顧客等に関する様々な情報が含まれている。
【0035】
アクセス用端末3は、機能部として、表示制御部42、キー配列制御部43及び入力変換部44を備えている。表示制御部42は、ディスプレイ5の表示を制御する。より具体的には、表示制御部42は企業サーバ2のデータベース41から取得した情報を画像として表示するようにディスプレイ5を制御する。キー配列制御部43は、ロボット用キーボード4のキー配列を制御する。ここで、キー配列とは、ロボット用キーボード4に配列された複数のキーと、各キーに割り当てられた文字又は記号との対応関係を意味する。キー配列制御部43は、ロボット用キーボード4のキー配列を所定のルールに基づいて変更する。入力変換部44は、ロボット用キーボード4に入力されたキー操作信号を、キー配列に基づいて文字又は記号に変換する。これにより、キーボード入力(操作されたキーに割り当てられた文字又は記号、或いは文字又は記号を時系列に並べて得られる文字列)が取得される。
【0036】
アクセス用端末3は、ロボット用キーボード4に入力されたキーボード入力情報を企業サーバ2に送信し、キーボード入力情報に応じて企業サーバ2のデータベース41から取得される情報をディスプレイ5に表示する。
【0037】
ロボット10は、入力アクチュエータ12及びカメラ15に加え、ロボット制御部50を備えている。ロボット制御部50は、CPU、ROM、RAM、周辺回路、入出力インターフェース、各種ドライバ等から構成された電子処理装置である。ロボット制御部50は、CPUがROMに記録されたプログラムを読み込み、プログラムに従って電子演算処理を行って各種制御を実行する。ロボット制御部50は、機能部として、情報変換部51、アクチュエータ制御部52、撮像制御部53、閲覧請求複合化部54及びロボット通信部55を備えている。
【0038】
ロボット通信部55は、通信ネットワーク40を介して管理者端末20と通信し、情報の授受を行う。ロボット通信部55は、管理者端末20から送信される、暗号化された状態の閲覧請求を受信する。閲覧請求は、企業サーバ2の情報の中からユーザがユーザ端末30に入力することで特定した情報を閲覧のために表示することを請求する信号である。またロボット通信部55は、管理者端末20から送信される、ロボット用キーボード4のキー配列を受信する。
【0039】
ロボット通信部55が暗号化された閲覧請求を受信すると、閲覧請求複合化部54がこの暗号された閲覧請求を複合化することにより、ユーザがユーザ端末30に入力した情報であるキーボード入力情報を取得する。閲覧請求複合化部54がキーボード入力情報を取得すると、情報変換部51はキーボード入力情報をロボット用キーボード4における位置情報に変換する。具体的には、情報変換部51は変更されたキー配列に基づいてキーボード入力情報をロボット用キーボード4における位置情報(文字又は記号に対応するキー位置の情報)に変換する。
【0040】
アクチュエータ制御部52は、情報変換部51によってキーボード入力情報から変換された位置情報に基づいて入力アクチュエータ12を制御する。より詳細には、アクチュエータ制御部52は、位置情報に対応するキーを文字列の順番に従って押し下げ操作するように入力アクチュエータ12を制御する。
【0041】
これにより、アクセス用端末3が企業サーバ2にアクセスし、キーボード入力情報によって閲覧を請求した情報をデータベース41から取得してディスプレイ5に表示する。
【0042】
撮像制御部53は、アクセス用端末3のディスプレイ5に表示される画面を撮像するようにカメラ15を制御する。カメラ15はディスプレイ5に表示される情報を画像情報として取得する。カメラ15によって画像情報が取得されると、ロボット制御部50は画像情報をロボット通信部55から通信ネットワーク40を介して管理者端末20に送信する。
【0043】
管理者端末20及び複数のユーザ端末30は、アクセス用端末3及びロボット10が配置された部屋とは異なる位置、すなわち遠隔地に存在しており、遠隔地からロボット10を操作することでアクセス用端末3を操作する遠隔端末60を構成する。
【0044】
管理者端末20は、機能部として、管理データベース61、許可判定部62、暗号化部63、キー配列教示部64及び管理通信部65を備えている。管理データベース61は、図3に示される情報管理データベース66及び図4に示されるアクセス履歴データベース67を備えている。
【0045】
図3に示されるように、情報管理データベース66は、企業サーバ2のデータベース41に記録された各情報に割り当てられた情報IDと、その情報IDに係る情報の保存場所と、その情報IDに係る情報に対し閲覧を許可されたユーザ、すなわちその情報の閲覧権限を有するユーザのユーザIDとを含んでいる。言い換えれば、管理者端末20は、各ユーザに割り当てられたユーザIDと、各情報に割り当てられた情報IDとを、閲覧許可情報によって互いに関連付けて情報管理データベース66に記憶している。
【0046】
図4に示されるように、アクセス履歴データベース67は、情報IDと、その情報IDに係る情報の保存場所と、その情報IDに係る情報にアクセスした日時と、その情報IDに係る情報へのアクセスを請求したユーザ(以下、請求ユーザという)のユーザIDと、その情報IDに係る情報を同時に閲覧した請求ユーザ以外のユーザ(以下、同時閲覧ユーザという)のユーザIDとを含んでいる。ここで、「情報へのアクセス」とは、閲覧のために情報を表示させること意味する。よって、上記の閲覧請求は、閲覧を請求する情報の情報ID及び請求ユーザのユーザIDに加え、同時閲覧ユーザのユーザIDを含むことがある。つまり、1つのアクセス記録において、同時閲覧ユーザがいる場合といない場合とがある。同時閲覧ユーザは一人に限られるものではなく、複数人であってもよい。
【0047】
アクセス履歴データベース67は、上記の情報の他に、請求ユーザのユーザID及び閲覧ユーザのユーザIDに関連付けて、これらのユーザが情報閲覧に使用したユーザ端末30のMACアドレスを含んでいてもよい。
【0048】
管理通信部65は、通信ネットワーク40を介して各ユーザ端末30及びロボット10と通信し、情報の授受を行う。管理通信部65は、各ユーザ端末30から送信される閲覧請求を受信する。管理通信部65が閲覧請求を受信すると、管理者端末20の許可判定部62が管理データベース61の情報管理データベース66を参照し、閲覧請求の対象情報について、請求ユーザ及び、いる場合には同時閲覧ユーザに、閲覧権限が有るか否かを判定する。請求ユーザ及び同時閲覧ユーザの少なくとも一人に閲覧権限がない場合、管理者端末20はその旨のエラー表示を行うべく、閲覧請求を送信したユーザ端末30に向けて管理通信部65からエラー信号を送信する。
【0049】
請求ユーザ及び、いる場合には同時閲覧ユーザの全員に閲覧権限がある場合、管理者端末20は暗号化部63において閲覧請求を暗号化し、暗号化された閲覧請求を管理通信部65からロボット制御部50に向けて送信する。キー配列教示部64は、ロボット用キーボード4のキー配列をロボット10に教示すべく管理通信部65からロボット10に向けて送信する。本実施形態では、管理者端末20は暗号化部63においてキー配列を暗号化し、暗号化されたキー配列を管理通信部65からロボット制御部50に向けて送信する。
【0050】
また管理者端末20は、ロボット制御部50から送信されたカメラ15による画像情報を管理通信部65にて受信すると、請求ユーザのユーザIDに係るユーザ端末30及び、閲覧権限を有する許可された閲覧ユーザのユーザIDに係るユーザ端末30に画像情報を送信する。本実施形態では、管理者端末20は、暗号化部63において画像情報を暗号化し、暗号化された画像情報を管理通信部65からユーザ端末30に向けて送信する。
【0051】
第1ユーザ端末30A及び第2ユーザ端末30Bは、機能部として、ユーザID読取部71、画像複合化部72、画像表示制御部73及び端末通信部74を備えている。図示省略するが、第3ユーザ端末30Cは、ユーザID読取部71を備えていない場合がある。この場合は、第3ユーザ端末30Cは所定の従業員の専用端末とされており、図3の情報管理データベース66には、閲覧権限を有するユーザのユーザIDに関連付けて第3ユーザ端末30CのMACアドレスが記録されている。或いは、第3ユーザ端末30Cが上記のように出入力インターフェース介して外付けされたユーザID読取部71を備えていてもよい。
【0052】
ユーザID読取部71は、ID装着部35A(図1参照)に装着されたユーザIDカード34からユーザIDを含むユーザの情報を読み取る。端末通信部74は、通信ネットワーク40を介して管理者端末20と通信し、情報の授受を行う。端末通信部74は、ユーザID読取部71が読み取ったユーザの情報及びユーザ用キーボード32に入力されたキーボード入力情報を管理者端末20に送信する。また、端末通信部74は、管理者端末20から送信された暗号化された画像情報を受信する。
【0053】
ユーザ端末30は、端末通信部74にて暗号化された画像情報を受信すると、画像複合化部72にて画像情報を複合化し、画像表示制御部73にてユーザ用ディスプレイ33を制御して画像情報をユーザ用ディスプレイ33に表示する。ユーザはユーザ用ディスプレイ33に表示された画像情報から、自身が請求した情報を視覚情報としてユーザ用ディスプレイ33から取得することができる。
【0054】
情報管理システム1は以上のように構成されている。次に、情報管理システム1の使用方法について説明する。
【0055】
ユーザIDカード34を所持するユーザは、第1ユーザ端末30A又は第2ユーザ端末30Bを用いて、以下のように企業サーバ2から情報を遠隔的に取得することができる。まず、ユーザはユーザIDカード34をID装着部35(図1参照)に装着する。ユーザIDカード34がID装着部35に装着されると、ユーザID読取部71がユーザIDカード34からユーザIDを含むユーザの情報を読み取り、ユーザIDを認証する。ユーザ端末30により認証された状態で、ユーザがユーザ用キーボード32に閲覧を請求する情報の情報IDを入力すると、ユーザID、MACアドレス及び情報IDを含む閲覧請求が管理者端末20を介してロボット10に送られる。ロボット10が閲覧請求に従ってロボット用キーボード4に閲覧請求を入力すると、アクセス用端末3が企業サーバ2から閲覧請求に係る情報を取得してディスプレイ5に表示する。ロボット10はディスプレイ5に表示された画面をカメラ15にて撮像して画像情報を取得し、管理者端末20を介してユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30は受信した画像情報をユーザ用ディスプレイ33に表示する。これにより、ユーザは閲覧請求した情報を視覚情報として取得することがきる。
【0056】
また、第3ユーザ端末30Cを貸与されているユーザは、第3ユーザ端末30Cを用いて、企業サーバ2から情報を遠隔的に取得することもできる。この場合、ユーザがユーザ用キーボード32に閲覧を請求する情報の情報IDを入力すると、MACアドレス及び情報IDを含む閲覧請求が管理者端末20を介してロボット10に送られる。それ以降は第1ユーザ端末30Aの場合と同じである。具体的には、ロボット10が閲覧請求に従ってロボット用キーボード4に閲覧請求を入力すると、アクセス用端末3が企業サーバ2から閲覧請求に係る情報を取得してディスプレイ5に表示する。ロボット10はディスプレイ5に表示された画面をカメラ15にて撮像して画像情報を取得し、管理者端末20を介して第3ユーザ端末30Cに送信する。第3ユーザ端末30Cは受信した画像情報をユーザ用ディスプレイ33Cに表示する。これにより、ユーザは閲覧請求した情報を視覚情報として取得することがきる。
【0057】
また、ユーザは、ユーザ端末30を用いて企業サーバ2から情報を遠隔的に取得する際に、自身が扱うユーザ端末30だけでなく、他のユーザが扱うユーザ端末30にも閲覧請求した情報の画像情報をユーザ用ディスプレイ33に表示させることができる。例えば、ユーザは、第1ユーザ端末30Aのユーザ用キーボード32Aに閲覧を請求する情報の情報IDを入力すると共に、同時に閲覧させたい同時閲覧ユーザのユーザIDを入力する。同時閲覧ユーザのユーザIDは1つであってもよく、複数であってもよい。このとき、同時閲覧ユーザは、第2ユーザ端末30BにユーザIDカード34を用いてユーザIDを認証させている。これにより、ロボット10が管理者端末20に送った画像情報は、管理者端末20から閲覧請求をしたユーザIDを認証する第1ユーザ端末30A及び、閲覧請求に含まれる同時閲覧ユーザのユーザIDを認証する第2ユーザ端末30Bに同時に送られる。このように、閲覧請求行うユーザが扱う第1ユーザ端末30Aはマスタユーザ端末として機能し、同時閲覧ユーザが画像情報の閲覧のために扱う第2ユーザ端末30Bはスレーブユーザ端末として機能する。
【0058】
次に、このように構成された情報管理システム1の作用効果について説明する。
【0059】
上記のように、情報管理システム1は、ロボット10、ユーザ端末30及び管理者端末20を備え、ロボット10は、情報を画像情報として取得するカメラ15及び画像情報を送信するロボット通信部55を備える。一方、ユーザ端末30は、提供されるべき情報の閲覧請求をユーザから受け付けるユーザ用キーボード32、閲覧請求を送信し、画像情報を受信する端末通信部74、及び、画像情報を表示するユーザ用ディスプレイ33を備えている。そのため、ユーザはユーザ用キーボード32に提供して欲しい情報の閲覧請求を入力することで、ロボット10を操作し、カメラ15が取得してロボット通信部55から送信される画像情報を、ユーザ用ディスプレイ33に表示させることができる。これにより、閲覧請求の対象情報が画像情報としてユーザに提供される。一方、ユーザ端末30はユーザ用キーボード32が受け付けた閲覧請求をロボット10に送信することでロボット10を遠隔的に操作できる一方、企業サーバ2に直接アクセスすることができない。また、ロボット10と企業サーバ2とは直接接続していない。そのため、企業サーバ2からの情報漏洩が抑制される。更に、遠隔操作されたロボット10は、企業サーバ2に記録された情報そのものを取得して送信するのではなく、情報をカメラ15によって画像情報として取得し、画像情報を送信する。そのため、情報の拡散が抑制される。
【0060】
図1に示すように、ロボット10は、企業サーバ2にアクセスするための入力を受け付けるロボット用キーボード4に対し、閲覧請求の対象情報を取得するべくキー入力する入力アクチュエータ12を備える。すなわち、企業サーバ2にアクセスするためのロボット用キーボード4は、ユーザ端末30によって操作されるロボット10の入力アクチュエータ12によって操作され、ユーザによって直接操作されない。そのため、企業サーバ2からの情報漏洩が抑制される。
【0061】
第1ユーザ端末30A及び第2ユーザ端末30Bのユーザ用ディスプレイ33は、ユーザの頭部に装着されるように構成されたヘッドマウントディスプレイである。そのため、ユーザ用ディスプレイ33に表示された情報がユーザ以外の者に見られることによる情報漏洩が抑制される。
【0062】
図2を参照して説明したように、管理者端末20は、閲覧請求を暗号化部63にて暗号化した後にロボット10に送信し、画像情報を暗号化部63にて暗号化した後にユーザ端末30に送信する。そして、ロボット10は、暗号化された閲覧請求を閲覧請求複合化部54にて複合化し、ユーザ端末30は、暗号化された画像情報を画像複合化部72にて複合化する。このように、ロボット10に対する閲覧請求や、ロボット10からの情報を含む画像情報が暗号化されるため、信号が傍受されたとしてもこれら情報の漏洩が抑制される。
【0063】
図3に示すように、管理者端末20は、各ユーザに割り当てられたユーザIDと、各情報に割り当てられた情報IDとを、閲覧許可情報によって互いに関連付けて記憶する管理データベース61を備える。そして管理者端末20は、ユーザ端末30から受信するユーザIDに基づいて管理データベース61を検索し、このユーザIDに閲覧許可された情報に対する閲覧請求のみをロボット10に送信する。これにより、閲覧許可がない情報に対するユーザからの閲覧請求を遮断することができる。
【0064】
また、マスタユーザ端末として機能する第1ユーザ端末30Aは、情報の閲覧請求を行うためのマスタ入力装置としてのユーザ用キーボード32A及び、画像情報を表示するためのマスタ表示装置としてのユーザ用ディスプレイ33Aを備える。スレーブユーザ端末として機能する第2ユーザ端末30Bは、画像情報を表示するためのスレーブ表示装置としてのユーザ用ディスプレイ33Bを備える。そして管理者端末20は、図3に示すように情報に閲覧権限を設定しており、閲覧権限の範囲内で、マスタユーザ端末からの閲覧請求に応じ、画像情報をマスタユーザ端末のユーザ用ディスプレイ33A及びスレーブユーザ端末のユーザ用ディスプレイ33Bに表示させる。これにより、カメラ15によって撮像された画像情報が、マスタユーザ端末のユーザ及びスレーブユーザ端末のユーザに視覚的に提供される。また、マスタユーザ端末からの閲覧請求に応じ、管理者端末20が閲覧権限の範囲内で画像情報をマスタユーザ端末のユーザ用ディスプレイ33A及びスレーブユーザ端末のユーザ用ディスプレイ33Bに表示させるため、権限のない端末に対する情報漏洩が抑制される。
【0065】
図1に示すように、カメラ15は自律的に動作可能なロボット10に搭載されている。そのため、ロボット10は自律的に動作することにより、必要な情報をカメラ15で撮像し、画像情報をマスタユーザ端末及びスレーブユーザ端末の各ユーザ用ディスプレイ33に表示させることができる。
【0066】
また、スレーブユーザ端末である第2ユーザ端末30Bは、画像情報を記憶するための記憶装置を備えていない。これにより、画像情報が記録されないため、画像情報に含まれる情報の漏洩がより一層抑制される。
【0067】
マスタ端末及びスレーブ端末の各ユーザ用ディスプレイ33は、ユーザの頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイである。そのため、マスタ端末及びスレーブ端末の各ユーザ用ディスプレイ33に表示された画像情報が閲覧権限を有しない人に見られることによる情報漏洩が抑制される。
【0068】
管理者端末20の管理データベース61は、図3に示すように、マスタユーザ端末及びスレーブユーザ端末を含むユーザ端末30のそれぞれに割り当てられたユーザIDと、情報に割り当てられた情報IDとを、閲覧許可情報によって互いに関連付けて記憶する。そして管理者端末20は、閲覧請求に含まれるユーザIDに基づいて管理データベース61を検索し、当該ユーザIDに閲覧許可された情報の画像情報のみを対応するユーザ端末30に送信する。このように管理者端末20が、管理データベース61を検索することで情報に対する閲覧権限の有無をユーザ端末30ごとに判定することで、閲覧権限のないユーザ端末30に画像情報を送信することが防止される。
【0069】
図1及び図2に示すように、ロボット用キーボード4と、ロボット10と、管理者端末20及びユーザ端末30からなる遠隔端末60は、情報端末である企業サーバ2及びアクセス用端末3に対する入力システムを構成する。ロボット10は、ロボット用キーボード4に入力する入力アクチュエータ12及び、情報を通信するロボット通信部55を備える。遠隔端末60は、ユーザ用キーボード32及び、ユーザ用キーボード32に入力されたロボット10に対する所定のキーボード入力情報をロボット10に送信する端末通信部74及び管理通信部65を備える。
【0070】
そしてアクセス用端末3のキー配列制御部43が、ロボット用キーボード4のキー配列を所定のルールに基づいて変更し、ロボット10の情報変換部51が、変更されたキー配列に基づいてキーボード入力情報をロボット用キーボード4における位置情報に変換する。これにより、ロボット10が、位置情報に基づいて入力アクチュエータ12を駆動し、ロボット用キーボード4にキーボード入力情報を入力する。入力システムがこのように構成されていることにより、ユーザは遠隔地にてユーザ用キーボード32に入力することでロボット10を操作してロボット用キーボード4を介してアクセス用端末3に所望の入力情報を入力することができる。このとき、ロボット用キーボード4のキー配列が所定のルールに基づいて変更されるため、入力アクチュエータ12がキーを操作する順番が読み取られても、入力された情報は読み取られない。これにより、ロボット用キーボード4に入力された情報の漏洩が抑制される。
【0071】
ロボット10が情報変換部51を有し、遠隔端末60が、変更されたキー配列をロボット10に教示するキー配列教示部64を備える。これにより、遠隔端末60がキー配列とキーボード入力情報とを管理通信部65からロボット10に送信することで、ロボット10の情報変換部51にてキーボード入力情報がロボット用キーボード4における位置情報に変換される。
【0072】
上記のように、ロボット用キーボード4のキーには割り当てられた文字又は記号が表示されていなくてよい。この構成により、入力アクチュエータ12がキーを操作する順番が読み取られても、キーに文字又は記号が表示されていないため、ロボット用キーボード4に入力されたキーボード入力情報は読み取られない。
【0073】
或いは、ロボット用キーボード4のキーには割り当てられた文字又は記号とは異なる文字又は記号が表示されていてもよい。例えば、上記のようにロボット用キーボード4のキーに汎用キーボードに対応する文字や記号が表示されている場合や、実際のキー配列とは異なる文字や記号が表示される場合である。この構成によっても、入力アクチュエータ12がキーを操作する順番が読み取られても、キーに表示された文字又は記号と実際に操作されたときに割り当てられている文字又は記号とが一致しないため、ロボット用キーボード4に入力されたキーボード入力情報は読み取られない。
【0074】
≪第2実施形態≫
次に、図5を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と形態又は機能が同一又は同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図5は、第2実施形態に係る情報管理システム1の機能ブロック図を示している。
【0075】
本実施形態では、ロボット10が情報変換部51を備えておらず、閲覧請求複合化部54の代わりに位置情報複合化部56を備えている。また、管理者端末20がキー配列教示部64の代わりに情報変換部68を備えている。管理者端末20の情報変換部68は、所定のルールに基づいて変更されるロボット用キーボード4のキー配列データ69を備えており、ユーザ端末30から送られるキーボード入力情報をキー配列に従ってロボット用キーボード4における位置情報に変換する。管理者端末20は、情報変換部68によって変換された位置情報を暗号化部63にて暗号化し、暗号化された位置情報を管理通信部65からロボット制御部50に向けて送信する。
【0076】
このように本実施形態では、遠隔端末60の管理者端末20が情報変換部68を有し、ロボット用キーボード4における位置情報をロボット10に送信する。ロボット10は、キーボード入力情報ではなくロボット用キーボード4における位置情報を直接受信する。ロボット制御部50の位置情報複合化部56は、管理者端末20から受信した暗号化された位置情報を複合化する。アクチュエータ制御部52は、複合化された位置情報に基づいて入力アクチュエータ12を制御する。
【0077】
アクセス用端末3に対する入力システムがこのように構成されていても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0078】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、処理手順など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更することができる。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 :情報管理システム
2 :企業サーバ(情報端末)
3 :アクセス用端末(情報端末)
4 :ロボット用キーボード
5 :情報表示装置
10 :ロボット
12 :入力アクチュエータ
15 :カメラ
20 :管理者端末(遠隔端末)
30(30A、30B、30C) :ユーザ端末(遠隔端末)
32(32A、32B、32C) :ユーザ用キーボード
43 :キー配列制御部
55 :ロボット通信部
60 :遠隔端末
64 :キー配列教示部
65 :管理通信部(端末通信部)
74 :端末通信部
図1
図2
図3
図4
図5