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  • 特開-エアーゲート装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165354
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】エアーゲート装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 9/00 20060101AFI20221024BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20221024BHJP
【FI】
F24F9/00 F
F24F9/00 K
F24F8/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070723
(22)【出願日】2021-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】320012510
【氏名又は名称】光愛技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】小林 勲
(57)【要約】
【課題】 対面者等への飛沫感染等を防止するため、下方から上方へ一方方向の強制的な気流を起こして飛沫等を遮断する一方、その飛沫等に含まれるウイルス・細菌を除去して安全・安心なクリーンエアーに生成するエアーゲート装置を提供することにある。
【解決手段】 エアーを吹き出す吹出部4と、吹出部4の上方に位置して吹出部4から吹き出されたエアー10を吸い込む吸込部5と、を備えてエアーの流通によるエアーカーテンを形成するコ字形の本体からなるエアーゲート装置である。エアーを流通させる送風機1及びエアークリーン部材2,3を本体以外のセパレート体に備えるとともに、3本の送風ダクトを、本体の左柱6に備えることを特徴とした。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアーを吹き出す吹出部と、吹出部の上方に位置して吹出部から吹き出されたエアーを吸い込む吸込部と、を備えてエアーの流通によるエアーカーテンを形成するコ字形の本体からなるエアーゲート装置であって、
吹出部及び吸込部にエアーを流通させる送風機と、流通させたエアーに含まれるウイルス・細菌を除去してクリーンなエアーにするエアークリーン部材と、を備えて、
流通させたエアーを循環させることを特徴としたエアーゲート装置。
【請求項2】
エアーを流通させる送風機及びエアークリーン部材を本体以外のセパレート体に備えることを特徴とした請求項1記載のエアーゲート装置。
【請求項3】
セパレート体から流通されるエアーを本体の左右に設けられた吹出部から均等に吹き出せるよう2本の送風ダクトと本体の上部に設けられた吸込部から吸い込んだエアーをセパレート体へ送風する1本の送風ダクトの計3本の送風ダクトを、本体の左右どちらかの柱部に備えることを特徴とした請求項2記載のエアーゲート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、対面者等への飛沫感染等を防止するため、下方から上方へ一方方向の強制的な気流を起こして飛沫等を遮断する一方、その飛沫等に含まれるウイルス・細菌を除去して安全・安心なクリーンエアーに生成するクリーンエアー機能付きエアーゲート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、特許文献1乃至8に開示された従来技術に触れつつ、対面者との間に、下方から上方への強制的な気流を起こして飛沫を遮断する一方、その飛沫を吸引して細菌を除菌して、清浄な空気を排気することによって飛沫感染の防止が図れる上、不特定多数の者が繰り返し使用する場合であつても消毒を要する部分を極小にした除菌機能付きエアーカーテン装置を提供することを目的として、特許出願を行った(2021年1月29日及び2021年3月6日提出の特許出願)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6-59546号公報
【特許文献2】特許第5105507号公報
【特許文献3】特許第6586180号公報
【特許文献4】実用新案登録第3223623号公報
【特許文献5】特許第6807070号公報
【特許文献6】実用新案登録第3228217号公報
【特許文献7】特許第3099234号公報
【特許文献8】特許第3438107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願出願人は、今般さらに研究・開発を進めて、先の特許出願に追加するものとして、本願発明を特許出願することとした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の第1の発明は、エアーを吹き出す吹出部と、吹出部の上方に位置して吹出部から吹き出されたエアーを吸い込む吸込部と、を備えてエアーの流通によるエアーカーテンを形成するコ字形の本体からなるエアーゲート装置であって、吹出部及び吸込部にエアーを流通させる送風機と、流通させたエアーに含まれるウイルス・細菌を除去してクリーンなエアーにするエアークリーン部材と、を備えて、流通させたエアーを循環させることを特徴としたものである。
ここで、エアーカーテン部で除去するものには、ウイルスや細菌だけでなくその他に、PM2.5、花粉、ハウスダストなど人体に有害なものや社会活動の障害になるものも含むものであり、これらを除外する趣旨ではない。
第2の発明は、エアーを流通させる送風機及びエアークリーン部材を本体以外のセパレート体に備えることを特徴とした同エアーゲート装置である。
第3の発明は、セパレート体から流通されるエアーを本体の左右に設けられた吹出部から均等に吹き出せるよう2本の送風ダクトと本体の上部に設けられた吸込部から吸い込んだエアーをセパレート体へ送風する1本の送風ダクトの計3本の送風ダクトを、本体の左右どちらかの柱部に備えることを特徴とした同エアーゲート装置である。
【発明の効果】
【0006】
本願発明によれば、以下の効果を有する。
(1)一方方向へ(下から上へ)の気流によって対面者からの飛沫等を遮断すると共に、その気流に乗せて飛沫等を吸引し、ウイルス・細菌を除去することができるので、マスクを外さざるを得ない場所でも、飛沫感染等を防ぐことができる。また、パーテーションと比べると飛沫等を拭き取る手間が無い。
(2)送風機が吹出部及び吸込部以外のところにあるので、吹出部と吸込部をコンパクトにできる。これにより、エアーゲート装置全体のスリム化・軽量化を図ることができ、設置した場合の安定性にも優れたものとなる。
(3)送風機が吹出部及び吸込部以外のところにあるので、利用者の邪魔にならない所に配置できる。これにより、音や排気を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本願発明の第1実施形態を説明する説明図。
図2】本願発明の第2実施形態を説明する説明図。
図3】本願発明の第3実施形態を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願発明に係るエアーカーテン装置の実施形態を、図面に基いて説明する。
図1は、エアーゲート装置の第1実施形態を示す図である。
図1に示すエアーゲート装置は、エアー循環型である。
【0009】
ここで、図1に示すエアーゲート装置は、ステンレスなどの金属、若しくは耐熱、耐光性を有する樹脂を成形し、大きさが、例えば、幅650mm、高さ750mm、奥行き100mmとして、枠取りされる所定空間を幅600mm、高さ700mmに設定することができるが、ここで示す材質、数値に限定する必要はない。
【0010】
図2は、エアーゲート装置の第2実施形態を示す図である。
図2に示すエアーゲート装置は、エアー循環型であると同時に、エアーを流通させる送風機及びエアークリーン部材を本体以外のセパレート体に備えるセパレータ型でもある。
ここで、図2の符合を説明すると、次の通りになる。
1:吸込モーター
2:バイオフィルター及び滅菌フィルター
3:紫外線ランプ
4:空気排出口
5:空気吸込口
6:中空左柱
7:中空右柱
8:中空上部横柱
9:本体内部小形中空管
10:空気の流れ
【0011】
図3は、エアーゲート装置の第3実施形態を示す図である。
図3に示すエアーゲート装置は、図2のエアー循環型+セパレータ型であるが、図2のエアーゲート装置よりも優れているのは、左右送風圧力均等型である点である。
ここで、図3の符合を説明すると、次の通りになる。
1:吸込モーター
2:バイオフィルター及び滅菌フィルター
3:紫外線ランプ
4:空気排出口
5:空気吸込口
6:中空左柱
7:中空右柱
8:中空上部横柱
9:本体内部小形中空管
10:空気の流れ
11:右側中空管送風ダクト(左右空気圧が均等になるように)
12:左側中空管送風ダクト(左右空気圧が均等になるように)
13:遮蔽板
【0012】
本願発明に係るエアゲート装置は、モータによつて駆動されるファン(送風機)が設置されている。モータは、制御手段を有し、その制御手段から回転制御信号と電力が送られ、回転数を制御することができる。
また、エアークリーン部となる紫外線ランプを備えるとともに、内周面に紫外線を反射するアルミニウム等の反射板を設けてもよい。さらに、ウイルス・細菌その他の不純物を捕集するフィルター(例えば、バイオフィルタ)が設置されている。
【0013】
従って、ファンによって送風されたエアーに含まれるウイルス・細菌その他の不純物は、紫外線ランプから照射される紫外線で消滅され、万一消滅されなかった不純物も、フィルターで濾過されるので、クリーンなエアーが吹出部に還流される。
【0014】
本願発明に係るエアゲート装置には、ウイルス・細菌その他の不純物除去手段として、紫外線ランプとフィルターとを備えているが、必ずしも両方を備える必要はなく、何れか一方を備えることにしてもよい。
エアーゲート装置内は、空気減圧調整バルブによって、エアーゲート装置内の圧力を調整できるようになっている。
【0015】
エアーゲート装置を食卓やテーブルに載置し、電源スイッチをONにすると、ファンが回転し、吹出部から所定流速のエアーが上方に向けて吹き出され、それと同時に、吸込部から所定流速でエアーが吸い込まれ、吸い込まれたエアーは、循環通路を介して吹出部に還流される。そして、本体で囲われた矩形の空間には、下方から上方への気流によってエアーカーテンが生じる。気流を下方から上方へとしたのは、上方から下方であると、咳・くしゃみ等をした場合に下方に散らばってしまい、空気の乱気流が起こりやすい。それに対して、下方から上方であると、飛沫等を吸い込みやすく、感染防止効果が高いからである。
【0016】
そして、対面者から飛沫等が放出されると、その飛沫等は気流に運ばれて吸込部に吸引される。気流は循環通路を通って吹出部に還流されるので、吸引された飛沫等に含まれるウイルス・細菌その他の不純物は、その気流に乗って紫外線ランプに照射され、大部分は死滅(不活性化)する。そして、残余の不純物も、フィルタで完全に除去される。
【0017】
図示する実施形態においては、ファンが用いられているが、必ずしもクロスファンあるいは二重反転ファンなどに限定する必要はなく、シロッコファン、ターボファン、プロペラファン、二重反転ファン等のうちの何れのファンを用いてもよい。
但し、吹出部から吹き出された気流によつて、飛沫を上部に移動させる必要があるので、排気する気流の流速を速くする必要がある。また吸込部ではそれらの飛沫を全て吸い込めるように、吸入する空気の流速を一定以上にする必要があるので、吹出部の面積及び吸込部の面積に応じて、必要な風量が得られるファンを選択する必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本願発明に係るエアーゲート装置は、対面して会話をする場所や食事をする場所、あるいは密接して仕事等を行う場所、清浄な空気下の限られたスペースで作業を行う場所等に設置して、飛沫等感染を図るために有効である。
【符号の説明】
【0019】
(第1実施形態)
1:左右立筒 本体
2:上部横筒 本体
3:空気吸込ファンモーター(1か所以上)(ロータリーモーターなどファンモーター以外でもよい)
4:空気排出ファンモーター(1か所以上)(ロータリーモーターなどファンモーター以外でもよい)
5:空気排出窓口及びフィン
6:紫外線ランプ(種類の特定はなし)(場所の特定はなし)
7:エアーバイオフィルター又は滅菌フィルター(場所の特定はなし)
8:空気圧力調整弁(必須ではない)
9:空気の流れ(矢印)
図1
図2
図3