(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165419
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】LINACアイソセンタ品質の評価のためのX線透過画像分析
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
A61N5/10 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022068870
(22)【出願日】2022-04-19
(31)【優先権主張番号】63/176,494
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521023263
【氏名又は名称】アクティナ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】AKTINA CORP.
【住所又は居所原語表記】360 North Route 9W, Congers, New York 10920, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ジー.・ザチャロパウロス
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082AA01
4C082AE03
4C082AJ07
4C082AJ10
4C082AJ16
4C082AL07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】線形加速器(LINAC)の放射線アイソセンタを決定するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】放射線アイソセンタを決定することは、2次元(2D)放射線透過画像からLINACの3次元(3D)放射線ビーム軸908のセットを決定することを含み得る。放射線アイソセンタ904は、少なくとも3D放射線ビーム軸のセットに基づいて決定され得る。3D放射線ビーム軸のセットを決定することは、基準ガントリ角度に対する角度のLINACのガントリを用いて生成された放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーション、放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の決定された中心、及びガントリ角度に基づいて、3D放射線ビーム軸を構築することを含み得る。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元(2D)放射線透過画像から線形加速器(LINAC)の3次元(3D)放射線ビーム軸のセットを決定することと、ここで、前記3D放射線ビーム軸のセットは、少なくとも第1の3D放射線ビーム軸及び第2の3D放射線ビーム軸を含み、
少なくとも前記3D放射線ビーム軸のセットに基づいて、前記LINACの放射線アイソセンタを決定することと
を備える、方法。
【請求項2】
前記第1の3D放射線ビーム軸を決定することは、
基準ガントリ角度に対する第1のガントリ角度に前記LINACのガントリを位置付けることと、ここで、前記ガントリを位置付けることは、ガントリ回転軸を中心として前記ガントリを回転させることを備え、
前記第1のガントリ角度に位置付けられた前記ガントリを用いて、第1の放射線ビームを生成するために前記LINACを使用することと、
前記第1のガントリ角度に位置付けられた前記ガントリを用いて、放射線不透過マーカの付近を通過した後の前記第1の放射線ビームの放射線場を示す第1の2次元(2D)放射線透過画像を取得するために前記LINACの撮像デバイスを使用することと、
前記第1の2D放射線透過画像に基づいて、前記第1の放射線ビームのビーム軸のロケーションと前記第1の放射線ビームの放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の中心とを決定することと、
前記第1の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーション、前記第1の放射線ビームの放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の決定された中心、及び前記第1のガントリ角度に基づいて、前記第1の3D放射線ビーム軸を構築することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の3D放射線ビーム軸を構築することは、前記第1の放射線ビームの放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の決定された中心と一致し、且つ前記ガントリ回転軸と平行な第1の画像回転軸を中心として前記第1の2D放射線透過画像を回転させることを備え、
前記第1の2D放射線透過画像は、前記第1のガントリ角度に等しい量で回転され、
前記第1の3D放射線ビーム軸は、回転された前記第1の2D放射線透過画像中の前記第1の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ回転された前記第1の2D放射線透過画像の平面に対して垂直である、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の3D放射線ビーム軸を構築することは、
前記第1の2D放射線透過画像中の前記第1の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ前記第1の2D放射線透過画像の平面に対して垂直な最初の3D放射線ビーム軸を生成することと、
前記第1の放射線ビームの前記放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の決定された中心と一致し、且つ前記ガントリ回転軸と平行な第1の画像回転軸を中心として前記最初の3D放射線ビーム軸を回転させることと、を備え、
前記最初の3D放射線ビーム軸は、前記第1のガントリ角度に等しい量で回転される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の3D放射線ビーム軸を決定することは、
前記基準ガントリ角度に対する第2のガントリ角度に前記LINACの前記ガントリを位置付けることと、
前記第2のガントリ角度に位置付けられた前記ガントリを用いて、第2の放射線ビームを生成するために前記LINACを使用することと、
前記第2のガントリ角度に位置付けられた前記ガントリを用いて、前記放射線不透過マーカの付近を通過した後の前記第2の放射線ビームの放射線場を示す第2の2D放射線透過画像を取得するために前記LINACの前記撮像デバイスを使用することと、
前記第2の2D放射線透過画像に基づいて、前記第2の放射線ビームのビーム軸のロケーションと前記第2の放射線ビームの前記放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の中心とを決定することと、
前記第2の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーション、前記第2の放射線ビームの放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の決定された中心、及び前記第2のガントリ角度に基づいて、前記第2の3D放射線ビーム軸を構築することと
を備える、請求項2~4のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の3D放射線ビーム軸を構築することは、前記第2の放射線ビームの放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の決定された中心と一致し、且つ前記ガントリ回転軸と平行な第2の画像回転軸を中心として前記第2の2D放射線透過画像を回転させることを備え、
前記第2の2D放射線透過画像は、前記第2のガントリ角度に等しい量で回転され、
前記第2の3D放射線ビーム軸は、回転された前記第2の2D放射線透過画像中の前記第2の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ回転された前記第2の2D放射線透過画像の平面に対して垂直である、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の3D放射線ビーム軸を構築することは、
前記第2の2D放射線透過画像中の前記第2の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ前記第2の2D放射線透過画像の平面に対して垂直な最初の第2の3D放射線ビーム軸を生成することと、
前記第2の放射線ビームの放射線場中の前記放射線不透過マーカの前記影の決定された中心と一致し、且つ前記ガントリ回転軸と平行な第2の画像回転軸を中心として前記最初の第2の3D放射線ビーム軸を回転させることと、を備え、
前記最初の第2の3D放射線ビーム軸は、前記第2のガントリ角度に等しい量で回転される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記LINACが前記第1の放射線ビーム及び第2の放射線ビームを生成するために使用され、前記LINACの前記撮像デバイスが前記第1の2D放射線透過画像及び第2の2D放射線透過画像を取得するために使用される間に、カウチが固定カウチ角度に位置付けられる、請求項5~7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記放射線アイソセンタを決定することは、
前記3D放射線ビーム軸のセットのうちの各3D放射線ビーム軸について、3D空間中のロケーションと前記3D放射線ビーム軸との間のビーム軸外し距離を決定することと、
前記3D放射線ビーム軸のセットのうちの前記3D放射線ビーム軸について決定された前記ビーム軸外し距離のうちのどれが最も大きいかを決定することと、
最も小さい最大ビーム軸外し距離を有する3D空間中のロケーションを見出すことと、を備え、
前記3D放射線ビーム軸のセットのうちの前記3D放射線ビーム軸について決定された前記ビーム軸外し距離のうちの最も大きいものは、前記ロケーションについての最大ビーム軸外し距離である、請求項1~8のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記放射線アイソセンタのサイズは、前記ロケーションについての前記最大ビーム軸外し距離である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
決定された前記放射線アイソセンタに腫瘍を位置付けることを更に備える、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
カウチ角度のセットのうちの各カウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することと、ここで、前記カウチ角度のセットは、少なくとも基準カウチ角度に対する第1のカウチ角度及び前記基準カウチ角度に対する第2のカウチ角度を含み、
決定された前記マーカ移動ベクトルに基づいて、前記カウチ角度のセットのうちのカウチ角度と前記3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸との各組み合わせについてのマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を決定することと、ここで、前記マーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離は、放射線不透過マーカのロケーションと前記3D放射線ビーム軸誤差との間の最短距離を表すものである、
を更に備える、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のカウチ角度についての前記マーカ移動ベクトルを決定することは、
前記基準カウチ角度に位置付けられた前記LINACのカウチと、基準ガントリ角度に位置付けられた前記LINACのガントリとを用いて、第1の基準放射線ビームを生成するために前記LINACを使用することと、
前記基準カウチ角度に位置付けられた前記カウチと、前記基準ガントリ角度に位置付けられた前記ガントリとを用いて、前記放射線不透過マーカの付近を通過した後の前記第1の基準放射線ビームの放射線場を示す基準カウチ角度2次元(2D)放射線透過画像を取得するために前記LINACの撮像デバイスを使用することと、
前記基準カウチ角度2D放射線透過画像に基づいて、前記第1の基準放射線ビームの放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の中心を決定することと、
前記第1のカウチ角度に前記カウチを位置付けることと、
前記第1のカウチ角度に位置付けられた前記カウチと、前記基準ガントリ角度に位置付けられた前記ガントリとを用いて、第2の基準放射線ビームを生成するために前記LINACを使用することと、
前記第1のカウチ角度に位置付けられた前記カウチと、前記基準ガントリ角度に位置付けられた前記ガントリとを用いて、前記放射線不透過マーカの付近を通過した後の前記第2の基準放射線ビームの放射線場を示す第1のカウチ角度2D放射線透過画像を取得するために前記LINACの前記撮像デバイスを使用することと、
前記第1のカウチ角度2D放射線透過画像に基づいて、前記第2の基準放射線ビームの前記放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の中心を決定することと、
前記第1の基準放射線ビームの放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の中心と前記第2の基準放射線ビームの放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の中心との比較に基づいて、前記第1のカウチ角度についての前記マーカ移動ベクトルを決定することと
を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のカウチ角度についての前記マーカ移動ベクトルを決定することは、
前記第2のカウチ角度に前記カウチを位置付けることと、
前記第2のカウチ角度に位置付けられた前記カウチと、前記基準ガントリ角度に位置付けられた前記ガントリとを用いて、第3の基準放射線ビームを生成するために前記LINACを使用することと、
前記第2のカウチ角度に位置付けられた前記カウチと、前記基準ガントリ角度に位置付けられた前記ガントリとを用いて、前記放射線不透過マーカの付近を通過した後の前記第3の基準放射線ビームの放射線場を示す第2のカウチ角度2D放射線透過画像を取得するために前記LINACの前記撮像デバイスを使用することと、
前記第2のカウチ角度2D放射線透過画像に基づいて、前記第3の基準放射線ビームの前記放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の中心を決定することと、
前記第1の基準放射線ビームの放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の中心と前記第3の基準放射線ビームの放射線場中の前記放射線不透過マーカの影の中心との比較に基づいて、前記第2のカウチ角度についての前記マーカ移動ベクトルを決定することと
を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
臨床アイソセンタを決定することを更に備え、前記臨床アイソセンタを決定することは、最大のマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することを備える、請求項12~14のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記最大のマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することは、
異なるカウチ角度に、前記放射線不透過マーカの影に基づいて、カウチ回転軸を予測することと、
予測された前記カウチ回転軸を中心としたカウチ回転によって変位された新しい基準位置に前記放射線不透過マーカの位置のセットを予測することと、
決定された前記マーカ移動ベクトルに基づいて、前記カウチ角度のセットのうちのカウチ角度と前記3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸との各組み合わせについての予測されたマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を決定することと、ここで、前記予測されたマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離は、放射線不透過マーカのロケーションと前記3D放射線ビーム軸誤差との間の最短距離を表すものであり、
最大のマーカからビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える基準マーカ位置を決定することと
を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
決定された前記臨床アイソセンタに腫瘍を配置することを更に備える、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
2次元(2D)放射線透過画像から線形加速器(LINAC)の3次元(3D)放射線ビーム軸のセットを決定することと、ここで、前記3D放射線ビーム軸のセットは、少なくとも第1及び第2の3D放射線ビーム軸を含み、
少なくとも前記3D放射線ビーム軸のセットに基づいて、前記LINACの放射線アイソセンタを決定することと
を行うように構成されている、装置。
【請求項19】
線形加速器(LINAC)のカウチ角度のセットのうちの各カウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することと、ここで、前記カウチ角度のセットは、少なくとも基準カウチ角度に対する第1のカウチ角度及び前記基準カウチ角度に対する第2のカウチ角度を含み、
決定された前記マーカ移動ベクトルに基づいて、前記カウチ角度のセットのうちのカウチ角度と3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸との各組み合わせについてのマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を決定することと、ここで、前記マーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離は、放射線不透過マーカのロケーションと前記3D放射線ビーム軸誤差との間の最短距離を表すものである、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、2021年4月19日に出願された米国仮特許出願第63/176,494号の優先権の利益を主張し、それは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002]技術分野
【0003】
[0003]本発明は、一般に、医療用線形加速器(LINAC)が患者内の正確な一点に放射線ビームを送達する放射線療法に関する。特に、本発明は、LINACの放射線アイソセンタの品質を評価するための2次元X線透過画像を分析及び表示することに関する。
【背景技術】
【0004】
[0004]背景技術
【0005】
[0005]1.1 LINACの概観
【0006】
[0006]放射線療法は、強力な高エネルギーの放射線ビームのビームを使用して癌細胞を殺す癌治療の一種である。
図1~3は、ガントリ102及びカウチ106を含む医療用線形加速器(LINAC)100を例示する。
図4に示すように、ガントリ102は、LINAC100によって生成される放射線ビーム412の場を画定するコリメータヘッド104を含む。治療中、LINAC100のガントリ102は、カウチ106上に支持された患者(図示せず)内の正確なロケーションに放射線ビームを送達する。放射線治療計画をカスタマイズするために、ガントリ102は、患者の周りを回転し得、カウチ106は、ガントリ102の回転面に対する患者の向きを変更し得る。
【0007】
[0007]
図2に示すように、ガントリ102は、放射線ビームの患者への侵入を最適化するために、患者の周りを全360°回転することが可能であり得る。
図2に示すように、ガントリ102は、ガントリ回転軸208を中心として回転し得る。
図3に示すように、カウチ106は、カウチ回転軸310を中心として回転し得る。これは、放射線ビーム412の患者への侵入を更に最適化するために、患者の向きがガントリ102の回転面に対して調整されることを可能にする。
【0008】
[0008]理想的なLINAC100では、放射線ビームは、ガントリ102が回転するときに空間中の固定点上(即ち患者中の腫瘍上)に集束し続けるであろう。同様に、理想的なLINAC100は、患者がカウチ106の回転に起因して移動するときに腫瘍を放射線ビーム内に固定し続けるであろう。
【0009】
[0009]
図4に示すように、LINAC100は、撮像デバイス416(例えば電子ポータル撮像デバイス(EPID:electronic portal imaging device))を有し得、それは、治療セッション中に放射口から患者を通って透過されるX線強度を測定することによって、治療前の患者位置を確認するために使用される。
【0010】
[0010]1.2 放射線アイソセンタ
【0011】
[0011]放射線療法の目的は、周囲の健康な細胞に対する線量を最小限に抑えながら、腫瘍に可能な限り最も高い放射線量を送達することである。そうするために、放射線療法は、(1)ガントリ102が回転するときに放射線ビームを患者の腫瘍上に正確に集束させ続け、(2)カウチ106が回転するときに患者の腫瘍を放射線ビーム内に固定し続けるという目的を含む。これらの2つの目的は、しかしながら、完全に実現されることは滅多にない。ガントリ102は、一般に、それ自体の重さで撓み、放射線ビームを実質的にぼやけさせる。カウチ106の回転はまた、完全に円形ではないことが多く、及び/又はカウチ106の回転軸310は、一般に、ガントリ102の回転軸208と交差しない。
【0012】
[0012]これらの一般的なLINACの不完全性の影響を最小限に抑えるために、腫瘍は、最大のビームから目標までの誤差(maximum beam-to-target error)を最小限に抑える空間中の一点に配置されるべきである。このロケーションは、アイソセンタと呼ばれる。
【0013】
[0013]1.3 アイソセンタサイズ
【0014】
[0014]ガントリ及びカウチ回転の全ての組み合わせについての最大ビーム軸外し距離(maximum beam axis miss distance)は、アイソセンタサイズである。より小さいアイソセンタは、より正確な治療をもたらすであろう。
【0015】
[0015]1.4 既存の方法
【0016】
[0016]アイソセンタを分析するための既存の方法は、次の2つの主要なステップを含む:(1)異なるガントリ及びカウチ回転でアイソセンタに(又はその近くに)位置付けられた放射線不透過マーカのEPID X線透過画像を測定し、(2)アイソセンタのサイズを決定するために画像を分析する。
【0017】
[0017]
図4に示すセットアップは、典型的には、第1のステップを達成するために使用される。
図4では、LINAC100は、アイソセンタに配置された放射線不透過マーカ414を通って放射線ビーム412を送達している。撮像デバイス416は、放射線ビーム412がマーカ414を通過するときに放射線ビーム412の2次元透過画像を取得する。
【0018】
[0018]放射線不透過マーカ414を含むマーカアセンブリ500の詳細図を
図5に示す。
図5では、高密度の球形マーカ414が、低密度の支持ロッド502に接続され、それは次いで、基部504に接続される。基部504は、マーカ414をアイソセンタに(又はその近くに)位置付けることができるように、カウチ106の頂部上にセットされる。
【0019】
[0019]
図6は、マーカ414を通った典型的な画像600(例えばEPID画像)を示す。
図6では、暗い正方形領域602が、撮像デバイス410を被曝させる放射線ビーム412の正方形放射線場によって作成され、より明るい内側の円形形状604が、放射線場内に位置する放射線不透過マーカ414の影によって作成される。
【0020】
[0020]アイソセンタを測定するための既存の方法は、カウチ106が0°のままでありながら固定ガントリ角度のセットを通ってガントリ102を回転させることと、各ガントリ位置についてのEPID画像を取得することとを伴う。追加のEPID画像は、ガントリ102が0に固定されたままであり、カウチ106が固定カウチ角度のセットを通って回転する間に取得される。
【0021】
[0021]既存の方法の第2のステップは、アイソセンタのサイズを決定するために上記に説明した画像を分析することを含む。このステップは、2つのサブプロセスに更に分解することができる:(2a)各画像中で場の中心とマーカ414の中心とを見出すために画像処理技法を使用すること(決定された場及びマーカのロケーションを有する画像700の例を
図7に示す)、及び(2b)全ての取得された画像についての最大のマーカの中心から場の中心までの距離(largest marker center to field center distance)を計算し、この最大値をアイソセンタサイズに割り当てること。
【発明の概要】
【0022】
[0022]アイソセンタを分析するために取得された全てのEPID画像についてのフィールドからマーカまでの距離(field-to-marker distances)の既存の使用は、2次元座標系(CS)を用いて複雑な3次元プロセスをモデル化する。既存の方法は、EPID画像から取得されたデータを2次元画像CSで維持する。そうすることによって、LINACアイソセンタの問題が生じたときに問題の本質を直観的に理解することは、多くの場合、困難である。本発明の態様は、(例えば、既存の方法のサブプロセスステップ2bを置き換え、改善することによって)既存の方法の問題のうちの1つ以上を克服し得る。
【0023】
[0023]本発明の態様は、(1)異なるガントリ及び/又はカウチ回転を用いてアイソセンタに(又はその近くに)位置付けられた放射線不透過マーカの放射線透過画像を取得するために線形加速器(LINAC)を使用することと、(2)アイソセンタのサイズ、マーカ配置誤差(即ち、現在のマーカ位置に対するアイソセンタ位置)、及び/又はカウチウォークアウト(couch walkout)を決定するために画像を分析することとを含み得る。画像を分析することは、画像中で放射線場の中心とマーカの中心とを見出すことを含み得る。
【0024】
[0024]アイソセンタサイズを決定することに関して、最大差を見出すために場の中心とマーカの中心とを比較し、最大距離をアイソセンタサイズとして割り当てる代わりに、場の中心とマーカの中心とは、2次元(2D)画像座標系(CS)から3次元(3D)(例えば実世界)CSに変換され得る。2D画像CSから3D画像CSに移行することは、基礎となるプロセスをより正確に反映する3Dでのより柔軟な分析及び直観的な表示を可能にする利点を提供し得る。
【0025】
[0025]いくつかの態様では、LINACのアイソセンタを描写するために画像を分析するに当たり、ガントリ及びカウチ回転は、異なるように処理され得る。ガントリが回転するとき、場は移動するが、マーカは移動しない。同様に、カウチが回転するとき、マーカは移動するが、場は静止したままである。いくつかの態様では、従って、画像は、次の2つのカテゴリにグループ化され得る:(1)カウチが固定カウチ角度(例えば0°)のままである間にガントリ回転を用いて取得され得るアイソセンタ決定及び/又はマーカ配置誤差決定についての画像、及び(2)ガントリが固定ガントリ角度(例えば0°)のままである間にカウチ回転を用いて取得され得るカウチウォークアウト決定についての画像。
【0026】
[0026]本発明の一態様は、2次元(2D)放射線透過画像から線形加速器(LINAC)の3次元(3D)放射線ビーム軸のセットを決定することを含む方法を提供し得、ここにおいて、3D放射線ビーム軸のセットは、少なくとも第1及び第2の3D放射線ビーム軸を含む。本方法は、少なくとも3D放射線ビーム軸のセットに基づいて、LINACの放射線アイソセンタを決定することを含み得る。
【0027】
[0027]いくつかの態様では、第1の3D放射線ビーム軸を決定することは、基準ガントリ角度に対する第1のガントリ角度にLINACのガントリを位置付けることを含み得、ガントリを位置付けることは、ガントリ回転軸を中心としてガントリを回転させることを含み得る。いくつかの態様では、第1の3D放射線ビーム軸を決定することは、第1のガントリ角度に位置付けられたガントリを用いて、第1の放射線ビームを生成するためにLINACを使用することを含み得る。いくつかの態様では、第1の3D放射線ビーム軸を決定することは、第1のガントリ角度に位置付けられたガントリを用いて、放射線不透過マーカの付近を通過した後の第1の放射線ビームの放射線場を示す第1の2次元(2D)放射線透過画像を取得するためにLINACの撮像デバイスを使用することを含み得る。いくつかの態様では、第1の3D放射線ビーム軸を決定することは、第1の2D放射線透過画像に基づいて、第1の放射線ビームのビーム軸のロケーションと第1の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の中心とを決定することを含み得る。いくつかの態様では、第1の3D放射線ビーム軸を決定することは、第1の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーション、第1の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の決定された中心、及び第1のガントリ角度に基づいて、第1の3D放射線ビーム軸を構築することを含み得る。
【0028】
[0028]いくつかの態様では、第1の3D放射線ビーム軸を構築することは、第1の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の決定された中心と一致し、且つガントリ回転軸と平行な第1の画像回転軸を中心として第1の2D放射線透過画像を回転させることを含み得る。いくつかの態様では、第1の2D放射線透過画像は、第1のガントリ角度に等しい量で回転され得る。いくつかの態様では、第1の3D放射線ビーム軸は、回転された第1の2D放射線透過画像中の第1の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ回転された第1の2D放射線透過画像の平面に対して垂直であり得る。
【0029】
[0029]いくつかの代替の態様では、第1の3D放射線ビーム軸を構築することは、第1の2D放射線透過画像中の第1の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ第1の2D放射線透過画像の平面に対して垂直な最初の3D放射線ビーム軸を生成することと、第1の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の決定された中心と一致し、且つガントリ回転軸と平行な第1の画像回転軸を中心として最初の3D放射線ビーム軸を回転させることとを含み得、最初の3D放射線ビーム軸は、第1のガントリ角度に等しい量で回転され得る。
【0030】
[0030]いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸を決定することは、基準ガントリ角度に対する第2のガントリ角度にLINACのガントリを位置付けることを含み得る。いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸を決定することは、第2のガントリ角度に位置付けられたガントリを用いて、第2の放射線ビームを生成するためにLINACを使用することを含み得る。いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸を決定することは、第2のガントリ角度に位置付けられたガントリを用いて、放射線不透過マーカの付近を通過した後の第2の放射線ビームの放射線場を示す第2の2D放射線透過画像を取得するためにLINACの撮像デバイスを使用することを含み得る。いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸を決定することは、第2の2D放射線透過画像に基づいて、第2の放射線ビームのビーム軸のロケーションと第2の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の中心とを決定することを含み得る。いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸を決定することは、第2の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーション、第2の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の決定された中心、及び第2のガントリ角度に基づいて、第2の3D放射線ビーム軸を構築することを含み得る。
【0031】
[0031]いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸を構築することは、第2の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の決定された中心と一致し、且つガントリ回転軸と平行な第2の画像回転軸を中心として第2の2D放射線透過画像を回転させることを含み得る。いくつかの態様では、第2の2D放射線透過画像は、第2のガントリ角度に等しい量で回転され得る。いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸は、回転された第2の2D放射線透過画像中の第2の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ回転された第2の2D放射線透過画像の平面に対して垂直であり得る。
【0032】
[0032]いくつかの代替の態様では、第2の3D放射線ビーム軸を構築することは、第2の2D放射線透過画像中の第2の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ第2の2D放射線透過画像の平面に対して垂直な最初の第2の3D放射線ビーム軸を生成することと、第2の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の決定された中心と一致し、且つガントリ回転軸と平行な第2の画像回転軸を中心として最初の第2の3D放射線ビーム軸を回転させることとを含み得、最初の第2の3D放射線ビーム軸は、第2のガントリ角度に等しい量で回転され得る。
【0033】
[0033]いくつかの態様では、LINACが第1及び第2の放射線ビームを生成するために使用され、LINACの撮像デバイスが第1及び第2の2D放射線透過画像を取得するために使用される間に、カウチが固定カウチ角度に位置付けられ得る。
【0034】
[0034]いくつかの態様では、放射線アイソセンタを決定することは、3D放射線ビーム軸のセットのうちの各3D放射線ビーム軸について、3D空間中のロケーションと3D放射線ビーム軸との間のビーム軸外し距離を決定することを含み得る。いくつかの態様では、放射線アイソセンタを決定することは、3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸について決定されたビーム軸外し距離のうちのどれが最も大きいかを決定することを含み得、3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸について決定されたビーム軸外し距離のうちの最も大きいものは、ロケーションについての最大ビーム軸外し距離であり得る。いくつかの態様では、放射線アイソセンタを決定することは、最も小さい最大ビーム軸外し距離を有する3D空間中のロケーションを見出すことを含み得る。いくつかの態様では、3D空間中のロケーションと3D放射線ビーム軸との間のビーム軸外し距離は、ロケーションと3D放射線ビーム軸との間の最短距離であり得る。いくつかの態様では、放射線アイソセンタのサイズは、ロケーションについての最大ビーム軸外し距離であり得る。
【0035】
[0035]いくつかの態様では、本方法は、決定された放射線アイソセンタに腫瘍を位置付けることを更に含み得る。
【0036】
[0036]いくつかの態様では、本方法は、カウチ角度のセットのうちの各カウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することを更に含み得、カウチ角度のセットは、少なくとも基準カウチ角度に対する第1のカウチ角度及び基準カウチ角度に対する第2のカウチ角度を含み得る。いくつかの態様では、本方法は、決定されたマーカ移動ベクトルに基づいて、カウチ角度のセットのうちのカウチ角度と3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸との各組み合わせについてのマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離(marker to 3D radiation beam axis error distance)を決定することを更に含み得、マーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離は、放射線不透過マーカのロケーションと3D放射線ビーム軸誤差との間の最短距離を表し得る。
【0037】
[0037]いくつかの態様では、第1のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、基準カウチ角度に位置付けられたLINACのカウチと、基準ガントリ角度に位置付けられたLINACのガントリとを用いて、第1の基準放射線ビームを生成するためにLINACを使用することを含み得る。いくつかの態様では、第1のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、基準カウチ角度に位置付けられたカウチと、基準ガントリ角度に位置付けられたガントリとを用いて、放射線不透過マーカの付近を通過した後の第1の基準放射線ビームの放射線場を示す基準カウチ角度2次元(2D)放射線透過画像を取得するためにLINACの撮像デバイスを使用することを含み得る。いくつかの態様では、第1のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、基準カウチ角度2D放射線透過画像に基づいて、第1の基準放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の中心を決定することを含み得る。いくつかの態様では、第1のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第1のカウチ角度にカウチを位置付けることを含み得る。いくつかの態様では、第1のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第1のカウチ角度に位置付けられたカウチと、基準ガントリ角度に位置付けられたガントリとを用いて、第2の基準放射線ビームを生成するためにLINACを使用することを含み得る。いくつかの態様では、第1のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第1のカウチ角度に位置付けられたカウチと、基準ガントリ角度に位置付けられたガントリとを用いて、放射線不透過マーカの付近を通過した後の第2の基準放射線ビームの放射線場を示す第1のカウチ角度2D放射線透過画像を取得するためにLINACの撮像デバイスを使用することを含み得る。いくつかの態様では、第1のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第1のカウチ角度2D放射線透過画像に基づいて、第2の基準放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の中心を決定することを含み得る。いくつかの態様では、第1のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第1の基準放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の中心と第2の基準放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の中心との比較に基づいて、第1のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することを含み得る。
【0038】
[0038]いくつかの態様では、第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第2のカウチ角度にカウチを位置付けることを含み得る。いくつかの態様では、第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第2のカウチ角度に位置付けられたカウチと、基準ガントリ角度に位置付けられたガントリとを用いて、第3の基準放射線ビームを生成するためにLINACを使用することを含み得る。いくつかの態様では、第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第2のカウチ角度に位置付けられたカウチと、基準ガントリ角度に位置付けられたガントリとを用いて、放射線不透過マーカの付近を通過した後の第3の基準放射線ビームの放射線場を示す第2のカウチ角度2D放射線透過画像を取得するためにLINACの撮像デバイスを使用することを含み得る。いくつかの態様では、第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第2のカウチ角度2D放射線透過画像に基づいて、第3の基準放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の中心を決定することを含み得る。いくつかの態様では、第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第1の基準放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の中心と第3の基準放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の中心との比較に基づいて、第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することを含み得る。
【0039】
[0039]いくつかの態様では、本方法は、臨床アイソセンタを決定することを更に含み得、臨床アイソセンタを決定することは、最大のマーカからビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することを備える。いくつかの態様では、最大のマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することは、異なるカウチ角度に、放射線不透過マーカの影に基づいて、カウチ回転軸を予測することを含み得る。いくつかの態様では、最大のマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することは、予測されたカウチ回転軸を中心としたカウチ回転によって変位された新しい基準位置に放射線不透過マーカの位置のセットを予測することを含み得る。いくつかの態様では、最大のマーカからビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することは、決定されたマーカ移動ベクトルに基づいて、カウチ角度のセットのうちのカウチ角度と3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸との各組み合わせについての予測されたマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を決定することを含み得、予測されたマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離は、放射線不透過マーカのロケーションと3D放射線ビーム軸誤差との間の最短距離を表し得る。いくつかの態様では、最大のマーカからビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することは、最大のマーカからビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える基準マーカ位置を決定することを含み得る。いくつかの態様では、本方法は、決定された臨床アイソセンタに腫瘍を配置することを更に含み得る。
【0040】
[0040]本発明の別の態様は、2次元(2D)放射線透過画像から線形加速器(LINAC)の3次元(3D)放射線ビーム軸のセットを決定するように構成された装置を提供し得、3D放射線ビーム軸のセットは、少なくとも第1及び第2の3D放射線ビーム軸を含み得る。本装置は、少なくとも3D放射線ビーム軸のセットに基づいて、LINACの放射線アイソセンタを決定するように構成され得る。
【0041】
[0041]本発明のまた別の態様は、線形加速器(LINAC)のカウチ角度のセットのうちの各カウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することを含む方法を提供し得、カウチ角度のセットは、少なくとも基準カウチ角度に対する第1のカウチ角度及び基準カウチ角度に対する第2のカウチ角度を含み得る。本方法は、決定されたマーカ移動ベクトルに基づいて、カウチ角度のセットのうちのカウチ角度と3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸との各組み合わせについてのマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を決定することを含み得、マーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離は、放射線不透過マーカのロケーションと3D放射線ビーム軸誤差との間の最短距離を表し得る。
【0042】
[0042]本発明の更に別の態様は、線形加速器(LINAC)のカウチ角度のセットのうちの各カウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定するように構成された装置を提供し得、カウチ角度のセットは、少なくとも基準カウチ角度に対する第1のカウチ角度及び基準カウチ角度に対する第2のカウチ角度を含み得る。本装置は、決定されたマーカ移動ベクトルに基づいて、カウチ角度のセットのうちのカウチ角度と3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸との各組み合わせについてのマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を決定するように構成され得、マーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離は、放射線不透過マーカのロケーションと3D放射線ビーム軸誤差との間の最短距離を表し得る。
【0043】
[0043]本発明のまた別の態様は、上記に記載した方法のうちの任意のものを実行するように装置を適合させるための命令を含むコンピュータプログラムを提供し得る。本発明の更に別の態様は、コンピュータプログラムを包含するキャリアを提供し得、キャリアは、電気信号、光信号、無線信号、又はコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つであり得る。
【0044】
[0044]本発明のまた別の態様は、処理回路及びメモリを含む装置を提供し得る。メモリは、処理回路によって実行可能な命令を包含し得、それによって、装置は、上記に記載した方法のうちの任意のものを実行するように動作可能である。
【0045】
[0045]本発明の更に別の態様は、上記に記載した方法のうちの任意のものに適合された装置を提供し得る。
【0046】
[0046]本発明のまた別の態様は、上記に記載した態様の任意の組み合わせを提供し得る。
【0047】
[0047]本システム及び方法内に包含される更なる変形形態は、以下の本発明の発明を実施するための形態に説明する。
【0048】
[0048]本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明の様々な非限定的な実施形態を例示する。図面では、同様の参照番号は、同一の又は機能的に類似した要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】[0049]医療用線形加速器(LINAC)を例示する。
【
図2】[0050]LINACのガントリの回転を例示する。
【
図3】[0051]LINACのカウチの回転を例示する。
【
図4】[0052]LINACの放射線ビーム及び撮像パネルを例示する。
【
図5】[0053]いくつかの態様によるマーカアセンブリを例示する。
【
図6】[0054]いくつかの態様による未処理の放射線透過画像を例示する。
【
図7】[0055]いくつかの態様による処理済み放射線透過画像を例示する。
【
図8】[0056]いくつかの態様による、放射線不透過マーカの位置と放射線場の中心とにおける差を例示する。
【
図9】[0057]いくつかの態様による、見出された放射線場、放射線場の中心、見出されたマーカの影、及び放射線場の中心軸を示す処理済み2次元画像を例示する。
【
図10】[0058]いくつかの態様による、画像取得時におけるガントリ回転の量及び方向に対応する量及び方向だけの、マーカの影の中心を中心とした、当初の2次元画像の新しいロケーションへの回転を例示する。
【
図11】[0059]いくつかの態様による、2次元画像座標から3次元の実世界座標に変換されており、且つアイソセンタを画定するビーム軸の重ね合わせを例示する。
【
図12】[0060]いくつかの態様による、異なるカウチ回転角度のカウチマーカウォークアウト位置と、ガントリ及びカウチ角度の組み合わせについての腫瘍ビーム軸外し距離の計算とを例示する。
【
図13】[0061]いくつかの態様によるプロセスを例示する。
【
図14】[0062]いくつかの態様による、第1の3D放射線ビーム軸を決定するためのプロセスを例示する。
【
図15】[0063]いくつかの態様による、放射線アイソセンタを決定するためのプロセスを例示する。
【
図16】[0064]いくつかの態様による、カウチウォークアウトを決定するためのプロセスを例示する。
【
図17】[0065]いくつかの態様による、カウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定するためのプロセスを例示する。
【
図18】[0066]いくつかの態様によるLINACのコントローラを例示する。
【
図19】[0067]いくつかの態様による装置を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
[0068]本願では、「ビーム軸」という用語は、放射線ビームの中心を表す3次元ベクトルであり得る。
【0051】
[0069]本願では、「ビーム軸外し距離」という用語は、目標(例えば腫瘍の中心)とビーム軸に沿った任意の点との間の最短距離であり得る。
【0052】
[0070]本願では、「CS」又は「座標系」という用語は、例えば、画像(例えばEPID画像)のCSなどの2次元(2D)CS、又は線形加速器(LINAC)(例えばLINAC100)の3次元(3D)CSなどの3D CSであり得る。
【0053】
[0071]本願では、「カウチウォークアウト」という用語は、アイソセンタに(又はその近くに)位置付けられる場合、カウチ106がその全可動域を通って回転するときに患者の腫瘍が移動する量であり得る。
【0054】
[0072]本願では、「カウチ」という用語は、患者を支持するLINAC(例えばLINAC100)の構成要素(例えばカウチ106)であり得る。
【0055】
[0073]本願では、「撮像デバイス」(例えば電子ポータル撮像デバイス(EPID))という用語は、(例えば治療セッション中に)放射口から患者を通って透過されるX線強度を測定するLINAC(例えばLINAC100)の構成要素(例えば撮像デバイス416)であり得る。撮像デバイスは、例えば、患者の解剖学的構造に対する正しいビーム配置を確認するために、放射線信号を2次元(2D)デジタルX線画像に電子的に変換し得る。
【0056】
[0074]本願では、「ガントリ」という用語は、放射線ビームを送達している間に患者の周りを回転するLINAC(例えばLINAC100)の構成要素(例えばガントリ102)であり得る。
【0057】
[0075]本願では、「アイソセンタ」という用語は、全てのガントリ角度についての放射線ビーム軸外し距離を最小限に抑える空間中のロケーションであり得る。
【0058】
[0076]本願では、「マーカ配置誤差」という用語は、アイソセンタを分析するためにEPID画像を取得するときの、実際のLINACアイソセンタロケーションとマーカの配置されたロケーションとの間の3次元ベクトルであり得る。
【0059】
[0077]いくつかの態様では、LINAC100は、(1)異なるガントリ及び/又はカウチ回転を用いてアイソセンタに(又はその近くに)位置付けられた放射線不透過マーカ414の放射線透過画像を取得し、(2)アイソセンタのサイズ、マーカ配置誤差(即ち、現在のマーカ位置に対するアイソセンタ位置)、及び/又はカウチウォークアウトを決定するために画像を分析し得る。画像を分析することは、画像中で放射線場の中心とマーカの中心とを見出すことを含み得る。
【0060】
[0078]2.1 アイソセンタ
【0061】
[0079]いくつかの態様では、アイソセンタを決定することは、カウチ106が固定カウチ角度(例えば0°)のままであり、その一方でガントリ角度が(例えばその全可動域を通って)変化する画像(例えばEPID画像)を分析することを伴い得る。いくつかの態様では、アイソセンタを決定することは、カウチ106が固定カウチ角度のままであり、その一方でガントリ角度が変化する画像のみを分析することを伴い得る。いくつかの態様では、画像中の放射線ビームのビーム軸のロケーションを決定し、画像中でマーカ414の中心を見出すことを含み得る(例えば
図6~8を参照)。
図9及び10に示すように、いくつかの態様は、ビーム軸のロケーション及びマーカの中心を2次元(2D)画像座標系(CS)から3次元(3D)CSに変換することを含み得る。いくつかの態様では、
図9及び10に示すように、マーカ414が空間中に固定されたままである間にガントリ102が回転するので、2D画像CSから3D(例えば実世界)CSへの変換は、固定基準点としてマーカ414の影906を使用し得る(例えば、全てのビーム軸の決定は、空間中の固定点であるマーカのロケーションに対するものであろう)。
【0062】
[0080]いくつかの態様では、
図9に示すように、アイソセンタを描写することは、ガントリ102が回転し、且つカウチ角度が固定されたままである間にLINAC100の撮像デバイス416(例えばEPID)によって取得された各画像について、(i)LINAC100のガントリ102を使用して生成された放射線ビーム412のビーム軸908のロケーションを決定し、(ii)放射線ビーム412の放射線場902中のマーカ414の影906の中心を見出すために、画像処理技法を使用することを含み得る。いくつかの態様では、ビーム軸908のロケーションを決定することは、LINAC100のガントリ102を使用して生成された放射線ビーム412の放射線場902の中心904を見出すことを含み得る。いくつかの代替の態様では、ビーム軸908のロケーションを決定することは、(例えば、放射線場が良く較正されない場合に誤差を考慮するために)(i)第1のコリメータ角度及び(ii)第1のコリメータ角度とは180度異なる第2のコリメータ角度のLINAC100のガントリ102を使用して生成された放射線場902の中心904の平均を見出すことを含み得る。
【0063】
[0081]いくつかの態様では、
図10に示すように、アイソセンタを描写することは、ガントリ102が回転し、且つカウチ角度が固定されたままである間に撮像デバイス416によって取得された各画像について、画像中のビーム軸908の決定されたロケーションと一致し、且つ撮像面に対して垂直なビーム軸908を構築することを含み得る。いくつかの態様では、
図10に示すように、ガントリ102が回転し、且つカウチ角度が固定されたままである間に撮像デバイス416によって取得された各画像(回転が必要とされないであろう0°のガントリ角度で取得された画像以外)について、画像が取得されたときに使用されたガントリ回転に等しい量及び方向だけ、マーカ414の影906の中心1010を中心として、構築されたビーム軸908を新しい位置に回転させることを含み得る。いくつかの代替の態様は、
図10に示すように、ガントリ102が回転し、且つカウチ角度が固定されたままである間に撮像デバイス416によって取得された各画像(回転が必要とされないであろう0°のガントリ角度で取得された画像以外)について、第1の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の決定された中心と一致し、且つガントリ回転軸と平行な第1の画像回転軸を中心として第1の2D放射線透過画像を回転させることを含み得、第1の2D放射線透過画像は、ガントリ回転角度に等しい量で回転され得、第1の3D放射線ビーム軸は、回転された第1の2D放射線透過画像中の第1の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ回転された第1の2D放射線透過画像の平面に対して垂直であり得る。
図10は、いくつかの態様による、回転された放射線場1002、回転された放射線場1002の中心1004、回転された放射線場1002中のマーカ414の影1006、及び回転されたビーム軸1008を示す。
【0064】
[0082]いくつかの態様では、
図11に示すように、ガントリ回転の角度に等しい量で、構築されたビーム軸を回転させること(又はガントリ回転の角度に等しい量だけ画像を回転させ、ビーム軸を構築するために回転された画像を使用すること)は、(例えばアイソセンタ1114の算出のために)基準点として0°のガントリ回転角度のガントリ102(及び固定カウチ角度のカウチ106)での放射線ビーム412の放射線場1102中のマーカ414の共通の影1106を有する3次元ビーム軸のセット(例えば、回転されたビーム軸1008、1110、及び1112、並びに0°のガントリ回転角度の構築されたビーム軸1108を含む)を作成し得る。いくつかの態様は、アイソセンタ1114を算出するために3次元ビーム軸(例えば、3Dビーム軸1008、1108、1110、及び1112を含む)を使用することを含み得る。いくつかの態様は、その点と3次元ビーム軸の全てとの間の最大ビーム軸外し距離を最小限に抑える空間中の点を見出すことによってアイソセンタ1114を算出することを含み得る。いくつかの態様は、アイソセンタ1114の中心と検討される3次元ビーム軸の全てとの間の最大外し距離としてアイソセンタのサイズを決定することを含み得る。
【0065】
[0083]2.2 マーカ配置誤差
【0066】
[0084]いくつかの態様では、上記のセクション2.1中に説明した3次元アイソセンタ分析は、結果として生じるアイソセンタサイズからいかなるマーカ配置誤差も分離するとの追加の利益を有し得る。例えば、
図11に示すように、マーカ位置付け誤差は、(a)0°のガントリ回転角度のガントリ102(及び固定カウチ角度のカウチ106)での放射線ビーム412の放射線場1102中のマーカ414の影1106の中心から(b)見出されたアイソセンタ1114のロケーション、へのベクトル1116として決定され得る。
【0067】
[0085]2.3 カウチウォークアウト
【0068】
[0086]いくつかの態様は、カウチ106が回転するときにアイソセンタ1114に配置された腫瘍がどのくらい移動することになるかを決定するためのカウチウォークアウト決定を実行することを含み得る。いくつかの態様では、マーカ414が固定されたままであり、且つガントリ102が回転されるにつれて放射線場が変化するアイソセンタ決定とは対照的に、LINAC100は、固定放射線場(例えば、固定ガントリ角度に位置付けられたガントリ102)と、カウチ106が回転されるにつれて(潜在的に)移動するマーカ414とを用いてカウチウォークアウト測定を行い得る。
【0069】
[0087]いくつかの態様では、カウチウォークアウトを測定することは、カウチ106が回転し、且つガントリ角度が固定されたままである間に、LINAC100の撮像デバイス416(例えばEPID)によって取得された各画像について、ガントリ102を使用して生成された放射線ビームの放射線場中のマーカ414の影の中心を見出すために画像処理技法を使用することを含み得る。例えば、
図12に示すように、固定ガントリ角度(例えば0°)のガントリ102を用いて、0°のカウチ角度のカウチ106でのマーカ414の影1106の中心と、マーカ414の影(例えば、影1202、1204、1206、及び1208)の中心とは、異なる非ゼロカウチ角度のカウチ106を用いて見出され得る。
【0070】
[0088]いくつかの態様は、基線として0°のカウチ角度のカウチ106での放射線場中のマーカ414の影1106の位置を使用することと、非ゼロカウチ回転を用いて各画像からマーカ414の影の移動ベクトルを計算することとを含み得る。
図12は、0°のカウチ角度のカウチ106でのマーカ414の影1106の中心から非ゼロカウチ角度のカウチ106でのマーカ414の影1202、1204、1206、及び1208の各々の中心への移動ベクトルを点線で示す。
【0071】
[0089]いくつかの態様は、ガントリ回転とカウチ回転との異なる組み合わせについて、カウチ角度のマーカ414とガントリ角度の3次元ビーム軸との間の誤差距離を計算することを含み得る。例えば、
図12に示すように、特定の非ゼロカウチ角度のマーカ414の影1208と特定の非ゼロガントリ角度の3次元ビーム軸1112との間のマーカからビーム軸までの距離(marker-to-beam axis distance)1210が算出され得る。
【0072】
[0090]いくつかの態様では、ガントリ回転とカウチ回転との全ての組み合わせについてのマーカからビーム軸までの距離を算出することは、(カウチ回転についての画像が1つの角度に固定されたガントリ102を用いて全て取得されていたかもしれないが)ガントリ角度とカウチ角度との全ての組み合わせについて放射線ビームが腫瘍をどれくらい外すことになるかを理解することを可能にし得る。
【0073】
[0091]2.4 フローチャート
【0074】
[0092]
図13は、いくつかの態様によるプロセス1300を例示する。いくつかの態様では、プロセス1300のステップのうちの1つ以上は、LINAC100(例えば、LINAC100のコントローラ)によって実行され得る。いくつかの態様では、プロセス1300のステップのうちの1つ以上は、加えて又は代替として、装置(例えば、
図19の装置1900)によって実行され得る。いくつかの態様では、プロセス1300は、3次元(3D)放射線ビーム軸のセット(例えば、放射線ビーム軸1008、1108、1112、及び1114)を決定するステップ1302を含み得る。いくつかの態様では、3D放射線ビーム軸のセットは、少なくとも第1及び第2の3D放射線ビーム軸1008及び1110を含み得る。いくつかの態様では、プロセス1300は、少なくとも3D放射線ビーム軸のセットに基づいて放射線アイソセンタ1114を決定するステップ1304を含み得る。
【0075】
[0093]
図14は、いくつかの態様による、第1の3D放射線ビーム軸1008を決定するためのプロセス1400を例示する。いくつかの態様では、プロセス1400のステップのうちの1つ以上は、LINAC100(例えば、LINAC100のコントローラ)によって実行され得る。いくつかの態様では、プロセス1400のステップのうちの1つ以上は、加えて又は代替として、装置(例えば、
図19の装置1900)によって実行され得る。いくつかの態様では、プロセス1400は、
図13に示すプロセス1300のステップ1302において実行され得る。
【0076】
[0094]いくつかの態様では、プロセス1400は、基準ガントリ角度(例えば0°)に対する第1のガントリ角度(例えば90°)にLINAC100のガントリ102を位置付けるステップ1402を含み得る。いくつかの態様では、ガントリ102を位置付けることは、ガントリ回転軸208を中心としてガントリ102を回転させることを含み得る。
【0077】
[0095]いくつかの態様では、プロセス1400は、第1のガントリ角度に位置付けられたガントリ102を用いて、第1の放射線ビームを生成するためにLINAC100を使用するステップ1404を含み得る。いくつかの態様では、プロセス1400は、第1のガントリ角度に位置付けられたガントリ102を用いて、放射線不透過マーカ414の付近を通過した後の第1の放射線ビームの放射線場902を示す第1の2次元(2D)放射線透過画像を取得するためにLINAC100の撮像デバイス416を使用するステップ1406を含み得る。いくつかの態様では、
図9に示すように、プロセス1400は、第1の2D放射線透過画像に基づいて、第1の放射線ビームのビーム軸908のロケーションと第1の放射線ビームの放射線場902中の放射線不透過マーカ414の影906の中心とを決定するステップ1408を含み得る。
【0078】
[0096]いくつかの態様では、プロセス1400、第1の放射線ビームのビーム軸908の決定されたロケーション、第1の放射線ビームの放射線場902中の放射線不透過マーカ414の影906の決定された中心、及び第1のガントリ角度に基づいて、第1の3D放射線ビーム軸1008を構築するステップ1410を含み得る。いくつかの態様では、
図10に示すように、第1の3D放射線ビーム軸1008を構築するステップ1410、第1の放射線ビームの放射線場902中の放射線不透過マーカ414の影906の決定された中心と一致し、且つガントリ回転軸208と平行な第1の画像回転軸を中心として第1の2D放射線透過画像を回転させることを含み得る。いくつかの態様では、第1の2D放射線透過画像は、第1のガントリ角度に等しい量で回転され得る。いくつかの態様では、
図10に示すように、第1の3D放射線ビーム軸1008は、回転された第1の2D放射線透過画像中の第1の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ回転された第1の2D放射線透過画像の平面に対して垂直であり得る。
【0079】
[0097]いくつかの代替の態様では、
図10に示すように、第1の3D放射線ビーム軸1008を構築するステップ1410は、(i)第1の2D放射線透過画像中の第1の放射線ビームのビーム軸908の決定されたロケーションと一致し、且つ第1の2D放射線透過画像の平面に対して垂直な最初の3D放射線ビーム軸908を生成することと、(ii)第1の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカ414の影906の決定された中心と一致し、且つガントリ回転軸と平行な第1の画像回転軸を中心として最初の3D放射線ビーム軸を回転させることとを含み得る。いくつかの態様では、最初の3D放射線ビーム軸は、第1のガントリ角度に等しい量で回転され得る。
【0080】
[0098]いくつかの態様では、(例えば、プロセス1300のステップ1302において)第2の3D放射線ビーム軸1110を決定することは、基準ガントリ角度(例えば0°)に対する第2のガントリ角度(例えば180°)にLINAC100のガントリ102を位置付けることを含み得る。いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸1110を決定することは、第2のガントリ角度に位置付けられたガントリ102を用いて、第2の放射線ビームを生成するためにLINAC100を使用することを含み得る。いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸1110を決定することは、第2のガントリ角度に位置付けられたガントリ102を用いて、放射線不透過マーカ414の付近を通過した後の第2の放射線ビームの放射線場を示す第2の2D放射線透過画像を取得するためにLINAC100の撮像デバイス416を使用することを含み得る。いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸1110を決定することは、第2の2D放射線透過画像に基づいて、第2の放射線ビームのビーム軸のロケーションと第2の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカ414の影の中心とを決定することを含み得る。いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸1110を決定することは、第2の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーション、第2の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカ414の影の決定された中心、及び第2のガントリ角度に基づいて、第2の3D放射線ビーム軸1110を構築することを含み得る。
【0081】
[0099]いくつかの態様では、(例えば、プロセス1300のステップ1302において)第2の3D放射線ビーム軸1110を構築することは、第2の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカ414の影の決定された中心と一致し、且つガントリ回転軸208と平行な第2の画像回転軸を中心として第2の2D放射線透過画像を回転させることを含み得る。いくつかの態様では、第2の2D放射線透過画像は、第2のガントリ角度に等しい量で回転され得る。いくつかの態様では、第2の3D放射線ビーム軸は、回転された第2の2D放射線透過画像中の第2の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ回転された第2の2D放射線透過画像の平面に対して垂直であり得る。
【0082】
[00100]いくつかの態様では、(例えば、プロセス1300のステップ1302において)第2の3D放射線ビーム軸1110を構築することは、(i)第2の2D放射線透過画像中の第2の放射線ビームのビーム軸の決定されたロケーションと一致し、且つ第2の2D放射線透過画像の平面に対して垂直な最初の第2の3D放射線ビーム軸を生成することと、(ii)第2の放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影の決定された中心と一致し、且つガントリ回転軸と平行な第2の画像回転軸を中心として最初の第2の3D放射線ビーム軸を回転させることとを含み得る。いくつかの態様では、最初の第2の3D放射線ビーム軸は、第2のガントリ角度に等しい量で回転され得る。
【0083】
[00101]いくつかの態様では、(例えば、プロセス1300のステップ1302において、及び/又はプロセス1400の少なくともステップ1402、1404、及び1406において)LINAC100が第1及び第2の放射線ビームを生成するために使用され、LINACの撮像デバイスが第1及び第2の2D放射線透過画像を取得するために使用される間に、カウチ106が固定カウチ角度(例えば0°)に位置付けられ得る。
【0084】
[00102]
図15は、いくつかの態様による、放射線アイソセンタ1114を決定するためのプロセス1500を例示する。いくつかの態様では、プロセス1500のステップのうちの1つ以上は、LINAC100(例えば、LINAC100のコントローラ)によって実行され得る。いくつかの態様では、プロセス1500のステップのうちの1つ以上は、加えて又は代替として、装置(例えば、
図19の装置1900)によって実行され得る。いくつかの態様では、プロセス1500は、
図13に示すプロセス1300のステップ1304において実行され得る。
【0085】
[00103]いくつかの態様では、プロセス1500は、3D放射線ビーム軸のセット(例えば、3D放射線ビーム軸1008、1108、1112、及び1114を含む)のうちの各3D放射線ビーム軸について、3D空間中のロケーションと3D放射線ビーム軸との間のビーム軸外し距離を決定するステップ1502を含み得る。いくつかの態様では、3D空間中のロケーションと3D放射線ビーム軸との間のビーム軸外し距離は、ロケーションと3D放射線ビーム軸との間の最短距離であり得る。いくつかの態様では、プロセス1500は、3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸について決定されたビーム軸外し距離のうちのどれが最も大きいかを決定するステップ1504を含み得る。いくつかの態様では、3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸について決定されたビーム軸外し距離のうちの最も大きいものは、ロケーションについての最大ビーム軸外し距離であり得る。いくつかの態様では、プロセス1500は、最も小さい最大ビーム軸外し距離を有する3D空間中のロケーションを見出すステップ1506を含み得る。いくつかの態様では、放射線アイソセンタ1114のサイズは、ロケーションについての最大ビーム軸外し距離であり得る。いくつかの代替の態様では、最大ビーム軸外し距離を最小限に抑えるロケーションを見出す代わりに、他の測定基準を使用することができる(例えば、ビーム軸外し距離の平均を最小限に抑えること、ビーム軸外し距離の二乗平均平方根誤差を最小限に抑えること、又はそれらの組み合わせ)。
【0086】
[00104]いくつかの態様では、
図13に示すように、プロセス1300は、マーカ配置誤差を決定するオプションのステップ1306を含み得る。いくつかの態様は、放射線場中の放射線不透過マーカ414の影の中心から決定された放射線アイソセンタ1114へのベクトルとしてマーカ配置誤差を決定することを含み得る。いくつかの態様では、プロセス1300は、放射線不透過マーカ414を決定された放射線アイソセンタ1114に移動させるために、決定されたマーカ配置誤差を使用することを含み得る。
【0087】
[00105]いくつかの態様では、
図13に示すように、プロセス1300は、カウチウォークアウトを決定するオプションのステップ1308を含み得る。
【0088】
[00106]いくつかの態様では、
図13に示すように、プロセス1300は、決定された放射線アイソセンタ1114に腫瘍を位置付けるオプションのステップ1310を含み得る。
【0089】
[00107]
図16は、いくつかの態様による、カウチウォークアウトを決定するためのプロセス1600を例示する。いくつかの態様では、プロセス1600のステップのうちの1つ以上は、LINAC100(例えば、LINAC100のコントローラ)によって実行され得る。いくつかの態様では、プロセス1600のステップのうちの1つ以上は、加えて又は代替として、装置(例えば、
図19の装置1900)によって実行され得る。いくつかの態様では、プロセス1600は、
図13に示すプロセス1300のステップ1308において実行され得る。
【0090】
[00108]いくつかの態様では、プロセス1600は、カウチ角度のセットのうちの各カウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定するステップ1602を含み得る。いくつかの態様では、カウチ角度のセットは、少なくとも基準カウチ角度(例えば0°)に対する第1のカウチ角度及び基準カウチ角度に対する第2のカウチ角度を含み得る。いくつかの態様では、プロセス1600は、決定されたマーカ移動ベクトルに基づいて、カウチ角度のセットのうちのカウチ角度と3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸との各組み合わせについてのマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離(例えば、マーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離1210)を決定するステップ1604を含み得る。いくつかの態様では、マーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離は、放射線不透過マーカのロケーションと3D放射線ビーム軸誤差との間の最短距離を表し得る。
【0091】
[00109]
図17は、いくつかの態様による、カウチ角度(例えば第1のカウチ角度)についてのマーカ移動ベクトルを決定するためのプロセス1700を例示する。いくつかの態様では、プロセス1700のステップのうちの1つ以上は、LINAC100(例えば、LINAC100のコントローラ)によって実行され得る。いくつかの態様では、プロセス1700のステップのうちの1つ以上は、加えて又は代替として、装置(例えば、
図19の装置1900)によって実行され得る。いくつかの態様では、プロセス1700は、プロセス1600のステップ1602及び/又は
図13に示すプロセス1300のステップ1308において実行され得る。
【0092】
[00110]いくつかの態様では、プロセス1700は、基準カウチ角度に位置付けられたLINAC100のカウチ106と、基準ガントリ角度(例えば0°)に位置付けられたLINAC100のガントリ102とを用いて、第1の基準放射線ビームを生成するためにLINAC100を使用するステップ1702を含み得る。いくつかの態様では、プロセス1700は、基準カウチ角度に位置付けられたカウチ106と、基準ガントリ角度に位置付けられたガントリ102とを用いて、放射線不透過マーカ414の付近を通過した後の第1の基準放射線ビームの放射線場1102を示す基準カウチ角度2次元(2D)放射線透過画像を取得するためにLINAC100の撮像デバイス416を使用するステップ1704を含み得る。いくつかの態様では、プロセス1700は、基準カウチ角度2D放射線透過画像に基づいて、第1の基準放射線ビームの放射線場1102中の放射線不透過マーカ414の影1106の中心を決定するステップ1706を含み得る。
【0093】
[00111]いくつかの態様では、プロセス1700は、第1のカウチ角度にカウチを位置付けるステップ1708を含み得る。いくつかの態様では、プロセス1700は、第1のカウチ角度に位置付けられたカウチ106と、基準ガントリ角度に位置付けられたガントリ102とを用いて、第2の基準放射線ビームを生成するためにLINAC100を使用するステップ1710を含み得る。いくつかの態様では、プロセス1700は、第1のカウチ角度に位置付けられたカウチ106と、基準ガントリ角度に位置付けられたガントリ102とを用いて、放射線不透過マーカの付近を通過した後の第2の基準放射線ビームの放射線場を示す第1のカウチ角度2D放射線透過画像を取得するためにLINAC100の撮像デバイス416を使用するステップ1712を含み得る。いくつかの態様では、プロセス1700は、第1のカウチ角度2D放射線透過画像に基づいて、第2の基準放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカ414の影1208の中心を決定するステップ1714を含み得る。いくつかの態様では、プロセス1700は、第1の基準放射線ビームの放射線場1102中の放射線不透過マーカ414の影1106の中心と第2の基準放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影1208の中心との比較に基づいて、第1のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定するステップ1716を含み得る。
【0094】
[00112]いくつかの態様では、ステップ1602において第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第2のカウチ角度にカウチ106を位置付けることを含み得る。いくつかの態様では、ステップ1602において第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第2のカウチ角度に位置付けられたカウチ106と、基準ガントリ角度に位置付けられたガントリ102とを用いて、第3の基準放射線ビームを生成するためにLINAC100を使用することを含み得る。いくつかの態様では、ステップ1602において第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第2のカウチ角度に位置付けられたカウチ106と、基準ガントリ角度に位置付けられたガントリ102とを用いて、放射線不透過マーカ414の付近を通過した後の第3の基準放射線ビームの放射線場を示す第2のカウチ角度2D放射線透過画像を取得するためにLINAC100の撮像デバイス416を使用することを含み得る。いくつかの態様では、ステップ1602において第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第2のカウチ角度2D放射線透過画像に基づいて、第3の基準放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカ414の影1206の中心を決定することを含み得る。いくつかの態様では、ステップ1602において第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することは、第1の基準放射線ビームの放射線場1102中の放射線不透過マーカ414の影1106の中心と第3の基準放射線ビームの放射線場中の放射線不透過マーカの影1206の中心との比較に基づいて、第2のカウチ角度についてのマーカ移動ベクトルを決定することを含み得る。
【0095】
[00113]いくつかの態様では、プロセス1600は、臨床アイソセンタを決定することを更に含み得る。いくつかの態様では、臨床アイソセンタを決定することは、最大のマーカからビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することを含み得る。いくつかの態様では、最大のマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することは、異なるカウチ角度に、放射線不透過マーカの影に基づいて、カウチ回転軸を予測することを含み得る。いくつかの態様では、最大のマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することは、予測されたカウチ回転軸を中心としたカウチ回転によって変位された新しい基準位置に放射線不透過マーカ414の位置のセットを予測することを含み得る。いくつかの態様では、最大のマーカからビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することは、決定されたマーカ移動ベクトルに基づいて、カウチ角度のセットのうちのカウチ角度と3D放射線ビーム軸のセットのうちの3D放射線ビーム軸との各組み合わせについての予測されたマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離を決定することを含み得、予測されたマーカから3D放射線ビーム軸誤差までの距離は、放射線不透過マーカのロケーションと3D放射線ビーム軸誤差との間の最短距離を表し得る。いくつかの態様では、最大のマーカからビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える空間中のロケーションを決定することは、最大のマーカからビーム軸誤差までの距離を最小限に抑える基準マーカ位置を決定することを含み得る。いくつかの態様では、プロセス1600は、決定された臨床アイソセンタに腫瘍を配置するステップを更に含み得る。
【0096】
[00114]2.5 LINACコントローラ
【0097】
[00115]
図18は、いくつかの態様による、LINAC100のコントローラ1800のブロック図である。
図18に示すように、コントローラ1800は、処理回路(PC)1802であって、それは、1つ以上のプロセッサ(P)1855(例えば、1つ以上の汎用マイクロプロセッサ並びに/又は特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び同様のものなどの1つ以上の他のプロセッサ)を含み得、そのプロセッサは、単一のハウジング中若しくは単一のデータセンタ中にコロケートされ得るか、又は地理的に分散され得る(即ち、システムは、分散型計算装置であり得る)、処理回路(PC)1802と、コントローラ1800が、ネットワークインターフェース1868が接続されたネットワーク1810(例えばインターネットプロトコル(IP)ネットワーク)に接続された他のノードにデータを送信し、それからデータを受信することを可能にするための送信機(Tx)1865及び受信機(Rx)1867を備えるネットワークインターフェース1868と、ガントリ回転軸208を中心としてガントリ102を回転させるように構成されたガントリ回転装置1850と、カウチ回転軸310を中心としてカウチ106を回転させるように構成されたカウチ回転装置1852と、LINAC100の導波路中に電子ビームを生成するように構成された放射線ビーム生成器1854と、ローカル記憶ユニット(別名「データ記憶システム」)1808であって、それは、1つ以上の不揮発性記憶デバイス及び/又は1つ以上の揮発性記憶デバイスを含み得る、ローカル記憶ユニットとを備え得る。PC1802がプログラマブルプロセッサを含む態様では、コンピュータプログラム製品(CPP)1841が設けられ得る。いくつかの態様では、CPP1841は、コンピュータ可読命令(CRI)1844を備えるコンピュータプログラム(CP)1843を記憶するコンピュータ可読媒体(CRM)1842を含み得る。いくつかの態様では、CRM1842は、磁気媒体(例えばハードディスク)、光学媒体、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)、及び同様のものなどの非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。いくつかの態様では、コンピュータプログラム1843のCRI1844は、PC1802によって実行されると、CRIがLINAC100に、本明細書で説明したステップ(例えば、本明細書のフローチャートを参照して本明細書で説明した1つ以上のステップ)を実行させるように構成され得る。他の態様では、コントローラ1800は、コードを必要とせずに、本明細書で説明したステップを実行するように構成され得る。即ち、例えば、PC1802は、単に1つ以上のASICから成り得る。故に、本明細書で説明した態様の特徴は、ハードウェア及び/又はソフトウェアにおいて実装され得る。
【0098】
[00116]2.6 装置
【0099】
[00117]
図19は、いくつかの態様による装置1900のブロック図である。
図19に示すように、装置1900は、処理回路(PC)1902であって、それは、1つ以上のプロセッサ(P)1955(例えば、1つ以上の汎用マイクロプロセッサ並びに/又は特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び同様のものなどの1つ以上の他のプロセッサ)を含み得、そのプロセッサは、単一のハウジング中若しくは単一のデータセンタ中にコロケートされ得るか、又は地理的に分散され得る(即ち、システムは、分散型計算装置であり得る)、処理回路(PC)1902と、装置1900が、ネットワークインターフェース1968が接続されたネットワーク1910(例えばインターネットプロトコル(IP)ネットワーク)に接続された他のノードにデータを送信し、それからデータを受信することを可能にするための送信機(Tx)1965及び受信機(Rx)1967を備えるネットワークインターフェース1968と、ローカル記憶ユニット(別名「データ記憶システム」)1908であって、それは、1つ以上の不揮発性記憶デバイス及び/又は1つ以上の揮発性記憶デバイスを含み得る、ローカル記憶ユニットとを備え得る。PC1902がプログラマブルプロセッサを含む態様では、コンピュータプログラム製品(CPP)1941が設けられ得る。いくつかの態様では、CPP1941は、コンピュータ可読命令(CRI)1944を備えるコンピュータプログラム(CP)1943を記憶するコンピュータ可読媒体(CRM)1942を含み得る。いくつかの態様では、CRM1942は、磁気媒体(例えばハードディスク)、光学媒体、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)、及び同様のものなどの非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。いくつかの態様では、コンピュータプログラム1943のCRI1944は、PC1902によって実行されると、CRIが装置1900に、本明細書で説明したステップ(例えば、本明細書のフローチャートを参照して本明細書で説明した1つ以上のステップ)を実行させるように構成され得る。他の態様では、装置1900は、コードを必要とせずに、本明細書で説明したステップを実行するように構成され得る。即ち、例えば、PC1902は、単に1つ以上のASICから成り得る。故に、本明細書で説明した態様の特徴は、ハードウェア及び/又はソフトウェアにおいて実装され得る。
【0100】
[00118]様々な実施形態を本明細書で説明したが、それらは限定ではなく例としてのみ提示されてきたことが理解されるべきである。このことから、本開示の広さ及び範囲は、上記で説明した例証的な実施形態のうちのいずれによっても限定されるべきでない。その上、その全ての可能な変形形態における上記で説明した要素の任意の組み合わせは、本明細書で別段に示されない限り、又は明らかに文脈に矛盾しない限り、本開示によって包含される。
【0101】
[00119]加えて、上記で説明し、図面に例示したプロセスは、一連のステップとして示しているが、これは、例示を目的としてのみ行った。それ故に、いくつかのステップが追加され得、いくつかのステップが省略され得、ステップの順序が再配列され得、いくつかのステップが並行して実行され得ることが企図される。
【外国語明細書】