(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165421
(43)【公開日】2022-10-31
(54)【発明の名称】電気手術器具
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20221024BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022069001
(22)【出願日】2022-04-19
(31)【優先権主張番号】2105604.9
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】594089821
【氏名又は名称】ジャイラス メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーノ ナフテハール
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK19
4C160KK39
4C160KK70
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気手術器具であって、特に、ピボットピンによって適所に保持された、構造ポリマーから形成された2つのオーバーモールドされた顎部を含む、ハサミ型ベッセルシーラーを提供する。
【解決手段】モールドされた構造ポリマーは、そうでなければそのような組立てに必要とされる多くの金属の構成要素に取って代わる。さらに、補強部材は、支持を提供するために、器具の顎部内に配置され得る。モールドされた構造ポリマーの使用は、器具の組立てを簡略化するだけでなく、次の追加的な機能性を可能にする。モールドされたピボットホール、横方向支持を提供するフランジ、及び、血管をクランプ及びシールするために必要な力を提供するように設計されたフレキシブルレバーアーム。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気手術器具であって:
遠位の第1の顎部材と、第1の中央部と、近位の第1のアームとを備える第1の構成要素であって、前記第1の構成要素はポリマー材料の第1の単一片から形成される、前記第1の構成要素と;
遠位の第2の顎部材と、第2の中央部とを備える第2の構成要素であって、前記第2の構成要素はポリマー材料の第2の単一片から形成され、前記中央部は近位の第2のアームに接続される、前記第2の構成要素と;を備え、
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つが、前記アームが互いに間隔を置いて配置される開位置と、前記アームが互いに接近する閉位置との間で、他方のアームに対して移動可能であるように、旋回可能に接続され、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材は、前記少なくとも1つのアームの相対移動に応答して、第1の状態及び第2の状態の間で移動可能であり、
前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素は、それぞれ、前記第1の顎部材及び/又は前記第2の顎部材を支持するように配置される1つ又は複数の補強部材を備え、前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素に支持を提供するように配置される、
電気手術器具。
【請求項2】
前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の中央部及び/又は前記第2の中央部内に片持ち梁のように作られる、
請求項1に記載の電気手術器具。
【請求項3】
前記1つ又は複数の補強部材は、ポリマー材料の前記第1の単一片及び/又は前記第2の単一片によって部分的に又は完全に封入される、
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具。
【請求項4】
前記1つ又は複数の補強部材は、金属で形成される、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の電気手術器具。
【請求項5】
前記1つ又は複数の補強部材は、1つ又は複数の金属インサートを備える、
請求項4に記載の電気手術器具。
【請求項6】
少なくとも前記第1のアームは、前記ポリマー材料から、特定の印加力を超えて屈曲するような形状及び厚さで形成され、それによって、使用時に、前記顎部材が前記第1の顎部材と前記第2の顎部材との間に保持される血管をクランプするためのクランピング力を提供し、前記少なくとも第1のアームの、前記特定の印加力を超えた前記屈曲は、過剰なクランピング力が前記血管に印加されることを防止する、
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の電気手術器具。
【請求項7】
前記第1のアームのフレキシビリティは、前記クランピング力が所定の範囲内にあるように選択される、
請求項6に記載の電気手術器具。
【請求項8】
前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材の少なくとも1つは、それらの間に保持された組織を通してRFエネルギーを伝達させるための導電性シーリング表面を備え、前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つは、前記導電性シーリング表面をRFエネルギー源に接続することができる無線RF電気接続を備える、
請求項1~請求項7の何れか1項に記載の電気手術器具。
【請求項9】
前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つは、指ループを備える、
請求項1~請求項8の何れか1項に記載の電気手術器具。
【請求項10】
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、前記第2の構成要素が前記第1の構成要素の前記第1の中央部の開口を通って差し込まれるように、互いにはめ込まれる、
請求項1~請求項9の何れか1項に記載の電気手術器具。
【請求項11】
前記開口は、第1のフランジ及び第2のフランジによって画定され、前記第2の構成要素の前記第2の中央部は、前記第1の構成要素の前記第1の中央部の前記開口に保持され、前記第2の中央部は、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジによって支持される、
請求項10に記載の電気手術器具。
【請求項12】
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、ピボットピンを用いて旋回可能に接続される、
請求項1~請求項11の何れか1項に記載の電気手術器具。
【請求項13】
前記ピボットピンは、前記第1のフランジの第1のピボットホール、前記第2の中央部の第2のピボットホール、及び前記第2のフランジの第3のピボットホールを通される、
請求項11に従属する請求項12に記載の電気手術器具。
【請求項14】
前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材の少なくとも1つに高周波(RF)エネルギー源を送達するように動作可能な作動ボタンをさらに備える、
請求項1~請求項13の何れか1項に記載の電気手術器具。
【請求項15】
前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材は、一対のバイポーラ鉗子を備える、
請求項1~請求項14の何れか1項に記載の電気手術器具。
【請求項16】
ポリマー材料の前記第1の単一片及びポリマー材料の前記第2の単一片は、ガラス繊維を少なくとも50%その中に有する構造ポリマーのオーバーモールドから形成される、
請求項1~請求項15の何れか1項に記載の電気手術器具。
【請求項17】
電気手術システムであって:
RF電気手術ジェネレータと;
請求項1~請求項16の何れか1項に記載の電気手術器具と;を備える、
電気手術システム。
【請求項18】
電気手術器具の組立方法であって:
ポリマー材料の第1の単一片から第1の構成要素を形成するステップであって、前記第1の構成要素は、遠位の第1の顎部材と、第1の中央部と、近位の第1のアームとを備える、前記形成するステップと;
ポリマー材料の第2の単一片から第2の構成要素を形成するステップであって、前記第2の構成要素は、遠位の第2の顎部材と、第2の中央部を備える、前記形成するステップと;
前記第2の中央部を近位の第2のアームに接続するステップと;
前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つが、前記アームが互いに離隔している開位置と、前記アームが互いに接近する閉位置との間で他方のアームに対して移動可能であり、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材が、前記少なくとも1つのアームの相対移動に応答して第1の状態及び第2の状態の間で移動可能であるように、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を共に旋回可能に接続するステップと;を備え、
前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素は、前記第1の顎部材及び/又は前記第2の顎部材をそれぞれ支持するように配置された1つ又は複数の補強部材を備え、前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素に支持を提供するように配置される、
電気手術器具の組立方法。
【請求項19】
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を旋回可能に接続するステップは:
前記第1の構成要素の前記第1の中央部の開口を通して、前記第2の構成要素を差し込むステップと;
第1のフランジの第1のピボットホール、前記第2の中央部の第2のピボットホール、及び、第2のフランジの第3のピボットホールが整列するように、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材を接近させるステップと;
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が旋回可能に接続されるように、前記第1のピボットホール、前記第2のピボットホール、及び前記第3のピボットホールにピボットピンを通すステップと;を備える、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
組織の把持及び治療のための顎型エンドエフェクタを有する鉗子型手術器具であって、
前記顎型エンドエフェクタのそれぞれの上顎及び下顎は、使用時にユーザの指を受け入れるためのそれぞれの指係合ループまで延在するそれぞれのアームに接続され、
前記それぞれのアームは、旋回可能な接続を介して、前記ユーザが使用時に前記顎型エンドエフェクタを前記旋回可能な接続に関する前記アームの移動を介して旋回可能に開閉することを可能にするように接続され、
前記アームの少なくとも一方又は両方は、断面形状(cross-sectional shape)で形成され、及び、柔軟であるような材料で形成され、
前記一方又は両方のアームのフレキシビリティは、血管又は組織をクランピング及びシーリングするための適正なクランピング/シーリング力を提供するように調整され、
前記一方又は両方のアームは、特定の所定の印加力を超えて柔軟であり、それによって、ユーザが血管又は組織をクランピング及び/又はシーリングするための所定の許容範囲の印加力を超える過剰な力を加える場合、前記一方又は両方のアームは屈曲し、その結果、前記所定の印加力を超える任意の過剰な力は消散し、残りの力は、前記適正なクランピング/シーリング力が前記血管又は組織に加えられるように、前記上顎及び前記下顎に伝達される、
鉗子型手術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される本発明の実施の形態は、電気手術デバイス、特にハサミ動作のベッセルシーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
電気手術器具は、凝固及び組織シーリング(癒合)の目的で使用することができるという点で、従来の手術器具に勝る利点を提供する。電気手術鉗子は、器具の端部に位置する1つ又は複数の電極に凝固RF信号を送達することによって組織をカッティング(切離)及び/又はシーリングする前に、組織又は血管をクランプ(はさみ固定)するために使用される。現在市販されているベッセルシーラーは、構成要素の数及び一対の顎部(ジョー)を組立てるために使用される材料の両方の観点から、組立ての複雑さを有する。具体的には、市販のハサミ型ベッセルシーラーは、顎部とレバーアームの部品を形成するために、材料及び構成要素の組合せを用いている。これらの部品は高価であり、種々の製造及び接合技術、ならびに電極からの絶縁を必要とする、多くの金属の構成要素を含む。これらの組立コストは、使用される多くの構成要素のために、典型的には非常に高い。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施の形態は、ピボットピンによって所定の位置に保持された構造ポリマーから形成された2つのオーバーモールドされた顎部を備える電気手術器具、具体的にはハサミ型ベッセルシーラーを提供する。モールド(成形)された構造ポリマーは、そうでなければそのような組立てに必要とされるであろう多くの金属の構成要素に取って代わる。モールドされた構造ポリマーの使用は、器具の組立てを単純化するだけでなく、以下の追加的な機能を可能にする:モールドされたピボットホール、横方向の支持を提供するフランジ、及び血管をクランプ及びシールするために必要な力を提供するように設計されたフレキシブルレバーアーム。レバーアーム内には金属補強材の構成要素は必要ない。本発明の実施の形態によっては、顎部を支持するために金属補強材が追加される。金属補強材は、構造ポリマーから形成されたオーバーモールド内に部分的に又は完全に封入されてもよい。顎部を支持する金属補強材は、荷重下の顎部の曲げを劇的に減少させるので、有益である。
【0004】
したがって、第1の態様では、遠位の第1の顎部材と、第1の中央部と、近位の第1のアームとを備える第1の構成要素であって、前記第1の構成要素はポリマー材料の第1の単一片(ピース)から形成される、前記第1の構成要素と;遠位の第2の顎部材と、第2の中央部とを備える第2の構成要素であって、前記第2の構成要素はポリマー材料の第2の単一片から形成され、前記中央部は近位の第2のアームに接続される、前記第2の構成要素と;を備える、電気手術器具が提供される。前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの少なくとも1つが、前記アームが互いに間隔を置いて配置される開位置と、前記アームが互いに接近する閉位置との間で、他方のアームに対して移動可能であるように、旋回可能に接続され、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材は、前記少なくとも1つのアームの相対移動に応答して、第1の状態及び第2の状態の間で移動可能である。前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素は、それぞれ、前記第1の顎部材及び/又は前記第2の顎部材を支持するように配置される1つ又は複数の補強部材を備え、前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素に支持を提供するように配置される。
【0005】
上記の態様は、ポリマーのオーバーモールドを使用することが、そうでなければそのような組立てに必要となるであろう、多くの金属の構成要素に取って代わるので、有益である。金属の構成要素は高価であり、種々の製造及び接合技術を必要とし、電極からの絶縁を必要とする。金属の構成要素を使用すると、多くの構成要素が使用されるので、組立コストが高くなる。実施の形態によっては、ピボットピン及び電極を除いて、この器具内に露出した金属は存在しない。ポリマー材料の使用は、器具の複雑さを大幅に減少させ、部品数を減少させ、組立てを大幅に単純化する。ポリマー材料を使用することは上記の理由のために有益であるが、器具の顎部のうちの1つ又は複数は、荷重下での顎部の屈曲を低減するために、追加の補強の恩恵を受けるだろう。器具内に補強部材を追加することにより、顎部を支持することができる。
【0006】
実施の形態によっては、前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の中央部及び/又は前記第2の中央部内に片持ち梁のように作られる。これは、顎部だけでなく中央部にも支持を提供するので有益である。
【0007】
実施の形態によっては、前記1つ又は複数の補強部材は、ポリマー材料の前記第1の単一片及び/又は前記第2の単一片によって部分的に又は完全に封入される。補強部材がポリマー材料の第1及び/又は第2の単一片によって完全に封入される場合、ピボットピン及び電極を除いて、この器具内に露出した金属は存在しない。
【0008】
実施の形態によっては、前記1つ又は複数の補強部材は、金属で形成される、例えば、ステンレス鋼、チタンである。
【0009】
実施の形態によっては、前記1つ又は複数の補強部材は、1つ又は複数の金属インサートを備える。
【0010】
実施の形態によっては、少なくとも前記第1のアームは、前記ポリマー材料から、特定の印加力を超えて屈曲するような形状及び厚さで形成され、それによって、使用時に、前記顎部材が、前記第1の顎部材と前記第2の顎部材との間に保持される血管をクランプするためのクランピング力を提供し、前記少なくとも第1のアームの、前記特定の印加力を超えた屈曲は、過剰なクランピング力が前記血管に印加されることを防止する。
【0011】
ポリマー材料を使用することは、モールドされたピボットホールと、一体の指ループを有するフレキシブルなレバーアームの追加の機能を提供するという、さらなる利点を有する。レバーアームのフレキシビリティ(柔軟性、可撓性)を特別に調整して、血管をクランピング及びシーリングするための適正なクランピング力を提供することができる。適正なクランピング力は、レバーアームが一定の印加力を超えて柔軟であることによって達成される。したがって、ユーザが、通常、血管をクランピング及び/又はシーリングするための所定の許容範囲を超える大きな印加力を加える場合、レバーアームは撓む。レバーアームのこの屈曲は過剰な力が消散される結果となり、残りの力は、適正なクランピング/シーリング力が血管/組織に加えられるように、顎部に伝達される。レバーアームに必要な金属補強材の構成要素はない。レバーアームのフレキシビリティの調整は所望のフレキシビリティを与えるようにアームを形成する材料の厚さを設計することによって達成され、材料が厚ければ厚いほどフレキシビリティが低くなり、アームが撓む前に顎部材に伝達される力が大きくなる。幅及び高さの厚み寸法の両方が、所望のフレキシビリティ応答を与えるように調節されてもよい。
【0012】
実施の形態によっては、前記第1のアームのフレキシビリティは、前記クランピング力が所定の範囲内にあるように選択される。
【0013】
実施の形態によっては、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材の少なくとも1つは、それらの間に保持された組織を通してRFエネルギーを伝達させるための導電性シーリング表面を備え、前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つは、前記導電性シーリング表面をRFエネルギー源に接続することができる無線RF電気接続を備える。
【0014】
実施の形態によっては、前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの少なくとも1つは、指ループを備える。
【0015】
実施の形態によっては、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、前記第2の構成要素が前記第1の構成要素の前記第1の中央部の開口を通って差し込まれるように、互いにはめ込まれる。このことは、器具が迅速かつ容易に組立てられることを可能にし、組立コストを低減させるので、有益である。
【0016】
実施の形態によっては、前記開口は、第1のフランジ及び第2のフランジによって画定され、前記第2の構成要素の前記第2の中央部は、前記第1の構成要素の前記第1の中央部の前記開口に保持され、前記第2の中央部は前記第1のフランジ及び前記第2のフランジによって支持される。フランジはポリマー材料を使用することの有益な結果であり、横方向の支持を提供し、デバイスの開閉を導く。
【0017】
実施の形態によっては、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、ピボットピンを用いて旋回可能に接続される。
【0018】
実施の形態によっては、前記ピボットピンは、前記第1のフランジの第1のピボットホール、前記第2の中央部の第2のピボットホール、及び前記第2のフランジの第3のピボットホールを通される。
【0019】
実施の形態によっては、前記器具は、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材のうちの少なくとも1つに高周波(RF)エネルギー源を送達するように動作可能な作動ボタンをさらに備える。器具上に作動ボタンを有することは有益であり、ユーザはボタンへ直接かつ容易にアクセスでき、ユーザが凝固機能を自由に作動及び停止できることを可能にする。
【0020】
実施の形態によっては、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材は、一対のバイポーラ鉗子を備える。
【0021】
実施の形態によっては、ポリマー材料の前記第1の単一片及びポリマー材料の前記第2の単一片は、50%を超えるガラス繊維補強材を有する構造ポリマーのオーバーモールドから形成され、十分な強度及び剛性を提供し、一方、また、過剰な印加力を消散させるためのフレキシビリティを可能にする。一実施の形態では、PARA IXEFと呼ばれるポリマー材料を使用することができる。PARA IXEFは、強度と美観との組合せを提供するので、構造ポリマーの有益な選択である。PARA IXEFは典型的には約50~60%のガラス繊維強化材を含有し、したがって、強度及び剛性を与える。PARA IXEFは、機械的応力(機械的ストレス)に対する高い耐性、高い剛性を有し、複雑な形状に使用することができる。
【0022】
第2の態様は、RF電気手術ジェネレータ、及び、上記のような電気手術器具を備える、電気手術システムを提供する。
【0023】
第3の態様は、電気手術器具の組立方法を提供し、前記方法は:ポリマー材料の第1の単一片から第1の構成要素を形成するステップであって、前記第1の構成要素は、遠位の第1の顎部材と、第1の中央部と、近位の第1のアームとを備える、前記形成するステップと;ポリマー材料の第2の単一片から第2の構成要素を形成するステップであって、前記第2の構成要素は、遠位の第2の顎部材と、第2の中央部を備える、前記形成するステップと;前記第2の中央部を近位の第2のアームに接続するステップと;前記第1のアーム及び前記第2のアームのうちの少なくとも1つが、前記アームが互いに離隔している開位置と、前記アームが互いに接近する閉位置との間で他方のアームに対して移動可能であり、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材が、前記少なくとも1つのアームの相対移動に応答して第1の状態及び第2の状態の間で移動可能であるように、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を共に旋回可能に接続するステップと;を備える。前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素は、前記第1の顎部材及び/又は前記第2の顎部材をそれぞれ支持するように配置された1つ又は複数の補強部材を備え、前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素に支持を提供するように配置される。
【0024】
この簡単な組立方法は、顎部が荷重下でも曲がらないように顎部に支持を提供しながらも、組立コストを大幅に低減するので有益である。
【0025】
実施の形態によっては、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を旋回可能に接続するステップは:前記第1の構成要素の前記第1の中央部の開口を通して、前記第2の構成要素を差し込むステップと;第1のフランジの第1のピボットホール、前記第2の中央部の第2のピボットホール、及び、第2のフランジの第3のピボットホールが整列するように、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材を接近させるステップと;前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が旋回可能に接続されるように、前記第1のピボットホール、前記第2のピボットホール、及び前記第3のピボットホールにピボットピンを通すステップと;を備える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
ここで、本発明の実施の形態を、単に例として、添付の図面を参照してさらに説明するが、同様の参照番号は同様の部分を指す。
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態による電気手術器具の側面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態による電気手術器具の3つの斜視図を示し、器具の構成要素がどのように互いに嵌合するかを示す。
【
図3】
図3は、電気手術器具の第1の構成要素の分離図を示す。
【
図4】
図4は、第1の構成要素の遠位端をより詳細に示す。
【
図5】
図5は、電気手術器具の第1の構成要素の側面図である。
【
図6】
図6は、電気手術器具の第1の構成要素の上面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態による、ジェネレータ(発電機)及び器具を含む電気手術システムの図である。
【
図8】
図8は、電気手術器具の第2の構成要素の側面図である。
【
図9】
図9は、電気手術器具の第2の構成要素の斜視図である。
【
図10】
図10は、電気手術器具の第2の構成要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面を参照すると、
図1は、本発明の第1の実施例による電気手術器具100を示す。器具100は、第1の構成要素100a及び第2の構成要素100bを備える。第1の構成要素100aは、一体成形のポリマー材料から形成される。同様に、第2の構成要素100bもまた、一体成形のポリマー材料から形成される。第1の構成要素100aは、第1の顎部材102と、第1の中央部111と、第1のアーム106とを備える。第2の構成要素100bは、第2の顎部材103と、第2の中央部113とを備える。第2の構成要素100bは、第2のアーム105に接続することができる。
【0029】
器具100は、第1の顎部材102及び第2の顎部材103を備える遠位エンドエフェクタ101を含み、それによって、一対の対向する顎部(jaw、ジョー)を特徴づける。顎部材102、103の少なくとも一方は、顎部材102、103が互いに対して離隔した関係で配置される第1の開位置と、顎部材102、103が協働してそれらの間の組織を把持する第2の閉位置との間で、他方に対して移動可能である。顎部材102、103は、顎部材102、103がそれらの間に保持された組織を通してエネルギーを伝導して組織シーリング又は凝固をもたらすことができるように、電気エネルギー源に接続され得る。これを達成するために、顎部材102、103は、顎部材102、103の内側の対向する表面に配置された、又は、内側の対向する表面として配置された、1つ又は複数の電極(
図1には不図示)を備えてもよく、これらの電極は、使用時に組織のシーリング又は凝固のための電気手術高周波(RF)信号を受信するための接続部を有する。
【0030】
顎部材102、103には、さらに、ユーザによって起動されたときに、機械的カッティングブレード(不図示)等が突出することができるスロット又は他の開口を内側の対向する表面に設けることもできる。顎部材102、103は(
図4に最もよく示されているように)湾曲されてもよく、その結果、器具100の能動的要素は常に視野内にある。これは、使用中に、デバイスのユーザの視覚を不明瞭にする身体の領域上で動作するように用いられる血管シーリングデバイスにおいて、重要である。
【0031】
この例では、エンドエフェクタ101は、一般的に104で示されるハンドルを使用して作動し、ハンドルは、第2の顎部材103の近位端から延在する第2のアーム105と、第1の顎部材102の近位端から延在する第1のアーム106とを備え、2つのアーム105、106は互いに対して移動可能である。ハンドル104の近位端は、各アーム105、106を作動させるための機構、例えば、指ループ110、112などを含んでもよい。2つのアーム105、106の遠位端は、中央の又はメインのピボット(回転軸)108を介して共に枢動可能に連結されている。したがって、アーム105、106が互いに対して離隔した関係で配置される第1の開位置と、第2の閉位置との間で互いに対して移動する場合、この移動は、顎部材102、103の対応する開及び閉を引き起こす。
【0032】
電気手術器具100は、RFエネルギーをエンドエフェクタ101に供給するためのパワーライン(電力線)114を含んでもよい。パワーライン114は、第1のアーム106又は第2のアーム105のいずれかに接続することができる。電気手術器具100はまた、ブレードトリガ(不図示)のような、ブレードアクチュエータに結合された機械的カッティングブレード(不図示)を含んでもよい。カッティングブレードは、ブレードトリガの作動が、それぞれのアーム105、106に沿って及び2つの顎部材102、103の間でカッティングブレードを並進させ、それによって、それらの間に把持された任意の組織を切断するように、アーム105、106のうちの1つに配置されてもよい。
【0033】
電気手術器具100はまた、スイッチ機構を備えてもよい。スイッチ機構は、組織を凝固させるためのRF信号を作動させるためにハンドル104に配置された作動ボタン117を備えてもよい。加えて、又は代替的に、スイッチ機構は、フットスイッチ(不図示)を含んでもよい。
【0034】
動作において、アーム105、106はユーザによって操作されて、顎部材102、103を動かして、顎部材102、103を選択的に開閉する。顎部材102、103及びアーム105、106は、複数の位置、好ましくは少なくとも3つの位置を介して可動可能である。第1の位置において、顎部材102、103及びアーム105、106は、第1及び第2の顎部材102、103の遠位端が離隔し、第1及び第2のアーム106、105の近位端が離隔するように、開く(open)。第2の位置では、顎部材102、103及びアーム105、106は、第1及び第2の顎部材102、103が互いに近接し、第1及び第2のアーム106、105が互いに近接するように、閉じる(close)。第3の位置において、顎部材102、103は、第2の位置のように閉じたままであり、一方、アーム105、106は、クランプ(固定)されて閉じる(clamped shut)。第3の位置において、関連する回路又は接点は、顎部102、103の間に把持された組織を融合させるためのRFエネルギーを供給するために、電気手術ジェネレータの関連する接続部に顎部の適切な電極を接続するように接続されてもよい。
【0035】
図2は本発明の実施の形態による電気手術器具100の3つの斜視図(A、B、及びCとラベル付けされる)を示し、第1の構成要素100a及び第2の構成要素100bがどのように一緒に嵌合するかを図示する。これについては、以下でより詳細に説明する。
【0036】
第1の構成要素100aは、
図3~
図6に単独で示されている。第1の顎部102は、顎部102、103の間に把持された組織を融合するようにRFエネルギーを導くための露出電極116(
図4に最も良く示されている)を有する。第1の構成要素100aは、第1の中央部111と呼ばれる、顎部材102の近位の成形物を備える。第1の中央部111は横方向の支持を提供し、器具100の開閉を導くためのフランジ109を備える。第1の構成要素100aは、屈曲部118、指ループ110、及び作動ボタン117を有するフレキシブルレバーアーム(上記では「第1のアーム」と記載されている)106をさらに備える。第1の構成要素100aは、1つの単一のポリマー片から形成され、すなわち、第1の顎部102、第1の中央部111、フランジ109、レバーアーム106、指ループ110、及び作動ボタン117は、すべて、1つの単一のポリマー片から形成される。
【0037】
第2の顎部103はまた、顎部102、103の間に把持された組織を融合するようにRFエネルギーを導くための露出電極116を有してもよい。第2の構成要素100bは、第2の中央部113と呼ばれる、顎部材103の近位の成形物を備える。第2の構成要素100bは、1つの単一のポリマー片から形成され、すなわち、第2の顎部103及び第2の中央部113は、1つの単一のポリマー片から形成される。次に、第2の中央部113は、
図1に示し、上述したように、第2のアーム105に接続することができる。
【0038】
本発明の実施の形態によっては、追加の支持(サポート)を提供するために、1つ又は複数の補強部材を器具100の構造に追加することができる。補強部材は、金属インサートを含むことができる。補強部材は、顎部102、103の一方又は両方を支持するように配置されてもよく、中央部113、115内に片持ち梁(cantilever、カンチレバー)状に挿入されてもよい。第2の構成要素100b内での補強部材の使用の一例が
図8~10に示されており、
図8~10に関連して説明した補強部材は、代替的に又は追加的に第1の構成要素100aに適用することができる。
【0039】
図8~
図10は、補強部材800を含む第2の構成要素100bを示す。第2の構成要素100bは上述の通りであり、補強部材800をさらに含む。補強部材800は、金属インサートであってもよい。補強部材800は、顎部103内に配置され、第2の中央部113内で片持ち梁としてもよい。補強部材は、1つ又は複数の穴902(
図9に示す)に挿入された1つ又は複数の締結手段802によって適所に保持されてもよい。締結手段は、ピン又はねじ付き締結具であってもよい。補強部材800は、顎部及び第2の構成要素100b全体に追加の支持を提供する。補強部材800は有益なことに、荷重下での顎部103のいかなる曲げも劇的に減少させる。任意の補強部材800はポリマーのオーバーモールディングの前に配置されてもよく、あるいはポリマーがモールド(成型)された後に所定の位置に差し込まれてもよい。ポリマーのオーバーモールディングは内部構造(任意の補強部材800を含む)及び電子的構成要素(例えば、内部配線114)を部分的に又は完全に封入する。電極表面116は露出されたままである。
【0040】
実施の形態によっては、両方の顎部102、103は、追加の支持のための1つ又は複数の補強部材800を含む。
【0041】
図8~
図10では、内部配線114がポリマーオーバーモールディング及び補強部材800によって包まれているように示されている。しかし、他の例では、内部配線114は補強部材800によって包まれていなくてもよい。内部配線114は、
図1及び
図7に示されるようにパワーライン114の延長部であり、以下により詳細に記載されるとおり、電極116を電気手術ジェネレータに接続して、RF信号が器具100のエンドエフェクタに供給されることを可能にし、また、電気手術ジェネレータに、RF凝固信号を器具100に出力するように命令するための、制御信号が受信されることを可能にする。
【0042】
本発明の実施の形態は、一対の機能的な顎部を形成するために、ピボットピン108を使用して一緒に保持される、2つのオーバーモールドされた構成要素(第1の構成要素100a及び第2の構成要素100b)を必要とする、単純な組立方法を可能にする。
【0043】
図2Aに示されるように、第1の構成要素100a及び第2の構成要素100bは、第2の構成要素100bが第1の構成要素100aの第1の中央部111の開口115を通って差し込まれるように、互いにはめ込まれる。実際には、湾曲した顎部103は、第2の構成要素100bが開口115を通って最初に顎部端から下へ差し込まれるのを妨げるので、第2の構成要素100bの第2の中央部113が、第1の構成要素100aの開口115を通って上へ差し込まれることになる。開口115は、第1及び第2のフランジ109によって画定される。第2の中央部113は、開口115内に保持され、フランジ109によって支持される。
図2Bに示すように、顎部102、103を一旦嵌合させると、3つのポリマーピボットホール107(第1の構成要素100aの各フランジ109に1つ、第2の構成要素100bに1つ)を整列させる。ピボットピン108は、
図2Cに示されているように、部品(アセンブリ)を一緒に保持するために、3つのピボットホール107に通される。ピボットピン108は、圧入ピボットピン108又はリベット止めピボットピン108のいずれであってもよい。
【0044】
ピボットピン108及び両方の顎部102、103の電極116は別として、この部品内に露出した金属が存在しないことが可能である。このことは、露出した金属は電極116から絶縁させる必要があるので有益である。この部品の第1及び第2の構成要素100a、100bに使用されるポリマーは、PARA IXEFであり、これは、この場合に金属代替物として作用する。ポリマーの使用は、製品の複雑さを大幅に減少させ、パーツの数を減少させ、組立てを大幅に単純化する。上述のように、顎部102、103の一方又は両方は、1つ又は複数の補強部材800を使用して補強されてもよい。そのような部材800は、金属インサートであってもよく、ポリマーのオーバーモールドによって完全に又は部分的に封入されてもよい。
【0045】
次に、器具100の組立方法について説明する。この方法はポリマー材料の第1の単一片から第1の構成要素100aを形成し、ポリマー材料の第2の単一片から第2の構成要素100bを形成することを含む。本発明の実施の形態によっては、ポリマー材料から第1及び/又は第2の構成要素を形成する前に、1つ又は複数の補強部材800を内部構成要素(例えば、内部配線114、電極116)に対して配置することができる。次に、第1及び/又は第2の構成要素100a、100bはポリマーをオーバーモールディングし、任意の補強部材800及び内部構成要素を封入することによって形成されてもよい。第2の構成要素100bは、第2のアーム105に接続することができる。次に、第1及び第2の構成要素100a、100bは、共に旋回可能に接続される。構成要素100a、100bは、第1の構成要素100aの第1の中央部111の開口115を通して第2の構成要素100bを差し込み、第1及び第2の顎部材102、103を閉じて、第1のフランジの第1のピボットホール、第2の中央部の第2のピボットホール、及び第2のフランジの第3のピボットホールを整列させ、第1及び第2の構成要素100a、100bが旋回可能に接続されるように、第1、第2及び第3のピボットホールにピボットピンを通すことによって旋回可能に接続されてもよい。
【0046】
ポリマーの使用は、顎部102、103を形成するための、電極116及び任意の補強部材800のオーバーモールディングを可能にし、また、以下の追加の機能性を含むようにモールディングの機能を拡張する:
(i)モールドされたピボットホール107。
(ii)横方向の支持を提供し、器具100の開閉を導くためのフランジ109。
(iii)血管をクランプしシールするのに必要な力を提供するように設計された、一体の指ループ110を備えたフレキシブルレバーアーム106。
【0047】
フレキシブル一体型レバーアーム106は第1の構成要素100aの一部であり、したがって、同一のポリマーオーバーモールディングの一部である。このレバーアーム106内には金属補強材の構成要素は存在しない。フレキシブルレバーアームは第1のアーム106であるとして記載されるが、実際には、第2のアーム105であってもよく、又はその両方であってもよい。
【0048】
図5は、第1の構成要素100a及びフレキシブルレバーアーム106を示す。レバーアーム106のフレキシビリティは、血管をクランプしシールするための適正なクランピング力を提供するように特別に調整される。適正なクランピング力は、所定の許容範囲を含むと考えることができる。適正なクランピング力は、レバーアーム106が、ある印加力を超えて柔軟であることによって達成される。したがって、ユーザが、普通に、血管をクランピング及び/又はシーリングするには所定の許容範囲を超える大きな印加力を加える場合、レバーアーム106は屈曲する。レバーアーム106のこの屈曲は過剰な力が消散される結果をもたらし、残りの力は適正なクランピング/シーリング力が血管/組織に加えられるように、顎部102、103に伝達される。レバーアーム106がより柔軟であるほど、血管をクランプするために伝達される力がより少なくなる。
【0049】
図6は、第1の構成要素100aの上面図である。レバーアーム106の幅は、レバーアームに対して適正な横方向の剛性を提供するように特別に選択される。レバーアーム106が広いほど、レバーアーム106が固くなる。
【0050】
例示的な作業例として、ハンドル110、112は、顎部102、103間のクランピング/シーリング位置より、ピボット108から約3倍離れていてもよい。このことは、クランピング/シーリング位置での力がハンドルで加えられた力の約3倍となることを意味する。適正なクランピング/シーリング圧力は1.5MPa前後でよい。2cm2の顎部のクランピング/シーリング領域に対して、必要なクランピング/シーリング力は300Nである。したがって、ハンドル110、112に加えられる力は、約100Nであるべきである。
【0051】
人の典型的な握力は、約30~40kg(約300~400N)であり得る。一般に、外科医は、器具のハンドルに加えられる力として握力の全てを使用するわけではない。しかしながら、レバーアーム106は、ある印加力(例えば100N)を超えて柔軟になるように設計されている。このように、外科医が100Nを超える印加力を加え、それが全て伝達されると、300Nを超えるクランピング/シーリング力をもたらすことになるが、レバーアーム106は撓み、過剰な力を消散させる。
【0052】
器具を作ることができるポリマーPARA IXEFは、約200MPaの曲げ強度を有する。曲げ強度は、曲げ試験で破断する直前の材料の応力(ストレス)に等しい。所望の最大限の力が100Nである場合、レバーアーム106の断面積は、0.5mm2では100Nの印加力でレバーアーム106が破断するので、0.5mm2よりも著しく大きくなければならない。適切な断面積は30~50mm2である。
【0053】
この例は多くの単純化した憶測を立て、単に説明の目的のためのものである。
【0054】
顎部102、103の一方又は両方が1つ又は複数の補強部材800を含む実施の形態では、補強部材800が、加えられる力の負荷下での顎部102、103の曲げを劇的に減少させるので、加えられる力は、顎部102、103により良好に伝達され得る。
【0055】
ここで
図7を参照すると、使用時に器具100は、制御可能なRF源(不図示)を有する電気手術ジェネレータ200に接続することが意図され、このRF源は、使用時に器具100のエンドエフェクタの電極を介して適用される場合の、組織を凝固又はシールするRF凝固信号を生成する。電気手術ジェネレータ200は制御入力スイッチ204及び202を含み、それぞれ、ジェネレータがオン及びオフにされることを可能にし、及び、器具100に供給されるRF凝固信号の電力(パワー)が制御されることを可能にする。これらの点において、電気手術ジェネレータ200は従来どおりである。
【0056】
器具100は、使用時に、ジェネレータ200に制御及びパワーライン114によって接続され、これは、別個の電気線を含み、RF信号が内部配線114を介して器具100のエンドエフェクタに供給されることを可能にし、及び、器具100にRF凝固信号を出力するために、電気手術ジェネレータに命令するための制御信号が受信されることも可能にする。この制御信号は、器具100の作動ボタン117によって、又はフットスイッチ(不図示)によって起動され得る。使用時に外科医は、オン-オフスイッチ204を介してジェネレータを作動させ、ボタン202を使用して内部RF源によって発生させる凝固又はシーリング信号強度を選択する。器具を用いる外科的処置の間、エンドエフェクタにおいてシーリング又は凝固RF信号が必要とされる場合、外科医は器具上の作動ボタンを押すことによって(又はフットスイッチを使用することによって)、そのような信号を生成するようにジェネレータを制御し、次いで、生成されたRF信号は、電気線114を介してエンドエフェクタに渡される。すなわち、使用時に作動ボタンを押すと、RF凝固又はシーリング信号がエンドエフェクタに含まれる適切な電極に供給される。
【0057】
顎部材102、103は、それぞれ電極116又は導電性パッドを有していてもよい。この場合、第1の顎部材102の導電性パッド及び第2の顎部材103の導電性パッドは、ワイヤ114及びコネクタを介して電気手術ジェネレータ200に電気的に結合され、導電性パッド間で把持された組織にRFエネルギーを供給する。導電性パッドは、対向する極性を有するように配置される。ワイヤ及び関連する接続部は、作動ボタン117から第2のアーム105及び/又は第1のアーム106を通り、第1及び第2の顎部材102、103まで、ならびに第1及び第2の電極のそれぞれの接続部まで延在してもよい。作動ボタン117は、少なくとも2つのリード線を共に電気的に結合することによって作動させると、回路を完成させることができる。次いで、そのようにして電気経路が電気手術ジェネレータ200からアクチュエータまで確立されて、器具100にRFエネルギーを供給する。
【0058】
特徴の追加、削除、又は置換のいずれによるかにかかわらず、様々な修正がさらなる実施の形態を提供するために上述の実施の形態になされてもよく、そのいずれか及びすべては、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気手術器具であって:
遠位の第1の顎部材と、第1の中央部と、近位の第1のアームとを備える第1の構成要素であって、前記第1の構成要素はポリマー材料の第1の単一片から形成される、前記第1の構成要素と;
遠位の第2の顎部材と、第2の中央部とを備える第2の構成要素であって、前記第2の構成要素はポリマー材料の第2の単一片から形成され、前記中央部は近位の第2のアームに接続される、前記第2の構成要素と;を備え、
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つが、前記アームが互いに間隔を置いて配置される開位置と、前記アームが互いに接近する閉位置との間で、他方のアームに対して移動可能であるように、旋回可能に接続され、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材は、前記少なくとも1つのアームの相対移動に応答して、第1の状態及び第2の状態の間で移動可能であり、
前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素は、それぞれ、前記第1の顎部材及び/又は前記第2の顎部材を支持するように配置される1つ又は複数の補強部材を備え、前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素に支持を提供するように配置される、
電気手術器具。
【請求項2】
前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の中央部及び/又は前記第2の中央部内に片持ち梁のように作られる、
請求項1に記載の電気手術器具。
【請求項3】
前記1つ又は複数の補強部材は、ポリマー材料の前記第1の単一片及び/又は前記第2の単一片によって部分的に又は完全に封入される、
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具。
【請求項4】
前記1つ又は複数の補強部材は、金属で形成される、
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具。
【請求項5】
前記1つ又は複数の補強部材は、1つ又は複数の金属インサートを備える、
請求項4に記載の電気手術器具。
【請求項6】
少なくとも前記第1のアームは、前記ポリマー材料から、特定の印加力を超えて屈曲するような形状及び厚さで形成され、それによって、使用時に、前記顎部材が前記第1の顎部材と前記第2の顎部材との間に保持される血管をクランプするためのクランピング力を提供し、前記少なくとも第1のアームの、前記特定の印加力を超えた前記屈曲は、過剰なクランピング力が前記血管に印加されることを防止する、
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具。
【請求項7】
前記第1のアームのフレキシビリティは、前記クランピング力が所定の範囲内にあるように選択される、
請求項6に記載の電気手術器具。
【請求項8】
前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材の少なくとも1つは、それらの間に保持された組織を通してRFエネルギーを伝達させるための導電性シーリング表面を備え、前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つは、前記導電性シーリング表面をRFエネルギー源に接続することができる無線RF電気接続を備える、
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具。
【請求項9】
前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つは、指ループを備える、
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具。
【請求項10】
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、前記第2の構成要素が前記第1の構成要素の前記第1の中央部の開口を通って差し込まれるように、互いにはめ込まれる、
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具。
【請求項11】
前記開口は、第1のフランジ及び第2のフランジによって画定され、前記第2の構成要素の前記第2の中央部は、前記第1の構成要素の前記第1の中央部の前記開口に保持され、前記第2の中央部は、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジによって支持される、
請求項10に記載の電気手術器具。
【請求項12】
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、ピボットピンを用いて旋回可能に接続される、
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具。
【請求項13】
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、前記第2の構成要素が前記第1の構成要素の前記第1の中央部の開口を通って差し込まれるように、互いにはめ込まれ、
前記開口は、第1のフランジ及び第2のフランジによって画定され、前記第2の構成要素の前記第2の中央部は、前記第1の構成要素の前記第1の中央部の前記開口に保持され、前記第2の中央部は、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジによって支持され、
前記ピボットピンは、前記第1のフランジの第1のピボットホール、前記第2の中央部の第2のピボットホール、及び前記第2のフランジの第3のピボットホールを通される、
請求項12に記載の電気手術器具。
【請求項14】
前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材の少なくとも1つに高周波(RF)エネルギー源を送達するように動作可能な作動ボタンをさらに備える、
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具。
【請求項15】
前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材は、一対のバイポーラ鉗子を備える、
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具。
【請求項16】
ポリマー材料の前記第1の単一片及びポリマー材料の前記第2の単一片は、ガラス繊維を少なくとも50%その中に有する構造ポリマーのオーバーモールドから形成される、
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具。
【請求項17】
電気手術システムであって:
RF電気手術ジェネレータと;
請求項1又は請求項2に記載の電気手術器具と;を備える、
電気手術システム。
【請求項18】
電気手術器具の組立方法であって:
ポリマー材料の第1の単一片から第1の構成要素を形成するステップであって、前記第1の構成要素は、遠位の第1の顎部材と、第1の中央部と、近位の第1のアームとを備える、前記形成するステップと;
ポリマー材料の第2の単一片から第2の構成要素を形成するステップであって、前記第2の構成要素は、遠位の第2の顎部材と、第2の中央部を備える、前記形成するステップと;
前記第2の中央部を近位の第2のアームに接続するステップと;
前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つが、前記アームが互いに離隔している開位置と、前記アームが互いに接近する閉位置との間で他方のアームに対して移動可能であり、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材が、前記少なくとも1つのアームの相対移動に応答して第1の状態及び第2の状態の間で移動可能であるように、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を共に旋回可能に接続するステップと;を備え、
前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素は、前記第1の顎部材及び/又は前記第2の顎部材をそれぞれ支持するように配置された1つ又は複数の補強部材を備え、前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素に支持を提供するように配置される、
電気手術器具の組立方法。
【請求項19】
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を旋回可能に接続するステップは:
前記第1の構成要素の前記第1の中央部の開口を通して、前記第2の構成要素を差し込むステップと;
第1のフランジの第1のピボットホール、前記第2の中央部の第2のピボットホール、及び、第2のフランジの第3のピボットホールが整列するように、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材を接近させるステップと;
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が旋回可能に接続されるように、前記第1のピボットホール、前記第2のピボットホール、及び前記第3のピボットホールにピボットピンを通すステップと;を備える、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
組織の把持及び治療のための顎型エンドエフェクタを有する鉗子型手術器具であって、
前記顎型エンドエフェクタのそれぞれの上顎及び下顎は、使用時にユーザの指を受け入れるためのそれぞれの指係合ループまで延在するそれぞれのアームに接続され、
前記それぞれのアームは、旋回可能な接続を介して、前記ユーザが使用時に前記顎型エンドエフェクタを前記旋回可能な接続に関する前記アームの移動を介して旋回可能に開閉することを可能にするように接続され、
前記アームの少なくとも一方又は両方は、断面形状(cross-sectional shape)で形成され、及び、柔軟であるような材料で形成され、
前記一方又は両方のアームのフレキシビリティは、血管又は組織をクランピング及びシーリングするための適正なクランピング/シーリング力を提供するように調整され、
前記一方又は両方のアームは、特定の所定の印加力を超えて柔軟であり、それによって、ユーザが血管又は組織をクランピング及び/又はシーリングするための所定の許容範囲の印加力を超える過剰な力を加える場合、前記一方又は両方のアームは屈曲し、その結果、前記所定の印加力を超える任意の過剰な力は消散し、残りの力は、前記適正なクランピング/シーリング力が前記血管又は組織に加えられるように、前記上顎及び前記下顎に伝達される、
鉗子型手術器具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
特徴の追加、削除、又は置換のいずれによるかにかかわらず、様々な修正がさらなる実施の形態を提供するために上述の実施の形態になされてもよく、そのいずれか及びすべては、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
[第1の局面]
電気手術器具であって:
遠位の第1の顎部材と、第1の中央部と、近位の第1のアームとを備える第1の構成要素であって、前記第1の構成要素はポリマー材料の第1の単一片から形成される、前記第1の構成要素と;
遠位の第2の顎部材と、第2の中央部とを備える第2の構成要素であって、前記第2の構成要素はポリマー材料の第2の単一片から形成され、前記中央部は近位の第2のアームに接続される、前記第2の構成要素と;を備え、
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つが、前記アームが互いに間隔を置いて配置される開位置と、前記アームが互いに接近する閉位置との間で、他方のアームに対して移動可能であるように、旋回可能に接続され、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材は、前記少なくとも1つのアームの相対移動に応答して、第1の状態及び第2の状態の間で移動可能であり、
前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素は、それぞれ、前記第1の顎部材及び/又は前記第2の顎部材を支持するように配置される1つ又は複数の補強部材を備え、前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素に支持を提供するように配置される、
電気手術器具。
[第2の局面]
前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の中央部及び/又は前記第2の中央部内に片持ち梁のように作られる、
第1の局面に記載の電気手術器具。
[第3の局面]
前記1つ又は複数の補強部材は、ポリマー材料の前記第1の単一片及び/又は前記第2の単一片によって部分的に又は完全に封入される、
第1の局面又は第2の局面に記載の電気手術器具。
[第4の局面]
前記1つ又は複数の補強部材は、金属で形成される、
第1の局面~第3の局面の何れかに記載の電気手術器具。
[第5の局面]
前記1つ又は複数の補強部材は、1つ又は複数の金属インサートを備える、
第4の局面に記載の電気手術器具。
[第6の局面]
少なくとも前記第1のアームは、前記ポリマー材料から、特定の印加力を超えて屈曲するような形状及び厚さで形成され、それによって、使用時に、前記顎部材が前記第1の顎部材と前記第2の顎部材との間に保持される血管をクランプするためのクランピング力を提供し、前記少なくとも第1のアームの、前記特定の印加力を超えた前記屈曲は、過剰なクランピング力が前記血管に印加されることを防止する、
第1の局面~第5の局面の何れかに記載の電気手術器具。
[第7の局面]
前記第1のアームのフレキシビリティは、前記クランピング力が所定の範囲内にあるように選択される、
第6の局面に記載の電気手術器具。
[第8の局面]
前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材の少なくとも1つは、それらの間に保持された組織を通してRFエネルギーを伝達させるための導電性シーリング表面を備え、前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つは、前記導電性シーリング表面をRFエネルギー源に接続することができる無線RF電気接続を備える、
第1の局面~第7の局面の何れかに記載の電気手術器具。
[第9の局面]
前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つは、指ループを備える、
第1の局面~第8の局面の何れかに記載の電気手術器具。
[第10の局面]
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、前記第2の構成要素が前記第1の構成要素の前記第1の中央部の開口を通って差し込まれるように、互いにはめ込まれる、
第1の局面~第9の局面の何れかに記載の電気手術器具。
[第11の局面]
前記開口は、第1のフランジ及び第2のフランジによって画定され、前記第2の構成要素の前記第2の中央部は、前記第1の構成要素の前記第1の中央部の前記開口に保持され、前記第2の中央部は、前記第1のフランジ及び前記第2のフランジによって支持される、
第10の局面に記載の電気手術器具。
[第12の局面]
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素は、ピボットピンを用いて旋回可能に接続される、
第1の局面~第11の局面の何れかに記載の電気手術器具。
[第13の局面]
前記ピボットピンは、前記第1のフランジの第1のピボットホール、前記第2の中央部の第2のピボットホール、及び前記第2のフランジの第3のピボットホールを通される、
第11の局面に従属する第12の局面に記載の電気手術器具。
[第14の局面]
前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材の少なくとも1つに高周波(RF)エネルギー源を送達するように動作可能な作動ボタンをさらに備える、
第1の局面~第13の局面の何れかに記載の電気手術器具。
[第15の局面]
前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材は、一対のバイポーラ鉗子を備える、
第1の局面~第14の局面の何れかに記載の電気手術器具。
[第16の局面]
ポリマー材料の前記第1の単一片及びポリマー材料の前記第2の単一片は、ガラス繊維を少なくとも50%その中に有する構造ポリマーのオーバーモールドから形成される、
第1の局面~第15の局面の何れかに記載の電気手術器具。
[第17の局面]
電気手術システムであって:
RF電気手術ジェネレータと;
第1の局面~第16の局面の何れかに記載の電気手術器具と;を備える、
電気手術システム。
[第18の局面]
電気手術器具の組立方法であって:
ポリマー材料の第1の単一片から第1の構成要素を形成するステップであって、前記第1の構成要素は、遠位の第1の顎部材と、第1の中央部と、近位の第1のアームとを備える、前記形成するステップと;
ポリマー材料の第2の単一片から第2の構成要素を形成するステップであって、前記第2の構成要素は、遠位の第2の顎部材と、第2の中央部を備える、前記形成するステップと;
前記第2の中央部を近位の第2のアームに接続するステップと;
前記第1のアーム及び前記第2のアームの少なくとも1つが、前記アームが互いに離隔している開位置と、前記アームが互いに接近する閉位置との間で他方のアームに対して移動可能であり、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材が、前記少なくとも1つのアームの相対移動に応答して第1の状態及び第2の状態の間で移動可能であるように、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を共に旋回可能に接続するステップと;を備え、
前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素は、前記第1の顎部材及び/又は前記第2の顎部材をそれぞれ支持するように配置された1つ又は複数の補強部材を備え、前記1つ又は複数の補強部材は、前記第1の構成要素及び/又は前記第2の構成要素に支持を提供するように配置される、
電気手術器具の組立方法。
[第19の局面]
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素を旋回可能に接続するステップは:
前記第1の構成要素の前記第1の中央部の開口を通して、前記第2の構成要素を差し込むステップと;
第1のフランジの第1のピボットホール、前記第2の中央部の第2のピボットホール、及び、第2のフランジの第3のピボットホールが整列するように、前記第1の顎部材及び前記第2の顎部材を接近させるステップと;
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素が旋回可能に接続されるように、前記第1のピボットホール、前記第2のピボットホール、及び前記第3のピボットホールにピボットピンを通すステップと;を備える、
第18の局面に記載の方法。
[第20の局面]
組織の把持及び治療のための顎型エンドエフェクタを有する鉗子型手術器具であって、
前記顎型エンドエフェクタのそれぞれの上顎及び下顎は、使用時にユーザの指を受け入れるためのそれぞれの指係合ループまで延在するそれぞれのアームに接続され、
前記それぞれのアームは、旋回可能な接続を介して、前記ユーザが使用時に前記顎型エンドエフェクタを前記旋回可能な接続に関する前記アームの移動を介して旋回可能に開閉することを可能にするように接続され、
前記アームの少なくとも一方又は両方は、断面形状(cross-sectional shape)で形成され、及び、柔軟であるような材料で形成され、
前記一方又は両方のアームのフレキシビリティは、血管又は組織をクランピング及びシーリングするための適正なクランピング/シーリング力を提供するように調整され、
前記一方又は両方のアームは、特定の所定の印加力を超えて柔軟であり、それによって、ユーザが血管又は組織をクランピング及び/又はシーリングするための所定の許容範囲の印加力を超える過剰な力を加える場合、前記一方又は両方のアームは屈曲し、その結果、前記所定の印加力を超える任意の過剰な力は消散し、残りの力は、前記適正なクランピング/シーリング力が前記血管又は組織に加えられるように、前記上顎及び前記下顎に伝達される、
鉗子型手術器具。
【外国語明細書】