(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165467
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】間仕切りパネル
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
E04B2/74 561H
E04B2/74 541N
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070796
(22)【出願日】2021-04-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)開催日 :令和2年12月1日 公開場所 :コクヨ株式会社 東京ショールーム、コクヨ株式会社 品川ライブオフィス(東京都港区港南1丁目8番35号) 公開者 :コクヨ株式会社 (2)開催日 :令和2年12月1日~令和2年12月25日 展示会名 :2021 KOKUYO FAIR 開催場所 :コクヨ株式会社 東京ショールーム、コクヨ株式会社 品川ライブオフィス(東京都港区港南1丁目8番35号) 公開者 :コクヨ株式会社 (3)納品日 :令和3年2月15日 納品場所 :大田区議会(東京都大田区蒲田五丁目13番14号 大田区役所内 10階 議会事務所) 公開者 :コクヨ株式会社 (4)納品日 :令和3年3月18日 納品場所 :大田区議会(東京都大田区蒲田五丁目13番14号 大田区役所内 5階 企画課) 公開者 :コクヨ株式会社 (5)ウェブサイトの掲載日:令和3年3月25日 ウェブサイトのアドレス: https://www.kokuyo.co.jp/ https://www.kokuyo.co.jp/newsroom/news/ https://www.kokuyo.co.jp/newsroom/news/category_other/20210325fn.html https://www.kokuyo.jp/pf/ https://www.kokuyo-furniture.co.jp/index.html https://www.kokuyo-furniture.co.jp/phasefree/ 公開者 :コクヨ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】大川 航平
(72)【発明者】
【氏名】徳山 洋
(57)【要約】
【課題】ホワイトボード等としての機能を付加するのに適した間仕切りパネルにおいて、迅速かつ容易に配置替えを行えるようにする要望に対応すべく、部品点数を無理なく削減し、強さを損ねることなく無理なく軽量化を図ることができるようにする。
【解決手段】左、右の側フレーム8間に表、裏対をなす面板5、6を配設してなる間仕切りパネルPにおいて、一方の面板5の縁部に、左、右の側フレーム8間に横架される横フレーム51、52を一体に設ける。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左、右の側フレーム間に、表、裏対をなす面板を配設してなり、
少なくとも一方の面板の縁部に、前記左、右の側フレーム間に横架される横フレームを一体に設けている間仕切りパネル。
【請求項2】
前記面板の外面と、この外面に切れ目なく連続する前記横フレームの外面とが筆記面をなしている請求項1記載の間仕切りパネル。
【請求項3】
前記横フレームが、前記一方の面板の上縁部に一体に設けられた笠木である請求項1又は2記載の間仕切りパネル。
【請求項4】
前記面板と前記横フレームとは、共通の板金素材により一体に作られたものである請求項1、2又は3記載の間仕切りパネル。
【請求項5】
前記一方の面板が、前記横フレームを一体に備えた板金製のものであり、他方の面板が、軽量芯材にクロスを張設してなるものである請求項1、2、3又は4記載の間仕切りパネル。
【請求項6】
前記両面板の内面同士が、ペーパーコアを介して相互に接着されている請求項1、2、3、4又は5記載の間仕切りパネル。
【請求項7】
水平に延びる上、下の横フレーム間に、表、裏対をなす面板を配設してなり、
少なくとも一方の面板の縁部に、前記上、下の横フレームの端部間に介設される側フレームを一体に設けている間仕切りパネル。
【請求項8】
前記面板の外面と、この外面に切れ目なく連続する前記側フレームの外面とが筆記面をなしている請求項7記載の間仕切りパネル。
【請求項9】
前記側フレームが、パネル本体の左、右の支柱の主要部をなしている請求項7又は8記載の間仕切りパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホワイトボード等としての機能を付加するのに適した間仕切りパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の間仕切りパネルとして、外枠部の内側に、表裏対をなす面板を配設したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、近時、公共施設のロビー等で使用される家具に対しては、平常時と災害発生時との状況変化に家具の機能や配設位置などを臨機応変に変更できるようにしたいという要望が出されている。
【0004】
しかして、かかるフェーズフリー発想の下においては、間仕切りパネル等に対しても、迅速かつ容易に配置替えを行える性能が要求されることがあり、強さを損ねることなく軽量化を図ることが必要とされる。
【0005】
ところが、前述した従来のものは、上端に笠木を有する外枠部と面板とが別体をなすものであるため、部品点数の削減にも一定の限界があり、更なる軽量化に向けて何らかの対策が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述したような課題を解決するためになされたもので、部品点数を無理なく削減して無理なく軽量化を図ることができる間仕切りパネルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明に係る間仕切りパネルは、左、右の側フレーム間に、表、裏対をなす面板を配設してなり、少なくとも一方の面板の縁部に、前記左、右の側フレーム間に横架される横フレームを一体に設けているものである。
【0009】
請求項2記載の発明に係る間仕切りパネルは、請求項1記載のものであって、前記面板の外面と、この外面に切れ目なく連続する前記横フレームの外面とが筆記面をなしているものである。
【0010】
請求項3記載の発明に係る間仕切りパネルは、請求項1又は2記載のものであって、前記横フレームが、前記一方の面板の上縁部に一体に設けられた笠木であるものである。
【0011】
請求項4記載の発明に係る間仕切りパネルは、請求項1、2又は3記載のものであって、前記面板と前記横フレームとは、共通の板金素材により一体に作られたものである。
【0012】
請求項5記載の発明に係る間仕切りパネルは、請求項1、2、3又は4記載のものであって、前記一方の面板が、前記横フレームを一体に備えた板金製のものであり、他方の面板が、軽量芯材にクロスを張設してなるものである。
【0013】
請求項6記載の発明に係る間仕切りパネルは、請求項1、2、3、4又は5記載のものであって、前記両面板の内面同士が、ペーパーコアを介して相互に接着されているものである。
【0014】
請求項7記載の発明に係る間仕切りパネルは、水平に延びる上、下の横フレーム間に、表、裏対をなす面板を配設してなり、少なくとも一方の面板の縁部に、前記上、下の横フレームの端部間に介設される側フレームを一体に設けているものである。
【0015】
請求項8記載の発明に係る間仕切りパネルは、請求項7記載のものであって、前記面板の外面と、この外面に切れ目なく連続する前記側フレームの外面とが筆記面をなしているものである。
【0016】
請求項9記載の発明に係る間仕切りパネルは、請求項7又は8記載のものであって、前記側フレームが、パネル本体の左、右の支柱の主要部をなしているものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、少なくとも一方の面板の縁部に、左、右の側フレーム間に横架される横フレーム、又は上、下の横フレームの端部間に介設される側フレームを一体に設けているので、前述した課題を解決することができる。すなわち、部品点数を無理なく削減して無理なく軽量化を図ることができる間仕切りパネルの構成を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る間仕切りパネルを示す全体斜視図。
【
図2】同実施形態に係る間仕切りパネルを示す正面図。
【
図3】同実施形態に係る間仕切りパネルを示す左側面図。
【
図4】同実施形態に係る間仕切りパネルを示す平面図。
【
図5】同実施形態に係る間仕切りパネルを示す底面図。
【
図10】同実施形態に係る間仕切りパネルの底部を示す分解斜視図。
【
図11】同実施形態に係る下フレーム及び側フレームの接続部位を示す分解斜視図。
【
図12】同実施形態に係る面板の取付態様を示す分解斜視図。
【
図13】同実施形態に係る面板の側フレームへの接続態様を示す分解斜視図。
【
図14】同実施形態に係る側フレーム上端部を示す分解斜視図。
【
図15】同実施形態に係る下フレームへの安定脚の取付態様を示す分解斜視図。
【
図17】同実施形態に係るスペーサの安定脚への取付態様を示す分解斜視図。
【
図18】同実施形態に係る間仕切りパネルの組立手順を示す説明図。
【
図19】同実施形態に係る間仕切りパネルの組立手順を示す説明図。
【
図20】同実施形態に係る間仕切りパネルの組立手順を示す説明図。
【
図21】同実施形態に係る間仕切りパネルの組立手順を示す説明図。
【
図25】同実施形態に係る間仕切パネルのスタッキングの態様を示す斜視図。
【
図26】本発明の他の実施形態に係る間仕切りパネルを示す全体斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
この実施形態の間仕切りパネルPは、
図1~
図3、
図5~
図6、
図8~
図10、
図12及び
図15~
図16に示すように、パネル本体1の下フレーム7にスペーサ2を介して安定脚3をボルトBBにより止着してなるものである。安定脚3は、上壁33の内面側に空洞3sを有する中空体状のものであり、ボルトBBは、安定脚3の上壁33内面に添設された当て板9と、その上壁33と、スペーサ2とを貫通させて下フレーム7に設けたナット(板ナット76)に螺着されている。以下。詳述する。
【0021】
パネル本体1は、主に
図6~
図8及び
図12に示すように、両端に接地体を有する下フレーム7と、この下フレーム7の左右両端部から起立させた左、右の側フレーム8とを備えた外枠部4を具備してなり、外枠部4の内側に表、裏対をなす面板5、6が配されている。
【0022】
下フレーム7は、
図8及び
図9に示すように、天壁71と、前壁72と、背壁73と、底壁74とを備えた角柱パイプ状のもので、天壁71内面側に、中央雌ねじ712と、その中央雌ねじ712の両側に位置する両側雌ねじ713がそれぞれ形成された3つ部分筒状部711を有するとともに、底壁74内面側に中央雌ねじ742が形成された1つの部分筒状部741を有している。また、前壁72及び背壁73の内面には、ナット保持用のレール部75が形成されており、これらレール部75に板ナット76がスライド可能に嵌合させてある。この板ナット76は、当該下フレーム7に安定脚3をねじ止めするためのもので、下フレーム7の長手方向中央位置において、樹脂リベット78により位置決めした状態で係止させてある。下フレーム7は、
図10~
図11に示すように、例えば、アルミ製の押出成形品を所定長さに切断した上で、必要箇所に雌ねじ形成加工等を施すことにより作られたもので、左、右両端部がブラケットBを介して側フレーム8の下端部に接続されている。
【0023】
側フレーム8は、
図10~
図11及び
図13~
図14に示すように、平坦な内側壁81と、外側方に膨出する外側壁82とを備えた中空柱状のもので、外側壁82の下端部に下方及び外側方に開放された工具挿通用の切欠部82aが形成されている。側フレーム8と下フレーム7とを接続するためのブラケットBは、下フレーム7の底壁74の下面にねじ止めされる水平部B1と、この水平部B1の外方端から上方に延出させた鉛直部B2とを一体に備えたものであり、その鉛直部B2と下フレーム7の端面とにより側フレーム8の内側壁81を挟持するようになっている。すなわち、ブラケットBの鉛直部B2、及び側フレーム8の内側壁81には、下フレーム7の端面に開口させた上、下の中央雌ねじ712、742に対応するねじ挿通孔B2a、81aがそれぞれ形成されており、ブラケットBの鉛直部B2、及び側フレーム8の内側壁81を貫通させた止着ねじSNを下フレーム7の中央雌ねじ712、742に螺合させて緊締することにより、側フレーム8が下フレーム7の端部に剛結されるようになっている。なお、下フレーム7の両側雌ねじ713には、予め補強ねじHNを螺着してあり、これら補強ねじHNの頭部によって、側フレーム8の下フレーム7に対する位置決め及び前後方向への傾動規制を行っている。すなわち、ブラケットBの鉛直部B2と、側フレーム8の内側壁81には、前記補強ねじHNの頭部が嵌合する嵌合孔B2b、81bが形成されており、これら嵌合孔B2b、81bに補強ねじHNの頭部を嵌合させることによって、側フレーム8の下フレーム7に対するパネル厚み方向への傾動を規制している。ブラケットBの水平部B1には、下面側からねじ止めした第1のカバー77が装着されており、側フレーム8の下端部には、第2のカバー83が下側から嵌合させてある。ブラケットBの水平部B1にはナットB3が剛結されており、このナットB3に第1のカバー77を貫通させて接地体であるアジャスタAJのねじ部AJ1が螺着されている。84は、この側フレーム8の上端部に嵌着された合成樹脂製の上端キャップである。
【0024】
以上のような下フレーム7と左、右の側フレーム8とを備えた外枠部4の内側には、前述したように、表、裏対をなす面板5、6が配されており、少なくとも一方の面板5の縁部に、左、右の側フレーム8間に横架される横フレーム51、52が一体に設けられている。ここで、一方の面板5の外面5aと、この外面5aに切れ目なく連続する横フレーム51、52の外面51a、52aとが筆記面をなしている。すなわち、この面板5は、ホワイトボードとして使用することができる。
【0025】
この実施形態では、一方の面板5が、横フレーム51、52を一体に備えた板金製のものであり、他方の面板6が、軽量芯材61にクロス62を張設してなるものである。すなわち、一方の面板5と横フレーム51、52とは、共通の板金素材により一体に作られたものである。そして、両面板5、6の内面同士が、ペーパーコアCCを介して相互に接着されている。
【0026】
詳述すれば、一方の面板5は、
図7、
図12及び
図13に示すように、正面視四角形状をなす平板状の面板本体50を備えたもので、その上縁部及び下縁部に上、下の横フレーム51、52が一体に形成されているとともに、左、右の縁部に側フレーム8の内側壁に添接する取付板53が一体に形成されている。
【0027】
上の横フレーム51は、
図7、
図12及び
図13に示すように、面板本体50の上縁から裏面方向に延出する天板部511と、この天板部511の延出端から下方に垂下する上裏板部512と、この上裏板部512の垂下端から前方に延びる上折返部513とを備えてなる。上の横フレーム51は、
図4に示すように、一方の面板5の上縁部に一体に設けられた笠木として機能するもので、この笠木(上の横フレーム51)の左、右両端部が、左、右の側フレーム8の上端に装着された上端キャップ84に嵌合させてある。
【0028】
上端キャップ84は、
図13及び
図14に示すように、側フレーム8の上端に蓋着される平面視略半円形状のキャップ本体841と、このキャップ本体841の下面から下方に突設され側フレーム8の上端部内周に嵌合する垂下筒部842と、キャップ本体841の内側面から内方に延出された内方延出部843と、この内方延出部843の下面と垂下筒部842の内向面とを一体に接続する補強リブ844と、これら補強リブ844の先端間を接続するリブ連結壁845とを一体に備えたもので、内方延出部843と、補強リブ844と、リブ連結壁845とが面板5の上の横フレーム51の端部内周に挿入してある。なお、側フレーム8の上端部には、補強リブ844が嵌入する切欠部8xが形成されている。
【0029】
下の横フレーム52は、
図7及び
図12に示すように、面板本体50の下縁から裏面方向に延出する下板部521と、この下板部521の延出端から上方に起立する下裏板部522と、この下裏板部522の先端から前方に延びる下折返部523とを備えてなる。
【0030】
左、右の取付板53は、
図12に示すように、面板本体50の両側縁からそれぞれ裏面方向に延出しており、リベットrを用いて側フレーム8の内側壁81に止着されている。
【0031】
他方の面板6は、
図7及び
図12に示すように、前述したようにラワン材等の軽量芯材61の一面側にクロス62を張設したものであり、一方の面板5における上の横フレーム51の上折返部513と下の横フレーム52の下折返部523との間にはめ込まれている。なお、他方の面板6の内面6bには、ペーパーコアCCが接着剤を用いて接着されており、外枠部4に一方の面板5をリベットrにより取り付けた後に、前記ペーパーコアCCを接着剤を用いて一方の面板5の内面5bに接着することにより、当該他方の面板6が一方の面板5にペーパーコアCCを介して接着されるようになっている。
【0032】
以上説明したパネル本体1の下フレーム7に、
図8~
図10及び
図15~
図17に示すように、スペーサ2を介して安定脚3の脚本体31が、例えば2本のボルトBBを用いて止着されている。安定脚3は、上壁33の内面側に空洞3sを有する中空体状のものであり、ボルトBBは、安定脚3の上壁33内面に添設された当て板9と、その上壁33と、スペーサ2とを貫通させて下フレーム7に設けたナット(板ナット76)に螺着されている。
【0033】
具体的に説明すれば、安定脚3は、
図8~
図10に示すように、押出材製の脚本体31と、この脚本体31の両端に装着した脚先キャップ32とを備えたものである。脚本体31は、例えば、平面状の上壁33と、底壁34と、両側壁35と一体に備えてなる押出成形材製のものである。この脚本体31は、前述したように上壁33の内面側に空洞3sを有する中空体状をなしており、底壁34の下面の長手方向両端部には床面F上を滑らせることができる接地体36が設けられている。また、両側壁35の内面側には、当て板9を上壁33の内面に添接した状態でスライドし得るように支持するためのレール37が突設されている。上壁33の長手方向中央部には、スペーサ2の後述する下の係合部2Bを通過させるための孔33aが設けられており、この孔33aを通過させたスペーサ2の下の係合部2Bにより、当て板9の安定脚3に対する位置決めを行うようにしている。一方、脚先キャップ32は、例えば合成樹脂製のもので、
図8に示すように、下面先端部32aにRを設けている。
【0034】
当て板9は、安定脚3の上壁33内面に沿ってスライド可能に保持されたものであり、例えば、金属板により作られている。当て板9は、平面視略四角形状のもので、スライド方向一端には、後述するスペーサの第1の突起23に係接する第1の係止部9aが形成されているとともに、スライド方向他端には、後述するスペーサの第2の突起24に係接する第2の係止部9bが形成されている。また、この当て板9には、ボルトBBを挿通させるためのねじ挿通孔9xが穿設されている。
【0035】
スペーサ2は、
図8、
図9及び
図15~
図24に示すように、下フレーム7及び安定脚3にそれぞれ係合してそれら下フレーム7と安定脚3の相対的な水平旋回を規制する上、下の係合部2A、2Bを備えたものであり、前述したように、安定脚3に係合する下の係合部2Bにより当て板9の安定脚3に対する位置決めをも行っている。
【0036】
このスペーサ2は、
図8、
図9及び
図15~
図17に示すように、一定厚みを有する板状のスペーサ本体21と、このスペーサ本体21の外側に相対回転不能に外嵌され上、下の係合部2A、2Bを一体に有するカバー部22とを備えたものである。スペーサ本体21は金属板により作られ、カバー部22は合成樹脂により作られている。スペーサ本体21には、前記当て板9のねじ挿通孔9xに対応するねじ挿通孔21xが穿設されている。21a、21bは、下の係合部2Bの第1、第2の突起23、24をそれぞれ通過させるための切欠部である。
【0037】
上の係合部2Aは、
図8及び
図16~
図17に示すように、カバー部22の上面に一対の起立壁25を平行に突設したものであり、これら起立壁25間に下フレーム7の下部を嵌合させるようにしてある。一方、下の係合部2Bは、
図8及び
図15~
図24に示すように、カバー部22の下面から、第1の突起23と、第2の突起24とを垂下させたものであり、これら第1、第2の突起23、24の下端側を安定脚3の上壁33を貫通させて当該安定脚3内に侵入させてある。
【0038】
詳述すれば、下の係合部2Bは、
図8及び
図15~
図24に示すように、安定脚3の上壁33に設けられた孔33aを貫通して当て板9のスライド方向一端側の第1の係止部9aに当接する第1の突起23と、安定脚3の上壁33に設けられた孔33aを貫通して当て板9のスライド方向他端側の第2の係止部9bに当接する第2の突起24とを備えたものである。第1の突起23は、第2の突起24よりも長い突出寸法を有する。
【0039】
このスペーサ2は、
図19~
図21に示すように、安定脚3に対して、第1の突起23のみが当て板9に当接可能な中間装着位置(P)と、第1の突起23と第2の突起24の両方が当て板9に当接可能な最終装着位置(Q)とをとり得るように構成されている。
【0040】
かかる間仕切りパネルPの組立方法は、スペーサ2を安定脚3に中間装着位置(P)まで組み付ける工程Iと、安定脚3内に挿入した当て板9を上壁33に沿ってスライド移動させてその一端側の第1の係止部9aを第1の突起23に当接させる工程IIと、当て板9を第1の突起23に当接させたままでスペーサ2を最終装着位置(Q)まで組付けて当て板9の他端側の第2の係止部9bをも第2の突起24に当接させる工程IIIと、その当て板9とスペーサ2にボルトBBを貫通させて下フレーム7の板ナット76に螺着する工程IVとからなっている。
【0041】
工程Iでは、
図18に示す初期状態から、少なくとも一端を開放した安定脚3の脚本体31に穿設された孔33aにスペーサ2の第1の突起23の先端部を挿入して
図19及び
図22に示すように中間装着位置(P)を採らせる。工程IIでは、スペーサ2を中間装着位置(P)に停止させたままで、脚本体3の一端から当て板9を挿入する。その際、脚本体31の一端側を他端側より高く保持しておけば、その当て板9は、重力により脚本体31の内方にスライド移動し、
図20及び
図23に示すようにその一端側(スライド移動先端側)の第1の係止部9aが第1の突起23に当接して係止される。工程IIIでは、当て板9が第1の突起23に係止されたことを確認した上で、スペーサ2をさらに脚本体31方向に押圧し、
図21及び
図24に示すような最終装着位置(Q)まで移行させる。この最終装着位置(Q)においては、第1、第2の突起23、24の両先端部が安定脚3の内部空間に侵入することになり、当て板9は、その位置に位置決めされる。なお、この位置決めは、ねじ装着作業に支障がでない範囲の誤差を許容する状態で行われるものである。すなわち、当て板9は、安定脚3の長手方向中央付近において、若干の遊動を許容された状態で位置決めされるものである。スペーサ2を最終装着位置(Q)にまで挿入した状態では、第1、第2の突起23、24に設けられた弾性爪23a、24aが、
図8及び
図24に示すように、安定脚3の上壁33に穿設された孔33aの内面側開口端に弾性係合することになる。そのため、スペーサ2は、安定脚3の上壁33に安定支持されることになる。工程IVは、かかるスペーサ2を介して脚本体31をパネル本体1の下フレーム7にねじ止めするための工程である。まず、ねじBBを、脚本体31の底壁34に開設されたねじ通過口34xを通して当該脚本体31の空洞3s内に侵入させる。そして、そのねじBBを、
図15及び
図16に示すように、当て板9のねじ挿通孔9xと、脚本体31の上壁33のねじ挿通孔33xと、下フレーム7のねじ挿通孔7xを通して当該下フレーム7内に保持された板ナット76に螺合させて緊締することによって、安定脚3が、スペーサ2を介してパネル本体1の下フレーム7に固定されるようになっている。
【0042】
この間仕切りパネルPは、以上説明したように、下フレーム7の両端部に接地体であるアジャスタAJを有するパネル本体1と、下フレーム7の中間部に交叉状態で設けられた安定脚3とを具備してなる。そして、安定脚3の上壁33は略水平をなし、その上壁33とパネル本体1の下フレーム7との間には、スペーサ2のスペーサ本体21の厚みに対応する高低差が存在する。そのため、パネル本体1の下フレーム7と床面Fとの間には、同一構造をなす他の間仕切りパネルPの安定脚3を挿入可能な隙間Sが形成されるものである。すなわち、かかる構造の間仕切りパネルPによれば、
図25に示すように、奥に配置した間仕切りパネルPの下フレーム7と床面Fとの間に形成される隙間Sに、手前の間仕切りパネルPの安定脚3を侵入させて順次複数台スタッキングさせることができるようになっている。そして、かかる間仕切りパネルPには、そのスタッキング操作を容易に行うための透視窓Wが設けられている。すなわち、この間仕切りパネルPには、
図1、
図2及び
図25に示すように、パネル本体1の下部領域に、パネル本体1の一面側から他面側の床面Fを視認可能にするための透視窓Wが設けられている。透視窓Wは、透光性を有しておればよく、ガラス板等を装着したものでもよいが、本実施形態の間仕切りパネルPにおいては、軽量化を図る見地から、その透視窓Wを、遮蔽機能を有する部材が存在しない開口にしてある。
【0043】
ここで、
図1は、本実施形態の間仕切りパネルPの全体斜視図である。
図2は、同正面図である。
図3は、同左側面図である。
図4は、同平面図である。
図5は、同底面図である。
図6は、
図5におけるA-A線に沿った断面図であるが、間仕切りパネルPと上下方向を合わせて示している。
図7は、
図6におけるC部拡大図であり、中間部は省略して示している。
図8は、
図6におけるD部拡大図であり、一部省略して示している。
図9は、
図8におけるE-E線に沿った断面図である。
図10は、アジャスタAJ及び第1のカバー77の取付態様を示す底面側分解斜視図である。
図11は、下フレーム7と側フレーム8との接続態様を示す底面側分解斜視図である。
図12は、外枠部4への面板5、6の取付態様を示す分解斜視図である。
図13は、面板5の上フレーム51、側フレーム8及び上端キャップ84の接続態様を示す分解斜視図である。
図14は、側フレーム8への端キャップ84の接続態様を示す分解斜視図である。
図15は、スペーサ2を介した下フレーム7への安定脚3の取付態様を示す底面側分解斜視図である。
図16は、
図15における要部拡大図である。
図17は、スペーサ2の安定脚3への取付態様を示す分解斜視図である。
図18は、初期状態を示す概略図である。
図19は、スペーサ2を中間装着位置(P)とした状態の概略図である。
図20は、当て板9を下の係合部2Bの第1の突起23に当接させた状態の概略図である。
図21は、スペーサ2を最終装着位置(Q)とした状態の概略図である。なお、
図18~
図21では、スペーサ2は
図17のF-F線に沿った断面を示しており、当て板9は、
図17のG-G線に沿った断面を示している。
図22は、
図19におけるX-X線に沿った断面図である。
図23は、
図20におけるY-Y線に沿った断面図である。
図24は、
図21におけるZ-Z線に沿った断面図である。
図25は、間仕切パネルPのスタッキングの態様を示す斜視図である。
【0044】
このような構成のものであれば、安定脚3を上壁33の内面側に空洞3sを有するものにしているため、安定脚3を中実のダイキャスト等により作る場合に比べて大幅な軽量化を図ることができる。しかも、空洞3sを有する安定脚3の上壁33をパネル本体1の下フレーム7にねじ止めするにあたり、ねじBBの頭部と安定脚3の上壁33との間に当て板9を介在させているので、安定脚3自体を薄肉化しても、その上壁33が変形するのを効果的に抑制することができる。そのため、構成材料を薄肉化して軽量化を図っても、パネル本体1の下フレーム7と安定脚3との接続部分を高い剛性を有する強固な構造に仕立て上げることが可能となる。
【0045】
また、スペーサ2に、上、下の係合部2A、2Bを設けているので、後述する本来のスペース形成機能のみならず、パネル本体1に対する安定脚3の水平旋回防止機能をも担わせることができ、部品点数の増加を抑制して軽量化を促進することが可能となる。しかも、そのスペーサ2の下の係合部2Bを工夫することにより、当て板9の安定脚3に対する位置決めをも行っているので、特に、部品点数の削減を図ることができる。なお、この間仕切りパネルPのように、パネル本体1の下フレーム7と安定脚3の上面との間にスペーサ2を介在させておけば、下フレーム7と安定脚3の上面との間に高低差を無理なく形成することができる。そのため、下フレーム7の下面と床面Fとの間に比較的大きな隙間Sを確保することが容易になり、安定脚3の脚本体31を押出成形品等の単純な形状の部材により構成しても、
図25に示すような、スタッキング可能な間仕切りパネルを実現することが可能になる。
【0046】
さらに、スペーサ2の下の係合部2Bを、長さの異なる第1、第2の突起23、24により構成しておき、これら突起23、24を順次安定脚3内に挿入して当て板9を係止するようにしているので、格別な係止部品を用いることなく、当て板9を簡単かつ確実に所定の位置に位置決めすることができ、この点からも、部品点数や組立構造の削減を図ることができる。
【0047】
そして、スペーサ2を、一定厚みを有する板状のスペーサ本体21と、このスペーサ本体21の外側に相対回転不能に外嵌され前記係合部2A、2Bを一体に備えたカバー部22とを備えたものにしているので、各部を最適な材料により作ることができ、一体に作る場合に比べて材料の選別や加工方法の選定を容易に行うことができる。
【0048】
また、この間仕切りパネルPは、左、右の側フレーム8間に、表、裏対をなす面板5、6を配設してなり、一方の面板5の上、下の縁部に、左、右の側フレーム8間に横架される横フレーム51、52を一体に設けているので、デザイン性を向上させつつ軽量化を図ることができる。すなわち、表、裏両面に面板5、6を設けておけば、両面板5、6の外面間の距離と側フレーム8の外面間の距離を近い値に設定することができ、パネル本体1全体を表面に大きな段差のないシンプルな形態にすることができる。特に、この実施形態のように、一方の面板5の上、下の縁部に、横フレーム51、52を一体に設けておけば、面板5の外面5aが上、下の横フレーム51、52の外面51a、52aに段差なく連続することになるので、見た目がとりわけ良好なものとなってデザイン性が向上する。そして、このような段差のない形態によれば、横フレーム51、52を含む面板5の外面5aを清掃する際等にも、拭き取り作業の円滑化を期することができる。
【0049】
特に、この実施形態のように、面板5の外面5aと、この外面5aに切れ目なく連続する横フレーム51、52の外面51a、52aを筆記面としたホワイトボードタイプのものは、前述した作用効果に加えて、筆記可能な領域を可及的に広くすることができ、ホワイトボードとしての使い勝手を向上させることができる。
【0050】
そして、この実施形態では、一方の面板5の上縁に設けられた横フレーム51が、笠木としての機能を有することになる。そのため、格別な笠木を面板5とは別に設ける場合に比べて外観をシンプルなものにすることができ、部品点数を少なくして軽量化を促進することもできる。
【0051】
かかる構成によれば、一方の面板5と横フレーム51、52とを、共通の板金素材により一体に作ることができるため、製作に要する工数を少なくすることができる。すなわち、かかる構成のものは、共通の板金素材に打抜き加工や折曲加工等を施すことにより容易に製作することができるため、部品製作に要する工数を削減することができる上に、部品点数を少なくして組立工数をも削減することができる。しかも、面板5と横フレーム51、52が一体であると、パネル本体1全体の剛性を保ちつつ軽量化を図ることが可能となる。
【0052】
特に、この実施形態では、一方の面板5のみを横フレーム51、52を有する板金製のものにし、他方の面板6を軽量芯材61にクロス62を張設してなるものにしているので、両面板が板金製である場合に比べて、効果的に軽量化を促進することができる。しかも、パネル本体1の両面が面板5、6により覆われるので、外観を良好な状態に維持することができる。
【0053】
また、この実施形態では、両面板5、6の内面5b、6b同士を、ペーパーコアCCを介して相互に接着した構造を採用しているので、剛性を確保しつつ部品点数を削減して、軽量化を無理なく促進することができる。すなわち、かかる構成によれば、板金製の一方の面板5を左、右の側フレーム51、52に止着してパネル本体1全体の剛性を確保した上で、この面板5の内面5bにペーパーコアCCを介して他方の面板6を接着することにより一定厚みを有するパネル本体1を完成させることができる。この際、他方の面板6は、上、下の横フレーム51、52、及び左、右の側フレーム8間に侵入させて押し付けるだけで、所定の組付け位置に装着され得るものである。そのため、他方の面板6を一方の面板5や上、下、左、右のフレーム7、8に連結部品を介して連結する必要はない。そのため、剛性を損ねることなく部品点数を削減して軽量化を促進することができる上に、製作に要する工数も大幅に削減することができる。
【0054】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0055】
例えば、
図26及び
図27を参照しつつ以下に述べるような実施形態が考えられる。
【0056】
本実施形態に係る間仕切パネルP2は、水平に延びる上、下の横フレームA11、A12間に、表、裏対をなす面板A5、A6を配設してなり、一方の面板A5の縁部に、前記上、下の横フレームA11、A12の端部間に介設される側フレームA54、A55を一体に設けているものである。また、この間仕切パネルP2は、上、下の横フレームA11、A12及び両面板A5、A6を含むパネル本体A1の下方にスペーサA2を介して安定脚A3を止着してなるものである。以下、
図1~
図25を参照しつつ述べた実施形態の間仕切パネルPとの相違点について主に述べる。
【0057】
パネル本体A1は、
図26~
図27に示すように、笠木として機能し水平に延びる上の横フレームA11、上の横フレームA11の下方に位置し水平に延びる下の横フレームA12、及びこれら上の横フレームA11と下の横フレームA12との間に配設される表、裏対をなす面板A5、A6を含む面板部A10と、この面板部A10を下方から支持する下支持枠A13とを備えている。
【0058】
以下、面板部A10の各部について詳述する。
【0059】
一方の面板A5は、
図27に示すように、左、右の側フレームA54、A55を一体に備えた板金製のものであり、他方の面板A6は、軽量芯材A61にクロスA62を張設してなるものである。すなわち、一方の面板A5と左、右の側フレームA54、A55とは、共通の板金素材により一体に作られたものである。そして、両面板A5、A6の内面A5b、A6b同士が、ペーパーコアACCを介して相互に接着されている。また、一方の面板A5の外面A5aと、この外面A5aに切れ目なく連続する左、右の側フレームA54、A55の外面A54a、A54aとが筆記面をなしている。すなわち、この面板A5は、ホワイトボードとして使用することができる。
【0060】
詳述すれば、一方の面板A5は、
図26~
図27に示すように、正面視四角形状をなす平板状の面板本体A50を備えたもので、その左右両側縁部に左、右の側フレームA54、A55が一体に形成されている。上縁部には、上の横フレームA11の底壁に添接する図示しない取付板が一体に形成されている。そして、下縁部には、下の横フレームA12の頂壁に添接する図示しない取付板が一体に形成されている。
【0061】
左の側フレームA54は、
図26~
図27に示すように、面板本体A50の上縁から裏面方向に延出する側板部A541と、この側板部A541の延出端から内方(正面視右側)に延びる左裏板部A542と、この左裏板部A542の延出端から前方に延びる左折返部A543とを備えてなる。
【0062】
右の側フレームA55は、
図26~
図27に示すように、面板本体A50の上縁から裏面方向に延出する側板部A551と、この側板部A551の延出端から内方(正面視左側)に延びる右裏板部A552と、この右裏板部A552の延出端から前方に延びる右折返部A553とを備えてなる。
【0063】
上縁部及び下縁部の取付板は、面板本体A50の上縁及び下縁からそれぞれ裏面方向に延出しており、図示しないリベットを用いて上の横フレームA11の底壁及び下の横フレームA12の頂壁にそれぞれ止着されている。
【0064】
他方の面板A6は、
図27に示すように、また、前述したようにラワン材等の軽量芯材A61の一面側にクロスA62を張設したものであり、一方の面板A5における左の側フレームA54の左折返部A543と右の側フレームA55の下折返部A553との間にはめ込まれている。なお、他方の面板A6の内面A6bには、ペーパーコアACCが接着剤を用いて接着されており、上の横フレームA11及び下の横フレームA12に一方の面板A5を図示しないリベットにより取り付けた後に、ペーパーコアACCを接着剤を用いて一方の面板A5の内面A5bに接着することにより、当該他方の面板A6が一方の面板A5にペーパーコアACCを介して接着されるようになっている。
【0065】
そして、このような面板部A10を、下支持枠A13により支持するようになっている。
【0066】
この下支持枠A13は、面板部A10の左右の側フレームA54、A55の直下に配され面板部A10の左右両端部をそれぞれ下方から支持する左、右の竪フレームA14、A15と、これら竪フレームA14、A15の下端部同士を接続する下フレームA16とを備えている。これら左、右の竪フレームA14、A15及び下フレームA16は、いずれも角柱パイプ状のものである。下フレームA16の左右両端近傍には、接地体であるアジャスタAAJが設けられている。また、この下フレームA16の下方に、スペーサA2を介して安定脚A3が取り付けられている。なお、パネル本体A1の下部領域、より具体的には下支持枠A13の下フレームA16と面板部A10の下の横フレームA12との間には、パネル本体A1の一面側から他面側の床面Fを視認可能にするための透視窓AWが設けられている。透視窓AWは、透光性を有しておればよく、ガラス板等を装着したものでもよいが、本実施形態の間仕切りパネルP2においても、軽量化を図る見地から、その透視窓AWを、遮蔽機能を有する部材が存在しない開口にしてある。なお、面板部A10と下支持枠A13との接合、及び下支持枠A13の竪フレームA14、A15と下フレームA16との接合については、詳細な説明を省略する。また、底フレームA16へのスペーサA2及び安定脚A3の取り付けの態様も、詳細な説明を省略する。
【0067】
ここで、一方の面板A5の左の側フレームA54及び下支持枠A13の左の竪フレームA14は協働してパネル本体A1の左の支柱A17として機能しているが、左の側フレームA54は、下支持枠A13の左の竪フレームA14よりも長寸である。また、一方の面板A5の右の側フレームA55及び下支持枠A13の右の竪フレームA15は協働してパネル本体A1の右の支柱A18として機能しているが、右の側フレームA55は、下支持枠A13の右の竪フレームA15よりも長寸である。すなわち、左、右の側フレームA54、A55は、いずれもパネル本体A1の左、右の支柱A17、A18の主要部をなしている。
【0068】
以上に述べたように、本実施形態の間仕切パネルP2は、水平に延びる上、下の横フレームA11、A12間に、表、裏対をなす面板A5、A6を配設してなり、一方の面板A5の縁部に、前記上、下の横フレームA11、A12の端部間に介設される側フレームA54、A55を一体に設けているので、左右に支柱を有する外枠部と面板とが別体をなす従来のものと比較して、デザイン性を向上させつつ軽量化を図ることができる。すなわち、表、裏両面に面板A5、A6を設けておけば、両面板A5、A6の外面間の距離と上、下の横フレームA11、A12の外面間の距離を近い値に設定することができ、パネル本体A1全体を表面に大きな段差のないシンプルな形態にすることができる。特に、この実施形態のように、一方の面板A5の左、右の縁部に、側フレームA54、A55を一体に設けておけば、面板A5の外面A5aが左、右の横フレームA54、A55の外面A54a、A55aに段差なく連続することになるので、見た目がとりわけ良好なものとなってデザイン性が向上する。そして、このような段差のない形態によれば、側フレームA54、A55を含む面板5の外面を清掃する際等にも、拭き取り作業の円滑化を期することができる。
【0069】
また、面板A5の外面A5aと、この外面A5aに切れ目なく連続する側フレームA54、A55の外面A54a、A55aとが筆記面をなしているので、筆記可能な領域を、面板A5と側フレームA54、A55との境界を越えて可及的に広く確保し、ホワイトボードとしての使い勝手を向上させることができる。
【0070】
さらに、左、右の側フレームA54、A55は、いずれもパネル本体1の左、右の支柱A17、A18の主要部をなしているので、より軽量な板金加工により形成される部位である左、右の側フレームA54、A55が支柱A17、A18に占める割合が、角柱パイプ状の部材により形成される部位である竪フレームA14、A15が支柱A17、A18に占める割合よりも高い。従って、このような間仕切パネルP2の支柱A17、A18の軽量化を無理なく図ることができる。
【0071】
その他、以下のような態様も考えられる。
【0072】
例えば、
図1~
図25を参照しつつ述べた実施形態では、一方の面板に上、下の横フレームの双方を設けているが、対をなす面板のそれぞれに横フレームを設けるようにしてもよい。すなわち、一方の面板に上の横フレームを一体に設け、他方の面板に下の横フレームを一体に設けてもよい。
【0073】
図26~
図27を参照しつつ述べた実施形態では、一方の面板に左、右の側フレームの双方を設けているが、同様に、対をなす面板のそれぞれに側フレームを設けるようにしてもよい。すなわち、一方の面板に左の側フレームを一体に設け、他方の面板に右の側フレームを一体に設けてもよい。
【0074】
加えて、面板の上下の縁部に上、下の横フレームを、また、左右の縁部に左、右の側フレームを全て一体に設け、このような上、下の横フレーム及び左、右の側フレームが一体に設けられた面板を、
図26~
図27を参照しつつ述べた実施形態におけるものと同様な下支持枠により支持させる態様を採用してもよい。この場合、上の横フレームの側端をキャップで被覆するような構成を採用してもよい。
【0075】
本発明に係る間仕切パネルは、ホワイトボードとして機能するものに限られない。すなわち、面板の外面、及びこの外面に切れ目なく連続する横フレーム又は側フレームの外面は必ずしも筆記面をなすものでなくてもよい。
【0076】
面板の材質、形状その他の構成は、任意のものを採用してもよい。
【0077】
例えば、一方の面板を横フレーム又は側フレームを一体に備えた板金製のものとし、他方の面板も金属板を利用して形成してもよい。この場合、一方の面板に上の横フレーム又は左の側フレームを一体に備え、他方の面板に下の横フレーム又は右の側フレームを一体に備えるようにしてもよい。他方の面板も金属板を利用して形成した場合、他方の面板の外面も筆記面として使用可能なものとすることも考えられる。
【0078】
さらに、対をなす面板の接合の態様も、上述した実施形態のような、内面同士がペーパーコアを介して接着されるもの以外に、種々のものを採用してもよい。例えば、一方の面板の横フレーム又は側フレームに係止孔を設け、他方の面板に設けた係止爪をこの係止孔に係合させる態様等が考えられる。
【0079】
加えて、安定脚を設ける必要は必ずしもなく、その取付箇所や取付態様についても任意のものを採用してよい。
【0080】
そして、面板の下縁の下方に、面板の一面側から他面側の床面を視認可能にするための透視窓を設けるか否かも任意に選択してよい。換言すれば、パネルの高さ寸法の略全域に亘って面板を設けてもよい。
【0081】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【符号の説明】
【0082】
P…間仕切パネル
5…(一方の)面板
5a…外面(筆記面)
51…(上の)横フレーム(笠木)
51a…外面(筆記面)
52…(下の)横フレーム
52a…外面(筆記面)
6…(他方の)面板
61…軽量芯材
62…クロス
8…側フレーム
P2…間仕切パネル
A11…上の横フレーム
A12…下の横フレーム
A17、A18…支柱
A5…(一方の)面板
A5a…外面(筆記面)
A53…(左の)側フレーム
A53a…外面(筆記面)
A54…(右の)側フレーム
A54a…外面(筆記面)
A6…(他方の)面板
A61…軽量芯材
A62…クロス