(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165544
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】容器入り茶飲料
(51)【国際特許分類】
B65D 77/04 20060101AFI20221025BHJP
B65D 81/26 20060101ALI20221025BHJP
A23F 3/16 20060101ALN20221025BHJP
【FI】
B65D77/04 E
B65D81/26 S
A23F3/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070922
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】391002786
【氏名又は名称】株式会社高柳製茶
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100130281
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 道幸
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100214813
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 幸江
(72)【発明者】
【氏名】高柳 敬将
【テーマコード(参考)】
3E067
4B027
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AB26
3E067AC01
3E067BA03B
3E067BA12C
3E067BB08B
3E067BB12C
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BB25C
3E067CA04
3E067CA12
3E067EA06
3E067EB01
3E067EB27
3E067EE02
3E067FA04
3E067FC01
3E067GA19
3E067GB13
4B027FB13
4B027FE08
4B027FP81
4B027FR20
(57)【要約】
【課題】
茶飲料が充填された容器からなる容器入り茶飲料において、紫外線、酸素等による茶飲料の変質が抑制された容器入り茶飲料を提供することにある。
【解決手段】
容器入り茶飲料は、容器が、アルミニウム箔を含む積層フィルムを袋状に成形した包装体内に収容されていること、包装体内に、脱酸素剤が収容されていること、また、包装体が、表面に印刷表示面を有し、印刷表示面には茶飲料の写真または図柄が印刷されていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶飲料が充填された容器からなる容器入り茶飲料において、
前記容器が、アルミニウム箔を含む積層フィルムを袋状に成形した包装体内に収容されていることを特徴とする容器入り茶飲料。
【請求項2】
前記包装体内に、脱酸素剤が収容されていることを特徴とする請求項1に記載の容器入り茶飲料。
【請求項3】
前記包装体は、表面に印刷表示面を有し、前記印刷表示面には前記茶飲料の写真または図柄が印刷されていることを特徴とする請求項1または2に記載の容器入り茶飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に茶飲料が充填されている容器入り茶飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、茶は、急須等を用いて茶葉から入れることが一般的であったが、近年、ペットボトルに充填して販売する茶飲料が広く普及している。ペットボトル入り茶飲料は、手軽にお茶を飲むことができ、キャップにより開閉自在であり、利便性が高い。また、無色透明のペットボトルは、充填された茶飲料の色や量を外側から見ることができる。しかしながら、容器を透過する紫外線、酸素等の影響で含有成分が劣化して品質低下が引き起こされ、長期保存する際の障害になるという問題があった。また、硝子瓶入り茶飲料も、光を透過するため、劣化して品質低下が引き起こされるという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するために、特許文献1には、単位体積あたりのタンニン量に対するグリセロ糖脂質量の比率が0.001以上である容器詰め茶飲料において、茶飲料にカラメルを含有させることにより、茶飲料成分の光劣化が抑制されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の容器詰め茶飲料は、茶飲料成分の光劣化を抑制するために茶飲料にカラメルを含有させており、酸化防止剤としてL-アスコルビン酸(ビタミンC)を添加することは一般的に知られているものの、味、香り、色彩が繊細な茶飲料への食品添加物の添加はできるだけ抑えることが好ましい。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、茶飲料の変質が抑制された容器入り茶飲料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の容器入り茶飲料は、容器が、アルミニウム箔を含む積層フィルムを袋状に成形した包装体内に収容されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の容器入り茶飲料は、包装体内に、脱酸素剤が収容されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の容器入り茶飲料は、包装体が、表面に印刷表示面を有し、印刷表示面には茶飲料の写真または図柄が印刷されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本願の発明によれば、茶飲料が充填された容器を、アルミニウム箔を含む包装体内に収容することにより、茶飲料の変質が抑制された容器入り茶飲料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る容器入り茶飲料の実施例を示す説明図である。
【
図2】
図1の同容器入り茶飲料の実施例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係る容器入り茶飲料の実施例の斜視図である。
図2は、
図1の同容器入り茶飲料の実施例の分解図である。
【0013】
本発明に係る容器入り茶飲料1は、茶飲料Bが充填された容器10を含むものである。茶飲料Bは、緑茶、紅茶、ウーロン茶やジャスミン茶等の中国茶等の茶葉、ハーブティー用の植物の葉、花、茎等を湯、水等の液体に浸漬して、茶葉等の被抽出物から成分を抽出した抽出液である。容器10は、例えば、ペットボトルや硝子瓶であり、ペットボトルは、主としてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂から成形された容器であり、容量は任意である。
【0014】
茶飲料Bが充填された容器10は、
図1、2に示すように、包装体20内に収容されている。包装体20は、アルミニウム箔を含む積層フィルムから成形された袋状体である。積層フィルムの層の数、各層の材質、厚さ等の構成については特に限定されないが、積層フィルムの材質は、アルミニウム箔以外は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、紙、織布、編布、不織布等が挙げられる。また、包装体20の形状、大きさは、容器10を中に収容可能であれば特に限定されない。
【0015】
本発明の容器入り茶飲料1は、茶飲料Bが充填された容器10がアルミニウム箔を含む包装体20内に収容されていることにより、遮光性、ガスバリア性に優れ、茶飲料Bの変質を抑制することができる。
【0016】
また、茶飲料Bの変質を抑制するために、包装体20内を吸引して低圧状態にする、または、窒素等のガスで置換してもよいが、包装体20内に脱酸素剤30を収容してもよい。包装体20内に脱酸素剤30を収容することにより、包装体20内の酸素が取り除かれ、茶飲料Bの酸化を抑制することができる。
【0017】
また、包装体20は、その表面に商品名や、名称、原材料名、内容量等の一括表示、栄養成分表示等を記載したラベルを貼付してもよいが、印刷を施してもよい。包装体20が、表面に印刷表示面22を有している場合、印刷表示面22には、商品名、食品表示、栄養成分表示等の他、茶飲料Bが充填された容器10の写真または図柄を印刷してもよい。包装体20は、アルミニウム箔を含む積層フィルムからなるため、包装体20内に収容された内容物を外側から見ることができない。このため、包装体20の印刷表示面22に包装体20の内容物を印刷することにより、包装体20の中にどのようなものが収容されているか一目で分かるようになる。
【0018】
以下、
図1、2に示す実施例を用いて本発明を詳細に説明する。本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例0019】
本発明の実施例において、
図1に示す容器入り茶飲料1は、茶飲料Bが充填された容器であるペットボトル10、包装体20、および、脱酸素剤30からなる。ペットボトル10は、サイズ(外寸):直径66mm×高さ157mm、キャップ:直径30mm×高さ15mmである。緑茶葉を熱湯で抽出した抽出液である茶飲料Bを、ペットボトル10に350mL充填した。
【0020】
包装体20は、和紙/ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリエチレン/延伸ナイロンフィルム/ポリエチレン/リニア低密度ポリエチレンフィルムが積層された厚さ0.13mmの積層フィルムからなる。包装体20の1個分に相当する積層フィルムの大きさは幅286mm×高さ280mmである。包装体20は、積層フィルムの表面に印刷表示面22を有し、茶飲料Bが充填されたペットボトル10の正面図、右側面図、および、左側面図の写真、さらに、商品名が和紙の層に印刷されている。
【0021】
前述した積層フィルムの幅方向両端部を各10mm合掌状に合わせて熱溶着して筒状にし、上端部を熱溶着した包装体20の中に、
図2に示すように、茶飲料Bが充填されたペットボトル10を1本と、脱酸素剤30(バイタロン(登録商標)、株式会社常盤産業製)を1個収容し、下端部を熱溶着して密封した。これにより、70mm×63mmの断面四角形状のガゼット包装である包装体20内に、茶飲料Bが充填されたペットボトル10が収容された容器入り茶飲料1が形成された。そして、容器入り茶飲料1を常温で保存した。
【0022】
457日後、容器入り茶飲料1を開封し、6名により官能検査を行った。色については目視で観察し、味については試飲した。その結果、全員が色、味、香りについて試験開始前と比較して変化していないと判断した。
また、本実施例と並行して、茶飲料Bが充填されたペットボトル10および包装体20からなる、脱酸素剤30を収容しないものも常温で保存した。そして、457日後、同様に官能試験を行ったところ、全員が色、味、香りについて試験開始前と比較して変化していないと判断した。
【0023】
本実施例の容器入り茶飲料1は、茶飲料Bが充填されたペットボトル10がアルミニウム箔を含む包装体20内に収容されていることにより、遮光性、ガスバリア性に優れ、茶飲料Bの変質を抑制することができる。これにより、容器入り茶飲料1の保存期間を延長することが可能になる。
【0024】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
以上のように、本発明によれば、茶飲料Bが充填された容器10がアルミニウム箔を含む包装体20内に収容されていることにより、遮光性、ガスバリア性に優れ、茶飲料Bの変質を抑制することができる容器入り茶飲料を提供することができる。