(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165580
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】収容装置及び検出方法
(51)【国際特許分類】
A61L 2/00 20060101AFI20221025BHJP
A61L 2/20 20060101ALN20221025BHJP
A61L 2/10 20060101ALN20221025BHJP
A61L 2/14 20060101ALN20221025BHJP
A61L 2/18 20060101ALN20221025BHJP
A61L 2/23 20060101ALN20221025BHJP
A61L 2/238 20060101ALN20221025BHJP
【FI】
A61L2/00
A61L2/20 100
A61L2/10
A61L2/14
A61L2/20 106
A61L2/18
A61L2/23
A61L2/238
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021070982
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】長田 優輔
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA04
4C058AA05
4C058AA08
4C058AA12
4C058AA25
4C058AA26
4C058BB06
4C058BB07
4C058DD01
4C058DD12
4C058EE01
4C058EE26
4C058JJ02
4C058JJ05
4C058JJ08
4C058JJ14
4C058JJ16
4C058KK02
4C058KK06
(57)【要約】
【課題】被収容物の投入口を閉塞するための閉塞部材が、該投入口を閉塞しているかどうかを、容易に検出するための検出方法及びそのような検出部を備えた収容装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明にかかる収容装置100は、被収容物を収容する収容部2と、前記収容部2を動作させ、被収容物の姿勢を変化させる動作部8と、前記収容部2を動作自在に支持する支持部5とを備え、前記収容部2は、前記被収容物の投入口が設けられた収容本体25と、前記投入口46を閉塞するための閉塞部材24とを含み、前記閉塞部材24が前記投入口46を閉塞しているかどうかを検出する検出部50が、前記収容部2の外部に設けられた。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収容物を収容する収容部と、
前記収容部を動作させ、被収容物の姿勢を変化させる動作部と、
前記収容部を動作自在に支持する支持部とを備え、
前記収容部は、前記被収容物の投入口が設けられた収容本体と、前記投入口を閉塞するための閉塞部材とを含み、
前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを検出する検出部が、前記収容部の外部に設けられた収容装置。
【請求項2】
前記収容部に収容された前記被収容物の殺菌を行うための殺菌部が設けられた請求項1に記載の収容装置。
【請求項3】
前記殺菌部は、被収容物を殺菌するための殺菌成分を発生させる殺菌成分発生器を備えた請求項2に記載の収容装置。
【請求項4】
前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを検出する際、前記検出部によって検出される被検出部が前記収容部に設けられ、前記検出部は、前記被検出部の所定方向の長さより短い所定距離だけ離間して設置される第1検出部及び第2検出部を備える請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項5】
前記投入口が前記閉塞部材によって閉塞されないとき、前記投入口に所定量以上の開口部を形成させる開口形成部を備えた請求項1乃至4のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項6】
収容部に被収容物を収容し、前記収容部に設けられた前記被収容物の投入口を閉塞部材によって閉塞し、前記収容部を動作部によって動作させ、前記被収容物の姿勢を変化させる際に、前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを、前記収容部の外部に設けられた検出部によって検出する検出方法。
【請求項7】
前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを、前記収容部を所定位置に位置させ、前記収容部に設置された被検出部を、前記検出部によって検出することで判断する請求項6に記載の検出方法。
【請求項8】
前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているために、前記検出部が前記被検出部を検出すべき範囲の設定に、前記収容部の基準位置から前記所定位置までの移動量を用いる請求項7に記載の検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容装置及び検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被収容物を動作する技術について、下記特許文献1には、オゾン発生装置を内装した乾燥機で、洗濯物の乾燥作業時に、このオゾン発生装置から発生するオゾンにより乾燥機の内部及び周辺と乾燥のためにセットされている洗濯物に付着している雑菌を殺菌する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献1では、洗濯物の乾燥作業時に、乾燥機の蓋によって洗濯物の投入口を確実に閉塞していない場合には、発生したオゾンが乾燥機の外部に漏れる恐れがある。オゾンが乾燥機から漏れ出した場合、洗濯物の殺菌効率が低下し、臭気の問題が生じる。これらの問題は、乾燥機を閉塞したことを検出する検出部を設けることで、解決可能だが、検出部が乾燥機の内部に設置されている場合、蓋の閉塞状態を検出することは困難な場合がある。
【0005】
本発明は上記した課題を解決するものであり、被収容物の投入口を閉塞するための閉塞部材が、該投入口を閉塞しているかどうかを、容易に検出するための検出方法及びそのような検出部を備えた収容装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明にかかる収容装置は、被収容物を収容する収容部と、前記収容部を動作させ、被収容物の姿勢を変化させる動作部と、前記収容部を動作自在に支持する支持部とを備え、前記収容部は、前記被収容物の投入口が設けられた収容本体と、前記投入口を閉塞するための閉塞部材とを含み、前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを検出する検出部が、前記収容部の外部に設けられた。
【0007】
また、前記構成において、前記収容部に収容された前記被収容物の殺菌を行うための殺菌部が設けられた。
【0008】
そして、前記各構成において、前記殺菌部は、被収容物を殺菌するための殺菌成分を発生させる殺菌成分発生器を備えた。
【0009】
更に、前記各構成において、前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを検出する際、前記検出部によって検出される被検出部が前記収容部に設けられ、前記検出部は、前記被検出部の所定方向の長さより短い所定距離だけ離間して設置される第1検出部及び第2検出部を備える。
【0010】
更に、前記各構成において、前記投入口が前記閉塞部材によって閉塞されないとき、前記投入口に所定量以上の開口部を形成させる開口形成部を備えた。
【0011】
本発明に係る検出方法は、収容部に被収容物を収容し、前記収容部に設けられた前記被収容物の投入口を閉塞部材によって閉塞し、前記収容部を動作部によって動作させ、前記被収容物の姿勢を変化させる際に、前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを、前記収容部の外部に設けられた検出部によって検出する。
【0012】
また、前記構成において、前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを、前記収容部を所定位置に位置させ、前記収容部に設置された被検出部を、前記検出部によって検出することで判断する。
【0013】
そして、前記各構成において、前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているために、前記検出部が前記被検出部を検出すべき範囲の設定に、前記収容部の基準位置から前記所定位置までの移動量を用いる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる収容装置によれば、前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを検出する検出部が、前記収容部の外部に設けられたので、簡単な構造で、安価に製造できる。
【0015】
また、前記収容部に収容された前記被収容物の殺菌を行うための殺菌部が設けられた場合は被収容物を殺菌することができる。
【0016】
そして、前記殺菌部は、被収容物を殺菌するための殺菌成分を発生させる殺菌成分発生器を備えた場合は、殺菌成分発生器で発生した殺菌成分を用いて被収容物を殺菌することができる。
【0017】
更に、前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを検出する際、前記検出部によって検出される被検出部が前記収容部に設けられ、前記検出部は、前記被検出部の所定方向の長さより短い所定距離だけ離間して設置される第1検出部及び第2検出部を備える場合は、少ない部品で効率よく複数の状態を判断することができ、コスト削減となる。
【0018】
更に、前記投入口が前記閉塞部材によって閉塞されないとき、前記投入口に所定量以上の開口部を形成させる開口形成部を備えた場合は、作業者は容易に投入口46が閉塞されていないことを理解することができる。
【0019】
本発明に係る検出方法は、前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを、前記収容部の外部に設けられた検出部によって検出するので、投入口が閉塞しているかどうかを容易に判断することができる。
【0020】
また、前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているかどうかを、前記収容部を所定位置に位置させ、前記収容部に設置された被検出部を、前記検出部によって検出することで判断する場合は、収容部の外部に設置した検出部によって、所定位置に位置させた収容部の被検出部を検出することで、容易に閉塞部材が投入口を閉塞しているかどうかを判断することができる。
【0021】
そして、前記閉塞部材が前記投入口を閉塞しているために、前記検出部が前記被検出部を検出すべき範囲の設定に、前記収容部の基準位置から前記所定位置までの移動量を用いる場合は、装置の組み立て時の誤差を、検出部による被検出部の検出範囲の設置に反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る収容装置の斜視図である。
【
図5】前記収容装置の閉塞部材を開放した状態の斜視図である。
【
図6】前記収容装置の開口形成部及びその周辺の拡大正面図である。
【
図7】前記開口形成部及びその周辺の拡大側面図である。
【
図8】前記収容装置の空気及び殺菌成分の流通経路の概略図である。
【
図9】
図2におけるC-C線矢視拡大断面図である。
【
図10】本発明の他の実施形態に係る収容装置の概略構成を示す縦断面図である。
【
図11】本発明の更に他の実施形態に係る収容装置の概略構成を示す縦断面図である。
【
図12】本発明の更に他の実施形態に係る収容装置の概略構成を示す縦断面図である。
【
図13】本発明の更に他の実施形態に係る収容装置の概略構成を示す側面である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態を図に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる収容装置100の外観斜視図である。
図2は、収容装置100の正面図である。
図3は、
図2のA-A線矢視断面図である。
図4は、
図2のB-B線矢視断面図である。各図において、収容装置100は、水平方向に摺動可能な合成樹脂製で透明のカバー101によって覆われている。
【0024】
収容装置100は、収容部2、動作部8、殺菌部3、受部4、支持部5及び検出部50を備える。支持部5を構成する筐体102の内方には、複数のダクト6及び複数の送風機7が設置され、空気の流通経路60が形成されている。
【0025】
収容部2は、被収容物を収容する。収容部2は、本第1の実施形態では、正八角形の角柱状に形成され、横置きされている。収容部2は、中空の筒体21、左側板22及び右側板23を備える。筒体21の左右の端縁が左側板22及び右側板23によって閉じられる。収容部2は、正八角柱の高さ方向に沿って、2つに分割される。筒体21は第1筒体211及び第2筒体212に分割される。また、左側板22は第1左側板221及び第2左側板222に分割される。右側板23は、第1右側板231及び第2底板232に分割される。
【0026】
筒体21、左側板22及び右側板23は、透明に形成されることが好ましい。被収容物が投票用紙である場合、収容部2が透明に形成されることで、開票等の作業中の不正を防止し、公正を確保できる。
【0027】
収容部2が透明である場合、材質としては、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス、プラスチックが挙げられる。より詳しくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、環状ポリオレフィン、ポリ(4-メチルペンテン)、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α-オレフィン共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート、ポリ(1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)等のポリシクロアルキレンテレフタレート、ビスフェノールとフタル酸で構成された樹脂等のポリアリレートやこれらの共重合体等のポリエステル系樹脂等を用いることができる。
【0028】
収容部2は、収容本体25と、閉塞部材24とを含む。
図5に、カバ―101を左方へ摺動し、閉塞部材24を収容本体25に対して開放した状態を示す。収容本体25には、被収容物の投入口46が設けられる。閉塞部材24は、前記投入口46を閉塞する。収容本体25は第1筒体211、第1左側板221及び第1右側板231により構成される。閉塞部材24は第2筒体212、第2左側板222及び第2右側板232により構成される。
【0029】
閉塞部材24は、収容本体25にヒンジ37により連結される。閉塞部材24と収容本体25との当接部分には、ゴムなどの弾性部材47が設置される。本実施形態では、弾性部材47が収容本体25の開口端縁251のみに設置される場合を示すが、閉塞部材24の開口端縁241に設置してもよく、双方の開口端縁251,241に設置してもよい。収容本体25と閉塞部材24との当接部分に弾性部材47を設置することで、収容部2の内部に殺菌成分等の気体を充填する場合に、このような気体を収容部2から外部に漏れにくくすることができる。
【0030】
閉塞部材24と収容本体25とは、閉塞維持部26により閉塞状態が維持され、容易に開放されないようになっている。閉塞維持部26は、閉塞状態を維持するための図示しない巻きバネなどの弾性部材、及び係止部261を備える。
【0031】
閉塞部材24には、把手49が設けられている。把手49は、収容本体25が投入口46を上にした
図1-5に示す水平姿勢であり、被収容物を容易に投入し、収容できる投入位置にあるとき、筒体21の水平方向中央部前面位置に設置される。このときヒンジ37は、把手49に対向する背面に位置する。把手49は、収容本体25がこの投入位置にあるとき、平面視コ字状に形成され、閉塞部材24の前面から外方へ所定量突出している。投入位置における把手49の鉛直方向の長さFは、例えば約10mm程度とすることができる。把手49は被検出部10を構成する。被検出部10は、検出部50によって検出される。
【0032】
収容部2は、更に、開口形成部48を備える。開口形成部48は、投入口46が閉塞部材24によって閉塞されないとき、投入口46に所定量T以上の開口部を形成させる。収容本体25が、被収容物の投入位置に位置するとき、開口形成部48は、
図2に示すように、収容本体25前面の左右両端に位置する。開口形成部48は、第1筒体211の外方に固定される。
【0033】
図6は、
図2で右側に示す開口形成部479及びその周辺の拡大正面図、
図7は前記開口形成部48及びその周辺の拡大側面図である。開口形成部48は、押上部材481、付勢部材482及び押上支持部483を備える。押上部材481は円柱状に形成される。押上部材481には、バネ等の付勢部材482が挿通される。押上部材481は投入口46が開放されているとき、投入位置に位置する第1筒体211の開口端縁251から所定量T突出している。
【0034】
押上部材481の
図6における上下方向で、上端部から押上部材481全長の4分の1乃至3分の1程度の位置に、係合部485が固定して設けられている。係合部485は、付勢部材482の一方の端部に係合する。
【0035】
押上支持部483は、
図7に示すように、側面視コ字状に形成される。押上支持部483は、第1部材486、第2部材487及び連結部488を備える。第1部材486と第2部材487とが、
図7において上下に所定量離間して配置され、連結部488によって連結される。第1部材486及び第2部材487には、いずれも中央部に円形の貫通穴489が形成され、押上部材481が挿通される。押上部材481はこれらの貫通穴489により案内され、上下方向に移動自在とされる。連結部488が第1筒体211に固定される。
【0036】
押上部材481は、係合部485が付勢部材482に係合されることによって、第1筒体211の開口端縁251より所定量T突出する。付勢部材482の他方の端部は、押上支持部483の第2部材487上面に当接し、支持されている。
【0037】
収容本体25が閉塞部材24によって閉塞されるとき、押上部材481の一方の端部481aは、対向する閉塞部材24の当接部243に当接される。押上部材481が閉塞部材24の当接部243に当接し、付勢部材482によって付勢された状態では、第1筒体211の開口端縁251と、第2筒体212の開口端縁241との間に、所定量Tの開口部が形成される。
【0038】
投入口46が閉塞部材24によって閉塞されていないとき、付勢部材482の付勢力によって、押上部材481の上部が、閉塞部材24の押上部材481の上部に当接する当接部243を、上方へ向けて押し上げる。閉塞部材24が投入口46を閉塞するときは、閉塞部材24の当接部243が押上部材481を下方に向けて押し下げる。押上部材481は、貫通穴489によって案内されつつ付勢部材482の付勢力に抗して下方へ向けて移動する。閉塞維持部26が解除され、投入口46の閉塞状態が開放されるまでのこの状態が保たれる。
【0039】
閉塞部材24を大きく開放したときに形成される投入口46の大きさ、即ち、投入位置にある収容本体25の上部開口の大きさは、例えば投票箱のような被収容物を移し変える入れ物の開口部分より大きく形成されている。本実施形態においては、投入位置にある収容本体25の水平方向の長さが、投票箱などの被収容物の収納箱や容器の開口部分を構成する少なくとも一辺の長さより長く形成される。これより、作業者は閉塞部材24を開放し、容易に被収容物を収容本体25へ移し替えることができる。
【0040】
動作部8は、収容部2を動作させ、被収容物の姿勢を変化させる。収容部2に収容された被収容物は、動作部8によって姿勢を変化され、これより動作される。本実施形態では、動作部8は、収容部2を、回転軸87を軸心に回転させる回転部80を備える。回転部80は、回転軸87、連結機構82、駆動部89を備える。
【0041】
回転軸87は、左側板22及び右側板23をそれぞれ貫通して設置される。回転軸87は連結機構82を介して駆動部89に連結される。駆動部89を駆動することで、収容部2が所定方向に回転される。収容部2の回転方向は、一方向のみであってもよく、正逆の双方向に回転可能であってもよい。回転軸87は、支持部5を構成する左右の側壁51、52により軸支される。
【0042】
回転軸87は中空に形成される。
図5に示すように、収容部2の内方に位置する回転軸87の一方の端部は、複数の通気孔85が設けられたキャップ86で覆われている。回転軸87の他方の端部は開口した状態で、側壁52の内部に設置されたダクト6に接続される。
【0043】
殺菌部3は、収容部2に収容された被収容物の殺菌を行うためのものである。殺菌部3は、供給部31、回収部32、複数のダクト6、複数の切換部9及び殺菌成分発生器33を備える。供給部31は被収容物の殺菌を行うための殺菌成分を収容部2に供給する。回収部32は、収容部2内の空気を、該収容部2から回収する。供給部31及び回収部32は左右の回転軸87によって兼ねて構成される。
【0044】
殺菌成分発生器33は、被収容物を殺菌するための殺菌成分を発生させる。殺菌成分発生器33は、支持部5を構成する支持台58の内方に設置される。殺菌成分発生器33としては、オゾン発生装置、紫外線発生装置、エチレンオキサイド発生器、イオン消毒剤発生器、ガスプラズマ発生装置、気相過酸化水素発生装置、酢酸発生装置及びグルタルアルデヒド発生装置、塩素化合物発生装置等が含まれる。
【0045】
また、本発明の殺菌成分には、新型コロナウイルス(COVID-19)、SARS(重症急性呼吸器感染症候群)ウイルスなどのコロナウイルス、インフルエンザウイルス、食中毒菌であるノロウイルス、結核菌、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、レジオネラ菌、カンピロバクター、O-157等の各種ウイルス、菌、カビ、ダニ、花粉、微生物、細菌胞子等の汚染物質や有害物質を殺菌するために用いられる物質である。
【0046】
殺菌成分には、例えば、オゾン、紫外線、エチレンオキサイド、イオン消毒剤、ガスプラズマ、過酸化水素、酢酸、グルタルアルデヒド、塩素、次亜塩素酸ソーダ、塩素化合物、ホルマリン、銀、亜鉛などの無機物、焼成Caや焼成Mgなどのアルカリ性物質、TBZ、OPP、ジフェニル等の有機物、各種アルコール剤、各種持続的アルコール剤等及びこれらから選ばれた1種又は2種以上の混合物が含まれる。
【0047】
そして、本実施形態の殺菌には、新型コロナウイルス(COVID-19)などの上記各種、有害物質や汚染物質の低減、死滅、除去、減菌、抗菌、滅菌、消毒、衛生化、除染、消臭、防カビ、防腐、漂白、生物汚染物や病原性生物の不活性化等が含まれる。そして、本実施形態の殺菌には、被収容物に付着し、または空気中に浮遊している全ての菌やウイルス等の物質を死滅できていない場合も含まれる。
【0048】
受部4は、収容部2の下方に設置される。受部4は、上面が開放された箱状に形成される。受部4は、動作及び殺菌が行われ、収容部2から取り出された被収容物を受け止める。被収容物を受け止める際、閉塞部材24が開放される。そして、手作業で、または自動で収容本体25から被収容物が取り出され、受部4が受け止める。被収容物を収容本体25から自動で取り出すには、閉塞部材24の開放前または開放後、動作部8によって収容部2が適宜所定量回転される。受部4の前面には、取出用開口53が設けられる。
【0049】
支持部5は、収容部2を動作自在に支持する。支持部5は、左右一対の側壁51、52及び支持台58を備える。左右一対の側壁51,52は、回転軸87を回動自在に軸支する。側壁51,52は中空に形成され、内部に複数のダクト6及び連結機構82が設置される。
図2において左側に示す側壁52の内部には、収容部2の位置を検出する位置検出部20が設置される。位置検出部20は、収容部2の回転方向の位置を検出することで、収容本体25の回転角度を検出する。位置検出部20は光学センサ201及び被検出部202を備える。光学センサ201はダクト6の外方に固定される。被検出部202は、回転軸37の回転に伴って回転され、光学センサ201によって検出される。
【0050】
被検出部202が回転することで、収容部2が被収容物の投入位置にあるとき、及び被収容物の取出位置にあるときにそれぞれ光学センサ201の通光と遮光とが切り替わり、これらの位置を検出する。被収容物の投入位置では、収容本体25は上部が開放した水平姿勢をとる。被収容物の取出位置にあるとき収容本体25は前方が低く後方が高い前傾姿勢をとる。取出位置は、収容本体25の基準位置となる。
【0051】
図2において右側に示す側壁51の前面に表示部38,操作部36及び電源スイッチ29が設けられる。表示部39は、異なる色に点灯される複数のランプを備える。操作部36は、複数の操作ボタンを備える。表示部38と操作部36とを兼ねて構成してもよい。
【0052】
左右の側壁51、52の上部内側の対向位置に、それぞれ吸引部55が設けられる。吸引部55は、収容部2の周辺空気を吸引する。吸引部55は、複数の通気口551を備える。左右の吸引部55は、側壁51,52の内部にそれぞれ設置されたダクト6に接続される。吸引部55は主として収容部2の前方かつ上方の空気を吸引するが、制御装置90が送風機7の風量を調整することで、収容部2の前後や下方といったより広範囲の空気を吸引可能である。
【0053】
支持台58は収容部2及び受部4の下方に位置する。支持台58は、上板581,前板582、後板583を備える。上板581の上面に受部4が取り外し可能に設置される。支持台58の内部に、複数のダクト6、駆動部89を構成するモータ、殺菌成分発生器33及び複数の送風機7が設置される。前板582の
図2における左側下部に吸気口77が設けられる。また、後板583に複数の排気口78が設けられる。
【0054】
排気口78には、装置本体1の外部へ排出される空気に残存する殺菌成分の少なくとも一部を除去する除去部79が設置される。除去部79は、空気に含まれる殺菌成分を、低濃度化または無害化し、臭気を低減するために設けられ、殺菌成分を完全に除去できていないこともある。除去部79は殺菌成分に加え、排気される空気に含まれるウイルス、菌等の汚染物質や有害物質を低減することもできる。
【0055】
除去部79として、例えば、粒子フィルター、炭フィルター、チャコールフィルター、逆浸透フィルター、活性炭フィルター、セラミック炭素フィルター、蒸留フィルター、イオン化フィルター、イオン交換フィルター、紫外線フィルター、バックフラッシュフィルター、磁性フィルター、エネルギーフィルター、ボルテックスフィルター、化学的酸化フィルター、化学的添加フィルター、パイウォーターフィルター、樹脂フィルター、膜ディスクフィルター、マイクロ濾過膜フィルター、ニトロセルロース膜フィルター、スクリーンフィルター、シーブフィルター、篩フィルタ-、微孔性フィルターまたは微多孔フィルターなどの各種濾過フィルター、金属酸化物の触媒を用いる方法や、熱分解および紫外線やX線、ガンマ線等の電磁放射線の照射、及びそれらの組み合わせ等を用いることができる。
【0056】
図8に、装置本体1内における空気及び殺菌成分の流通経路60の概略図を示す。装置本体1内には、第1-6ダクト61-66、循環ダクト67、第1-3殺菌ダクト41-43、第1、2吸引ダクト68、69、排気ダクト45、第1-3切換部91-93、殺菌切換部94、第1,2送風機71、72、第1,2吸引部56,57、吸気口77、及び、第1、2排気口781、782が設置されている。
【0057】
切換部9は空気または殺菌成分の流通経路を切り換える開閉弁、電磁バルブ等により構成することができる。送風機7は、プロペラファン、シロッコファン等により構成することができる。
【0058】
第1ダクト61の一方の端部は供給部31に接続される。第1ダクト61の他方の端部は第1切換部91に接続される。
【0059】
第2ダクト62の一方の端部は第1切換部91に接続される。第2ダクト62の他方の端部は、第1送風機71に接続される。
【0060】
第3ダクト63の一方の端部は、第1送風機71に接続される。第3ダクト63の他方の端部は、第2切換部92に接続される。
【0061】
第4ダクト64の一方の端部は、第2切換部92に接続される。第4ダクト64の他方の端部は、吸気口77に接続される。
【0062】
第5ダクト65の一方の端部は、回収部32に接続される。第5ダクト65の他方の端部は、第3切換部93に接続される。
【0063】
第6ダクト66の一方の端部は、第3切換部93に接続される。
図4では、第3切換部93が開閉弁96によって構成される場合を示す。第6ダクト66の他方の端部は、第1排気口781に接続される。
【0064】
循環ダクト67の一方の端部は、第3切換部93に接続される。循環ダクト67の他方の端部は、第2切換部92に接続される。
【0065】
第1殺菌ダクト41の一方の端部は、殺菌成分発生器33に接続される。第1殺菌ダクト41の他方の端部は、殺菌切換部94に接続される。
図4では、殺菌切換部94がバルブ97によって構成される場合を示す。
【0066】
第2殺菌ダクト42の一方の端部は、殺菌切換部94に接続される。第2殺菌ダクト42の他方の端部は、第1切換部91に接続される。
【0067】
第3殺菌ダクト43の一方の端部は、殺菌切換部94に接続される。第3殺菌ダクト43の他方の端部は、第2送風機72に接続される。
【0068】
第1吸引ダクト68の一方の端部は、第1吸引部56に接続される。第1吸引ダクト68の他方の端部は、第2送風機72に接続される。
【0069】
第2吸引ダクト69の一方の端部は第2吸引部57に接続される。第2吸引ダクト69の他方の端部は、第2送風機72に接続される。
【0070】
排気ダクト45の一方の端部は、第2送風機72に接続される。排気ダクト45の他方の端部は、第2排気口782に接続される。
【0071】
空気及び殺菌成分の流通経路60は、供給経路14、循環経路15、取出経路17、取入経路16、吸引経路18、吸引殺菌経路19及び排気経路13を備える。供給経路14は、殺菌成分発生器33で発生させた殺菌成分を供給部31へ供給するための経路である。供給経路14は、第1殺菌ダクト41、殺菌切換部94、第2殺菌ダクト42、第1切換部91及び第1ダクト61により構成される。
【0072】
循環経路15は、回収部32で回収された収容部2内部の空気を供給部31へ循環させる。循環経路15は、第5ダクト65、第3切換部93、循環ダクト67、第2切換部92、第3ダクト63、第1送風機71、第2ダクト62、第1切換部91及び第1ダクト61により構成される。
【0073】
取出経路17は、回収部32で回収された空気を装置本体1の外部へ取り出す。取出経路17は、第5ダクト65、第3切換部93、第6ダクト66及び第1排気口781により構成される。
【0074】
取入経路16は、収容部2に装置本体1の外部の空気を取り入れる。取入経路16は、吸気口77、第4ダクト64、第2切換部92、第3ダクト63、第1送風機71、第2ダクト62、第1切換部91及び第1ダクト61により構成される。
【0075】
吸引経路18は、吸引部55で吸引された収容部2の周辺空気を、空気の殺菌を行うための吸引殺菌部39へ送る。吸引殺菌部39は、第2送風機72及び排気ダクト45により構成される。第2送風機72において、第1,2吸引ダクト68,69からの空気と、第3殺菌ダクト43からの空気とが混合される。混合された空気は、排気ダクト45内を流通し、第2排気口782から装置本体1の外部へ排出される。排気ダクト45を流通する間に、殺菌成分によって吸引部55で吸引された空気の殺菌が行われる。吸引経路18は、第1吸引ダクト68、第2吸引ダクト69、第1送風機71により構成される。
【0076】
吸引殺菌経路19は、殺菌成分発生器33で発生させた殺菌成分を吸引殺菌部39へ供給するための経路である。吸引殺菌経路19は、第1殺菌ダクト41、殺菌切換部94、第3殺菌ダクト43、第2送風機72により構成される。
【0077】
排気経路13は、吸引殺菌部39で殺菌された空気を装置本体1の外部へ排気する。排気経路13は、第2送風機72及び排気ダクト45、第2排気口782を備える。
【0078】
第1、2排気口781,782には、取出経路17を構成する第1排気口781、または排気経路13を構成するに、残存する殺菌成分を除去する除去部79が設置される。
【0079】
検出部50は、閉塞部材24が投入口46を閉塞しているかどうかを検出する。検出部50は、収容部2の外部に設けられる。検出部50は、第1検出部501、第2検出部502を備える。本実施形態では、第1検出部501及び第2検出部502は、支持部5に設けられる。
【0080】
第1検出部501及び第2検出部502は、本実施形態では、いずれも発光素子及び受光素子を備える透過式のセンサにより構成されている。第1検出部501及び第2検出部502を構成する発光素子及び受光素子は、左右の側壁51,52の対向位置にそれぞれ設置されている。
【0081】
第2検出部502は、第1検出部501より所定距離Hだけ高い位置に設置される。この第1検出部501と第2検出部502との設置位置の違いの距離Hは、被検出部10としての把手49の投入位置における縦方向の長さFより短く設定される(
図9(B)参照)。本実施形態では、収容本体25が被収容物の投入位置に位置し閉塞部材24が閉塞されるとき、被検出部10としての把手49の縦方向の長さFが10mm程度となる。そして、第1検出部501と第2検出部502とは、縦方向で、把手49の長さFより短い距離Hとなる10mm未満、例えば8mm離間して設置される。
【0082】
また、第2検出部502は第1検出部501より、後方、即ち収容部2の回転中心に近い位置に設置される。第2検出部502は、第1検出部501より、鉛直方向で所定距離Hだけ上の位置、且つ水平方向で所定量後方に設置されることで、第1検出部501の斜め上に位置する。これより、投入位置に位置する収容本体25に対して、閉塞部材24が開閉されるとき、ヒンジ37を軸心に回動する閉塞部材24の把手47の位置が、円弧を描く移動する軌道と同じ位置関係となる。適切に被検出部10を検出することができる。
【0083】
検出部50は、本実施形態においては
図3に示すように、収容本体25が被収容物の投入位置に位置するとき被検出部10としての把手49を検出する。第1検出部501及び第2検出部502双方は、閉塞部材24が被収容物の投入口46を閉塞するとき、及びその前後に、被検出部10を検出する。
【0084】
第1検出部501及び第2検出部502による被検出部10の検出の有無の組み合わせによって投入口46の閉塞の状態、及び投入口46の開口量を把握することができる。
図9は、
図2におけるC-C線矢視拡大断面図である。
図9では、収容本体25が閉塞部材24によって閉塞されるとき及びその前後の複数の状態について、第1検出部501及び第2検出部502による被検出部10の検出の有無の組み合わせが示される。
【0085】
図9(A)~(D)では、被検出部10としての把手47の断面が示される。また、把手47の同図における右側に、閉塞部材24下部の断面が示される。そして、閉塞部材24の下方に、投入位置に位置する収容本体25の前面上部断面が示される。被検出部10の同図の奥側に、後方に位置する第1検出部501及び第2検出部502が示される。第1検出部501及び第2検出部502が検出する光線が被検出部10によって遮られる場合を白丸で、遮られることなく受光素子で受光可能な場合を黒丸で示している。
【0086】
下記表1は、
図9に示すA乃至Dの各状態に対応する第1検出部501と第2検出部502の検出結果の組み合わせ及びその結果から判断される閉塞部材24の閉塞の有無及び投入口46の開口量として、収容部2前面における第1筒体211の開口端縁251から第2筒体221の開口端縁241まで隙間の長さL1~L4を示す。
【0087】
【0088】
状態Aは、閉塞部材24によって投入口46が閉塞された状態を示す。このとき、被検出部10は、閉塞位置に位置する。閉塞位置において、被検出部10は、第1検出部501の発光素子からの光を遮るが、第2検出部502の発光素子からの光は遮らない位置に位置する。このとき、第1検出部501は遮光、第2検出部502は通光となる。
【0089】
このAの状態では、収容部2前面における第1筒体211の開口端縁251から第2筒体221の開口端縁241まで隙間の長さはL1となる。第1筒体211と第2筒体212の間の弾性部材47は、弾性変形し、閉塞部材24によって収容本体25が閉塞されない状態B-Dのときより、弾性部材47の厚さが短くなっている。この状態Aの隙間の長さL1は、開口形成部48の収容本体251からの突出高さTより短い長さである。
【0090】
状態Bでは、閉塞部材24が収容本体25から離れ、投入口46が僅かに開口している。被検出部10は、状態Aで示す閉塞位置より上方に位置する。収容部2前面における第1筒体211の開口端縁251から第2筒体221の開口端縁241まで隙間の長さはL2となる。状態Bのとき、被検出部10は、第1検出部501及び第2検出部502の双方の光を遮ることが可能な位置にある。よって、第1,2検出部501,502のいずれも遮光となる。
【0091】
長さL2は、把手49の軸に垂直な方向、即ち、被検出部10の
図9における上下方向の長さF、例えば10mmより小さく、且つ第1検出部501と第2検出部502の縦方向の設置位置の違いの長さH、例えば8mm未満の長さである。このように、状態B は、投入口46が閉塞されていないが、投入口46の開口量はほんの僅かしかない場合である。
【0092】
状態Cでは、閉塞部材24が収容本体25から更に離れ、投入口46が開口している。収容部2前面における第1筒体211の開口端縁251から第2筒体221の開口端縁241まで隙間の長さはL3となる。長さL3は、状態Bの長さL2より大きく、投入口46の開口量は状態Bより大きくなる。状態Cでは、第1検出部501は通光、第2検出部502は遮光となる。
【0093】
状態Cにおける第1筒体211の開口端縁251から第2筒体221の開口端縁241まで隙間の長さL3は、押上部材481が第1筒体211の開口端縁251から突出する所定量Tに等しい。よって、開口形成部48が形成する開口量は、閉塞部材24が投入口46を閉塞しておらず、投入口46が開放されていると検出部50が、判断することが可能な最小の大きさである状態Bの隙間の長さL2より大きくなるよう設定されている。
【0094】
これより、収容本体25が閉塞部材24によって閉塞されていないときには、押上部材481が所定量T以上当接部243を押し上げ、収容本体25と閉塞部材24との間に所定量T以上の開口部を形成することができる。収容本体25が閉塞される前であることを、制御装置90が検出部50の検出結果を基に、表示部38により報知することで、作業者に知らせることができる。また作業者は、収容本体25と閉塞部材24との間に長さT以上の開口量が形成されていることを目視によっても確認することができる。閉塞部材24によって閉塞されていないにも関わらず、収容部2が動作部8によって動作される事態を容易に回避できる。
【0095】
状態Dでは、収容部2前面における第1筒体211の開口端縁251から第2筒体221の開口端縁241まで隙間の長さはL4となる。長さL4は、状態B、Cの長さL2、L3より大きく、投入口46の開口量は最も大きくなる。状態Dでは、第1検出部501及び第2検出部502の双方が通光となる。このとき収容本体25は第1検出部501及び第2検出部502で検出可能な長さを超えた大きさに開放されている。
【0096】
第1検出部501及び第2検出部502が被検出部10を検出することで、閉塞部材24が投入口46を閉塞しているかどうかをより正しく判断するために、装置組み立て時において生じた検出部50及び収容部2の組み立て位置の誤差を考慮し、設定値の調整を行うことが好ましい。組み立て位置の誤差を算出する際に、収容本体25を所定量移動させたときの移動量を利用することができる。例えば、制御装置90は、収容本体25を所定の基準位置、例えば被収容物の取出位置から、被収容物の投入位置まで回転部80によって回転させたときの駆動部89のパルス数をカウントする。得られた実際のカウント値と、組み立て誤差がないとしたときの設計上の値とを比較する。実際のカウント値と設計上の値との差は、組み立て時の誤差となる。第1検出部501及び第2検出部502によって被検出部10を検出すべき範囲のデフォルト値を入力し、設定する際に得られた組み立て上の誤差を反映させる。
【0097】
これより、装置の組み立て時多少の組み立て時の誤差があった場合であっても、その誤差を反映させたうえで、検出部50が被検出部10を適正に検出でき、閉塞部材24によって投入口46が閉塞されたかどうかを判断することができる。
【0098】
本実施形態で動作され、殺菌が行われる被収容物は、特に限定されず、例えば、投票用紙、抽選くじ、葉書、封書等の各種用紙や紙製品、磁気カード、合成樹脂製、紙製または表面加工処理の施されたカード、フィルム、薄板等のシートやシート状製品、洋服、和服、下着、靴下、手袋等の衣類、帽子、靴、アクセサリー等の身の回り品や装飾品、医療用マスク、布製マスク、ハンカチ、ナプキン等の医療用品や衛生用品、おもちゃ、ぬいぐるみ、人形、ブロック等が挙げられる。
【0099】
制御装置90は、CPU、ROM、RAM等により、実現されている。制御装置90には、各種検出部(図示省略)から送信された検出結果を受信する。また、制御装置90は、操作部36からの情報を受信する。制御装置90には、被収容物を動作し、殺菌するための各種プログラムが記憶されている。制御装置90は各種検出部からの検出結果及び操作部36からの情報に基づき、プログラムに従って、駆動部89、送風機7、殺菌成分発生器33を駆動し、切換部9を切り換え、バルブ97、開閉弁96を開閉する。必要により、表示部38に適宜必要な表示を行う。
【0100】
そして、制御装置90は、内部に備えた時計によって、駆動時間を計測する。制御装置90は、収容部2に収容された被収容物を動作させ、被収容物の姿勢を変化させ、被収容物に対し殺菌処理を実施するよう制御する。その際、制御装置90は、駆動部89を駆動し、回転軸87を軸心に回転体84を回転させることで被収容物を撹拌する。また、制御装置60は、殺菌成分発生器33を駆動し、殺菌成分を発生させ、収容部2に供給するよう制御する。さらに、制御装置90は所定のタイミングで複数の切換部9を切り換え、送風機7を動作させて空気の流通経路60を適宜変更する。
【0101】
次に、本実施形態にかかる収容装置100の動作を以下に説明する。収容装置100は、吸引工程、動作工程、停止準備工程の各工程を実施可能である。収容装置100を使用する際、作業者は、電源スイッチ29を操作し、電源をいれる。電源投入後、制御装置90は、まず吸引工程を実施する。
【0102】
吸引工程は、吸引部55から収容部2周辺の空気を吸引し、殺菌を行って排気する動作である。制御装置90は、吸引部55から吸引するため第2送風機72を作動する。尚、必要により、電源投入後、制御装置90が自動で第2送風機72を作動させるのに替えて、作業者が第2送風機72を作動させるための操作を実施するのを待って、第2送風機72を作動させてもよい。
【0103】
第2送風機72が作動すると、吸引部55から収容部2周辺の空気が吸引される。特に、閉塞部材24を開放し、被収容物を収容本体25へ投入する際に、収容本体25の投入口46周辺の空気を多く吸引することができる。そして、制御装置90は、殺菌切換部94を第1殺菌ダクト41と第3殺菌ダクト43とを接続する方向へ切り替える。さらに、制御装置90は殺菌成分発生器33を作動させる。
【0104】
これより、吸引部55から第1,2吸引ダクト68、69へ流入した空気は、吸引経路18を流通し、第2送風機72に至る。そして、殺菌成分発生器33で発生した殺菌成分は、吸引殺菌経路19を流通し、第1殺菌ダクト41から殺菌切換部94を経て第3殺菌ダクト43へ流入し、第2送風機72に至る。
【0105】
第2送風機72において、吸引部55からの空気と殺菌成分発生器33からの殺菌成分とが混合される。吸引部55からの空気は、殺菌成分によって殺菌される。殺菌処理後の空気は、排気経路13を流通し、第2送風機72から排気ダクト45を経て第2排気口782へ至り、装置本体1の外部へ排気される。
【0106】
作業者は、吸引部55から収容部2周辺の空気が吸引され、殺菌されている状態で、必要により収容部2を回転させ、被収容物の投入位置に位置させる。そして、カバー101をスライドし、閉塞維持部26を解除して、把手49により閉塞部材24を収容本体25に対しヒンジ37を軸心に揺動し、
図5に示すように、投入口46を開放する。作業者は、投票箱等の被収容物が入った箱や入れ物、容器等から、該被収容物を取り出し、投入口46から収容本体25内へ被収容物を投入する。その後、開放状態にある閉塞部材24を、ヒンジ37を軸心に開放時と逆方向に揺動し、上方に向けて開口した収容本体25の対向位置に位置させる。
【0107】
収容部2前面における第1筒体211の開口端縁251から第2筒体221の開口端縁241まで隙間の長さがL4以上あるとき、
図9(D)に示す状態となる。このとき、第1検出部501及び第2検出部502いずれも通光となる。
【0108】
閉塞部材24が収容本体25により近接され、
図9(C)に示す位置に至ると、押上部材481の上側の端部481aが、対向する閉塞部材24の当接部243に当接する。このとき、第1筒体211の開口端縁251から第2筒体221の開口端縁241まで隙間の長さはL3となる。この隙間の長さL3は、付勢部材482によって付勢されていない押上部材481が第1筒体211の開口端縁251から突出する所定量Tに等しくなり、押上部材481は、上死点に位置している。この状態Cのとき、第1検出部501は通光、第2検出部502は遮光となる。
【0109】
作業者は、付勢部材482の付勢力に抗して、閉塞部材24を収容本体25へ向けて押圧することで、当接部243が押上部材481を押し下げる。押上部材481は、貫通穴487によって案内され下方へ移動する。第1筒体211の開口端縁251から第2筒体221の開口端縁241まで隙間の長さがL3より小さく、且つ閉塞部材24によって投入口46が閉塞されていないとき、状態Bとなる。この状態Bのとき、収容部2前面における第1筒体211の開口端縁251から第2筒体221の開口端縁241まで隙間の長さがL2になり、第1検出部501及び第2検出部502の双方が遮光となる。
【0110】
閉塞部材24が十分に収容本体25に近接すると、収容本体25は係止部材261により係止される。閉塞維持部26の弾性部材の付勢力によって係止部材261が収容本体25を係止した状態が維持され、投入口46が閉塞される。この状態Aのとき、収容部2前面における第1筒体211の開口端縁251から第2筒体221の開口端縁241まで隙間の長さがL1になり、第1検出部501は遮光、第2検出部502は通光となる。
【0111】
このように、閉塞部材24が投入口46を閉塞しているかどうか、及び投入口46の開口量を、収容部2の外部に設けられた検出部50によって検出し、制御装置90へ送信する。制御装置90は、検出部50による被検出部10の有無から閉塞部材24の状態A~Dを判断する。制御装置90は、必要により、得られた閉塞部材24による投入口46の閉止状態Aまたはその前後の状態B~D、開口量等を表示部36に表示する。
【0112】
制御装置90が、検出部50の検出結果から、閉塞部材24が投入口46を閉塞したと判断した後、待機状態となる。
【0113】
吸引工程において、吸引部55から収容部2周辺の空気を吸引し、殺菌を行って排気することで、収容部2の閉塞部材24を開放し、被収容物を他の容器等から収容本体25に移し変える際、被収容物に付着している粉塵やウィルス、細菌、カビ等の汚染物質や有害物質が空気中に飛散し、作業者に悪影響を及ぼすのを抑制できる。
【0114】
閉塞部材24が投入口46を閉塞しているかどうかを検出する検出部50が、収容部2の外部に設けられているので、収容部2の内部に閉塞部材24が投入口46を閉塞したかどうかを検出する機構を設置する必要がない。よって、収容部2が動作部8により動作されるために、スリップリング等を用いた電気接続を維持するための手段を設ける必要もなく、簡単な構造で、安価に製造でき、装置の小型化、コストダウンが可能である。殺菌成分によって検出部50を構成する部品が酸化され、または腐食されるなどして劣化し、部品交換を要するといったことがなく、メンテナンスが容易で、維持費用削減となる。
【0115】
吸引部55による吸引動作開始後、所定時間にわたり、作業者が被収容物の移し変えや動作動作を開始しない場合、制御装置90は、例えば吸引開始から20分といったあらかじめ設定した所定時間経過後に、第2送風機72及び殺菌成分発生器33を停止し、待機状態とする。待機状態への移行後、作業者が収容部2の周辺の空気を殺菌処理するための操作を行った場合、制御装置90は、この吸引工程を再び実行する。
【0116】
このように、作業者が被収容物を収容本体25へ移し変える作業を行うことなく、所定時間経過した場合には、収容装置100は自動で待機状態へ移行される。よって、殺菌成分発生器33で殺菌成分が必要量を超えて生成され、該殺菌成分の濃度が収容装置100の設置場所周辺で高くなり、作業者の人体に悪影響を及ぼすのを抑制できる。また、オゾンや塩素など殺菌成分が臭気を有する場合に、作業者が気分を悪くするのを抑制することができる。
【0117】
動作工程では、収容部2に収容した被収容物を動作しつつ、動作される被収容物に対し殺菌処理を実施する。動作工程において、作業者が動作開始の操作を行うと、制御装置90は待機中に動作させていた第2送風機72を停止する。尚、制御装置90は第2送風機72を動作させたままとしてもよい。そして、制御装置90は、装置本体1内の空気の流通経路60を殺菌切換部94、第1切換部91、第2切換部92及び第3切換部93を切り換えて、循環経路15へと移行する。
【0118】
その際、制御装置90は、殺菌切換部94を第1殺菌ダクト41と第2殺菌ダクト42とを接続する方向へ切り替える。これより、供給経路14を流通した殺菌成分が収容部2に供給される。尚、制御装置90は動作工程においても第2送風機72を動作させたままとし、吸引工程の吸引動作を継続する場合、殺菌成分切換部94を、第1殺菌ダクト41から第2殺菌ダクト42及び第3殺菌ダクト43の双方へ流通できるようにする。これより、動作中に、収容部2の周辺の空気を殺菌できる。
【0119】
また、制御装置90は、第1切換部91を第1ダクト61と第2ダクト62とを接続する方向へ切り替える。制御装置90は、第2切換部92を第3ダクト63と循環ダクト67とを接続する方向へ切り替える。制御装置90は、第3切換部93を循環ダクト67と第5ダクト65とを接続する方向へ切り替える。これより、装置本体1内に循環経路15が形成される。
【0120】
さらに、制御装置90は第1送風機71、殺菌成分発生器33及び駆動部89を動作させる。第1送風機71の駆動により、循環経路15内にある空気が循環しつつ流通される。収容部2内の空気は、回収部32から回収され、第5ダクト65へ流入し、第3切換部93に至り、更に循環ダクト67を流通し、第2切換部92に至ったのち、第3ダクト63を経て、第1送風機71に吸い込まれる。その後、第1送風機71から流出した空気は、第2ダクト62から第1切換部91に至り、第1ダクト61を経て収容部2へ戻る。
【0121】
殺菌成分発生器33の駆動により、殺菌成分発生器33で被収容物の殺菌を行うための殺菌成分が発生される。発生された殺菌成分は、第1殺菌ダクト41、殺菌切換部94及び第2殺菌ダクト42を流通し、第1切換部91に至る。第1切換部91において、殺菌成分は、循環経路15を流通する空気と混合され、第1ダクト61へ流入し、供給部31によって収容部2に供給される。
【0122】
また、駆動部89の駆動によって、連結機構82を介し回転軸87が回転され、回転体84が回転される。回転体84の被収容物は、回転軸87を軸心に回転する回転体84によって動作される。回転体84の回転方向は、動作中常時一方向のみの回転とすることができる。また、これに替えて、所定時間ごとに正方向と逆方向とを切り換えることとしてもよい。また、被収容物が適切に動作されるため、被収容物の枚数や経過時間等に応じた回転速度を、予め設定しておき、これに基づき回転体の回転速度を調整してもよい。この場合、経過時間に合わせ回転速度を変更してもよい。
【0123】
収容部2の回転によって被収容物は、動作される。被収容物は重なった部分がバラバラに捌かれ、空気の層が含まれ、所定濃度の殺菌成分に晒される。被収容物の表面に付着したウィルスや細菌、カビ等は、殺菌、消毒される。また、収容部2内で飛散し、浮遊するウィルスや菌等も殺菌成分に衝突し、殺菌、死滅される。
【0124】
殺菌処理中、予め設定した所定時間にわたり殺菌成分発生器33での殺菌成分の発生を継続する。発生された殺菌成分は供給経路14を介して収容部2へ供給され続ける。これより、収容部2及び循環経路15の殺菌成分の濃度は、殺菌処理の時間経過と共に高くなる。殺菌成分の濃度は、装置本体1内に設置した測定器等を用いて測定することができる。
【0125】
制御装置90は、得られた殺菌成分の測定値をフォードバックし、これに基づき殺菌成分発生器33で発生させる殺菌成分の量を調整することができる。制御装置90は、収容部2に収容された被収容物の量に応じて、必要な濃度に至るための量の殺菌成分を発生させ、収容部2に供給するよう制御することができる。
【0126】
また、殺菌処理のために必要となる殺菌成分の濃度、発生量、供給量、発生時間、曝気時間等を、被収容物の量に応じて実験を行っておき、これらを設定しておいてもよい。この場合、高価な測定機器を装置本体1内に設置する必要がないので、コストを削減できる。
【0127】
さらに、装置本体1内に設置した測定器によって、単位時間毎の殺菌成分の濃度を計測することも可能である。制御装置90は設定値と計測値とを比較し、これらを基に殺菌成分発生器33、第1送風機71、駆動部89の動作を制御することができる。
【0128】
被収容物が殺菌成分で殺菌されるのに要する時間は、殺菌成分の濃度が高ければ短くてよく、低ければ長い時間を要する。殺菌に要する時間は、例えば、20秒~60分とすることができ、好ましくは30秒~30分、より好ましくは1分~20分である。収容部2中の殺菌成分の濃度(質量ppm)と処理時間(分)の積であるCT値は、好ましくは100~6000ppm・分であり、より好ましくは200~4000ppm・分であり、さらに好ましくは300~2000ppm・分である。CT値が適正範囲のとき、ウイルスや菌、カビ等を適正に死滅することができ、処理後の被収容物の汚染物質や有害物質の残存量を少なくできる。
【0129】
被収容物が十分動作され、殺菌されると、制御装置90は、停止準備工程に移行する。停止準備工程では被収容物の動作を停止するための準備を行う。制御装置90は、装置本体1のいずれかの場所に設置した安全センサ(図示省略)が動作上の危険を検出したときや、作業者が動作又は殺菌の処理を停止する操作を行ったときにも、停止準備工程を実施することができる。
【0130】
停止準備工程では、収容部2に供給した殺菌成分の低減、除去、無毒化を行う。収容部2において殺菌に使用された殺菌成分は、空気中の濃度が低下され、除去された上で装置本体1の外部へ排出される。その後被収容物の動作が停止される。
【0131】
停止準備工程において、制御装置90は、まず、殺菌成分発生器33を停止する。次に、第3切換部93を切り換え、第5ダクト65が循環ダクト67から第6ダクト66へ接続されるようにする。このとき第1送風機71及び駆動部89は動作を継続している。このため、動作工程において、循環経路15を流通していた空気は順次取出経路17へ流入される。収容部2から回収部32によって回収された空気は、第5ダクト65から第6ダクト66へ流入し、第1排気口781から装置本体1の外部へ排出される。
【0132】
装置本体1内を流通した空気に含まれる殺菌成分は、第1排気口781に設けた除去部79において、殺菌成分が除去される。そして、第1排気口781から装置本体1の外部へ排気される。
【0133】
続いて、制御装置90は、第2切換部92を切り換え、第3ダクト63が循環ダクト67から第4ダクト64へ接続されるよう変更する。これより、空気の流通経路60は、循環経路15から取入経路16に切り換わる。取入経路16では、吸気口77から装置本体1内へ吸い込まれた空気が第4ダクト64、第2切換部92、第3ダクト63、第1送風機71、第2ダクト62、第1切換部91、第1ダクト61の順に流通して収容部2に至る。
【0134】
取入経路16での空気の流通を開始した後、収容部2内の空気が吸気口77から取り入れた外部の空気で満たさされるのに必要な所定時間が経過すると、制御装置90は、駆動部89を停止する。これより収容部2の回転が停止される。さらに制御部は、第1送風機71を停止し、待機状態に移行する。
【0135】
このように停止準備工程において、収容部2内の空気を、所定濃度の殺菌成分を含んだ状態から、順次殺菌成分をほとんど含まない装置本体1の外部の空気に入れ替える。動作工程で、被収容物の殺菌が行われている状態では、循環経路15を循環しながら流通する空気が、所定量の殺菌成分を含んでおり、装置本体1の外部の空気より、殺菌成分の濃度が高い状態となっている。
【0136】
この殺菌成分濃度の高い状態のままで被収容物を取り出すために、駆動部89を停止し、閉塞部材24を開放したとすると、作業者は、所定濃度の殺菌成分を鼻や口から体内に吸い込む恐れがある。そこで、作業者が閉塞部材24を開放し、収容部2内の空気に触れる前の段階で、収容部2の内部及び循環経路15内の空気を殺菌成分濃度の低い装置本体1の外部の空気と入れ替える。これより、閉塞部材24を開放しても作業者は、殺菌成分濃度の高い空気に接触したり、体内に吸い込んだりするリスクを回避できる。
【0137】
作業者は、収容部2から受部4へ被収容物を取り出すための操作をする。制御装置90は、駆動部89を所定量駆動し、被収容物を受部4へ取り出すための取出位置まで回転体84を回転させる。尚、制御装置90は、第1送風機71の停止後、再度駆動部89を駆動するのに替えて、停止準備工程で、駆動部89を停止する際に、この受部4への取出位置で、回転体84を停止させるよう制御してもよい。
【0138】
回転体84が受部4への取出位置に位置する状態で、作業者が手動で閉塞部材24を開放する。尚、制御装置90が自動で閉塞部材24を開放してもよい。被収容物は下方に設置された受部4に落下する。
【0139】
以上より、第1の実施形態に係る収容装置100は、閉塞部材24が投入口46を閉塞しているかどうかを検出する検出部50が、収容部の外部に設けられたので、収容部2の内部に閉塞部材24が投入口46を閉塞したかどうかを検出する機構を設置する必要がない。よって、収容部2が動作部8により動作される場合であっても、スリップリング等を用いた動作する部品間で電気接続を維持するための手段を設ける必要もなく、簡単な構造で、安価に製造でき、装置の小型化、コストダウンが可能である。
【0140】
また、収容部2に収容された被収容物の殺菌を行うための殺菌部3が設けられたので、被収容物を殺菌することができる。
【0141】
そして、殺菌部3は、被収容物を殺菌するための殺菌成分を発生させる殺菌成分発生器33を備えたので、殺菌成分発生器33で発生した殺菌成分を用いて被収容物を殺菌することができる。
【0142】
更に、閉塞部材24が投入口46を閉塞しているかどうかを検出する際、検出部50によって検出される被検出部10が収容部2に設けられ、検出部50は、被検出部10の所定方向の長さFより短い所定距離Hだけ離間して設置される第1検出部501及び第2検出部502を備えるので、第1検出部501と第2検出部502を被検出部10が遮光の有無の組み合わせによって、閉塞部材24が投入口46を閉塞したかどうか及び投入口46の開口量について、少なくとも4種類の状態を判断可能である。よって、少ない部品で効率よく複数の状態を判断することができ、コスト削減となる。
【0143】
更に、投入口46が閉塞部材24によって閉塞されないとき、投入口46に所定量T以上の開口部を形成させる開口形成部48を備えたので、収容本体25と閉塞部材24との間に所定量T以上の開口部を形成することができる。作業者は容易に投入口46が閉塞されていないことを理解することができる。
【0144】
(第2の実施形態)
図10は第2の実施形態に係る収容装置100aの概略構成を示す縦断面図である。上記第1の実施形態では、検出部50が収容部2の支持部5に設けられた。本第2の実施形態では、これに替えて、検出部50aが、センサ支持部59に設けられる。センサ支持部59は収容部2aの支持部5aとは別に設置される。センサ支持部59は検出部50aの第1検出部501a及び第2検出部502aを支持する。
【0145】
また、第1の実施形態では、収容部2は側面視八角形状に形成され、八角形柱状の収容部2が横置きされたが、本第2の実施形態では、収容部2aは側面視円形に形成され、収容部21は全体として円柱状に形成され、横置きされる。また、上記第1の実施形態では、把手49は、縦断面が隅部が丸い矩形状に形成されたが、これに替えて、縦断面が円形に形成される。そして、本第2の実施形態では、10において矢印で示すように、収容部2aは図示しない動作部としての回転部によって回転される。
【0146】
センサ支持部59が収容部2aの支持部5aとは別に設けられるので、収容部2aが長期間繰り返し動作される場合であっても、これに伴ってセンサ支持部59に直接振動が伝わらない。よって、使用により次第に検出部50a及び被検出部10aの相対位置がずれるといったことが生じにくく、僅かな量の投入口の開口を、長期間にわたってより正確に判断可能である。
【0147】
(第3の実施形態)
図11は第3の実施形態に係る収容装置100bの概略構成を示す縦断面図である。上記第2の実施形態では、回転部により収容部2aが回転されたが、本第3の実施形態では、これに替えて、昇降部801を備える。昇降部801は、支持部50bに設けられる。昇降部801は収容部2aを上下方向に移動させ収容部2aを動作させる。
【0148】
検出部50bが被検出部10bを検出するには、
図11において矢印で示すように、昇降部801によって収容部2bが検出位置まで昇降される必要がある。検出位置とは、検出部50bが被検出部10bを適正に検出可能な位置である。
【0149】
昇降部801によって収容部2bが検出位置に位置された後、センサ支持部59bに設けられた第1検出部501b及び第2検出部502bによって被検出部10bを検出し、投入口46bが閉塞部材24bによって閉塞されたかどうかを判断する。
【0150】
(第4の実施形態)
図12は第4の実施形態に係る収容装置100cの概略構成を示す縦断面図である。上記第2の実施形態では、回転部により収容部2aが回転され、第3の実施形態では昇降部801によって収容部2bが昇降された。本第4の実施形態では、これらに替えて、水平移動部802を備える。水平移動部802は、収容部2cを水平方向に移動させ収容部2cを動作させる。
図12では収容部2cが前後方向に移動する場合を示す。水平移動部802は、これに替えて、左右方向に移動してもよく、前後及び左右を組み合わせた方向に移動してもよい。
【0151】
検出部50cが被検出部10cを検出するには、
図12において矢印で示すように、水平移動部802によって収容部2cが検出位置まで移動される必要がある。検出位置とは、検出部50cが被検出部10cを適正に検出可能な位置である。
【0152】
水平移動部802によって収容部2cが検出位置に位置された後、センサ支持部59cに設けられた第1検出部501c及び第2検出部502cによって被検出部10cを検出し、投入口46cが閉塞部材24cによって閉塞されたかどうかを判断する。
【0153】
(第5の実施形態)
図13は第5の実施形態に係る収容装置100dの概略構成を示す側面図、
図12は前記収容装置100dの正面図、
図13は、前記収容装置100dの平面図である。第1の実施形態では、収容部2は八角形柱状、第2の実施形態では、収容部2aは円柱状に形成されたが、本第3の実施形態では直方体状に形成されている。
【0154】
そして、本第3の実施形態に係る閉塞部材24dは、薄板により構成され、正面視矩形状に形成される。閉塞部材24dの下部は、収容部2d前面に形成された矩形状の投入口46dの下端部より下方位置にヒンジ37dにより開閉自在に固定される。閉塞部材24dは
図13において一点鎖線で示すように、ヒンジ37dを軸心として下方に向けて揺動され、投入口46dが開放される。閉塞部材24dには、前面中央より前方に突出して角柱状の把手49dが設置される。この把手49dは、閉塞部材24dが投入口46dを閉塞しているかどうかを検出する際、前記検出部50dによって検出される被検出部10dを構成する。
【0155】
検出部50dは、第1検出部501dのみを備え、第2検出部は設置されていない。上記第1、2の実施形態では、動作部8は収容部2を所定方向に回動させるかまたは上下方向に移動させることで動作させた。本第3の実施形態では、動作部8dが水平移動部802dを備える。水平移動部802dは、収容部2dを水平移動させる。水平移動部802dによる収容部2dの移動方向は、前後方向であってもよく、前後方向に直交する左右方向であってもよく、前後及び左右の双方を含んでいてもよい。図示しないが、水平移動部802dは収容部2dを前後方向に移動させるのに替えて、左右方向へ移動させる場合、検出部は、被検出部を適正に検出可能な位置、例えば、被検出部を挟んで上下に所定量離間して設置することができる。
【0156】
そして、検出部50dは、センサ支持部59dに設けられる。センサ支持部59dは、収容部2dの前方かつ左右側方に設置される。
閉塞部材24dが投入口46dを閉塞しているかどうかを、検出部50dが検出するためには、水平移動部802dによって収容部2dを、検出部50dが被検出部10dを検出可能な所定位置まで移動させる必要がある。
図11に示す実施形態では、二点鎖線で示すように、水平移動部802d1を駆動することで、収容部2dを所定量前方へ移動させ、検出部50dが被検出部10dを検出可能な位置に位置させる必要がある。
【0157】
尚、上記実施形態では、収容部2、2a~2dは、正八角形の角柱状、または円柱状に形成され、横置きされるか又は直方体状に形成されたが、これに限定されず、立方体、球体、台形等の形状であってもよい。また、筒体21は、正八角形角柱状に形成されたが、これに替えて六角形や五角形、十角形等他の多角形角柱状であってもよく、円柱状であってもよい。
【0158】
また、被収容物の動作は、収容部2を、回転軸87を軸心に回転させる駆動部89により行われたが、これに替えて、撹拌羽根によって被収容物を撹拌してもよく、送風機からの風圧によって送風することで、動作させてもよく、被収容物の落下を利用してもよく、これらを組み合わせてもよい。その際、収容部に邪魔板を追加で設置したり、収容部の形状を全体的に又は一部分を凹凸形状とする等により、動作効率を向上させる構造としてもよい。
【0159】
また、収容部2は、被収容物を収容する収容本体25と、収容本体25に対し開閉自在な閉塞部材24とを備えたが、収容部が閉塞部材のない構成としてもよい。その場合例えば、収容部が伸縮自在に形成され、開口部から被収容物を出し入れできる構成、被収容物が通過可能なスリットが形成された構成、またはスナップやファスナー等の留め具によって開口部を閉止可能な構成、収容部内に被収容物の搬送装置を設置し、被収容物を動作しつつ搬送し、連続的に殺菌を行う構成等採用することができる。
【0160】
また、殺菌部3は、被収容物の殺菌を行うための殺菌成分を収容部2に供給する供給部31を備えたが殺菌成分を用いなくてもよい。殺菌成分を用いない場合、収容部の内部又はその近傍に設置した紫外線照射機によって紫外線を被収容物に直接照射する等の方法を採用することができる。また、殺菌成分を収容部内で発生させ殺菌を行ってもよい。
【0161】
また、殺菌成分を発生させる殺菌成分発生器33を備えたが、収容装置の内部に殺菌成分発生器を備えなくてもよい。この場合、別途設置した殺菌成分発生器と収容装置を接続し、被収容物の殺菌を行うことができる。
【0162】
また、収容部2内の空気を、収容部2から回収する回収部32を備えたが、ウイルスや菌が容易に死滅するとともに、殺菌成分が急激に濃度低下し、減少するといった場合には、回収部を設けず、収容部の空気を回収することなく収容装置の外部に放出し、拡散させてもよい。
【0163】
また、回収部32で回収された空気を供給部31へ循環させる循環経路13を備えたが、回収された空気を再度収容部に循環させることなく排気してもよい。
【0164】
また、回収部32で回収された空気を装置本体1の外部へ取り出す取出経路17と、収容部2に装置本体1の外部の空気を取り入れる取入経路16とを備えたが、これらを備えず、制御装置が停止準備工程を実施しない構成としてもよい。
【0165】
また、収容部2の周辺空気を吸引する吸引部55と、吸引部55で吸引された空気の殺菌を行うための吸引殺菌部39と、吸引殺菌部39で殺菌された空気を装置本体1の外部へ排気する排気経路13とを備えたが、吸引部を備えず収容部の周辺の空気を吸引しない構成としてもよい。
【0166】
また、殺菌成分を供給部31へ流入させる供給経路14と、殺菌成分を吸引殺菌部39へ流入させる吸引殺菌経路19と、供給経路14と吸引殺菌経路19とを切り換える殺菌切換部94を備えたが、殺菌成分発生器を複数設置し、供給経路と吸引殺菌経路とを切り換えることなく、それぞれの経路に設置された殺菌成分発生器を用いて殺菌成分を発生させ、使用してもよい。
【0167】
また、収容部2から回収された空気を装置本体1の外部へ取り出す取出経路17、または収容部2の周辺空気を吸引する吸引部55で吸引された空気の殺菌を行うための吸引殺菌部39で殺菌された空気を装置本体1の外部へ排気する排気経路13の少なくともいずれかに、装置本体1の外部へ排出する空気に残存する殺菌成分の少なくとも一部を除去する除去部79が設置されたが、除去部を設けない構成としてもよい。
【0168】
また、空気の流通経路60は、複数のダクト6によって形成されたが、配管、パイプ、仕切られた空間等ダクト以外の他の構成によって、形成されてもよい。
【符号の説明】
【0169】
2、2a-2d 収容部、3 殺菌部、5,5a-5d 支持部、8 動作部、24、24a-24d 閉塞部材、25、25a-25d 収容本体、33 殺菌成分発生装置、46,46-46d 投入口、48 開口形成部、50,50a-50d 検出部、100,100a-100d 収容装置。