(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165679
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
F16H 61/28 20060101AFI20221025BHJP
B60K 23/08 20060101ALI20221025BHJP
B60K 23/04 20060101ALI20221025BHJP
B60T 8/17 20060101ALI20221025BHJP
B60T 7/02 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
F16H61/28
B60K23/08 C
B60K23/04 B
B60T8/17 B
B60T7/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071114
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】安田 紀史
【テーマコード(参考)】
3D036
3D124
3D246
3J067
【Fターム(参考)】
3D036GA02
3D036GA14
3D036GB05
3D036GC01
3D036GD01
3D036GD09
3D036GG35
3D036GG52
3D036GH16
3D036GJ08
3D036GJ13
3D036GJ17
3D124AA12
3D124BB14
3D124CC14
3D124DD41
3D246AA14
3D246DA02
3D246EA11
3D246GA04
3D246HA86A
3D246JB12
3J067AA01
3J067AA21
3J067AB23
3J067AC22
3J067BA58
3J067CA09
3J067DA52
3J067DB32
3J067FA03
3J067FB61
3J067GA12
3J067GA14
(57)【要約】
【課題】操作性を向上すると共に、装置構成を最適化することを目的とする。
【解決手段】左右の駆動輪を有する走行装置と、変速状態を切り替える変速機構16と、変速機構16を駆動する変速用アクチュエータ41と、変速用アクチュエータ41を駆動操作する変速操作具25と、制御装置31とを備え、制御装置31は、変速操作具25が人為操作されるのに応じて、変速用アクチュエータ41を駆動するように構成された変速駆動部43を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の駆動輪を有する走行装置と、
変速状態を切り替える変速機構と、
前記変速機構を駆動する変速用アクチュエータと、
前記変速用アクチュエータを駆動操作する変速操作具と、
制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記変速操作具が人為操作されるのに応じて、前記変速用アクチュエータを駆動するように構成された変速駆動部を有する作業車。
【請求項2】
前記変速状態は、前進高速状態と、前進低速状態と、後進変速状態と、中立状態と、駐車状態とを含む請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記変速用アクチュエータはウインドウモータである請求項1または2に記載の作業車。
【請求項4】
前記走行装置を制動する制動状態と前記走行装置を制動しない非制動状態とに前記走行装置を切り替える駐車ブレーキ装置と、
前記駐車ブレーキ装置を駆動するブレーキ用アクチュエータと、
前記ブレーキ用アクチュエータを駆動操作するブレーキ操作具とを備え、
前記制御装置は、前記ブレーキ操作具が人為操作されるのに応じて、前記ブレーキ用アクチュエータを駆動するように構成されたブレーキ駆動部を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車。
【請求項5】
前記左右の駆動輪に動力を伝達する差動装置と、
前記差動装置を差動状態と非差動状態とに切り替える差動ロック装置と、
前記走行装置を二輪駆動状態と四輪駆動状態とに切り替える駆動輪切替装置と、
前記差動ロック装置を駆動する差動用アクチュエータと、
前記駆動輪切替装置を駆動する駆動状態用アクチュエータと、
前記差動用アクチュエータを駆動操作する差動操作具と、
前記駆動状態用アクチュエータを駆動操作する駆動状態操作具とを備え、
前記制御装置は、
前記差動操作具が人為操作されるのに応じて、前記差動用アクチュエータを駆動するように構成された差動駆動部と、
前記駆動状態操作具が人為操作されるのに応じて、前記駆動状態用アクチュエータを駆動するように構成された駆動状態駆動部とを有する請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車として、例えば、特許文献1に記載の作業車が知られている。特許文献1に記載の作業車は、左右の駆動輪(文献では「後輪〔12〕」)を有する走行装置と、変速装置(文献では「トランスミッション〔10〕」)とを備える。変速装置は、左右の駆動輪に動力を伝達する差動装置(文献では「差動装置〔17〕」)と、差動装置を差動状態と非差動状態とに切り替える差動ロック装置(文献では「ロック機構〔78〕」)と、走行装置を二輪駆動状態と四輪駆動状態とに切り替える駆動輪切替装置(文献では「駆動切換機構〔89〕」)とを備える。変速装置は、変速レバーによって操作される。差動ロック装置は、ペダル(文献では「デフロックペダル」)によって操作される。駆動輪切替装置は、レバー(文献では「切換レバー」)によって操作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の作業車では、変速レバーと変速装置とをワイヤ等によって機械的に連係したり、ペダルと差動ロック装置とをワイヤ等によって機械的に連係したり、レバーと駆動輪切替装置とをワイヤ等によって機械的に連係したりする必要がある。このため、変速装置の各種の切替機構を操作具で操作する際に大きな操作力が必要となる。また、多くのワイヤが配設されるため、ワイヤを最適に配設することが困難となり、変速装置の周辺の構成が複雑になる場合がある。
【0005】
上記状況に鑑み、本発明は、操作性を向上すると共に、装置構成を最適化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る作業車は、左右の駆動輪を有する走行装置と、変速状態を切り替える変速機構と、前記変速機構を駆動する変速用アクチュエータと、前記変速用アクチュエータを駆動操作する変速操作具と、制御装置とを備え、前記制御装置は、前記変速操作具が人為操作されるのに応じて、前記変速用アクチュエータを駆動するように構成された変速駆動部を有する。
【0007】
このような構成により、変速機構の切り替えが、ワイヤ等により機械的に操作されると、変速操作具を操作するために大きな操作力が必要となる。変速用アクチュエータを用いて変速機構の切り替えを行うことにより、オペレータの負担を軽減し、操作性を向上することができる。また、制御装置で制御できるため、変速操作具から変速機構に直接ワイヤ等を配設する必要がなく、作業車における装置のレイアウトを容易に最適化することができる。
【0008】
また、前記変速状態は、前進高速状態と、前進低速状態と、後進変速状態と、中立状態と、駐車状態とを含んでも良い。
【0009】
また、前記変速用アクチュエータはウインドウモータであっても良い。
【0010】
このような構成により、変速機構を容易に駆動することができる。
【0011】
また、前記走行装置を制動する制動状態と前記走行装置を制動しない非制動状態とに前記走行装置を切り替える駐車ブレーキ装置と、前記駐車ブレーキ装置を駆動するブレーキ用アクチュエータと、前記ブレーキ用アクチュエータを駆動操作するブレーキ操作具とを備え、前記制御装置は、前記ブレーキ操作具が人為操作されるのに応じて、前記ブレーキ用アクチュエータを駆動するように構成されたブレーキ駆動部を有しても良い。
【0012】
駐車ブレーキ装置の切り替えが、ワイヤ等により機械的に操作されると、ブレーキ操作具を操作するために大きな操作力が必要となる。上記構成により、ブレーキ用アクチュエータを用いて駐車ブレーキ装置の切り替えを行うことにより、オペレータの負担を軽減して、操作性を向上することができる。また、制御装置で制御できるため、ブレーキ操作具から駐車ブレーキ装置に直接ワイヤ等を配設する必要がなく、配設されるワイヤを削減し、作業車における装置のレイアウトを容易に最適化することができる。
【0013】
また、前記左右の駆動輪に動力を伝達する差動装置と、前記差動装置を差動状態と非差動状態とに切り替える差動ロック装置と、前記走行装置を二輪駆動状態と四輪駆動状態とに切り替える駆動輪切替装置と、前記差動ロック装置を駆動する差動用アクチュエータと、前記駆動輪切替装置を駆動する駆動状態用アクチュエータと、前記差動用アクチュエータを駆動操作する差動操作具と、前記駆動状態用アクチュエータを駆動操作する駆動状態操作具とを備え、前記制御装置は、前記差動操作具が人為操作されるのに応じて、前記差動用アクチュエータを駆動するように構成された差動駆動部と、前記駆動状態操作具が人為操作されるのに応じて、前記駆動状態用アクチュエータを駆動するように構成された駆動状態駆動部とを有しても良い。
【0014】
このような構成により、差動操作具と差動用アクチュエータとが電気的に接続され、駆動状態作具と駆動状態用アクチュエータとが電気的に接続されていることになる。これにより、差動操作具と差動ロック装置とをワイヤ等によって機械的に連係したり、駆動状態操作具と駆動輪切替装置とをワイヤ等によって機械的に連係したりする必要がない。すなわち、差動ロック装置を操作するための構成及び駆動輪切替装置を操作するための構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】アクチュエータによる操作構成を例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。なお、以下の説明では、
図1において、矢印Fの方向を「機体前側」、矢印Bの方向を「機体後側」、矢印Fの方向に向かって左側の方向を「機体左側」、矢印Fの方向に向かって右側の方向を「機体右側」とする。
【0017】
〔多目的車両の全体構成〕
図1は、本発明に係る「作業車」に相当するユーティリティビークル(多目的車両)の構成を示す図である。本車両は、走行機体1と、ボンネット2と、乗員が搭乗する搭乗部3と、ダンプ式の荷台4と、水冷式のエンジンEと、変速部5とを備える。走行機体1は、機体フレーム6と、走行装置7とを備える。
【0018】
走行装置7は、操舵可能、かつ、駆動可能な左右の前輪7Fと、操舵不能、かつ、駆動可能な左右の後輪7B(「駆動輪」に相当)とを備える。走行装置7は、左右の後輪7Bのみが駆動する二輪駆動状態と、左右の前輪7Fおよび左右の後輪7Bが駆動する四輪駆動状態とに切り替え可能に構成される。
【0019】
ボンネット2は、搭乗部3の前方に配置される。ボンネット2には、エンジンE用の冷却水を冷却するラジエータ8等が収容される。
【0020】
搭乗部3は、操縦部9と、座席10と、乗員保護用のロプス11とを備える。荷台4は、搭乗部3の後方に配置される。エンジンEおよび変速部5は、荷台4の下方に配置される。変速部5は、エンジンEから走行装置7へ動力を伝達する動力伝達経路上に設けられる。変速部5は、エンジンEから伝達される動力を無段階に変速するベルト式の無段変速装置12と、変速装置13とを備える。
【0021】
変速装置13には左右の後車軸7Baが接続され、変速装置13から後車軸7Baに動力が伝達可能な態様である。変速装置13から伝達された動力は、左右の後車軸7Baを介して左右の後輪7Bに伝達される。
【0022】
変速装置13から左右の前輪7Fに動力を伝達する前差動装置14が走行機体1に設けられる。変速装置13と前差動装置14とに亘って、変速装置13から前差動装置14に動力を伝達する伝動軸15が設けられる。前差動装置14には左右の前車軸7Faが接続され、前差動装置14から前車軸7Faに動力が伝達可能な態様である。前差動装置14から伝達された動力は、左右の前車軸7Faを介して左右の前輪7Fに伝達される。
【0023】
〔変速部〕
変速装置13は、各種の動作状態を切り替える複数の切替機構を備え、切替機構は操作具により人為的に切替操作が行われる。操作機構は電動式であり、操作具は電動で切替機構を操作する。
図2に示すように、変速装置13は、切替機構として、無段変速装置12からの動力を変速するギヤ式の変速機構16と、変速機構16から左右の後輪7Bに動力を伝達する後差動装置17(「差動装置」に相当)を差動状態と非差動状態とに切り替える差動ロック装置18と、走行装置7を二輪駆動状態と四輪駆動状態とに切り替える駆動輪切替装置19と、走行装置7を制動可能な駐車ブレーキ装置20とを備える。また、変速装置13は、差動ロック装置18を駆動する第一アクチュエータ21(「差動用アクチュエータ」に相当)と、駆動輪切替装置19を駆動する第二アクチュエータ22(「駆動状態用アクチュエータ」に相当)と、変速機構16を駆動する第三アクチュエータ41(「変速用アクチュエータ」に相当)と、駐車ブレーキ装置20を駆動する第四アクチュエータ42(「ブレーキ用アクチュエータ」に相当)とを備える。
【0024】
変速機構16は変速状態を切り替え、例えば、変速状態を、前進高速状態と、前進低速状態と、後進変速状態と、中立状態と、駐車状態とに切り替え可能に構成される。差動ロック装置18は、後差動装置17を非差動状態に切り替える差動ロック状態と、後差動装置17を差動状態に切り替える差動ロック解除状態とに切り替え可能に構成される。
【0025】
駆動輪切替装置19は、動力を変速装置13の出力軸から伝動軸15に伝達する動力伝達状態(四輪駆動状態に対応)と、動力を変速装置13の出力軸から伝動軸15に伝達しない動力遮断状態(二輪駆動状態に対応)とに切り替え可能に構成される。駆動輪切替装置19は、伝動軸15と変速装置13の出力軸とに亘って構成される。本実施形態では、駆動輪切替装置19は、噛み合い式の爪クラッチ(ドッグクラッチ)によって構成される。
【0026】
駐車ブレーキ装置20は、走行装置7を制動する制動状態と、走行装置7を制動しない非制動状態とに切り替え可能に構成される。駐車ブレーキ装置20が制動状態に切り替えられるのに連動して差動ロック装置18が差動ロック状態に切り替わるように、駐車ブレーキ装置20と差動ロック装置18とが連係機構23によって機械的に連係される。
【0027】
第一アクチュエータ21は、差動ロック装置18を、差動ロック状態と差動ロック解除状態とに切り替える。本実施形態では、第一アクチュエータ21は、ソレノイドによって構成される。
【0028】
第二アクチュエータ22は、駆動輪切替装置19を、動力伝達状態と動力遮断状態とに切り替える。本実施形態では、第二アクチュエータ22は、電磁クラッチによって構成される。
【0029】
第三アクチュエータ41は、変速機構16の変速状態を切り替え、例えば、変速機構16を、前進高速状態と、前進低速状態と、後進変速状態と、中立状態と、駐車状態とに切り替える。本実施形態では、第三アクチュエータ41は、ウインドウモータによって構成される。
【0030】
第四アクチュエータ42は、駐車ブレーキ装置20を、制動状態と、非制動状態とに切り替える。本実施形態では、第四アクチュエータ42は、電磁クラッチによって構成される。
【0031】
〔操縦部〕
図1,
図2に示すように、操縦部9は、左右の前輪7Fを操舵操作するためのステアリングハンドル24と、各種操作具とを備える。操作具は、例えば、変速レバー25(「変速操作具」に相当)、駐車ブレーキレバー26(「ブレーキ操作具」に相当)、差動ロックスイッチ27(「差動操作具」に相当)、駆動輪切り替えスイッチ28(「駆動状態操作具」に相当)等である。
【0032】
差動ロックスイッチ27は、後差動装置17を差動状態と非差動状態とに切り替える操作を行うためのものである。すなわち、差動ロックスイッチ27は、差動ロック装置18が差動ロック状態と差動ロック解除状態とに切り替わるように、第一アクチュエータ21を駆動操作するためのものである。差動ロックスイッチ27は、例えば、ロッカー式のスイッチであっても良いし、あるいは、ダイヤル式のスイッチであっても良く、レバー式であっても良い。
【0033】
駆動輪切り替えスイッチ28は、走行装置7を二輪駆動状態と四輪駆動状態とに切り替える操作を行うためのものである。すなわち、駆動輪切り替えスイッチ28は、駆動輪切替装置19が動力伝達状態と動力遮断状態とに切り替わるように、第二アクチュエータ22を駆動操作するためのものである。駆動輪切り替えスイッチ28は、例えば、ロッカー式のスイッチであっても良いし、あるいは、ダイヤル式のスイッチであっても良く、レバー式であっても良い。
【0034】
変速レバー25は、変速機構16を変速操作するためのものである。変速レバー25は、変速機構16が前進高速状態に切り替わる前進高速位置と、変速機構16が前進低速状態に切り替わる前進低速位置と、変速機構16が後進状態に切り替わる後進位置と、変速機構16が中立状態に切り替わる中立位置と、変速機構16が駐車状態に切り替わる駐車位置とに位置変更可能に構成される。変速レバー25は、変速機構16が前進高速状態と、前進低速状態と、後進変速状態と、中立状態と、駐車状態とに切り替わるように、第三アクチュエータ41を駆動操作するためのものである。
【0035】
駐車ブレーキレバー26は、駐車ブレーキ装置20を制動状態と非制動状態とに切り替える操作を行うためのものである。すなわち、駐車ブレーキレバー26は、駐車ブレーキ装置20が制動状態と非制動状態とに切り替わるように、第四アクチュエータ42を駆動操作するためのものである。
【0036】
〔制御構成〕
図2は多目的車両の制御構成を例示する図である。多目的車両の制御構成は、変速レバー25、駐車ブレーキレバー26、差動ロックスイッチ27および駆動輪切り替えスイッチ28の他、本機ECU31(「制御装置」に相当)、エンジンECU32、駐車位置検出スイッチ33、中立状態検出スイッチ34、ギヤ位置検出スイッチ35および車速センサ36を備える。
【0037】
駐車位置検出スイッチ33は、変速レバー25が駐車位置に位置していることを検出するものである。中立状態検出スイッチ34は、変速機構16が中立状態であることを検出するものである。ギヤ位置検出スイッチ35は、変速機構16のギヤ位置(変速状態)を検出するものである。車速センサ36は、多目的車両の車速(例えば、変速装置13の出力軸の回転数)を計測するものである。
【0038】
本機ECU31は、第一駆動部37(「差動駆動部」に相当)と、第二駆動部38(「駆動状態駆動部」に相当)と、第三駆動部43(「変速駆動部」に相当)と、第四駆動部44(「ブレーキ駆動部」に相当)と、記憶部39とを備える。記憶部39には、第一駆動部37や第二駆動部38、第三駆動部43、第四駆動部44を実行するためのプログラムの他、詳しくは後述する基準車速Sr等が記憶される。本機ECU31とエンジンECU32とは、CAN通信によって互いに通信可能に接続される。
【0039】
差動ロックスイッチ27、駆動輪切り替えスイッチ28、駐車位置検出スイッチ33、変速レバー25、および駐車ブレーキレバー26は、夫々の電気信号が本機ECU31に入力されるように、本機ECU31と電気的に接続される。中立状態検出スイッチ34、ギヤ位置検出スイッチ35および車速センサ36は、夫々の電気信号がエンジンECU32に入力されるように、エンジンECU32と電気的に接続される。なお、
図2中の実線の矢印は、電気信号の流れを示す。
【0040】
〔第一駆動部〕
第一駆動部37は、差動ロックスイッチ27が人為操作されるのに応じて、第一アクチュエータ21を駆動するように構成される。
【0041】
詳述すると、第一駆動部37は、差動ロックスイッチ27によって後差動装置17を差動状態に切り替える操作が行われると、差動ロック装置18が差動ロック解除状態に切り替わるように、第一アクチュエータ21を駆動するように構成される。
【0042】
また、第一駆動部37は、差動ロックスイッチ27によって後差動装置17を非差動状態に切り替える操作が行われると、差動ロック装置18が差動ロック状態に切り替わるように、第一アクチュエータ21を駆動するように構成される。
【0043】
後差動装置17の切り替えが、ワイヤ等により機械的に操作されると、操作具を操作するために大きな操作力が必要となる。第一アクチュエータ21を用いて、後差動装置17の切り替えを電動で行うことにより、オペレータの負担を軽減することができる。また、本機ECU31で電気的に制御できるため、搭乗部3から後差動装置17に直接ワイヤ等を配設する必要がなく、変速装置13の周辺のレイアウトを容易に最適化することができる。
【0044】
ここで、第一駆動部37は、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Srよりも高速である場合、差動ロックスイッチ27が人為操作されても、第一アクチュエータ21を駆動せずに、第一アクチュエータ21の駆動を保留する。
【0045】
詳述すると、第一駆動部37は、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Srよりも高速である場合、差動ロックスイッチ27によって後差動装置17を差動状態に切り替える操作が行われても、第一アクチュエータ21を駆動せずに、第一アクチュエータ21の駆動を保留する。
【0046】
また、第一駆動部37は、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Srよりも高速である場合、差動ロックスイッチ27によって後差動装置17を非差動状態に切り替える操作が行われても、第一アクチュエータ21を駆動せずに、第一アクチュエータ21の駆動を保留する。
【0047】
そして、第一駆動部37は、第一アクチュエータ21の駆動を保留後、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Sr以下になると、第一アクチュエータ21を駆動する。
【0048】
詳述すると、差動ロックスイッチ27によって後差動装置17を差動状態に切り替える操作が行われた場合において、第一駆動部37は、第一アクチュエータ21の駆動を保留したときは、第一アクチュエータ21の駆動を保留後、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Sr以下になると、自動的に(再度、差動ロックスイッチ27によって後差動装置17を差動状態に切り替える操作が行われなくても)、差動ロック装置18が差動ロック解除状態に切り替わるように、第一アクチュエータ21を駆動する。
【0049】
また、差動ロックスイッチ27によって後差動装置17を非差動状態に切り替える操作が行われた場合において、第一駆動部37は、第一アクチュエータ21の駆動を保留したときは、第一アクチュエータ21の駆動を保留後、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Sr以下になると、自動的に(再度、差動ロックスイッチ27によって後差動装置17を非差動状態に切り替える操作が行われなくても)、差動ロック装置18が差動ロック状態に切り替わるように、第一アクチュエータ21を駆動する。
【0050】
作業車が高速で走行中に、差動ロック装置18が駆動されると、差動ロック装置18にかかる負荷が大きいため、差動ロック装置18を構成する部材の摩耗や破損が懸念される。しかし、上記構成によれば、作業車が第一基準車速よりも高速で走行中は、差動ロック装置18が駆動されることがないため、差動ロック装置18を構成する部材の摩耗や破損を防止することができる。
【0051】
ここで、第一駆動部37は、変速レバー25が駐車位置に人為操作されるのに応じて、差動ロック装置18が後差動装置17を非差動状態に切り替えるように、第一アクチュエータ21を駆動しても良い。
【0052】
すなわち、第一駆動部37は、変速レバー25が駐車位置に位置していることが駐車位置検出スイッチ33によって検出されると、差動ロック装置18が差動ロック状態に切り替わるように、第一アクチュエータ21を駆動する。
【0053】
〔第二駆動部〕
第二駆動部38は、駆動輪切り替えスイッチ28が人為操作されるのに応じて、第二アクチュエータ22を駆動するように構成される。
【0054】
詳述すると、第二駆動部38は、駆動輪切り替えスイッチ28によって走行装置7を二輪駆動状態に切り替える操作が行われると、駆動輪切替装置19が動力遮断状態に切り替わるように、第二アクチュエータ22を駆動するように構成される。
【0055】
また、第二駆動部38は、駆動輪切り替えスイッチ28によって走行装置7を四輪駆動状態に切り替える操作が行われると、駆動輪切替装置19が動力伝達状態に切り替わるように、第二アクチュエータ22を駆動するように構成される。
【0056】
駆動輪切替装置19の切り替えが、ワイヤ等により機械的に操作されると、操作具を操作するために大きな操作力が必要となる。第二アクチュエータ22を用いて、駆動輪切替装置19の切り替えを電動で行うことにより、オペレータの負担を軽減することができる。また、本機ECU31で電気的に制御できるため、搭乗部3から駆動輪切替装置19に直接ワイヤ等を配設する必要がなく、変速装置13の周辺のレイアウトを容易に最適化することができる。
【0057】
ここで、第二駆動部38は、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Srよりも高速である場合、駆動輪切り替えスイッチ28が人為操作されても、第二アクチュエータ22を駆動せずに、第二アクチュエータ22の駆動を保留する。
【0058】
詳述すると、第二駆動部38は、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Srよりも高速である場合、駆動輪切り替えスイッチ28によって走行装置7を二輪駆動状態に切り替える操作が行われても、第二アクチュエータ22を駆動せずに、第二アクチュエータ22の駆動を保留する。
【0059】
また、第二駆動部38は、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Srよりも高速である場合、駆動輪切り替えスイッチ28によって走行装置7を四輪駆動状態に切り替える操作が行われても、第二アクチュエータ22を駆動せずに、第二アクチュエータ22の駆動を保留する。
【0060】
そして、第二駆動部38は、第二アクチュエータ22の駆動を保留後、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Sr以下になると、第二アクチュエータ22を駆動する。
【0061】
詳述すると、駆動輪切り替えスイッチ28によって走行装置7を二輪駆動状態に切り替える操作が行われた場合において、第二駆動部38は、第二アクチュエータ22の駆動を保留したときは、第二アクチュエータ22の駆動を保留後、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Sr以下になると、自動的に(再度、駆動輪切り替えスイッチ28によって走行装置7を二輪駆動状態に切り替える操作が行われなくても)、駆動輪切替装置19が動力遮断状態に切り替わるように、第二アクチュエータ22を駆動する。
【0062】
また、駆動輪切り替えスイッチ28によって走行装置7を四輪駆動状態に切り替える操作が行われた場合において、第二駆動部38は、第二アクチュエータ22の駆動を保留したときは、第二アクチュエータ22の駆動を保留後、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Sr以下になると、自動的に(再度、駆動輪切り替えスイッチ28によって走行装置7を四輪駆動状態に切り替える操作が行われなくても)、駆動輪切替装置19が動力伝達状態に切り替わるように、第二アクチュエータ22を駆動する。
【0063】
作業車が高速で走行中に、駆動輪切替装置19が駆動されると、駆動輪切替装置19にかかる負荷が大きいため、駆動輪切替装置19を構成する部材の摩耗や破損が懸念される。しかし、上記構成によれば、作業車が高速で走行中は、駆動輪切替装置19が駆動されることがないため、駆動輪切替装置19を構成する部材の摩耗や破損を防止することができる。
【0064】
〔第三駆動部〕
第三駆動部43は、変速レバー25が人為操作されるのに応じて、第三アクチュエータ41を駆動するように構成される。
【0065】
詳述すると、第三駆動部43は、変速レバー25によって変速機構16を変速操作する操作が行われると、操作位置に応じて変速機構16を、前進高速状態と、前進低速状態と、後進変速状態と、中立状態と、駐車状態とに切り替わるように、第三アクチュエータ41を駆動するように構成される。
【0066】
変速機構16の切り替えが、ワイヤ等により機械的に操作されると、操作具を操作するために大きな操作力が必要となる。第三アクチュエータ41を用いて、変速機構16の切り替えを電動で行うことにより、オペレータの負担を軽減することができる。また、本機ECU31で電気的に制御できるため、搭乗部3から変速機構16に直接ワイヤ等を配設する必要がなく、変速装置13の周辺のレイアウトを容易に最適化することができる。
【0067】
ここで、第三駆動部43は、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Srよりも高速である場合、変速レバー25が人為操作されても、第三アクチュエータ41を駆動せずに、第三アクチュエータ41の駆動を保留する。
【0068】
そして、第三駆動部43は、第三アクチュエータ41の駆動を保留後、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Sr以下になると、第三アクチュエータ41を駆動する。
【0069】
詳述すると、第三アクチュエータ41の駆動を保留後、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Sr以下になると、自動的に(再度、変速レバー25によって変速機構16を切り替える操作が行われなくても)、変速レバー25の操作位置に応じて変速機構16が切り替わるように、第三アクチュエータ41を駆動する。
【0070】
作業車が高速で走行中に、変速機構16が駆動されると、変速機構16にかかる負荷が大きいため、変速機構16を構成する部材の摩耗や破損が懸念される。しかし、上記構成によれば、作業車が高速で走行中は、変速機構16が駆動されることがないため、変速機構16を構成する部材の摩耗や破損を防止することができる。
【0071】
〔第四駆動部〕
第四駆動部44は、駐車ブレーキレバー26が人為操作されるのに応じて、第四アクチュエータ42を駆動するように構成される。
【0072】
詳述すると、第四駆動部44は、駐車ブレーキレバー26によって駐車ブレーキ装置20を制動状態に切り替える操作が行われると、駐車ブレーキ装置20が制動状態に切り替わるように、第四アクチュエータ42を駆動するように構成される。
【0073】
また、第四駆動部44は、駐車ブレーキレバー26によって駐車ブレーキ装置20を非制動状態に切り替える操作が行われると、駐車ブレーキ装置20が非制動状態に切り替わるように、第四アクチュエータ42を駆動するように構成される。
【0074】
駐車ブレーキ装置20の切り替えが、ワイヤ等により機械的に操作されると、操作具を操作するために大きな操作力が必要となる。第四アクチュエータ42を用いて、駐車ブレーキ装置20の切り替えを電動で行うことにより、オペレータの負担を軽減することができる。また、本機ECU31で電気的に制御できるため、搭乗部3から駐車ブレーキ装置20に直接ワイヤ等を配設する必要がなく、変速装置13の周辺のレイアウトを容易に最適化することができる。
【0075】
ここで、第四駆動部44は、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Srよりも高速である場合、駐車ブレーキレバー26が人為操作されても、第四アクチュエータ42を駆動せずに、第四アクチュエータ42の駆動を保留する。
【0076】
詳述すると、第四駆動部44は、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Srよりも高速である場合、駐車ブレーキレバー26によって駐車ブレーキ装置20を制動状態に切り替える操作が行われても、第四アクチュエータ42を駆動せずに、第四アクチュエータ42の駆動を保留する。
【0077】
また、第四駆動部44は、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Srよりも高速である場合、駐車ブレーキレバー26によって駐車ブレーキ装置20を非制動状態に切り替える操作が行われても、第四アクチュエータ42を駆動せずに、第四アクチュエータ42の駆動を保留する。
【0078】
そして、第四駆動部44は、第四アクチュエータ42の駆動を保留後、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Sr以下になると、第四アクチュエータ42を駆動する。
【0079】
詳述すると、駐車ブレーキレバー26によって駐車ブレーキ装置20を制動状態に切り替える操作が行われた場合において、第四駆動部44は、第四アクチュエータ42の駆動を保留したときは、第四アクチュエータ42の駆動を保留後、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Sr以下になると、自動的に(再度、駐車ブレーキレバー26によって駐車ブレーキ装置20を制動状態に切り替える操作が行われなくても)、駐車ブレーキ装置20が制動状態に切り替わるように、第四アクチュエータ42を駆動する。
【0080】
また、駐車ブレーキレバー26によって駐車ブレーキ装置20を非制動状態に切り替える操作が行われた場合において、第四駆動部44は、第四アクチュエータ42の駆動を保留したときは、第四アクチュエータ42の駆動を保留後、車速センサ36によって計測された車速が基準車速Sr以下になると、自動的に(再度、駐車ブレーキレバー26によって駐車ブレーキ装置20を非制動状態に切り替える操作が行われなくても)、駐車ブレーキ装置20が非制動状態に切り替わるように、第四アクチュエータ42を駆動する。
【0081】
作業車が高速で走行中に、駐車ブレーキ装置20が駆動されると、駐車ブレーキ装置20にかかる負荷が大きいため、駐車ブレーキ装置20を構成する部材の摩耗や破損が懸念される。しかし、上記構成によれば、作業車が高速で走行中は、駐車ブレーキ装置20が駆動されることがないため、駐車ブレーキ装置20を構成する部材の摩耗や破損を防止することができる。
【0082】
次に、
図3を用いて、アクチュエータにより切替機構を駆動操作する構成例について説明する。
図3では、第三アクチュエータ41により変速機構16を駆動操作する構成を例に説明する。なお、ここでは、第三アクチュエータ41としてウインドウモータが用いられるとする。
【0083】
変速機構16は、軸45の回転に伴い、変速状態が変化する構成である。変速機構16の軸45には、軸45の回転に伴って回転するプレート46が固定される。第三アクチュエータ41とプレート46とは、連結機構47によって連結され、第三アクチュエータ41の回転に伴ってプレート46が軸45を回転させ、変速機構16の変速状態が変化する。
【0084】
連結機構47は、ギヤ47aと、ギヤ47bと、ロッド47cと、ロッド47dとを備える。ギヤ47aとギヤ47bとはかみ合っている。ギヤ47aは、第三アクチュエータ41の回転軸に固定されたピニオンギヤ41aとかみ合っている。そのため、第三アクチュエータ41の動力が減速されてギヤ47bに伝達される。
【0085】
ギヤ47bにはロッド47cの一端が支持され、ロッド47cはギヤ47bの回転に伴って揺動する。ロッド47cの他端は、ロッド47dの一端に、ロッド47cとロッド47dとが互いに揺動可能な態様で支持される。ロッド47dの他端は、プレート46に支持される。
【0086】
このような構成により、第三アクチュエータ41の回転に伴ってプレート46が軸45を回転させる。第三アクチュエータ41の回転量に応じて軸45が回転し、軸45の回転量に応じて変速機構16の変速状態が変更される。
【0087】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第一駆動部37は、車速が基準車速Srよりも高速である場合、差動ロックスイッチ27が人為操作されても、第一アクチュエータ21を駆動せずに、第一アクチュエータ21の駆動を保留する。しかし、第一駆動部37は、車速が基準車速Srよりも高速である場合でも、差動ロックスイッチ27が人為操作されると、第一アクチュエータ21の駆動を保留せずに、第一アクチュエータ21を駆動しても良い。
【0088】
(2)上各記実施形態では、第二駆動部38は、車速が基準車速Srよりも高速である場合、駆動輪切り替えスイッチ28が人為操作されても、第二アクチュエータ22を駆動せずに、第二アクチュエータ22の駆動を保留する。しかし、第二駆動部38は、車速が基準車速Srよりも高速である場合でも、駆動輪切り替えスイッチ28が人為操作されると、第二アクチュエータ22の駆動を保留せずに、第二アクチュエータ22を駆動しても良い。
【0089】
(3)上各記実施形態では、第三駆動部43は、車速が基準車速Srよりも高速である場合、変速レバー25が人為操作されても、第三アクチュエータ41を駆動せずに、第三アクチュエータ41の駆動を保留する。しかし、第三駆動部43は、車速が基準車速Srよりも高速である場合でも、変速レバー25が人為操作されると、第三アクチュエータ41の駆動を保留せずに、第三アクチュエータ41を駆動しても良い。
【0090】
(4)上各記実施形態では、第四駆動部44は、車速が基準車速Srよりも高速である場合、駐車ブレーキレバー26が人為操作されても、第四アクチュエータ42を駆動せずに、第四アクチュエータ42の駆動を保留する。しかし、第四駆動部44は、車速が基準車速Srよりも高速である場合でも、駐車ブレーキレバー26が人為操作されると、第四アクチュエータ42の駆動を保留せずに、第四アクチュエータ42を駆動しても良い。
【0091】
(5)上記各実施形態では、本発明に係る「駆動輪」は、後輪7Bであり、かつ、本発明に係る「差動装置」は、後差動装置17である。しかし、本発明に係る「駆動輪」は、前輪7Fであり、かつ、本発明に係る「差動装置」は、前差動装置14であっても良い。
【0092】
(6)上記各実施形態において、第一アクチュエータ21、第二アクチュエータ22、第三アクチュエータ41、および第四アクチュエータ42は、切替機構の動作状態を切り替えることができれば良く、ウインドウモータ等の電動モータ、ソレノイド、電磁クラッチ等、任意の構成のアクチュエータであれば良い。また、第一アクチュエータ21、第二アクチュエータ22、第三アクチュエータ41、および第四アクチュエータ42の全てが電動式のアクチュエータである構成に限らず、これらのうちの任意のものが、機械式の切替機構で動作状態を切り替える構成であっても良い。
【0093】
(7)上記各実施形態において、差動ロックスイッチ27と駆動輪切り替えスイッチ28とは、別々のスイッチによって構成され構成に限らず、単一の操作具によって構成されても良い。また、変速レバー25と駐車ブレーキレバー26とは、別々のスイッチによって構成され構成に限らず、単一の操作具によって構成されても良い。
【0094】
(8)上記実施形態では、第一アクチュエータ21、第二アクチュエータ22、第三アクチュエータ41、および第四アクチュエータ42の駆動を保留する車速(「第一基準車速」)と保留状態から駆動状態に移行するための車速(「第二基準車速」)とは、同一(基準車速Sr)である。しかし、「第一基準車速」は「第二基準車速」と異なっても良い。
【0095】
(9)上記各実施形態において、変速レバー25および駐車ブレーキレバー26が、任意の形態のスイッチであっても良い。
【0096】
(10)上記各実施形態において、切替機構は、変速機構16、差動ロック装置18、駆動輪切替装置19、および駐車ブレーキ装置20の全てを備える構成に限定されず、これらと他の切替機構との内のいずれかが組み合わされて設けられても良い。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、多目的車両の他、トラクタ、コンバイン、田植機等の農業作業車や建設作業車にも利用可能である。
【符号の説明】
【0098】
7 走行装置
7B 後輪(駆動輪)
17 後差動装置(作動装置)
18 差動ロック装置
19 駆動輪切替装置
20 駐車ブレーキ装置
21 第一アクチュエータ(差動用アクチュエータ)
22 第二アクチュエータ(駆動状態用アクチュエータ)
25 変速レバー(変速操作具)
26 駐車ブレーキレバー(ブレーキ操作具)
27 差動ロックスイッチ(差動操作具)
28 駆動輪切り替えスイッチ(駆動状態操作具)
31 本機ECU(制御装置)
37 第一駆動部(差動駆動部)
38 第二駆動部(駆動状態駆動部)
41 第三アクチュエータ(変速用アクチュエータ)
42 第四アクチュエータ(ブレーキ用アクチュエータ)
43 第三駆動部(変速駆動部)
44 第四駆動部(ブレーキ駆動部)