(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165695
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】波力発電装置
(51)【国際特許分類】
F03B 13/16 20060101AFI20221025BHJP
H02K 35/02 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
F03B13/16
H02K35/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071141
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】591211663
【氏名又は名称】羽鳥 信
(72)【発明者】
【氏名】羽鳥 信
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA02
3H074AA12
3H074BB11
3H074CC03
(57)【要約】
【課題】
主に自然エネルギーの波の力を利用し、コイル12に誘導電流を発生させる第1マグネット5を速く移動させて発電し、発光体2を点灯させる装置を提供する。
【解決手段】
コイル12に誘導電流を発生させる第1マグネット5を有する振動体8の下部に浮体7を設置し、外周にコイル12を有する外パイプ4内に振動体8を挿入する。
波の上昇と共に振動体8が上昇し、上部の磁性体3と第1マグネット5が吸引し、振動体の移動は停止する。
その後、波の下降と共に浮体7が下降し、浮体7の重力を接続体18により振動体8に伝え、振動体8と浮体7の重力が第1マグネット5と磁性体3の吸引力を超えた時に、第1マグネット5が、波との時間差によりコイル12内を速く移動して発電する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1マグネットが、コイル内を移動して発電する波力発電装置において、
浮体の上部に前記第1マグネットを有する振動体を乗せ、前記コイル内に前記振動体を入れ、
波の上昇により前記浮体と前記振動体を上昇させ、前記振動体の上部に設置した上板に取り付けた磁性体に、前記第1マグネットの磁力により前記第1マグネットを吸引させ、
前記振動体の下降移動を停止させながら、波の下降と共に前記浮体を下降させ、
前記浮体の重力を、前記振動体に伝え、
前記浮体と前記振動体の重力が、前記磁性体と前記第1マグネットの吸引力を超えた時に、前記第1マグネットが、前記コイル内を移動して前記コイルに誘導電流を発生させて発電し、
前記第1マグネットの移動距離が前記第1マグネットの長さの80%以上とすることを特徴とした波力発電装置。
【請求項2】
請求項1記載の波力発電装置において、
前記上板に取り付けた磁性体を取り外し、波の上昇時に前記上板と前記振動体を密着させて真空状態にし、その真空による吸引力により前記上板と前記振動体を吸着させ、
前記振動体の下降移動を停止させながら、波の下降と共に前記浮体を下降させ、前記浮体の重力を前記振動体に伝え、
前記浮体と前記振動体の重力が、前記上板と前記振動体の真空による吸引力を超えた時に、前記第1マグネットが、前記コイル内を移動して前記コイルに誘導電流を発生させて発電し、
前記第1マグネットの移動距離が前記第1マグネットの長さの80%以上とすることを特徴とした波力発電装置。
【請求項3】
第1マグネットが、コイル内を移動して発電する波力発電装置において、
前記第1マグネットに収縮力のある弾性体の端部を接続し、前記弾性体の他方の端部を内パイプの上部に取り付けて振動体を形成し、
浮体の上部に前記振動体を乗せ、外周に前記コイルと磁性体を有する外パイプ内に前記振動体を入れて、前記第1マグネットと前記磁性体を近づけ、その磁力により吸引させ、
波の上昇により前記浮体と前記振動体を上昇させて、前記弾性体が伸びていき、
更なる波の上昇により、前記弾性体の収縮力が前記第1マグネットと前記磁性体との吸引力を超えた時に、前記弾性体が収縮し、
前記第1マグネットが前記コイル内を移動して前記コイルに誘導電流を発生させて発電し、
前記第1マグネットの移動距離が前記第1マグネットの長さの80%以上とすることを特徴とした波力発電装置。
【請求項4】
第1マグネットが、コイル内を移動して発電する波力発電装置において、
前記第1マグネットに反発力のある弾性体の端部を接触させ、前記弾性体の他方の端部を内パイプの下部に接触させて振動体を形成し、
浮体の上部に前記振動体を乗せ、外周に前記コイルと磁性体を有する外パイプ内に前記振動体を入れて、前記第1マグネットと前記磁性体を近づけ、前記第1マグネットの磁力により吸引させ、
波の上昇により前記浮体と前記振動体を上昇させて、前記弾性体が収縮し、
更なる波の上昇により、前記弾性体の反発力が前記第1マグネットと前記磁性体との吸引力を超えた時に、前記弾性体が反発して伸びていき、
前記第1マグネットが前記コイル内を移動して前記コイルに誘導電流を発生させて発電し、
前記第1マグネットの移動距離が前記第1マグネットの長さの80%以上とすることを特徴とした波力発電装置。
【請求項5】
第1マグネットが、コイル内を移動して発電する波力発電装置において、
前記第1マグネットに収縮力のある弾性体の端部を接続し、前記弾性体の他方の端部をワイヤーに接続し、ワイヤーの他方を内パイプに取り付けて振動体を形成し、
浮体の上部に前記振動体を乗せ、前記コイル内に前記振動体を入れ、
一方で、固定台に取り付けた磁性体に前記第1マグネットを近づけ、その磁力により吸引させ、
波の上昇により前記浮体と前記振動体を上昇させて、前記弾性体と前記ワイヤーが伸びていき、
更なる波の上昇により、前記弾性体の収縮力が前記第1マグネットと前記磁性体との吸引力を超えた時に、前記弾性体が収縮し、
前記第1マグネットが前記コイル内を移動して前記コイルに誘導電流を発生させて発電し、
前記第1マグネットの移動距離が前記第1マグネットの長さの80%以上とすることを特徴とした波力発電装置。
【請求項6】
第3マグネットが、コイル内を移動して発電する波力発電装置において、
前記第3マグネットと浮体を有する振動体を前記コイル内に挿入し、前記振動体を水面に浮かべ、前記振動体の下部に取り付けた磁性体に前記第3マグネットの磁力により前記第3マグネットを吸引させ、
波の上昇により前記振動体に水圧を加えて、前記振動体の浮力を増していき、
前記振動体の浮力が、前記磁性体と前記第3マグネットの吸引力を超えた時に、前記第3マグネットが、前記コイル内を移動して前記コイルに誘導電流を発生させて発電し、
前記第3マグネットの移動距離が前記第3マグネットの長さの80%以上とすることを特徴とした波力発電装置。
【請求項7】
第1マグネットが、コイル内を移動して発電する波力発電装置において、
前記第1マグネットと浮体を有する振動体を前記コイル内に挿入し、
波の上昇により前記振動体を上昇させて、前記振動体の上部に設置した磁性体に前記第1マグネットの磁力により前記第1マグネットを吸引させ、
波の下降時に前記振動体の下降移動を一時停止させ、
前記振動体の重力が、前記磁性体と前記第1マグネットの吸引力を超えた時に、前記第1マグネットが、前記コイル内を移動して前記コイルに誘導電流を発生させて発電し、
前記第1マグネットの移動距離が前記第1マグネットの長さの80%以上とすることを特徴とした波力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルに誘導電流を発生させるマグネットをパイプに入れ、そのパイプの外側にコイルを取り付け、パイプ内のマグネットがコイル内を移動して電気を発生させる振動発電を応用し、波の力を利用してマグネットを有する振動体を動作させる波力発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発電部のマグネットがコイル内を移動して発電し、電気エネルギーを得る物として振動発電があり、それを応用した物が提案されている。
【0003】
1つは、フロート上部に永久磁石を有するシャフトを乗せ、フロートの上下移動に合わせて、シャフトがコイル内を移動し、コイルに誘導電流を発生させて発電しているものが有る。(文献1)
その他に、パイプ内のマグネットに引っ張りバネを接続し、そのマグネットと磁性体を吸引させ、引っ張りバネを引っ張り、その勢いでマグネットがコイル内を移動し、発電しているものがある。(文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-2778号公報
【特許文献2】特許6183954号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で提案されているように、永久磁石を有するシャフトがフロートの上下に合わせて、コイル内を移動して発電している装置は、フロートが波の上下により移動しているので、うねり等の波の波長が長く、上下の移動速度が遅く、或いは移動距離が短い場合は、コイル内を移動する速度が遅くなり、発電効率が悪く、発電が弱くなる可能性が有る。
【0006】
したがって、本発明の波力発電装置は、振動発電の発電方法を応用し、コイルに誘導電流を発生させるマグネットを有する振動体に対し、吸引力を与える磁性体を近づけて振動体の移動を一時停止させ、波との時間差を作って下降させることにより、マグネットを加速させて高い発電を行い、発光体を強く点灯させるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の波力発電装置は、内パイプの内部に第1マグネットを取り付けて振動体を形成し、その外側にコイルを有する外パイプを設け、波の上下で移動する浮体を振動体の下部へ設置する。
また、振動体の上部に、第1マグネットに吸引力を与える磁性体を設置する。
【発明の効果】
【0008】
波が発生して水面が上昇し、それに合わせて浮体と振動体も上昇し、更なる水面の上昇に伴って、振動体も上昇して上部の磁性体と吸引する。
その後、波の下降と共に水面と浮体も下降するが、振動体は磁性体に吸引されたまま、下降せずに留まっている。
更に水面が下降し、浮体の重力が振動体に伝わり、振動体と浮体の重力が、磁性体と第1マグネットの吸引力を超えた時に、第1マグネットは切り離され、振動体は下降し始める。
【0009】
この時、切り離された振動体の下降速度は、水面が既に下方に有るため、波との時間差により落下速度は速まり、波の上下動より早い速度でコイル内を通過することができる。
これにより、発電効率も高まり発光体が強く光り外部にその存在を知らせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図1の発電部の詳細を示し、一部を断面で表した図である。
【
図3】本発明の波力発電装置の実施形態を示したもので、振動体が上昇した様子を表した断面図である。
【
図4】本発明の波力発電装置の実施形態を示したもので、振動体が上昇し、浮体が下降した様子を表した断面図である。
【
図5】本発明の波力発電装置の実施形態を示したもので、(A)は発電に必要な移動距離を表した断面図であり、(B)は移動距離を表した断面図である。
【
図6】本発明の波力発電装置の他の実施形態を示したもので、(A)は外パイプにリングを取り付けた斜視図であり、(B)はその断面図である。
【
図7】本発明の波力発電装置の他の実施形態を示したもので、(A)は弾性体が伸びた様子を表した断面図であり、(B)は弾性体が収縮して振動体が磁性体に吸引された様子を表した断面図である。
【
図8】本発明の波力発電装置の他の実施形態を示したもので、(A)は弾性体が伸びた様子を表した断面図であり、(B)は弾性体が収縮した様子を表した断面図である。
【
図9】本発明の波力発電装置の他の実施形態を示したもので、(A)は弾性体が伸びて上昇した様子を表した断面図であり、(B)は弾性体が伸びて下降した様子を表した断面図である。
【
図10】コイルとブリッジダイオード等の配線及び発光体を示した回路図である。
【
図11】本発明の波力発電装置の他の実施形態を示したもので、浮体の先端を内パイプ上部に移動した様子を表した断面図である。
【
図12】本発明の波力発電装置の他の実施形態を示したもので、浮体を円環にした様子を表した断面図である。
【
図13】本発明の波力発電装置の他の実施形態を示したもので、振動体が磁性体に吸引されている様子を表した断面図である。
【
図15】本発明の波力発電装置の他の実施形態を示したもので、振動体が上方へ移動した様子を表した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0011】
以下、本発明に係る波力発電装置1の好適な実施形態を、図面に従って説明する。
図1は本発明の波力発電装置1の実施例の斜視図であり、
図2はその一部である発電部の詳細を示し、一部を断面で表した図である。
波力発電装置1の箱9の上部には、光を発する発光体2と接続板17内部を移動できる磁性体3が上板10に設置されており、磁性体3の移動により第1マグネット5との吸引力が調整されるようになっている。
箱9の側面には、発電部が取り付けられており、中央側板14の両隣には二つの浮体7が有る。
浮体7は水面に浮いて浮力があり、中央側板14と側板、外板26の間に有り、
図2は外板26の図示を省き、
図1の右半分の発電部の詳細を示した断面図である。
【0012】
波力発電装置1の箱9と浮体7は、波によってそれぞれ上下するが、浮体7の浮力は箱9より大きく、波が発生すると箱9の下部は波に埋もれて水圧が高くなり、浮体7は浮力により上昇し、箱9が横倒しや回転しても、浮体7は元の位置に戻るような構造になっている。
図2に於いて、浮体7の上部には接続体18によって連結された振動体8が有り、振動体8は、内パイプ6の内部に第1マグネット5と気体から成る浮体45を有し、密閉されている。
また、振動体8の外周には、外パイプ4が有り、その外周にはコイル12があり、保持板13に取り付けられており、各側板や保持板13、上板10は箱9に取り付けられている。
コイル12からの発電エネルギーは、電線11により、ブリッジダイオード23、コンデンサー25,抵抗24を経て発光体2へ接続され、
図10の回路図のように示される。
【0013】
図2に示すように波がない場合、浮体7の上部に振動体8が乗って浮いており、浮体7の上部と振動体8の下部は接しており、また、振動体8の上部にある第1マグネット5と上板10の間は空いており、振動体8は外パイプ4の内部を自由に上下移動でき、浮体7も中央側板14と右側板15の間を上下に移動できるようになっている。
【0014】
波が発生して水面16が上昇すると、
図3に示すように、箱9の水位は上昇し、その水圧により浮体7の浮力が増していき、浮体7と振動体8も上昇して、振動体8が磁性体3の位置まで移動すると、
図3のように第1マグネット5と磁性体3は第1マグネット5の磁力により吸引する。
その後、波の下降と共に箱9の水位と浮体7も下降を始めるが、
図4に示すように振動体8は、磁性体3に吸引されたまま下降移動を停止している。
この状態で、波が下降し、浮体7の重力が接続体18により振動体8の下部に伝わると、接続体18は伸びていく。
【0015】
更に、波が下降し、浮体7の重力が接続体18により振動体8に加わり、波の下降と共に浮体7の浮力が減少して浮体7の重力が徐々に増していき、浮体7と振動体8の重力が、磁性体3と第1マグネット5との吸引力を超えた時、磁性体3より振動体8は切り離されて、波の下降との時間差を生じた第1マグネット5が一気に下降し、コイル12内を移動する。
この時、第1マグネット5がコイル12内を波の下降速度より早い速度で移動し、コイル12に大きな誘導電流が発生して強く発電し、終端の発光体2が点灯して外部にその存在を知らせ、波の上下動により上記の動作を繰り返し、発電を続けることになる。
【0016】
このように、波の下降と第1マグネット5の下降には時間差が生じ、それにより、第1マグネット5の速度が波の下降速度より増して移動し、発電効率を上げている。
本案発電装置は、コイル12内を振動体8が下降して発電しているが、その発電効率は、主に第1マグネット5の磁力の大きさやコイル12の巻き数、下降速度や移動距離等により左右される。
その中で、下降する移動距離が短いと発電に至らない場合が有る。
【0017】
図5は、
図2のコイル12と振動体8部分を表した図であり、
図5(A)に於いて、第1マグネット5の長さをAとした場合、
図5(B)のように、第1マグネット5の移動した距離をBとすると、発電に必要な移動距離は、実験の結果、Aの80%以上の移動距離が必要となり、コイル12内を上下移動する距離もAの80%以上の移動距離が発電に必要な移動距離である。
【0018】
本案発電装置を川や湖等で利用した場合、振動体8は通常上下の移動をしているが、台風等の強風が発生した場合や海上で利用した場合等、横波が発生し、波力発電装置1が横倒しになり、浮体7が横移動し、それに伴って第1マグネット5もコイル12内を横移動する。
また、回転した場合は、第1マグネット5も逆さまになり、前記の移動方向とは逆の方向に落下してコイル12内を移動する。
これにより、振動体8は、コイル12内を上下、左右、斜めや回転するなどして移動することになり、その都度発電することになる。
【0019】
本案発電装置は、波の下降移動がゆっくりでも、第1マグネット5を磁性体3に留まらせ、その後、浮体7の重力を接続体18により振動体8に加え、浮体7と振動体8の重力が、磁性体3と第1マグネット5との吸引力を超えた時、磁性体3より振動体8を切り離し、振動体8の落下速度を上げるようにして下降させて発電し、発電効率を上げており、波の上昇、下降移動が速い場合、浮体7の上昇、下降速度も増す。
それ故、浮体7の重力が振動体8に瞬時に伝わり、あたかも浮体7と振動体8が一体となって、同時に下降しているようになる。
その為、波の上下動が速い場合、接続体18を利用せず、浮体7と振動体8を直接接続して一体型の新たな振動体を形成しても、新たな振動体はコイル12内を早い速度で上下移動できるため、上記と同様に落下速度が速まって発電効率が高まり、発電することができる。
【0020】
本案に於いて、発光体2の部材は、発光ダイオードや電球が望ましく、振動体8は内パイプ6内部に第1マグネット5と気体から成る浮体45が注入されて密閉されており、浮体7も同様に気体が注入されている。
この気体は、空気でも窒素や水素等でも良く、気体を利用せず、浮力のある発砲スチロールやウレタン、プラスチック等を利用しても良く、振動体8は第1マグネット5だけを利用して形成してもよい。
接続板17や上板10、内パイプ6、外パイプ4等の材質は出来る限り第1マグネット5に影響を与えないアルミやステンレス、プラスチック、黄銅、ガラス、ゴム等の非磁性体の物を用いる。
【0021】
接続体18は、ワイヤーやチェーン、紐、伸縮性のゴムや引っ張りバネ等、柔軟性が有り、湾曲できる素材の物を使用するのが望ましく、或いは、接続体18を利用せず、浮体7と振動体8を連結する構造にし、更に、浮体7の重力を振動体8に時間差を作って伝えるような構造にして動作させても良い。
【0022】
図1や2に於いて、コイル12は複数利用しても良く、第1マグネット5やコイル12、各パイプ等は円筒形をしているが、楕円や多角、他の形状にしても良く、磁性体3は軟鉄やフェライト、コバルト、マグネット等を利用する。
また、振動体8内のマグネットは第1マグネット5だけであるが、他のマグネットを複数設けてもよく、他のマグネットを磁性体3に吸引させて動作させても良い。
【0023】
本案に於いて、第1マグネット5と磁性体3との吸引力を利用し、波の下降との時間差により振動体8の落下速度を速めていたが、磁性体3を利用せず、動作させてもよい。
例えば、振動体8上部に凸部を設け、上板10側に凹部を設け、波の上昇時に凸部を凹部に挿入し、一旦連結させて振動体を留まらせ、波の下降時に切り離すような構造にして動作させてもよい。
【0024】
或いは、上板10の磁性体3を取り外し、波の上昇時に上板10と振動体8の上部を密着させて真空状態にし、その真空による吸引力により上板10と振動体8を吸着させて振動体8の下降を停止させる。
その後の波の下降により、振動体8と浮体7の重力が、上板10と振動体8の真空による吸引力を超えたときに、振動体8が上板10より切り離され、第1マグネット5がコイル12内を下降して発電するようにしてもよい。
上方に移動した振動体27は、実施例1と同様に、第2マグネット21が上部の磁性体3に吸引されてその位置に留まり、その後、浮体7の重力を接続体18により振動体27に加えることにより、磁性体3から振動体27を切り離し、下降させて発電し、波の上昇、下降時に於いて、上記の動作を繰り返して発電するようになる。
本案実施例に於いて、振動体27の上部に第2マグネット21を取り付けて、磁性体3に吸引させ、振動体27の下降時に於いても発電を行っていたが、第2マグネット21を取り除き、内パイプ6の上部に直接弾性体20を接続して動作させてもよい。
これにより、磁性体3との吸引は無くなり、振動体27は波の下降と一緒に移動するため、下降時の速度は弱まり、発電に至らないことになる。