(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165728
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】解錠装置及び解錠システム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20221025BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20221025BHJP
H04M 1/72415 20210101ALI20221025BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20221025BHJP
E06B 7/30 20060101ALI20221025BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
E05B49/00 R
H04M11/00 301
H04M1/72415
H04Q9/00 301D
E06B7/30 A
H04N7/18 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071193
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】503060547
【氏名又は名称】株式会社インテリックス
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】俊成 誠司
(72)【発明者】
【氏名】榎本 亮太
(72)【発明者】
【氏名】天坂 龍太郎
(72)【発明者】
【氏名】小島 智行
【テーマコード(参考)】
2E250
5C054
5K048
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
2E250AA02
2E250BB05
2E250DD07
2E250DD08
2E250FF11
2E250FF18
2E250GG06
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054HA22
5K048AA04
5K048BA52
5K048DB03
5K048FB15
5K127AA36
5K127BA03
5K127CB24
5K127GD18
5K127GE02
5K127KA02
5K201AA09
5K201BA01
5K201EC06
5K201ED05
5K201EF05
5K201EF09
(57)【要約】
【課題】セキュリティを保ちながら、居室内にいる人が手動で解錠することを必要とせずにドアを解錠することができるようにする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る解錠装置1は、玄関ドアの内側に取り付けられ、玄関ドアを介して玄関ドアの外側の領域を撮像することによって撮像画像を生成するカメラ12と、認証条件を取得する認証条件取得部151と、カメラが生成した撮像画像が、認証条件を満たす場合に、玄関ドアを解錠するための制御を行う解錠制御部152と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関ドアの内側に取り付けられ、前記玄関ドアを介して前記玄関ドアの外側の領域を撮像することによって撮像画像を生成するカメラと、
認証条件を取得する認証条件取得部と、
前記カメラが生成した前記撮像画像が前記認証条件を満たす場合に、前記玄関ドアを解錠するための制御を行う解錠制御部と、
を有する解錠装置。
【請求項2】
前記カメラは、前記玄関ドアに設けられたドアスコープを覆う位置に取り付けられ、前記ドアスコープを介して前記玄関ドアの外側の領域を撮像する、
請求項1に記載の解錠装置。
【請求項3】
前記カメラは、前記玄関ドアの内側と外側とを通じさせる開口部に取り付けられ、前記開口部を介して前記玄関ドアの外側の領域を撮像する、
請求項1に記載の解錠装置。
【請求項4】
前記解錠制御部は、前記撮像画像において被写体の動きを検出した後に、前記撮像画像が前記認証条件を満たすか否かを判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の解錠装置。
【請求項5】
前記解錠制御部は、前記撮像画像に含まれているコードを取得し、前記コードが前記認証条件を満たす場合に、前記玄関ドアを解錠するための制御を行う、
請求項1から4のいずれか一項に記載の解錠装置。
【請求項6】
前記解錠制御部は、前記撮像画像に含まれている人間の特徴情報を取得し、前記特徴情報が前記認証条件を満たす場合に、前記玄関ドアを解錠するための制御を行う、
請求項1から4のいずれか一項に記載の解錠装置。
【請求項7】
前記認証条件取得部は、前記解錠装置が設置されている場所に関連付けられた前記認証条件を取得し、
前記解錠制御部は、前記撮像画像が、前記解錠装置が設置されている場所に関連付けられた前記認証条件を満たしている場合に、前記玄関ドアを解錠するための制御を行う、
請求項1から6のいずれか一項に記載の解錠装置。
【請求項8】
前記解錠制御部は、前記撮像画像が前記認証条件を満たす場合に、前記玄関ドアに取り付けられている解錠機器に前記玄関ドアを解錠させる解錠信号を送信することによって、前記玄関ドアを解錠するための制御を行う、
請求項1から7のいずれか一項に記載の解錠装置。
【請求項9】
解錠装置と、携帯端末と、前記解錠装置及び前記携帯端末と通信可能な管理サーバと、を備え、
前記管理サーバは、玄関ドアを解錠するために用いられる鍵情報を前記携帯端末に送信する通信部を有し、
前記携帯端末は、
前記鍵情報を前記管理サーバから受信する取得部と、
前記鍵情報に基づくコードを表示するディスプレイと、
を有し、
前記解錠装置は、
前記玄関ドアの内側に取り付けられ、前記玄関ドアを介して前記玄関ドアの外側の領域を撮像することによって撮像画像を生成するカメラと、
前記管理サーバから、前記玄関ドアを解錠するための認証条件を取得する認証条件取得部と、
前記カメラが生成した前記撮像画像に含まれている、前記携帯端末の前記ディスプレイに表示された前記コードを取得し、前記コードが前記認証条件を満たす場合に、前記玄関ドアを解錠するための制御を行う解錠制御部と、
を有する、
解錠システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居室の玄関ドアを解錠するための解錠装置及び解錠システムに関する。
【背景技術】
【0002】
アパート、団地、マンション等の集合住宅において、共用スペースである集合玄関に玄関ドアを設け、各住民の居室から遠隔で玄関ドアを解錠可能なインターホンシステムが導入されている場合がある。そのようなインターホンシステムにおいて、集合玄関には訪問先の居室の番号を入力して呼び出す玄関機が設置され、居室には呼び出しを受けて集合玄関の玄関ドアを解錠する居室機が設置される。特許文献1には、玄関機において入力された暗証番号に基づいて、集合玄関の玄関ドアを解錠する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
居室の工事を行う際や、居室の販売や貸出のための下見を行う際に、玄関ドアの鍵を持っていない第三者を居室に受け入れることがある。このような状況において、玄関ドアを解錠するためには、居室内に人が待機する必要があるため、不便であるという問題があった。また、特許文献1に記載の技術において、第三者に集合玄関の玄関ドアを解錠するための暗証番号を教えることはセキュリティ上好ましくない。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、セキュリティを保ちながら、居室内にいる人が手動で解錠することを必要とせずに玄関ドアを解錠することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る解錠装置は、玄関ドアの内側に取り付けられ、前記玄関ドアを介して前記玄関ドアの外側の領域を撮像することによって撮像画像を生成するカメラと、認証条件を取得する認証条件取得部と、前記カメラが生成した前記撮像画像が前記認証条件を満たす場合に、前記玄関ドアを解錠するための制御を行う解錠制御部と、を有する。
【0007】
前記カメラは、前記玄関ドアに設けられたドアスコープを覆う位置に取り付けられ、前記ドアスコープを介して前記玄関ドアの外側の領域を撮像してもよい。
【0008】
前記カメラは、前記玄関ドアの内側と外側とを通じさせる開口部に取り付けられ、前記開口部を介して前記玄関ドアの外側の領域を撮像してもよい。
【0009】
前記解錠制御部は、前記撮像画像において被写体の動きを検出した後に、前記撮像画像が前記認証条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0010】
前記解錠制御部は、前記撮像画像に含まれているコードを取得し、前記コードが前記認証条件を満たす場合に、前記玄関ドアを解錠するための制御を行ってもよい。
【0011】
前記解錠制御部は、前記撮像画像に含まれている人間の特徴情報を取得し、前記特徴情報が前記認証条件を満たす場合に、前記玄関ドアを解錠するための制御を行ってもよい。
【0012】
前記認証条件取得部は、前記解錠装置が設置されている場所に関連付けられた前記認証条件を取得し、前記解錠制御部は、前記撮像画像が、前記解錠装置が設置されている場所に関連付けられた前記認証条件を満たしている場合に、前記玄関ドアを解錠するための制御を行ってもよい。
【0013】
前記解錠制御部は、前記撮像画像が前記認証条件を満たす場合に、前記玄関ドアに取り付けられている解錠機器に前記玄関ドアを解錠させる解錠信号を送信することによって、前記玄関ドアを解錠するための制御を行ってもよい。
【0014】
本発明の第2の態様に係る解錠システムは、解錠装置と、携帯端末と、前記解錠装置及び前記携帯端末と通信可能な管理サーバと、を備え、前記管理サーバは、玄関ドアを解錠するために用いられる鍵情報を前記携帯端末に送信する通信部を有し、前記携帯端末は、前記鍵情報を前記管理サーバから受信する取得部と、前記鍵情報に基づくコードを表示するディスプレイと、を有し、前記解錠装置は、前記玄関ドアの内側に取り付けられ、前記玄関ドアを介して前記玄関ドアの外側の領域を撮像することによって撮像画像を生成するカメラと、前記管理サーバから、前記玄関ドアを解錠するための認証条件を取得する認証条件取得部と、前記カメラが生成した前記撮像画像に含まれている、前記携帯端末の前記ディスプレイに表示された前記コードを取得し、前記コードが前記認証条件を満たす場合に、前記玄関ドアを解錠するための制御を行う解錠制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、セキュリティを保ちながら、居室内にいる人が手動で解錠することを必要とせずに玄関ドアを解錠することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る解錠システムの模式図である。
【
図2】実施形態に係る携帯端末のブロック図である。
【
図4】実施形態に係る解錠装置の構成を説明するための模式図である。
【
図5】実施形態に係る解錠装置のブロック図である。
【
図6】撮像画像が認証条件を満たすか否かを判定する処理を説明するための模式図である。
【
図7】実施形態に係る解錠装置が実行する解錠方法のフローチャートを示す図である。
【
図8】変形例に係る解錠装置の構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[解錠システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る解錠システムSの模式図である。解錠システムSは、解錠装置1と、携帯端末2と、管理サーバ3と、解錠機器4と、を備える。解錠システムSは、玄関に設けられた玄関ドアDを解錠するためのシステムである。解錠システムSが解錠対象とする玄関ドアDは、集合住宅が含む複数の居室それぞれに入るためのドア(開閉体、扉ともいう)であってもよく、戸建ての居室(建物)に入るためのドアであってもよい。
【0018】
玄関ドアDには、玄関ドアDの内側(室内側)から玄関ドアDの外側(室外側)を見るためのドアスコープD1が設けられている。ドアスコープD1は、例えば、玄関ドアの内側と外側とを通じさせる開口部に設けられており、玄関ドアDの外側から入射した光を、当該開口部を介して玄関ドアDの内側に導くレンズを備える。
【0019】
解錠装置1は、玄関ドアDを介して玄関ドアDの外側の領域を撮像することによって、解錠機器4を用いて玄関ドアDを解錠するための制御を行う装置である。解錠装置1は、玄関ドアDの内側に取り付けられている。解錠装置1の詳細な構成については後述する。
【0020】
携帯端末2は、ユーザによって携帯される、スマートホンやタブレット端末等の通信機能を有するコンピュータである。携帯端末2は、表示部21と、操作部22と、を有する。表示部21は、液晶ディスプレイ等、情報を表示する表示装置(ディスプレイ)を含む。操作部22は、タッチパネル等、ユーザによる操作を受け付ける入力装置を含む。
【0021】
管理サーバ3は、解錠装置1及び携帯端末2と通信可能なコンピュータである。管理サーバ3は、携帯端末2に玄関ドアDを解錠するために用いられる鍵情報を含む解錠許可を送信する通信部を有する。また、管理サーバ3は、解錠装置1が撮像した撮像画像を用いて認証するための認証条件を解錠装置1に配信する。
【0022】
解錠機器4は、玄関ドアDを解錠するための装置である。玄関ドアDは、サムターン(解錠するためのつまみ)によって施錠及び解錠される錠を備える。解錠機器4は、玄関ドアDの内側(サムターンが設けられている側)において、サムターンを覆う位置に取り付けられている。解錠機器4は、解錠装置1から所定の解錠信号を受信した場合に、玄関ドアDを解錠するようにサムターンを操作する。解錠機器4は、解錠装置1と無線通信をすることにより解錠信号を受信してもよく、解錠装置1とケーブルを介した有線通信をすることにより解錠信号を受信してもよい。
【0023】
本実施形態に係る解錠システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。ユーザは、玄関ドアDを解錠する際に、玄関ドアDの外側においてドアスコープD1の正面に、認証に用いる認証対象物を向ける。認証対象物は、例えば、解錠コードを表示している携帯端末2である。解錠コードは、携帯端末2が管理サーバ3から解錠許可を得ることによって、携帯端末2のディスプレイに表示される。
【0024】
解錠装置1は、解錠装置1が撮像した撮像画像を用いて認証するための認証条件を取得する。解錠装置1は、例えば、管理サーバ3から無線通信により認証条件を取得し、又は解錠装置1の記憶部に予め記憶された認証条件を取得する。認証条件は、例えば、撮像画像に含まれる解錠コードの条件である。
【0025】
解錠装置1は、玄関ドアDを介して玄関ドアDの外側の領域を撮像することによって生成された撮像画像が認証条件を満たす場合に、玄関ドアDを解錠するための制御を行う。解錠装置1は、例えば、解錠機器4に玄関ドアDを解錠させる解錠信号を送信する。解錠機器4は、解錠装置1から解錠信号を受信したことを条件として、玄関ドアDを解錠するようにサムターンを操作する。
【0026】
このように、解錠装置1は、玄関ドアDを介して玄関ドアDの外側の領域を撮像した撮像画像が認証条件を満たしたことを条件として、玄関ドアDを解錠する。したがって、解錠システムSは、ユーザに対して玄関の暗証番号等を知らせたり、鍵を事前に渡したりする必要がないため、セキュリティを保ちながら、居室にいる人が手動で解錠することを必要とせずに玄関ドアDを解錠することができる。
【0027】
[携帯端末2の構成]
図2は、本実施形態に係る携帯端末2のブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0028】
携帯端末2は、上述の表示部21及び操作部22に加えて、記憶部23と、通信部24と、制御部25と、を有する。携帯端末2は、
図2に示す具体的な構成に限定されない。携帯端末2は、1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0029】
記憶部23は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部23は、制御部25が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部23は、携帯端末2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部25との間でデータの授受を行ってもよい。
【0030】
通信部24は、管理サーバ3と無線通信をするための通信インターフェースである。通信部24は、通信を行うためのプロセッサ、コネクタ、アンテナ等を含む。通信部24は、管理サーバ3から受信した通信信号に所定の処理を行ってデータを取得し、取得したデータを制御部25に入力する。また、通信部24は、制御部25から入力されたデータに所定の処理を行って通信信号を生成し、生成した通信信号を管理サーバ3に送信する。
【0031】
制御部25は、解錠許可取得部251と、表示制御部252と、を有する。制御部25は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、解錠許可取得部251及び表示制御部252として機能する。制御部25の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部25の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0032】
ユーザが玄関ドアDを解錠する際に携帯端末2が行う処理を以下に説明する。解錠許可取得部251は、ユーザによって入力された認証情報を用いて、管理サーバ3から玄関ドアDの解錠許可を取得する。
図3(a)は、認証情報の入力を受け付けるログイン画面を表示部21上に表示している携帯端末2の正面図である。
【0033】
解錠許可取得部251は、ログイン画面におけるユーザによる操作部22の操作に応じて、認証情報及び物件情報の入力を受け付ける。認証情報は、例えば、ユーザを識別するための識別情報であるユーザID(Identification)と、パスワードとを含む。物件情報は、解錠対象の玄関ドアDがある物件を示す情報であり、例えば、物件名及び部屋番号である。解錠許可取得部251は、受け付けた認証情報及び物件情報を、管理サーバ3に送信する。解錠許可取得部251は、物件情報を受け付けず、認証情報のみを管理サーバ3に送信してもよい。
【0034】
管理サーバ3は、携帯端末2から受信した認証情報を、予め記憶部に記憶された認証情報と比較することによって、携帯端末2を認証する。管理サーバ3は、例えば、携帯端末2から受信した認証情報が予め記憶部に記憶された認証情報と一致する場合に、携帯端末2を認証し、一致しない場合に認証しない。また、管理サーバ3は、携帯端末2から電話番号を含む認証情報を受信し、当該電話番号を宛先としたSMS(Short Message Service)のメッセージを送信し、携帯端末2に当該メッセージが到達したことを確認することによって、携帯端末2を認証してもよい。また、管理サーバ3は、携帯端末2から認証情報を受信した日時が、携帯端末2のユーザに関連付けられた期間(例えば、ユーザが物件への訪問を予約した期間)に含まれていることを条件として、携帯端末2を認証してもよい。
【0035】
管理サーバ3は、携帯端末2を認証できなかった場合に、認証できなかったことを示す情報を携帯端末2に送信する。携帯端末2において、解錠許可取得部251は、管理サーバ3から認証できなかったことを示す情報を受信した場合に、玄関ドアDの解錠に係る処理を終了する。
【0036】
管理サーバ3は、携帯端末2を認証できた場合に、解錠許可を携帯端末2に送信する。管理サーバ3の通信部は、例えば、解錠対象の玄関ドアDがある物件、すなわち解錠装置1が設置されている場所(例えば部屋又は建物)に関連付けられた、玄関ドアDを解錠するために用いられる鍵情報を含む解錠許可を、携帯端末2に送信する。解錠対象の玄関ドアDがある物件は、携帯端末2において入力された物件情報が示す物件であってもよく、ユーザに予め関連付けられた物件であってもよい。
【0037】
鍵情報は、例えば無作為又は規則的に生成された文字列であり、解錠装置1が設置されている場所に関連付けられて管理サーバ3の記憶部に記憶される。管理サーバ3は、生成した鍵情報を含む解錠許可を携帯端末2に送信する。管理サーバ3は、鍵情報として、鍵情報自体を送信してもよく、鍵情報から所定の規則に従って生成した解錠コードを送信してもよい。
【0038】
携帯端末2が管理サーバ3によって認証された場合に、解錠許可取得部251は、管理サーバ3が送信した解錠許可を取得する。解錠許可取得部251は、取得した解錠許可が含む鍵情報に基づいて、所定の規則に従って解錠コードを生成する。解錠コードは、例えば、鍵情報に対して符号化処理等の所定の処理を行うことによって生成された、1次元又は2次元の画像である。また、解錠コードは、鍵情報を表す文字列であってもよい。また、解錠許可取得部251は、解錠許可が含む、管理サーバ3によって予め生成された解錠コードを取得してもよい。
【0039】
解錠許可取得部251は、取得した解錠許可が含む鍵情報と、現在時刻とに基づいて生成したワンタイムパスワードに対応する解錠コードを生成してもよい。この場合に、解錠許可取得部251は、鍵情報及び現在時刻に基づいてワンタイムパスワードを生成する。ワンタイムパスワードは、例えば、現在時刻を含む所定期間内に有効となり、該期間外に無効となる文字列である。解錠許可取得部251は、鍵情報及び現在時刻に基づいてワンタイムパスワードを生成するために、既知の方法を用いることができる。解錠許可取得部251は、生成したワンタイムパスワードに基づいて、所定の規則に従って解錠コードを生成する。これにより、解錠システムSは、ユーザが玄関ドアDを解錠できる期間を制限できるため、セキュリティを向上できる。
【0040】
表示制御部252は、解錠許可取得部251が生成又は取得した、鍵情報に基づく解錠コードを、表示部21に表示させる。
図3(b)は、解錠コードを含む解錠コード画面を表示部21上に表示している携帯端末2の正面図である。
【0041】
ユーザは、玄関ドアDの解錠をする際に、玄関ドアDに、認証対象物として解錠コードを表示している携帯端末2を向ける。後述の解錠装置1は、玄関ドアDを介して玄関ドアDの外側の領域を撮像することによって生成された撮像画像、すなわちユーザが提示した解錠コードを含む撮像画像に基づいて、玄関ドアを解錠する。
【0042】
[解錠装置1の構成]
図4は、本実施形態に係る解錠装置1の構成を説明するための模式図である。
図4は、解錠装置1が玄関ドアDに取り付けられた状態における、解錠装置1、玄関ドアD及びドアスコープD1を含む断面を模式的に表している。
【0043】
解錠装置1は、筐体11と、カメラ12と、を有する。筐体11は、玄関ドアDの内側において、例えば締結部材、粘着部材、磁石等によって玄関ドアDの内側(室内側)に取り付けられる。筐体11は、カメラ12を固定するとともに、不図示の記憶部13、通信部14及び制御部15を内蔵する。
【0044】
カメラ12は、玄関ドアDの内側(室内側)に取り付けられ、玄関ドアDを介して玄関ドアDの外側(室外側)の領域を撮像することによって撮像画像を生成する撮像装置である。カメラ12は、例えば、玄関ドアDに設置された状態の筐体11上において、ドアスコープD1を玄関ドアDの内側から覆う位置に取り付けられ、ドアスコープD1を介して玄関ドアDの外側の領域を撮像する。
【0045】
解錠装置1の構成は、
図4に示した具体的な構成に限られない。
図4の例では筐体11とカメラ12とは一体化しているが、筐体11とカメラ12とは別個に設けられ、ケーブルによって接続されてもよい。この場合に、カメラ12は、玄関ドアDの内側において、例えば締結部材、粘着部材、磁石等によって玄関ドアDに取り付けられる。
【0046】
このように、解錠装置1は、玄関ドアDの内側に取り付けられ、カメラ12が玄関ドアDを介して玄関ドアDの外側の領域を撮像する構成を有するため、居室への訪問者が解錠装置1が破壊されたり、持ち去られたりするリスクを低減できる。
【0047】
図5は、本実施形態に係る解錠装置1のブロック図である。
図5において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図5に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図5において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図5に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0048】
解錠装置1は、上述のカメラ12に加えて、記憶部13と、通信部14と、制御部15とを有する。解錠装置1は、
図5に示す具体的な構成に限定されない。解錠装置1は、1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0049】
記憶部13は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部13は、制御部15が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部13は、解錠装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部15との間でデータの授受を行ってもよい。
【0050】
通信部14は、管理サーバ3と無線通信をするための通信インターフェースである。通信部14は、通信を行うためのプロセッサ、コネクタ、アンテナ等を含む。通信部14は、管理サーバ3から受信した通信信号に所定の処理を行ってデータを取得し、取得したデータを制御部15に入力する。また、通信部14は、制御部15から入力されたデータに所定の処理を行って通信信号を生成し、生成した通信信号を管理サーバ3に送信する。
【0051】
制御部15は、認証条件取得部151と、解錠制御部152と、を有する。制御部15は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部13に記憶されたプログラムを実行することにより、認証条件取得部151及び解錠制御部152として機能する。制御部15の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部15の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0052】
ユーザが玄関ドアDを解錠する際に解錠装置1が行う処理を以下に説明する。認証条件取得部151は、解錠装置1のカメラ12が生成する撮像画像を用いて認証するための認証条件を取得する。認証条件取得部151は、例えば、管理サーバ3から無線通信により認証条件を取得し、又は解錠装置1の記憶部13に予め記憶された認証条件を取得する。認証条件取得部151は、カメラ12が撮像をする前に認証条件を取得してもよく、カメラ12が撮像をした後に認証条件を取得してもよい。
【0053】
認証条件は、撮像画像に含まれる解錠コードの条件である。認証条件は、例えば、携帯端末2が管理サーバ3から取得した解錠許可に含まれている鍵情報を含む。後述の解錠制御部152は、玄関ドアDの外側の領域の撮像画像と、認証条件が含む鍵情報とに基づいて、玄関ドアの解錠をするか否かを判定する。
【0054】
例えば、管理サーバ3は、管理サーバ3の記憶部に予め記憶された鍵情報を取得し、取得した鍵情報を含む認証条件を玄関ドアDに取り付けられた解錠装置1に無線通信で送信する。解錠装置1は、管理サーバ3から受信した認証条件を記憶部13に記憶させる。また、解錠装置1の管理者は、認証条件を記憶しているメモリカード等の記憶媒体を解錠装置1に接続することによって、解錠装置1の記憶部13に認証条件を予め記憶させてもよい。
【0055】
認証条件は、解錠対象の玄関ドアDがある物件、すなわち解錠装置1が設置されている場所ごとに異なっていてもよい。この場合に、管理サーバ3は、解錠装置1が設置されている場所に予め関連付けられた鍵情報を管理サーバ3の記憶部から取得し、当該鍵情報を含む認証条件を当該解錠装置1に無線通信で送信する。解錠装置1は、管理サーバ3から受信した認証条件を記憶部13に記憶させる。これにより、解錠システムSは、ユーザが解錠できる物件を制御できるため、セキュリティを向上できる。
【0056】
カメラ12は、玄関ドアDのドアスコープD1を介して、玄関ドアDの外側の領域を撮像することによって、撮像画像を生成する。カメラ12は生成した撮像画像を、解錠制御部152に入力する。
【0057】
カメラ12は、所定の時間間隔(例えば、5秒ごと)で撮像をして撮像画像を生成する。また、カメラ12は、玄関ドアDを含む環境から取得した情報が所定条件を満たした場合に、所定期間だけ撮像をして撮像画像を生成してもよい。この場合に、玄関ドアDには、例えば、玄関ドアD周辺の赤外線の変化を検知する赤外線センサや、玄関ドアD周辺で発せられた音を検知する音センサ等のセンサが設けられる。カメラ12は、玄関ドアDに設けられたセンサが出力した測定データが所定条件を満たした場合(例えば、測定データが玄関ドアDの前に人間が存在することを示す場合)に撮像を開始し、所定の時間間隔で撮像をし、所定期間経過後(例えば、30秒後)に撮像を終了する。これにより、解錠システムSは、ユーザが玄関ドアD周辺にいると推測された場合のみカメラ12に撮像させるため、解錠装置1による電力の消費量を低減できる。
【0058】
また、カメラ12は、解錠装置1が設置された居室をユーザが訪問する予定の期間だけ撮像をして撮像画像を生成してもよい。この場合に、解錠装置1の記憶部13には、管理サーバ3から受信した、解錠装置1が設置された居室をユーザが訪問する予定の期間(例えば、ユーザが物件への訪問を予約した期間)を示す情報が予め記憶される。カメラ12は、現在時刻が、解錠装置1が設置された居室をユーザが訪問する予定の期間に含まれている場合に、所定の時間間隔で撮像をする。これにより、解錠システムSは、ユーザが訪問をする可能性のある期間のみカメラ12に撮像させるため、解錠装置1による電力の消費量を低減できる。
【0059】
解錠制御部152は、カメラ12が玄関ドアDを介して撮像することによって生成した、玄関ドアDの外側の領域の撮像画像を取得する。ここで解錠制御部152は、カメラ12が生成した撮像画像に対して、ドアスコープD1が備えるレンズの球面による歪みを補正する処理を行う。解錠制御部152は、例えば、既知の歪み補正処理を実行することによって、歪みの程度を示す値を用いて撮像画像の歪みを補正する。歪みの程度を示す値は、ドアスコープD1が備えるレンズの種類に対応しており、解錠装置1の管理者によって予め設定され、記憶部13に記憶されている。これにより、解錠制御部152は、撮像画像の歪みが原因で撮像画像が認証条件を満たすか否かを誤判定するおそれを低減できる。
【0060】
解錠制御部152は、取得した撮像画像が、認証条件取得部151が取得した認証条件を満たすか否かを判定する。解錠制御部152は、例えば、玄関ドアDの外側の領域の撮像画像に含まれている解錠コード(すなわち、携帯端末2の表示部21に表示されている解錠コード)を取得する。解錠制御部152は、撮像画像に含まれている解錠コードに対して復号処理等の所定の処理を行うことによって、解錠コードに対応する鍵情報を特定する。解錠制御部152は、撮像画像から取得した解錠コードに対応する鍵情報と、認証条件取得部151が取得した認証条件に含まれている鍵情報とが一致する場合に、認証条件を満たすと判定し、そうでない場合に認証条件を満たさないと判定する。
【0061】
また、ワンタイムパスワードに対応する解錠コードが用いられる場合に、解錠制御部152は、認証条件取得部151が取得した認証条件に含まれている鍵情報と、現在時刻とに基づいて、携帯端末2と同じ方法でワンタイムパスワードを生成する。解錠制御部152は、撮像画像に含まれている解錠コードに対して復号処理等の所定の処理を行うことによって、解錠コードに対応するワンタイムパスワードを特定する。解錠制御部152は、撮像画像から取得した解錠コードに対応するワンタイムパスワードと、認証条件取得部151が取得した認証条件に含まれている鍵情報から生成したワンタイムパスワードとが一致する場合に、認証条件を満たすと判定し、そうでない場合に認証条件を満たさないと判定する。これにより、解錠システムSは、ユーザが玄関ドアDを解錠できる期間を制限できるため、セキュリティを向上できる。
【0062】
本実施形態では解錠装置1において撮像画像が認証条件を満たすか否かを判定しているが、解錠装置1とは異なる認証サーバ等の外部装置において撮像画像が認証条件を満たすか否かを判定してもよい。この場合には、解錠制御部152は、撮像画像を外部装置に送信し、当該外部装置が上述の方法で撮像画像が認証条件を満たすか否かを判定した判定結果を受信する。
【0063】
解錠制御部152は、撮像画像から取得した情報が所定条件を満たした場合に、撮像画像が認証条件を満たすか否かを判定してもよい。解錠制御部152は、例えば、動画像、又は連続的に撮像された複数の静止画像である撮像画像を比較することによって、撮像画像に含まれている被写体の動きを検出する。解錠制御部152は、撮像画像において被写体の動きを検出した後に、撮像画像が認証条件を満たすか否かを判定する。これにより、解錠システムSは、ユーザ等の動く被写体が撮像画像中に検出された場合のみ、撮像画像に含まれる解錠コードの取得等の計算を実行するため、解錠装置1による電力の消費量を低減できる。
【0064】
図6(a)、
図6(b)は、撮像画像が認証条件を満たすか否かを判定する処理を説明するための模式図である。
図6(a)はユーザが解錠コードを表示している携帯端末2を玄関ドアDに向けていない状態を表しており、
図6(b)はユーザが解錠コードを表示している携帯端末2を玄関ドアDに向けている状態を表している。
【0065】
図6(a)に示した状態において、玄関ドアDの外側の領域の撮像画像は、解錠コードを含まない。したがって、解錠制御部152は、撮像画像が認証条件を満たさないと判定する。一方、
図6(b)に示した状態において、玄関ドアDの外側の領域の撮像画像は、解錠コードを含む。したがって、解錠制御部152は、撮像画像が認証条件を満たすと判定する。
【0066】
解錠制御部152は、
図6(b)に示した状態のように、撮像画像が認証条件を満たすと判定した場合に、玄関ドアDを解錠するための制御を行う。解錠制御部152は、例えば、解錠機器4に玄関ドアDを解錠させる解錠信号を送信する。解錠機器4は、解錠装置1から解錠信号を受信したことを条件として、玄関ドアDを解錠するようにサムターンを操作する。一方、解錠制御部152は、
図6(a)に示した状態のように、認証条件を満たさないと判定した場合に、玄関ドアを解錠するための制御を行わずに処理を終了する。
【0067】
これにより、解錠システムSは、ユーザが認証対象物として解錠コードを表示している携帯端末2を玄関ドアDに向けることにより、居室内にいる人が手動で解錠することを必要とせずに玄関ドアを解錠することができる。
【0068】
[解錠方法のフローチャート]
図7は、本実施形態に係る解錠装置1が実行する解錠方法のフローチャートを示す図である。認証条件取得部151は、解錠装置1のカメラ12が撮像した撮像画像を用いて認証するための認証条件を取得する(S11)。認証条件は、撮像画像に含まれる解錠コードの条件である。認証条件は、例えば、携帯端末2が管理サーバ3から取得した解錠許可に含まれている鍵情報を含む。
【0069】
解錠制御部152は、カメラ12が玄関ドアDを介して撮像することによって生成した、玄関ドアDの外側の領域の撮像画像を取得する(S12)。解錠制御部152は、カメラ12が生成した撮像画像に対して、ドアスコープD1が備えるレンズの球面による歪みを補正する処理を行う(S13)。
【0070】
解錠制御部152は、取得した撮像画像が、認証条件取得部151が取得した認証条件を満たすか否かを判定する。解錠制御部152は、認証条件を満たすと判定した場合に(S14のYES)、解錠機器4に玄関ドアDを解錠させる解錠信号を送信する(S15)。解錠制御部152は、認証条件を満たさないと判定した場合に(S14のNO)、解錠機器4に玄関ドアDを解錠させる解錠信号を送信せずに処理を終了する。
【0071】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る解錠システムSにおいて、玄関ドアDを介して玄関ドアDの外側の領域を撮像することによって生成された撮像画像が認証条件を満たしたことを条件として、玄関ドアを解錠する。したがって、解錠システムSは、ユーザに対して玄関の暗証番号等を知らせたり、鍵を事前に渡したりする必要がないため、セキュリティを保ちながら、居室内にいる人が手動で解錠することを必要とせずに玄関ドアを解錠することができる。
【0072】
また、解錠装置1は、玄関ドアDの内側に取り付けられ、カメラ12が玄関ドアDを介して玄関ドアDの外側の領域を撮像する構成を有するため、居室への訪問者が解錠装置1が破壊されたり、持ち去られたりするリスクを低減できる。また、解錠装置1は、玄関ドアDに取り付けられることによって機能するため、建物の壁や床に認証用のカメラを設置する工事をする必要がなく、低コストで導入できる。
【0073】
[第1変形例]
上述の実施形態は、認証対象物として解錠コードを表示している携帯端末2を含む撮像画像に基づいて玄関ドアDを解錠するか否かの判定を行うのに対して、本変形例は、認証対象物としてユーザの身体を含む撮像画像に基づいて玄関ドアDを解錠するか否かの判定を行う。以下では、本変形例において、上述の実施形態とは異なる部分を主に説明する。なお、本変形例では、携帯端末2は用いられない。
【0074】
認証条件取得部151は、解錠装置1のカメラ12が撮像した撮像画像を用いて認証するための認証条件を取得する。認証条件は、撮像画像に含まれる人間の顔、虹彩、指紋等の生体情報の条件である。認証条件は、例えば、玄関ドアDの解錠が許可されるユーザの顔、虹彩、指紋等の所定の生体情報から抽出した特徴量等の特徴情報を含む。生体情報から特徴量等の特徴情報を抽出するために、既知の特徴抽出方法が用いられる。
【0075】
例えば、管理サーバ3は、管理サーバ3の記憶部に予め記憶されたユーザの特徴情報を取得し、取得した特徴情報を含む認証条件を玄関ドアDに取り付けられた解錠装置1に無線通信で送信する。解錠装置1は、管理サーバ3から受信した認証条件を記憶部13に記憶させる。また、解錠装置1の管理者は、認証条件を記憶しているメモリカード等の記憶媒体を解錠装置1に接続することによって、解錠装置1の記憶部13に認証条件を予め記憶させてもよい。
【0076】
認証条件は、解錠対象の玄関ドアDがある物件、すなわち解錠装置1が設置されている場所ごとに異なっていてもよい。この場合に、管理サーバ3は、解錠装置1が設置されている場所に予め関連付けられた特徴情報を管理サーバ3の記憶部から取得し、当該特徴情報を含む認証条件を当該解錠装置1に無線通信で送信する。解錠装置1は、管理サーバ3から受信した認証条件を記憶部13に記憶させる。これにより、解錠システムSは、ユーザが解錠できる物件を制御できるため、セキュリティを向上できる。
【0077】
ユーザは、玄関ドアDを解錠する際に、玄関ドアDに、認証対象物としてユーザの身体のうち顔や掌等の所定部位を向ける。解錠制御部152は、カメラ12が玄関ドアDを介して撮像することによって生成した、玄関ドアDの外側の領域の撮像画像を取得する。
【0078】
解錠制御部152は、取得した撮像画像が、認証条件取得部151が取得した認証条件を満たすか否かを判定する。解錠制御部152は、例えば、カメラ12が生成した玄関ドアDの外側の領域の撮像画像から、既知の特徴抽出方法が用いて、撮像画像に含まれている人間の特徴情報を取得する。解錠制御部152は、撮像画像から取得した人間の特徴情報と、認証条件取得部151が取得した認証条件に含まれている玄関ドアDの解錠が許可されるユーザの特徴情報とが一致又は類似する場合に、認証条件を満たすと判定し、そうでない場合に認証条件を満たさないと判定する。
【0079】
解錠制御部152は、認証条件を満たすと判定した場合に、玄関ドアDを解錠するための制御を行う。解錠制御部152は、例えば、解錠機器4に玄関ドアDを解錠させる解錠信号を送信する。解錠制御部152は、認証条件を満たさないと判定した場合に、玄関ドアDを解錠するための制御を行わずに処理を終了する。
【0080】
本変形例によれば、解錠システムSは、ユーザが認証対象物としてユーザの身体を玄関ドアDに向けることにより、ユーザが携帯端末2を持っていない場合であっても、居室内にいる人が手動で解錠することを必要とせずに玄関ドアDを解錠することができる。
【0081】
[第2変形例]
上述の実施形態では、カメラ12はドアスコープD1を玄関ドアDの内側から覆う位置に取り付けられているが、本変形例では、カメラ12はドアスコープD1が取り外された後の玄関ドアDの開口部D2に取り付けられる。
【0082】
図8は、本変形例に係る解錠装置の構成を説明するための模式図である。
図8は、解錠装置1が玄関ドアDに取り付けられた状態における、解錠装置1、玄関ドアD及び開口部D2を含む断面を模式的に表している。
【0083】
開口部D2は、ドアスコープD1が取り付けられていた、玄関ドアDの内側と外側とを通じさせる穴である。解錠装置1の管理者は、解錠装置1を玄関ドアDに設置する際に、玄関ドアDからドアスコープD1を取り外すことによって、玄関ドアDに開口部D2を設ける。
【0084】
カメラ12は、開口部D2に取り付けられる。カメラ12は、例えば、玄関ドアDの内側(室内側)から、カメラ12のレンズの光軸方向に沿って少なくとも一部が開口部D2に挿入されることによって、開口部D2に取り付けられる。カメラ12は、開口部D2を介して玄関ドアDの外側の領域を撮像する。
【0085】
解錠装置1の構成は、
図8に示した具体的な構成に限られない。
図8の例では筐体11とカメラ12とは一体化しているが、筐体11とカメラ12とは別個に設けられ、ケーブルによって接続されてもよい。この場合に、カメラ12は、玄関ドアDの内側において、例えば締結部材、粘着部材、磁石等によって玄関ドアDに取り付けられる。
【0086】
本変形例によれば、解錠システムSは、ドアスコープD1のレンズの歪みが無い撮像画像を取得できるため、撮像画像が認証条件を満たすか否かを判定する精度を向上できる。
【0087】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0088】
解錠装置1のプロセッサは、
図7に示す解錠方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、解錠装置1のプロセッサは、
図7に示す解錠方法を実行するためのプログラムを記憶部13から読み出し、該プログラムを実行して解錠装置1の各部を制御することによって、
図7に示す解錠方法を実行する。
図7に示す解錠方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【0089】
また、上記の説明においては、ドアスコープD1が球面のレンズを有する場合を例示したが、ドアスコープD1は玄関ドアDの外側の光を玄関ドアDの内側まで透過させることができる部材であれば、任意の形状又は材料により構成されていてもよい。例えば、ドアスコープD1は、玄関ドアDに設けられた小窓であってもよい。また、ドアスコープD1は、玄関ドアDに元々取り付けられていたドアスコープであってもよく、玄関ドアDに元々取り付けられていたドアスコープから解錠装置1に合うように交換されたドアスコープ又は小窓であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
S 解錠システム
1 解錠装置
11 筐体
12 カメラ
13 記憶部
14 通信部
15 制御部
151 認証条件取得部
152 解錠制御部
2 携帯端末
21 表示部
22 操作部
23 記憶部
24 通信部
25 制御部
251 解錠許可取得部
252 表示制御部
3 管理サーバ
4 解錠機器