(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165741
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】研修支援サーバ、学習者端末、及び研修支援システム
(51)【国際特許分類】
G09B 5/14 20060101AFI20221025BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20221025BHJP
【FI】
G09B5/14
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071219
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】城戸 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】藤田 智英
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028AA12
2C028BA03
2C028BB04
2C028BC01
2C028BD01
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】 ロールプレイング(RL)による研修・教育効果を向上させる。
【解決手段】 本発明は、学習者端末及び講師端末と接続される研修支援サーバである。研修支援サーバは、学習者の情報を記憶する学習者DBと、課題に対するRLの模範解答動画、キーワードリスト及びチェックリストを関連付けて記憶する研修コンテンツDBとを備え、学習者が実演したRLを撮影した動画を学習者端末から取得し、動画に含まれる音声データに基づいて生成されるテキストデータに基づき、キーワードリストに含まれる複数のキーワードに対応するテキストに対して属性情報を関連付けた拡張テキストデータを生成し、拡張テキストデータとチェックリストとを含む振返り画面を生成して学習端末に提供し、振返り画面のチェックリストに対して入力された評価項目を含むレポートを学習者端末から取得する。振返り画面データは、ロールプレイング動画データを再生表示可能に構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者の学習者端末及び講師の講師端末と通信可能に接続される研修支援サーバであって、
前記学習者に関する情報を記憶する学習者データベースと、
課題に対するロールプレイングの模範解答を示す動画に係る模範解答動画データ、前記課題に関連する複数のキーワードを含むキーワードリスト、及び前記模範解答に沿ったチェックリストを相互に関連付けて記憶する研修コンテンツデータベースと、
前記学習者が実演した前記ロールプレイングを撮影することに得られるロールプレイング動画データを前記学習者端末から取得するロールプレイング動画データ取得部と、
取得した前記ロールプレイング動画データに関連付けられた音声データに基づいて、テキストデータを生成するテキストデータ生成部と、
生成された前記テキストデータに含まれる複数のテキストのうち、前記キーワードリストに含まれる前記複数のキーワードの少なくともいずれかに対応する特定のテキストに対して所定の属性情報を関連付けることにより得られる拡張テキストデータを生成するテキスト処理部と、
前記拡張テキストデータと前記研修コンテンツデータベースに記憶された前記チェックリストとを含む振り返り画面を前記学習者端末上に表示させるために、少なくとも、前記テキストデータと前記チェックリストとを含む振り返り画面データを生成する振り返り画面データ生成部と、
前記振り返り画面データに基づく前記振り返り画面における前記チェックリストに対して、前記学習者が入力した評価項目を含むレポートを前記学習者端末から取得するレポート処理部と、を備え、
前記振り返り画面データは、前記ロールプレイング動画データを再生表示可能に構成される、
研修支援サーバ。
【請求項2】
前記振り返り画面は、前記所定の属性情報が付加された前記特定のテキストが視覚的に区別される態様で表示される、
請求項1に記載の研修支援サーバ。
【請求項3】
前記所定の属性情報は、前記振り返り画面において、強調、異なる色、太字、下線、斜体、及び点滅の少なくともいずれかで視覚的に区別される態様で表示されるように制御する情報である、
請求項2に記載の研修支援サーバ。
【請求項4】
前記学習者データベースは、前記レポート処理部により受信された前記レポートを格納する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の研修支援サーバ。
【請求項5】
前記学習者端末から受信した前記レポートに基づく評価画面が前記講師端末上に表示させるために、前記拡張テキストデータと前記レポートとを含む評価画面データを生成する評価画面データ生成部を更に備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の研修支援サーバ。
【請求項6】
前記評価画面に対して前記講師が入力した評価結果を含む評価結果データを前記講師端末から取得する評価結果処理部を更に備え、
前記学習者データベースは、前記評価結果処理部により取得された前記評価結果データを格納する、
請求項5に記載の研修支援サーバ。
【請求項7】
前記評価結果処理部は、前記評価結果に基づく評価結果画面が前記学習者端末上に表示されるように、取得された前記評価結果データを前記学習者端末に送信するように制御する、
請求項6に記載の研修支援サーバ。
【請求項8】
学習者に対する研修を支援するための研修支援サーバに通信可能に接続される学習者端末であって、
前記学習者が実演する前記ロールプレイングを撮影する撮影部と、
前記撮影部により取得されるロールプレイング動画データを前記研修支援サーバに送信するロールプレイング動画データ送信部と、
送信した前記ロールプレイング動画データに応答して前記研修支援サーバから送信される、前記ロールプレイングに対するチェックリストと前記音声データから変換されたテキストデータに基づく拡張テキストデータとを含む振り返り画面データを受信する振り返り画面データ受信部と、
受信した前記振り返り画面データに基づいて振り返り画面がユーザインターフェース部に表示されるように制御する表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記振り返り画面において前記ロールプレイング動画データが再生表示されるように制御する、
学習者端末。
【請求項9】
前記拡張テキストデータは、前記ロールプレイングの模範解答に係る複数のキーワードに対応する特定のテキストに関連付けられた所定の属性情報を含み、
前記表示制御部は、前記所定の属性情報が関連付けられた前記特定のテキストが前記振り返り画面データにおいて視覚的に区別される態様で前記拡張テキストデータが前記ユーザインターフェース部に表示されるように制御する、
請求項8に記載の学習者端末。
【請求項10】
前記振り返り画面は、前記拡張テキストデータを表示する拡張テキストデータ表示領域と、前記拡張テキストデータ表示領域に隣接して配置された、前記チェックリストを表示するチェックリスト表示領域と、前記ロールプレイング動画データを再生表示する動画再生表示領域とを含む、
請求項9に記載の学習者端末。
【請求項11】
前記ユーザインターフェース部は、前記チェックリストに対して前記学習者によって入力される評価項目を受け付ける、
請求項10に記載の学習者端末。
【請求項12】
前記学習者端末は、受け付けた前記評価項目を含むレポートを前記研修支援サーバに送信するように制御を行う、
請求項11に記載の学習者端末。
【請求項13】
前記学習者端末は、送信した前記レポートに対する講師による評価結果を含む評価結果データを受信し、
前記表示制御部は、受信した評価結果データに含まれる前記評価結果が前記ユーザインターフェース部に表示されるように制御を行う、
請求項12に記載の学習者端末。
【請求項14】
前記学習者端末は、前記ロールプレイングの模範解答を示す動画に係る模範解答動画データを受信し、
前記表示制御部は、前記模範解答動画データに基づく前記動画を前記ユーザインターフェース部に表示されるように制御する、
請求項8から13の何れか一項に記載の学習者端末。
【請求項15】
研修支援サーバと、前記研修支援サーバに通信可能に接続される学習者端末とを備える研修支援システムであって、
前記研修支援サーバは、
学習者に関する情報を記憶する学習者データベースと、
課題に係る資料、課題に対するロールプレイングの模範解答を示す動画に係る模範解答動画データ、前記課題に関連する複数のキーワードを含むキーワードリスト、及び前記模範解答に沿ったチェックリストを相互に関連付けて記憶する研修コンテンツデータベースと、
前記学習者が実演した前記ロールプレイングを撮影することに得られるロールプレイング動画データを前記学習者端末から取得するロールプレイング動画データ取得部と、
取得した前記ロールプレイング動画データに関連付けられた音声データに基づいて、テキストデータを生成するテキストデータ生成部と、
生成された前記テキストデータに含まれる複数のテキストのうち、前記キーワードリストに含まれる前記複数のキーワードの少なくともいずれかに対応する特定のテキストに対して所定の属性情報を関連付けることにより得られる拡張テキストデータを生成するテキスト処理部と、
前記拡張テキストデータと前記研修コンテンツデータベースに記憶された前記チェックリストとを含む振り返り画面を前記学習者端末上に表示させるために、前記テキストデータと前記チェックリストとを含む振り返り画面データを生成する振り返り画面データ生成部と、
前記振り返り画面データに基づく前記振り返り画面における前記チェックリストに対して、前記学習者が入力した評価項目を含むレポートを前記学習者端末から取得するレポート処理部と、を備え、
前記振り返り画面データは、前記ロールプレイング動画データを再生表示可能に構成され、
前記学習者端末は、
前記学習者が実演する前記ロールプレイングを撮影する撮影部と、
前記撮影部により取得されるロールプレイング動画データを前記研修支援サーバに送信するロールプレイング動画データ送信部と、
送信した前記ロールプレイング動画データに応答して前記研修支援サーバから送信される、前記ロールプレイングに対する前記チェックリストと前記音声データから変換された前記テキストデータに基づく前記拡張テキストデータとを含む振り返り画面データを受信する振り返り画面データ受信部と、
受信した前記振り返り画面データに基づいて振り返り画面がユーザインターフェース部に表示されるように制御する表示制御部と、を備える、
研修支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研修支援サーバ、学習者端末、及び研修支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、講師と複数の受講者(学習者)との間で、インターネットなどの通信ネットワークを介して、オンライン形式(「遠隔形式」や「非対面形式」と称されることもある。)の研修を効果的に実施できるようにする研修又は教育システムが提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1は、インターネットを利用した教育システムにおいて、学習者に臨場感を与えるために、他の学習者と共に学習している旨を、学習者に意識させるようにする技術を開示する。
【0004】
また、下記特許文献2は、ネットワークを介して書道の添削を行い、受講者に対して書道教育を行う書道添削教育システムを開示する。特許文献2に示す書道添削教育システムでは、受講者によって作成された作品は添削者の添削者端末に送信され、添削者によって添削された作品はデータベースに格納され、これにより、受講者は閲覧可能になる。
【0005】
更に、下記特許文献3は、学習者が効果的に学習することができると共に、指導者にとっても効率的かつ適正に学習者を評価できる介護技能学習支援システムを開示する。特許文献3に示す介護技能学習支援システムでは、学習者端末は、学習者の所属する施設で撮影された介護技能に関する動作マニュアル動画を含む学習コンテンツを取得し、該動作マニュアル動画と同一の場所で撮影され、該動作マニュアル動画の動きに沿った学習者の実技撮影動画情報を送信し、指導者用端末は、該学習者の実技撮影動画情報を取得すると共に該動作マニュアル動画情報を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-172161号公報
【特許文献2】特開2003-173134号公報
【特許文献3】特開2015-219250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
昨今の社会情勢に鑑み、企業の様々な研修において、従前の集合又対面形式の研修に代えて、オンライン形式の研修のニーズが高まっている。一方で、上記従来の教育システムは、ロールプレイングを実施するような研修を考慮しておらず、そのような研修に十分なものとはいえなかった。例えば、研修で受講者に課されるロールプレイングでは、それを実施する受講者にとって、その振り返りを確認することが非常に有効であるにも拘わらず、上記従来の教育システムは、受講者にこのような振り返りを容易にさせる環境を提供していなかった。
【0008】
そこで、本発明は、研修におけるロールプレイングの実演を通して、研修・教育効果を向上させることができる研修支援システムを提供することを目的とする。
【0009】
より具体的には、本発明の目的は、研修において課される受講者(学習者)によるロールプレイングの実演後の振り返りを容易にし、研修・教育効果を向上することができる研修支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、以下に示す発明特定事項乃至は技術的特徴を含んで構成される。
【0011】
ある観点に従う本発明は、学習者の学習者端末及び講師の講師端末と通信可能に接続される研修支援サーバである。前記研修支援サーバは、前記学習者に関する情報を記憶する学習者データベースと、課題に対するロールプレイングの模範解答を示す動画に係る模範解答動画データ、前記課題に関連する複数のキーワードを含むキーワードリスト、及び前記模範解答に沿ったチェックリストを相互に関連付けて記憶する研修コンテンツデータベースとを備える。更に、前記研修支援サーバは、前記学習者が実演した前記ロールプレイングを撮影することに得られるロールプレイング動画データを前記学習者端末から取得するロールプレイング動画データ取得部と、取得した前記ロールプレイング動画データに関連付けられた音声データに基づいて、テキストデータを生成するテキストデータ生成部と、生成された前記テキストデータに含まれる複数のテキストのうち、前記キーワードリストに含まれる前記複数のキーワードの少なくともいずれかに対応する特定のテキストに対して所定の属性情報を関連付けることにより得られる拡張テキストデータを生成するテキスト処理部と、前記拡張テキストデータと前記研修コンテンツデータベースに記憶された前記チェックリストとを含む振り返り画面を前記学習者端末上に表示させるために、少なくとも、前記テキストデータと前記チェックリストとを含む振り返り画面データを生成する振り返り画面データ生成部と、前記振り返り画面データに基づく前記振り返り画面における前記チェックリストに対して、前記学習者が入力した評価項目を含むレポートを前記学習者端末から取得するレポート処理部とを備える。また、前記振り返り画面データは、前記ロールプレイング動画データを再生表示可能に構成される。
【0012】
ここで、前記振り返り画面は、前記所定の属性情報が付加された前記特定のテキストが視覚的に区別される態様で表示され得る。また、前記所定の属性情報は、前記振り返り画面において、強調、異なる色、太字、下線、斜体、及び点滅の少なくともいずれかで視覚的に区別される態様で表示されるように制御する情報であり得る。
【0013】
また、前記学習者データベースは、前記レポート処理部により受信された前記レポートを格納する。
【0014】
また、前記研修支援サーバは、前記学習者端末から受信した前記レポートに基づく評価画面が前記講師端末上に表示させるために、前記拡張テキストデータと前記レポートとを含む評価画面データを生成する評価画面データ生成部を更に備える。
【0015】
また、前記研修支援サーバは、前記評価画面に対して前記講師が入力した評価結果を含む評価結果データを前記講師端末から取得する評価結果処理部を更に備える。そして、前記学習者データベースは、前記評価結果処理部により取得された前記評価結果データを格納する。
【0016】
また、前記評価結果処理部は、前記評価結果に基づく評価結果画面が前記学習者端末上に表示されるように、取得された前記評価結果データを前記学習者端末に送信するように制御する。
【0017】
また、別の観点に従う本発明は、学習者に対する研修を支援するための研修支援サーバに通信可能に接続される学習者端末である。前記学習者端末は、前記学習者が実演するロールプレイングを撮影する撮影部と、前記撮影部により取得されるロールプレイング動画データを前記研修支援サーバに送信するロールプレイング動画データ送信部と、送信した前記ロールプレイング動画データに応答して前記研修支援サーバから送信される、前記ロールプレイングに対するチェックリストと前記音声データから変換されたテキストデータに基づく拡張テキストデータとを含む振り返り画面データを受信する振り返り画面データ受信部と、受信した前記振り返り画面データに基づいて振り返り画面がユーザインターフェース部に表示されるように制御する表示制御部とを備える。また、前記表示制御部は、前記振り返り画面において前記ロールプレイング動画データが再生表示されるように制御する。
【0018】
ここで、前記拡張テキストデータは、前記ロールプレイングの模範解答に係る複数のキーワードに対応する特定のテキストに関連付けられた所定の属性情報を含み得る。そして、前記表示制御部は、前記所定の属性情報が関連付けられた前記特定のテキストが前記振り返り画面データにおいて視覚的に区別される態様で前記拡張テキストデータが前記ユーザインターフェース部に表示されるように制御する。
【0019】
また、前記振り返り画面は、前記拡張テキストデータを表示する拡張テキストデータ表示領域と、前記拡張テキストデータ表示領域に隣接して配置された、前記チェックリストを表示するチェックリスト表示領域と、前記ロールプレイング動画データを再生表示する動画再生表示領域とを含む。
【0020】
また、前記ユーザインターフェース部は、前記チェックリストに対して前記学習者によって入力される評価項目を受け付ける。
【0021】
また、前記学習者端末は、受け付けた前記評価項目を含むレポートを前記研修支援サーバに送信するように制御を行う。
【0022】
前記学習者端末は、送信した前記レポートに対する講師による評価結果を含む評価結果データを受信する。そして、前記表示制御部は、受信した評価結果データに含まれる前記評価結果が前記ユーザインターフェース部に表示されるように制御を行う。
【0023】
また、前記学習者端末は、前記ロールプレイングの模範解答を示す動画に係る模範解答動画データを受信する。そして、前記表示制御部は、前記模範解答動画データに基づく前記動画を前記ユーザインターフェース部に表示されるように制御する。
【0024】
また、別の観点に従う本発明は、研修支援サーバと、前記研修支援サーバに通信可能に接続される学習者端末とを備える研修支援システムである。前記研修支援サーバは、学習者に関する情報を記憶する学習者データベースと、課題に対するロールプレイングの模範解答を示す動画に係る模範解答動画データ、前記課題に関連する複数のキーワードを含むキーワードリスト、及び前記模範解答に沿ったチェックリストを相互に関連付けて記憶する研修コンテンツデータベースと、前記学習者が実演した前記ロールプレイングを撮影することに得られるロールプレイング動画データを前記学習者端末から取得するロールプレイング動画データ取得部と、取得した前記ロールプレイング動画データに関連付けられた音声データに基づいて、テキストデータを生成するテキストデータ生成部と、生成された前記テキストデータに含まれる複数のテキストのうち、前記キーワードリストに含まれる前記複数のキーワードの少なくともいずれかに対応する特定のテキストに対して所定の属性情報を関連付けることにより得られる拡張テキストデータを生成するテキスト処理部と、前記拡張テキストデータと前記研修コンテンツデータベースに記憶された前記チェックリストとを含む振り返り画面を前記学習者端末上に表示させるために、前記テキストデータと前記チェックリストとを含む振り返り画面データを生成する振り返り画面データ生成部と、前記振り返り画面データに基づく前記振り返り画面における前記チェックリストに対して、前記学習者が入力した評価項目を含むレポートを前記学習者端末から取得するレポート処理部とを備える。前記振り返り画面データは、前記ロールプレイング動画データを再生表示可能に構成される。また、前記学習者端末は、前記学習者が実演する前記ロールプレイングを撮影する撮影部と、前記撮影部により取得されるロールプレイング動画データを前記研修支援サーバに送信するロールプレイング動画データ送信部と、送信した前記ロールプレイング動画データに応答して前記研修支援サーバから送信される、前記ロールプレイングに対する前記チェックリストと前記音声データから変換された前記テキストデータに基づく前記拡張テキストデータとを含む振り返り画面データを受信する振り返り画面データ受信部と、受信した前記振り返り画面データに基づいて振り返り画面がユーザインターフェース部に表示されるように制御する表示制御部とを備える。
【0025】
なお、「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、研修において課される受講者(学習者)によるロールプレイングの実演後の振り返りを容易にし、研修・教育効果を向上することができるようになる。
【0027】
本発明の他の技術的特徴、目的、及び作用効果乃至は利点は、添付した図面を参照して説明される以下の実施形態により明らかにされる。本明細書に記載された効果乃至は利点はあくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果乃至は利点があっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムの概略的構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける研修支援サーバの構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る研修支援サーバの学習者データベースのデータ構造の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る研修支援サーバの研修コンテンツデータベースのデータ構造の一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末の構成の一例を示すブロックダイアグラムである。
【
図6A】
図6Aは、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける一連の処理の流れの一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【
図6B】
図6Bは、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける一連の処理の流れの一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【
図6C】
図6Cは、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける一連の処理の流れの一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末のユーザインターフェース部上に表示される研修トップ画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末のユーザインターフェース部上に表示される研修課題実施画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末のユーザインターフェース部上に表示される研修課題実施画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末のユーザインターフェース部上に表示される研修課題実施画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末のユーザインターフェース部上に表示される研修課題実施画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末のユーザインターフェース部上に表示される研修振り返り画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末のユーザインターフェース部上に表示される研修振り返り画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末のユーザインターフェース部上に表示される研修振り返り画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末のユーザインターフェース部上に表示される研修模範解答画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末のユーザインターフェース部上に表示される研修トップ画面の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末のユーザインターフェース部上に表示される評価結果画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(例えば各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムの概略的構成の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、研修支援システム1は、例えば、通信ネットワーク10を介して通信可能に接続された、研修支援サーバ20と、学習者端末30と、講師端末40とを含み構成される。
【0031】
通信ネットワーク10は、IPベースのコンピュータネットワークによって構築されたインターネットであるが、これに限られず、ノード間通信を可能にするネットワークであれば良い。例えば、通信ネットワーク10は、移動通信システム規格に準拠した移動通信ネットワークや、無線基地局ないしは無線アクセスポイントによって構築される無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標)等)を含み得る。
【0032】
研修支援サーバ20は、研修を受講する学習者又は受講者(以下、単に「学習者」という。)に対してオンライン形式の研修を支援するためのサービスを提供する。研修には、学習者によるロールプレイングのような実技演習が含まれる。研修支援サーバ20は、図示していないが、CPU(プロセッサ)やチップセット、メモリ、通信インターフェース、ユーザインターフェース、各種入出力デバイス等のハードウェア資源及びオペレーティングシステム(例えばカーネル、各種のデバイスドライバ、標準ライブラリ等を含み構成され得る。以下「OS」という。)のソフトウェア資源から構成されるコンピューティングデバイスである。
【0033】
研修支援サーバ20は、各種のデータベース210を含む。データベース210は、研修支援サーバ20の一部として構成されても良いし、NAS(Network Attached Storage)として構成されても良く、或いは、研修支援サーバ20とは別のサイトに構成されても良い。データベース210は、後述するように、例えば、学習者データベース212と、研修コンテンツデータベース214とを備える。
【0034】
研修支援サーバ20は、プロセッサの制御の下、研修支援サーバプログラムを実行して、学習者端末30及び講師端末40に対してオンライン形式の研修の実施を支援するための各種の機能を実現する。例えば、研修支援サーバ20は、後述するように、学習者端末30からアップロードされた学習者のロールプレイングに関する動画データ(以下「ロールプレイング動画データ」という。)を受信し、該ロールプレイング動画データに関連付けられた又は含まれる音声データからテキストデータを生成する。また、研修支援サーバ20は、生成されたテキストデータについて、特定のキーワードに対応するテキストが視覚的に区別される態様で表示されるように、所定の属性情報を関連付けるためのテキスト処理を行う。本開示では、このような所定の属性情報が関連付けられたテキストデータを拡張テキストデータというものとする。例えば、リッチテキストデータやHTMLデータ等は、拡張テキストデータの一態様である。更に、研修支援サーバ20は、拡張テキストデータ及びチェックリストロールプレイングの模範解答を示す動画に係る動画データ(模範解答動画データ)を学習者端末30に送信する。更に、研修支援サーバ20は、学習者のロールプレイング動画データ又はロールプレイングの模範解答を示す動画に係る動画データ(模範解答動画データ)を学習者端末30に送信する。更に、研修支援サーバ20は、学習者端末30からアップロードされた学習者のレポートを受信する一方、講師端末40に、学習者のレポートを送信して、講師による評価を可能にする。
【0035】
学習者端末30は、研修を受講する各学習者が操作するコンピューティングデバイスである。本例では、学習者端末30は、動画を撮影するためのカメラモジュール及び音声入力モジュールを備える。学習者端末30は、研修支援サーバ20のクライアントとして機能して、学習者側でのオンライン研修環境を提供する。例えば、学習者端末30は、アプリケーションプログラムとしてブラウザプログラムを実装し、該ブラウザプログラムの実行により実現されるブラウザを介して、学習者にオンライン研修の受講環境を提供する。或いは、学習者端末30は、学習者側でのオンライン研修環境を実現するための学習者用研修支援クライアントプログラムを実装していても良い。
【0036】
例えば、学習者端末30は、学習者のロールプレイングの実演状況を撮影し、ロールプレイング動画データを取得する。また、学習者端末30は、撮影により取得した動画データを、通信ネットワーク10を介して、研修支援サーバ20にアップロードする。また、学習者端末30は、通信ネットワーク10を介して研修支援サーバ20から送信される振り返り画面データに基づいて、学習者に振り返り画面を提供する。また、学習者端末30は、振り返り画面におけるチェックリストに従って、学習者に自身のロールプレイングについてセルフチェックさせることにより、そのレポートを作成し、通信ネットワーク10を介して、研修支援サーバ20にアップロードする。また、学習者端末30は、通信ネットワーク10を介して研修支援サーバ20から送信される模範解答動画データに基づいて、動画を再生し表示する。
【0037】
講師端末40は、研修において講師が操作するコンピューティングデバイスである。図中、講師端末40は、1つのみ示されているが、これに限られない。講師端末40もまた同様に、研修支援サーバ20のクライアントとして機能して、講師側でのオンライン研修環境を提供する。例えば、講師端末40は、アプリケーションプログラムとしてブラウザプログラムを実装し、該ブラウザプログラムの実行により実現されるブラウザを介して、講師にオンライン研修での指導環境を提供する。
【0038】
例えば、講師端末40は、講師が学習者のロールプレイングを確認できるように、研修支援サーバ20にアップロードされた学習者のロールプレイング動画データに基づく動画を再生し表示する。また、講師端末40は、研修支援サーバ20から送信される学習者のレポートに対して、講師による評価結果の入力を受け付けて、これに基づく評価結果データを研修支援サーバ20にアップロードする。
【0039】
図2は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける研修支援サーバの構成の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、本実施形態の研修支援サーバ20は、例えば、データベース210、通信インターフェース部220、及びタスク処理部230といったコンポーネントを含み構成される。これらのコンポーネントは、プロセッサの制御の下、研修支援サーバプログラムが実行されることにより、研修支援サーバ20のハードウェア資源及び/又はソフトウェア資源の協働によって実現される。
【0040】
データベース210は、研修を支援するために必要な各種のデータを格納し、管理するデータベースシステムである。データベース210は、図示しないデータベース制御部の制御の下、タスク処理部230によるアクセス要求に応じて、動作する。本開示では、データベース210は、例えば、学習者データベース212と、研修コンテンツデータベース214とを含み構成される。
【0041】
学習者データベース212は、研修を受講する各学習者に関する情報を格納する。
図3は、本発明の一実施形態に係る研修支援サーバの学習者データベースのデータ構造の一例を説明するための図である。同図に示すように、学習者データベース212の各レコードは、例えば、学習者ID、氏名、所属、研修名、研修年月日、及びフォルダID等のフィールドを含む。フォルダIDは、学習者が研修において作成し提出した各種の研修データの実体を所定のファイル形式で格納するフォルダを指し示すためのIDである。例えば、各学習者のフォルダには、該学習者のロールプレイング動画データやテキストデータ、レポート等が格納される。
【0042】
研修コンテンツデータベース214は、研修において使用される各種のコンテンツ(以下「研修コンテンツ」という。)を格納する。研修コンテンツは、例えば、研修で提示される課題及びそれらに対する模範解答に関する情報(例えば模範解答動画)を含み、研修IDごとに管理される。
図4は、本発明の一実施形態に係る研修支援サーバの研修コンテンツデータベースのデータ構造の一例を説明するための図である。同図に示すように、研修コンテンツデータベース214の各レコードは、研修ID、課題ID、模範解答動画ID、キーワードリストID、及びチェックリストID等のフィールドを含む。本例では、課題に係る資料、模範解答、キーワードリスト、及びチェックリストのデータの実体は、それぞれ、課題ID、模範解答ID、キーワードリストID、及びチェックリストIDが指し示すフォルダに格納される。
【0043】
課題資料データは、研修のために用意された課題において学習者に参照されるべきデータであり、課題を説明するためのテキスト及びその動画に係る動画データを含む。
【0044】
模範解答データは、研修で提示される課題に対する模範解答に係るテキストデータ及び例えば研修を提供する側が予め作成した模範解答動画データを含む。模範解答データは、例えば、学習者の要求に応じて模範解答データフォルダから読み出されて、学習者端末30に送信される。
【0045】
キーワードリストは、例えばロールプレイングの実施にあたって、課題に関連して学習者が話すべきキーワードが登録されたリストである。なお、本開示では、キーワードは、単語のみならず複合語やフレーズを含む広い概念で用いられる。一例として、「自社商材Aの代表的な機能について説明する」という課題のロールプレイングにおいて、「完全習得」が自社商材Aの特徴の一つであるとすると、「従来のドリル」、「従来の教材」、「繰り返し学習」、「完全な理解」、及び「完全習得」等がキーワードとしてキーワードリストに登録されている。
【0046】
また、チェックリストは、例えばロールプレイングの実施にあたって、課題が学習者の解答に対して期待しているポイント(評価項目)を示すリストである。チェックリストは、例えば、評価項目ごとに設けられたチェックボックスを含む。学習者は、学習者端末30に表示されるチェックリストのチェックボックスに対して入力(チェック)することができる。
【0047】
図2に戻り、通信インターフェース部220は、通信ネットワーク10を介したコンピュータ通信を可能にする。例えば、通信インターフェース部220は、学習者端末30及び/又は講師端末40とIPベースのコンピュータ通信を行って、各種のデータの送受信を可能にする。通信インターフェース部220は、例えば、送信部及び受信部を含み構成される。
【0048】
タスク処理部230は、研修支援サーバ20における各種のタスク(プロセス)を実行し処理する。同図では、タスク処理部230は、ロールプレイング動画データ取得部231と、テキストデータ生成部232と、テキスト処理部233と、振り返り画面データ生成部234と、レポート処理部235と、評価画面データ生成部236と、評価結果処理部237とを含む。
【0049】
ロールプレイング動画データ取得部231は、各学習者の学習者端末30からアップロードされたロールプレイング動画データを、通信インターフェース部220を介して、取得する。ロールプレイング動画データ取得部231は、取得したロールプレイング動画データが学習者データベース212に格納されるように制御を行う。これにより、学習者のロールプレイング動画データは、学習者データベース212の該学習者の研修フォルダに格納される。また、ロールプレイング動画データ取得部231は、取得したロールプレイング動画データをテキストデータ生成部232に引き渡す。
【0050】
テキストデータ生成部232は、ロールプレイング動画データに関連付けられた音声データに基づいて、テキストデータを生成する。例えば、テキストデータ生成部232は、音声データに対して音声認識技術を用いてテキスト変換を行い、テキストデータ(プレーンテキストデータ)を生成する。音声認識技術は、既知のものを用いることができる。また、テキストデータ生成部232は、認識精度を補完するため、テキスト変換されたテキストデータに対して自然言語処理を行っても良い。
【0051】
テキスト処理部233は、研修コンテンツデータベース214を用いて、生成されたテキストデータに基づく拡張テキストデータを生成する。上述したように、拡張テキストデータは、特定のテキストが視覚的に区別される態様で表示されるように、所定の属性情報が関連付けられたテキストデータである。具体的には、テキスト処理部233は、まず、生成されたテキストデータを例えば自然言語処理(テキストマイニング)によりいくつかのテキストに分解する。ここでいうテキストは、1つの形態素及び2つ以上の形態素の組み合わせを含む概念である。続いて、テキスト処理部233は、研修コンテンツデータベース214のキーワードリストを参照して、キーワードリストに登録されたキーワードに対応するテキストを抽出し、抽出したテキストに所定の属性情報を関連付け、これにより、拡張テキストデータを生成する。視覚的に区別される属性情報とは、例えば、文字(テキスト)を修飾する強調、異なる色、太字、下線、斜体、及び点滅の少なくともいずれかを示す情報である。
【0052】
振り返り画面データ生成部234は、学習者に自己のロールプレイングの振り返りを促すための振り返り画面を学習者端末30上に表示させるための振り返り画面データを生成する。振り返り画面では、後述するように、例えば、模範解答や学習者が撮影した動画を再生するための動画再生表示領域と、生成された拡張テキストデータに基づく文字修飾付きのテキスト(拡張テキスト)を表示するテキスト表示領域と、チェックリストを表示するチェックリスト表示領域とを含む。振り返り画面データ生成部234は、生成された拡張テキストデータと、研修コンテンツデータベース214に格納されたチェックリストとに基づいて、振り返り画面データを生成する。振り返り画面データ生成部234は、生成した振り返り画面データを、通信インターフェース部220を介して、学習者端末30に送信する。
【0053】
レポート処理部235は、学習者端末30からアップロードされる学習者のレポートを処理する。例えば、レポート処理部235は、各学習者の学習者端末30からアップロードされ、通信インターフェース部220により受信されるレポートを取得し、学習者データベース212に格納されるように制御を行う。
【0054】
評価画面データ生成部236は、講師が学習者のロールプレイングを評価するための評価画面を講師端末40上に表示させるための評価画面データを生成する。具体的には、評価画面データ生成部236は、取得したレポートと、学習者によってチェックされたチェックリストとに基づいて、評価画面データを生成する。評価画面データ生成部236は、生成した評価対象画面データを、通信インターフェース部220を介して、講師端末40に送信する。
【0055】
評価結果処理部237は、送信した評価画面データに対して、講師端末40からアップロードされる評価結果を含む評価結果データを取得する。評価結果処理部237は、取得した評価結果データを学習者データベース212に格納する。また、評価結果処理部237は、取得した評価結果データを、学習者の要求に応答して、学習者端末30に送信する。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末の構成の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、本実施形態の学習者端末30は、例えば、制御部301と、記憶部302と、通信インターフェース部303と、ユーザインターフェース部304と、撮影部305といったコンポーネントを含み構成される。
【0057】
制御部301は、学習者端末30の動作を統括的に制御する。制御部301は、プロセッサの制御の下、OS上でアプリケーションプログラムが実行されることにより、各種のハードウェア資源及びソフトウェア資源が協働することで実現される。制御部301は、プロセッサの制御の下、例えば、ブラウザプログラムを実行して、ユーザインターフェース部304上にブラウザを実現し、ブラウザを介して各種の処理を実行するように制御を行う。
【0058】
例えば、制御部301は、学習者の操作の下、撮影部305を制御して、学習者のロールプレイングの実施状況を撮影し、ロールプレイング動画データを取得するロールプレイング動画データ取得部として機能する。また、制御部301は、撮影により取得したロールプレイング動画データを、通信インターフェース部303を介して、研修支援サーバ20にアップロードするように制御を行うロールプレイング動画データ送信部として機能する。また、制御部301は、通信インターフェース部303を介して研修支援サーバ20から送信される振り返り画面データを受信する振り返り画面データ受信部として機能する。また、制御部301は、受信した振り返り画面がユーザインターフェース部304上のブラウザに表示されるように制御を行う表示制御部として機能する。また、制御部301は、振り返り画面において学習者がチェックしたチェックリストに基づいてレポートを作成し、通信インターフェース部303を介して、研修支援サーバ20にアップロードするレポート作成部として機能する。また、制御部301の表示制御部は、通信インターフェース部303を介して研修支援サーバ20から送信される模範解答動画データに基づいて、動画を再生し表示する。
【0059】
記憶部302は、各種のプログラム及びデータを記憶し、制御部301の利用に供される。例えば、記憶部302は、OS及び各種のアプリケーションプログラムを記憶する。アプリケーションプログラムの一例として、ブラウザプログラムがある。
【0060】
通信インターフェース部303は、通信ネットワーク10を介した研修支援サーバ20とのコンピュータ通信を可能にする。例えば、通信インターフェース部303は、研修支援サーバ20とIPベースのコンピュータ通信を行って、各種のデータの送受信を可能にする。通信インターフェース部303は、例えば、送信部及び受信部を含み得る。
【0061】
ユーザインターフェース部304は、学習者が学習者端末30をインタラクティブに操作するためのコンポーネントである。ユーザインターフェース部304は、例えば、キーボードやマウスといった入力デバイスとディスプレイやスピーカといった出力デバイスを含み構成される。或いは、ユーザインターフェース部304は、タッチパネルのような入力デバイスと出力デバイスとが一体的に構成されたものであっても良い。
【0062】
撮影部305は、例えば静止画又は動画を撮影可能なカメラモジュールである。本開示では、便宜上、撮影部305は、動画の撮影に連動して音声等を集音するマイクのような音声入力デバイス(図示せず)を含むものとする。撮影部305は、動画の撮影による動画データ及びこれに関連付けられた音声データを制御部301に出力する。
【0063】
なお、本開示では、撮影部305は、学習者端末30の一部として構成されたが、これに限られず、学習者端末30と物理的に別体で構成されたものであっても良い。例えば、動画撮影機能を有するスマートフォンのようなインテリジェントデバイスは、本開示でいう撮影部305に相当し得る。例えば、学習者は、スマートフォンを用いて、ロールプレイング動画を撮影し、その動画データを学習者端末30に転送しても良い。
【0064】
講師端末40は、学習者端末30の同様の構成を有するが、撮影部305が省略されても良い。講師端末40の構成は、学習者端末30の同様であるため、その説明を省略する。
【0065】
図6A~
図6Cは、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける一連の処理の流れの一例を説明するためのシーケンスチャートである。また、
図7~
図19は、本発明の一実施形態に係る研修支援システムにおける学習者端末に表示される各種の画面の一例を示す図である。以下、これら
図6A~
図6C及び
図7~
図19を参照しながら、研修支援システムにおける一連の処理の流れを説明する。
【0066】
図6Aを参照して、学習者は、学習者端末30を操作して、研修支援サーバ20が提供する研修サイトにアクセスする(S601)。例えば、学習者は、学習者端末30上のブラウザに研修サイトのURLを入力し、これにより、学習者端末30は、該URLに従って、研修支援サーバ20に研修サイトへのアクセス要求を送信する。
【0067】
研修支援サーバ20は、学習者端末30からアクセス要求を受けると、これに応答して、学習者端末30に学習者用の研修トップ画面を表示させるために、研修画面データを生成し、送信する(S602)。典型的には、研修支援サーバ20は、学習者端末30からアクセス要求を受け、所定のユーザ認証を行った後、学習者端末30に学習者ごとの研修トップ画面を提供する。
【0068】
学習者端末30は、研修支援サーバ20から研修画面データを受信して、これに基づいて、例えば
図7に示すような研修トップ画面700をユーザインターフェース部304上に表示する(S603)。研修トップ画面700は、同図に示すように、例えば、ナビゲーション領域701と、ガイダンスメニュー領域702と、研修メニュー領域703とを含み構成される。
【0069】
学習者は、研修メニュー領域703に表示された複数の研修メニュー(本例では3つ)のうちの所望の研修に進むことができる。ここで、例えば、学習者は、「1.商品の特徴(1) :完全習得」(以下「研修I」という。)の「問題を解く」ボタン703aを選択したとする。これにより、学習者端末30は、研修支援サーバ20に研修Iの次画面を要求し、研修支援サーバ20から送信される画面データに基づいて、例えば
図8に示すような研修画面800を表示する。
【0070】
研修画面800は、学習者に、研修Iの課題「自社商材Aの代表的な機能について説明する」をロールプレイングにより実演させるための画面である。学習者は、研修画面800に示された課題及びその説明を確認し、更に、出題に係る動画を視聴することができる。学習者は、研修画面800で示される指示に従い、撮影部305の前でロールプレイングを実演する。学習者端末30は、学習者の操作の下、学習者のロールプレイングを撮影し、ロールプレイング動画データを取得すると、これを研修支援サーバ20にアップロード(送信)する(
図6AのS604)。
【0071】
例えば、学習者は、研修画面800を参照して、課題の内容を把握した後、「録画準備」ボタン801を選択する。これにより、学習者端末30は、研修支援サーバ20に次の画面を要求し、研修支援サーバ20から送信される画面データに基づいて、例えば
図9に示すような研修画面900を表示する。或いは、学習者端末30は、「録画準備」ボタン801の選択を受けて、画面データに埋め込まれたスクリプトに従って、画面の内容を研修画面900に切り替えるように制御しても良い。学習者は、研修画面900における「録画開始」ボタン901を選択し、これにより、撮影部305による撮影が開始する。例えば
図10は撮影部305による撮影中の研修画面1000を示している。学習者は、撮影部305の前でのロールプレイングの実演を終了する場合、研修画面1000の「録画終了」ボタン1001を選択し、撮影部305による撮影を終了させる。これにより、学習者端末30は、例えば
図11に示すような研修画面1100に切り替える。学習者は、研修画面1100において、動画の撮り直しを希望する場合には、「撮り直し」ボタン1101を選択する一方、動画の撮り直しの必要がないと判断する場合には、「レポートを作る」ボタン1102を選択する。学習者が「レポートを作る」ボタン1102を選択した場合、学習者端末30は、撮影により得られたロールプレイング動画データを研修支援サーバ20にアップロードする。これにより、課題に対する学習者のロールプレイングの実施は終了する。
【0072】
図6Aに戻り、研修支援サーバ20は、学習者端末30から送信されるロールプレイング動画データを受信すると、これを学習者データベース212に格納する(S605)。ロールプレイング動画データは、学習者データベース212における学習者の研修フォルダに格納される。続いて、研修支援サーバ20は、テキストデータ生成部232により、ロールプレイング動画データに関連付けられた音声データに基づいて、テキストデータを生成し、これを学習者データベース212に格納する(S606)。
【0073】
次に、研修支援サーバ20は、テキスト処理部233により、研修コンテンツデータベース214のキーワードリストを参照して、キーワードリストに登録されたキーワードに対応するテキストを抽出し、抽出したテキストに所定の属性情報を関連付け、これにより、拡張テキストデータを生成する(S607)。続いて、研修支援サーバ20は、研修コンテンツデータベース214を参照して、学習者が選択している研修に対応するチェックリストを抽出する(S608)。更に、研修支援サーバ20は、学習者にロールプレイングの振り返りをさせるために、生成した拡張テキストデータと抽出したチェックリストとに基づいて、振り返り画面データを生成し、学習者端末30に送信する(S609)。
【0074】
学習者端末30は、研修支援サーバ20から送信される振り返り画面データを受信すると、受信した振り返り画面データに基づいて、例えば
図12に示すような振り返り画面1200をユーザインターフェース部304上に表示する(
図6BのS610)。学習者端末30は、振り返り画面1200において、学習者が自身のロールプレイングを振り返り、チェックリストの各評価項目に対して入力されるセルフチェックを受け付ける(S611)。更に、学習者端末30は、学習者からレポート提出の指示を受け付けると、チェック済みのチェックリストを含むレポートデータを研修支援サーバ20に送信する(S612)。研修支援サーバ20は、学習者端末30から送信されるレポートデータを受信して、学習者データベース212に格納する(S613)。
【0075】
図12に示されるように、振り返り画面1200には、例えば複数のタブ1201が用意されている。ここでは「模範レポート」タブ1201a及び「レポート1」タブ1201bが示されている。学習者は、タブ1201のいずれかを選択することにより、画面の表示内容を切り替えることができる。例えば、学習者は、「模範レポート」タブ1201aを選択することで、課題に対する模範解答動画を視聴することができる(
図15参照)。
【0076】
振り返り画面1200の「レポート1」タブ1201bでは、動画再生表示領域1202と、テキスト表示領域1203と、チェックリスト表示領域1204と、講師コメント領域1205とを含み構成される。動画再生表示領域1202は、学習者のロールプレイング動画データを再生し、ロールプレイング動画を表示するための領域である。テキスト表示領域1203は、ロールプレイング時の音声に基づくテキストを表示する領域である。テキスト表示領域1203に表示されるテキストは、キーワードリストに含まれるキーワードに対応するテキストが視覚的に区別されるように表示される拡張テキストである。同図では、「完全理解」、「完全定着」、「完全に習得」、「類題」、「完全理解」、「忘れやすいタイミング」、及び「再度学習」といったテキストが強調表示された例が示されている。チェックリスト表示領域1204は、学習者が動画再生表示領域1202に再生表示されるロールプレイング動画を視聴し、テキスト表示領域1203に表示されたテキストを確認しながら、課題に対する解答のポイント(評価項目)をセルフチェックするための領域である。学習者は、チェックリスト表示領域1204に設けられたチェックボックスにチェックを入れることができる。講師コメント領域1205は、研修を指導する講師によるコメントを表示する領域である。
【0077】
学習者は、振り返り画面1200において、自身のロールプレイングを振り返り、必要に応じて、「もう一度レポートを作る」ボタン1206を選択することにより、ロールプレイングの撮影からやり直し、もう一度レポートを作成することができる。一方、学習者は、振り返り画面1200において、「レポート提出」ボタン1207を選択することにより、レポートを講師に提出することができる。学習者は、振り返り画面1200レポートを提出し終えた場合、研修サイトを一旦離れることができる。
【0078】
学習者が「もう一度レポートを作る」ボタン1206を選択し、ロールプレイングを撮影してそのロールプレイング動画データをアップロード後、
図11に示したような研修画面1100で「レポートを作る」ボタン1102を選択すると、学習者端末30は、研修支援サーバ20から送信される振り返り画面データに基づいて、
図13に示すようなレポートの作り直しによる振り返り画面1300を表示する。
図13に示す振り返り画面1300では、新たに「レポート2」タブ1201cが追加されている。同様に、学習者は、振り返り画面1300において、「もう一度レポートを作る」ボタン1206を選択することにより、
図14に示すようなレポートの作り直しによりタブ1201dが追加された振り返り画面1400を得ることができる。このように、学習者は、既にレポートを作成した場合であっても、必要に応じて、「レポートを作る」ボタン1102を選択することにより、レポートの作成を繰り返すことができる。
【0079】
なお、学習者は、任意に、「模範レポート」タブ1201aを選択することにより、
図15に示すような模範解答画面1500を見ることができる。模範解答画面1500では、学習者は、動画再生表示領域1202’において課題に対する模範解答のロールプレイング動画を視聴することができ、また、テキスト表示領域1203’においてその音声に基づくテキストを確認することができる。更に、学習者は、チェックリスト領域1204’においてチェックリストの各項目を確認することができる。また、学習者は、解説領域1501において、研修や課題に対する解説を確認することができる。
【0080】
図6Bに戻り、研修支援サーバ20は、学習者端末30から受信したレポートデータを学習者データベース212に格納すると、レポート提出完了通知を講師端末40に送信する(S614)。レポート提出完了通知は、例えば、プッシュ通知により送信されても良いし、Eメールにより送信されても良い。
【0081】
講師端末40は、研修支援サーバ20から送信されるレポート提出完了通知を受信し、これをユーザインターフェース部上に表示する(S614)。これにより、講師は、研修を受講している学習者からレポートが提出されたことを知ることができる。
【0082】
図6Cを参照して、レポート提出完了通知を受け取った講師は、講師端末40を操作して、研修支援サーバ20が提供する研修サイトにアクセスする(S615)。講師は、例えば受信したレポート提出完了通知に含まれるURLを選択し、これにより、講師端末40は、研修支援サーバ20に、研修サイトへのアクセス要求を送信する。
【0083】
研修支援サーバ20は、講師端末40からアクセス要求を受けると、これに応答して、講師端末40に講師用の評価画面を表示させるために、評価画面データを生成し、送信する(S616)。典型的には、研修支援サーバ20は、講師端末40からアクセス要求を受け、所定のユーザ認証を行った後、講師端末40に評価画面を提供する。
【0084】
講師端末40は、研修支援サーバ20から研修画面データを受信して、これに基づいて、評価画面を講師端末40のユーザインターフェース部に表示する(S617)。講師は、評価画面に対して学習者のレポートに対して評価を入力する。評価画面は、例えば
図12~14に示した振り返り画面と同様であり、チェックリストを含み得る。講師は、学習者のレポートに対して評価を入力すると、これにより、講師端末40は、入力された評価に基づいて評価結果データを生成し、送信する(S618)。
【0085】
研修支援サーバ20は、講師端末40から送信される評価結果データを受信すると、これを学習者データベース212に格納する(S619)。続いて、研修支援サーバ20は、評価完了通知を生成し、これを学習者端末30に送信する(S620)。これにより、学習者は、提出したレポートに対する講師による評価が完了したことを知ることができる。
【0086】
学習者端末30は、研修支援サーバ20から送信される評価完了通知を受信すると、これを表示する。これにより、学習者は、研修を担当している講師によるレポートに対する評価が完了したことを知ることができる。
【0087】
評価完了通知を受け取った学習者は、学習者端末30上のブラウザに研修サイトのURLを入力し、上述したように、研修サイトへアクセスする(S621)。これにより、学習者端末30は、例えば
図16に示すような研修トップ画面1600を表示する。研修トップ画面1600では、「コメントあり」アイコン1601が追加的に表示され、学習者は、講師のコメントが参照可能になっていることを知ることができる。学習者は、アイコン1601を選択すると、これを受けて、学習者端末30は、評価結果要求を研修支援サーバ20に送信する。
【0088】
研修支援サーバ20は、学習者端末30から評価結果要求を受けると、これに応答して、学習者データベース212を参照して、学習者の評価結果データを抽出し、これに基づいて評価結果画面データを生成し、送信する(S622)。
【0089】
学習者端末30は、研修支援サーバ20から評価結果画面データを受信して、これに基づいて、例えば
図17に示すような評価結果画面1700をユーザインターフェース部304上に表示する(S623)。評価結果画面1700では、チェックリスト表示領域1204における講師用のチェックボックスにチェックが入力され、講師コメント領域1205に講師のコメントが追加されている。
【0090】
以上のように、本実施形態によれば、学習者は、学習者端末30上の研修画面に従って、研修の課題であるロールプレイングを実演し、これを撮影することにより得られるロールプレイング動画データを研修支援サーバ20に簡単にアップロードすることができる。また、本実施形態によれば、研修支援サーバ20は、ロールプレイング動画データに基づいて、その音声をテキスト化し、更に、課題に関連したキーワードに対応するテキストを視覚的に区別した態様で、学習者に提示するので、学習者は、自身が実演したロールプレイングを容易に振り返ることができ、また、個別の評価項目について確実にセルフチェックをすることができるようになる。また、学習者は、セルフチェックに基づくレポートを研修支援サーバ20にアップロードし、講師による評価を受けることができ、その評価結果を容易に確認することができるようになる。
【0091】
上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
【0092】
例えば、本明細書に開示される方法においては、その結果に矛盾が生じない限り、ステップ、動作又は機能を並行して又は異なる順に実施しても良い。説明されたステップ、動作及び機能は、単なる例として提供されており、ステップ、動作及び機能のうちのいくつかは、発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略でき、また、互いに結合させることで一つのものとしてもよく、また、他のステップ、動作又は機能を追加してもよい。
【0093】
また、本明細書では、さまざまな実施形態が開示されているが、一の実施形態における特定のフィーチャ(技術的事項)を、適宜改良しながら、他の実施形態に追加し、又は該他の実施形態における特定のフィーチャと置換することができ、そのような形態も本発明の要旨に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
1…研修支援システム
10…通信ネットワーク
20…研修支援サーバ
210…データベース
212…学習者データベース
214…研修コンテンツデータベース
220…通信インターフェース部
230…タスク処理部
231…ロールプレイング動画データ取得部
232…テキストデータ生成部
233…テキスト処理部
234…振り返り画面データ生成部
235…レポート処理部
236…評価画面データ生成部
237…評価結果処理部
30…学習者端末
301…制御部
302…記憶部
303…通信インターフェース部
304…ユーザインターフェース部
305…撮影部
40…講師端末