(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165742
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】印刷装置のステージ機構
(51)【国際特許分類】
B41J 11/04 20060101AFI20221025BHJP
B41J 11/02 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
B41J11/04
B41J11/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071220
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】村山 朝彦
(72)【発明者】
【氏名】播摩 一
【テーマコード(参考)】
2C058
【Fターム(参考)】
2C058AB16
2C058AB17
2C058AE04
2C058AE08
2C058AE13
2C058AF06
2C058AF31
2C058AF59
2C058DA10
2C058DA12
2C058DA13
(57)【要約】
【課題】 印刷品質を向上可能な印刷装置のステージ機構を提供する。
【解決手段】 印刷ステージ8が、上側に膨らんだ湾曲面を有するようにした。また、印刷媒体6の搬送経路のうちの、印刷ステージ8よりも上流側の部分を、印刷媒体6を印刷ステージ8よりも下側から印刷ステージ8の上面に搬送する経路とし、印刷ステージ8よりも下流側の部分を、印刷媒体6を印刷ステージ8の上面から印刷ステージ8よりも下側に搬送する経路とした。そして、印刷媒体6が、印刷媒体6の長手方向に張力が付加されることで、印刷ステージ8の上面側に密着するようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される帯状の印刷媒体への印刷時に用いられる印刷装置のステージ機構であって、
印刷ヘッドの下方に位置し、前記印刷媒体を支持する印刷ステージを備え、
前記印刷ステージは、前記印刷媒体の搬送方向と直交する方向から見た場合に、上側に膨らんだ湾曲面を有しており、
前記印刷媒体の搬送経路のうちの、前記印刷ステージよりも上流側の部分が、前記印刷媒体を前記印刷ステージよりも下側から前記印刷ステージの上面に搬送する経路であり、前記印刷ステージよりも下流側の部分が、前記印刷媒体を前記印刷ステージの上面から前記印刷ステージよりも下側に搬送する経路であり、前記印刷媒体が、前記印刷媒体の長手方向に張力が付加されることで、前記印刷ステージの上面側に密着するようになっている
印刷装置のステージ機構。
【請求項2】
前記印刷ステージは、前記印刷媒体の搬送方向と直交する方向に軸方向を向けて配置され、軸回りに回転可能な円柱状ローラである
請求項1に記載の印刷装置のステージ機構。
【請求項3】
前記印刷ステージは、無端ベルトと、前記無端ベルトが周りに巻かれ、前記印刷媒体の搬送方向と直交する方向から見た場合に、前記無端ベルトが上下方向に扁平な楕円形状となるように前記無端ベルトを支持する複数のローラと、を備え、前記無端ベルトが楕円形状の無限軌道で回転運動可能である
請求項1に記載の印刷装置のステージ機構。
【請求項4】
前記印刷ヘッドの各ノズルと前記印刷ステージとの間の距離が0.5mm以上5.0mm以下の範囲内である
請求項1から3の何れか1項に記載の印刷装置のステージ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置のステージ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷ヘッドの下方に配置され、印刷媒体を支持する印刷ステージを備えた印刷装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。このような印刷装置では、印刷ステージとして、一般的に、印刷媒体の支持面が平面であるフラット式ステージが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、フラット式ステージを用いた場合、印刷ステージから印刷媒体が浮いて、印刷媒体のズレが発生することで、印刷ズレが発生し、印刷品質が低下する可能性があった。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、印刷品質を向上できる印刷装置のステージ機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る印刷装置のステージ機構は、(a)搬送される帯状の印刷媒体への印刷時に用いられる印刷装置のステージ機構であって、(b)印刷ヘッドの下方に位置し、印刷媒体を支持する印刷ステージを備え、(c)印刷ステージは、印刷媒体の搬送方向と直交する方向から見た場合に、上側に膨らんだ湾曲面を有しており、(d)印刷媒体の搬送経路のうちの、印刷ステージよりも上流側の部分が、印刷媒体を印刷ステージよりも下側から印刷ステージの上面に搬送する経路であり、印刷ステージよりも下流側の部分が、印刷媒体を印刷ステージの上面から印刷ステージよりも下側に搬送する経路であり、印刷媒体が、印刷媒体の長手方向に張力が付加されることで、印刷ステージの上面側に密着するようになっている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、印刷品質を向上可能な印刷装置のステージ機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る印刷装置の概略構成を示す図である。
【
図2】フラット式ステージの概略構成を示す図である。
【
図3】吸着機能有りフラット式ステージの概略構成を示す図である。
【
図4】変形例に係る印刷装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る印刷装置のステージ機構について、図面を参照しつつ説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識を基に設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた形態も、本発明の範囲に含まれる。また、各図面は、理解を容易にするため適宜誇張して表現している。
【0009】
(構成)
図1に示すように、印刷装置1は、繰出部2と、ステージ機構3と、印刷ヘッド4と、巻取部5とを備える。
繰出部2は、印刷媒体6が巻回された繰り出しロール7を軸回りに回転可能に保持している。印刷媒体6としては、例えば、帯状の樹脂フィルム、紙を採用できる。樹脂フィルム、紙としては、特に限定されず、既知の樹脂フィルム、紙を用いることができる。そして、繰出部2は、保持している繰り出しロール7から、印刷媒体6を繰り出してステージ機構3に移送する。また、繰出部2による印刷媒体6の繰出速度、及び巻取部5による印刷媒体6の巻取速度は、印刷媒体6の長手方向に張力が付加されるように設定される。
ステージ機構3は、搬送される帯状の印刷媒体6への印刷時に用いられる機構である。ステージ機構3は、印刷ステージ8、第1のローラ9及び第2のローラ10を備える。
印刷ステージ8は、印刷ヘッド4の下方に位置し、印刷媒体6を支持する。印刷ステージ8としては、例えば、印刷媒体6の搬送方向と直交する方向に軸方向を向けて配置され、軸回りに回転可能な円柱状ローラ(ロール式ステージ)を採用できる。言い換えると、印刷ステージ8は、印刷媒体6の搬送方向と直交する方向から見た場合に、上側に膨らんだ湾曲面を有している、と言える。印刷ヘッド4の各ノズルと印刷ステージ8との間の距離は、0.5mm以上5mm以下の範囲内とするのが好ましい。すなわち、印刷ステージ8の上面側が湾曲面であるため、ノズル列(印刷媒体6の搬送方向と直交する列)毎に、ノズルと印刷ステージ8との間の距離が異なるところ、最も短い距離と最も長い距離との両方を0.5mm以上5mm以下の範囲内とする。また、ノズルと印刷ステージ8との間の距離としては、例えば、対象とするノズルと、そのノズルの鉛直下方に位置する印刷ステージ8の部分との間の距離を採用できる。印刷ヘッド4の各ノズルと印刷ステージ8との間の距離を0.5mm以上5mm以下の範囲内とすることにより、細線表現を向上でき、印刷品質を向上できる。また、細線表現の向上によって印刷品質を向上させる観点からは、その距離は、1.0mm以上2.1mm以下の範囲内であることがより好ましい。
【0010】
第1のローラ9は、印刷媒体6の搬送経路において印刷ステージ8よりも上流側で、且つ印刷ステージ8よりも下側に位置している。また、第2のローラ10は、印刷媒体6の搬送経路において印刷ステージ8よりも下流側で、且つ印刷ステージ8よりも下側に位置している。そして、印刷媒体6が、第1のローラ9の下面側と、印刷ステージ8の上面側と、第2のローラ10の下面側とを縫うように通されている。これにより、印刷媒体6の搬送経路のうちの、印刷ステージ8よりも上流側の部分は、印刷媒体6を印刷ステージ8よりも下側から印刷ステージ8の上面に搬送する経路となっている。同様に、印刷媒体6の搬送経路のうちの、印刷ステージ8よりも下流側の部分は、印刷媒体6を印刷ステージ8の上面から印刷ステージ8よりも下側に搬送する経路となっている。そのため、印刷媒体6は、繰出部2の繰り出し速度及び巻取部5の巻取り速度によって、印刷媒体6の長手方向に張力が付加されることで、印刷ステージ8の上面に密着するようになっている。
【0011】
印刷ヘッド4は、印刷媒体6のうちの、印刷ステージ8で支持されている部分に複数のノズルからインク滴を吐出するインクジェットヘッドである。印刷ヘッド4は、印刷媒体6の搬送方向と直交する方向へ移動され、インク滴の吐出動作によって1バンド分の画像を記録する。また、1バンド分の画像が記録されると、印刷媒体6は、印刷ステージ8が回転することにより、印刷ステージ8に密着している部分が1バンド分だけ搬送される。このように、印刷装置1では、1バンド分のインク滴の吐出動作と、1バンド分の印刷媒体6の搬送動作とを繰り返すことによって、印刷媒体6の全体に画像が記録される。
巻取部5は、ステージ機構3及び印刷ヘッド4で画像が記録された印刷媒体6を巻回して繰り出しロール11を形成する。
【0012】
ここで、例えば、
図2に示すように、上面が平面である印刷ステージ8(フラット式ステージ)では、印刷ステージ8から印刷媒体6が浮き、印刷媒体6のズレが発生することで、印刷ズレが発生し、印刷品質が劣化する可能性があった。また、印刷媒体6の浮きにより、印刷媒体6と印刷ヘッド4とが干渉し、印刷ヘッド4が損傷する可能性があった。
また、例えば、
図3に示すように、印刷媒体6の吸引を行って、印刷媒体6を吸着させる印刷ステージ8(吸着機能有りフラット式ステージ)では、例えば、印刷媒体6が透気度の高い紙質系である場合には、印刷媒体6を適切に固定できなくなる可能性があった。
【0013】
これに対し、本実施形態に係るステージ機構3では、印刷ステージ8が、印刷媒体6の移動方向と直交する方向から見た場合に、上側に膨らんだ湾曲面を有し、印刷媒体6の長手方向に張力が付加されることで、印刷媒体6が印刷ステージ8の上面側に密着するようになっている。それゆえ、印刷ステージ8からの印刷媒体6の浮きを防止でき、印刷ステージ8における印刷媒体6のズレを抑制できる。そのため、印刷ズレを抑制でき、印刷品質を向上できる。また、印刷媒体6と印刷ヘッド4との干渉を防止でき、印刷ヘッド4の損傷を防止できる。また、印刷媒体6の浮きを防止することで、印刷媒体6が透気度の高い紙質系である場合にも、印刷媒体6を適切に固定でき、印刷媒体6の選択性を向上できる。
【0014】
(変形例)
上記実施形態では、印刷ステージ8を円柱状ローラ(ロール式ステージ)とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、
図4に示すように、印刷ステージ8を無端ベルト13と複数のローラ14とを含む曲率可変ロール式ステージとしてもよい。
ローラ14は、印刷媒体6の搬送方向と直交する方向に軸方向を向けて配置され、軸回りに回転可能となっている。ローラ14の配置パターンは、印刷媒体6の搬送方向と直交する方向から見た場合に、上下方向に扁平な楕円形を描くパターンとなっている。そして、複数のローラ14は、無端ベルト13が周りに巻かれ、印刷媒体6の搬送方向と直交する方向から見た場合に、無端ベルト13が上下方向に扁平な楕円形状となるように無端ベルト13を支持する。これにより、無端ベルト13は、楕円形状の無限軌道で回転運動可能となっている。また、無端ベルト13は、無端ベルト13の上面に印刷媒体6が密着され、画像の記録時に、密着している印刷媒体6を1バンド分ずつ搬送可能となっている。
【0015】
ここで、例えば、
図5に示すように、印刷ステージ8が円柱状ローラ(ロール式ステージ)である場合、円柱状ローラの直径が印刷ヘッド4のヘッド長(搬送方向長さ)に対して小さいと、印刷ステージ8が曲面であることに起因して、印刷ヘッド4の各ノズルと印刷媒体6との間の距離L1、L2、L3に差を生じ、印刷品質が低下する可能性があった。
また、例えば、距離L1、L2、L3同士の差を低減させる観点から、円柱状ローラの直径を大きくした場合、印刷ステージ8が大型化し、装置が大型化する可能性があった。
これに対し、本変形例に係るステージ機構3では、無端ベルト13が、短軸が上下方向に延びている楕円形状となるようにローラ14に支持されている。それゆえ、印刷ステージ8の支持面(上面)の曲率を下げることができ、距離L1、L2、L3同士の差を低減でき、印刷品質を向上できる。また、印刷ステージ8を小型化でき、装置を小型化できる。
【実施例0016】
以下に、本発明の実施形態に係る印刷装置1のステージ機構3の実施例及び比較例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、印刷ステージ8として、
図1に示したロール式ステージを用いた。印刷ヘッド4の各ノズルと印刷ステージ8との間の距離は、0.5mm以上5.0mm以下の範囲内とした。印刷ヘッド4としては、京セラ株式会社の水性インキヘッドを用いた。インキとしては、東洋インキ株式会社の水性インキを用いた。印刷媒体6としては、膜厚100μm(坪量80g/m
2)の印刷用白チタン紙を用いた。そして、印刷用白チタン紙の表面に絵柄パターンを印刷して、化粧シートを作製した。
【0017】
(実施例2)
実施例2では、印刷ステージ8として、
図4に示した曲率可変ロール式ステージを用いた。印刷ヘッド4の各ノズルと印刷ステージ8との間の距離は、1.0mm以上4.0mm以下の範囲内とした。距離の調整は、ローラ14の位置を調整し、印刷ステージ8の曲率を調整することで行った。無端ベルト13としては、接合部のないテフロン(登録商標)製ベルトを用いた。それ以外は、実施例1と同様の方法で、化粧シートを作製した。
【0018】
(実施例3)
実施例3では、印刷ステージ8として、
図4に示した曲率可変ロール式ステージを用いた。印刷ヘッド4の各ノズルと印刷ステージ8との間の距離は、1.0mm以上2.1mm以下の範囲内とした。距離の調整は、ローラ14の位置を調整し、印刷ステージ8の曲率を調整することで行った。無端ベルト13としては、接合部のないテフロン(登録商標)製ベルトを用いた。それ以外は、実施例1と同様の方法で、化粧シートを作製した。
【0019】
(比較例1)
比較例1では、印刷ステージ8として、
図2に示したフラット式ステージを用いた。印刷ステージ8の材料はアルミとした。印刷ヘッド4の各ノズルと印刷ステージ8との間の距離は2.1mmとした。それ以外は、実施例1と同様の方法で化粧シートを作製した。
(比較例2)
比較例2では、印刷ステージ8として、
図3に示した吸着機能有りフラット式ステージを用いた。印刷ステージ8の材料はアルミとした。印刷ヘッド4の各ノズルと印刷ステージ8との間の距離は2.1mmとした。それ以外は、実施例1と同様の方法で化粧シートを作製した。
【0020】
(性能評価)
実施例1~3、比較例1、2のステージ機構3及び化粧シートに対して、印刷媒体の浮き、印刷安定性、細線表現の性能評価を行った。
(印刷媒体の浮き)
印刷媒体の浮きの評価では、搬送中に印刷媒体6が印刷ステージ8から離れた距離(印刷媒体6の浮き距離)を、以下の基準で評価した。
○:印刷媒体6の浮き距離<1mm
△:1mm≦印刷媒体6の浮き距離<2mm
×:2mm≦印刷媒体6の浮き距離
【0021】
(印刷安定性)
印刷安定性の評価では、連続印刷さた絵柄パターンの色差ΔEを、以下の基準で評価した。色差ΔEの計測には、色差計(X-Rite製EXACT)を用いた。
○:ΔE<1
△:1≦ΔE<2
×:2≦ΔE
(細線表現)
細線表現の評価では、印刷された絵柄パターンの精細性を、以下の基準で評価した(目視官能評価)。
○:すべての絵柄で細線表現ができている。
△:一部の絵柄で精細表現ができていない。
×:ほとんど全ての図柄で細線表現ができていない。
【0022】
(評価結果)
評価結果を、以下の表1に示す。
【表1】
【0023】
表1に示すように、実施例1~3の印刷ステージ8では、印刷媒体の浮きが「○」となり、作成された化粧シートは、印刷安定性が「○」となった。
一方、比較例1の印刷ステージ8では、印刷ステージ8に印刷媒体6を密着させる機能がなく、印刷ステージ8からの印刷媒体6の浮きが抑制されないため、印刷媒体の浮きが「×」となり、作成された化粧シートは、印刷安定性が「△」となった。
また、比較例2の印刷ステージ8では、印刷媒体6が紙質系(透気度の高いメディア)であり、印刷ステージ8による印刷媒体6を吸引する力が低下するため、印刷媒体の浮きが「△」となり、作成された化粧シートは、印刷安定性が「△」となった。
したがって、実施例1~3の化粧シートは、比較例1、2の化粧シートに比べ、印刷安定性が高く、印刷品質に優れることが確認できた。
【0024】
また、実施例1、2の印刷ステージ8では、印刷ヘッド4と印刷ステージ8との間の距離のばらつきが比較的大きいため(0.5~5.0mmの範囲、1.0~4.0mmの範囲)、作成された化粧シートは、細線表現が「△」となった。また、実施例3の印刷ステージ8では、印刷ヘッド4と印刷ステージ8との間の距離のばらつきが比較的小さいため(1.0~2.1mmの範囲)、作成された化粧シートは、細線表現が「○」となった。
したがって、実施例1~3の化粧シートのうちでは、実施例3の化粧シートが、実施例1、2の化粧シートに比べ、細線表現に優れ、印刷品質が向上することが確認できた。
なお、比較例1、2では、印刷ヘッド4と印刷ステージ8との間の距離が一定であるが、印刷媒体の浮きが「△」「×」であるため、細線表現は「△」となった。
1…印刷装置、2…繰出部、3…ステージ機構、4…印刷ヘッド、5…巻取部、6…印刷媒体、7…繰り出しロール、8…印刷ステージ、9…第1のローラ、10…第2のローラ、11…繰り出しロール、13…無端ベルト、14…ローラ