(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165768
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】サージカルルーペ調整ツール
(51)【国際特許分類】
G02C 11/00 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
G02C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071256
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】加藤 安志
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006CA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】遠隔でサージカルルーペの調整に必要なデータを測定することができるサージカルルーペ調整ツールを提供する。
【解決手段】メガネ5に装着することによって遠隔でサージカルルーペの調整に必要なデータを測定するためのサージカルルーペ調整ツール1であって、サージカルルーペ調整ツール1は、メガネ5のブリッジ中央の上部の位置と、左右の鼻パッドの手前の位置と、左右の智の上部の位置にマーカー2を有し、ブリッジの上部の位置のマーカー2と智の上部の位置のマーカー2との間にスケール部3を有し、メガネ5に装着するためのクリップ部4を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メガネに装着することによって遠隔でサージカルルーペの調整に必要なデータを測定するためのサージカルルーペ調整ツールであって、
前記サージカルルーペ調整ツールは、前記メガネのブリッジ中央の上部の位置と、左右の鼻パッドの手前の位置と、左右の智の上部の位置にマーカーを有し、
前記ブリッジ中央の上部の位置のマーカーと前記智の上部の位置のマーカーとの間にスケール部を有し、
前記メガネに装着するためのクリップ部を有する
ことを特徴とするサージカルルーペ調整ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔でサージカルルーペの調整に必要なデータを測定することができるサージカルルーペ調整ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場において、医療用ルーペ、サージカルルーペ等と呼ばれる双眼ルーペが用いられている。(例えば、特許文献1)サージカルルーペを用いることで組織の微細な構造が観察でき、手術においては細かな操作を容易にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなサージカルルーペは、正確な視界を確保するために装着者個人の視力や顔の形、目の位置等に合わせたフィッティングを行うことが重要である。サージカルルーペの調整は、従来は調整士が装着者のもとへ出向き、対面で調整に必要なデータを測定していた。しかしながら、このような対面でのデータ測定は大量のマンパワーが必要であることから、遠隔で調整に必要なデータを測定できる方法が望まれていた。
【0005】
本発明は遠隔でサージカルルーペの調整に必要なデータを測定することができるサージカルルーペ調整ツールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、メガネに装着することによって遠隔でサージカルルーペの調整に必要なデータを測定するためのサージカルルーペ調整ツールであって、前記サージカルルーペ調整ツールは、前記メガネのブリッジ中央の上部の位置と、左右の鼻パッドの手前の位置と、左右の智の上部の位置にマーカーを有し、前記ブリッジ中央の上部の位置のマーカーと前記左右の智の上部の位置のマーカーとの間にスケール部を有し、前記メガネに装着するためのクリップ部を有するサージカルルーペ調整ツールである。
以下に本発明を詳述する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遠隔でサージカルルーペの調整に必要なデータを測定することができるサージカルルーペ調整ツールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明のサージカルルーペ調整ツールの一例を表した模式図である。
【
図2】本発明のサージカルルーペ調整ツールをメガネに装着した様子を表した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のサージカルルーペ調整ツールを図に示す実施形態に基づいて詳述する。
【0010】
本発明は、メガネに装着することによって遠隔でサージカルルーペの調整に必要なデータを測定するためのサージカルルーペ調整ツールである。
ここで、
図1に本発明のサージカルルーペ調整ツールの一例を表した模式図を、
図2に本発明のサージカルルーペ調整ツールをメガネに装着した様子を表した模式図を示した。
本発明のサージカルルーペ調整ツール1は、上記メガネ5に装着するためのクリップ部4を有しており、上記クリップ部4を介して上記メガネ5に装着される。なお、上記クリップ部4の形状は
図1、2の形状に限定されず、メガネのレンズ中央、つまり、目の延長線上に当たる部分を覆わず、メガネに本発明のサージカルルーペ調整ツールを固定できればいかなる形状であってもよい。
【0011】
上記メガネは、サージカルルーペ調整ツールを固定する役割を有する。上記メガネは、本発明のサージカルルーペ調整ツールを固定することができるフレーム厚や、本発明のサージカルルーペ調整ツールを装着した際に後述するマーカーがおおよそ後述する位置になるような形状をしていれば従来のどのようなメガネでも用いることができる。なお、
図2では、サージカルルーペを固定するための接続部位(
図2におけるメガネ5のブリッジ中央の凸部)を有するサージカルルーペ用メガネを例として用いている。
【0012】
本発明のサージカルルーペ調整ツールを用いて遠隔でサージカルルーペの調整に必要なデータを測定する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、本発明のサージカルルーペ調整ツール及び上記メガネを装着者に送付し、本発明のサージカルルーペ調整ツールが取り付けられた上記メガネを装着した状態の顔写真を撮影してもらい、その画像データを得る。次いで、得られた顔写真のデータを画像解析ソフトを用いて解析することで、サージカルルーペの調整に必要なデータを測定することができる。上記サージカルルーペの調整に必要なデータとしては例えば、顔幅、鼻幅、瞳孔間距離等が挙げられる。上記画像解析ソフトは特に限定されず、既に知られているソフトやサービスを自由に用いることができる。具体的には例えば、Google Vision API等が挙げられる。なお、上記画像解析ソフトの解析精度を高めるために、事前に画像データの処理を行うソフトを用いてもよい。
【0013】
本発明のサージカルルーペ調整ツールは、少なくとも上記メガネのブリッジ中央の上部の位置と、左右の鼻パッドの手前の位置と、左右の智の上部の位置にマーカーを有する。
図1、2に示すように、本発明のサージカルルーペ調整ツール1は、メガネに装着した際に、少なくともブリッジ中央の上部の位置に1つ、左右の鼻パッドの手前の位置にそれぞれ1つ、左右の智の上部の位置にそれぞれ1つの計5つのマーカー2を有している。ブリッジ中央の上部のマーカーは顔の中央をとらえる役割を有し、左右の鼻パッドの手前のマーカーは鼻幅を計測する際の基準となる役割を有し、左右の智の上部のマーカーは顔幅を測定する際の基準となる役割を有する。本発明のサージカルルーペ調整ツール1は、上記マーカー2を有することで画像解析ソフトが上記マーカー2を基に顔を正確に認識することができるため、正確な測定データを得ることができる。上記マーカーの形状および材料は特に限定されず、上記画像解析ソフトの仕様等に応じて適宜決定される。なお、上記マーカーは少なくとも上記の5点を有していればよく6点以上であってもよい。
【0014】
本発明のサージカルルーペ調整ツールは、上記ブリッジの上部の位置のマーカーと上記智の上部の位置のマーカーとの間にスケール部を有する。
図1、2に示すように、本発明のサージカルルーペ調整ツール1がスケール部3を有することで、瞳孔間距離等を手動で計測する際にも正確な距離を測定することができる。上記スケール部はスケールの中央が瞳の上部となるような位置に設けられていることが好ましい。なお、
図1、2ではスケール部3が左右1つずつ設けられているが、スケール部3は片方だけに設けられていてもよい
【0015】
本発明のサージカルルーペ調整ツールの材料は特に限定されず、例えば、金属素材、プラスチック素材等が挙げられる。なかでも、加工が容易で強度があることからプラスチック素材が好ましい。
【0016】
本発明のサージカルルーペ調整ツールの形状は、上記マーカーと、上記スケール部と、上記クリップ部を有しており、上記メガネのレンズ中央、つまり、目の延長線上に当たる部分を覆っていなければ特に限定されない。
【符号の説明】
【0017】
1 サージカルルーペ調整ツール
2 マーカー
3 スケール部
4 クリップ部
5 メガネ