IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライフスタイル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報処理システム 図1
  • 特開-情報処理システム 図2
  • 特開-情報処理システム 図3
  • 特開-情報処理システム 図4
  • 特開-情報処理システム 図5
  • 特開-情報処理システム 図6
  • 特開-情報処理システム 図7
  • 特開-情報処理システム 図8
  • 特開-情報処理システム 図9
  • 特開-情報処理システム 図10
  • 特開-情報処理システム 図11
  • 特開-情報処理システム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165775
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20221025BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20221025BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20221025BHJP
   G06Q 30/00 20120101ALI20221025BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221025BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20221025BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20221025BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20221025BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20221025BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
G06F13/00 358A
G06Q30/00 330
G06Q30/02 470
G16Y20/20
G16Y20/40
G16Y40/20
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071268
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】竹内 慎
(72)【発明者】
【氏名】中野 太陽
【テーマコード(参考)】
5K048
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K048BA12
5K048BA13
5K048EB02
5K048EB12
5K048FB04
5K048FB05
5K048GB08
5K201AA05
5K201BA01
5K201BA06
5K201BC27
5K201CC02
5K201CC04
5K201CC09
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED08
5K201FA08
5K201FB08
5L049BB05
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】利便性の向上を図ることができる情報処理システムを提供することである。
【解決手段】実施形態の情報処理システムは、特定部と、提案部とを持つ。前記特定部は、買い替えの提案対象である対象家電機器のユーザが使用する1つ以上の他の家電機器の買い替え履歴、前記対象家電機器の性能低下、前記ユーザの家族の変化、前記対象家電機器が設置された地域の区分、または前記ユーザと同じ使用環境の他のユーザの家電機器の買い替え履歴に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する。前記提案部は、前記特定部により特定された時期に前記対象家電機器の買い替えを提案する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
買い替えの提案対象である対象家電機器のユーザが使用する1つ以上の他の家電機器の買い替え履歴、前記対象家電機器の性能低下、前記ユーザの家族の変化、前記対象家電機器が設置された地域の区分、または前記ユーザと同じ使用環境の他のユーザの家電機器の買い替え履歴に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する特定部と、
前記特定部により特定された時期に前記対象家電機器の買い替えを提案する提案部と、
を備えた情報処理システム。
【請求項2】
前記特定部は、前記ユーザが使用する1つ以上の他の家電機器の買い替え履歴に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記特定部は、前記他の家電機器の買い替え履歴として、前記他の家電機器の耐用年数に対する前記ユーザが前記他の家電機器を買い替えた時期に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記対象家電機器と前記他の家電機器は、別の種類の家電機器である、
請求項2または請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記対象家電機器は、冷蔵庫、洗濯機、空気調和機、電気掃除機、加熱調理器、またはテレビジョン受像機のうちの1つであり、
前記1つ以上の他の家電機器は、冷蔵庫、洗濯機、空気調和機、電気掃除機、加熱調理器、またはテレビジョン受像機のうちの別の1つ以上である、
請求項2から請求項4のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記特定部は、前記ユーザが使用する2つ以上の他の家電機器の買い替え履歴が存在する場合、前記ユーザが使用する2つ以上の他の家電機器の買い替え履歴に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する、
請求項2から請求項5のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記特定部は、前記対象家電機器の性能低下に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する、
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記特定部は、前記ユーザの家族の変化に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する、
請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記特定部は、前記対象家電機器が設置された地域の区分に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する、
請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記特定部は、前記ユーザと同じ使用環境の他のユーザの家電製品の買い替え履歴に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する、
請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記特定部は、前記ユーザと同じ使用環境の他のユーザの家電機器の買い替え履歴として、複数に区分された地域のなかで前記ユーザと同地域に居住する他のユーザの家電機器の買い替え履歴に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する、
請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記特定部は、前記ユーザと同じ使用環境の他のユーザの家電機器の買い替え履歴として、前記ユーザと家族構成が同じ他のユーザの家電機器の買い替え履歴に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する、
請求項10または請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記特定部は、前記ユーザと同じ使用環境の他のユーザの家電機器の買い替え履歴として、前記対象家電機器の複数に区分された使用頻度のなかで前記ユーザと同じ使用頻度の区分に属する他のユーザの前記対象家電機器と同種製品の買い替え履歴に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する、
請求項10から請求項12のうちいずれか1項に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
耐用年数に基づき冷蔵庫の買い替えをユーザに提案する情報処理システムが提案されている。しかしながらこの場合、買い替えの提案時期に関してユーザの意向が反映されていないため、利便性の観点で改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-28760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができる情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理システムは、特定部と、提案部とを持つ。前記特定部は、買い替えの提案対象である対象家電機器のユーザが使用する1つ以上の他の家電機器の買い替え履歴、前記対象家電機器の性能低下、前記ユーザの家族の変化、前記対象家電機器が設置された地域の区分、または前記ユーザと同じ使用環境の他のユーザの家電機器の買い替え履歴に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する。前記提案部は、前記特定部により特定された時期に前記対象家電機器の買い替えを提案する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の家電機器管理システムの全体構成を示す図。
図2】第1実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図。
図3】第1実施形態の登録履歴情報の内容の一例を示す図。
図4】第1実施形態の買い替え時期換算情報の内容の一例を示す図。
図5】第1実施形態の家電情報の内容の一例を示す図。
図6】第1実施形態の買い替え提案の処理の流れを示すフローチャート。
図7】第2実施形態の閾値情報の内容の一例を示す図。
図8】第3実施形態の家族構成情報の内容の一例を示す図。
図9】第4実施形態の地域区分情報の内容の一例を概念的に示す図。
図10】第4実施形態の調整値情報の内容の一例を図。
図11】第5実施形態の家電機器管理システムの全体構成を示す図。
図12】第5実施形態の登録履歴情報の内容の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の情報処理システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
(第1実施形態)
第1実施形態は、買い替えの提案対象である対象家電機器のユーザが使用する1つ以上の他の家電機器の買い替え履歴に基づき、対象家電機器の買い替え提案を行う時期が特定される例である。また第1実施形態は、1つ以上の他の家電機器の使用履歴に基づき、買い替え提案で薦める家電機器の機種が特定される例である。
【0009】
<1.全体構成>
図1は、第1実施形態の家電機器管理システム1の全体構成を示す図である。家電機器管理システム1は、例えば、複数の家電機器100と、サーバ200と、ユーザUの端末装置300を備える。後述するネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi(登録商標)網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などを状況に応じて利用すればよい。家電機器管理システム1は、「情報処理システム」の一例である。
【0010】
複数の家電機器100は、買い替えの提案対象である家電機器100A(以下「対象家電機器100A」と称する)と、1つ以上(例えば2つ以上)の他の家電機器100Bとを含む。他の家電機器100Bは、対象家電機器100AのユーザUが使用する家電機器であり、例えば対象家電機器100Aと同じ住居に配置される家電機器である。
【0011】
対象家電機器100Aと他の家電機器100Bは、別の種類の家電機器である。「別の種類」とは、使用目的が異なることを意味する。例えば、対象家電機器100Aは、冷蔵庫、洗濯機、空気調和機、電気掃除機、加熱調理器、またはテレビジョン受像機のうちの1つである。他の家電機器100Bは、冷蔵庫、洗濯機、空気調和機、電気掃除機、加熱調理器、またはテレビジョン受像機のうちの別の1つ以上(例えば2つ以上)である。以下では、対象家電機器100Aが冷蔵庫であり、他の家電機器100Bが洗濯機および空気調和機である例を取り上げて説明する。
【0012】
複数の家電機器100は、例えばユーザUの住居に配置された無線ルータRを介してネットワークNWと接続可能であり、ネットワークNWを介してサーバ200と通信可能である。本実施形態では、家電機器100(例えば対象家電機器100A)は、種々の情報を表示可能な表示画面を含む表示装置101と、ユーザUの操作を受け付け可能な操作部102とを含む。表示装置101は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。操作部102は、例えば、表示装置101の表示画面に重ねて設けられたタッチセンサである。ただし、家電機器100は、表示装置101および操作部102を有しなくてもよい。
【0013】
サーバ200は、複数の家電機器100を管理するサーバである。サーバ200は、ネットワークNWに接続された1台以上のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)で構成される。サーバ200は、ネットワークNW中のルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。サーバ200は、ネットワークNWを介して、端末装置300と通信可能である。なお、サーバ200は、クラウドサーバに限定されず、ユーザUの住居にあるコンピュータでもよく、家庭内ルータ(例えば無線ルータR)でもよく、端末装置300でもよい。
【0014】
端末装置300は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末装置のような携帯端末装置である。端末装置300は、種々の情報を表示可能な表示画面を含む表示装置301と、ユーザUの操作を受け付け可能な操作部302とを含む。表示装置301は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである。操作部302は、例えば、表示装置301の表示画面に重ねて設けられたタッチセンサである。例えば、端末装置300には、家電機器100を利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされ、以下に説明する機能がサポートされる。なお、端末装置300は、携帯端末装置に限定されず、パーソナルコンピュータでもよい。
【0015】
<2.サーバ>
図2は、サーバ200の機能構成を示すブロック図である。サーバ200は、例えば、登録受付部210、登録情報管理部220、家電機器制御部230、買い替え提案部240、および記憶部260を含む。登録受付部210、登録情報管理部220、家電機器制御部230、買い替え提案部240の全部または一部は、サーバ200に搭載されたCPU(Central Processing Unit)のようなハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。ただし、これら機能部の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0016】
記憶部260は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数の組み合わせにより実現される。記憶部260には、登録情報261、登録履歴情報262、使用履歴情報263、買い替え時期換算情報264、および家電情報265が記憶されている。
【0017】
登録受付部210は、例えば、端末装置300の操作部302に対するユーザUの操作に基づき、種々の登録を受け付ける。例えば、登録受付部210は、ユーザ登録を受け付ける。ユーザ登録が行われることで、ユーザアカウントとパスワードとが対応付けられる。さらに、登録受付部210は、ユーザアカウントと対応付ける家電機器100の登録を受け付ける。ユーザアカウントと家電機器100とが対応付けられることで、端末装置300によって家電機器100の遠隔操作や家電機器100に関する情報の取得(例えば設定状態や動作状態の取得)が可能になる。登録受付部210により受け付けられた登録は、登録情報261として記憶部260に記憶される。なお、登録の受付は、端末装置300の操作部302に対するユーザUの操作に限定されず、家電機器100の操作部102に対するユーザUの操作に基づいて行われてもよい。
【0018】
登録情報管理部220は、登録情報261に登録されている情報の履歴を管理する。登録情報管理部220は、登録情報261に登録されている情報の履歴を登録履歴情報262として記憶部260に記憶させる。
【0019】
図3は、登録履歴情報262の内容の一例を示す図である。登録履歴情報262は、ユーザUのユーザアカウントと対応付けられて登録された複数の家電機器100(対象家電機器100Aおよび1つ以上の他の家電機器100Bを含む)に関する登録の履歴が記憶されている。「登録の履歴」は、買い替えの履歴に相当する。登録履歴情報262では、例えば、各家電機器100と、その家電機器100の登録日(使用開始時に相当)、その家電機器100の登録の削除日(使用終了日、家電機器100の買い替え日に相当)、その家電機器100の耐用年数、およびその家電機器100の最終的な故障の有無が登録されている。最終的な故障の有無は、家電機器100の登録の削除日における故障の有無を示す情報であり、サーバ200が家電機器100から受信するエラー情報に基づいて登録される。登録履歴情報262を参照することで、例えば、洗濯機Aは、耐用年数が7年であり、2017年6月に購入され、3年使用された後である2020年8月に、故障していない状態で洗濯機Bに買い替えられたことが分かる。
【0020】
家電機器制御部230は、端末装置300に対するユーザUの操作に基づき、家電機器100を遠隔制御するための制御指令を家電機器100に送信する。例えば、家電機器制御部230は、家電機器100の運転開始、運転終了、または設定状態の変更を行わせる制御指令や、設定状態または動作状態を示す情報をサーバ200へ送信させる制御指令を家電機器100に送信する。家電機器制御部230により収集された家電機器100の設定状態または動作状態を示す情報(家電機器100から定期的に受信する情報も含む)は、使用履歴情報263として記憶部260に記憶される。
【0021】
買い替え提案部240は、例えば、特定部241と、提案部242とを有する。
特定部241は、ユーザUに対して家電機器100の買い替えを提案する時期を特定する。本実施形態では、特定部241は、ユーザUが使用する1つ以上の他の家電機器100Bの買い替え履歴に基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を特定する。
【0022】
例えば、特定部241は、他の家電機器100Bの買い替え履歴として、他の家電機器100Bの耐用年数に対するユーザUが他の家電機器100Bを買い替えた時期に基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を特定する。他の家電機器100Bの耐用年数に対するユーザUが他の家電機器100Bを買い替えた時期とは、例えば、耐用年数よりも短い期間で買い替えを行っているか、耐用年数付近(耐用年数の1年前後)で買い替えを行っているか、耐用年数を大きく超えて故障するまで使用してから買い替えを行っているか、などである。本実施形態では、特定部241は、ユーザUが使用する2つ以上の他の家電機器100Bの買い替え履歴が存在する場合、ユーザUが使用する2つ以上の他の家電機器100Bの買い替え履歴に基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を特定する。
【0023】
詳しく述べると、特定部241は、記憶部260に記憶された登録履歴情報262を用いて、他の家電機器100Bの耐用年数に対するユーザUが他の家電機器100Bを買い替えた時期に基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を特定する。ここでは、図3に示すユーザAを例に取り上げる。ユーザAの例では、洗濯機については、故障していない状態で、耐用年数が7年に対して3年で買い替えられている。同様に、空気調和機についても、故障していない状態で、耐用年数が7年に対して3年で買い替えられている。
【0024】
図4は、買い替え時期換算情報264の内容の一例を示す図である。買い替え時期換算情報264では、耐用年数に対する他の家電機器100Bの平均的な使用年数(正規化した使用年数、すなわち使用年数を耐用年数で除算したもの)と、耐用年数に対する対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期(正規化した時期)の対応関係が登録されている。「使用年数」とは、実際に買い替えるまで使用した年数である。例えば、他の家電機器100Bの買い替え履歴として、耐用年数が7年に対して3年で買い替えられている場合(3年/7年=0.428…)は、耐用年数に対する対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期は0.5となる。このため、特定部241は、対象家電機器100A(例えば冷蔵庫)の耐用年数が10年の場合、使用年数が5年に達した時期をユーザU(ユーザA)に買い替え提案を行う時期として特定する。ここで、他の家電機器100Bの平均的な使用年数の計算では、故障により買い替えが必要になった家電機器100の情報は含めなくてよい。
【0025】
次に、別のユーザU(ユーザB)の例について説明する。ユーザBに関する登録履歴情報262において、洗濯機については、故障していない状態で、耐用年数が7年に対して7年で買い替えられており、空気調和機についても、故障していない状態で、耐用年数が7年に対して7年で買い替えられているとする。この場合、特定部241は、対象家電機器100A(例えば冷蔵庫)の耐用年数が10年の場合、使用年数が10年に達した時期をユーザU(ユーザB)に買い替え提案を行う時期として特定する。
【0026】
次に、さらに別のユーザU(ユーザC)の例について説明する。ユーザCに関する登録履歴情報262において、洗濯機については、故障するまで使用され、故障した後に買い替えられており、空気調和機についても、故障するまで使用され、故障した後に買い替えられているとする。この場合、特定部241は、対象家電機器100A(例えば冷蔵庫)の耐用年数が10年の場合、使用年数が10年に達した時期をユーザU(ユーザC)に買い替え提案を行う時期として特定する。
【0027】
提案部242は、特定部241により特定された時期に対象家電機器100Aの買い替えを提案する。例えば、提案部242は、端末装置300または対象家電機器100Aに所定の情報を送信し、端末装置300の表示装置301または対象家電機器100Aの表示装置101に、対象家電機器100Aの買い替えを提案する表示を表示させる。
【0028】
本実施形態では、提案部242は、ユーザによる1つ以上の他の家電機器100Bの使用履歴(記憶部260に記憶された使用履歴情報263)に基づき、買い替え提案に含めるお薦めの家電機器100(買い替え後の家電機器であって、対象家電機器100Aと同種の家電機器)を特定する。お薦めの家電機器100は、例えば、記憶部260に記憶された家電情報265に基づき特定される。
【0029】
図5は、家電情報265の内容の一例を示す図である。家電情報265では、買い替え候補として提案する候補となる複数の家電機器100の特徴が登録されている。例えば、家電情報265では、各家電機器100の特別な制御モード(例えば省エネモード)の充実度、各家電機器100の収容部の大きさなどを示す情報が登録されている。
【0030】
提案部242は、例えば、他の家電機器100Bの使用履歴として特定の制御モード(例えば省エネモード)が所定頻度以上で利用されている場合、買い替えのお薦めの家電機器100として、同種製品の平均と比べて上記特定の制御モード(例えば省エネモード)の機能が充実した家電機器100を提案する。
【0031】
提案部242は、例えば、他の家電機器100Bの使用履歴として特定の他の家電機器100Bが所定頻度以上で利用されている場合、買い替えのお薦めの家電機器100として、同種製品の平均と比べて上記特定の他の家電機器100Bと関連する仕様が充実した家電機器を提案する。例えば、提案部242は、他の家電機器100Bとして電子レンジのような加熱調理器が所定頻度以上で利用されている場合、冷凍食品を良く利用するユーザUと見做し、買い替えのお薦めの冷蔵庫として、同種製品の平均と比べて冷凍室が広い冷蔵庫を提案する。別の例では、提案部242は、他の家電機器100Bとして炊飯器が所定頻度以上で利用されている場合、自炊を好むユーザUと見做し、買い替えのお薦めの冷蔵庫として、内容積が大きい冷蔵庫、または急速冷凍機能に優れた冷蔵庫を提案する。
【0032】
別の観点では、提案部242は、他の家電機器100Bに関して耐用年数よりも短い使用年数で買い替えが行われている場合は、買い替えのお薦めの家電機器100として、同種製品の平均と比べて機能が充実した高級機種(例えばハイエンドモデル)を提案する。一方で、提案部242は、他の家電機器100Bに関して耐用年数を超えて使用が継続されている場合は、買い替えのお薦めの家電機器100として、同種製品の平均と比べて構造または機能が単純な機種(すなわち壊れにくい機種、例えば部品点数が少ない機種)を提案する。部品点数が少ない機種とは、冷蔵庫の例で言えば、冷却器を1つのみ有する冷蔵庫などである。
【0033】
<3.処理の流れ>
図6は、サーバ200による買い替え提案の処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、対象家電機器100Aの買い替え時期の初期設定値(例えば耐用年数と同じ値)が予め設定されているものとする。
【0034】
まず、特定部241は、所定の周期で、他の家電機器100Bの買い替え(登録情報261において古い家電機器100の削除と新しい家電機器100の登録)があるか否かを判定する(S101)。特定部241は、他の家電機器100Bの買い替えがない場合(S101:NO)、S105に進む。
【0035】
一方で、特定部241は、他の家電機器100Bの買い替えがある場合(S101:YES)、例えば登録履歴情報262に基づき、他の家電機器100Bの故障による買い替えであるか否かを判定する(S102)。特定部241は、他の家電機器100Bの故障による買い替えである場合(S102:YES)、S105に進む。
【0036】
一方で、特定部241は、他の家電機器100Bの故障による買い替えでない場合(S102:NO)、登録履歴情報262に基づき、耐用年数に対する複数の他の家電機器100B(過去に買い替えられた家電機器100B)の平均的な使用年数を再計算する(S103)。そして、特定部241は、再計算された平均的な使用年数と、買い替え時期換算情報264とに基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を新しく特定する(S104)。そして、特定部241は、以前に格納していた買い替え提案用の時期(例えば初期設定されていた時期)を新しく特定した時期に置き換える。
【0037】
次に、提案部242は、特定部241により特定された買い替え提案を行う時期に達したか否かを判定する(S105)。提案部242は、特定部241により特定された買い替え提案を行う時期に達していない場合(S105:NO)、S101に戻り、S101~S105の処理を繰り返す。一方で、提案部242は、特定部241により特定された買い替え提案を行う時期に達した場合(S105:YES)、端末装置300の表示装置301または対象家電機器100Aの表示装置101に対象家電機器100Aの買い替えの提案を表示させる(S106)。これにより、一連のフローが完了する。
【0038】
<4.利点>
比較例として、耐用年数のみに基づきユーザUに買い替え提案を行うシステムについて考える。このようなシステムでは、ユーザUの意向が反映されにくい場合がある。例えば、ユーザのなかには、壊れるまで使用することを望むユーザもいれば、ある程度の期間で買い替えることを望むユーザもいる。これら意向が考慮されていないと、ユーザUにとって有益な提案にならない場合がある。
【0039】
一方で、本実施形態では、特定部241は、ユーザUが使用する1つ以上の他の家電機器100Bの買い替え履歴に基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を特定する。このような構成によれば、ユーザUが使用する1つ以上の他の家電機器100Bの買い替え履歴を反映させたユーザUの買い替え傾向(ユーザの意向)に基づき、適切な時期に対象家電機器100Aの買い替え提案を行うことができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0040】
本実施形態では、他の家電機器100Bの買い替え履歴として、他の家電機器100Bの耐用年数に対するユーザUが他の家電機器100Bを買い替えた時期に基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を特定する。このような構成によれば、耐用年数に対するユーザUの買い替え傾向に基づき、適切な時期に対象家電機器100Aの買い替え提案を行うことができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0041】
ここで、対象家電機器100Aの買い替えは、数年に一度のことなので、対象家電機器100Aに関するユーザの買い替え傾向を示す情報を収集することは簡単ではない。一方で、本実施形態では、対象家電機器100Aと他の家電機器100Bは、別の種類の家電機器である。このような構成によれば、別の種類の家電機器の買い替え履歴を用いて対象家電機器100Aに関するユーザUの買い替え傾向を求めることができる。これにより、適切な時期に対象家電機器100Aの買い替え提案を行うことができる。
【0042】
本実施形態では、特定部241は、ユーザUが使用する2つ以上の他の家電機器100Bの買い替え履歴が存在する場合、ユーザUが使用する2つ以上の他の家電機器100Bの買い替え履歴に基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を特定する。このような構成によれば、2つ以上の他の家電機器100Bの買い替え履歴に反映されたユーザUの買い替え傾向に基づき、より精度を高くして適切な時期に対象家電機器100Aの買い替え提案を行うことができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、対象家電機器100Aの性能低下に基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期が特定される例である。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0044】
図7は、第2実施形態の閾値情報266の内容の一例を示す図である。閾値情報266は、例えばサーバ200の記憶部260に記憶されている。閾値情報266では、対象家電機器100A(例えば冷蔵庫)の評価項目としての各運転状態と、各運転状態における閾値が対応付けられている。各運転状態における閾値は、例えば、圧縮機の運転率に対する単位時間当たりの低下温度や、冷却器の霜取り運転に必要な時間、または冷却器に対して必要になる霜取り運転の頻度である。
【0045】
ここで、冷蔵庫は経年劣化すると筐体または扉の断熱材が劣化し、同じ圧縮機の運転でも単位時間当たりの低下温度が小さくなる。このため、同じ圧縮機の運転でも単位時間当たりの低下温度が閾値情報266に含まれる閾値よりも小さくなると、冷蔵庫の性能が一定以上低下したと見做すことができる。
【0046】
同様に、冷蔵庫は経年劣化すると冷却器のコーディングが剥がれ、冷却器に霜が付きやすく、冷却器の霜が取れにくくなる。その結果、冷却性能の低下や運転効率の低下が生じる。このため、冷却器の霜取り運転に必要な時間が閾値情報266に含まれる閾値よりも長くなると、冷蔵庫の性能が一定以上低下したと見做すことができる。また、冷却器に対して必要になる霜取り運転の頻度が閾値情報266に含まれる閾値よりも多くなると、冷蔵庫の性能が一定以上低下したと見做すことができる。
【0047】
本実施形態では、特定部241は、対象家電機器100Aが毎回される度に、対象家電機器100Aから取得される対象家電機器100Aの性能を示す1つ以上の値を閾値情報266に含まれる閾値と比較する。そして、特定部241は、対象家電機器100Aが運転される度に、上記性能を示す1つ以上の値と、閾値情報266に含まれる閾値とに基づき、対象家電機器100Aの性能が一定以上低下したか否かを判定する。そして、特定部241は、対象家電機器100Aの性能が一定以上低下したと判定した場合に、現時点が対象家電機器100Aの買い替えを提案する時期であると特定する。
【0048】
この場合、提案部242は、対象家電機器100Aの買い替えの提案を、端末装置300の表示装置301または対象家電機器100Aの表示装置101に表示させる。なお、提案部242は、対象家電機器100Aの耐用年数と比べて使用年数が少ない場合(例えば半分未満である場合)は、買い替えではなく、修理を提案してもよい。
【0049】
このような構成によれば、対象家電機器100Aに一定以上の性能低下が表れた時期にユーザUに対象家電機器100Aの買い替えを提案することができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0050】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、ユーザUの家族の変化に基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期が特定される例である。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0051】
図8は、第3実施形態の家族構成情報267の内容の一例を示す図である。家族構成情報267は、例えばサーバ200の記憶部260に記憶されている。家族構成情報267では、例えばユーザUの家族の構成と各構成員の年齢とが対応付けられた情報である。家族構成情報267は、例えば、ユーザ登録の際に、端末装置300に対するユーザUの入力に基づいて生成され、時間の経過とともに構成員の年齢が自動的に更新される。
【0052】
ただし、家族構成情報267は、上記例に限定されない。例えば、家族の構成員は、具体的な年齢ではなく、「幼児」、「小学生」、「中高生」、「成人」、「高齢者」などの年齢に関する区分と対応付けられてもよい。また、家族構成情報267は、ユーザUによる入力に基づく場合に限らず、対象家電機器100Aの使用履歴(使用時間帯や使用頻度、使用方法など)や対象家電機器100Aが備えるセンサ(例えばカメラ)により得らえる情報に基づいてサーバ200によって生成され、所定の周期で自動的に更新されてもよい。
【0053】
ここで、家族の変化により、求められる対象家電機器100Aの機能が変化する。例えば、子供が成長すると、ファミリー向けの大容量の冷蔵庫や洗濯機が求められる場合がある。また、ユーザUが高齢化すると、背が低い小容量で使いやすい冷蔵庫や洗濯機が求められる場合がある。
【0054】
本実施形態では、特定部241は、所定の周期(例えば1ヶ月に1度)で家族構成情報267に含まれる内容を所定の条件と比較する。そして、特定部241は、家族構成情報267に含まれる内容が所定の条件を満たす場合(子供が小学生まで成長した、またはユーザUが所定の年齢に達したなどの場合)に、現時点が対象家電機器100Aの買い替えを提案する時期であると特定する。
【0055】
この場合、提案部242は、対象家電機器100Aの買い替えの提案を、端末装置300の表示装置301または対象家電機器100Aの表示装置101に表示させる。なお、提案部242は、対象家電機器100Aの耐用年数と比べて使用年数が少ない場合(例えば半分未満である場合)は、買い替えの提案を遅らせてもよい。
【0056】
このような構成によれば、家族の変化に合わせてユーザUに対象家電機器100Aの買い替えを提案することができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0057】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、対象家電機器100Aが設置された地域区分に基づき対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期が特定される例である。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0058】
図9は、地域区分情報268の内容の一例を概念的に示す図である。地域区分情報268は、例えばサーバ200の記憶部260に記憶されている。地域区分情報268では、温度環境に基づき区分された複数の地域ARが登録されている。本実施形態では、「北海道」、「東北」、「関東」、「甲信越」といった区分された複数の地域ARが登録されている。
【0059】
ここで、暖かい地域では、冷蔵庫の運転率が高まることによる各部品の劣化や、高温による断熱材の劣化が考えられる。このため、暖かい地域では、早めの時期に冷蔵庫の買い替えの提案を行うことが好ましい場合がある。一方で、寒い地域では、冷蔵庫の運転率が低いことによる各部品の劣化抑制や、低温による断熱材の劣化抑制が考えられる。このため、寒い地域では、遅めの時期に冷蔵庫の買い替えの提案を行うことが好ましい場合がある。
【0060】
図10は、調整値情報269の内容の一例を図である。調整値情報269は、例えばサーバ200の記憶部260に記憶されている。調整値情報269では、複数の地域ARそれぞれに対して、対象家電機器100A(例えば冷蔵庫)の買い替えを提案する時期の調整に用いられる調整値が格納されている。
【0061】
本実施形態では、特定部241は、ユーザUが居住する地域ARの区分を端末装置300に対するユーザUの入力に基づいて取得する。そして、特定部241は、ユーザUが居住する地域ARの区分と、調整値情報269とに基づいて、買い替えを提案する時期に関する調整値を取得する。特定部241は、デフォルトで設定された買い替え提案を行う時期(例えば耐用年数)に上記調整値を乗算することで、対象家電機器100Aの買い替えを提案する時期を特定する。この場合、提案部242は、対象家電機器100Aの買い替えの提案を、端末装置300の表示装置301または対象家電機器100Aの表示装置101に表示させる。
【0062】
このような構成によれば、対象家電機器100Aが設置された地域の区分に応じたより適切な時期にユーザUに対象家電機器100Aの買い替えを提案することができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0063】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態は、対象家電機器100AのユーザUと同じ使用環境の他のユーザUの家電製品の買い替え履歴に基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期が特定される例である。なお以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0064】
図11は、本実施形態の家電機器管理システム1の全体構成を示す図である。本実施形態は、家電機器管理システム1は、複数の家庭に配置された複数の家電機器100を含む。サーバ200の登録情報管理部220は、複数の家庭に配置された複数の家電機器100に関する登録の履歴(買い替えの履歴)を収集し、登録履歴情報262Xとして蓄積する。登録履歴情報262Xは、例えばサーバ200の記憶部260に記憶される。
【0065】
図12は、本実施形態の登録履歴情報262Xの内容の一例を示す図である。本実施形態の登録履歴情報262は、複数のユーザU(例えばユーザA,B,C,I,J,K,…)のユーザアカウントとそれぞれ対応付けられた複数の登録履歴情報262(例えば登録履歴情報262a,262b,262c,262i,262j,262k,…)を含む。登録履歴情報262a,262b,262c,262i,262j,262kの各々は、例えば、第1実施形態で説明した登録履歴情報262と同様の内容である。
【0066】
本実施形態では、登録履歴情報262Xでは、複数のユーザUの登録履歴情報262は、ユーザUの使用環境(例えば第1グループG1,第2グループG2,…)ごとに区別されて、または使用環境に基づく検索が可能に管理されている。「使用環境」は、「属性」と読み替えられてもよい。
【0067】
「使用環境」の一例は、複数に区分された地域AR(図9参照)である。この場合、「使用環境が同じ」とは、複数に区分された地域ARのなかで同じ地域ARに居住していることを意味する。「使用環境」の別の例は、ユーザUの家族構成である。この場合、「使用環境が同じ」とは、ユーザUの家族構成が同じ(「単身世帯」、「夫婦世帯」、「子供1人世帯」…などが同じ)ことを意味する。さらに別の例では、「使用環境」は、対象家電機器100Aの複数に区分された使用頻度(利用頻度)である。この場合、「使用環境が同じ」とは、複数に区分された使用頻度のなかで同じ使用頻度であることを意味する。ユーザUの使用環境を示す情報は、例えば、端末装置300に対するユーザUの入力に基づいて、ユーザUの家電機器100が備えるセンサ(例えばカメラ)により得らえる情報に基づいて、またはユーザUの家電機器100の使用履歴情報263に基づいて生成される。
【0068】
本実施形態では、特定部241は、ユーザUと同じ使用環境の他のユーザUの家電機器100の買い替え履歴(例えば、対象家電機器100Aの同種製品の買い替え履歴)に基づき、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を特定する。「同種製品」とは、同じ機種に限定されず、過年度の機種(例えば過年度で構成が近い機種)も含み得る。
【0069】
なお、使用環境によって対象家電機器100Aと劣化の進行度の傾向(劣化が速いまたは遅い)が同じ他の家電機器100B(例えば、気温が高い地域ARに配置された冷蔵庫と空気調和機のような関係を持つ家電機器)がある場合、「他のユーザUの家電機器100の買い替え履歴」は、対象家電機器100Aの同種製品の買い替え履歴に限定されず、他の家電機器100Bの買い替え履歴であってもよい。
【0070】
本実施形態の特定部241は、例えば、以下の3つの態様を有し得る。
第1態様では、特定部241は、ユーザUと同じ使用環境の他のユーザUの家電機器100の買い替え履歴として、複数に区分された地域ARのなかでユーザUと同地域ARに居住する他のユーザUの家電機器100の買い替え履歴に基づき(例えば登録履歴情報262Xに基づき)、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を特定する。例えば、ユーザAと同地域ARに居住する複数のユーザB,Cの対象家電機器100Aと同種製品(耐用年数10年)の平均的な使用年数が7年である場合、対象家電機器100A(耐用年数10年)の使用年数が7年に達した時期を、ユーザAに対して対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期として特定する。
【0071】
第2態様では、特定部241は、ユーザUと同じ使用環境の他のユーザUの家電機器100の買い替え履歴として、ユーザUと家族構成が同じ他のユーザUの家電機器100の買い替え履歴に基づき(例えば登録履歴情報262Xに基づき)、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を特定する。例えば、ユーザAが夫婦世帯(2人暮らし世帯)であり、同じく夫婦世帯のユーザB,Cの対象家電機器100Aと同種製品(耐用年数10年)の平均的な使用年数が8年である場合、対象家電機器100A(耐用年数10年)の使用年数が8年に達した時期を、ユーザAに対して対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期として特定する。
【0072】
第3態様では、特定部241は、ユーザUと同じ使用環境の他のユーザUの家電機器100の買い替え履歴として、対象家電機器100Aの複数に区分された使用頻度のなかでユーザUと同じ使用頻度の区分に属する他のユーザUの対象家電機器100Aと同種製品の買い替え履歴に基づき(例えば登録履歴情報262Xに基づき)、対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期を特定する。例えば、ユーザAが対象家電機器100Aを良く利用するタイプであり、同じく対象家電機器100Aと同種製品を良くするユーザB,Cの当該同種製品(耐用年数10年)の平均的な使用年数が5年である場合、対象家電機器100A(耐用年数10年)の使用年数が5年に達した時期を、ユーザAに対して対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期として特定する。
【0073】
このような構成によれば、ユーザUと同じ使用環境の他のユーザUの家電機器100の買い替え履歴に基づき、より適切な時期にユーザUに対象家電機器100Aの買い替えを提案することができる。これにより、ユーザUの利便性の向上を図ることができる。
【0074】
(変形例)
次に、第1から第5の実施形態に関する変形例について説明する。特定部241は、計算により事前に導出された複数の対象家電機器100Aの買い替え提案を行う時期が所定期間内に近接している場合(例えば冷蔵庫の買い替えの提案時期と洗濯機の買い替えの提案時期が3ヶ月以内である場合)、買い替えの優先度が高い対象家電機器100Aの買い替えの提案時期を先行して設定し、買い替えの優先度が低い対象家電機器100Aの買い替えの提案時期を、時間を空けた(例えば1年空けた)時期に設定してもよい。買い替えの優先度の一例では、使用頻度が高い対象家電機器100Aの優先度が高くなる。買い替えの優先度の別の例では、機能が停止することで損失や体調不良を招くもの(冷蔵庫や空気調和機)の優先度が高くなる。
【0075】
以上、いくつかの実施形態および変形例について説明した。ただし、実施形態および変形例は、上記例に限定されない。上述した複数の実施形態および変形例は、互いに組み合わされて実現されてもよい。
【0076】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、情報処理システムは、特定部と、提案部とを持つ。前記特定部は、買い替えの提案対象である対象家電機器のユーザが使用する1つ以上の他の家電機器の買い替え履歴、前記対象家電機器の性能低下、前記ユーザの家族の変化、前記対象家電機器が設置された地域の区分、または前記ユーザと同じ使用環境のユーザの家電機器の買い替え履歴に基づき、前記対象家電機器の買い替え提案を行う時期を特定する。前記提案部は、前記特定部により特定された時期に前記対象家電機器の買い替えを提案する。このような構成によれば、利便性の向上を図ることができる。なお「情報処理システム」は、家電機器のみによって実現されてもよく、サーバのみによって実現されてもよく、端末装置のみによって実現されてもよい。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1…家電管理システム(情報処理システム)、100…家電機器、100A…対象家電機器、100B…他の家電機器、200…サーバ、210…登録受付部、220…登録情報管理部、230…家電機器制御部、240…買い替え提案部、241…特定部、242…提案部、300…端末装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12