(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165791
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20221025BHJP
B65H 3/06 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
G03G15/00 403
B65H3/06 350A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071298
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勉
【テーマコード(参考)】
2H072
3F343
【Fターム(参考)】
2H072AA03
2H072AA16
2H072AA24
2H072AB04
2H072BA17
2H072BA20
2H072CA01
2H072JA02
3F343FA02
3F343FB02
3F343FC21
3F343GA03
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343JA01
3F343KB04
3F343KB20
3F343LC03
3F343MA03
3F343MA15
3F343MA45
3F343MB03
3F343MB13
3F343MC06
(57)【要約】
【課題】印刷時間の延びを抑制し得る。
【解決手段】載置部に載置された用紙を搬送経路に送り出す給紙ローラと、前記給紙ローラの劣化量を算出する劣化量算出手段と、連続給紙を行う際に、所定の給紙間隔で前記給紙ローラによる給紙を行うように制御する制御部と、前記搬送経路に設けられ、前記用紙を検知するセンサとを備え、前記制御部は、前記給紙ローラの前記劣化量が第1の閾値以上である場合に、基準時間と、前記給紙ローラが前記用紙の給紙を開始してから当該用紙を前記センサが検知するまでの給紙時間とに基づいて、給紙時の遅延時間を算出し、算出した当該遅延時間に基づいて、前記給紙間隔を短くする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置部に載置された用紙を搬送経路に送り出す給紙ローラと、
前記給紙ローラの劣化量を算出する劣化量算出手段と、
連続給紙を行う際に、所定の給紙間隔で前記給紙ローラによる給紙を行うように制御する制御部と、
前記搬送経路に設けられ、前記用紙を検知するセンサと
を備え、
前記制御部は、
前記給紙ローラの前記劣化量が第1の閾値以上である場合に、基準時間と、前記給紙ローラが前記用紙の給紙を開始してから当該用紙を前記センサが検知するまでの給紙時間とに基づいて、給紙時の遅延時間を算出し、算出した当該遅延時間に基づいて、前記給紙間隔を短くする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記基準時間は、
前記遅延時間が発生しない場合の前記給紙ローラが前記用紙の給紙を開始してから当該用紙を前記センサが検知するまでの基準給紙時間であり、
前記制御部は、
前記給紙ローラの前記劣化量が前記第1の閾値以上である場合に、前記給紙ローラが前記用紙の給紙を開始してから当該用紙を前記センサが検知するまでの給紙時間を計測し、計測した当該給紙時間から前記基準時間を減算することにより給紙時の前記遅延時間を算出し、算出した当該遅延時間に基づいて前記給紙間隔を短くする
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記給紙ローラの前記劣化量が前記第1の閾値以上である場合の、前記給紙ローラによる給紙回数と、前記遅延時間の合計値とを記憶する記憶部をさらに有し、
前記制御部は、
前記遅延時間の合計値を前記給紙回数で除算することにより給紙時の前記遅延時間の平均値を算出し、算出した当該平均値に基づいて前記給紙間隔を短くする
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
前記給紙ローラの前記劣化量が前記第1の閾値以上である場合の、過去所定回数分の給紙における、前記給紙ローラによる給紙回数と、前記遅延時間の合計値とを記憶し、
前記制御部は、
前記遅延時間の合計値を前記給紙回数で除算することにより給紙時の前記遅延時間の平均値を算出し、算出した当該平均値に基づいて前記給紙間隔を短くする
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記遅延時間の平均値が第2の閾値以上である場合に、当該平均値だけ前記給紙間隔を短くする
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記記憶部は、
前記用紙の種類ごとに、前記給紙ローラの前記劣化量が前記第1の閾値以上である場合の、前記給紙ローラによる給紙回数と、前記遅延時間の合計値とを記憶し、
前記制御部は、
印刷する前記用紙の種類ごとに、前記遅延時間の合計値を前記給紙回数で除算することにより給紙時の前記遅延時間の平均値を算出する
ことを特徴とする請求項3~5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記劣化量算出手段は、
前記給紙ローラによる給紙回数に基づいて前記劣化量を算出する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記劣化量算出手段は、
前記給紙ローラの駆動時間に基づいて前記劣化量を算出する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記給紙ローラと、前記センサとの間の前記搬送経路上に、前記用紙を搬送する為の搬送ローラが設けられ、
前記制御部によって算出される給紙時の前記遅延時間には、前記給紙ローラの劣化による遅延と、前記搬送ローラの劣化による遅延とが含まれる
ことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタなどの画像形成装置として、連続印刷時に、一定の用紙間隔で印刷できるようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置では、用紙トレイから用紙を給紙する給紙ローラが劣化すると、給紙ローラの摩擦力低下などにより滑り(スリップ)が発生して給紙に遅延が発生し、連続印刷時などに印刷時間が延びてしまうという問題を有していた。
【0005】
本発明は以上の点を考慮したものであり、印刷時間の延びを抑制し得る画像形成装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、載置部に載置された用紙を搬送経路に送り出す給紙ローラと、前記給紙ローラの劣化量を算出する劣化量算出手段と、連続給紙を行う際に、所定の給紙間隔で前記給紙ローラによる給紙を行うように制御する制御部と、前記搬送経路に設けられ、前記用紙を検知するセンサとを備え、前記制御部は、前記給紙ローラの前記劣化量が第1の閾値以上である場合に、基準時間と、前記給紙ローラが前記用紙の給紙を開始してから当該用紙を前記センサが検知するまでの給紙時間とに基づいて、給紙時の遅延時間を算出し、算出した当該遅延時間に基づいて、前記給紙間隔を短くするようにした。
【0007】
このように、給紙ローラの劣化によって生じる給紙時の遅延時間に基づいて、給紙間隔を短くすることで、連続印刷時などの印刷時間の延びを抑制することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、印刷時間の延びを抑制し得る画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】印刷装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】用紙がどのように給紙されるのかを示す図である。
【
図4】給紙時の各部の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【
図5】基準SLIP_TIME情報を示す図である。
【
図6】平均SLIP_TIME情報を示す図である。
【
図8】合計SLIP_TIME情報を示す図である。
【
図10】給紙動作の全体的な流れを示すフローチャートである。
【
図11】補正無しの給紙動作の流れを示すフローチャートである。
【
図12】補正有の給紙動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための形態(以下、これを実施の形態と呼ぶ)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0011】
[1.印刷装置の構成]
図1に、画像形成装置としての印刷装置1の内部構成を示す。尚、
図1は、印刷装置1の内部構成を示す側断面図である。
【0012】
この
図1に示すように、印刷装置1は、略箱型の本体部2を有している。ここでは、本体部2の図中右側から左側への方向を前方向、その逆方向を後方向、本体部2の図中下側から上側への方向を上方向、その逆方向を下方向、本体部2の図中手前側から奥側への方向を左方向、その逆方向を右方向とする。
【0013】
本体部2の内部には、上部に印刷ユニット10が設けられ、下部に用紙トレイ11が設けられている。さらに本体部2の下方には、3個のトレイユニット12、13、14が上下方向に並べて設けられている。以下、印刷ユニット10、用紙トレイ11、トレイユニット12、13、14について、順に説明する。
【0014】
まず印刷ユニット10について説明する。印刷ユニット10は、電子写真方式で印刷(つまり画像形成)を行うユニットであり、用紙トレイ11から繰り出される用紙に印刷を行うようになっている。具体的には、この印刷ユニット10は、用紙トレイ11から繰り出された用紙を本体部2の上面に設けられたスタッカ2sまで搬送する際の経路となる図中太線で示す搬送経路Rを有している。別の言い方をすると、搬送経路Rは、用紙が通る経路であり、用紙トレイ11とスタッカ2sとを繋いでいる。
【0015】
さらに印刷ユニット10は、この搬送経路Rに沿って、用紙搬送方向下流側(つまり用紙トレイ11に近い側)から順に、IN1センサ20と、レジストローラ21と、IN2センサ22と、レジストローラ23と、WR(Write)センサ24と、ドラムユニット25及び転写ローラ26と、定着INセンサ27と、定着ユニット28と、定着OUTセンサ29と、EXITローラ30と、EXITセンサ31と、排出ローラ32とを有している。
【0016】
印刷ユニット10は、搬送経路R上に設けられた各ローラを駆動させることにより搬送経路Rに沿って用紙を搬送する。各ローラのうち、レジストローラ21、23は、用紙の斜行を修正するようにもなっている。また印刷ユニット10は、搬送経路R上に設けられた各センサにより搬送経路Rに沿って搬送される用紙を検知する(つまり搬送経路R上の用紙の位置を特定する)ようになっている。
【0017】
尚、搬送経路Rは、IN1センサ20よりも用紙搬送方向下流側(つまり用紙トレイ11に近い側)で分岐して、本体部2の下方に設けられたトレイユニット12へと延び、さらにトレイユニット12の内部を通って下方のトレイユニット13へと延び、さらにトレイユニット13の内部を通って下方のトレイユニット14へと延びている。つまり、搬送経路Rは、用紙トレイ11、トレイユニット12、13、14のそれぞれとスタッカ2sとを繋ぐ経路となっている。
【0018】
ここで印刷ユニット10による印刷動作について簡単に説明する。印刷ユニット10は、ドラムユニット25内の感光ドラムの表面をLEDヘッド33により露光することで、ドラム表面に静電潜像を形成し、当該静電潜像にトナーを付着させて現像することにより、ドラム表面に印刷画像となるトナー像を形成する。一方で、印刷ユニット10は、用紙トレイ11、トレイユニット12、13、14のいずれかから搬送経路Rに繰り出された用紙をIN1センサ20で検知すると、図示しないレジストローラクラッチをつなげ、図示しない搬送モータの駆動力をレジストローラ21に伝達してレジストローラ21を回転させることで、用紙を搬送経路Rに沿って搬送する。その後、用紙は、ドラムユニット25及び転写ローラ26へと搬送され、ドラムユニット25の感光ドラムと転写ローラ26との間を通過する。このとき、用紙には、転写ローラ26によって、感光ドラムに形成されたトナー像が転写される。
【0019】
その後、印刷ユニット10は、トナー像が転写された用紙を定着ユニット28へと搬送し、定着ユニット28により当該用紙を加熱及び加圧することにより、当該用紙にトナー像を定着させる。そして印刷ユニット10は、トナー像が定着した用紙を、スタッカ2sへと搬送し、スタッカ2s上に排出する。印刷ユニット10についての説明は、以上である。尚、
図1に示す印刷ユニット10は、ドラムユニット25、転写ローラ26及びLEDヘッド33が1個ずつ設けられた単色印刷の構成であるが、これに限らず、ドラムユニット25、転写ローラ26及びLEDヘッド33を複数個ずつ設けてカラー印刷の構成としてもよい。
【0020】
つづけて、用紙トレイ11について説明する。用紙トレイ11は、用紙を載置部40に載置して収納し、1枚ずつ搬送経路Rへ繰り出すようになっている。具体的には、この用紙トレイ11は、用紙搬送方向下流側から順に、ピックアップローラ41と、搬送ローラ42とを有している。つまりピックアップローラ41は、用紙トレイ11から給紙する際の搬送方向最下流に位置している。
【0021】
用紙トレイ11は、載置部40に載置されている用紙をピックアップローラ41に押し付けた状態で、図示しない搬送モータを駆動させ、その後、図示しないピックアップローラクラッチをつなげてピックアップローラ41を回転させることで、載置部40に載置されている用紙を、ピックアップローラ41の摩擦力によって搬送経路Rに繰り出す(給紙する)。搬送経路Rに繰り出された用紙は、搬送ローラ42により1枚ずつ搬送経路Rに沿って搬送される。用紙トレイ11についての説明は、以上である。
【0022】
つづけて、トレイユニット12、13、14について説明する。尚、トレイユニット12、13、14は、同一構成の為、ここでは、トレイユニット12についてのみ説明する。
【0023】
トレイユニット12は、用紙トレイ11と同様、用紙を載置部50に載置して収納し、1枚ずつ搬送経路Rへ繰り出すようになっている。具体的には、このトレイユニット12は、用紙搬送方向下流側から順に、ピックアップローラ51と、搬送ローラ52と、IN1センサ53と、レジストローラ54を有している。つまりピックアップローラ51は、トレイユニット12から給紙する際の搬送方向最下流に位置している。
【0024】
トレイユニット12は、載置部50に載置されている用紙をピックアップローラ51に押し付けた状態で、図示しない搬送モータを駆動させ、その後、図示しないピックアップローラクラッチをつなげてピックアップローラ51を回転させることで、載置部50に載置されている用紙を、ピックアップローラ51の摩擦力によって搬送経路Rに繰り出す(給紙する)。搬送経路Rに繰り出された用紙は、搬送ローラ52により1枚ずつ搬送経路Rに沿って搬送される。その後、トレイユニット12では、用紙をIN1センサ53で検知すると、図示しないレジストローラクラッチをつなげてレジストローラ54を回転させることで、用紙を搬送経路Rに沿って搬送する。トレイユニット12、13、14についての説明は、以上である。
【0025】
尚、上述したように、印刷装置1は、用紙トレイ11、トレイユニット12、13、14の計4つの用紙トレイを有していて、それぞれから給紙できるようになっている。以下では、説明を分かり易くする為、用紙トレイ11、トレイユニット12、13、14を、それぞれ第1用紙トレイ11、第2用紙トレイ12、第3用紙トレイ13、第4用紙トレイ14と呼ぶことにする。
【0026】
次に、
図2に示すブロック図を用いて、印刷装置1の機能構成について説明する。印刷装置1は、図示しないCPU、メモリ、記憶装置などのコンピュータ構成のハードウェアを有していて、CPUが記憶装置に格納されているプログラムをメモリに読み出して実行することにより、
図2に示す各機能制御部を実現している。
【0027】
具体的には、印刷装置1は、機能制御部として、システム制御部60と、通信制御部61と、シーケンス制御部62と、スケジュール制御部63と、メモリ管理部64と、画像制御部65と、定着制御部66と、搬送制御部67と、寿命制御部68とを有している。
【0028】
システム制御部60は、印刷装置1全体を制御するとともに、制御に必要な周期タイマや各機能制御部間の同期通信などを管理する。通信制御部61は、UART通信などを用いて、ホストコンピュータなどの図示しない上位装置との通信を行う。具体的には、通信制御部61は、上位装置から送信されてくる印刷指示(印刷ジョブ)を受信したり、印刷装置1のステータスを上位装置へ送信したりする。
【0029】
シーケンス制御部62は、印刷装置1のイニシャル動作(印刷準備動作)及び印刷動作などのシーケンシャル動作を制御するとともに、各機能制御部へ同期動作の指示を出す。スケジュール制御部63は、通信制御部61が受信した印刷指示に従って、印刷ページ数、ページの印刷順序、用紙種別(メディアタイプ)、印刷速度、給紙トレイなどの印刷情報を生成し、当該印刷情報を各機能制御部へ通知する。
【0030】
メモリ管理部64は、各種情報を記憶する記憶部として動作する。具体的には、メモリ管理部64は、各種情報を不揮発性メモリなどの記憶装置に書き込むことで記憶する。メモリ管理部64が管理する各種情報としては、印刷装置1の給紙動作にかかわる情報や印刷装置1の寿命に関する情報などである。システム制御部60は、このメモリ管理部64から各種情報を取得したり、このメモリ管理部64に各種情報を記憶させたりするようになっている。
【0031】
画像制御部65は、スケジュール制御部63から通知される印刷情報に基づいて、ドラムユニット25及びLEDヘッド33を駆動させることにより、ページごとの画像を用紙に転写(つまり印刷)する。定着制御部66は、スケジュール制御部63から通知される印刷情報に基づいて、定着ユニット28を駆動させる。具体的には、定着制御部66は、印刷に利用するメディアタイプに応じた定着温度となるように定着ユニット28を駆動させる。
【0032】
搬送制御部67は、第1用紙トレイ11~第4用紙トレイ14の動作を制御するトレイ制御部67tを有し、スケジュール制御部63から通知される印刷情報に基づいて、第1用紙トレイ11~第4用紙トレイ14からの給紙と、用紙の搬送を制御する。また詳しくは後述するが、搬送制御部67は、ピックアップローラ41、51の劣化により給紙に遅延が発生する場合に、システム制御部60からの指示にしたがって、連続印刷時の給紙間隔を短くするようにもなっている。
【0033】
寿命制御部68は、第1用紙トレイ11~第4用紙トレイ14の寿命や、ドラムユニット25の寿命及びトナー残量、定着ユニット28の寿命などを管理する。また寿命制御部68は、必要に応じて、ユニットの交換やトナーの補充を、例えば、通信制御部61を介して上位装置へ指示する。印刷装置1の機能構成は、以上のようになっている。
【0034】
[2.ピックアップローラの劣化による給紙の遅延について]
次に、ピックアップローラ41、51の劣化による給紙の遅延について説明する。尚、ピックアップローラ41の劣化による給紙の遅延と、ピックアップローラ51の劣化による給紙の遅延とで基本的な原理は同一の為、ここでは、ピックアップローラ41の劣化による給紙の遅延について説明する。
【0035】
まず前提として、印刷装置1では、
図3(A)、(B)に第1用紙トレイ11近傍の模式図を示すように、ピックアップローラ41からレジストローラ21までの搬送経路R上のピックアップローラ41近傍に搬送ローラ42が設けられ、レジストローラ21近傍にIN1センサ20が設けられている。
【0036】
そして印刷装置1では、印刷時、ピックアップローラクラッチをつなげて搬送モータの駆動力をピックアップローラ41に伝達することでピックアップローラ41を回転させて用紙Pを搬送経路Rに繰り出し(つまり給紙を行い)、その後、当該用紙Pの先端をIN1センサ20が検知すると、レジストローラクラッチをつなげて搬送モータの駆動力をレジストローラ21に伝達することでレジストローラ21を回転させて用紙を搬送するようになっている。
【0037】
ここで、
図4(A)に、1枚の用紙を給紙するときのタイミングチャートを示す。
図3(A)、(B)と、
図4(A)に示すように、ピックアップローラ41により給紙を開始した時点(つまりピックアップローラクラッチをONした時点t1)から、用紙の先端がIN1センサ20に到達した時点(つまりIN1センサ20の検知結果が用紙有となった時点t2)までの時間をHOP_TIME(給紙時間)と呼ぶ。
【0038】
尚、
図4(A)は、ピックアップローラ41が劣化してなく、給紙の遅延が発生していないときのHOP_TIMEであり、このときのHOP_TIMEを基準HOP_TIMEと呼ぶ。尚、この基準HOP_TIMEは、例えば搬送速度ごとにメモリ管理部64によって記憶されている。
【0039】
また
図3(C)に連続して搬送される2枚の用紙Pを示すように、印刷装置1では、連続印刷時、メディアタイプと搬送速度の組み合わせごとに設定された給紙タイミング時間に基づいて給紙を行うようになっている。この給紙タイミング時間は、例えばメモリ管理部64により記憶されていて、用紙1枚分の搬送時間(用紙長の搬送時間)と、用紙と用紙の間隔分の搬送時間(紙間の搬送時間)とを加算したものとなっている。つまり、給紙タイミング時間は給紙間隔を表しており、印刷装置1では、例えば印刷ジョブの1ページ目の給紙を開始した後、給紙タイミング時間が経過すると、2ページ目の給紙を開始するようになっている。
【0040】
これらを踏まえたうえで、ピックアップローラ41の劣化による給紙の遅延について説明する。ピックアップローラ41は、ゴムなどの弾性素材で形成されていて、摩擦力によって用紙を繰り出す(給紙する)ようになっている。このピックアップローラ41は、給紙を繰り返すと、用紙の紙粉やコート剤により汚れて劣化する。劣化したピックアップローラ41は、摩擦力が低下し、給紙時に用紙に対してスリップするようになる。
【0041】
このようにピックアップローラ41が、用紙に対してスリップする状態になると、
図4(B)のタイミングチャートに示すように、スリップした分、給紙に遅延が発生してHOP_TIME(時点t11~時点t12までの時間)が延びてしまう。ここで、このときのHOP_TIMEと基準HOP_TIMEとの差分が、スリップによって生じた給紙時の遅延時間(SLIP_TIME)となる。
【0042】
このように、ピックアップローラ41の劣化によりHOP_TIMEが基準HOP_TIMEより長くなる状況では、設定されている給紙タイミング時間に基づいて給紙を行っても、
図4(B)に示すように、SLIP_TIMEの分だけ、用紙の先端が遅れてIN1センサ20に到達することになり、次第に紙間が広がるなどして印刷スループットが低下してしまう。
【0043】
そこで、本実施の形態の印刷装置1は、ピックアップローラ41が劣化してHOP_TIMEが基準HOP_TIMEより長くなる状況では、給紙タイミング時間をSLIP_TIMEの分だけ短くすることにより、
図4(C)のタイミングチャートに示すように、用紙の給紙開始タイミング(つまり時点t21)をSLIP_TIMEの分だけ早めるようになっている。
【0044】
こうすることで、印刷装置1では、ピックアップローラ41が劣化してスリップする状況でも、ピックアップローラ41が劣化していない場合と同様のタイミング(つまり時点t22)で用紙の先端がIN1センサ20に到達することになり、紙間の広がりを抑えて印刷スループットの低下を抑制することができる。尚、上述の説明では、ピックアップローラ41が劣化するとスリップすると説明したが、実際には、ピックアップローラ41だけでなく、ピックアップローラ41とIN1センサ20との間に位置する搬送ローラ42についても、劣化するとピックアップローラ41ほどではないがスリップする。よって、HOP_TIMEが基準HOP_TIMEより長くなる1番の要因はピックアップローラ41の劣化であるが、搬送ローラ42の劣化もHOP_TIMEが基準HOP_TIMEより長くなる要因の1つとなっている。別の言い方をすると、給紙時の遅延時間となるSLIP_TIMEには、ピックアップローラ41の劣化による遅延と、搬送ローラ42の劣化による遅延とが含まれていることになる。ピックアップローラ41の劣化による給紙の遅延についての説明は以上である。
【0045】
[3.給紙動作]
次に、印刷装置1による給紙動作について説明する。この給紙動作は、システム制御部60が搬送制御部67とともに行う動作である。まずこの給紙動作で用いられる各種情報について、
図5~
図9を用いて説明する。尚、
図5~
図9に示す各種情報は、メモリ管理部64によって記憶管理されている。
【0046】
図5は、基準SLIP_TIME情報である。この基準SLIP_TIME情報は、用紙の搬送速度と、SLIP_TIMEの基準値(基準SLIP_TIME)とを対応付けた情報となっている。用紙の搬送速度は、例えばPPMの単位で示され、基準SLIP_TIMEは、例えばms(ミリセック)の単位で示されている。尚、PPMは、Paper Per Minuteの略であり、1分間に何ページ印刷できるかを示す単位である。ここでは、PPMを、搬送速度を表す情報として利用しているが、搬送速度を表す情報としてPPMとは別の情報を利用したり、cm/sといった搬送速度そのものを利用したりしてもよい。
【0047】
具体的に
図5に示す例では、例えば、用紙の搬送速度が45PPMのときの基準SLIP_TIMEが10msとなっている。これは、用紙を45PPMの搬送速度で搬送する場合、SLIP_TIMEが10ms未満であれば、SLIP_TIMEが印刷スループットに与える影響が小さいことから、給紙の遅延を考慮して給紙開始タイミングを短くする必要はないことを意味している。別の言い方をすると、用紙を45PPMの搬送速度で搬送する場合、SLIP_TIMEが10ms以上であれば、SLIP_TIMEが印刷スループットに与える影響が大きいことから、給紙の遅延を考慮して給紙タイミング時間を短くする必要があることを意味している。この基準SLIP_TIME情報は、あらかじめメモリ管理部64によって記憶されている。
【0048】
図6は、平均SLIP_TIME情報である。この平均SLIP_TIME情報は、用紙トレイと用紙トレイから給紙される用紙のメディアタイプと用紙の搬送速度との組み合わせ(つまりピックアップローラとピックアップローラにより給紙される用紙のメディアタイプと用紙の搬送速度との組み合わせ)ごとに算出されたSLIP_TIMEの平均値(平均SLIP_TIME)を示す情報である。
【0049】
具体的に
図6に示す例では、例えば、第1用紙トレイ11から普通紙を給紙して45PPMで搬送したときに算出された平均SLIP_TIMEが10msとなっている。これは、第1用紙トレイ11から普通紙を給紙して45PPMで搬送した場合、平均して10msのSLIP_TIMEが発生していることを意味している。この平均SLIP_TIMEは、第1用紙トレイ11から普通紙を給紙して45PPMで搬送する際に得られたSLIP_TIMEの合計値(
図8に示す値)を、第1用紙トレイ11から普通紙を給紙して45PPMで搬送したときの給紙回数(
図7に示す値)で除算することで得られる値である。詳しくは後述するが、この平均SLIP_TIMEは、ピックアップローラ41が寿命に近づきSLIP_TIMEが基準SLIP_TIMEを超えている場合にのみ、給紙時にシステム制御部60によって算出され、メモリ管理部64により記憶(更新)されるようになっている。
【0050】
図7は、給紙回数情報である。この給紙回数情報は、用紙トレイと用紙トレイから給紙される用紙のメディアタイプと用紙の搬送速度との組み合わせごとにカウントされた給紙回数を示す情報である。
【0051】
具体的に
図7に示す例では、例えば、第1用紙トレイ11から普通紙を給紙して45PPMで搬送したときの給紙回数が1300回となっている。詳しくは後述するが、この給紙回数も、ピックアップローラ41が寿命に近づきSLIP_TIMEが基準SLIP_TIMEを超えている場合にのみ、給紙時にシステム制御部60によってカウントされ、メモリ管理部64により記憶(更新)されるようになっている。
【0052】
図8は、合計SLIP_TIME情報である。この合計SLIP_TIME情報は、用紙トレイと用紙トレイから給紙される用紙のメディアタイプと用紙の搬送速度との組み合わせごとに算出されたSLIP_TIMEの合計値(合計SLIP_TIME)を示す情報である。
【0053】
具体的に
図8に示す例では、例えば、第1用紙トレイ11から普通紙を給紙して45PPMで搬送したときの合計SLIP_TIMEが13secとなっている。詳しくは後述するが、この合計SLIP_TIMEも、ピックアップローラ41が寿命に近づきSLIP_TIMEが基準SLIP_TIMEを超えている場合にのみ、給紙時にシステム制御部60によって算出され、メモリ管理部64により記憶(更新される)ようになっている。
【0054】
尚、
図6に示す平均SLIP_TIME情報に含まれる各平均SLIP_TIMEは、
図8に示す合計SLIP_TIME情報に含まれる各合計SLIP_TIMEを、
図7に示す給紙回数情報に含まれる各給紙回数で除算した値となっている。
【0055】
図9は、総給紙回数情報である。この総給紙回数情報は、用紙トレイごとに算出された給紙回数の合計値(総給紙回数)を示す情報である。
【0056】
具体的に
図9に示す例では、例えば、第1用紙トレイ11から給紙したときの総給紙回数が4950回となっている。この総給紙回数は、第1用紙トレイ11から用紙を1枚給紙するごとに、システム制御部60によってカウントされ、メモリ管理部64により記憶(更新)されるようになっている。
【0057】
また図示しないが、各用紙トレイには、ピックアップローラ41が寿命となる給紙回数(寿命給紙回数)が設定されていて、
図9に示す総給紙回数がこの寿命給紙回数に達すると寿命となり、例えば交換などのメンテナンスが必要になってくる。この寿命給紙回数は、メモリ管理部64により記憶されていて、寿命制御部68によって管理されている。給紙動作で用いられる各種情報は、以上のようになっている。
【0058】
つづけて、印刷装置1による給紙動作の全体の流れについて
図10に示すフローチャートを用いて説明する。尚、ここでは説明を簡単にする為に、一例として、第1用紙トレイ11から給紙する場合の給紙動作について説明するが、第2用紙トレイ12、第3用紙トレイ13、第4用紙トレイ14から給紙する場合の給紙動作も同様の動作となる。
【0059】
システム制御部60は、給紙動作を開始すると、最初のステップSP1において、搬送制御部67に図示しない搬送モータを起動(駆動開始)させる。尚、この時点で、搬送モータの駆動力により搬送ローラ42が回転する。つづくステップSP2において、システム制御部60は、スケジュール制御部63から通知された印刷情報に基づいて、今回の印刷ジョブが1ページのみを印刷するものであるか否かを判定する。
【0060】
ここで1ページのみを印刷する印刷ジョブである場合、システム制御部60は、ステップSP2で肯定結果を得て、ステップSP9に移り、搬送制御部67とともに、あらかじめ設定された給紙タイミング時間をそのまま補正せずに用いた補正無しの給紙を行い、ステップSP10に移る。尚、ステップSP10で行う補正無しの給紙について詳しくは
図11に示すフローチャートを用いて後述する。
【0061】
これに対して、複数ページを印刷する印刷ジョブである場合、システム制御部60は、ステップSP2で否定結果を得て、ステップSP3に移る。ステップSP3において、システム制御部60は、今回の印刷が印刷ジョブでの1枚目の給紙であるか否かを判定する。
【0062】
ここで1枚目の給紙である場合、システム制御部60は、ステップSP3で肯定結果を得て、ステップSP9に移り、搬送制御部67とともに、あらかじめ設定された給紙タイミング時間をそのまま補正せずに用いた補正無しの給紙を行い、ステップSP10に移る。
【0063】
これに対して、2枚目以降の給紙である場合、システム制御部60は、ステップSP3で否定結果を得て、ステップSP4に移る。ステップSP4において、システム制御部60は、メモリ管理部64によって記憶されている平均SLIP_TIME情報(
図6)から、今回の印刷条件(例えば第1用紙トレイ11、普通紙、45PPMなど)に対応する平均SLIP_TIMEを取得して、ステップSP5に移る。
【0064】
ステップSP5において、システム制御部60は、メモリ管理部64によって記憶されている総給紙回数情報(
図9)から、今回の印刷で給紙を行う第1用紙トレイ11の総給紙回数(つまりピックアップローラ41の総給紙回数)を取得するとともに、メモリ管理部64によって記憶されている第1用紙トレイ11の寿命給紙回数(つまりピックアップローラ41の寿命給紙回数)を取得する。そして、システム制御部60は、第1用紙トレイ11の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上であるか否かを判定する。
【0065】
ここで第1用紙トレイ11の総給紙回数が寿命給紙回数の80%未満である場合、このことは、ピックアップローラ41がまだ寿命に近づいてなく、ピックアップローラ41の劣化による印刷スループットの低下が小さいことを意味する。ここで、寿命給紙回数の80%という数値は、給紙を繰り返し行ってピックアップローラ41の汚れの蓄積具合とSLIP_TIMEの変化を検証する実験をもとに選定した数値である。尚、この80%という数値は一例であり、印刷スループットの低下をどの程度許容するのかによっても変わってくる為、80%より大きい、もしくは小さくてもよい。
【0066】
このように第1用紙トレイ11の総給紙回数が寿命給紙回数の80%未満である場合、システム制御部60は、ステップSP5で否定結果を得てステップSP9に移り、搬送制御部67とともに、あらかじめ設定された給紙タイミング時間をそのまま補正せずに用いた補正無しの給紙を行い、ステップSP10に移る。
【0067】
これに対して、第1用紙トレイ11の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上である場合、このことは、ピックアップローラ41が寿命に近づいていて、ピックアップローラ41の劣化による印刷スループットの低下が大きい可能性があることを意味する。この場合、システム制御部60は、ステップSP5で肯定結果を得て、ステップSP6に移る。
【0068】
ステップSP6において、システム制御部60は、メモリ管理部64により記憶されている基準SLIP_TIME情報(
図5)から、今回の印刷条件として設定されている用紙の搬送速度(例えば45PPM)に対応する基準SLIP_TIMEを取得する。そしてシステム制御部60は、ステップSP4で取得した平均SLIP_TIMEが、基準SLIP_TIME以上であるか否かを判定する。
【0069】
ここで平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME未満である場合、このことは、ピックアップローラ41が寿命に近づいてはいるが、ピックアップローラ41の劣化による印刷スループットの低下は小さいことを意味する。この場合、システム制御部60は、ステップSP6で否定結果を得てステップSP9に移り、搬送制御部67とともに、あらかじめ設定された給紙タイミング時間をそのまま補正せずに用いた補正無しの給紙を行い、ステップSP10に移る。
【0070】
これに対して、平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME以上である場合、このことは、ピックアップローラ41が寿命に近づいていて、ピックアップローラ41の劣化による印刷スループットの低下が大きいことを意味する。この場合、システム制御部60は、ステップSP6で肯定結果を得てステップSP7に移る。
【0071】
ステップSP7において、システム制御部60は、印刷スループットの低下を抑制する為に、今回の印刷条件(例えば普通紙、45PPM)に対応する、設定された給紙タイミング時間から、ステップSP4で取得した平均SLIP_TIMEを減算することで、給紙タイミング時間を補正する(つまり平均SLIP_TIME分短くする)。
【0072】
つづくステップSP8において、システム制御部60は、搬送制御部67とともに、補正後の給紙タイミング時間を用いた補正有の給紙を行い、ステップSP10に移る。ステップSP10において、システム制御部60は、印刷ジョブの全ページを給紙し終えたか否かを判定する。ここで、印刷ジョブの全ページをまだ給紙し終えていない場合、システム制御部60は、ステップSP10で否定結果を得て、ステップSP4に戻る。
【0073】
これに対して、印刷ジョブの全ページを給紙し終えた場合、システム制御部60は、ステップSP10で肯定結果を得て、ステップSP11に移り、ステップSP8又はステップSP9の給紙でONしているレジストローラクラッチを搬送制御部67にOFFさせてステップSP12に移る。ステップSP12において、システム制御部60は、ステップSP1で起動した搬送モータを搬送制御部67に停止させて、一連の給紙動作を終了する。
【0074】
このように、上述した給紙動作では、印刷ジョブが1ページのみを印刷するものである場合、今回の給紙が印刷ジョブの1枚目の給紙である場合、ピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%未満である場合、平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME未満である場合は、印刷スループットの低下が無視できるほど小さいと考えられることから、給紙タイミング時間を補正せずに給紙を行うようになっている。
【0075】
一方で、上述の給紙動作では、印刷ジョブが複数ページを印刷するものであり、且つ今回の給紙が印刷ジョブの2枚目以降の給紙であり、そのうえでピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上で且つ平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME以上である場合に、印刷スループットの低下が無視できないほど大きいと考えられることから、給紙タイミング時間を補正して給紙を行うようになっている。印刷装置1による給紙動作の全体の流れは、以上のようになっている。
【0076】
尚、上述の給紙動作では、ステップSP6において平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME以上であるか否かを判断するようにしたが、ステップSP5においてピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上であるか否かを判断するだけで、ピックアップローラ41が寿命に近づいていて印刷スループットの低下が大きいか否かを十分判断できる場合には、このステップSP6については省略してもよい。
【0077】
またこれとは逆に、平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME以上であるか否かを判断することで、ピックアップローラ41が寿命に近づいていて印刷スループットの低下が大きいか否かを十分判断できる場合には、ステップSP5については省略してもよい。
【0078】
次に、上述したステップSP9で行う補正無しの給紙について、
図11に示すフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0079】
補正無しの給紙を開始すると、まずステップSP20において、システム制御部60が、今回の印刷条件(例えば普通紙、45PPM)に対応する、あらかじめ設定された給紙タイミング時間(つまり補正していない給紙タイミング時間)を、給紙タイミングタイマにセットして当該給紙タイミングタイマを起動する。以降、システム制御部60は、給紙タイミングタイマによる時間経過を監視する。
【0080】
つづくステップSP21において、システム制御部60は、搬送制御部67に、ピックアップローラクラッチをONさせる。これによりピックアップローラ41が駆動して用紙が繰り出される(給紙される)。つづくステップSP22において、システム制御部60は、用紙の先端がIN1センサ20を通過するまで待ち受け、通過したことを確認すると、肯定結果を得て、ステップSP23に移る。
【0081】
ステップSP23において、システム制御部60は、搬送制御部67に、レジストローラクラッチをONさせる。これにより用紙がレジストローラ21により搬送される。つづくステップSP24において、システム制御部60は、搬送制御部67に、ピックアップローラクラッチをオフさせる。これによりピックアップローラ41が停止する。
【0082】
つづくステップSP25において、システム制御部60は、用紙の後端がIN1センサ20を通過するまで待ち受け、通過したことを確認すると、肯定結果を得て、ステップSP26に移る。ステップSP26において、システム制御部60は、給紙タイミングタイマにセットした給紙タイミング時間が経過するのを待ち受け、経過したことを確認すると、補正無しの給紙を終了する。補正無しの給紙は、以上のようになっている。
【0083】
つづけて、上述したステップSP8で行う補正有の給紙について、
図12に示すフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0084】
補正有の給紙を開始すると、まずステップSP30において、システム制御部60が、ステップSP7で補正された給紙タイミング時間を、給紙タイミングタイマにセットして当該給紙タイミングタイマを起動する。以降、システム制御部60は、給紙タイミングタイマによる時間経過を監視する。
【0085】
つづくステップSP31において、システム制御部60は、HOP_TIME計測タイマを起動して、HOP_TIMEの計測を開始する。
【0086】
つづくステップSP32において、システム制御部60は、搬送制御部67に、ピックアップローラクラッチをONさせる。これによりピックアップローラ41が駆動して用紙が繰り出される(給紙される)。つづくステップSP33において、搬送制御部67は、用紙の先端がIN1センサ20を通過するまで待ち受け、通過したことを確認すると、肯定結果を得て、ステップSP34に移る。
【0087】
ステップSP34において、システム制御部60は、HOP_TIME計測タイマを停止させ、HOP_TIME計測タイマにより計測された時間をHOP_TIMEとして取得する。
【0088】
つづくステップSP35において、システム制御部60は、メモリ管理部64から、今回の搬送速度(例えば45PPM)に対応する基準HOP_TIMEを取得し、ステップSP34で取得したHOP_TIMEから基準HOP_TIMEを減算することによりSLIP_TIMEを算出する。
【0089】
さらにシステム制御部60は、メモリ管理部64により記憶されている給紙回数情報(
図7)から、今回の印刷条件(例えば第1用紙トレイ11、普通紙、45PPM)に対応する給紙回数を取得する。尚、ここで取得した給紙回数には、既にシステム制御部60によって今回の給紙1回分が加算されているとする。さらにシステム制御部60は、メモリ管理部64により記憶されている合計SLIP_TIME情報(
図8)から、今回の印刷条件(例えば第1用紙トレイ11、普通紙、45PPM)に対応する合計SLIP_TIMEを取得する。尚、ここで取得した合計SLIP_TIMEには、今回の給紙で算出したSLIP_TIMEはまだ含まれていない。
【0090】
そこでシステム制御部60は、今回の給紙で算出したSLIP_TIMEを、取得した合計SLIP_TIMEに加算することで、今回の給紙で算出したSLIP_TIMEを含めた合計SLIP_TIMEを算出する。そしてシステム制御部60は、算出した合計SLIP_TIMEを、取得した給紙回数で除算することで、平均SLIP_TIMEを算出する。
【0091】
つづくステップSP36において、システム制御部60は、ステップSP35で算出した平均SLIP_TIMEを用いて、メモリ管理部64により記憶されている平均SLIP_TIME情報の対応する平均SLIP_TIMEを更新する。これにより、メモリ管理部64には、今回の印刷条件に対応する最新の平均SLIP_TIMEが記憶されていることになる。またシステム制御部60は、ステップSP35で算出した合計SLIP_TIMEを用いて、メモリ管理部64により記憶されている合計SLIP_TIME情報の対応する合計SLIP_TIMEを更新する。これにより、メモリ管理部64には、今回の印刷条件に対応する最新の合計SLIP_TIMEが記憶されていることになる。
【0092】
ところで、ピックアップローラ41がスリップした場合、ステップSP34で取得したHOP_TIMEは、基準HOP_TIMEよりも長くなるはずだが、用紙の先端がピックアップローラ41よりもIN1センサ20側に飛び出ている状態で給紙されるなどして、ステップSP34で取得したHOP_TIMEが、基準HOP_TIMEよりも短くなり、算出したSLIP_TIMEがマイナスの値になってしまう場合がある。
【0093】
このような場合、例えば、今回の給紙で算出したSLIP_TIMEは用いずに平均SLIP_TIMEを算出するようにしてもよい。具体的には、例えば、ステップSP35で取得した給紙回数を-1することで、給紙回数を今回の給紙を含まない前回までの給紙回数とし、さらにステップSP35で取得した、今回の給紙で算出したSLIP_TIMEを含まない合計SLIP_TIMEを、今回の給紙を含まない給紙回数で除算することにより、今回の給紙で算出したマイナスの値のSLIP_TIMEを含まない平均SLIP_TIMEを算出する。そしてこの平均SLIP_TIMEを、マイナスの値のSLIP_TIMEの代わりに、今回の給紙で算出したSLIP_TIMEとして扱うようにすればよい。つまり、ステップSP34で取得したHOP_TIMEが基準HOP_TIMEよりも短くなる場合には、前回までの平均SLIP_TIMEを、今回までの平均SLIP_TIMEとしてもよい。
【0094】
つづくステップSP37において、システム制御部60は、搬送制御部67に、レジストローラクラッチをONさせる。これにより用紙がレジストローラ21により搬送される。つづくステップSP38において、システム制御部60は、搬送制御部67に、ピックアップローラクラッチをオフさせる。これによりピックアップローラ41が停止する。
【0095】
つづくステップSP39において、システム制御部60は、用紙の後端がIN1センサ20を通過するまで待ち受け、通過したことを確認すると、肯定結果を得て、ステップSP40に移る。ステップSP40において、システム制御部60は、給紙タイミングタイマにセットした給紙タイミング時間(つまり補正された給紙タイミング時間)が経過するのを待ち受け、経過したことを確認すると、補正有の給紙を終了する。補正有の給紙は、以上のようになっている。
【0096】
[4.まとめと効果]
ここまで説明したように、画像形成装置としての印刷装置1は、載置部40に載置された用紙を搬送経路Rに送り出す給紙ローラとしてのピックアップローラ41と、ピックアップローラ41の劣化量を表す総給紙回数を算出する劣化量算出手段、及び連続給紙を行う際に、給紙タイミング時間によって決まる所定の給紙間隔でピックアップローラ41による給紙を行うように制御する制御部としてのシステム制御部60と、総給紙回数を記憶する記憶部としてのメモリ管理部64と、搬送経路Rに設けられ、用紙を検知するセンサとしてのIN1センサ20とを備え、システム制御部60は、メモリ管理部64により記憶されている総給紙回数が第1の閾値としての寿命給紙回数の80%に達すると、基準時間及び基準給紙時間としての基準HOP_TIME(給紙時間)と、給紙時に計測したHOP_TIMEとの差に基づいて、給紙時の遅延時間の平均となる平均SLIP_TIMEを算出し、算出した平均SLIP_TIMEに基づいて、給紙タイミング時間を補正(短くする)ようにした。
【0097】
このように、印刷装置1では、ピックアップローラ41の劣化によって生じる給紙時のSLIP_TIMEの平均値(平均SLIP_TIME)に基づいて、給紙タイミング時間を短くすることで、ピックアップローラ41がスリップする分、給紙タイミングを早めて連続印刷時の紙間の広がりを抑え、印刷時間の延び(つまり印刷スループットの低下)を抑制することができる。
【0098】
また印刷装置1では、ピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上である場合にのみ、SLIP_TIMEを計測して平均SLIP_TIMEを算出し、給紙タイミング時間を補正するようにした。
【0099】
つまり、印刷装置1では、ピックアップローラ41が劣化してスリップが発生するような状況となった場合にのみ、SLIP_TIMEを計測して平均スリップタイムを算出し、給紙タイミング時間を補正するようになっている。こうすることで、印刷装置1では、ピックアップローラ41が劣化してなくスリップが発生しないような状況であるにもかかわらず、SLIP_TIMEを計測して平均スリップタイムを算出するような無駄な処理を省略することができる。
【0100】
さらに印刷装置1では、給紙タイミング時間を補正する条件を、ピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上で、且つ平均SLIP_TIMEが第2の閾値としての基準SLIP_TIME以上であるとすることにより、印刷スループットの低下が発生する状況を的確に判断して給紙タイミング時間を補正することができる。
【0101】
さらに印刷装置1では、給紙ごとにSLIP_TIMEが大きく変動する場合があることを考慮して、今までの給紙で算出されたSLIP_TIMEの平均値(平均SLIP_TIME)に基づいて、給紙タイミング時間を補正するようにした。こうすることで、例えば極端に長いSLIP_TIMEが計測された場合に、給紙タイミング時間を短くし過ぎてしまうような状況を回避することができる。
【0102】
さらに印刷装置1では、ピックアップローラ41にスリップが発生している場合に、給紙タイミング時間を短くして、用紙の搬送が遅延することを防止できるので、用紙の搬送が遅延することによりジャム(紙詰まり)が誤検知されて、印刷動作が中断してしまうような状況を回避することもできる。
【0103】
さらに印刷装置1では、用紙のメディアタイプや搬送速度によってピックアップローラ41の滑り易さが変わることを考慮して、給紙する用紙トレイと、給紙するメディアタイプと、搬送速度の組み合わせごとに、SLIP_TIMEを計測して平均SLIP_TIMEを算出し、給紙タイミング時間を補正するようにした。こうすることで、用紙のメディアタイプや搬送速度に合わせて、適切に給紙タイミング時間を補正することができる。
【0104】
[5.他の実施の形態]
[5-1.他の実施の形態1]
尚、上述した実施の形態では、平均SLIP_TIMEを算出し、当該平均SLIP_TIMEに基づいて給紙タイミング時間を補正するようにした。これに限らず、単純に今回の給紙時に測定したSLIP_TIMEに基づいて、次回の給紙時の給紙タイミング時間を短くするようにしてもよい。
【0105】
[5-2.他の実施の形態2]
また上述した実施の形態では、基準HOP_TIMEが、メモリ管理部64によって搬送速度ごとに記憶されているとした。これに限らず、例えばシステム制御部60が、用紙の搬送速度と、ピックアップローラ41からIN1センサ20までの距離とに基づいて、基準HOP_TIMEをその都度算出するようにしてもよい。
【0106】
[5-3.他の実施の形態3]
さらに上述した実施の形態では、メモリ管理部64によって、
図6の平均SLIP_TIME情報が示す平均SLIP_TIME、
図7の給紙回数情報が示す給紙回数、
図8の合計SLIP_TIME情報が示す合計SLIP_TIMEのそれぞれを、用紙トレイと当該用紙トレイから給紙される用紙のメディアタイプと搬送速度との組み合わせごとに記憶するようにした。これに限らず、これら平均SLIP_TIME、給紙回数、合計SLIP_TIMEを、用紙トレイと搬送速度の組み合わせごとに記憶するようにしてもよい。
【0107】
このように平均SLIP_TIME、給紙回数、合計SLIP_TIMEを、用紙トレイと搬送速度の組み合わせごとに記憶する場合、給紙動作では、印刷条件として設定されている用紙トレイと搬送速度とに対応する、平均SLIP_TIME、給紙回数、合計SLIP_TIMEをメモリ管理部64から取得し、これらを用いて給紙タイミング時間を補正するようにすればよい。またこのように平均SLIP_TIME、給紙回数、合計SLIP_TIMEを、用紙トレイと搬送速度の組み合わせごとに記憶する場合、用紙トレイにセットされている用紙のメディアタイプが変更されたタイミングで、当該用紙トレイと搬送速度の組み合わせに対応する、平均SLIP_TIME、給紙回数、合計SLIP_TIMEをリセットする(0にする)ようにしてもよい。
【0108】
またこれに限らず、搬送速度が固定である場合には、平均SLIP_TIME、給紙回数、合計SLIP_TIMEを、用紙トレイごと(つまりピックアップローラごと)に記憶したり、用紙トレイと搬送速度の組み合わせごとに記憶したりしてもよい。さらに用紙トレイが1つしかない場合には、平均SLIP_TIME、給紙回数、合計SLIP_TIMEを、用紙の種類ごとに記憶したり、用紙の種類と搬送速度の組み合わせごとに記憶したりしてもよい。
【0109】
[5-4.他の実施の形態4]
さらに上述した実施の形態では、ピックアップローラ41の劣化量を表す情報として、ピックアップローラ41の総給紙回数を用いた。これに限らず、ピックアップローラ41の劣化量を表す情報として、例えば、ピックアップローラ41の駆動時間を用いてもよい。
別の言い方をすると、システム制御部60が、ピックアップローラ41の総給紙回数に基づいてピックアップローラ41の劣化量を算出してもよいし、ピックアップローラ41の駆動時間に基づいてピックアップローラ41の劣化量を算出してもよい。ピックアップローラ41の劣化量を表す情報として、ピックアップローラ41の駆動時間を用いる場合、例えば、ピックアップローラ41の駆動時間が、あらかじめ設定されている寿命駆動時間の80%以上である場合にのみ、SLIP_TIMEを計測して平均SLIP_TIMEを算出し、給紙タイミング時間を補正するようにすればよい。またピックアップローラ41の総給紙回数と駆動時間の両方をピックアップローラ41の劣化量を表す情報として用いてもよい。
【0110】
[5-5.他の実施の形態5]
さらに上述した実施の形態では、ピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上で且つ平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME以上である場合の給紙回数及び合計SLIP_TIMEをメモリ管理部64により記憶するとともに、これら給紙回数及び合計SLIP_TIMEをもとに、ピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上で且つ平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME以上である場合の平均SLIP_TIMEを算出するようにした。
【0111】
これに限らず、例えば、ピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上で且つ平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME以上である場合の過去所定回数分(例えば10回分)の印刷ジョブの印刷における、給紙回数及び合計SLIP_TIMEをメモリ管理部64により記憶するようにして、これら給紙回数及び合計SLIP_TIMEをもとに、ピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上で且つ平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME以上である場合の平均SLIP_TIMEを算出するようにしてもよい。
【0112】
またこれに限らず、例えば、ピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上で且つ平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME以上である場合の過去所定回数分(例えば50回)の給紙における、給紙回数(例えば50回)及び合計SLIP_TIMEをメモリ管理部64により記憶するようにして、これら給紙回数及び合計SLIP_TIMEをもとに、ピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上で且つ平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME以上である場合の平均SLIP_TIMEを算出するようにしてもよい。
【0113】
またこれに限らず、給紙回数及び合計SLIP_TIMEをメモリ管理部64により記憶して平均SLIP_TIMEを算出する条件から、平均SLIP_TIMEが基準SLIP_TIME以上である場合という条件を除くようにしてもよい。具体的には、例えば、ピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上である場合の給紙回数及び合計SLIP_TIMEをメモリ管理部64により記憶して平均SLIP_TIMEを算出してもよいし、ピックアップローラ41の総給紙回数が寿命給紙回数の80%以上である場合の過去所定回数分の印刷ジョブの印刷や給紙における、給紙回数及び合計SLIP_TIMEをメモリ管理部64により記憶して平均SLIP_TIMEを算出してもよい。
【0114】
[5-6.他の実施の形態6]
さらに上述した実施の形態では、印刷装置1のシステム制御部60が、例えば1枚目の給紙を開始してから給紙タイミング時間経過すると、2枚目の給紙を開始するように、給紙制御を行うようになっていた。これに限らず、印刷装置1のシステム制御部60が、1枚目の給紙を開始した後、1枚目の用紙の後端がIN1センサ20を通過したタイミングで、2枚目の給紙を開始するように、給紙制御を行うようにしてもよい。この場合、システム制御部60は、例えば
図3(B)に示す用紙長の搬送時間から平均SLIP_TIMEを減算した時間を給紙タイミング時間として、例えば1枚目の先端がIN1センサ20を通過した後、この給紙タイミング時間経過すると、2枚目の給紙を開始するように、給紙制御を行うようにすればよい。このようにすれば、上述した実施の形態と同様に、2枚目の給紙を平均SLIP_TIMEの分だけ早めることができるようになる。
【0115】
[5-7.他の実施の形態7]
さらに上述した実施の形態では、電子写真方式の印刷装置1に本発明を適用したが、これに限らず、例えば載置部に載置された用紙を給紙ローラによって給紙する構成を有する様々な画像形成装置に適用できる。具体的には、複合機やコピー機、FAXなどの画像形成装置にも適用できる。また用紙トレイが1つだけの画像形成装置にも適用できる。
【0116】
[5-8.他の実施の形態8]
さらに本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、例えば、用紙トレイから給紙ローラによって用紙を給紙する様々な装置で広く利用することができる。
【符号の説明】
【0118】
1……印刷装置、2s……スタッカ、11……第1用紙トレイ、12……第2用紙トレイ、13……第3用紙トレイ、14……第4用紙トレイ、20、53……IN1センサ、21、54……レジストローラ、40、50……載置部、41、51……ピックアップローラ、42、52……搬送ローラ、60……システム制御部、64……メモリ管理部、67……搬送制御部、68……寿命制御部、P……用紙、R……搬送経路。