(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165792
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 19/06 20060101AFI20221025BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20221025BHJP
G06K 7/12 20060101ALI20221025BHJP
G06K 1/14 20060101ALI20221025BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
G06K19/06 103
G06K19/06 140
G06K19/06 037
G06K7/14 017
G06K7/12
G06K1/14
G06T1/00 310Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】38
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071299
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】田見 憲一朗
(72)【発明者】
【氏名】飯田 奈穂実
(72)【発明者】
【氏名】茄子田 真也
(72)【発明者】
【氏名】木下 剛
(72)【発明者】
【氏名】須賀 悠仁
【テーマコード(参考)】
5B057
【Fターム(参考)】
5B057CA06
5B057CA08
5B057CB06
5B057CE08
5B057CG09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】取得した電子データを正規の情報を含む二次元コードに変換し、二次元コードまたはそれに付随する情報を正規の内容として提示することができる情報処理システムを提供すること。
【解決手段】情報処理システム10は、電子データから第1のパターンデータを取得する第1の取得部と、データベースから第2のパターンデータを取得する第2の取得部と、第1のパターンデータと第2のパターンデータとを結合し、二次元コードを生成する生成部と、を含む。また、生成部は、第1の取得部が電子データから第1のパターンデータを取得すると、第1のパターンデータを判定し、第1のパターンデータを含む二次元コードを生成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子データから第1のパターンデータを取得する第1の取得部と、
データベースから第2のパターンデータを取得する第2の取得部と、
前記第1のパターンデータと前記第2のパターンデータとを結合し、二次元コードを生成する生成部と、を含む、情報処理システム。
【請求項2】
前記電子データは、バイナリデータである、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記電子データは、画像データである、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2の取得部は、前記第1のパターンデータの少なくとも一部に基づいて前記第2のパターンデータを取得する、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1の取得部は、さらに、前記画像データから識別子を取得し、
前記第2の取得部は、前記識別子に基づいて前記第2のパターンデータを取得する、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記識別子は、前記画像データに対してOCR処理を実行することによって取得される、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記識別子は、前記画像データの前記第1のパターンデータ以外のデータから取得される、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記識別子は、前記画像データが有する情報から取得される、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記第1のパターンデータは、前記画像データに対して第1のフィルタリング処理を実行することによって取得され、
前記識別子は、前記画像データに対して第2のフィルタリング処理を実行することによって取得される、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記画像データは、第1の色を有する第1のセル、第2の色を有する第2のセル、および第3の色を有する第3のセルを含み、
前記第1の色、前記第2の色、および前記第3の色は互いに異なり、
前記第1のフィルタリング処理は、前記第3の色の減色処理または加色処理であり、
前記第2のフィルタリング処理は、前記第2の色の減色処理または加色処理である、請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
電子データから第1のパターンデータを取得する第1の取得部と、
前記第1のパターンデータを判定し、前記第1のパターンデータを含む二次元コードを生成する生成部と、を含む、情報処理システム。
【請求項12】
さらに、前記二次元コードを含む二次元コードデータベースが格納された記憶部を含み、
前記第1のパターンデータの判定は、前記二次元コードデータベースに基づいて行われる、請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記第1のパターンデータの判定は、前記第1のパターンデータが入力されると前記二次元コードを出力するように学習された二次元コード判定学習モデルを用いて行われる、請求項11または請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
電子データの一部である所定の領域に対して所定の変換処理を行い、二次元コードを生成する生成部を含む、情報処理システム。
【請求項15】
前記所定の変換処理は、反転処理、回転処理、ネガポジ反転処理、もしくは置換処理、またはこれらを組み合わせた処理である、請求項14に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記二次元コードは、QRコード(登録商標)である、請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項17】
コンピュータに、
電子データから第1のパターンデータを取得し、
データベースから第2のパターンデータを取得し、
前記第1のパターンデータと前記第2のパターンデータとを結合し、二次元コードを生成する、ことを実行させるためのプログラム。
【請求項18】
前記電子データは、バイナリデータである、請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記電子データは、画像データである、請求項17に記載のプログラム。
【請求項20】
前記第2のパターンデータは、前記第1のパターンデータの少なくとも一部に基づいて取得される、請求17乃至請求項19のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項21】
さらに、前記コンピュータに、前記画像データから識別子を取得することを実行させ、
前記第2のパターンデータは、前記識別子に基づいて取得される、請求項19に記載のプログラム。
【請求項22】
前記識別子は、前記画像データに対してOCR処理を実行することによって取得される、請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】
前記識別子は、前記画像データの前記第1のパターンデータ以外のデータから取得される、請求項21に記載のプログラム。
【請求項24】
前記識別子は、前記画像データが有する情報から取得される、請求項21に記載のプログラム。
【請求項25】
前記第1のパターンデータは、前記画像データに対して第1のフィルタリング処理を実行することによって取得され、
前記識別子は、前記画像データに対して第2のフィルタリング処理を実行することによって取得される、請求項21に記載のプログラム。
【請求項26】
前記画像データは、第1の色を有する第1のセル、第2の色を有する第2のセル、および第3の色を有する第3のセルを含み、
前記第1の色、前記第2の色、および前記第3の色は互いに異なり、
前記第1のフィルタリング処理は、前記第3の色の減色処理または加色処理であり、
前記第2のフィルタリング処理は、前記第2の色の減色処理または加色処理である、請求項25に記載のプログラム。
【請求項27】
コンピュータに、
電子データから第1のパターンデータを取得し、
前記第1のパターンデータを判定し、前記第1のパターンデータを含む二次元コードを生成する、ことを実行させるためのプログラム。
【請求項28】
前記第1のパターンデータの判定は、前記二次元コードを含む二次元コードデータベースに基づいて行われる、請求項27に記載のプログラム。
【請求項29】
前記第1のパターンデータの判定は、前記第1のパターンデータが入力されると前記二次元コードを出力するように学習された二次元コード判定学習モデルを用いて行われる、請求項27または請求項28に記載のプログラム。
【請求項30】
コンピュータに、
電子データの一部である所定の領域に対して所定の変換処理を行い、二次元コードを生成する、ことを実行させるためのプログラム。
【請求項31】
前記所定の変換処理は、反転処理、回転処理、ネガポジ反転処理、もしくは置換処理、またはこれらを組み合わせた処理である、請求項30に記載のプログラム。
【請求項32】
前記二次元コードは、QRコード(登録商標)である、請求項17乃至請求項31のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項33】
コンピュータに、
正規の情報を含む第1の二次元コードの一部である第1のパターンデータを抽出する、ことを実行させるためのプログラム。
【請求項34】
さらに、前記コンピュータに、
前記第1の二次元コードを識別する識別子を生成し、
前記第1のパターンデータと前記識別子とが合成された合成コードを生成することを実行させる、請求項33に記載のプログラム。
【請求項35】
前記合成コードは、第1の色、第2の色、および第3の色を有し、
前記第1のパターンデータは前記第2の色を有し、
前記識別子は、前記第3の色を有する第2の二次元コードであり、
前記第1のパターンデータと前記第2の二次元コードとが重なる部分が前記第1の色に変換されるように、前記第1のパターンデータと前記識別子とが合成される、請求項34に記載のプログラム。
【請求項36】
コンピュータに、
正規の情報を含む第1の二次元コードの一部である所定の領域に対して所定の変換処理を行い、第2の二次元コードを生成する、ことを実行させるためのプログラム。
【請求項37】
前記所定の変換処理は、反転処理、回転処理、ネガポジ反転処理、もしくは置換処理、またはこれらを組み合わせた処理である、請求項36に記載のプログラム。
【請求項38】
前記第1の二次元コードは、QRコード(登録商標)である、請求項33乃至請求項37のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、二次元コードを生成する情報処理システムに関する。また、本発明の一実施形態は、二次元コードを生成するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
QRコード(登録商標)のような二次元コードは、一次元のバーコードと比較して多くの情報を含み、ユーザは、二次元コードを読み取るだけで多くの情報を容易に取得することができる。そのため、近年、工程管理、在庫管理、または決済など、様々な分野において、二次元コードの利用が増加している。例えば、特許文献1では、二次元コードを付したチケットが開示されている。また、特許文献2では、二次元コードを付した保険証書が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-165342号公報
【特許文献2】特開平11-221990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、二次元コードは複写機によって複製され、不正使用される場合も少なくなかった(すなわち、二次元コードの偽造)。そのため、二次元コードの偽造を防止するため、特許文献1では、反射特性の異なるインクを用いる二次元コードが開示されている。また、特許文献2では、複製された場合にダミーイメージが付される二次元コードが開示されている。
【0005】
特許文献1および特許文献2では、主に、複写機によって複製された印刷物の二次元コードの偽造防止を目的としている。しかしながら、近年では、二次元コードをスマートフォンなどの情報端末で読み取り、読み取られた電子データがそのまま利用される機会も増加している。そのため、二次元コードの利用において、電子データの複製防止が求められていた。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、取得した電子データを正規の情報を含む二次元コードに変換し、二次元コードまたはそれに付随する情報を正規の内容として提示することができる情報処理システムを提供することを目的の一つとする。また、本発明の一実施形態は、取得した電子データを正規の情報を含む二次元コードに変換することができるプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、電子データから第1のパターンデータを取得する第1の取得部と、データベースから第2のパターンデータを取得する第2の取得部と、第1のパターンデータと第2のパターンデータとを結合し、二次元コードを生成する生成部と、を含む。
【0008】
第1の取得部は、さらに、画像データから識別子を取得し、第2の取得部は、識別子に基づいて第2のパターンデータを取得してもよい。
【0009】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、電子データから第1のパターンデータを取得し、データベースから第2のパターンデータを取得し、第1のパターンデータと第2のパターンデータとを結合し、二次元コードを生成する、ことを実行させる。
【0010】
プログラムは、さらに、コンピュータに、画像データから識別子を取得することを実行させ、第2のパターンデータは、識別子に基づいて取得されてもよい。
【0011】
電子データは、バイナリデータであってもよい。また、電子データは、画像データであってもよい。
【0012】
第2の取得部は、第1のパターンデータの少なくとも一部に基づいて第2のパターンデータを取得してもよい。
【0013】
識別子は、画像データに対してOCR処理を実行することによって取得されてもよい。また、識別子は、画像データの第1のパターンデータ以外のデータから取得されてもよい。また、識別子は、画像データが有する情報から取得されてもよい。
【0014】
第1のパターンデータは、画像データに対して第1のフィルタリング処理を実行することによって取得され、識別子は、画像データに対して第2のフィルタリング処理を実行することによって取得されてもよい。
【0015】
画像データは、第1の色を有する第1のセル、第2の色を有する第2のセル、および第3の色を有する第3のセルを含み、第1の色、第2の色、および第3の色は互いに異なり、第1のフィルタリング処理は、第3の色の減色処理または加色処理であり、第2のフィルタリング処理は、第2の色の減色処理または加色処理であってもよい。
【0016】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、電子データから第1のパターンデータを取得する第1の取得部と、第1のパターンデータを判定し、第1のパターンデータを含む二次元コードを生成する生成部と、を含む。
【0017】
情報処理システムは、さらに、二次元コードを含む二次元コードデータベースが格納された記憶部を含み、第1のパターンデータの判定は、二次元コードデータベースに基づいて行われてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、電子データから第1のパターンデータを取得し、第1のパターンデータを判定し、第1のパターンデータを含む二次元コードを生成する、ことを実行させる。
【0019】
第1のパターンデータの判定は、二次元コードを含む二次元コードデータベースに基づいて行われてもよい。
【0020】
第1のパターンデータの判定は、第1のパターンデータが入力されると二次元コードを出力するように学習された二次元コード判定学習モデルを用いて行われてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、電子データの一部である所定の領域に対して所定の変換処理を行い、二次元コードを生成する生成部を含む。
【0022】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、電子データの一部である所定の領域に対して所定の変換処理を行い、二次元コードを生成する、ことを実行させる。
【0023】
所定の変換処理は、反転処理、回転処理、ネガポジ反転処理、もしくは置換処理、またはこれらを組み合わせた処理であってもよい。
【0024】
二次元コードは、QRコード(登録商標)であってもよい。
【0025】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、正規の情報を含む第1の二次元コードの一部である第1のパターンデータを抽出する、ことを実行させる。
【0026】
プログラムは、さらに、コンピュータに、第1の二次元コードを識別する識別子を生成し、第1のパターンデータと識別子とが合成された合成コードを生成することを実行させてもよい。
【0027】
電子データは、第1の色、第2の色、および第3の色を有し、第1のパターンデータは第2の色を有し、識別子は、第3の色を有する第2の二次元コードであり、第1のパターンデータと第2の二次元コードとが重なる部分が第1の色に変換されるように、第1のパターンデータと識別子とが合成されてもよい。
【0028】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、正規の情報を含む第1の二次元コードの一部である所定の領域に対して所定の変換処理を行い、第2の二次元コードを生成する、ことを実行させる。
【0029】
第1の二次元コードは、QRコード(登録商標)であってもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施形態に係る情報処理システムは、合成コード(二次元コードを含む。)に対応する電子データ(例えば、撮影によって取得された画像データ)を正規の情報を含む二次元コードに変換する。したがって、合成コードを情報端末で単に読み取るだけでは正規の情報を取得することができないため、正規の情報が含まれた二次元コードの電子的な複製を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略を説明するブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理システムで実行される二次元コード生成処理のフローチャート図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理システムで実行される二次元コード生成処理を説明する模式図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理システムで実行される二次元コード生成処理を説明する模式図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る情報処理システムで実行される二次元コード生成処理を説明する模式図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る情報処理システムで実行される二次元コード生成処理を説明する模式図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの撮像部で生成される画像データを説明する模式図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの第1の取得部で実行される第1のパターンデータの取得処理を説明する模式図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの第1の取得部で実行される識別子の取得処理を説明する模式図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの生成部で実行される二次元コードの生成処理を説明する模式図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図および情報処理システムで実行される二次元コード生成処理のフローチャート図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図および情報処理システムで実行される二次元コード生成処理のフローチャート図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る情報処理システムで実行される二次元コード生成処理を説明する模式図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図および情報処理装置で実行される合成コード生成処理のフローチャート図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る情報処理装置で実行される合成コード生成処理を説明する模式図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る情報処理装置で実行される合成コード生成処理を説明する模式図である。
【
図19】本発明の一実施形態に係る情報処理装置で実行される合成コード生成処理を説明する模式図である。
【
図20】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図および情報処理装置で実行される第2の二次元コード生成処理のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0033】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0034】
本明細書および図面において、同一または類似する複数の構成を総じて表記する際には、同一の符号または同一の符号に大文字のアルファベットを添えて表記する場合がある。一つの構成のうちの複数の部分をそれぞれ区別して表記する際には、同一の符号を用い、さらにハイフンと自然数を用いる場合がある。
【0035】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、または「第3」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0036】
本明細書において、「二次元コード」とは、水平方向および垂直方向に情報を有する二次元の表示形式のコードをいう。二次元コードは、例えば、QRコード(登録商標)であるが、これに限られない。
【0037】
<第1実施形態>
図1~
図5を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0038】
[1.情報処理システム10の概略]
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10の概略を説明するブロック図である。
【0039】
図1に示すように、情報処理システム10は、情報端末11およびサーバ12を含む。情報端末11は、ネットワークNWを介してサーバ12と通信接続することができる。ネットワークNWは、有線であっても、無線であってもよい。例えば、ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)またはインターネットなどであるが、これに限られない。
【0040】
情報端末11は、合成コード500からデータまたは情報を取得することができる端末である。情報端末11は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータであるが、これらに限られない。例えば、情報端末11は、物品に付され、または画面に表示された合成コード500を撮影し、合成コード500に対応する電子データを取得することができる。なお、合成コード500は、印刷物に印刷されたもの、または物品に直接印刷されたものに限られず、表示装置に表示されたものであってもよい。すなわち、合成コード500は、電子データである場合がある。
【0041】
サーバ12は、情報端末11からデータまたは情報が提供され、二次元コードを生成することができるソフトウェアまたはコンピュータである。なお、サーバ12がコンピュータである場合、サーバ12は、1台のコンピュータであってもよく、複数のコンピュータであってもよい。
【0042】
上述したように、情報処理システム10は、情報端末11およびサーバ12を備え、情報端末11が取得した合成コード500に基づくデータまたは情報がサーバ12に送信される。サーバ12においては、送信されたデータまたは情報に基づいて、二次元コードが生成される。なお、情報処理システム10は、クラウドコンピューティング方式またはASP(Application Service Provider)方式によっても、二次元コードを生成することができる。
【0043】
[2.情報処理システム10の構成]
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10の構成を示すブロック図である。
【0044】
図2に示すように、情報処理システム10の情報端末11は、第1の制御部100、第1の通信部110、および撮像部120を含む。また、情報処理システム10のサーバ12は、第2の制御部200、第2の通信部210、および記憶部220を含む。また、第1の制御部100は、第1の取得部101を含み、第2の制御部200は、第2の取得部201および生成部202を含む。
【0045】
第1の制御部100および第2の制御部200は、データまたは情報を用いて演算処理を行うことができるコンピュータである。第1の制御部100および第2の制御部200は、例えば、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit:MPU)、画像処理装置(Graphics Processing Unit:GPU)、またはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)などを含む。具体的には、第1の制御部100および第2の制御部200は、プログラムを実行し、第1の取得部101、第2の取得部201、および生成部202を機能させることができる。なお、第1の取得部101、第2の取得部201、および生成部202の詳細については、後述する。
【0046】
第1の通信部110および第2の通信部210は、データまたは情報を有線または無線によって送信し、または受信することができる通信インターフェースである。第1の通信部110および第2の通信部210は、例えば、LANモジュールまたはWi-Fi(登録商標)モジュールなどを用いることができる。
【0047】
撮像部120は、合成コード500を撮像(撮影)することができる撮像装置である。具体的には、撮像部120は、合成コード500を撮像し、合成コード500に対応する電子データを生成することができる。電子データは、バイナリデータであってもよく、画像データであってもよいが、以下では、便宜上、撮像部120が画像データを生成するとして説明する。撮像部120として、例えば、カメラまたはスキャナなどを用いることができる。
【0048】
記憶部220は、データまたは情報を格納することができるストレージである。具体的には、記憶部220は、第2のパターンデータベース221などを格納することができる。なお、第2のパターンデータベース221には、複数の第2のパターンデータが登録されているが、詳細は後述する。記憶部220として、例えば、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)、リードオンリーメモリ(Read Only Memory:ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、またはフラッシュメモリなどを用いることができる。
【0049】
第1の取得部101は、撮像部120が生成した合成コード500の画像データから第1のパターンデータを取得(抽出)する。なお、第1のパターンデータおよび第1の取得部101によって実行される第1のパターンデータの取得処理の詳細は後述する。
【0050】
第2の取得部201は、第1のパターンデータの少なくとも一部から識別子を取得する。識別子は、第1のパターンデータを識別する情報を含む。また、第2の取得部201は、取得した識別子に基づき、記憶部220の第2のパターンデータベース221から第2のパターンデータを取得する。なお、識別子、第2のパターンデータ、ならびに第2の取得部201によって実行される識別子および第2のパターンデータの取得処理の詳細は後述する。
【0051】
生成部202は、第1のパターンデータと第2のパターンデータとを結合し、二次元コードを生成する。なお、生成部202によって実行される第1のパターンデータおよび第2のパターンデータの結合処理の詳細は後述する。
【0052】
[3.情報処理システム10の二次元コード生成処理]
図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される二次元コード生成処理のフローチャート図である。また、
図4および
図5は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される二次元コード生成処理を説明する模式図である。
【0053】
二次元コード生成処理は、情報端末11上で二次元コード生成処理のプログラムが実行されることによって開始する。
【0054】
ステップS100では、撮像部120が、合成コード500の画像データ300(
図4(A)参照)を生成する。例えば、ユーザが、情報端末11を用いて合成コード500を撮影することにより、画像データ300を生成することができる。画像データ300は、二次元コードの一部を含んでいるが、完全な二次元コードではない。すなわち、画像データ300は欠損を有する二次元コードであるため、画像データ300から二次元コードに含まれる正規の情報を取得することはできない。また、合成コード500が二次元コードとしてQRコード(登録商標)の一部を含んでいる場合、完全なQRコード(登録商標)ではないため、既存のQRコード(登録商標)リーダで読み出すことは困難である。
【0055】
ステップS110では、第1の取得部101が、画像データ300から第1のパターンデータ310(
図4(B)参照)を取得する。第1のパターンデータ310は、二次元コードの一部である。第1の取得部101は、画像データ300の所定の領域を第1のパターンデータ310として取得することができる。また、第1の取得部101は、画像認識を用いて第1のパターンデータを取得することもできる。例えば、第1の取得部101は、画像データ300に第1のパターンデータ抽出学習モデルを適用し、第1のパターンデータ310を取得することができる。ここで、第1のパターンデータ抽出学習モデルは、画像データ300を入力すると、画像データ300中の第1のパターンデータ310とそれ以外の部分とを判断し、第1のパターンデータ310を出力するように学習されたモデルである。第1のパターンデータ抽出学習モデルは、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、または機械学習などを用いて学習させることができる。また、第1のパターンデータ抽出学習モデルは、記憶部220に格納される。
【0056】
なお、取得された第1のパターンデータ310は、情報端末11からサーバ12に送信される。
【0057】
ステップS120では、第2の取得部201が、第1のパターンデータ310から識別子320(
図4(C)参照)を取得する。識別子320は、第1のパターンデータ310を識別することができる情報を含む。そのため、識別子320は、第1のパターンデータ310の一部であってもよい。第2の取得部201は、第1のパターンデータ310の所定の領域を識別子320として取得することができる。また、第2の取得部201は、画像認識を用いて識別子320を取得することもできる。例えば、第2の取得部201は、第1のパターンデータ310に識別子判定学習モデルを適用し、識別子320を取得することができる。ここで、識別子判定学習モデルは、第1のパターンデータ310を入力すると、第1のパターンデータ310を判定し、第1のパターンデータ310に対応する識別子320を出力するように学習されたモデルである。識別子判定学習モデルは、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、または機械学習などを用いて学習させることができる。また、識別子判定学習モデルは、記憶部220に格納される。
【0058】
ステップS130では、第2の取得部201が、識別子320に基づき、第2のパターンデータベース221(
図4(D)参照)から第2のパターンデータ330(
図4(E)参照)を取得する。第2のパターンデータ330は、二次元コードの一部である。第2のパターンデータベース221は、識別子320と第2のパターンデータ330とが紐付けられて登録されている。そのため、第2の取得部201は、第2のパターンデータベース221の中の第1のパターンデータ310の識別子320を検索し、識別子320に紐付けられた第2のパターンデータ330を取得することができる。
【0059】
ステップS140では、生成部202が、第1のパターンデータ310と第2のパターンデータ330とを結合し、二次元コード340を生成する(
図4(F)参照)。生成部202は、第1のパターンデータ310の方向およびエッジ、第2のパターンデータ330の方向およびエッジ、ならびに第1のパターンデータ310または第2のパターンデータ330の切り出しシンボルなどに基づいて、第1のパターンデータ310と第2のパターンデータ330とを結合することができる。二次元コード340は完全な二次元コード(すなわち、欠損のない二次元コード)であるため、二次元コード340から正規の情報を取得することができる。
【0060】
生成された二次元コード340は、サーバ12から情報端末11に送信されてもよい。生成された二次元コード340は正規の情報を含むため、生成された二次元コード340に付随した情報(例えば、URL情報、工程管理情報、在庫管理情報、決済情報、製品情報、または製品の真贋判定情報など)が、サーバ12から情報端末11に送信されてもよい。
【0061】
二次元コード生成処理は、ステップS140の実行によって終了する。
【0062】
上述した二次元コード生成処理では、第1のパターンデータ310から識別子320を取得し、識別子320を取得することなく、第1のパターンデータ310に基づいて第2のパターンデータ330を取得することもできる。この場合、第2のパターンデータベース221の第2のパターンデータ330は、第1のパターンデータ310と紐付けられている。また、この場合、第2の取得部201は、第1のパターンデータ310に第2のパターンデータ判定学習モデルを適用し、第2のパターンデータ330を取得することもできる。ここで、第2のパターンデータ判定学習モデルは、第1のパターンデータを入力すると、第1のパターンデータ310を判定し、第1のパターンデータ310に対応する第2のパターンデータ330を出力するように学習されたモデルである。第2のパターンデータ判定学習モデルは、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、または機械学習などを用いて学習させることができる。また、第2のパターンデータ判定学習モデルは、記憶部220に格納される。
【0063】
また、上述した二次元コード生成処理では、情報端末11の第1の取得部101が、画像データ300から第1のパターンデータ310を取得したが、第1の取得部101は、サーバ12の構成とすることもできる。この場合、画像データ300が情報端末11からサーバ12に送信され、サーバ12の第1の取得部101において、画像データ300から第1のパターンデータ310が取得される。
【0064】
また、上述した二次元コード生成処理では、第2の取得部201が、第1のパターンデータ310から識別子320を取得したが、第1の取得部101が、第1のパターンデータ310から識別子320を取得することもできる。この場合、第1のパターンデータ310および識別子320が、情報端末11からサーバ12に送信される。
【0065】
また、上述した二次元コード生成処理では、生成される二次元コード340が左右に分割された第1のパターンデータ310および第2のパターンデータ330を結合するものであるが、生成される二次元コード340は、上下に分割されたパターンデータを結合するものであってもよい。また、第1のパターンデータ310と第2のパターンデータ330とは、同じ大きさ(面積)または形状であってもよく、異なる大きさまたは形状であってもよい。また、第1のパターンデータ310と第2のパターンデータ330との結合部は、直線であってもよく、曲線であってもよい。また、第2のパターンデータ330は、第1のパターンデータ310の一部を含んでいてもよい。例えば、第2のパターンデータ330が、第1のパターンデータ310の切り出しシンボルを含んでいてもよい。この場合、第2のパターンデータ330の切り出しシンボルを第1のパターンデータ310の切り出しシンボルに重畳し、第1のパターンデータ310と第2のパターンデータ330とを結合することができる(
図5参照)。
【0066】
また、上述した二次元コード生成処理では、生成される二次元コード340は、2分割されたものであったが、n分割(nは2以上の自然数)であってもよい。
【0067】
本実施形態によれば、情報処理システム10により、合成コード500の画像データ300から正規の情報を含む二次元コード340が生成される。すなわち、ユーザに提示される情報は、情報処理システム10により画像データ300が変換された正規の情報を含む二次元コード340または二次元コードに付随する情報である。一方、合成コード500を情報端末11で単に読み取るだけでは正規の情報を含む二次元コード340を取得することができないため、二次元コードの電子的な複製を防止することができる。
【0068】
<変形例1>
図6を参照して、情報処理システム10の変形例として、情報処理システム10Aについて説明する。なお、情報処理システム10Aの構成が、情報処理システム10の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0069】
図6は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Aの構成を示すブロック図である。
【0070】
図6に示すように、情報処理システム10Aの情報端末11Aは、第1の制御部100A、第1の通信部110A、撮像部120A、および記憶部220Aを含む。また、第1の制御部100Aは、第1の取得部101A、第2の取得部201A、および生成部202Aを含む。
【0071】
情報処理システム10Aは、プログラムを情報端末11Aにインストールすることにより、サーバ12を介することなく、情報端末11Aのみで二次元コード生成処理を行うことができる。また、情報処理システム10Aは、記録媒体(例えば、CD-ROMまたはDVD-ROMなど)にプログラムを格納し、情報端末11で記録媒体を読み出すことにより、情報端末11Aのみで二次元コード生成処理を行うこともできる。
【0072】
<変形例2>
図7を参照して、第1実施形態に係る情報処理システム10の別の変形例について説明する。本変形例では、画像データ300の代わりに画像データ300Bが用いられる。なお、本変形例の構成が、上述した構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0073】
図7は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される二次元コード生成処理を説明する模式図である。
【0074】
本変形例では、ステップS100において、撮像部120が、合成コードの画像データ300B(
図7(A)参照)を生成する。また、ステップS110において、第1の取得部101が、画像データ300Bから第1のパターンデータ310B(
図7(B)参照)を取得する。
【0075】
ステップS120において、第1の取得部101が、画像データ300Bから識別子320B(
図7(C)参照)を取得する。識別子320Bは、画像データ300Bの中において、第1のパターンデータ310Bとは異なる位置に配置されている。すなわち、識別子320は、第1のパターンデータ310Bの一部ではなく、第1のパターンデータ310Bと重畳していない。また、識別子320Bは、文字情報である。そのため、第1の取得部101は、画像データ300Bに対して文字認識処理、例えば、OCR(Optical Character Recognition)処理を実行することにより、識別子320Bを取得することができる。なお、識別子320Bは、数値情報に変換されてもよい。
【0076】
ステップS130において、第2の取得部201が、識別子320Bに基づき、第2のパターンデータベース221B(
図7(D)参照)から第2のパターンデータ330B(
図7(E)参照)を取得する。また、ステップS140において、生成部202が、第1のパターンデータ310Bと第2のパターンデータ330Bとを結合し、二次元コード340Bを生成する(
図7(F)参照)。
【0077】
<変形例3>
図8を参照して、第1実施形態に係る情報処理システム10の別の変形例について説明する。本変形例では、画像データ300の代わりに画像データ300Cが用いられる。なお、本変形例の構成が、上述した構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0078】
図8は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10で実行される二次元コード生成処理を説明する模式図である。
【0079】
本変形例では、ステップS100において、撮像部120が、合成コードの画像データ300C(
図8(A)参照)を生成する。画像データ300Cは二次元コードであるが、画像データ300Cには本来取得すべき情報(正規の情報)が含まれていない。そのため、単に画像データ300Cを取得するだけでは、正規の情報を取得することができない。換言すると、画像データ300Cには、ダミーの情報を含むことができる。
【0080】
ステップS110において、第1の取得部101が、画像データ300Cから第1のパターンデータ310C(
図8(B)参照)を取得する。
【0081】
ステップS120において、第1の取得部101が、画像データ300Cから識別子320Cを取得する。具体的には、第1の取得部101は、画像データ300Cの第1のパターンデータ310C以外のデータから識別子320Cを取得することができる(
図8(C)参照)が、これに限られない。第1の取得部101は、画像データ300Cが有する二次元コードの機能を利用して(すなわち、画像データ300Cが有する情報から取得して)識別子320Cを取得することもできる。識別子320Cは、パターンデータであってもよく、文字情報であってもよい。そのため、
図8(C)では、便宜上、識別子320Cを文字情報(または数値情報)である「001」として記載している。
【0082】
ステップS130において、第2の取得部201が、識別子320Cに基づき、第2のパターンデータベース221C(
図8(D)参照)から第2のパターンデータ330C(
図8(E)参照)を取得する。また、ステップS140において、生成部202が、第1のパターンデータ310Cと第2のパターンデータ330Cとを結合し、二次元コード340Cを生成する(
図8(F)参照)。
【0083】
なお、本実施形態の変形例は、変形例1~変形例3に限定されない。
【0084】
以上、本実施形態の変形例1~変形例3においても、合成コードを情報端末で単に読み取るだけでは正規の情報を含む二次元コードを取得することができないため、二次元コードの電子的な複製を防止することができる。
【0085】
<第2実施形態>
図9~
図12を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Dについて説明する。なお、情報処理システム10Dの構成が、情報処理システム10の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0086】
図9は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Dの撮像部120Dで生成される画像データ300Dを説明する模式図である。
【0087】
画像データ300Dは、第1の色を有する第1のセル300D-1、第2の色を有する第2のセル300D-2、および第3の色を有する第3のセル300D-3を含む。また、画像データ300Dは、二次元コードである。すなわち、撮像部120Dによって撮影される合成コードも、第1の色を有する第1のセル300D-1、第2の色を有する第2のセル300D-2、および第3の色を有する第3のセル300D-3を含む二次元コードである。
【0088】
第1の色、第2の色、および第3の色は、互いに異なる任意の色である。但し、第2の色と第3の色とは補色の関係にあることが好ましい。例えば、第2の色が赤色であるとき、第3の色は青緑色である。また、第2の色が赤紫色であるとき、第3の色は緑色である。
【0089】
図10は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Dの第1の取得部101Dで実行される第1のパターンデータ310Dの取得処理を説明する模式図である。
【0090】
第1の取得部101Dは、第1のフィルタリング処理を行い、画像データ300Dから第1のパターンデータ310Dを取得する。第1のフィルタリング処理は、第3の色の減色処理である。画像データ300Dに対して第1のフィルタリング処理を行うと、第3の色を有する第3のセル300D-3を消去することができる。そのため、第1のフィルタリング処理により、画像データ300Dは、第1の色を有する第1のセル300D-1および第2の色を有する第2のセル300D-2を含む第1のパターンデータ310Dに変換される。
【0091】
なお、第1のフィルタリング処理は、画像データ300Dに対する第3の色の加色処理であってもよい。この場合、画像データ300Dの背景と第3のセル300D-3とが同じ第3の色を有することになるため、結果として、第3のセル300D-3を消去することができる。
【0092】
図11は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Dの第1の取得部101Dで実行される識別子320Dの取得処理を説明する模式図である。
【0093】
第1の取得部101Dは、第2のフィルタリング処理を行い、画像データ300Dから二次元コード315Dを取得する。第2のフィルタリング処理は、第2の色の減色処理である。画像データ300Dに対して第2のフィルタリング処理を行うと、第2の色を有する第2のセル300D-2を消去することができる。そのため、第2のフィルタリング処理により、画像データ300Dは、第1の色を有する第1のセル300D-1および第3の色を有する第3のセル300D-3を含む二次元コード315Dに変換される。
【0094】
なお、第2のフィルタリング処理は、画像データ300Dに対する第2の色の加色処理であってもよい。この場合、画像データ300Dの背景と第2のセル300D-2とが同じ第2の色を有することになるため、結果として、第2のセル300D-2を消去することができる。
【0095】
二次元コード315Dには、情報として、第1のパターンデータ310Dに対応する識別子320Dが含まれている。そのため、第1の取得部101Dは、二次元コード315Dを読み取り、識別子320Dを取得することができる。
【0096】
図12は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Dの生成部202Dで実行される二次元コード340Dの生成処理を説明する模式図である。
【0097】
生成部202Dは、第1のパターンデータ310Dと、識別子320Dに基づいて取得された第2のパターンデータ330Dとを結合し、二次元コード340Dを生成する。二次元コード340Dには正規の情報が含まれている。そのため、二次元コード340Dから正規の情報を取得することができる。二次元コード340Dは、色変換処理が実行され、単色の二次元コードが生成されてもよい。なお、色変換処理は、第1のパターンデータに対して実行されてもよい。
【0098】
本実施形態によれば、情報処理システム10Dにより、合成コード500の画像データ300Dから正規の情報を含む二次元コード340Dが生成される。すなわち、ユーザに提示される情報は、情報処理システム10Dにより画像データ300Dが変換された正規の情報を含む二次元コード340Dまたは二次元コード340Dに付随する情報である。一方、合成コード500を情報端末11で単に読み取るだけでは正規の情報を含む二次元コード340Dを取得することができないため、二次元コードの電子的な複製を防止することができる。
【0099】
<第3実施形態>
図13を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Eについて説明する。なお、情報処理システム10Eの構成が、情報処理システム10の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0100】
図13は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Eの構成を示すブロック図および情報処理システム10Eで実行される二次元コード生成処理のフローチャート図である。
【0101】
図13(A)に示すように、情報処理システム10Eの情報端末11Eは、第1の制御部100E、第1の通信部110E、および撮像部120Eを含む。情報処理システム10Eのサーバ12Eは、第2の制御部200E、第2の通信部210E、および記憶部220Eを含む。また、第1の制御部100Eは、第1の取得部101Eを含み、第2の制御部200Eは、生成部203Eを含む。また、記憶部220Eは、二次元コード判定学習モデル222Eを含む。
【0102】
生成部203Eは、第1のパターンデータに二次元コード判定学習モデル222Eを適用し、二次元コードを生成することができる。二次元コード判定学習モデル222Eは、第1のパターンデータを入力すると、二次元コードを出力するように学習されたモデルである。二次元コード判定学習モデル222Eは、ディープラーニング、ニューラルネットワーク、または機械学習などを用いて学習させることができる。例えば、二次元コード判定学習モデル222Eは、第1のパターンデータの特徴パターン(特徴点)を抽出することができる。特徴パターンは、第1のパターンデータの複数の部分から抽出されてもよい。また、二次元コード判定学習モデル222Eは、抽出された特徴パターンと二次元コードの特徴パターンとを比較し、二次元コードごとに類似度を算出することができる。複数の特徴パターンが抽出されるとき、それら特徴パターンの相対的位置が比較され、類似度が算出されてもよい。また、二次元コード判定学習モデル222Eは、二次元コードの類似度が所定の閾値以上であるとき、第1のパターンデータがその二次元コードに対応すると特定し、出力することができる。
【0103】
なお、第1のパターンデータは、生成される二次元コードの一部である。そのため、二次元コードデータベースが記憶部220Eに格納されていてもよい。この場合、二次元コード判定学習モデル222Eは、二次元コードデータベースに登録された二次元コードと第1のパターンデータとの一致または類似を比較し、第1のパターンデータを判定し、二次元コードデータベースの中から第1のパターンデータに対応する二次元コードを特定することができる。
【0104】
図13(B)に示すように、情報処理システム10Eで実行される二次元コード生成処理は、画像データの生成処理(ステップS100E)、第1のパターンデータの取得処理(ステップS110E)、および第1のパターンデータの判定処理(ステップS150E)を含む。
【0105】
ステップS100Eでは、撮像部120Eが、合成コード500の画像データを生成する。また、ステップS110Eでは、第1の取得部101Eが、画像データから第1のパターンデータを取得する。
【0106】
ステップS150Eでは、生成部203Eが、二次元コード判定学習モデルを用いて第1のパターンデータを判定し、第1のパターンデータに対応する二次元コード生成する。
【0107】
本実施形態によれば、情報処理システム10Eにより、合成コード500の画像データから正規の情報を含む二次元コードが生成される。すなわち、ユーザに提示される情報は、情報処理システム10Eにより画像データが変換された正規の情報を含む二次元コードまたは二次元コードに付随する情報である。一方、合成コード500を情報端末11Eで単に読み取るだけでは正規の情報を含む二次元コードを取得することができないため、二次元コードの電子的な複製を防止することができる。
【0108】
<第4実施形態>
図14および
図15を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Fについて説明する。なお、情報処理システム10Fの構成が、情報処理システム10の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0109】
図14は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Fの構成を示すブロック図および情報処理システム10Fで実行される二次元コード生成処理のフローチャート図である。また、
図15は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム10Fで実行される二次元コード生成処理を説明する模式図である。
【0110】
図14(A)に示すように、情報処理システム10Fの情報端末11Fは、第1の通信部110Fおよび撮像部120Fを含む。情報処理システム10Fのサーバ12Fは、第2の制御部200Fおよび第2の通信部210Fを含む。また、第2の制御部200Fは、生成部204Fを含む。
【0111】
生成部204Fは、画像データの一部である所定の領域に対して所定の変換処理を実行し、二次元コードを生成する。所定の領域の形状は、対称性の高い正方形であることが好ましいが、これに限られない。なお、所定の変換処理が実行される所定の領域は、複数の領域であることが好ましい。複数の領域に対して所定の変換処理を行うことにより、変換処理が複雑になり、情報処理システム10F以外での二次元コードの生成が困難になる。したがって、二次元コードの電子的な複製も困難になる。なお、所定の変換処理の詳細は後述する。
【0112】
図14(B)に示すように、情報処理システム10Fで実行される二次元コード生成処理は、画像データの生成処理(ステップS100F)および画像データの変換処理(ステップS160F)を含む。
【0113】
ステップS100Fでは、撮像部120Fが、合成コード500の画像データ300F(
図15(A)参照)を生成する。
【0114】
ステップS160Fでは、生成部204Fが、画像データの一部である所定の領域に対して所定の変換処理を実行する。所定の変換処理は、例えば、反転処理、回転処理、またはこれらを組み合わせた処理である。反転処理は、領域の対向する辺の中点または領域の対向する頂点を結ぶ直線を中心軸として反転する処理である。以下では、左右反転処理または上下反転処理という場合がある。また、回転処理は、領域の中心を中心として、90度、180度、または270度回転する処理である。ここでは、画像データ300Fの所定の変換処理が実行される所定の領域として、第1の領域301Fおよび第2の領域302F(
図15(A)参照)が設定されているものとして説明する。
【0115】
生成部204Fは、第1の領域301Fに対して左右反転処理を行い、第3の領域303Fを生成する(
図15(B)参照)。また、生成部204Fは、第2の領域302Fに対して180度回転処理を行い、第4の領域304Fを生成する(
図15(C)参照)。すなわち、第1の領域301Fおよび第2の領域302Fは、それぞれ、第3の領域303Fおよび第4の領域304Fに変換される。したがって、生成部204Fによって、第3の領域303Fおよび第4の領域304Fを含む二次元コード340F(
図15(D)参照)が生成される。
【0116】
上述した二次元コード生成処理では、所定の変換処理として反転処理および回転処理を説明したが、所定の変換処理はこれらに限られない。所定の変換処理はネガポジ反転処理(バイナリデータであれば、0と1とを反転させ、画像データであれば、白と黒を反転させる処理)であってもよく、置換処理(領域を別のパターンデータで置き換える処理)であってもよい。なお、置換処理の場合、置換するパターンデータは、サーバ12Fの記憶部に格納しておくことができる。
【0117】
本実施形態によれば、情報処理システム10Fにより、合成コード500の画像データ300Fから正規の情報を含む二次元コード340Fが生成される。すなわち、ユーザに提示される情報は、情報処理システム10Fにより画像データ300Fが変換された正規の情報を含む二次元コード340Fまたは二次元コード340Fに付随する情報である。一方、合成コード500を情報端末11Fで単に読み取るだけでは正規の情報を含む二次元コード340Fを取得することができないため、二次元コードの電子的な複製を防止することができる。
【0118】
<第5実施形態>
図16を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置15について説明する。情報処理装置15は、第1実施形態~第3実施形態で説明した情報処理システム10、情報処理システム10D、または情報処理システム10E(以下では、「情報処理システム10」として説明する。)で変換可能な合成コードを生成する装置である。すなわち、情報処理装置15で生成された合成コードは、情報処理システム10を用いて正規の情報を含む第1の二次元コードに変換される。
【0119】
図16は、本発明の情報処理装置15の構成を示すブロック図および情報処理装置15で実行される合成コード生成処理のフローチャート図である。
【0120】
図16(A)に示すように、情報処理装置15は、制御部600および記憶部610を含む。また、制御部600は、第1の生成部601、第2の生成部602、抽出部603、および合成部604を含む。
【0121】
制御部600は、データまたは情報を用いて演算処理を行うことができるコンピュータである。制御部600は、プログラムを実行し、第1の生成部601、第2の生成部602、抽出部603、および合成部604を機能させることができる。
【0122】
第1の生成部601は、正規の情報を含む第1の二次元コードを生成する。なお、第1の二次元コードは、従来の方法を用いて生成することができる。
【0123】
第2の生成部602は、第1の二次元コードを識別する識別子を生成する。識別子として、文字情報、数値情報、図形データ、または二次元コードなどを用いることができる。第1の二次元コードは、記憶部610に格納されてもよい。
【0124】
抽出部603は、第1の二次元コードから、第1のパターンデータおよび第2のパターンデータを抽出する。第1のパターンデータおよび第2のパターンデータの各々は、第1の二次元コードの一部である。これにより、第1の二次元コードが、第1のパターンデータと第2のパターンデータとに分割される。第2のパターンデータは、第1の二次元コードの第1のパターンデータ以外の部分を含むが、第1のパターンデータの一部を含んでいてもよい。例えば、第2のパターンデータが、第1のパターンデータの切り出しシンボルを含んでいてもよい。また、抽出部603は、第2のパターンデータと識別子とを紐付ける。これにより、識別子を用いて、第2のパターンデータに対応する第1の二次元コードを特定することができる。識別子と紐付けられた第2のパターンデータは、記憶部610に格納される。
【0125】
合成部604は、第1のパターンデータと識別子とを合成した合成コードを生成する。合成部604は、第1のパターンデータと重ならないように識別子を合成してもよく、第1のパターンデータと重なるように識別子を合成してもよい。生成された合成コードは、情報処理システム10で読み取ることができる。
【0126】
記憶部610は、上述したように、識別子と紐付けられた第2のパターンデータを格納する。なお、第2のパターンデータは、データベースとして格納されてもよい。
【0127】
続いて、
図16(B)を参照して、情報処理装置15で実行される合成コード生成処理について説明する。合成コード生成処理は、ステップS200~ステップS240を含む。
【0128】
ステップS200では、第1の生成部601が、正規の情報を含む第1の二次元コードを生成する。
【0129】
ステップS210では、第2の生成部602が、識別子を生成する。
【0130】
ステップS220では、抽出部603が、第1の二次元コードから第1のパターンデータを抽出する。
【0131】
ステップS230では、抽出部603が、第1の二次元コードから第2のパターンデータを抽出する。また、抽出部603は、第2のパターンデータと識別子とを紐付ける。
【0132】
ステップS240では、合成部604が、第1のパターンデータと識別子とを合成する。これにより、第1のパターンデータおよび識別子を含む合成コードが生成される。
【0133】
ステップS240が実行されると、合成コード生成処理は終了する。
【0134】
なお、第2の生成部602が識別子を生成しない場合もあり得る。この場合、電子データは、第1のパターンデータのみである。ステップS230において、抽出部603は、第2のパターンデータと第1のパターンデータの少なくとも一部とを紐付ける。これにより、第1のパターンデータの少なくとも一部から、第2のパターンデータを特定することができる。
【0135】
本実施形態によれば、情報処理装置15により、合成コードが生成される。一方、合成コードを情報端末11で単に読み取るだけでは、正規の情報を含む第1の二次元コードを取得することができないため、二次元コードの電子的な複製を防止することができる。
【0136】
<変形例4>
図17~
図19を参照して、第5実施形態に係る情報処理装置15の変形例について説明する。本変形例では、識別子として第2の二次元コードが用いられる。なお、本変形例の構成が上述した構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0137】
図17~
図19は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置15で実行される合成コード生成処理を説明する模式図である。
【0138】
本変形例では、ステップS200において、第1の生成部601が第2の色を有する第1の二次元コード700Dを生成する(
図17(A)参照)。また、ステップS210において、第2の生成部602が第3の色を有する第2の二次元コード710Dを生成する(
図17(B)参照)。
【0139】
ステップS220において、抽出部603が、第1の二次元コード700Dから第1のパターンデータ700D-1を抽出する(
図18(A)参照)。また、抽出部603が、第1の二次元コード700Dから第2のパターンデータ700D-2を抽出する。また、抽出部603は、第2のパターンデータ700D-2と第2の二次元コード710Dとを紐付ける。
【0140】
ステップS240では、合成部604が、第1のパターンデータ700D-1と第2の二次元コード710Dとを合成する(
図19参照)。例えば、第1のパターンデータ700D-1の2個の切り出しシンボルと第2の二次元コード710の2個の切り出しシンボルが重なるように、第1のパターンデータ700D-1と第2の二次元コード710Dとを合成する。このとき、第1のパターンデータ700D-1と第2の二次元コード710Dとが重なる部分は、第1の色に変換される。第1の二次元コード340-1および第2の二次元コード340-2の互いに重なる2個の切り出しシンボルも第1の色に変換される。これにより、第1の色、第2の色、および第3の色を有する合成コード(第3の二次元コード720D)が生成される。
【0141】
本変形例においても、情報処理装置15により、合成コード(第3の二次元コード720D)が生成される。一方、合成コードを情報端末11で単に読み取るだけでは、正規の情報を含む第1の二次元コード700Dを取得することができないため、二次元コードの電子的な複製を防止することができる。
【0142】
<第6実施形態>
図20を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置15Fについて説明する。情報処理装置15Fは、第4実施形態で説明した情報処理システム10Fで変換可能な合成コード(第2の二次元コード)を生成する装置である。すなわち、情報処理装置15Fで生成された第2の二次元コードは、情報処理システム10Fを用いて正規の情報を含む第1の二次元コードに変換される。
【0143】
図20は、本発明の情報処理装置15Fの構成を示すブロック図および情報処理装置15Fで実行される画像データ生成処理のフローチャート図である。
【0144】
図20(A)に示すように、情報処理装置15Fは、制御部600Fおよび記憶部610Fを含む。また、制御部600Fは、第1の生成部601Fおよび変換部605Fを含む。
【0145】
制御部600Fは、データまたは情報を用いて演算処理を行うことができるコンピュータである。制御部600Fは、プログラムを実行し、第1の生成部601Fおよび変換部605Fを機能させることができる。
【0146】
第1の生成部601Fは、正規の情報を含む第1の二次元コードを生成する。
【0147】
変換部605Fは、第1の二次元コードの一部である所定の領域に対して所定の変換処理を実行し、第2の二次元コードを生成する。すなわち、変換部605Fは、正規の情報を含む第1の二次元コードを正規の情報を含まない第2の二次元コードに変換することができる。所定の領域の形状は、対称性の高い正方形であることが好ましいが、これに限られない。なお、所定の変換処理が実行される所定の領域は、複数の領域であることが好ましい。
【0148】
記憶部610Fは、第2の二次元コードを格納する。なお、第1の二次元コードが格納されてもよい。第2の二次元コードは、合成コードとして利用することができる。
【0149】
続いて、
図20(B)を参照して、情報処理装置15Fで実行される第2の二次元コード生成処理について説明する。情報処理装置15Fで実行される第2の二次元コード生成処理は、第1の二次元コードの生成処理(ステップS200F)および第1の二次元コードの所定の領域の変換処理(ステップS250F)を含む。
【0150】
ステップS200Fでは、第1の生成部601Fが、正規の情報を含む第1の二次元コードを生成する。
【0151】
ステップS250Fでは、変換部605Fが、第1の二次元コードの一部である所定の領域に対して所定の変換処理を実行し、第2の二次元コードを生成する。
【0152】
ステップS250Fが実行されると、第2の二次元コード生成処理は終了する。
【0153】
本実施形態によれば、情報処理装置15Fにより、合成コード(第2の二次元コード)が生成される。一方、第2の二次元コードを情報端末11Fで単に読み取るだけでは、正規の情報を含む第1の二次元コードを取得することができないため、二次元コードの電子的な複製を防止することができる。
【0154】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、または設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0155】
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
【符号の説明】
【0156】
10、10A、10D、10E、10F:情報処理システム
11、11A、11E、11F:情報端末
12、12E、12F:サーバ
15、15F:情報処理装置
100、100A、100E:第1の制御部
101、101A、101D、101E:第1の取得部
110、110A、110E、110F:第1の通信部
120、120A、120D、120E、120F:撮像部
200、200E、200F:第2の制御部
201、201A:第2の取得部
202、202A、202D、:生成部
203E:生成部
204F:生成部
210、210E、210F:第2の通信部
220、220A、220E:記憶部
221、221B、221C:第2のパターンデータベース
222E:二次元コード判定学習モデル
300、300B、300C、300D、300F:画像データ
300D-1:第1のセル
300D-2:第2のセル
300D-3:第3のセル
301F:第1の領域
302F:第2の領域
303F:第3の領域
304F:第4の領域
310、310B、310C、310D:第1のパターンデータ
315D:二次元コード
320、320B、320C、320D:識別子
330、330B、330C、330D:第2のパターンデータ
340、340B、340C、340D:二次元コード
500:合成コード
600:制御部
601:第1の生成部
602:第2の生成部
603:抽出部
604:合成部
610:記憶部
700D:第1の二次元コード
700D-1:第1のパターンデータ
700D-2:第2のパターンデータ
710D:第2の二次元コード
720D:第3の二次元コード