(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165796
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】データ管理装置およびデータ管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20221025BHJP
【FI】
G06F21/62 309
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071304
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】石倉 裕之
(57)【要約】 (修正有)
【課題】掲示物や表示画面の元データや関連するデータに簡便にアクセスでき、しかも、煩雑な操作を要さずそのアクセスに緩やかな制限を設けたりアクセスの対象を絞り込んだりできるデータ管理装置を提供する。
【解決手段】データ管理装置である複合機は、位置範囲を指定する領域情報が予め紐付けられたデータを格納するデータ格納デバイスと、データにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成し、生成されたコードをデータに付して印刷または表示させる出力処理部と、コードが外部の機器で取り込まれ、取り込まれたコードに基づく外部からのアクセス要求をその取り込みに係る位置情報と共に受付けるアクセス要求受領部と、位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲内であればデータへのアクセスを許可するが、領域情報の範囲外であればアクセスを許可しない位置判定部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置範囲を指定する領域情報が予め紐付けられたデータを格納するデータ格納デバイスと、
前記データにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成するコード生成部と、
生成されたコードを前記データに付して印刷または表示させる出力処理部と、
前記コードが外部の機器で取り込まれ、取り込まれたコードに基づく外部からのアクセス要求をその取り込みに係る位置情報と共に受付けるアクセス要求受領部と、
前記位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記領域情報の範囲外であればアクセスを許可しない位置判定部と、
を備えるデータ管理装置。
【請求項2】
前記データは、前記領域情報に加えてまたは代えてアクセス可能な期間を示す期間情報と予め紐付けられており、
前記アクセス要求を受け付けた時点が、対象のデータに予め付された期間情報の範囲内か否かを判定する期間判定部をさらに備え、
前記期間判定部は、前記アクセス要求を受付けた時点がアクセス対象のデータに紐付けられた期間情報が示す期間内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記期間情報が示す期間内でなければアクセスを許可しない請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項3】
前記コードが2次元コードであり、前記アクセス情報の取り込みが、印刷されたデータに付された2次元コードの撮影によるものである請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項4】
前記データは、前記領域情報に加えてまたは代えてアクセス可能な回数を限定する回数限定情報と予め紐付けられており、
前記アクセス要求を受け付けた回数が、対象のデータに予め付された回数限定情報の範囲内か否かを判定する回数判定部をさらに備え、
前記期間判定部は、外部からのアクセス要求を受付けた回数がアクセス対象のデータに紐付けられた回数限定情報の回数内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記回数限定情報が示す回数内でなければアクセスを許可しない請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項5】
前記データが複数のデータを含み、印刷されるデータは、前記データのうちの代表データである請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項6】
前記領域情報が複数の領域を含み、前記位置判定部は、前記位置情報が示す場所が何れの領域に属するかに応じてアクセス可能とするデータの範囲またはアクセスさせるデータの優先順位を決定する請求項1に記載のデータ管理装置。
【請求項7】
データ管理装置の制御部が、
位置範囲を指定する領域情報が予め紐付けられたデータを格納するステップと、
前記データにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成するステップと、
生成されたコードを前記データに付して印刷または表示させるステップと、
前記コードが外部の機器で取り込まれ、取り込まれたコードに基づく外部からのアクセス要求をその取り込みに係る位置情報と共に受付けるステップと、
前記位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記領域情報の範囲外であればアクセスを許可しないようにするステップと、
を備えるデータ管理方法。
【請求項8】
データ管理装置と情報処理機器とを備えるデータ管理システムであって、
前記データ管理装置は、
位置範囲を指定する領域情報が予め紐付けられたデータを格納するデータ格納デバイスと、
前記データにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成するコード生成部と、
生成されたコードを前記データに付して印刷または表示させる出力処理部と、
前記情報処理機器からアクセス要求を受付けるアクセス要求受領部と、
前記位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記領域情報の範囲外であればアクセスを許可しない位置判定部と
を備え、
前記情報処理機器は、
前記データ管理装置から出力された前記コードを取り込むコード取得部と、
前記コードの取り込みに係る位置情報を取得する位置情報取得部と、
取り込んだコードに埋め込まれたアクセス情報に基づき前記データへのアクセス要求を前記位置情報と共に送出する情報処理部とを備える
データ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像を格納し、格納された画像へのアクセスを管理するデータ管理装置およびデータ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データを格納し、格納されたデータへのアクセスを管理する機能を有する装置として、例えばネットワーク上のファイルサーバーやNAS(Network Access Storage)が知られている。また、画像データの入出力を扱う複合機にも、画像データを格納してアクセスを管理する機能を有するものがある。
データへのアクセスを管理する手法として、上述のファイルサーバー、NAS、複合機のユーザーにユーザーID、パスワードを割り当てることで格納されたデータに不特定多数の者がアクセスできないようにする手法が一般的である。
しかし、装置或いはシステム毎にユーザーID、パスワードが割り当てられると、ユーザーはそれらを自分の責任で管理しなければならなくなり、負担になるという側面がある。
【0003】
データの中には、ユーザーIDやパスワードを用いてアクセスを管理するほど秘匿性は高くないが、かといって、インターネット上で誰もが閲覧可能にしたりSNSで公開したりすると不測の影響が生じかねないので、それは躊躇されるといった性質のものがある。
また、秘匿を目的としなくても、アクセス可能な情報を絞り込みたいことがある。人により、または期間により価値のない情報が、必要な情報に混ざるのを避けたいといったような場合である。
例えば、会社あるいは学校等で構内の掲示板に掲示する掲示物等は、社員全員あるいは学生に公開するためのものである。部外者は原則的に構内に立ち入らないことを前提に、掲示内容を決めている。それらへのアクセスは緩く制限されているだけで、厳しいものではない。このような情報伝達の態様をインターネット上に移行した場合、緩い制限を課すことは意外に難しく、上述のようにユーザーIDやパスワードによる厳しいアクセス制限か、不特定多数への公開の何れかの選択肢が一般的である。
【0004】
一方、近年では、上述したような掲示物や表示コンテンツは、コンピュータを用いて作成されたアプリケーションデータや処理された画像が大半である。即ち、元データのある掲示物が大半である。掲示物や表示コンテンツからその元データにアクセスできれば、データの配布やコピーが容易である。進歩した近年のIT(Information Technology)技術の恩恵が受けられる態様といえる。また、掲示物や表示コンテンツの元データでなくそれに関連する情報にアクセスして取得する態様もある。
画像から、その元になったデータにアクセスして出力する画像処理装置が提案されている。
アプリケーションデータとそれが画像に変換された画像データとを特定のインデックスに対応付け、検索可能なデータベースとして画像処理装置に格納しておく。そのインデックスデータをバーコード画像に変換し、前記画像データと合成したものを配布資料として印刷する。その配布資料等をスキャナでスキャンすることでバーコード画像からインデックスデータを抽出できる。抽出されたインデックスデータを用いてデータベースを検索することで、画像データの元となったアプリケーションデータにアクセスできる。また、アプリケーションデータを出力できる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような掲示物、あるいは表示装置に表示される画面から、元データや関連する資料にアクセスできるようにすれば、印刷や撮影によって取り込む際の画質劣化や情報の欠落などの不利益を受けずに、資料を入手でき、コピーや配布ができるようになる。また、絞り込まれた情報にアクセスできるようになる。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、掲示物や表示画面の元データや関連するデータに簡便にアクセスでき、しかも、煩雑な操作を要さずそのアクセスに緩やかな制限を設けたりアクセスの対象を絞り込んだりできるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、位置範囲を指定する領域情報が予め紐付けられたデータを格納するデータ格納デバイスと、前記データにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成するコード生成部と、生成されたコードを前記データに付して印刷または表示させる出力処理部と、前記コードが外部の機器で取り込まれ、取り込まれたコードに基づく外部からのアクセス要求をその取り込みに係る位置情報と共に受付けるアクセス要求受領部と、前記位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記領域情報の範囲外であればアクセスを許可しない位置判定部と、を備えるデータ管理装置を提供する。
【0008】
また、異なる観点からこの発明は、データ管理装置の制御部が、位置範囲を指定する領域情報が予め紐付けられたデータを格納するステップと、前記データにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成するステップと、生成されたコードを前記データに付して印刷または表示させるステップと、前記コードが外部の機器で取り込まれ、取り込まれたコードに基づく外部からのアクセス要求をその取り込みに係る位置情報と共に受付けるステップと、前記位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記領域情報の範囲外であればアクセスを許可しないようにするステップと、を備えるデータ管理方法を提供する。
【0009】
さらに、異なる観点からこの発明は、データ管理装置と情報処理機器とを備えるデータ管理システムであって、前記データ管理装置は、位置範囲を指定する領域情報が予め紐付けられたデータを格納するデータ格納デバイスと、前記データにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成するコード生成部と、生成されたコードを前記データに付して印刷または表示させる出力処理部と、前記情報処理機器からアクセス要求を受付けるアクセス要求受領部と、前記位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記領域情報の範囲外であればアクセスを許可しない位置判定部とを備え、前記情報処理機器は、前記データ管理装置から出力された前記コードを取り込むコード取得部と、前記コードの取り込みに係る位置情報を取得する位置情報取得部と、取り込んだコードに埋め込まれたアクセス情報に基づき前記データへのアクセス要求を前記位置情報と共に送出する情報処理部とを備えるデータ管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
この発明によるデータ管理装置は、アクセス情報が埋め込まれたコードをデータに付して印刷または表示させる出力処理部と、前記コードが外部の機器で取り込まれ、取り込まれたコードに基づく外部からのアクセス要求を受けた場合にそれを受付けるアクセス要求受領部と、前記位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲内であれば前記データへのアクセスを許可するが範囲外であればアクセスを許可しない位置判定部と、を備えるので、掲示物や表示画面の元データや関連するデータに簡便にアクセスでき、しかも、煩雑な操作を要さずそのアクセスに緩やかな制限を設けたりアクセスの対象を絞り込んだりできる。
この発明によるデータ管理方法も同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】この実施形態によるデータ管理装置およびデータ管理方法の構成を示す説明図である。
【
図2】
図1と異なる態様のデータ管理装置およびデータ管理方法の構成を示す説明図である。
【
図3】実施の形態1において複合機の制御部が実行するデータの格納および出力に係る処理の例を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態1においてスマートフォンのプロセッサが実行するアクセス情報の取得とアクセス要求の送出に係る処理の例を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態1において複合機の制御部がアクセス要求を受けて実行する処理の例を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態2において、複合機の制御部がアクセス要求を受けて実行する処理の例を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態3において、複合機の制御部がアクセス要求を受けて実行する処理の例を示す第1のフローチャートである。
【
図8】実施の形態3において、複合機の制御部がアクセス要求を受けて実行する処理の例を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
(実施の形態1)
≪データ管理装置およびデータ管理方法の構成≫
まず、この実施形態によるデータ管理装置およびデータ管理方法の構成について述べる。
【0013】
図1は、この実施形態によるデータ管理装置およびデータ管理方法の構成を示す説明図である。
図1には、データ管理装置の具体的な態様として複合機11を示している。
図1に示すように、複合機11は、制御部13、データ格納デバイス15、出力処理部19およびアクセス要求受領部21を備える。
制御部13は、ハードウェア構成としてプロセッサおよびメモリーを中心に構成される。さらに、入出力回路、通信回路、タイマー回路等を含んでもよい。プロセッサがメモリーにダウンロードされた制御プログラムを実行することによって制御部13の機能が実現される。
【0014】
データ格納デバイス15は、後述する掲示物31の元データや関連データを格納する不揮発性の記憶装置である。具体的な態様としては、ハードディスク装置やフラッシュメモリー等で構成される。この実施形態において、データ格納デバイス15に格納されるデータの少なくとも一部は、領域情報が紐付けられたデータである。
コード生成部17は、制御部13の機能の一部として位置づけられる。データ格納デバイス15に格納されたデータにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成する処理を行う。コードとしては、例えば2次元コードが適用可能であるが、これに限らず情報が抽出可能な画像であればよい。例えば、バーコードのような1次元コードであってもよい。
【0015】
出力処理部19は、データ格納デバイス15に格納されたデータを出力するもので、複合機11の場合はデータを印刷するエンジンに相当する。あるいは、データを外部の機器に送信する通信回路に相当する。その場合は、後述するアクセス要求受領部21とハードウェア資源の少なくとも一部が重複する。また、データのプレビュー機能についていえば、複合機11の操作パネルの表示デバイス(不図示)にデータをプレビュー表示させる表示回路に相当する。
アクセス要求受領部21は、ネットワーク39を介して外部の機器からデータの要求を受付けて、要求されたデータを要求元の機器へ送信する処理を行う通信回路である。
位置判定部23は、制御部13の機能の一部として位置づけられる。アクセス要求受領部21が受付けたアクセス要求に伴う情報に含まれる撮影に係る位置が、データ格納デバイス15に格納されたデータに紐付けられている領域情報が示す位置の範囲内か否かを判定する処理を行う。
【0016】
期間判定部25は、必須の構成要素ではないが、以下の処理を実行する。期間判定部25が存在する構成の場合、データ格納デバイス15に格納されたデータに期間の指定に係る情報が付加されているものとする。また、アクセス要求受領部21が受付けたアクセス要求にコードの撮影に係る時点の情報が付加されているものとする。期間判定部25は、撮影に係る時点が指定された期間に含まれるか否かを判断してアクセス対象のデータへのアクセスを許可するか否かを判定する処理を行う。
回数判定部27も必須の構成要素ではないが、データ格納デバイス15に格納されたデータにアクセス回数の上限に係る情報が付加されている場合、アクセス要求受領部21が受付けたアクセス要求の回数が、アクセス対象のデータに紐付けられているアクセス回数の上限未満か否かを判定する処理を行う。
【0017】
領域情報が紐付けられてデータ格納デバイス15に格納されたデータについて、出力に係る指示、例えば印刷の指示を複合機11が受付けたものとする。印刷の指示を受付けると、コード生成部17としての制御部13は、対象のデータにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成する。そして、制御部13は、印刷指示の対象であるデータに、コード生成部17が生成したコードを重畳して出力処理部19に印刷を行わせる。
このようにして、コードが重畳されたデータの印刷物が掲示物31として出力される。印刷を指示した者は、出力された掲示物31を、所定の場所に掲示するものとする。例えば、掲示物31は、会社や学校の掲示板に掲示される。また例えば、マンションの屋内、管理人室前の掲示板等に掲示物31が掲示される。
【0018】
図1に示すスマートフォン41は、掲示物31を見た者が掲示物31、特にコード33を付属のカメラで撮影したことを示している。カメラはコード取得部に相当するものである。スマートフォン41は、GPS43から位置情報45を取得し、撮影された画像に位置情報45を付加する。GPS43は、位置情報取得部に相当するものである。なお、位置情報45は、この例のようにGPS43から取得される高い精度の位置を提供するものに限らない。コードの取得が行われた場所に関連する情報であれば足りる。例えば、ある施設(事業所、学校、商業施設等)内のネットワークか否かを特定するネットワークアドレス、どの基地局を介した無線通信かを特定する情報も位置情報となり得る。さらに、カメラで撮影された周囲の景色でおおよその位置が特定できれば、画像も位置情報となり得る。アクセス制限を課す目的によって、種々の位置情報の態様があり得る。
スマートフォン41のプロセッサは、スマートフォン41にインストールされたアプリを実行することによって情報処理部として機能し、撮影されたコード33に埋め込まれているアクセス情報を抽出する。そして、ネットワーク39を介してアクセス情報が示すデータの所在、即ち、複合機11のデータ格納デバイス15にアクセスしてデータの取得を試みる。
【0019】
複合機のアクセス要求受領部21は、スマートフォン41からネットワーク39を介して送られるアクセス要求を受付ける。そのアクセス要求は、位置情報45を伴う。
位置判定部23として制御部13は、アクセス要求に伴って受領した位置情報45が、アクセス対象のデータに紐付けられている領域情報の範囲内かを判定し、範囲内であればデータへのアクセスを許可し、範囲外であればアクセスを許可しないようにする。アクセス要求を許可する場合、複合機11はネットワーク39を介してスマートフォン41にアクセス対象のデータを提供する。言い換えると、スマートフォン41はネットワーク39を介してアクセス対象のデータを取得する。
【0020】
図2は、
図1と異なる態様を示す説明図である。
図1に示す構成は、スマートフォン41がネットワーク39を介して複合機11と直接通信する。それに対して
図2に示す構成は、スマートフォン41がクラウドサーバー47を介して複合機11と通信する。詳細に述べると、スマートフォン41は、ネットワーク39を介してクラウドサーバー47と通信し、クラウドサーバー47は、ネットワーク39を介して複合機11と通信する。スマートフォン41とクラウドサーバー47が通信する際に、ユーザー認証が行われてもよい。ユーザー認証の手段は問わないが、例えば、ユーザーIDとパスワードを用いた認証が挙げられる。
【0021】
従って、スマートフォン41からのアクセス要求は、ネットワーク39を介してまずクラウドサーバー47へ送信される。アクセス要求を受けたクラウドサーバー47は、受信したアクセス要求からデータの所在を調べ、複合機11へアクセスすべきことを導き出す。そして、ネットワーク39を介して複合機11にアクセス要求を送る。
アクセス要求を受信した複合機11の処理は
図1と同様である。アクセス要求を許可する場合、複合機11は、ネットワーク39を介してクラウドサーバー47にアクセス対象のデータを提供する。スマートフォン41は、ネットワーク39を介してアクセス対象のデータを取得する。
スマートフォン41とクラウドサーバー47が通信する際にユーザー認証を行うように構成することで、領域情報のみを用いたアクセス制限に比べ、より厳しいアクセス制限を課してデータのセキュリティを確保できる。
【0022】
≪フローチャート≫
続いて、この実施形態に係るデータへのアクセスに係る処理についてフローチャートを用いて説明する。
図3~
図5は、この実施形態に係るデータへのアクセスに係る処理の例を示すフローチャートである。
図3は、複合機11がデータ格納デバイス15にデータを格納し、格納されたデータへのアクセス情報をコードに埋め込んでデータに重畳して出力する処理を示すフローチャートである。
図3に示すように、複合機11の制御部13は、ネットワーク39を介し、あるいは
図1に不図示の操作パネルを介して、データを格納または出力、即ち、印刷あるいは送信する要求を受付けると(ステップS11のYes)、既に領域情報が紐付けられたデータか否かを調べる。
【0023】
格納するデータに領域情報が紐付けられていない場合は(ステップS13のNo)、ネットワーク39を介して格納または出力の要求を送った機器、または操作パネルから領域情報の入力を受付けて、データに紐付ける(ステップS15)。領域情報の入力は、例えば、住所や緯度、経度の情報をユーザーが入力してもよいし、地図を用いて位置の指定を受付けるようにしてもよい。
制御部13は、領域情報が紐付けられたデータをデータ格納デバイス15に格納する(ステップS17)。
【0024】
領域情報を紐付けたデータがデータ格納デバイス15に格納されたら、コード生成部17としての制御部13は、格納されたデータを参照するための情報であるアクセス情報を埋め込んだコードを生成する(ステップS21)。そして、格納されたデータに生成されたコードを重畳して出力する。即ち、コードが重畳されたデータを印刷また、ネットワークを介して要求元の機器へ送信する(ステップS23)。なお、格納されたデータが複数のデータからなる場合、ユーザーの指定に応じてそれらのデータを代表する代表データのみを出力するようにしてもよい。
以上が、制御部13がデータを格納して出力する処理の流れである。
【0025】
なお、上述の例では、データの格納と出力が一括して行われるものとしているが、両者が個別に要求されてもよい。即ち、最初にデータの格納に係る要求を受付けると、制御部13はデータ格納デバイス15に領域情報が紐付けられたデータを格納する。その後、出力に係るデータを受付けると、制御部13は、アクセス情報が埋め込まれたコードを生成し、生成したコードを重畳してデータを出力する。このように、データの格納と出力が同時に行われるのでなく、個別に行われる態様もあり得る。
【0026】
また、領域情報の入力と同時に、パスワードを入力してデータに紐付けるようにしてもよい。データにパスワードを紐付ける態様は緩やかなアクセス制限といえないように見えるかもしれないが、必ずしもそうとはいえない側面がある。例えば、対象者にとって周知の語(社名、学校名、住所など)、秘匿性は低いが覚えやすいパスワードを用いることで緩やかなアクセス制限とすることも可能である。パスワードを併用することで、領域情報だけのアクセス制限に比べるとより強いアクセス制限をかけることができる。
【0027】
このようにして出力されたコード付きのデータの具体例としては、印刷された掲示物が挙げられる。別の具体例として、ウェブページにアップロードされたお知らせの記事が挙げられる。
続いて、それらの掲示物やお知らせの記事を見たものが、データへのアクセス要求を送る処理の例を述べる。
【0028】
図4は、掲示物を見た者が、自分が所有するスマートフォンのカメラで掲示物を撮影して、コードに埋め込まれたアクセス情報を抽出し送信する処理の例を示すフローチャートである。なお、掲示物に代えてウェブページのお知らせの記事をスマートフォン等で読んだ者がアクセス要求を行う場合は、お知らせと共に表示されるコードを画面上でキャプチャーするアプリを用いてコードに埋め込まれたアクセス情報を抽出するようにすればよい。
図4の処理を説明する。スマートフォン41には、コードを取得して取得されたコードに埋め込まれた情報を抽出する特定のアプリがインストールされている。そのアプリが起動されて(ステップS31のYes)、掲示物が撮影されてそのアプリに取り込まれたものとする(ステップS33のYes)。そのアプリを実行するスマートフォン41のプロセッサは、取り込まれたコードを解析してそのコードに埋め込まれているアクセス情報を抽出する(ステップS35)。
【0029】
アクセス情報は、例えば、
図1に示す例の場合、インターネット上でそのデータを格納する機器を示す情報およびその機器の中で対象のデータを特定する情報から少なくとも構成される。
図2に示す例の場合、アクセス要求を管理する機器としてのクラウドサーバー47を示す情報、データを格納する機器を示す情報およびその機器の中で対象のデータを特定する情報から少なくとも構成される。
【0030】
さらに、前述の特定のアプリは、撮影が行われた際のスマートフォン41の位置情報を取得する(ステップS37)。位置情報は、例えばスマートフォン41がGPS機能を備えており、そのGPS43の機能を用いて取得できる。
そして、前述の特定のアプリは、位置情報と共に、抽出されたアクセス情報に基づくアクセス要求を、対象のデータを格納する機器に向けて送出する(ステップS39)。
図1に示す実施形態では複合機11に向けて送出する。
図2に示す実施形態ではクラウドサーバー47に向けて送出する。
【0031】
続いて、送出されたアクセス要求を受領して複合機11の制御部13が実行する処理の例を説明する。
図5は、アクセス要求を受領した制御部13が実行する処理の例を示すフローチャートである。
図5に示すように、アクセス対象のデータを格納する機器である複合機11がアクセス要求を受領すると(ステップS51のYes)、そのアクセス情報と共に受信した位置情報を取得する(ステップS53)。さらに、受信したアクセス情報を解析して、データ格納デバイス15に格納されているデータの中からアクセス対象のデータを特定し、そのデータに紐付けられている領域情報を取得する(ステップS55)。
【0032】
そして、位置判定部23として制御部13は、受領した位置情報をアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報と照合して位置情報の示す位置が領域情報の示す位置の範囲内にあるか範囲外にあるかを判定する(ステップS57)。
その結果、位置情報の示す位置が領域情報の示す位置の範囲内にあれば(ステップS57のYes)、アクセス対象のデータをアクセス要求の送信元の機器へ送信して(ステップS59)処理を終了する。
【0033】
一方、位置情報の示す位置が領域情報の示す位置の範囲外であれば(ステップS57のNo)、前記位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲外であるためにアクセスが許容されない旨の返答をアクセス要求の送信元の機器へ送信して(ステップS61)処理を終了する。
なお、位置情報の判定については、領域情報の境界付近であれば範囲外であってもアクセスを許容するといったように多少の誤差を許容するようにしてもよい。
【0034】
(実施の形態2)
実施の形態1では、領域情報が紐付けられたデータについて位置に基づく緩やかなアクセス制限を設ける例を述べた。この実施形態では、位置に基づくアクセス制限に加えて、あるいはそれに代えて、期間に基づくアクセス制限を設ける例を述べる。
この実施形態において、データ格納デバイス15に格納されるデータには、領域情報に加えて、あるいは領域情報に代えて、期間情報が紐付けられる。期間情報は、期間を指定する情報である。
【0035】
そして、
図1および
図2に示す制御部13は、位置判定部23に加えて、あるいは位置判定部23に代えて期間判定部25を備えている。期間判定部25は、アクセス要求を受信すると、アクセス対象のデータに紐付けられた期間情報により指定される期間内にそのアクセス要求が受信されたか否かを判定し、期間内であればアクセスを許可するが期間外であればアクセスを許可しないようにする。
【0036】
図6は、実施の形態1の
図5に対応するフローチャートであって、制御部13が位置判定部23に加えて期間判定部25を備える場合の処理の流れを示している。
図6で、
図5と同様の処理には
図5と同じ符号を付している。それらの処理については説明を省略し、
図5と異なる部分について説明する。
図6で期間判定部25として制御部13は、位置情報の示す位置が領域情報の示す位置の範囲内にあれば(ステップS57のYes)、アクセス対象のでーたに紐付けられた期間情報を取得し(ステップS71)、アクセス要求を受信した時点と照合する。そして、アクセス要求を受信した時点が期間情報の示す期間の範囲内にあるか範囲外にあるかを判定する(ステップS73)。
【0037】
その結果、アクセス要求を受信した時点が期間情報の示す期間の範囲内にあれば(ステップS73のYes)、アクセス対象のデータをアクセス要求の送信元の機器へ送信して(ステップS59)処理を終了する。
一方、アクセス要求を受信した時点が期間情報の示す期間の範囲外であれば(ステップS73のNo)、アクセス要求がアクセス対象のデータに紐付けられた期間情報の範囲外であるためにアクセスが許容されない旨の返答をアクセス要求の送信元の機器へ送信して(ステップS75)処理を終了する。
【0038】
例えば、ウェブページで期間限定のクーポン発行のお知らせの記事等を挙げる場合に、クーポン発行の期間を期間情報としてクーポンに係るデータに紐付けておく。そうすれば、クーポン発行期間中はお知らせの画面に付加されたコードに基づくアクセス要求に対してクーポンに係るデータを提供(クーポンを発行)するが、その期間外はクーポンに係るデータへのアクセスを許可しない(クーポンを発行しない)ようにできる。地域限定かつ期間限定のクーポン発行が可能になる。
【0039】
(実施の形態3)
実施の形態2では、期間情報に基づくアクセス制限について述べた。この実施の形態では、回数情報に基づくアクセス制限について述べる。
この実施形態において、データ格納デバイス15に格納されるデータには、領域情報に加えて、あるいは領域情報に代えて、回数情報が紐付けられる。回数情報は、アクセス要求を受け付ける上限回数を指定する情報である。
【0040】
そして、
図1および
図2に示す制御部13は、位置判定部23に加えて、あるいは位置判定部23に代えて回数判定部27を備えている。回数判定部27は、アクセス要求を受信すると、そのアクセス要求がアクセス対象のデータに紐付けられた回数情報により指定される回数以内に受信されたか否かを判定し、回数以内であればアクセスを許可するが回数を超えていればアクセスを許可しないようにする。
【0041】
図7および
図8は、実施の形態1の
図5に対応するフローチャートであって、制御部13が位置判定部23に加えて回数判定部27を備える場合の処理の流れを示している。
図7および
図8で、
図5と同様の処理には
図5と同じ符号を付している。それらの処理については説明を省略し、
図5と異なる部分について説明する。
図7で回数判定部27として制御部13は、位置情報の示す位置が領域情報の示す位置の範囲内にあれば(ステップS57のYes)、アクセス対象のデータに紐付けられた回数情報を取得し(ステップS81)、アクセス対象のデータに対してアクセス要求を受けた回数と照合する。そして、受信したアクセス要求がアクセス対象のデータに紐付けられた回数情報の示す上限回数以下か上限回数を超えるかを判定する(ステップS83)。
【0042】
その結果、アクセス要求を受信した回数が回数情報の示す上限値以内であれば(ステップS83のYes)、制御部13は、処理を
図8のステップS87へ進める。
一方、受信したアクセス要求の回数が回数情報の示す上限値を超える場合は(ステップS83のNo)、アクセス要求がアクセス対象のデータに紐付けられた回数情報の上限を超えるためにアクセスが許容されない旨の返答をアクセス要求の送信元の機器へ送信して(ステップS85)処理を終了する。
【0043】
図8のステップS87で、制御部13は、受領したアクセス要求に係るアクセス対象のデータが、予めアクセスに必要なパスワードが紐付けられたものか否かを判定する。即ち、領域情報と共にアクセスに用いるパスワードが紐付けられてデータ格納デバイス15に格納されたデータか否かを判定する。
アクセスに用いるパスワードが紐付けられたデータでなければ(ステップS87のNo)、制御部13は、アクセス対象のデータをアクセス要求の送信元の機器へ送信して(ステップS59)処理を終了する。
【0044】
一方、アクセス対象のデータにパスワードが紐付けられている場合(ステップS87のYes)、制御部13は、データの要求元に対してアクセスに用いるパスワードの入力要求をクラウドサーバー47へ送信する(ステップS89)。パスワードの入力要求を受けたクラウドサーバー47は、要求元のスマートフォン41にパスワードの入力要求を送って、ユーザーにパスワード入力を求める。スマートフォン41のプロセッサは、画面にパスワードの入力要求を表示させてパスワードの入力を受付ける。ユーザーによるパスワード入力を受付けると、スマートフォン41のプロセッサは、受付けたパスワードをクラウドサーバー47に送信する。パスワードを受信したクラウドサーバー47は、取得したパスワードを複合機11に送信する。
【0045】
制御部13は、要求元から入力されたパスワードが送られてくるのを、所定の期間だけ待つ(ステップS91のNo、ステップS93のNoを経てステップS91へ戻るループ)。所定期間が過ぎてもパスワードを受領しなければ(ステップS93のNo)、アクセスに必要なパスワードが所定期間内に受領できなかったために、データのアクセスが付加である旨を要求元に返して(ステップS95)処理を終了する
要求元からパスワードが送られてきたら(ステップS91のYes)、受領したパスワードがアクセス対象のデータに紐付けられているパスワードと一致するか否かを判定する(ステップS97)。
【0046】
受領したパスワードがアクセス対象のデータに紐付けられたパスワードと一致すれば(ステップS97のYes)、制御部13は、アクセス対象のデータをアクセス要求の送信元の機器へ送信して(ステップS59)処理を終了する。
一方、受領したパスワードがアクセス対象のデータに紐付けられたパスワードと一致しなければ(ステップS97のNo)、制御部13は、要求元に入力されたパスワードが不正である旨を通知して、再入力を求める(ステップS99)。そして、処理をステップS91へ戻して再入力されたパスワードの受信を待つ。
【0047】
この実施形態によれば、例えば、ウェブページで期間限定のクーポン発行のお知らせの記事等を挙げる場合に、クーポン発行の回数の上限値を回数情報としてクーポンに係るデータに紐付けておく。そうすれば、お知らせの画面に付加されたコードに基づくアクセス要求に対してクーポンに係るデータを提供(クーポンを発行)する回数(クーポンの発行枚数)を、回数情報で設定された枚数に制限し、それ以上はクーポンに係るデータへのアクセスを許可しない(クーポンを発行しない)ようにできる。地域限定かつ先着順に枚数限定のクーポン発行が可能になる。
【0048】
以上に述べたように、
(i)この発明によるデータ管理装置は、位置範囲を指定する領域情報が予め紐付けられたデータを格納するデータ格納デバイスと、前記データにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成するコード生成部と、生成されたコードを前記データに付して印刷または表示させる出力処理部と、前記コードが外部の機器で取り込まれ、取り込まれたコードに基づく外部からのアクセス要求をその取り込みに係る位置情報と共に受付けるアクセス要求受領部と、前記位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記領域情報の範囲外であればアクセスを許可しない位置判定部と、を備えることを特徴とする。
【0049】
この発明において、位置範囲は、位置の範囲、即ち地理的な領域を指すものである。
また、データ格納デバイスは、データをアクセス可能に格納するものである。その具体的な態様は、例えば、ハードディスク装置やメモリーデバイス等である。
さらにまた、アクセス情報は、データ格納デバイスに格納されたデータにアクセスするための情報であって、データ格納デバイスの所在およびそのデータ格納デバイスに格納されたデータを特定して読み書きを行うのに用いる情報である。
【0050】
コードは、情報が抽出可能に埋め込まれた符号であって、この発明に係るコードは撮影可能な態様に画像化された符号である。その具体的な態様は、例えば、QRコード(登録商標)等の2次元コードである。
また、位置情報は、地理的な位置を示す情報であり、この発明ではコードが撮影された位置を表す情報である。その具体的な態様は、例えば、GPS(Global Positioning System)等を用いて得られる位置の情報である。
【0051】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
(ii)前記データは、前記領域情報に加えてまたは代えてアクセス可能な期間を示す期間情報と予め紐付けられており、前記アクセス要求を受け付けた時点が、対象のデータに予め付された期間情報の範囲内か否かを判定する期間判定部をさらに備え、前記期間判定部は、前記アクセス要求を受付けた時点がアクセス対象のデータに紐付けられた期間情報が示す期間内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記期間情報が示す期間内でなければアクセスを許可しないようにしてもよい。
このようにすれば、位置範囲だけでなくアクセスを許可する期間を設定することによって緩やかなアクセス制限を実現できる。
【0052】
(iii)前記コードが2次元コードであり、前記アクセス情報の取り込みが、印刷されたデータに付された2次元コードの撮影によるものであってもよい。
このようにすれば、2次元コードをカメラで撮影して埋め込まれたアクセス情報を抽出し、アクセス情報が示すデータにアクセスできる。
【0053】
(iv)前記データは、前記領域情報に加えてまたは代えてアクセス可能な回数を限定する回数限定情報と予め紐付けられており、前記アクセス要求を受け付けた回数が、対象のデータに予め付された回数限定情報の範囲内か否かを判定する回数判定部をさらに備え、前記期間判定部は、外部からのアクセス要求を受付けた回数がアクセス対象のデータに紐付けられた回数限定情報の回数内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記回数限定情報が示す回数内でなければアクセスを許可しないようにしてもよい。
このようにすれば、アクセス可能な回数を制限することで、例えばアクセスした順に数を限って情報を提供するといったやり方のアクセス制限を課すことができる。
【0054】
(v)前記データが複数のデータを含み、印刷されるデータは、前記データのうちの代表データであってもよい。
このようにすれば、数あるデータのうちで代表のデータだけを印刷または表示させ、アクセス要求があった場合に代表データ以外のものもアクセスできるように構成できる。例えば、印刷または表示させた内容の詳細な資料や関連資料にもアクセスできるようにする態様である。
【0055】
(vi)前記領域情報が複数の領域を含み、前記位置判定部は、前記位置情報が示す場所が何れの領域に属するかに応じてアクセス可能とするデータの範囲またはアクセスさせるデータの優先順位を決定してもよい。
このようにすれば、撮影に係る位置に応じて、アクセス可能なデータの範囲やアクセスさせるデータの優先順位を変えるようにできる。
【0056】
(vii)この発明の一態様は、データ管理装置の制御部が、位置範囲を指定する領域情報が予め紐付けられたデータを格納するステップと、前記データにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成するステップと、生成されたコードを前記データに付して印刷または表示させるステップと、前記コードが外部の機器で取り込まれ、取り込まれたコードに基づく外部からのアクセス要求をその取り込みに係る位置情報と共に受付けるステップと、前記位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記領域情報の範囲外であればアクセスを許可しないようにするステップと、を備えるデータ管理方法を含む。
【0057】
(viii)この発明の一態様は、データ管理装置と情報処理機器とを備えるデータ管理システムであって、前記データ管理装置は、位置範囲を指定する領域情報が予め紐付けられたデータを格納するデータ格納デバイスと、前記データにアクセスするためのアクセス情報が埋め込まれたコードを生成するコード生成部と、生成されたコードを前記データに付して印刷または表示させる出力処理部と、前記情報処理機器からアクセス要求を受付けるアクセス要求受領部と、前記位置情報がアクセス対象のデータに紐付けられた領域情報の範囲内であれば前記データへのアクセスを許可するが、前記領域情報の範囲外であればアクセスを許可しない位置判定部とを備え、前記情報処理機器は、前記データ管理装置から出力された前記コードを取り込むコード取得部と、前記コードの取り込みに係る位置情報を取得する位置情報取得部と、取り込んだコードに埋め込まれたアクセス情報に基づき前記データへのアクセス要求を前記位置情報と共に送出する情報処理部とを備えるデータ管理システムを含む。
【0058】
この発明の態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0059】
11:複合機、 13:制御部、 15:データ格納デバイス、 17:コード生成部、 19:出力処理部、 21:アクセス要求受領部、 23:位置判定部、 25:期間判定部、 27:回数判定部、 31:掲示物、 33:コード、 39:ネットワーク、 41:スマートフォン、 43:GPS、 45:位置情報、 47:クラウドサーバー