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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165819
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】マスク用の換気装置
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20221025BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071337
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】三川 正治
(72)【発明者】
【氏名】北井 正俊
(72)【発明者】
【氏名】井口 恵
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA19
2E185CA03
2E185CC32
(57)【要約】
【目的】 本発明はマスク用の換気装置の新たな排気を実現する。
【構成】 換気装置Dは筐体100とファン200を備えている。筐体100は、筐体本体110と、舌部120と、排気口101と、吸気口102と、通気路103とを有している。舌部120は、筐体本体110から延びており且つ筐体本体110の第1壁111に間隔をあけて少なくとも部分的に対向する。排気口101は第1壁111及び舌部120の少なくとも一方に設けられている。吸気口102は筐体本体110の第2壁112に設けられている。通気路103は排気口101と吸気口102との間に設けられている。ファン200は、筐体100の通気路103内に配置されており、且つ、気体を吸気口102から吸い込み、通気路103及び排気口101を通って、第1壁111と舌部120との間から排出可能となっている。
【選択図】 図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
ファンとを備えており、
前記筐体は、第1壁及び第2壁を有する筐体本体と、
前記筐体本体から延びており且つ前記筐体本体の前記第1壁に間隔をあけて少なくとも部分的に対向する舌部と、
前記第1壁及び前記舌部の少なくとも一方に設けられた少なくとも一つの排気口と、
前記第2壁に設けられた少なくとも一つの吸気口と、
前記少なくとも一つの排気口と前記少なくとも一つの吸気口との間に設けられた通気路とを有しており、
前記ファンは、前記筐体の前記通気路内に配置されており、且つ、気体を前記少なくとも一つの吸気口から吸い込み、前記通気路及び少なくとも一つの排気口を通って、前記第1壁と前記舌部との間から排出可能な構成であるマスク用の換気装置。
【請求項2】
請求項1記載のマスク用の換気装置であって、
前記舌部は、少なくとも部分的に下り傾斜しており且つ前記舌部と前記第1壁との間の距離が前記舌部の傾斜方向にいくにしたがって漸次拡大しているマスク用の換気装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のマスク用の換気装置であって、
前記舌部は、第1方向において断面視略L字状であり、
前記第1方向は、前記舌部が前記第1壁に対向する方向であるマスク用の換気装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載のマスク用の換気装置において、
前記舌部は、根元部を有しており、
前記筐体は、第1、第2連結部を更に有しており、
前記第1、第2連結部が、前記舌部の前記根元部の両端部と前記第1壁とを連結しており、
前記第1、第2連結部、前記舌部の前記根元部及び前記第1壁によって、前記少なくとも一つの排気口に連通する窪み部が区画されており、
前記少なくとも一つの排気口は、前記第1壁、前記舌部及び前記第1、第2連結部の少なくとも一つに設けられており、
前記ファンは、気体を前記少なくとも一つの吸気口から吸い込み、前記通気路及び少なくとも一つの排気口を通って、前記窪み部から排出可能な構成であるマスク用の換気装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載のマスク用の換気装置において、
前記筐体本体は、略V字状、円弧状又は略U字状であり、
前記換気装置が顎とマスクとの間に配置された状態で、前記筐体本体が前記顎に沿って配置されるマスク用の換気装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載のマスク用の換気装置において、
前記筐体本体の前記第2壁は、前記第1壁に対向配置されているマスク用の換気装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載のマスク用の換気装置において、
前記筐体本体の前記少なくとも一つの排気口及び前記少なくとも一つの吸気口の少なくとも一方を閉塞する少なくとも一つのフィルタを更に備えたマスク用の換気装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載のマスク用の換気装置において、
前記ファンに電気的に接続されたバッテリーを更に備えているマスク用の換気装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れかに記載のマスク用の換気装置であって、
前記筐体本体に設けられており且つ前記筐体本体の外面に露出した操作部を更に備えており、
前記操作部が操作されることによって、前記ファンの風量が変化する及び/又は前記ファンがオン/オフされるようになっているマスク用の換気装置。
【請求項10】
請求項1~9の何れかに記載のマスク用の換気装置であって、
前記換気装置は、人の顔の顎と前記顔に装着されるマスクとの間に配置された状態で、前記舌部が前記筐体本体から前記顎に向けて延びているマスク用の換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク用の換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、従来のマスク用の換気装置が記載されている。この換気装置は、筐体と、ファンとを備えている。筐体の前面には、複数の吸気口が設けられている。筐体の上面には、複数の排気口が設けられている。ファンが筐体内に収容されている。ファンが駆動することによって、吸気口から筐体内に空気が取り込まれ、排気口から排出されるようになっている。
【0003】
このような構成の換気装置は、人の顔の顎とこの顔に装着されるマスクとの間に配置される。この状態で、吸気口がマスクに対向し且つ排気口が口の前側付近に配置される。このため、回転羽の回転により、マスクを介して空気が吸気口から筐体内に空気が取り込まれ、排気口から口の前側付近へ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3228733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の換気装置においては、排気口が筐体に設けられた単なる貫通孔であって、この排気口から気体が排出されている。
【0006】
本発明は、新規な排気を実現できるマスク用の換気装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のマスク用の換気装置は、筐体と、ファンとを備えている。筐体は、筐体本体と、舌部と、少なくとも一つの排気口と、少なくとも一つの吸気口と、通気路とを有している。筐体本体は、第1壁及び第2壁を有している。舌部は、筐体本体から延びており且つ筐体本体の第1壁に間隔をあけて少なくとも部分的に対向する。少なくとも一つの排気口は、第1壁及び舌部の少なくとも一方に設けられている。少なくとも一つの吸気口は、第2壁に設けられている。通気路は、少なくとも一つの排気口と少なくとも一つの吸気口との間に設けられている。ファンは、筐体の通気路内に配置されており、且つ、気体を少なくとも一つの吸気口から吸い込み、通気路及び少なくとも一つの排気口を通って、第1壁と舌部との間から排出可能な構成となっている。
【0008】
このような態様の場合、気体が少なくとも一つの排気口から第1壁と舌部との間を通って排出されるようになっているので、換気装置の新たな排気が実現されている。
【0009】
舌部は、少なくとも部分的に下り傾斜しており且つ舌部と第1壁との間の距離が舌部の傾斜方向にいくにしたがって漸次拡大した構成とすることが可能である。
【0010】
舌部は、第1方向において断面視略L字状とすることが可能である。なお、第1方向は、舌部が第1壁に対向する方向とすることが可能である。
【0011】
舌部は、根元部を有する構成とすることが可能である。
【0012】
筐体は、第1、第2連結部を更に有する構成とすることが可能である。第1、第2連結部が、舌部の根元部の両端部と第1壁とを連結する構成とすることが可能である。第1、第2連結部、舌部の根元部及び第1壁によって、少なくとも一つの排気口に連通する窪み部が区画された構成とすることが可能である。この場合、少なくとも一つの排気口は、第1壁、舌部及び第1、第2連結部の少なくとも一つに設けられた構成とすることが可能である。ファンは、気体を少なくとも一つの吸気口から吸い込み、通気路及び少なくとも一つの排気口を通って、窪み部から排出可能な構成とすることが可能である。
【0013】
第1、第2連結部の第2方向の距離は、第3方向の他方又は一方にいくにしたがって漸次拡大していてもよいが、略一定であってもよい。第2方向は第1方向に略直交しているとよい。第3方向は第1方向及び第2方向に略直交しているとよい。
【0014】
筐体本体は、略V字状、円弧状又は略U字状とすることが可能である。換気装置が顎とマスクとの間に配置された状態で、筐体本体が顎に沿って配置されるようになっていてもよい。
【0015】
筐体本体の第2壁は、第1壁に対向配置された構成とすることが可能である。
【0016】
上記した何れかの態様の換気装置は、筐体本体の少なくとも一つの排気口及び少なくとも一つの吸気口の少なくとも一方を閉塞する少なくとも一つのフィルタを更に備えた構成とすることが可能である。
【0017】
上記した何れかの態様の換気装置は、ファンに電気的に接続されたバッテリーを更に備えた構成とすることが可能である。
【0018】
上記した何れかの態様の換気装置は、筐体本体に設けられており且つ筐体本体の外面に露出した操作部を更に備えた構成とすることが可能である。この操作部が操作されることによって、ファンの風量が変化する及び/又はファンがオン/オフされるようになっていてもよい。
【0019】
上記した何れかの態様の換気装置は、人の顔の顎と顔に装着されるマスクとの間に配置された状態で、舌部が筐体本体から顎側に延びていてもよいし、その逆側に延びていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本発明の実施例1に係るマスク用の換気装置の正面図である。
図1B】前記マスク用の換気装置の背面及び底面側から表した斜視図である。
図1C】前記マスク用の換気装置の正面、平面及び右側面から表した斜視図である。
図1D】前記マスク用の換気装置の背面、底面及び左側面から表した斜視図である。
図2A】前記マスク用の換気装置の図1A中の2A-2A断面図である。
図2B】前記マスク用の換気装置の図1A中の2B-2B断面図である。
図2C】前記マスク用の換気装置の図2A中の2C-2C断面図である。
図3A】前記マスク用の換気装置の正面、平面及び右側面から表した分解斜視図である。
図3B】前記マスク用の換気装置の背面、底面及び右側面から表した分解斜視図である。
図4】前記マスク用の換気装置が人の顔の顎とマスクとに配置された状態を示す側面図である。
図5】前記マスク用の換気装置の設計変形例を示す図2Aに対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例1及びその設計変形例を含む複数の実施例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変更例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変形例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【実施例0022】
以下、本発明の実施例1及びその設計変形例を含む複数の実施例に係るマスク用の換気装置Dについて、図1A図4を参照しつつ説明する。図1A図4には、実施例1の換気装置Dが示されている。図5には、実施例1の換気装置Dの設計変形例が示されている。図1A図2A図2C図3B及び図5には、Z-Z’方向(第1方向)が示されている。Z-Z’方向は、Z方向及びZ’方向を含む。図1A図1D及び図2B図3Bには、Z-Z’方向に略直交するX-X’方向(第2方向)が示されている。X-X’方向はX方向及びX’方向を含む。図1C図2B図3A図3B及び図5には、Z-Z’方向及びX-X’方向に略直交するY-Y’方向(第3方向)が示されている。Y-Y’方向は、Y方向及びY’方向を含む。
【0023】
換気装置Dは、人(使用者)の顔Fの顎F1と顔Fに装着されるマスクMとの間に配置される装置である(図4参照)。以下、換気装置Dが、人(使用者)の顔Fの顎F1と顔Fに装着されたマスクMとの間に配置された状態を、「配置状態」と称する。顔Fは、顎F1と、口F2と、鼻F3と、一対の耳F4とを有する(図4参照)。マスクMは、例えば、衛生マスク、医療用マスクや産業用マスク等であって、マスク本体M1と、一対の耳F4に掛けられる一対の耳掛け部M2とを有する(図4参照)。マスク本体M1は、顔Fの顎F1、口F2及び鼻F3を覆うようになっている。マスク本体M1は、例えば、初期状態において中央部がY方向に凸となる膨らんだカップ状に立体的に形成された可撓性を有する生地で構成されていても良いし、初期状態において複数のプリーツが設けられた略矩形状の可撓性を有する生地であって、顔Fの顎F1、口F2及び鼻F3を覆った状態(使用状態)で中央部がY方向に凸となる膨らむ構成であっても良いし、初期状態において略矩形状の可撓性を有する生地であって、顔Fの顎F1、口F2及び鼻F3を覆った状態(使用状態)でY方向に凸となるように湾曲する構成であっても良い。前記生地は、不織布、ガーゼ、ウレタン、化学繊維及び/又は天然繊維等で構成されている。また、マスク本体M1は、可撓性を有しておらず、初期状態で中央部がY方向に凸となる膨らむように成形されたカップ体で構成されていても良い。
【0024】
換気装置Dは、筐体100を備えている。筐体100は、例えば、合成樹脂、炭素繊維、金属又はこれらの組み合わせ等で構成されている。筐体100は、筐体本体110を有している。筐体100は、Y-Y’方向(図3A及び図3B参照)又はZ-Z’方向に着脱可能に組み合わせられた2ピースで構成されているとよい。
【0025】
筐体本体110は、例えば、Y方向側に凸の略V字状、円弧状(図1A図4参照)又は略U字状であって、上記配置状態で、顎F1に対してY’方向側で顎F1に沿って配置されるようになっていてもよい。この場合、筐体本体110は、Y方向側の壁、Y’方向側の壁、Z方向側の壁、Z’方向側の壁、X方向側の壁及びX’方向側の壁を有している。Y方向側の壁及びY’方向側の壁は、Y方向側に凸の略V字状、円弧状(図1A図4参照)又は略U字状に湾曲している。Z方向側の壁は、Y方向側の壁のZ方向側の端とY’方向側の壁のZ方向側の端との間を閉塞するように設けられた壁である。Z’方向側の壁は、Y方向側の壁のZ’方向側の端とY’方向側の壁のZ’方向側の端との間を閉塞するように設けられた壁である。X方向側の壁は、Y方向側の壁のX方向側の端、Y’方向側の壁のX方向側の端、Z方向側の壁のX方向側の端及びZ’方向側の壁のX方向側の端によって区画されるX方向側の開口を閉塞するように設けられた壁であって、X方向及びY’方向の成分を含む方向に向いている。X’方向側の壁は、Y方向側の壁のX’方向側の端、Y’方向側の壁のX’方向側の端、Z方向側の壁のX’方向側の端及びZ’方向側の壁のX’方向側の端によって区画されるX方向側の開口を閉塞するように設けられた壁であって、X’方向及びY’方向を含む方向に向いている。
【0026】
又は、筐体本体110は、略直方体又は略立方体であって、上記配置状態で、顎F1に対してY’方向側に配置されるようになっていてもよい。この場合、筐体本体110は、Y方向側の壁、Y’方向側の壁、Z方向側の壁、Z’方向側の壁、X方向側の壁、及びX’方向側の壁を有している。各壁は矩形状である。
【0027】
筐体本体110のX方向側の壁及びX’方向側の壁は省略可能である。この場合、Y方向側の壁のX方向側の端と、Y’方向側の壁のX方向側の端とが連結又は突き合わされ且つY方向側の壁のX’方向側の端とY’方向側の壁のX’方向側の端とが連結又は突き合わされているとよい。
【0028】
上記配置状態で、筐体本体110のY方向側の壁は、マスク本体M1に対してY’方向側でマスク本体M1に当接し、且つ、筐体本体110のY’方向側の壁は、上記配置状態で、顔Fの顎F1に対してY方向側で顎F1に当接する。
【0029】
筐体本体110のZ’方向側の壁は第1壁111をなしており、筐体本体110の上記した壁のうち第1壁111以外の任意の壁が第2壁112をなしている。X方向側の壁及びX’方向側の壁が設けられている場合、第2壁112は、筐体本体110のZ方向側の壁(図1A図4参照)、筐体本体110のY方向側の壁、筐体本体110のY’方向側の壁、筐体本体110のX方向側の壁、又は、筐体本体110のX’方向側の壁とすることが可能である。X方向側の壁及びX’方向側の壁が設けられていない場合、第2壁112は、筐体本体110のZ方向側の壁、筐体本体110のY方向側の壁、又は、筐体本体110のY’方向側の壁とすることが可能である。なお、第2壁112は、筐体本体110のZ方向側の壁である場合、第2壁112は、Z-Z’方向において第1壁111に対向する。
【0030】
筐体100は、舌部120を更に有している。舌部120は、筐体本体110から延びており且つZ-Z’方向において筐体本体110の第1壁111に対して間隔をあけて少なくとも部分的に対向している。なお、Z-Z’方向は、舌部120が第1壁111に対向する方向である。
【0031】
舌部120が第1壁111に対して間隔をあけて部分的に対向している場合、舌部120は、第1部と、第2部とを有している。舌部120は、以下の(1)~(8)の何れかの構成を更に有することが可能である。
【0032】
(1)舌部120は、筐体本体110の第1壁111のY方向側の端部及び/又はY方向側の壁からY’方向及びZ’方向の成分を有する傾斜方向に延びており且つ同方向に下り傾斜している(図1A図4参照)。舌部120の第1部は、舌部120のうちのY方向側の部分で構成されており且つZ-Z’方向において第1壁111に対して間隔をあけて対向している。舌部120の第1部と筐体本体110の第1壁111とのZ-Z’方向の距離は、傾斜方向にいくにしたがって漸次拡大している。舌部120の第2部は、舌部120のうちのY’方向側の部分で構成されており且つ第1壁111に対して対向していない。
【0033】
(2)舌部120は、Z-Z’方向における断面視略L字状であって、筐体本体110の第1壁111のY方向側の端部及び/又はY方向側の壁からY’方向及びZ’方向の成分を有する傾斜方向に延びた後、Y’方向に延びている(図示なし)。(2-1)舌部120の第1部は、舌部120のうちの前記傾斜方向に延びる傾斜部で構成されており且つZ-Z’方向において第1壁111に対して間隔をあけて対向している。舌部120の第1部と筐体本体110の第1壁111とのZ-Z’方向の距離は、前記傾斜方向にいくにしたがって漸次拡大している。舌部120の第2部は、舌部120のうちのY’方向に延びる部分で構成されており、舌部120の第1部に対してY’方向側に位置しており且つ第1壁111に対して対向していない。又は、(2-2)舌部120の第1部は、舌部120の前記傾斜部と前記Y’方向に延びる部分のうちのY方向側の部分とで構成されており且つZ-Z’方向において第1壁111に対して間隔をあけて対向している。舌部120の第1部と筐体本体110の第1壁111とのZ-Z’方向の距離は、前記傾斜方向にいくにしたがって漸次拡大した後、Y-Y’方向において略一定となる。舌部120の第2部は、舌部120の前記Y’方向に延びる部分のうちのY’方向側の部分で構成されており、舌部120の第1部に対してY’方向側に位置しており且つ第1壁111に対して対向していない。又は、(2-3)舌部120の第1部は、舌部120の前記傾斜部のうちのY方向側の部分で構成されており且つZ-Z’方向において第1壁111に対して間隔をあけて対向している。舌部120の第1部と筐体本体110の第1壁111とのZ-Z’方向の距離は、前記傾斜方向にいくにしたがって漸次拡大している。舌部120の第2部は、舌部120の前記傾斜部のうちのY’方向側の部分と前記Y’方向に延びる部分とで構成されており、舌部120の第1部に対してY’方向側に位置しており且つ第1壁111に対して対向していない。
【0034】
(3)舌部120は、Z-Z’方向における断面視略L字状であって、筐体本体110の第1壁111のY方向側の端部及び/又はY方向側の壁からZ’方向に延びた後、Y’方向に延びている(図示なし)。舌部120の第1部は、舌部120のうちのZ’方向に延びる部分とY’方向に延びる部分のうちのY方向側の部分とで構成されている。Y’方向に延びる部分のうちのY方向側の部分はZ-Z’方向において第1壁111に対して間隔をあけて対向している。Y’方向に延びる部分のうちのY方向側の部分と筐体本体110の第1壁111とのZ-Z’方向の距離は、Y-Y’方向において略一定である。舌部120の第2部は、Y’方向に延びる部分のうちのY’方向側の部分で構成されており、舌部120の第1部に対してY’方向側に位置しており且つ第1壁111に対して対向していない。
【0035】
(4)舌部120は、Z-Z’方向における断面視略L字状であって、筐体本体110の第1壁111のY方向側の端部及び/又はY方向側の壁からZ’方向に延びた後、Y’方向及びZ’方向の成分を有する傾斜方向に延びている(図示なし)。舌部120の第1部は、舌部120のうちのZ’方向に延びる部分と前記傾斜方向に延びる部分のうちのY方向側の部分とで構成されている。前記傾斜方向に延びる部分のうちのY方向側の部分はZ-Z’方向において第1壁111に対して間隔をあけて対向している。前記傾斜方向に延びる部分のうちのY方向側の部分と筐体本体110の第1壁111とのZ-Z’方向の距離は、前記傾斜方向にいくにしたがって漸次拡大している。舌部120の第2部は、前記傾斜方向に延びる部分のうちのY’方向側の部分で構成されており、舌部120の第1部に対してY’方向側に位置しており且つ第1壁111に対して対向していない。
【0036】
(5)舌部120は、筐体本体110の第1壁111のY’方向側の端部及び/又はY’方向側の壁からY方向及びZ’方向の成分を有する傾斜方向に延びており且つ同方向に下り傾斜している(図5を借りて参照)。舌部120の第1部は、舌部120のうちのY方向側の部分ではなく、舌部120のうちのY’方向側の部分で構成されている以外、上記(1)の通りである。舌部120の第2部は、舌部120のうちのY’方向側の部分ではなく、舌部120のうちのY方向側の部分で構成されており且つ第1壁111に対して対向していない。
【0037】
(6)舌部120は、Z-Z’方向における断面視略L字状であって、筐体本体110の第1壁111のY’方向側の端部及び/又はY’方向側の壁からY方向及びZ’方向の成分を有する傾斜方向に延びた後、Y’方向に延びている(図示なし)。(6-1)舌部120の第1部は、舌部120のうちの前記傾斜方向に延びる傾斜部で構成されており且つZ-Z’方向において第1壁111に対して間隔をあけて対向している。舌部120の第1部と筐体本体110の第1壁111とのZ-Z’方向の距離は、前記傾斜方向にいくにしたがって漸次拡大している。舌部120の第2部は、舌部120のうちのY方向に延びる部分で構成されており、舌部120の第1部に対してY方向側に位置しており且つ第1壁111に対して対向していない。又は、(6-2)舌部120の第1部は、舌部120の前記傾斜部と前記Y方向に延びる部分のうちのY’方向側の部分とで構成されており且つZ-Z’方向において第1壁111に対して間隔をあけて対向している。舌部120の第1部と筐体本体110の第1壁111とのZ-Z’方向の距離は、前記傾斜方向にいくにしたがって漸次拡大した後、Y-Y’方向において略一定となる。舌部120の第2部は、舌部120の前記Y方向に延びる部分のうちのY方向側の部分で構成されており、舌部120の第1部に対してY方向側に位置しており且つ第1壁111に対して対向していない。又は、(6-3)舌部120の第1部は、舌部120の前記傾斜部のうちのY’方向側の部分で構成されており且つZ-Z’方向において第1壁111に対して間隔をあけて対向している。舌部120の第1部と筐体本体110の第1壁111とのZ-Z’方向の距離は、前記傾斜方向にいくにしたがって漸次拡大している。舌部120の第2部は、舌部120の前記傾斜部のうちのY方向側の部分と前記Y方向に延びる部分とで構成されており、舌部120の第1部に対してY方向側に位置しており且つ第1壁111に対して対向していない。
【0038】
(7)舌部120は、Z-Z’方向における断面視略L字状であって、筐体本体110の第1壁111のY’方向側の端部及び/又はY’方向側の壁からZ’方向に延びた後、Y方向に延びている(図示なし)。舌部120の第1部は、舌部120のうちのZ’方向に延びる部分とY方向に延びる部分のうちのY’方向側の部分とで構成されている。Y方向に延びる部分のうちのY’方向側の部分はZ-Z’方向において第1壁111に対して間隔をあけて対向している。Y方向に延びる部分のうちのY’方向側の部分と筐体本体110の第1壁111とのZ-Z’方向の距離は、Y-Y’方向において略一定である。舌部120の第2部は、Y方向に延びる部分のうちのY方向側の部分で構成されており、舌部120の第1部に対してY方向側に位置しており且つ第1壁111に対して対向していない。
【0039】
(8)舌部120は、Z-Z’方向における断面視略L字状であって、筐体本体110の第1壁111のY’方向側の端部及び/又はY’方向側の壁からZ’方向に延びた後、Y方向及びZ’方向の成分を有する傾斜方向に延びている(図示なし)。舌部120の第1部は、舌部120のうちのZ’方向に延びる部分と前記傾斜方向に延びる部分のうちのY’方向側の部分とで構成されている。前記傾斜方向に延びる部分のうちのY’方向側の部分はZ-Z’方向において第1壁111に対して間隔をあけて対向している。前記傾斜方向に延びる部分のうちのY’方向側の部分と筐体本体110の第1壁111とのZ-Z’方向の距離は、前記傾斜方向にいくにしたがって漸次拡大している。舌部120の第2部は、前記傾斜方向に延びる部分のうちのY方向側の部分で構成されており、舌部120の第1部に対してY’方向側に位置しており且つ第1壁111に対して対向していない。
【0040】
舌部120が上記(1)~(8)の何れかの構成を有する場合であっても、舌部120は、Z-Z’方向において第1壁111に対して全体的に対向する構成とすることが可能である。以下、説明の便宜上、舌部120が第1壁111に対して全体的又は部分的に対向するにかかわらず、舌部120が上記(1)~(4)の何れかの構成を有する場合、「舌部120が第1態様である」と称し、舌部120が第1壁111に対して全体的又は部分的に対向するにかかわらず、舌部120が上記(5)~(6)の何れかの構成を有する場合、「舌部120が第2態様である」と称する。なお、図5に示す舌部120は、筐体本体110の第1壁111に対して全体的に対向している以外、上記(5)の構成と同じ構成である。
【0041】
舌部120の第1部は根元部121を有している。舌部120が第1態様である場合、根元部121は、舌部120の第1部のY方向側の根元の部分である。舌部120が第2態様である場合、根元部121は、舌部120の第1部のY’方向側の根元の部分である。根元部121は、X-X’方向の両端部(X方向側の第1端部及びX’方向側の第2端部)を有する。
【0042】
筐体100は、第1連結部130a及び第2連結部130bを更に有する構成とすることが可能である。第1連結部130aは舌部120の根元部121の第1端部と筐体本体110の第1壁111とを連結している。第2連結部130bは、舌部120の根元部121の第2端部と筐体本体110の第1壁111とを連結している。第1連結部130aと第2連結部130bとはX-X’方向において互いに対向している。
【0043】
舌部120が第1態様である場合、第1連結部130aと第2連結部130bとの間のX-X’方向の距離は、Y’方向にいくにしたがって漸次拡大していてもよい(図1A図4参照)。この場合、第1連結部130a、第2連結部130b、舌部120の根元部121及び第1壁111によって、Y’方向に開放された窪み部Cが区画されている。
【0044】
舌部120が第1態様である場合、第1連結部130aと第2連結部130bとの間のX-X’方向の距離は、Y-Y’方向において略一定であってもよい(図示なし)。この場合、第1連結部130a、第2連結部130b、舌部120の根元部121及び第1壁111によって、Y’方向に開放された窪み部Cが区画されている。
【0045】
舌部120が第2態様である場合、第1連結部130aと第2連結部130bとの間のX-X’方向の距離は、Y方向にいくにしたがって漸次拡大していてもよい。この場合、第1連結部130a、第2連結部130b、舌部120の根元部121及び第1壁111によって、Y方向に開放された窪み部Cが区画されている。
【0046】
舌部120が第2態様である場合、第1連結部130aと第2連結部130bとの間のX-X’方向の距離は、Y-Y’方向において略一定であってもよい(図示なし)。この場合、第1連結部130a、第2連結部130b、舌部120の根元部121及び第1壁111によって、Y方向に開放された窪み部Cが区画されている。
【0047】
なお、第1連結部130a及び第2連結部130bは省略可能である。第1連結部130a及び第2連結部130bが設けられておらず且つ舌部120が第1態様である場合、第1壁111と舌部120とに間の空間は、Y’方向、X方向及びX’方向に開放されている。第1連結部130a及び第2連結部130bが設けられておらず且つ舌部120が第2態様である場合、第1壁111と舌部120とに間の空間は、Y方向、X方向及びX’方向に開放されている。
【0048】
筐体100は、少なくとも一つの排気口101を更に有している。第1連結部130a及び第2連結部130bが設けられている場合、一又は複数の排気口101は、筐体本体110の第1壁111、舌部120、第1連結部130a及び第2連結部130bの少なくとも一つに設けられている。例えば、一又は複数の排気口101は、第1壁111、舌部120、第1連結部130a又は第2連結部130bに設けられた貫通孔であってもよい。一又は複数の排気口101が第1壁111、舌部120、第1連結部130a及び第2連結部130bのうちの二つに設けられている場合、例えば、一又は複数の排気口101は、第1壁111をZ-Z’方向に貫通した第1孔と、舌部120の根元部121をY-Y’方向に貫通しており且つ第1孔に連続する第2孔とを有する構成(図1A図4参照)、前記第1孔と、第1連結部130aをX-X’方向に貫通しており且つ第1孔に連続する第3孔とを有する構成、又は、前記第1孔と、第2連結部130bをX-X’方向に貫通しており且つ第1孔に連続する第4孔とを有する構成とすることが可能である。一又は複数の排気口101が第1壁111、舌部120、第1連結部130a及び第2連結部130bのうちの三つに設けられている場合、例えば、一又は複数の排気口101は、前記第1孔と、前記第2孔と、前記第3孔とを有する構成、前記第1孔と、前記第2孔と、前記第4孔とを有する構成、又は、前記第2孔と、前記第3孔と、前記第4孔とを有する構成とすることが可能である。一又は複数の排気口101が第1壁111、舌部120、第1連結部130a及び第2連結部130bに設けられている場合、例えば、一又は複数の排気口101は、前記第1孔と、前記第2孔と、前記第3孔と、前記第4孔とを有する構成とすることが可能である。何れの場合であっても、一又は複数の排気口101は、窪み部Cに連通している。
【0049】
第1連結部130a及び第2連結部130bが設けられていない場合(図示なし)、少なくとも一つの排気口101は、筐体本体110の第1壁111及び舌部120の少なくとも一方に設けられている。例えば、一又は複数の排気口101は、第1壁111又は舌部120に設けられた貫通孔であってもよい。一又は複数の排気口101が第1壁111及び舌部120に設けられている場合、例えば、一又は複数の排気口101は、前記第1孔と、前記第2孔とを有する構成とすることが可能である。何れの場合であっても、一又は複数の排気口101は、第1壁111と舌部120とに間の空間に連通している。
【0050】
筐体100は、少なくとも一つの吸気口102を更に有している。一又は複数の吸気口102は、筐体本体110の第2壁112に設けられている。
【0051】
第2壁112は、取付孔112aと、取付孔112aに対して着脱可能なアタッチメント112bとを有する構成とすることが可能である。アタッチメント112bの外形及び外形寸法は、取付孔112aの形及び寸法に対応している。第2壁112がZ方向側の壁である場合、取付孔112aは、Z方向及びY’方向に開放されており、取付孔112aのX方向側、X’方向側の縁部には、Y-Y’方向に延びる第1、第2ガイドレールが設けられており、且つ、アタッチメント112bのX方向側、X’方向側の端部には、Y-Y’方向に延びる第1、第2ガイド溝が設けられた構成とすることが可能である。第1、第2ガイドレールがY-Y’方向において第1、第2ガイド溝内に挿入されることによって、アタッチメント112bがY-Y’方向において取付孔112aに取り付けられるようになっている。第2壁112がY方向側の壁又はY’方向側の壁である場合、取付孔112aは、Y方向及びZ方向、又は、Y’方向及びZ方向に開放されており、第1、第2ガイドレール及び第1、第2ガイド溝は、Y-Y’方向ではなく、Z-Z’方向に延びている。これ以外は、第1、第2ガイドレール及び第1、第2ガイド溝は前述の通りであり、アタッチメント112bがZ-Z’方向において取付孔112aに取り付けられるようになっている。第1、第2ガイドレールは、取付孔112aのX方向側、X’方向側の縁部ではなく、アタッチメント112bのX方向側、X’方向側の端部に設けることが可能であり、第1、第2ガイド溝は、アタッチメント112bのX方向側、X’方向側の端部ではなく、取付孔112aのX方向側、X’方向側の縁部に設けることが可能である。
【0052】
なお、第1、第2ガイドレール及び第1、第2ガイド溝は省略可能である。この場合、アタッチメント112bが取付孔112aに嵌合(FIT IN)するようになっているとよい。
【0053】
アタッチメント112bは、収容凹部112b2と、収容凹部112b2に対して一方側の第1壁部と、収容凹部112b2に対して他方側の第2壁部とを有する構成とすることが可能である。この場合、第1壁部には、一又は複数の吸気口102が設けられており、且つ第2壁部には、一又は複数の連通孔112b3が設けられている。一又は複数の吸気口102は第1壁部を貫通し且つ収容凹部112b2に連通している。一又は複数の連通孔112b3は、第2壁部を貫通し且つ収容凹部112b2に連通している。
【0054】
又は、アタッチメント112bは、一枚の板体で構成とすることが可能である。この場合、一又は複数の吸気口102は、アタッチメント112bに設けられた貫通孔とすることが可能である。
【0055】
なお、取付孔112a及びアタッチメント112bは省略可能である。この場合、第2壁112は筐体本体110の上記した何れかの単なる壁であり且つ一又は複数の吸気口102は、第2壁112に設けられた貫通孔とすることが可能である。なお、第1壁111にも、取付孔112a及びアタッチメント112bを設けることが可能である。この場合、アタッチメント112bに、少なくとも一つの排気口101を設けることが可能である。
【0056】
筐体100は、通気路103を更に有している。通気路103は、筐体100内部において少なくとも一つの排気口101と少なくとも一つの吸気口102との間に設けられている。少なくとも一つの排気口101が筐体本体110の第1壁111にのみ又は第1壁111及び舌部120の根元部121に設けられている場合、通気路103は、筐体本体110内部において少なくとも一つの排気口101と少なくとも一つの吸気口102との間に設けられた構成とすることが可能である。少なくとも一つの排気口101が、第1壁111、舌部120、第1連結部130a及び第2連結部130bのうち又は第1壁111及び舌部120のうち、少なくとも舌部120に設けられている場合、通気路103は、筐体本体110及び舌部120内部において少なくとも一つの排気口101と少なくとも一つの吸気口102との間に設けられた構成とすることが可能である。少なくとも一つの排気口101が、第1壁111、舌部120、第1連結部130a及び第2連結部130bのうち、少なくとも第1連結部130aに設けられている場合、通気路103は、筐体本体110及び第1連結部130a内部において少なくとも一つの排気口101と少なくとも一つの吸気口102との間に設けられた構成とすることが可能である。少なくとも一つの排気口101が、第1壁111、舌部120、第1連結部130a及び第2連結部130bのうち、少なくとも第2連結部130bに設けられている場合、通気路103は、筐体本体110及び第2連結部130b内部において少なくとも一つの排気口101と少なくとも一つの吸気口102との間に設けられた構成とすることが可能である。
【0057】
第2壁112に収容凹部112b2及び一又は複数の連通孔112b3が設けられている場合、通気路103は、少なくとも一つの排気口101と一又は複数の連通孔112b3に連通している。この場合、通気路103は、一又は複数の連通孔112b3及び収容凹部112b2を介して、少なくとも一つの吸気口102に通じている。第2壁112に収容凹部112b2及び一又は複数の連通孔112b3が設けられていない場合、通気路103は、少なくとも一つの排気口101と少なくとも一つの吸気口102に連通している。
【0058】
筐体本体110内部には、通気路103に加えて、第1収容部104が更に設けられていてもよい。第1収容部104は、筐体本体110内部の通気路103以外の部分である限り任意に設けることが可能である。筐体本体110内部には、通気路103及び第1収容部104に加えて、第2収容部105が更に設けられていてもよい。第2収容部105は、筐体本体110内部の通気路103及び第1収容部104以外の部分である限り任意に設けることが可能である。図2A図3Bでは、筐体本体110内部には、通気路103、第1収容部104及び第2収容部105が設けられており、通気路103が筐体本体110内部の中央部に、第1収容部104が筐体本体110内部の中央部に対してX方向側の部分に、第2収容部105が筐体本体110内部の中央部に対してX’方向側の部分に設けられているが、これに限定されるものではない。
【0059】
換気装置Dは、ファン200を更に備えている。ファン200は、筐体本体110内部における通気路103内に配置されている。なお、図2A図2C及び図3A図3Bでは、ファン200の内部構造は簡略化されている。
【0060】
ファン200は、回転羽210と、図示しないモータと、フレーム220とを有している。回転羽210は、Y-Y’方向に延びた回転軸(図示せず)を有している。回転羽210は、フレーム220内に収容され、回転羽210の回転軸がフレーム220に回転自在に保持されている。モータもフレーム220内に保持されている。回転羽210の回転軸は、モータの回転軸に直接的又はギヤなどを介して間接的に接続され、回転可能になっている。
【0061】
フレーム220が筐体本体110に固定されている。フレーム220は、一又は複数の第1開口221と、一又は複数の第2開口222とを有している。収容凹部112b2及び一又は複数の連通孔112b3が設けられている場合、一又は複数の第1開口221は、フレーム220のY’方向側の壁又はY方向側の壁に設けられており且つ通気路103の一部、一又は複数の連通孔112b3及び収容凹部112b2を介して少なくとも一つの吸気口102に通じている。すなわち、少なくとも一つの吸気口102からの気体が、収容凹部112b2、一又は複数の連通孔112b3、通気路103の前記一部及び一又は複数の第1開口221を介して、フレーム220内に流通可能となっている。収容凹部112b2及び一又は複数の連通孔112b3が設けられていない場合、一又は複数の第1開口221は、フレーム220のY’方向側の壁又はY方向側の壁に設けられており且つ通気路103の一部を介して少なくとも一つの吸気口102に通じている。すなわち、少なくとも一つの吸気口102からの気体が、通気路103の前記一部及び一又は複数の第1開口221を介して、フレーム220内に流通可能となっている。一又は複数の第2開口222は、フレーム220のZ’方向側の壁に設けられており且つ少なくとも一つの排気口101に連通している又は通気路103の別の部分を介して少なくとも一つの排気口101に通じている。すなわち、フレーム220内からの気体が、少なくとも一つの排気口101又は通気路103の別の部分を介して少なくとも一つの排気口101に流通可能となっている。
【0062】
窪み部Cが設けられている場合、ファン200のモータが駆動し、回転羽210が回転することによって、気体が少なくとも一つの吸気口102から吸い込まれ、通気路103、フレーム220内及び少なくとも一つの排気口101を通って、窪み部Cから排出可能な構成となっている。窪み部Cが設けられていない場合、ファン200のモータが駆動し、回転羽210が回転することによって、気体が少なくとも一つの吸気口102から吸い込まれ、通気路103、フレーム220内及び少なくとも一つの排気口101を通って、筐体本体110の第1壁111と舌部120との間から排出可能な構成となっている。
【0063】
なお、フレーム220は省略可能である。この場合、回転羽210の回転軸が筐体本体110に回転自在に保持されている。モータも筐体本体110に保持されている。
【0064】
換気装置Dは、少なくとも一つのフィルタ300を更に備えた構成とすることが可能である。少なくとも一つのフィルタ300は、天然繊維、化学繊維などの織物及び/又は不織布等で構成されており且つ所定の大きさの粒子又は微粒子を捕集できる構成となっている。例えば、少なくとも一つのフィルタ300は、花粉粒子等の大きさである30μm以上の粒子を約90%以上捕集できる構成、飛沫等の粒子の大きさである3.0以上の粒子を約90%以上捕集できる構成、PM2.5等の粒子の大きさである2.5μm以上の粒子を約90%以上捕集できる構成、細菌等の粒子の大きさ1.0μm以上の粒子を約90%以上捕集できる構成、又は、ウィルスやポリスチレン粒子等の大きさである0.1μm以上の微粒子を約90%以上捕集できる構成とすることが可能である。少なくとも一つのフィルタ300は、防水性及び/又は抗菌性を有していても良いが、これに限定されるものではない。
【0065】
少なくとも一つのフィルタ300は、少なくとも一つの排気口101及び少なくとも一つの吸気口102の少なくとも一方を閉塞する。少なくとも一つのフィルタ300が一つとすることが可能である。例えば、(A)一つのフィルタ300が少なくとも一つの吸気口102を閉塞し且つアタッチメント112bの収容凹部112b2が設けられている場合(図1A図4参照)、一つのフィルタ300が収容凹部112b2内に収容されて少なくとも一つの吸気口102を閉塞する。アタッチメント112bが取付孔112aに取り付けられることによって、一つのフィルタ300もアタッチメント112bと共に取付孔112aに取り付けられている。(B)一つのフィルタ300が少なくとも一つの吸気口102を閉塞し且つアタッチメント112bの収容凹部112b2が設けられていない場合、一つのフィルタ300が筐体本体110の第2壁112又はアタッチメント112bの少なくとも一つの吸気口102の周縁部に固定される又はこの周縁部と周縁部に固定されたフレームとの間で保持されており、且つ少なくとも一つの吸気口102を閉塞する。(C)一つのフィルタ300が少なくとも一つの排気口101を閉塞する場合、少なくとも一つの排気口101の周縁部に固定される又はこの周縁部と周縁部に固定されたフレームとの間で保持されており、且つ少なくとも一つの排気口101を閉塞する。
【0066】
少なくとも一つのフィルタ300が複数とすることが可能である。この場合、複数のフィルタ300のうちの一つが、上記(A)又は(B)の構成となっており、別の一つが(C)の構成となっている。なお、少なくとも一つのフィルタ300は省略可能である。
【0067】
換気装置Dは、バッテリー400を更に備えた構成とすることが可能である。バッテリー400がファン200に電気的に接続されている。バッテリー400からファン200のモータに電力が供給されている。バッテリー400は筐体本体110の第1収容部104内に収容されている。バッテリー400は、一次電池で構成されていても良いし、繰り返し充電可能な二次電池で構成されていても良い。後者の場合、換気装置Dは、充電用のコネクタ700を更に備えている。バッテリー400は、充電用のコネクタ700に電気的に接続されており且つコネクタ700を介して充電可能となっている。コネクタ700は、後述する基板600に実装されており且つ筐体本体110の収容孔から外部に露出している。この筐体本体110の収容孔には、キャップ800が嵌合(FIT IN)しており且つ当該収容孔を開閉可能に閉塞している。すなわち、コネクタ700に図示しない相手方コネクタが接続されるときには、キャップ800が収容孔から取り外され、コネクタ700を露出させる。コネクタ700と相手方コネクタとの接続が解除された後、キャップ800で収容孔を閉塞する。キャップ800が設けられておらず且つコネクタ700が収容孔から常に露出する構成としてもよい。バッテリー400が一次電池である場合、コネクタ700及びキャップ800は省略される。
【0068】
換気装置Dは、操作部500、基板600及び制御部900を更に備えた構成とすることが可能である。基板600は筐体本体110の第2収容部105内に収容されている。基板600上には、制御部900が実装されている(図2C参照)。操作部500は、操作部本体510を有している。操作部本体510は、押下スイッチ、スライドスイッチ、静電容量型のタッチスイッチ、抵抗膜方式のタッチスイッチ又は光学式のタッチスイッチ等であって、基板600に実装又は電気的に接続されている(図3A参照)。操作部本体510が押下スイッチである場合、操作部500は、キートップ520(図3B参照)を更に有している。キートップ520は、筐体本体110のY方向側の壁(図3B参照)、Z方向側の壁又はZ’方向側の壁から操作可能に露出又は突出している。操作部500は、スイッチカバー530(図3A及び図3B参照)を更に有していてもよい。スイッチカバー530は、キートップ520の露出部又は突出部を覆っている。キートップ520が押下(操作)されることによって、操作部本体510が押下され、操作部本体510が電気信号を出力する又は操作部本体510の操作部本体510の電気信号(例えば、電圧)を変化させる。操作部本体510がスライドスイッチである場合(図示なし)、スライド部が筐体本体110のY方向側の壁、Z方向側の壁又はZ’方向側の壁から操作可能に露出又は突出している。スライド部が操作されることによって、操作部本体510が電気信号を出力する又は操作部本体510の操作部本体510の電気信号(例えば、電圧)を変化させる。操作部本体510が静電容量型のタッチスイッチ、抵抗膜方式のタッチスイッチ又は光学式のタッチスイッチである場合(図示なし)、筐体本体110のY方向側の壁、Z方向側の壁又はZ’方向側の壁の検出領域に対するタッチに応じて、操作部本体510が電気信号を出力する又は操作部本体510の電気信号(例えば、電圧)を変化させる。
【0069】
制御部900は、ICなどの論理回路であって、操作部本体510の電気信号の入力又は操作部本体510の電気信号(例えば、電圧)の変化に応じて、バッテリー400からファン200に供給される電力をオン/オフする構成及び/又はバッテリー400からファン200に供給される電力の電圧を変化させてファン200の風量を変化させる構成となっている。
【0070】
バッテリー400、操作部500、基板600及び制御部900は省略可能である。筐体100の第1収容部104及び第2収容部105も省略可能である。この場合、ファン200に対しては換気装置Dの外部から電力を供給するようにすれば良い。換気装置Dの外部から電力の供給のオン/オフ及び/又はファン200の風量の変更は換気装置Dの外部の操作部を操作することによっても実現可能である。制御部についても、換気装置Dの外部の制御部を用いることが可能である。
【0071】
以下、上記した何れかの態様の換気装置Dを顔Fの顎F1とマスクMとの間に配置する方法について詳しく説明する。
【0072】
換気装置D及びマスクMを用意する。換気装置Dの筐体本体110のY’方向側の壁を顎F1に当接させる。その状態を維持しつつ、マスクMの一対の耳掛け部M2を一対の耳F4に引っ掛けてマスクMを顔Fに装着させる。これにより、マスク本体M1がマスク本体M1は、顔Fの顎F1、口F2及び鼻F3を覆い、換気装置Dの筐体本体110のY方向側の壁がマスク本体M1に当接し、換気装置Dがマスク本体M1と顎F1との間に配置される。これにより、舌部120がY’方向側(すなわち、顎F1側)又はY方向側(すなわち、顎F1側の反対側)に向くことになる。
【0073】
又は、マスクMのマスク本体M1内に換気装置Dを配置し、換気装置Dの筐体本体110のY方向側の壁をマスク本体M1に当接させる。その状態を維持しつつ、マスクMの一対の耳掛け部M2を一対の耳F4に引っ掛けてマスクMを顔Fに装着させる。これにより、マスク本体M1がマスク本体M1は、顔Fの顎F1、口F2及び鼻F3を覆い、換気装置DがY’方向側の壁を顎F1に当接すると共にマスク本体M1と顎F1との間に配置される。これにより、舌部120がY’方向側(すなわち、顎F1側)又はY方向側(すなわち、顎F1側の反対側)に向くことになる。
【0074】
以上のような換気装置Dによる場合、以下の技術的特徴及び効果を奏する。
【0075】
技術的特徴及び効果(1)
換気装置Dは以下の通り新たな排気を実現している。舌部120が第1態様であり且つ窪み部Cが設けられている場合、換気装置DがマスクMと顎F1との間に配置された状態(配置状態)で、舌部120がY’方向側(顎F1側)に延びているので、ファン200を駆動させることによって、少なくとも一つの吸気口102が給気された気体が、通気路103及び少なくとも一つの排気口101を通って、窪み部Cからマスク本体M1を介して顎F1下あたりへ排出される。舌部120が第1態様であり且つ窪み部Cが設けられていない場合、上記配置状態で、舌部120がY’方向側(顎F1側)に延びているので、ファン200を駆動させることによって、少なくとも一つの吸気口102が給気された気体が、通気路103及び少なくとも一つの排気口101を通って、筐体本体110の第1壁111と舌部120との間からマスク本体M1を介して顎F1下あたりへ排出される。舌部120が第2態様であり且つ窪み部Cが設けられている場合、舌部120がY方向側(マスクMのマスク本体M1側)に延びているので、換気装置DがマスクMと顎F1との間に配置された状態(配置状態)で、ファン200を駆動させることによって、少なくとも一つの吸気口102が給気された気体が、通気路103及び少なくとも一つの排気口101を通って、窪み部Cからマスク本体M1を介してY方向側へ排出される。舌部120が第2態様であり且つ窪み部Cが設けられていない場合、上記配置状態で、舌部120がY方向側(マスクMのマスク本体M1側)に延びているので、ファン200を駆動させることによって、少なくとも一つの吸気口102が給気された気体が、通気路103及び少なくとも一つの排気口101を通って、筐体本体110の第1壁111と舌部120との間からマスク本体M1を介してY方向側へ排出される。
【0076】
技術的特徴及び効果(2)
少なくとも一つの排気口101が上記第1孔及び/又は上記第2孔で構成されている場合、少なくとも一つの排気口101から排出された気体が舌部120に沿って分散されつつY方向又はY’方向に排出される。また、少なくとも一つの排気口101が上記第1孔及び/又は上記第2孔で構成されており且つ第1連結部130a及び第2連結部130bが設けられている場合、少なくとも一つの排気口101から排出された気体が舌部120に沿って分散されつつY方向又はY’方向に排出されるが、気体のX-X’方向への分散が第1連結部130a及び第2連結部130bによって抑制される。
【0077】
技術的特徴及び効果(3)
第2壁112が筐体本体110のZ方向側の壁である場合、換気装置Dは、マスクMと顎F1との間に配置された状態で、少なくとも一つの吸気口102が口F2及び鼻F3に対してZ’方向側に位置する。よって、口F2及び/又は鼻F3から排出された息が少なくとも一つの吸気口102から吸引され易くなる。
【0078】
技術的特徴及び効果(4)
筐体本体110がY方向側に凸の略V字状、円弧状又は略U字状であるので、上記配置状態で、筐体本体110が顎F1に沿って配置される。よって、換気装置Dがマスク本体M1と顎F1との間に配置された状態が安定する。しかも、マスク本体M1が初期状態又は使用状態でY方向側に凸である場合、配置状態でマスク本体M1の内側(Y’方向側)でマスク本体M1にも沿って配置されるので、換気装置Dがマスク本体M1と顎F1との間に配置された状態が更に安定する。
【0079】
技術的特徴及び効果(5)
防水性を有する少なくとも一つのフィルタ300が設けられている場合、少なくとも一つのフィルタ300が水洗い可能となる。
【0080】
なお、上記したマスク用の換気装置は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく説明する。
【0081】
上記した何れかの態様の換気装置Dは、マスク本体M1に対してY方向側(マスク外)に位置するアタッチメントと磁気吸着によって取り付けられる構成としても良い。この場合、換気装置Dの筐体本体110のY方向側の壁又はその内部とアタッチメントとの何れか一方に少なくとも一つの永久磁石を設ける一方、他方に少なくとも一つの磁性体を設けるとよい。
【0082】
なお、上記した何れかの態様の換気装置は、上記した何れかの態様の筐体の第2壁に、少なくとも一つの吸気口に代えて、少なくとも一つの排気口が設けられており、且つ、上記した何れかの態様の筐体の第1壁及び舌部の少なくとも一方、又は、上記した何れかの態様の筐体の第1壁、舌部及び第1、第2連結部の少なくとも一つに、少なくとも一つの排気口に代えて、少なくとも一つの態様の吸気口が設けられていてもよい。このような設計変形例の場合、筐体の第2壁の少なくとも一つの排気口は、上記した何れかの態様の吸気口と同様の構成とすることが可能であり、筐体の第1壁及び舌部の少なくとも一方、又は、筐体の第1壁、舌部及び第1、第2連結部の少なくとも一つに設けられた少なくとも一つの吸気口は、上記した何れかの態様の排気口と同様の構成とすることが可能である。ファン200は、気体を第1壁と舌部との間から少なくとも一つの吸気口を通じて吸い込み、通気路を通って、少なくとも一つの排気口から排気可能な構成である以外、上記した何れかの態様のファン200と同様の構成とするとよい。
【0083】
上記した何れかの態様の換気装置は、マスク本体M1と顎F1との間に配置されてるようになっていてもよいし、マスク本体M1と口F2及び/又は鼻F3下部分との間に配置されてるようになっていてもよい。後者の場合、筐体本体110は、例えば、Y方向側に凸の略V字状、円弧状又は略U字状であって、そのY’方向側の壁のX方向の端部及びX’方向の端部が、顔Fの頬に当接するようになっていてもよい。筐体本体110のY’方向側の壁のX方向の端部及びX’方向の端部に、Y’方向に凸の当接部が設けられており、この当接部が顔Fの頬に当接するようになっていてもよい。
【0084】
なお、Z-Z’方向は、舌部120が第1壁111に対向する方向である限り任意に設定可能である。X-X’方向は、Z-Z’方向に略直交している限り任意に設定可能である。Y-Y’方向は、Z-Z’方向及びX-X’方向に略直交している限り任意に設定可能である。
【符号の説明】
【0085】
D:換気装置
100:筐体
101:排気口 102:吸気口 103:通気路 104:第1収容部 105:第2収容部
110:筐体本体 111:第1壁 112:第2壁 120:舌部 121:根元部
200:ファン
210:回転羽 220:フレーム
300:フィルタ
400:バッテリー
500:操作部
510:操作部本体 520:キートップ 530:スイッチカバー
600:基板
700:コネクタ
800:キャップ
900:制御部
M:マスク
M1:マスク本体 M2:耳掛け部
F:顔
F1:顎 F2:口 F3:鼻 F4:耳
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5