(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165821
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】通常モードと協働モードを有するロボットシステムおよびロボット制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20221025BHJP
G05B 19/19 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
B25J19/06
G05B19/19 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071339
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(72)【発明者】
【氏名】二川 正康
【テーマコード(参考)】
3C269
3C707
【Fターム(参考)】
3C269AB33
3C269BB14
3C269CC09
3C269EF02
3C269JJ09
3C269JJ10
3C269JJ19
3C269JJ20
3C269MN04
3C269MN09
3C269MN15
3C269MN16
3C269PP03
3C269PP15
3C707AS06
3C707BS12
3C707KS11
3C707LV01
3C707MS06
3C707MS07
3C707MS10
3C707MS27
(57)【要約】
【課題】
本質安全を備えない従来のロボットを用いて機能安全により協働ロボットを実現すると共に、安全性を担保しつつも稼働効率の低下を防止することが可能なロボットシステムおよびロボット制御プログラムを提供する。
【解決手段】
ロボット110と、ロボットの動作を制御する動作制御部122と、ロボットの動作を制限するロボット監視ユニット124と、人間や物体を検知する検知部128とを備え、動作制御部は、制限なく動作する通常モードと、人間と協働して動作するための協働モードとを切替可能であって、ロボット監視ユニットは、動作制御部が通常モードで動作していて、人間が危険エリアに侵入したことを検知部が検知したとき、動作制御部が実行しようとする動作が協働モードの範囲外であった場合にはロボットの動作を制限し、協働モードの範囲内であった場合にはロボットの動作を制限しない。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットと、
前記ロボットの動作を制御する動作制御部と、
前記ロボットの動作を制限するロボット監視ユニットと、
人間や物体を検知する検知部とを備え、
前記動作制御部は、制限なく動作する通常モードと、人間と協働して動作するための協働モードとを切替可能であって、
前記ロボット監視ユニットは、
前記動作制御部によって通常モードから協働モードに切り替えられたとき、
前記動作制御部が実行しようとする動作が協働モードの動作許容範囲内である場合には前記ロボットの動作を制限しないことを特徴とするロボットシステム。
【請求項2】
前記ロボット監視ユニットは、
前記動作制御部によって通常モードから協働モードに切り替えられたとき、
前記動作制御部が実行しようとする動作が協働モードの動作許容範囲外での動作であった場合、
前記動作許容範囲外から前記動作許容範囲内へ向かう方向への移動は許容し、
前記動作許容範囲外から前記動作許容範囲内へ向かう方向とは逆の方向への移動は制限することを特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記ロボット監視ユニットは、前記動作制御部が実行しようとする動作が協働モードの動作許容範囲外であった場合であっても、
前記動作が関節角度を小さくする方向の動作であった場合には前記ロボットの動作を制限し、
前記動作が関節角度を大きくする方向の動作であった場合には前記ロボットの動作を制限しないことを特徴とする請求項1又は2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記ロボット監視ユニットは、前記動作制御部が実行しようとする動作が協働モードの範囲外であった場合であっても、
前記動作が前記ロボットの周辺設備に所定距離以上接近する方向であった場合には前記ロボットの動作を制限し、
前記動作が前記ロボットの周辺設備から離隔する方向であった場合には前記ロボットの動作を制限しないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項5】
ロボットの動作を制御するロボット制御プログラムであって、
制限なく動作する通常モードと、人間と協働して動作するための協働モードとを切替可能であって、
前記ロボットを通常モードで動作させていて、
人間が危険エリアに侵入したことを検知したとき、
実行させようとする動作が協働モードの範囲外であった場合には前記ロボットの動作を制限し、協働モードの範囲内であった場合には前記ロボットの動作を制限しないことを特徴とするロボット制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本質安全を備えない従来のロボットを用いて機能安全により協働ロボットを実現するロボットシステムおよびロボット制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間と作業領域を共有する産業用ロボット、いわゆる協働ロボットでは安全対策が求められる。この安全対策は、本質安全と機能安全に分けることができる。本質安全とは、制御によらず構造や仕組みとして確保する安全性である。例えば、アーム間の隙間を大きく取ることによって、アームが畳まれたときに作業者の指が挟まれにくい構造を採用することが該当する。機能安全とは、制御によって確保する安全性である。例えば、アームと作業者とが衝突するとロボットが停止することで衝突を防止することが該当する。
【0003】
本質安全は望ましい対策ではあるが、アーム間の隙間を大きく取るなど、ロボットの形状・構造に制約が生じるため、設計自由度が失われるという問題がある。また従来からある産業用ロボットと本質安全を対策した協働ロボットとでは基本構造から異なる必要があり、部品の流用が困難となるため、製造コストが上昇するという問題がある。
【0004】
そこで、従来からある本質安全を備えない産業用ロボット(以下、「従来ロボット」という。)を用いて、通常は制限のない通常モードで動作させておき、人間が近づいたら機能安全によって対策することが考えられる。次に挙げる文献には、厳密には機能安全ではないが、人間や物体が接近・接触したらロボットの動作を変更することが提案されている。
【0005】
特許文献1(特許第6055014号公報)には、ロボットが物体と接触した場合、ロボットの退避の基準方向に対する所定の角度の範囲についてはロボットの動作を許可し、その範囲から外れる場合はロボットの動作を禁止するロボット制御装置が提案されている。特許文献1によれば、ロボットが人間や物に接触した時に、安全に接触を解消できると説明されている。
【0006】
特許文献2(特開2010-208002号公報)には、マニピュレータの可動領域より広い警戒領域に物体の侵入が検知されたらマニピュレータの動作を減速させ、マニピュレータの可動領域に物体の侵入が検知されたらマニピュレータの動作を停止するロボットの制御装置が提案されている。特許文献2によれば、警戒領域では減速させるだけで停止させないので、マニピュレータと人間との干渉、接触が防止され、安全性が高まり、装置のダウンタイムが減少され、稼働効率が低下しないと説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6055014号公報
【特許文献2】特開2010-208002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術においては、物体との接触は迅速に解消されるものの、作業は停止してしまう。また特許文献2の技術は、警戒領域(マニピュレータに近い範囲)では減速し、マニピュレータの稼働領域では停止させるものであり、やはり人間が近接するとロボットが停止してしまうため、人間と協働して作業することはできない。すなわち、特許文献1および特許文献2に記載のロボットは、あくまでも協働ロボットとして動作することは想定されておらず、人間や物体が近接すると退避または停止するものである。
【0009】
従来ロボットを用いて機能安全によって協働ロボットを実現しようとする場合において、常に協働モードで動作させるとロボットの動作範囲を大きく狭めてしまったり、動作速度を大幅に低下させたりする必要があるため、できるだけ制限のない通常モードで動作させたいという要請がある。一方で、やはり通常モードで動作させているときに人間や物体が接近することが想定される。そのような場合に従来のように単にロボットを停止させるという安全対策を行うと、協働モードに切り替えるまで作業が中断になるため、稼働効率が低下してしまうという問題がある。
【0010】
そこで本発明は、本質安全を備えない従来のロボットを用いて機能安全により協働ロボットを実現すると共に、安全性を担保しつつも稼働効率の低下を防止することが可能なロボットシステムおよびロボット制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明にかかるロボットシステムの代表的な構成は、ロボットと、ロボットの動作を制御する動作制御部と、ロボットの動作を制限するロボット監視ユニットと、人間や物体を検知する検知部とを備え、動作制御部は、制限なく動作する通常モードと、人間と協働して動作するための協働モードとを切替可能であって、ロボット監視ユニットは、前記動作制御部によって通常モードから協働モードに切り替えられたとき、動作制御部が実行しようとする動作が協働モードの動作許容範囲内である場合にはロボットの動作を制限しないことを特徴とする。
【0012】
ロボット監視ユニットは、動作制御部によって通常モードから協働モードに切り替えられたとき、動作制御部が実行しようとする動作が協働モードの動作許容範囲外での動作であった場合、動作許容範囲外から動作許容範囲内へ向かう方向への移動は許容し、動作許容範囲外から前記動作許容範囲内へ向かう方向とは逆の方向への移動は制限することが好ましい。
【0013】
ロボット監視ユニットは、動作制御部が実行しようとする動作が協働モードの範囲外であった場合であっても、動作が関節角度を小さくする方向の動作であった場合にはロボットの動作を制限し、動作が関節角度を大きくする方向の動作であった場合にはロボットの動作を制限しないことが好ましい。
【0014】
ロボット監視ユニットは、動作制御部が実行しようとする動作が協働モードの範囲外であった場合であっても、動作がロボットの周辺設備に所定距離以上接近する方向であった場合にはロボットの動作を制限し、動作がロボットの周辺設備から離隔する方向であった場合にはロボットの動作を制限しないことが好ましい。
【0015】
本発明の他の代表的な構成は、ロボットの動作を制御するロボット制御プログラムであって、制限なく動作する通常モードと、人間と協働して動作するための協働モードとを切替可能であって、ロボットを通常モードで動作させていて、人間が危険エリアに侵入したことを検知したとき、実行させようとする動作が協働モードの範囲外であった場合にはロボットの動作を制限し、協働モードの範囲内であった場合にはロボットの動作を制限しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、本質安全を備えない従来のロボットを用いて機能安全により協働ロボットを実現すると共に、安全性を担保しつつも稼働効率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明にかかるロボットシステムの全体構成を説明する図である。
【
図2】通常モードの可動範囲と協働モードの動作許容範囲を説明する図である。
【
図3】ロボット制御プログラムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0019】
図1は本発明にかかるロボットシステムの全体構成を説明する図である。
【0020】
ロボットシステム100は、ロボット110と、ロボット制御装置120を備えている。ロボット制御装置120には、ロボット110の動作を制御する動作制御部122と、ロボット110の動作を制限するロボット監視ユニット124と、記憶部126が備えられている。またロボット監視ユニット124には、人間Hや物体が危険エリアに侵入したことを検知する検知部128が接続されている。なお危険エリアとは、ロボット110の可動範囲または可動範囲から所定距離広げた領域をいう。
【0021】
記憶部126には、通常モードと協働モードの動作プログラム、および、それぞれのモードについて可動範囲や動作速度などの諸条件が記憶されている。通常モードとは、特段の制限なく動作するモードである。協働モードとは、人間と協働して動作するためのモードである。協働モードは通常モードより動作が制限されたモードであって、可動範囲が狭い、動作速度が遅いなどの条件が課されている。
【0022】
図2は通常モードと協働モードの違いを説明するために、通常モードの可動範囲と協働モードの動作許容範囲を例に用いて説明する図である。
図2に示すロボット110は6軸ロボットであり、鉛直面内においては台座112に対して、第1アーム114、第2アーム116、および手首118が回転可能である。
図2(a)に示す可動範囲A1は、鉛直面内において、各アームおよび手首を制限なく通常モードで動作させた場合の範囲である。
【0023】
そして
図2(b)に示す動作許容範囲A2は、協働モードとして各関節の可動範囲を制限し、各アームの間に隙間(例えば2.5cm)を残すように動作させた場合の範囲である。比較のために、上記の可動範囲A1を破線で示している。このように、人体を挟まないように可動範囲を制限することにより、人間と協働して作業することが可能になる。
【0024】
そして動作制御部122は、記憶部126から動作プログラムや諸条件を読み出すことにより、通常モードと協働モードを切り替えて動作することができる。切り替えは作業に応じて手動切り替えであってもよいし、時間帯で切り替えてもよい。あるいは、動作制御部122は、例えば、センサ(検知部128)によって人が検知された場合に、通常モードから協働モードに切り替える構成であってもよい。なお、センサとしては赤外線や超音波を用いるようなものであってもよいし、カメラなどで撮像した画像に基づき検知するものであってもよく、特に限定はされない。
【0025】
通常モードと協働モードを比較すれば、通常モードの方が作業速度が速い。そのため、できるだけ制限のない通常モードで動作させたいという要請がある。一方で、やはり通常モードで動作させているときに人間や物体が接近することが想定される。そのような場合に従来のように単にロボット110を停止させるという安全対策を行うと、協働モードに切り替えるまで作業が中断になるため、稼働効率が低下してしまうという問題がある。
【0026】
そこで本発明においては、通常モードで動作させているときに人間が近接し、協働モードに切り替わったとき、実行しようとする動作が協働モードの動作許容範囲内であった場合にはロボット110の動作を制限しない。通常モードの可動範囲は協働モードの動作許容範囲を包含している。以下の説明において、通常モードの可動範囲を単に「通常モードの範囲」と称し、協働モードの動作許容範囲内を単に「協働モードの範囲」と称する場合もある。通常モードの範囲内であって協働モードの範囲外は、協働モードの範囲外を意味している。この制限したり制限しなかったりする制御は、ロボット監視ユニット124で実行するロボット制御プログラムによって行う。
【0027】
図3はロボット制御プログラムの動作を説明するフローチャートである。ロボット監視ユニット124は検知部128の出力を監視し(ステップ300)、検出するまではループする(ステップ300のNO)。人間Hや物体が危険エリアに進入したことを検出すると(ステップ300のYES)、協働モードへ切り替える(ステップ302)。
【0028】
そしてロボット監視ユニット124は、実行しようとする動作が協働モードの範囲)であるかどうかを判断する(ステップ304)。通常モードの範囲は協働モードの範囲を包含するからである。協働モードの範囲内であれば(ステップ304のYES)、人間Hが近接しても(危険エリアの中にいても)問題ないのであるから、動作を継続する(ステップ320)。
【0029】
次にロボット監視ユニット124は、動作制御部122が実行しようとする動作が協働モードの範囲外である場合において(ステップ304のNO)、その動作が協働モードの動作許容範囲内へ向かう方向であるか否かを判断する(ステップ306)。すなわち、現在の姿勢が協働モードの動作許容範囲外であったとしても、すぐさま停止するのではなく、動作許容範囲内へ向かう方向である場合には制限しない。ただし、移動することは制限しないが、移動速度は低下させる(低速に制限する)ことが好ましい。
【0030】
次にロボット監視ユニット124は、その動作が関節角度を小さくする方向の動作であるか否かを判断する(ステップ308)。関節角度が小さくなる場合は手や指を挟んでしまうおそれがあるが、関節角度を大きくする場合は挟んでしまうおそれがないため、動作を許容することができる。そこで、その動作が関節角度を小さくする方向の動作であった場合にはロボット110の動作を停止(動作を制限)し(ステップ330)、動作が関節角度を大きくする方向の動作であった場合にはロボット110の動作を制限しない。
【0031】
例えば、協働モードの範囲が「関節角度30°以上」であり、協働モードに切り替わったときの角度(現在の角度)が25°であったとする。すると25°から20°への移動はNGとなり、ロボットの動作はポーズ状態とする。一方で、25°から28°への移動はOKとなり、協働モードで定められた低速で移動する。
【0032】
なお、
図3に示す例では、関節角度が小さくなる場合は手や指を挟んでしまうおそれがあり、関節角度を大きくする場合は挟んでしまうおそれがない例について説明した。しかし例えば、関節角度を大きくする場合に動作許容範囲外となり(人に衝突する恐れがあるなど)、関節角度が小さくなる場合に動作許容範囲内となる(人に衝突する恐れがないなど)ような場合も考えられる。この場合には、関節角度を大きくする動作を制限し、関節角度が小さくなる場合は動作を許容する構成であってもよい。
【0033】
またロボット監視ユニット124は、動作制御部122が実行しようとする動作が、ロボット110の周辺設備(不図示)に所定距離以上接近する方向であるか否かについて判断する(ステップ310)。周辺設備とは、隣接する他のロボット110や制御装置、区画の壁などである。所定距離とは、人間Hを挟んでしまわない距離(例えば60cm~80cm)である。
【0034】
所定距離以上接近する方向である場合は(ステップ310のYES)、ロボット110のアームと周辺設備との間に人間Hを挟んでしまうおそれがあるため、ロボット110の動作を停止する(ステップ330)。しかしながら、周辺装置から離れる方向の動作である場合には、人間Hを挟んでしまうおそれないため、動作を許容することができる。また、動作の方向が周辺設備に向かう方向であっても、充分な離間距離があるのであれば、動作を許容することができる。これらの場合には、人間Hが近接しても問題ないのであるからロボット110の動作を制限しない。そして、ステップ308,310のいずれにおいても動作が制限されなかった場合には、動作制御部122による動作を継続する(ステップ320)。
【0035】
なお、
図3の例では関節角度の方向(ステップ308)と周辺設備に対する距離および方向(ステップ310)の両方を判断しているが、いずれを先に判断してもよく、またいずれか一方のみを判断するように構成してもよい。
【0036】
本発明によれば、ロボット110が通常モードと協働モードを切り替えて動作可能であり、ロボット110が通常モードから協働モードに切り替えたときに、協働モードの範囲内である場合や、協働モードの範囲に近づく場合などには、ロボットの動作を制限しない(すぐさま停止させない)。これにより、本質安全を備えない従来のロボットを用いて機能安全により協働ロボットを実現すると共に、安全性を担保しつつも稼働効率の低下を防止することが可能である。
【0037】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は斯かる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、通常モードと協働モードを有するロボットシステムおよびロボット制御プログラムとして利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
100…ロボットシステム、110…ロボット、112…台座、114…第1アーム、116…第2アーム、118…手首、120…ロボット制御装置、122…動作制御部、124…ロボット監視ユニット、126…記憶部、128…検知部、H…人間