(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165828
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】燃料電池
(51)【国際特許分類】
H01M 8/2465 20160101AFI20221025BHJP
H01M 8/0267 20160101ALI20221025BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20221025BHJP
【FI】
H01M8/2465
H01M8/0267
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071352
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大平 紘敬
(72)【発明者】
【氏名】堀 良輔
(72)【発明者】
【氏名】新田 高弘
(72)【発明者】
【氏名】福田 健太郎
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA23
5H126BB06
5H126DD05
5H126EE05
5H126EE11
5H126EE22
5H126JJ00
(57)【要約】
【課題】発電性能を向上させる燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池5は、負極であるアノードターミナル15と、アノードセル30と、積層方向Dsにアノードターミナル15と接続されているとともに、空気が流れるアノード冷却流路240を形成するアノード冷却流路形成部200と、を備え、アノード冷却流路形成部200は、アノードセル30からアノード冷却流路形成部200に伝導した熱を、アノード冷却流路240を流れる空気に放散することによってアノードセル30を冷却する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層されている複数のセル(30、40、50、60、70)と、
負極であるアノードターミナル(15)と、
前記複数のセルの積層方向(Ds)に前記アノードターミナルと接続されているとともに、酸化剤ガスが流れる冷却流路(240)を形成する冷却部(200)と、
を備え、
前記複数のセルは、前記積層方向に前記冷却部のうち前記アノードターミナルとは反対側と接続されているとともに燃料ガスが流れる燃料流路(314)を形成する燃料部(310)と、前記積層方向に前記燃料部と接続されているとともに前記燃料流路と連通するアノード側拡散層(32)と、酸化剤ガスが流れる酸化剤流路(354)を形成する酸化剤部(350)と、前記積層方向に前記酸化剤部と接続されているとともに前記酸化剤流路と連通するカソード側拡散層(34)と、前記アノード側拡散層を流れた燃料ガスを分解するアノード側触媒層(334)、前記アノード側触媒層によって生成された陽イオンが透過する電解質膜(335)および電子と前記カソード側拡散層を流れた酸化剤ガスと前記電解質膜を透過した陽イオンとを結合させるカソード側触媒層(336)を含む膜電極(330)と、を有するアノードセル(30)を含み、
前記冷却部は、前記アノードセルから前記冷却部に伝導した熱を、前記冷却流路を流れる酸化剤ガスに放散することによって前記アノードセルを冷却する燃料電池。
【請求項2】
積層されている複数のセル(30、40、50、60、70)と、
負極であるアノードターミナル(15)と、
前記複数のセルの積層方向(Ds)に前記アノードターミナルと接続されているとともに、酸化剤ガスが流れる冷却流路(240)を形成する冷却部(200)と、
を備え、
前記複数のセルは、前記積層方向に前記アノードターミナルのうち前記冷却部とは反対側と接続されているとともに燃料ガスが流れる燃料流路(314)を形成する燃料部(310)と、前記積層方向に前記燃料部と接続されているとともに前記燃料流路と連通するアノード側拡散層(32)と、酸化剤ガスが流れる酸化剤流路(354)を形成する酸化剤部(350)と、前記積層方向に前記酸化剤部と接続されているとともに前記酸化剤流路と連通するカソード側拡散層(34)と、前記アノード側拡散層を流れた燃料ガスを分解するアノード側触媒層(334)、前記アノード側触媒層によって生成された陽イオンが透過する電解質膜(335)および電子と前記カソード側拡散層を流れた酸化剤ガスと前記電解質膜を透過した陽イオンとを結合させるカソード側触媒層(336)を含む膜電極(330)と、を有するアノードセル(30)を含み、
前記冷却部は、前記アノードセルから前記アノードターミナルを経由して前記冷却部に伝導した熱を、前記冷却流路を流れる酸化剤ガスに放散することによって前記アノードセルを冷却する燃料電池。
【請求項3】
前記冷却部と前記冷却流路を流れる酸化剤ガスとの熱伝達率は、前記酸化剤部と前記酸化剤流路を流れる酸化剤ガスとの熱伝達率よりも高くなっている請求項1または2に記載の燃料電池。
【請求項4】
前記冷却部の熱伝導率は、前記酸化剤部の熱伝導率よりも高くなっている請求項1ないし3のいずれか1に記載の燃料電池。
【請求項5】
前記冷却部は、前記酸化剤部と同じ形状になっている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料電池。
【請求項6】
前記積層方向に平行な断面において、前記冷却流路の断面積は、前記酸化剤流路の断面積よりも大きくなっている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料電池。
【請求項7】
前記積層方向に平行な断面において、前記冷却流路の断面積は、前記酸化剤流路の断面積よりも小さくなっている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料電池。
【請求項8】
積層されている複数のセル(30、40、50、60、70)と、
正極であるカソードターミナル(85)と、
を備え、
前記複数のセルは、燃料ガスが流れる燃料流路(714)を形成する燃料部(710)と、前記複数のセルの積層方向(Ds)に前記燃料部と接続されているとともに前記燃料流路と連通するアノード側拡散層(72)と、前記積層方向に前記カソードターミナルと接続されているとともに酸化剤ガスが流れる酸化剤流路(754)を形成する酸化剤部(750)と、前記積層方向に前記酸化剤部のうち前記カソードターミナルとは反対側と接続されているとともに前記酸化剤流路と連通するカソード側拡散層(74)と、前記アノード側拡散層を流れた燃料ガスを分解するアノード側触媒層(734)、前記アノード側触媒層によって生成された陽イオンが透過する電解質膜(735)および電子と前記カソード側拡散層を流れた酸化剤ガスと前記電解質膜を透過した陽イオンとを結合させるカソード側触媒層(736)を含む膜電極(730)と、を有するカソードセル(70)を含み、
前記酸化剤部は、前記膜電極から前記酸化剤部に伝導した熱を、前記酸化剤流路を流れる酸化剤ガスに放散することによって前記カソードセルを冷却する燃料電池。
【請求項9】
積層されている複数のセル(30、40、50、60、70)と、
負極であるアノードターミナル(15)と、
正極であるカソードターミナル(85)と、
酸化剤ガスが流れる冷却流路(954)を形成する冷却部(950)と、
前記複数のセルの積層方向(Ds)に前記冷却部と接続されているとともに、前記冷却部を支持する支持部(94)と、
を備え、
前記複数のセルは、
前記積層方向において前記アノードターミナルおよび前記カソードターミナルの間であって前記アノードターミナル側に配置されているとともに、燃料ガスおよび酸化剤ガスの化学反応により電気エネルギを発生させる第1セル(30、40、50、60)と、
前記積層方向において前記アノードターミナルおよび前記カソードターミナルの間であって前記カソードターミナル側に配置されているとともに、燃料ガスおよび酸化剤ガスの化学反応により電気エネルギを発生させる第2セル(40、50、60、70)と、
を含み、
前記第1セルは、燃料ガスが流れる第1燃料流路(314、414、514、614)を形成する第1燃料部(310、410、510、610)と、前記積層方向(Ds)に前記第1燃料部と接続されているとともに前記第1燃料流路と連通するアノード側第1拡散層(32、42、52、62)と、酸化剤ガスが流れる第1酸化剤流路(354、454、554、654)を形成する第1酸化剤部(350、450、550、650)と、前記積層方向に前記第1酸化剤部と接続されているとともに前記第1酸化剤流路と連通するカソード側第1拡散層(34、44、54、64)と、前記アノード側第1拡散層を流れた燃料ガスを分解するアノード側第1触媒層(334、434、534、634)、前記アノード側第1触媒層によって生成された陽イオンが透過する第1電解質膜(335、435、535、635)および電子と前記カソード側第1拡散層を流れた酸化剤ガスと前記第1電解質膜を透過した陽イオンとを結合させるカソード側第1触媒層(336、436、536、636)を含む第1膜電極(330、430、530、630)と、を有し、
前記第2セルは、燃料ガスが流れる第2燃料流路(414、514、614、714)を形成する第2燃料部(410、510、610、710)と、前記積層方向(Ds)に前記第2燃料部と接続されているとともに前記第2燃料流路と連通するアノード側第2拡散層(42、52、62、72)と、酸化剤ガスが流れる第2酸化剤流路(454、554、654、754)を形成する第2酸化剤部(450、550、650、750)と、前記積層方向に前記第2酸化剤部と接続されているとともに前記第2酸化剤流路と連通するカソード側第2拡散層(44、54、64、74)と、前記アノード側第2拡散層を流れた燃料ガスを分解するアノード側第2触媒層(434、534、634、734)、前記アノード側第2触媒層によって生成された陽イオンが透過する第2電解質膜(435、535、635、735)および電子と前記カソード側第2拡散層を流れた酸化剤ガスと前記第2電解質膜を透過した陽イオンとを結合させるカソード側第2触媒層(436、536、636、736)を含む第2膜電極(430、530、630、730)と、を有し、
前記支持部は、前記積層方向に前記第1酸化剤部のうち前記カソード側第1拡散層とは反対側と接続されており、
前記冷却部は、前記積層方向に前記第2燃料部のうち前記アノード側第2拡散層とは反対側と接続されているとともに、前記第2セルから前記冷却部に伝導した熱を、前記冷却流路を流れる酸化剤ガスに放散することによって前記第2セルを冷却する燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されるように、空気が通過する複数のチャネルを有する冷却プレートを備える燃料電池セルが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者等の検討によれば、特許文献1に記載された燃料電池セルが積層された場合、この燃料電池セルに備えられた冷却プレートが積層方向と直交する方向に延びていることから、積層方向の熱の移動は、生じにくい。このため、燃料電池セルを積層することにより燃料電池とするとき、この燃料電池内においてカソード側の燃料電池セルの温度が高くなることがある。また、燃料電池内においてアノード側の燃料電池セルの温度が高くなることがある。さらに、燃料電池内においてカソード側の燃料電池セルおよびアノード側の燃料電池セルの間に配置される燃料電池セルの温度が高くなることがある。したがって、燃料電池内におけるセルの発電性能が低下することから燃料電池の発電性能が低下することがある。
【0005】
本開示は、発電性能を向上させる燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、積層されている複数のセル(30、40、50、60、70)と、負極であるアノードターミナル(15)と、複数のセルの積層方向(Ds)にアノードターミナルと接続されているとともに、酸化剤ガスが流れる冷却流路(240)を形成する冷却部(200)と、を備え、複数のセルは、積層方向に冷却部のうちアノードターミナルとは反対側と接続されているとともに燃料ガスが流れる燃料流路(314)を形成する燃料部(310)と、積層方向に燃料部と接続されているとともに燃料流路と連通するアノード側拡散層(32)と、酸化剤ガスが流れる酸化剤流路(354)を形成する酸化剤部(350)と、積層方向に酸化剤部と接続されているとともに酸化剤流路と連通するカソード側拡散層(34)と、アノード側拡散層を流れた燃料ガスを分解するアノード側触媒層(334)、アノード側触媒層によって生成された陽イオンが透過する電解質膜(335)および電子とカソード側拡散層を流れた酸化剤ガスと電解質膜を透過した陽イオンとを結合させるカソード側触媒層(336)を含む膜電極(330)と、を有するアノードセル(30)を含み、冷却部は、アノードセルから冷却部に伝導した熱を、冷却流路を流れる酸化剤ガスに放散することによってアノードセルを冷却する燃料電池である。
【0007】
これにより、アノードセルの温度上昇が抑制されることからアノードセルの発電性能が向上するため、燃料電池の発電性能が向上する。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、積層されている複数のセル(30、40、50、60、70)と、負極であるアノードターミナル(15)と、複数のセルの積層方向(Ds)にアノードターミナルと接続されているとともに、酸化剤ガスが流れる冷却流路(240)を形成する冷却部(200)と、を備え、複数のセルは、積層方向にアノードターミナルのうち冷却部とは反対側と接続されているとともに燃料ガスが流れる燃料流路(314)を形成する燃料部(310)と、積層方向に燃料部と接続されているとともに燃料流路と連通するアノード側拡散層(32)と、酸化剤ガスが流れる酸化剤流路(354)を形成する酸化剤部(350)と、積層方向に酸化剤部と接続されているとともに酸化剤流路と連通するカソード側拡散層(34)と、アノード側拡散層を流れた燃料ガスを分解するアノード側触媒層(334)、アノード側触媒層によって生成された陽イオンが透過する電解質膜(335)および電子とカソード側拡散層を流れた酸化剤ガスと電解質膜を透過した陽イオンとを結合させるカソード側触媒層(336)を含む膜電極(330)と、を有するアノードセル(30)を含み、冷却部は、アノードセルからアノードターミナルを経由して冷却部に伝導した熱を、冷却流路を流れる酸化剤ガスに放散することによってアノードセルを冷却する燃料電池である。
【0009】
これにより、アノードセルの温度上昇が抑制されることからアノードセルの発電性能が向上するため、燃料電池の発電性能が向上する。
【0010】
また、請求項8に記載の発明は、積層されている複数のセル(30、40、50、60、70)と、正極であるカソードターミナル(85)と、を備え、複数のセルは、燃料ガスが流れる燃料流路(714)を形成する燃料部(710)と、複数のセルの積層方向(Ds)に燃料部と接続されているとともに燃料流路と連通するアノード側拡散層(72)と、積層方向にカソードターミナルと接続されているとともに酸化剤ガスが流れる酸化剤流路(754)を形成する酸化剤部(750)と、積層方向に酸化剤部のうちカソードターミナルとは反対側と接続されているとともに酸化剤流路と連通するカソード側拡散層(74)と、アノード側拡散層を流れた燃料ガスを分解するアノード側触媒層(734)、アノード側触媒層によって生成された陽イオンが透過する電解質膜(735)および電子とカソード側拡散層を流れた酸化剤ガスと電解質膜を透過した陽イオンとを結合させるカソード側触媒層(736)を含む膜電極(730)と、を有するカソードセル(70)を含み、酸化剤部は、膜電極から酸化剤部に伝導した熱を、酸化剤流路を流れる酸化剤ガスに放散することによってカソードセルを冷却する燃料電池である。
【0011】
これにより、カソードセルの温度上昇が抑制されることからカソードセルの発電性能が向上するため、燃料電池の発電性能が向上する。
【0012】
また、請求項9に記載の発明は、積層されている複数のセル(30、40、50、60、70)と、負極であるアノードターミナル(15)と、正極であるカソードターミナル(85)と、酸化剤ガスが流れる冷却流路(954)を形成する冷却部(950)と、複数のセルの積層方向(Ds)に冷却部と接続されているとともに、冷却部を支持する支持部(94)と、を備え、複数のセルは、積層方向においてアノードターミナルおよびカソードターミナルの間であってアノードターミナル側に配置されているとともに、燃料ガスおよび酸化剤ガスの化学反応により電気エネルギを発生させる第1セル(30、40、50、60)と、積層方向においてアノードターミナルおよびカソードターミナルの間であってカソードターミナル側に配置されているとともに、燃料ガスおよび酸化剤ガスの化学反応により電気エネルギを発生させる第2セル(40、50、60、70)と、を含み、第1セルは、燃料ガスが流れる第1燃料流路(314、414、514、614)を形成する第1燃料部(310、410、510、610)と、積層方向(Ds)に第1燃料部と接続されているとともに第1燃料流路と連通するアノード側第1拡散層(32、42、52、62)と、酸化剤ガスが流れる第1酸化剤流路(354、454、554、654)を形成する第1酸化剤部(350、450、550、650)と、積層方向に第1酸化剤部と接続されているとともに第1酸化剤流路と連通するカソード側第1拡散層(34、44、54、64)と、アノード側第1拡散層を流れた燃料ガスを分解するアノード側第1触媒層(334、434、534、634)、アノード側第1触媒層によって生成された陽イオンが透過する第1電解質膜(335、435、535、635)および電子とカソード側第1拡散層を流れた酸化剤ガスと第1電解質膜を透過した陽イオンとを結合させるカソード側第1触媒層(336、436、536、636)を含む第1膜電極(330、430、530、630)と、を有し、第2セルは、燃料ガスが流れる第2燃料流路(414、514、614、714)を形成する第2燃料部(410、510、610、710)と、積層方向(Ds)に第2燃料部と接続されているとともに第2燃料流路と連通するアノード側第2拡散層(42、52、62、72)と、酸化剤ガスが流れる第2酸化剤流路(454、554、654、754)を形成する第2酸化剤部(450、550、650、750)と、積層方向に第2酸化剤部と接続されているとともに第2酸化剤流路と連通するカソード側第2拡散層(44、54、64、74)と、アノード側第2拡散層を流れた燃料ガスを分解するアノード側第2触媒層(434、534、634、734)、アノード側第2触媒層によって生成された陽イオンが透過する第2電解質膜(435、535、635、735)および電子とカソード側第2拡散層を流れた酸化剤ガスと第2電解質膜を透過した陽イオンとを結合させるカソード側第2触媒層(436、536、636、736)を含む第2膜電極(430、530、630、730)と、を有し、支持部は、積層方向に第1酸化剤部のうちカソード側第1拡散層とは反対側と接続されており、冷却部は、積層方向に第2燃料部のうちアノード側第2拡散層とは反対側と接続されているとともに、第2セルから冷却部に伝導した熱を、冷却流路を流れる酸化剤ガスに放散することによって第2セルを冷却する燃料電池である。
【0013】
これにより、第2セルの温度上昇が抑制されることから第2セルの発電性能が向上するため、燃料電池の発電性能が向上する。
【0014】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態の燃料電池が用いられる燃料電池システムの構成図。
【
図10】アノードセルによる化学反応を示す模式図。
【
図12】アノードセルの電流密度、出口温度および電圧の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0017】
本実施形態の燃料電池5は、燃料電池システム1に用いられる。まず、この燃料電池システム1について説明する。
【0018】
燃料電池システム1は、
図1に示すように、水素入口管2、水素出口管3、ファン4および燃料電池5を備える。
【0019】
水素入口管2は、筒状に形成されている。また、水素入口管2は、図示しない水素タンクおよび後述の燃料電池5に接続されている。
【0020】
水素出口管3は、筒状に形成されている。また、水素出口管3は、後述の燃料電池5に接続されている。
【0021】
ファン4は、後述の燃料電池5に取り付けられている。また、ファン4は、燃料電池5側の空気を吸い込むことによって、燃料電池5に空気を供給する。なお、以下では、ファン4が吸い込む方向を単に吸込方向Dvと記載する。
【0022】
燃料電池5は、PEFCであって、水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電する。また、燃料電池5は、複数のセルが積層されることによって形成されている。具体的には、燃料電池5は、
図2~
図9に示すように、アノード拘束プレート10、アノードターミナル15、アノード冷却プレート20およびアノードセル30を備える。また、燃料電池5は、第1中間セル40、第2中間セル50、第3中間セル60、カソードセル70、カソードターミナル85およびカソード拘束プレート90を備える。なお、PEFCは、Polymer Electrolyte Fuel Cellの略である。また、水素は、燃料ガスに対応する。さらに、空気は、酸化剤ガスに対応する。また、以下では、燃料電池5のセルが積層されている方向を単に積層方向Dsと記載する。
【0023】
アノード拘束プレート10は、アノード拘束部に対応しており、電気絶縁性を有する樹脂等で板状に形成されている。また、アノード拘束プレート10は、
図2に示すように、水素用アノード拘束入口穴101および水素用アノード拘束出口穴102を有する。
【0024】
水素用アノード拘束入口穴101は、水素入口管2の内部と連通している。
【0025】
水素用アノード拘束出口穴102は、水素出口管3の内部と連通している。
【0026】
アノードターミナル15は、燃料電池5の負極である。また、アノードターミナル15は、金属等で板状に形成されている。さらに、アノードターミナル15は、積層方向Dsに、アノード拘束プレート10と接続されている。また、積層方向Dsと直交する方向において、アノードターミナル15の長さは、アノード拘束プレート10の長さよりも小さい。このため、アノード拘束プレート10は、アノードターミナル15から積層方向Dsと直交する方向に突き出ている。さらに、アノードターミナル15は、水素用アノードターミナル入口穴151および水素用アノードターミナル出口穴152を有する。
【0027】
水素用アノードターミナル入口穴151は、水素用アノード拘束入口穴101と連通している。
【0028】
水素用アノードターミナル出口穴152は、水素用アノード拘束出口穴102と連通している。
【0029】
アノード冷却プレート20は、後述のアノードセル30を冷却する。具体的には、アノード冷却プレート20は、アノード冷却用流路形成部200、アノード冷却用シール部221およびアノード冷却流路240を有する。
【0030】
アノード冷却用流路形成部200は、冷却部に対応している。また、アノード冷却用流路形成部200は、チタン、銅等の金属で形成されている。このため、アノード冷却用流路形成部200の熱伝導性は、高くなっている。さらに、アノード冷却用流路形成部200は、アノード冷却用第1底部201、アノード冷却用第1側部211、アノード冷却用第2底部202およびアノード冷却用第2側部212を複数含む。
【0031】
アノード冷却用第1底部201、アノード冷却用第1側部211、アノード冷却用第2底部202およびアノード冷却用第2側部212は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。また、アノード冷却用第1底部201、アノード冷却用第1側部211、アノード冷却用第2底部202およびアノード冷却用第2側部212は、吸込方向Dvと平行な方向に延びる板状に形成されている。
【0032】
さらに、アノード冷却用第1底部201は、積層方向Dsにアノードターミナル15と接続されている。
【0033】
アノード冷却用第1側部211は、アノード冷却用第1底部201に接続されている。また、アノード冷却用第1側部211は、積層方向Dsに対して傾斜している。
【0034】
アノード冷却用第2底部202は、アノード冷却用第1側部211のうちアノード冷却用第1底部201とは反対側に接続されている。
【0035】
アノード冷却用第2側部212は、アノード冷却用第2底部202のうちアノード冷却用第1側部211とは反対側およびアノード冷却用第1底部201のうちアノード冷却用第1側部211とは反対側に接続されている。さらに、アノード冷却用第2側部212は、アノード冷却用第2底部202の中心を通るとともに積層方向Dsに延びる直線を中心としてアノード冷却用第1側部211と対称となるように、傾斜している。
【0036】
アノード冷却用シール部221は、ゴム等で形成されている。また、アノード冷却用シール部221は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に、アノード冷却用第1底部201と接続されている。さらに、アノード冷却用シール部221は、積層方向Dsに、アノードターミナル15のうちアノード拘束プレート10とは反対側と接続されている。また、アノード冷却用シール部221は、水素用アノード冷却プレート入口穴222および水素用アノード冷却プレート出口穴223を有する。
【0037】
水素用アノード冷却プレート入口穴222は、水素用アノードターミナル入口穴151と連通している。
【0038】
水素用アノード冷却プレート出口穴223は、水素用アノードターミナル出口穴152と連通している。
【0039】
アノード冷却流路240は、アノード冷却用第1底部201、アノード冷却用第1側部211およびアノード冷却用第2側部212によって区画される空間である。また、アノード冷却流路240は、アノード冷却用第2底部202、アノード冷却用第1側部211およびアノード冷却用第2側部212によって区画される空間である。さらに、アノード冷却流路240は、アノード冷却用第1底部201、アノード冷却用第1側部211およびアノード冷却用シール部221によって区画される空間である。また、アノード冷却流路240は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。
【0040】
アノードセル30は、
図2~
図5に示すように、アノードセル用水素プレート31、アノードセル用アノード側拡散層32、アノードセル用膜電極接合体33、アノードセル用カソード側拡散層34およびアノードセル用セパレータ35を備える。
【0041】
アノードセル用水素プレート31は、ステンレス鋼等で形成されている。また、アノードセル用水素プレート31は、アノードセル用水素流路形成部310、アノードセル用水素流路314、アノードセル用水素プレートシール部311、水素用第1アノードセル入口穴312および水素用第1アノードセル出口穴313を有する。
【0042】
アノードセル用水素流路形成部310は、燃料部に対応しており、板状に形成されている。また、アノードセル用水素流路形成部310には、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に延びる複数の凹部が形成されている。これらの凹部は、
図3に示すように、吸込方向Dvに並列している。
【0043】
アノードセル用水素流路314は、燃料流路に対応しており、アノードセル用水素流路形成部310の凹部によって形成される空間である。また、これらの凹部が吸込方向Dvに並列しているため、アノードセル用水素流路314は、吸込方向Dvに並列している。
【0044】
アノードセル用水素プレートシール部311は、
図4および
図5に示すように、積層方向Dsと直交する方向にアノードセル用水素流路形成部310と接続されていることにより、アノードセル用水素流路形成部310を囲っている。また、アノードセル用水素プレートシール部311は、積層方向Dsに、アノード冷却用シール部221のうちアノードターミナル15とは反対側と接続されている。
【0045】
水素用第1アノードセル入口穴312は、アノードセル用水素プレートシール部311およびアノードセル用水素流路形成部310の間に形成される空間である。また、水素用第1アノードセル入口穴312は、水素用アノード冷却プレート入口穴222およびアノードセル用水素流路314と連通している。
【0046】
水素用第1アノードセル出口穴313は、アノードセル用水素プレートシール部311およびアノードセル用水素流路形成部310の間に形成される空間である。また、水素用第1アノードセル出口穴313は、水素用アノード冷却プレート出口穴223およびアノードセル用水素流路314と連通している。
【0047】
アノードセル用アノード側拡散層32は、アノードセル用アノード側多孔体320およびアノードセル用アノード側シール部321を有する。
【0048】
アノードセル用アノード側多孔体320は、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン多孔質材および金属メッシュ、発砲金属等の金属多孔質材等で形成されている。このため、アノードセル用アノード側多孔体320は、ガス透過性および電子伝導性を有する。また、アノードセル用アノード側多孔体320の開孔は、アノードセル用水素流路314と連通している。
【0049】
アノードセル用アノード側シール部321は、ゴム等で形成されている。また、アノードセル用アノード側シール部321は、積層方向Dsと直交する方向にアノードセル用アノード側多孔体320と接続されていることにより、アノードセル用アノード側多孔体320を囲っている。さらに、アノードセル用アノード側シール部321は、積層方向Dsに、アノードセル用水素プレートシール部311と接続されている。また、アノードセル用アノード側シール部321は、水素用第2アノードセル入口穴322および水素用第2アノードセル出口穴323を含む。
【0050】
水素用第2アノードセル入口穴322は、水素用第1アノードセル入口穴312と連通している。
【0051】
水素用第2アノードセル出口穴323は、水素用第1アノードセル出口穴313と連通している。
【0052】
アノードセル用膜電極接合体33は、アノードセル用膜電極330およびアノードセル用膜電極シール部331を有する。
【0053】
アノードセル用膜電極330は、アノードセル用アノード側触媒層334、アノードセル用電解質膜335およびアノードセル用カソード側触媒層336を含む。
【0054】
アノードセル用アノード側触媒層334は、白金等の触媒、その触媒を担持するカーボンおよびそのカーボンを被覆するアイオノマーで形成されている。また、アノードセル用アノード側触媒層334は、積層方向Dsに、アノードセル用アノード側多孔体320と対向している。
【0055】
アノードセル用カソード側触媒層336は、白金等の触媒、その触媒を担持するカーボンおよびそのカーボンを被覆するアイオノマーで形成されている。
【0056】
アノードセル用電解質膜335は、陽イオン交換膜であって、含水性を有する炭化フッ素系、炭化水素系等の高分子材料で形成されている。また、アノードセル用電解質膜335は、積層方向Dsに、アノードセル用アノード側触媒層334およびアノードセル用カソード側触媒層336にて挟まれている。
【0057】
アノードセル用膜電極シール部331は、ゴム等で形成されている。また、アノードセル用膜電極シール部331は、積層方向Dsと直交する方向にアノードセル用膜電極330と接続されていることにより、アノードセル用膜電極330を囲っている。さらに、アノードセル用膜電極シール部331は、積層方向Dsに、アノードセル用アノード側シール部321のうちアノードセル用水素プレートシール部311とは反対側と接続されている。また、アノードセル用膜電極シール部331は、水素用第3アノードセル入口穴332および水素用第3アノードセル出口穴333を含む。
【0058】
水素用第3アノードセル入口穴332は、水素用第2アノードセル入口穴322と連通している。
【0059】
水素用第3アノードセル出口穴333は、水素用第2アノードセル出口穴323と連通している。
【0060】
アノードセル用カソード側拡散層34は、アノードセル用カソード側多孔体340およびアノードセル用カソード側シール部341を有する。
【0061】
アノードセル用カソード側多孔体340は、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン多孔質材および金属メッシュ、発砲金属等の金属多孔質材等で形成されている。このため、アノードセル用カソード側多孔体340は、ガス透過性および電子伝導性を有する。また、アノードセル用カソード側多孔体340は、積層方向Dsに、アノードセル用カソード側触媒層336と対向している。
【0062】
アノードセル用カソード側シール部341は、ゴム等で形成されている。また、アノードセル用カソード側シール部341は、積層方向Dsと直交する方向にアノードセル用カソード側多孔体340と接続されていることにより、アノードセル用カソード側多孔体340を囲っている。さらに、アノードセル用カソード側シール部341は、積層方向Dsに、アノードセル用膜電極シール部331のうちアノードセル用アノード側シール部321とは反対側と接続されている。また、アノードセル用カソード側シール部341は、水素用第4アノードセル入口穴342および水素用第4アノードセル出口穴343を含む。
【0063】
水素用第4アノードセル入口穴342は、水素用第3アノードセル入口穴332と連通している。
【0064】
水素用第4アノードセル出口穴343は、水素用第3アノードセル出口穴333と連通している。
【0065】
アノードセル用セパレータ35は、アノードセル用酸化剤流路形成部350、アノードセル用セパレータシール部351およびアノードセル用酸化剤流路354を有する。
【0066】
アノードセル用酸化剤流路形成部350は、酸化剤部に対応している。また、アノードセル用酸化剤流路形成部350は、ステンレス鋼等の金属で形成されている。このため、アノードセル用酸化剤流路形成部350の熱伝導率は、アノード冷却用流路形成部200の熱伝導率よりも小さくなっている。さらに、アノードセル用酸化剤流路形成部350は、アノード冷却用流路形成部200と同じ形状に形成されている。このため、アノードセル用酸化剤流路形成部350は、アノードセル用第1底部361、アノードセル用第1側部371、アノードセル用第2底部362およびアノードセル用第2側部372を複数含む。
【0067】
アノードセル用第1底部361、アノードセル用第1側部371、アノードセル用第2底部362およびアノードセル用第2側部372は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。また、アノードセル用第1底部361、アノードセル用第1側部371、アノードセル用第2底部362およびアノードセル用第2側部372は、吸込方向Dvと平行な方向に延びる板状に形成されている。
【0068】
さらに、アノードセル用第1底部361は、積層方向Dsに、アノードセル用カソード側多孔体340と接続されている。
【0069】
アノードセル用第1側部371は、アノードセル用第1底部361に接続されている。また、アノードセル用第1側部371は、積層方向Dsに対して傾斜している。
【0070】
アノードセル用第2底部362は、アノードセル用第1側部371のうちアノードセル用第1底部361とは反対側に接続されている。
【0071】
アノードセル用第2側部372は、アノードセル用第2底部362のうちアノードセル用第1側部371とは反対側およびアノードセル用第1底部361のうちアノードセル用第1側部371とは反対側に接続されている。また、アノードセル用第2側部372は、アノードセル用第2底部362の中心を通るとともに積層方向Dsに延びる直線を中心としてアノードセル用第1側部371と対称となるように、傾斜している。
【0072】
アノードセル用セパレータシール部351は、ゴム等で形成されている。また、アノードセル用セパレータシール部351は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に、アノードセル用第1底部361と接続されている。さらに、アノードセル用セパレータシール部351は、積層方向Dsに、アノードセル用カソード側シール部341のうちアノードセル用膜電極シール部331とは反対側と接続されている。また、アノードセル用セパレータシール部351は、水素用第5アノードセル入口穴352および水素用第5アノードセル出口穴353を有する。
【0073】
水素用第5アノードセル入口穴352は、水素用第4アノードセル入口穴342と連通している。
【0074】
水素用第5アノードセル出口穴353は、水素用第4アノードセル出口穴343と連通している。
【0075】
アノードセル用酸化剤流路354は、アノードセル用第1底部361、アノードセル用第1側部371およびアノードセル用第2側部372によって区画される空間である。また、アノードセル用酸化剤流路354は、アノードセル用第2底部362、アノードセル用第1側部371およびアノードセル用第2側部372によって区画される空間である。さらに、アノードセル用酸化剤流路354は、アノードセル用第1底部361、アノードセル用第1側部371およびアノードセル用セパレータシール部351によって区画される空間である。また、アノードセル用酸化剤流路354は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。
【0076】
さらに、アノードセル用酸化剤流路354を流れる空気とアノードセル用酸化剤流路形成部350との熱伝達率は、アノード冷却流路240を流れる空気とアノード冷却用流路形成部200との熱伝達率よりも低くなっている。
【0077】
第1中間セル40は、アノードセル30の上に積層されている。また、第1中間セル40は、アノードセル30と同様に、形成されている。具体的には、第1中間セル40は、
図2、
図3および
図6に示すように、第1中間セル用水素プレート41および第1中間セル用アノード側拡散層42を備える。また、第1中間セル40は、第1中間セル用膜電極接合体43、第1中間セル用カソード側拡散層44および第1中間セル用セパレータ45を備える。
【0078】
第1中間セル用水素プレート41は、第1中間セル用水素流路形成部410、第1中間セル用水素流路414、第1中間セル用水素プレートシール部411、水素用第1入口穴412および水素用第1出口穴413を有する。
【0079】
第1中間セル用水素流路形成部410は、ステンレス鋼等で板状に形成されている。また、第1中間セル用水素流路形成部410には、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に延びる複数の凹部が形成されている。これらの凹部は、吸込方向Dvに並列している。
【0080】
第1中間セル用水素流路414は、第1中間セル用水素流路形成部410の凹部によって形成される空間である。また、これらの凹部が吸込方向Dvに並列しているため、第1中間セル用水素流路414は、吸込方向Dvに並列している。
【0081】
第1中間セル用水素プレートシール部411は、ゴム等で形成されている。また、第1中間セル用水素プレートシール部411は、積層方向Dsと直交する方向に第1中間セル用水素流路形成部410と接続されていることにより、第1中間セル用水素流路形成部410を囲っている。
【0082】
水素用第1入口穴412は、第1中間セル用水素プレートシール部411および第1中間セル用水素流路形成部410の間に形成される空間である。また、水素用第1入口穴412は、水素用第5アノードセル入口穴352および第1中間セル用水素流路414と連通している。
【0083】
水素用第1出口穴413は、第1中間セル用水素プレートシール部411および第1中間セル用水素流路形成部410の間に形成される空間である。また、水素用第1出口穴413は、水素用第5アノードセル出口穴353および第1中間セル用水素流路414と連通している。
【0084】
第1中間セル用アノード側拡散層42は、第1中間セル用アノード側多孔体420および第1中間セル用アノード側シール部421を有する。
【0085】
第1中間セル用アノード側多孔体420は、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン多孔質材および金属メッシュ、発砲金属等の金属多孔質材等で形成されている。このため、第1中間セル用アノード側多孔体420は、ガス透過性および電子伝導性を有する。また、第1中間セル用アノード側多孔体420の開孔は、第1中間セル用水素流路414と連通している。
【0086】
第1中間セル用アノード側シール部421は、ゴム等で形成されている。また、第1中間セル用アノード側シール部421は、積層方向Dsと直交する方向に第1中間セル用アノード側多孔体420と接続されていることにより、第1中間セル用アノード側多孔体420を囲っている。さらに、第1中間セル用アノード側シール部421は、積層方向Dsに、第1中間セル用水素プレートシール部411と接続されている。また、第1中間セル用アノード側シール部421は、水素用第2入口穴422および水素用第2出口穴423を含む。
【0087】
水素用第2入口穴422は、水素用第1入口穴412と連通している。
【0088】
水素用第2出口穴423は、水素用第1出口穴413と連通している。
【0089】
第1中間セル用膜電極接合体43は、第1中間セル用膜電極430および第1中間セル用膜電極シール部431を有する。
【0090】
第1中間セル用膜電極430は、第1中間セル用アノード側触媒層434、第1中間セル用電解質膜435および第1中間セル用カソード側触媒層436を含む。
【0091】
第1中間セル用アノード側触媒層434は、白金等の触媒、その触媒を担持するカーボンおよびそのカーボンを被覆するアイオノマーで形成されている。また、第1中間セル用アノード側触媒層434は、積層方向Dsに、第1中間セル用アノード側多孔体420と対向している。
【0092】
第1中間セル用カソード側触媒層436は、白金等の触媒、その触媒を担持するカーボンおよびそのカーボンを被覆するアイオノマーで形成されている。
【0093】
第1中間セル用電解質膜435は、陽イオン交換膜であって、含水性を有する炭化フッ素系、炭化水素系等の高分子材料で形成されている。また、第1中間セル用電解質膜435は、積層方向Dsに、第1中間セル用アノード側触媒層434および第1中間セル用カソード側触媒層436にて挟まれている。
【0094】
第1中間セル用膜電極シール部431は、ゴム等で形成されている。また、第1中間セル用膜電極シール部431は、積層方向Dsと直交する方向に第1中間セル用膜電極430と接続されていることにより、第1中間セル用膜電極430を囲っている。さらに、第1中間セル用膜電極シール部431は、積層方向Dsに、第1中間セル用アノード側シール部421のうち第1中間セル用水素プレートシール部411とは反対側と接続されている。また、第1中間セル用膜電極シール部431は、水素用第3入口穴432および水素用第3出口穴433を含む。
【0095】
水素用第3入口穴432は、水素用第2入口穴422と連通している。
【0096】
水素用第3出口穴433は、水素用第2出口穴423と連通している。
【0097】
第1中間セル用カソード側拡散層44は、第1中間セル用カソード側多孔体440および第1中間セル用カソード側シール部441を有する。
【0098】
第1中間セル用カソード側多孔体440は、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン多孔質材および金属メッシュ、発砲金属等の金属多孔質材等で形成されている。このため、第1中間セル用カソード側多孔体440は、ガス透過性および電子伝導性を有する。また、第1中間セル用カソード側多孔体440は、積層方向Dsに、第1中間セル用カソード側触媒層436と対向している。
【0099】
第1中間セル用カソード側シール部441は、ゴム等で形成されている。また、第1中間セル用カソード側シール部441は、積層方向Dsと直交する方向に第1中間セル用カソード側多孔体440と接続されていることにより、第1中間セル用カソード側多孔体440を囲っている。さらに、第1中間セル用カソード側シール部441は、積層方向Dsに、第1中間セル用膜電極シール部431のうち第1中間セル用アノード側シール部421とは反対側と接続されている。また、第1中間セル用カソード側シール部441は、水素用第4入口穴442および水素用第4出口穴443を含む。
【0100】
水素用第4入口穴442は、水素用第3入口穴432と連通している。
【0101】
水素用第4出口穴443は、水素用第3出口穴433と連通している。
【0102】
第1中間セル用セパレータ45は、第1中間セル用酸化剤流路形成部450、第1中間セル用セパレータシール部451および第1中間セル用酸化剤流路454を有する。
【0103】
第1中間セル用酸化剤流路形成部450は、ステンレス鋼等の金属で形成されている。このため、第1中間セル用酸化剤流路形成部450の熱伝導率は、アノード冷却用流路形成部200の熱伝導率よりも小さくなっている。また、第1中間セル用酸化剤流路形成部450は、アノード冷却用流路形成部200と同じ形状に形成されている。このため、第1中間セル用酸化剤流路形成部450は、第1中間セル用第1底部461、第1中間セル用第1側部471、第1中間セル用第2底部462および第1中間セル用第2側部472を複数含む。
【0104】
第1中間セル用第1底部461、第1中間セル用第1側部471、第1中間セル用第2底部462および第1中間セル用第2側部472は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。また、第1中間セル用第1底部461、第1中間セル用第1側部471、第1中間セル用第2底部462および第1中間セル用第2側部472は、吸込方向Dvと平行な方向に延びる板状に形成されている。
【0105】
さらに、第1中間セル用第1底部461は、積層方向Dsに、第1中間セル用カソード側多孔体440と接続されている。
【0106】
第1中間セル用第1側部471は、第1中間セル用第1底部461に接続されている。また、第1中間セル用第1側部471は、積層方向Dsに対して傾斜している。
【0107】
第1中間セル用第2底部462は、第1中間セル用第1側部471のうち第1中間セル用第1底部461とは反対側に接続されている。
【0108】
第1中間セル用第2側部472は、第1中間セル用第2底部462のうち第1中間セル用第1側部471とは反対側および第1中間セル用第1底部461のうち第1中間セル用第1側部471とは反対側に接続されている。さらに、第1中間セル用第2側部472は、第1中間セル用第2底部462の中心を通るとともに積層方向Dsに延びる直線を中心として第1中間セル用第1側部471と対称となるように、傾斜している。
【0109】
第1中間セル用セパレータシール部451は、ゴム等で形成されている。また、第1中間セル用セパレータシール部451は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に、第1中間セル用第1底部461と接続されている。さらに、第1中間セル用セパレータシール部451は、積層方向Dsに、第1中間セル用カソード側シール部441のうち第1中間セル用膜電極シール部431とは反対側と接続されている。また、第1中間セル用セパレータシール部451は、水素用第5入口穴452および水素用第5出口穴453を有する。
【0110】
水素用第5入口穴452は、水素用第4入口穴442と連通している。
【0111】
水素用第5出口穴453は、水素用第4出口穴443と連通している。
【0112】
第1中間セル用酸化剤流路454は、第1中間セル用第1底部461、第1中間セル用第1側部471および第1中間セル用第2側部472によって区画される空間である。また、第1中間セル用酸化剤流路454は、第1中間セル用第2底部462、第1中間セル用第1側部471および第1中間セル用第2側部472によって区画される空間である。さらに、第1中間セル用酸化剤流路454は、第1中間セル用第1底部461、第1中間セル用第1側部471および第1中間セル用セパレータシール部451によって区画される空間である。また、第1中間セル用酸化剤流路454は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。
【0113】
さらに、第1中間セル用酸化剤流路454を流れる空気と第1中間セル用酸化剤流路形成部450との熱伝達率は、アノード冷却流路240を流れる空気とアノード冷却用流路形成部200との熱伝達率よりも低くなっている。
【0114】
第2中間セル50は、第1中間セル40の上に積層されている。また、第2中間セル50は、アノードセル30と同様に、形成されている。具体的には、第2中間セル50は、
図2、
図3および
図7に示すように、第2中間セル用水素プレート51および第2中間セル用アノード側拡散層52を備える。また、第2中間セル50は、第2中間セル用膜電極接合体53、第2中間セル用カソード側拡散層54および第2中間セル用セパレータ55を備える。
【0115】
第2中間セル用水素プレート51は、第2中間セル用水素流路形成部510、第2中間セル用水素流路514、第2中間セル用水素プレートシール部511、水素用第6入口穴512および水素用第6出口穴513を有する。
【0116】
第2中間セル用水素流路形成部510は、ステンレス鋼等で板状に形成されている。また、第2中間セル用水素流路形成部510には、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に延びる複数の凹部が形成されている。これらの凹部は、吸込方向Dvに並列している。
【0117】
第2中間セル用水素流路514は、第2中間セル用水素流路形成部510の凹部によって形成される空間である。また、これらの凹部が吸込方向Dvに並列しているため、複数の第2中間セル用水素流路514は、吸込方向Dvに並列している。
【0118】
第2中間セル用水素プレートシール部511は、ゴム等で形成されている。また、第2中間セル用水素プレートシール部511は、積層方向Dsと直交する方向に第2中間セル用水素流路形成部510と接続されていることにより、第2中間セル用水素流路形成部510を囲っている。
【0119】
水素用第6入口穴512は、第2中間セル用水素プレートシール部511および第2中間セル用水素流路形成部510の間に形成される空間である。また、水素用第6入口穴512は、水素用第5入口穴452および第2中間セル用水素流路514と連通している。
【0120】
水素用第6出口穴513は、第2中間セル用水素プレートシール部511および第2中間セル用水素流路形成部510の間に形成される空間である。また、水素用第6出口穴513は、水素用第5出口穴453および第2中間セル用水素流路514と連通している。
【0121】
第2中間セル用アノード側拡散層52は、第2中間セル用アノード側多孔体520および第2中間セル用アノード側シール部521を有する。
【0122】
第2中間セル用アノード側多孔体520は、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン多孔質材および金属メッシュ、発砲金属等の金属多孔質材等で形成されている。このため、第2中間セル用アノード側多孔体520は、ガス透過性および電子伝導性を有する。また、第2中間セル用アノード側多孔体520の開孔は、第2中間セル用水素流路514と連通している。
【0123】
第2中間セル用アノード側シール部521は、ゴム等で形成されている。また、第2中間セル用アノード側シール部521は、積層方向Dsと直交する方向に第2中間セル用アノード側多孔体520と接続されていることにより、第2中間セル用アノード側多孔体520を囲っている。さらに、第2中間セル用アノード側シール部521は、積層方向Dsに、第2中間セル用水素プレートシール部511と接続されている。また、第2中間セル用アノード側シール部521は、水素用第7入口穴522および水素用第7出口穴523を含む。
【0124】
水素用第7入口穴522は、水素用第6入口穴512と連通している。
【0125】
水素用第7出口穴523は、水素用第6出口穴513と連通している。
【0126】
第2中間セル用膜電極接合体53は、第2中間セル用膜電極530および第2中間セル用膜電極シール部531を有する。
【0127】
第2中間セル用膜電極530は、第2中間セル用アノード側触媒層534、第2中間セル用電解質膜535および第2中間セル用カソード側触媒層536を含む。
【0128】
第2中間セル用アノード側触媒層534は、白金等の触媒、その触媒を担持するカーボンおよびそのカーボンを被覆するアイオノマーで形成されている。また、第2中間セル用アノード側触媒層534は、積層方向Dsに、第2中間セル用アノード側多孔体520と対向している。
【0129】
第2中間セル用カソード側触媒層536は、白金等の触媒、その触媒を担持するカーボンおよびそのカーボンを被覆するアイオノマーで形成されている。
【0130】
第2中間セル用電解質膜535は、陽イオン交換膜であって、含水性を有する炭化フッ素系、炭化水素系等の高分子材料で形成されている。また、第2中間セル用電解質膜535は、積層方向Dsに、第2中間セル用アノード側触媒層534および第2中間セル用カソード側触媒層536にて挟まれている。
【0131】
第2中間セル用膜電極シール部531は、ゴム等で形成されている。また、第2中間セル用膜電極シール部531は、積層方向Dsと直交する方向に第2中間セル用膜電極530と接続されていることにより、第2中間セル用膜電極530を囲っている。さらに、第2中間セル用膜電極シール部531は、積層方向Dsに、第2中間セル用アノード側シール部521のうち第2中間セル用水素プレートシール部511とは反対側と接続されている。また、第2中間セル用膜電極シール部531は、水素用第8入口穴532および水素用第8出口穴533を含む。
【0132】
水素用第8入口穴532は、水素用第7入口穴522と連通している。
【0133】
水素用第8出口穴533は、水素用第7出口穴523と連通している。
【0134】
第2中間セル用カソード側拡散層54は、第2中間セル用カソード側多孔体540および第2中間セル用カソード側シール部541を有する。
【0135】
第2中間セル用カソード側多孔体540は、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン多孔質材および金属メッシュ、発砲金属等の金属多孔質材等で形成されている。このため、第2中間セル用カソード側多孔体540は、ガス透過性および電子伝導性を有する。また、第2中間セル用カソード側多孔体540は、積層方向Dsに、第2中間セル用カソード側触媒層536と対向している。
【0136】
第2中間セル用カソード側シール部541は、ゴム等で形成されている。また、第2中間セル用カソード側シール部541は、積層方向Dsと直交する方向に第2中間セル用カソード側多孔体540と接続されていることにより、第2中間セル用カソード側多孔体540を囲っている。さらに、第2中間セル用カソード側シール部541は、積層方向Dsに、第2中間セル用膜電極シール部531のうち第2中間セル用アノード側シール部521とは反対側と接続されている。また、第2中間セル用カソード側シール部541は、水素用第9入口穴542および水素用第9出口穴543を含む。
【0137】
水素用第9入口穴542は、水素用第8入口穴532と連通している。
【0138】
水素用第9出口穴543は、水素用第8出口穴533と連通している。
【0139】
第2中間セル用セパレータ55は、第2中間セル用酸化剤流路形成部550、第2中間セル用セパレータシール部551および第2中間セル用酸化剤流路554を有する。
【0140】
第2中間セル用酸化剤流路形成部550は、ステンレス鋼等の金属で形成されている。このため、第2中間セル用酸化剤流路形成部550の熱伝導率は、アノード冷却用流路形成部200の熱伝導率よりも小さくなっている。また、第2中間セル用酸化剤流路形成部550は、アノード冷却用流路形成部200と同じ形状に形成されている。このため、第2中間セル用酸化剤流路形成部550は、第2中間セル用第1底部561、第2中間セル用第1側部571、第2中間セル用第2底部562および第2中間セル用第2側部572を複数含む。
【0141】
第2中間セル用第1底部561、第2中間セル用第1側部571、第2中間セル用第2底部562および第2中間セル用第2側部572は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。また、第2中間セル用第1底部561、第2中間セル用第1側部571、第2中間セル用第2底部562および第2中間セル用第2側部572は、吸込方向Dvと平行な方向に延びる板状に形成されている。
【0142】
さらに、第2中間セル用第1底部561は、積層方向Dsに、第2中間セル用カソード側多孔体540と接続されている。
【0143】
第2中間セル用第1側部571は、第2中間セル用第1底部561に接続されている。また、第2中間セル用第1側部571は、積層方向Dsに対して傾斜している。
【0144】
第2中間セル用第2底部562は、第2中間セル用第1側部571のうち第2中間セル用第1底部561とは反対側に接続されている。
【0145】
第2中間セル用第2側部572は、第2中間セル用第2底部562のうち第2中間セル用第1側部571とは反対側および第2中間セル用第1底部561のうち第2中間セル用第1側部571とは反対側に接続されている。さらに、第2中間セル用第2側部572は、第2中間セル用第2底部562の中心を通るとともに積層方向Dsに延びる直線を中心として第2中間セル用第1側部571と対称となるように、傾斜している。
【0146】
第2中間セル用セパレータシール部551は、ゴム等で形成されている。また、第2中間セル用セパレータシール部551は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に、第2中間セル用第1底部561と接続されている。さらに、第2中間セル用セパレータシール部551は、積層方向Dsに、第2中間セル用カソード側シール部541のうち第2中間セル用膜電極シール部531とは反対側と接続されている。また、第2中間セル用セパレータシール部551は、水素用第10入口穴552および水素用第10出口穴553を有する。
【0147】
水素用第10入口穴552は、水素用第9入口穴542と連通している。
【0148】
水素用第10出口穴553は、水素用第9出口穴543と連通している。
【0149】
第2中間セル用酸化剤流路554は、第2中間セル用第1底部561、第2中間セル用第1側部571および第2中間セル用第2側部572によって区画される空間である。また、第2中間セル用酸化剤流路554は、第2中間セル用第2底部562、第2中間セル用第1側部571および第2中間セル用第2側部572によって区画される空間である。さらに、第2中間セル用酸化剤流路554は、第2中間セル用第1底部561、第2中間セル用第1側部571および第2中間セル用セパレータシール部551によって区画される空間である。また、第2中間セル用酸化剤流路554は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。
【0150】
さらに、第2中間セル用酸化剤流路554を流れる空気と第2中間セル用酸化剤流路形成部550との熱伝達率は、アノード冷却流路240を流れる空気とアノード冷却用流路形成部200との熱伝達率よりも低くなっている。
【0151】
第3中間セル60は、第2中間セル50の上に積層されている。また、第3中間セル60は、アノードセル30と同様に、形成されている。具体的には、第3中間セル60は、
図2、
図3および
図8に示すように、第3中間セル用水素プレート61および第3中間セル用アノード側拡散層62を備える。また、第3中間セル60は、第3中間セル用膜電極接合体63、第3中間セル用カソード側拡散層64および第3中間セル用セパレータ65を備える。
【0152】
第3中間セル用水素プレート61は、第3中間セル用水素流路形成部610、第3中間セル用水素流路614、第3中間セル用水素プレートシール部611、水素用第11入口穴612および水素用第11出口穴613を有する。
【0153】
第3中間セル用水素流路形成部610は、ステンレス鋼等で板状に形成されている。また、第3中間セル用水素流路形成部610には、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に延びる複数の凹部が形成されている。これらの凹部は、吸込方向Dvに並列している。
【0154】
第3中間セル用水素流路614は、第3中間セル用水素流路形成部610の凹部によって形成される空間である。また、これらの凹部が吸込方向Dvに並列しているため、複数の第3中間セル用水素流路614は、吸込方向Dvに並列している。
【0155】
第3中間セル用水素プレートシール部611は、ゴム等で形成されている。また、第3中間セル用水素プレートシール部611は、積層方向Dsと直交する方向に第3中間セル用水素流路形成部610と接続されていることにより、第3中間セル用水素流路形成部610を囲っている。
【0156】
水素用第11入口穴612は、第3中間セル用水素プレートシール部611および第3中間セル用水素流路形成部610の間に形成される空間である。また、水素用第11入口穴612は、水素用第10入口穴552および第3中間セル用水素流路614と連通している。
【0157】
水素用第11出口穴613は、第1中間セル用水素プレートシール部411および第1中間セル用水素流路形成部410の間に形成される空間である。また、水素用第11出口穴613は、水素用第10出口穴553および第3中間セル用水素流路614と連通している。
【0158】
第3中間セル用アノード側拡散層62は、第3中間セル用アノード側多孔体620および第3中間セル用アノード側シール部621を有する。
【0159】
第3中間セル用アノード側多孔体620は、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン多孔質材および金属メッシュ、発砲金属等の金属多孔質材等で形成されている。このため、第3中間セル用アノード側多孔体620は、ガス透過性および電子伝導性を有する。また、第3中間セル用アノード側多孔体620の開孔は、第3中間セル用水素流路614と連通している。
【0160】
第3中間セル用アノード側シール部621は、ゴム等で形成されている。また、第3中間セル用アノード側シール部621は、積層方向Dsと直交する方向に第3中間セル用アノード側多孔体620と接続されていることにより、第3中間セル用アノード側多孔体620を囲っている。さらに、第3中間セル用アノード側シール部621は、積層方向Dsに、第3中間セル用水素プレートシール部611と接続されている。また、第3中間セル用アノード側シール部621は、水素用第12入口穴622および水素用第12出口穴623を含む。
【0161】
水素用第12入口穴622は、水素用第11入口穴612と連通している。
【0162】
水素用第12出口穴623は、水素用第11出口穴613と連通している。
【0163】
第3中間セル用膜電極接合体63は、第3中間セル用膜電極630および第3中間セル用膜電極シール部631を有する。
【0164】
第3中間セル用膜電極630は、第3中間セル用アノード側触媒層634、第3中間セル用電解質膜635および第3中間セル用カソード側触媒層636を含む。
【0165】
第3中間セル用アノード側触媒層634は、白金等の触媒、その触媒を担持するカーボンおよびそのカーボンを被覆するアイオノマーで形成されている。また、第3中間セル用アノード側触媒層634は、積層方向Dsに、第3中間セル用アノード側多孔体620と対向している。
【0166】
第3中間セル用カソード側触媒層636は、白金等の触媒、その触媒を担持するカーボンおよびそのカーボンを被覆するアイオノマーで形成されている。
【0167】
第3中間セル用電解質膜635は、陽イオン交換膜であって、含水性を有する炭化フッ素系、炭化水素系等の高分子材料で形成されている。また、第3中間セル用電解質膜635は、積層方向Dsに、第3中間セル用アノード側触媒層634および第3中間セル用カソード側触媒層636にて挟まれている。
【0168】
第3中間セル用膜電極シール部631は、ゴム等で形成されている。また、第3中間セル用膜電極シール部631は、積層方向Dsと直交する方向に第3中間セル用膜電極630と接続されていることにより、第3中間セル用膜電極630を囲っている。さらに、第3中間セル用膜電極シール部631は、積層方向Dsに、第3中間セル用アノード側シール部621のうち第3中間セル用水素プレートシール部611とは反対側と接続されている。また、第3中間セル用膜電極シール部631は、水素用第13入口穴632および水素用第13出口穴633を含む。
【0169】
水素用第13入口穴632は、水素用第12入口穴622と連通している。
【0170】
水素用第13出口穴633は、水素用第12出口穴623と連通している。
【0171】
第3中間セル用カソード側拡散層64は、第3中間セル用カソード側多孔体640および第3中間セル用カソード側シール部641を有する。
【0172】
第3中間セル用カソード側多孔体640は、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン多孔質材および金属メッシュ、発砲金属等の金属多孔質材等で形成されている。このため、第3中間セル用カソード側多孔体640は、ガス透過性および電子伝導性を有する。また、第3中間セル用カソード側多孔体640は、積層方向Dsに、第3中間セル用カソード側触媒層636と対向している。
【0173】
第3中間セル用カソード側シール部641は、ゴム等で形成されている。また、第3中間セル用カソード側シール部641は、積層方向Dsと直交する方向に第3中間セル用カソード側多孔体640と接続されていることにより、第3中間セル用カソード側多孔体640を囲っている。さらに、第3中間セル用カソード側シール部641は、積層方向Dsに、第3中間セル用膜電極シール部631のうち第3中間セル用アノード側シール部621とは反対側と接続されている。また、第3中間セル用カソード側シール部641は、水素用第14入口穴642および水素用第14出口穴643を含む。
【0174】
水素用第14入口穴642は、水素用第13入口穴632と連通している。
【0175】
水素用第14出口穴643は、水素用第13出口穴633と連通している。
【0176】
第3中間セル用セパレータ65は、第3中間セル用酸化剤流路形成部650、第3中間セル用セパレータシール部651および第3中間セル用酸化剤流路654を有する。
【0177】
第3中間セル用酸化剤流路形成部650は、ステンレス鋼等の金属で形成されている。このため、第3中間セル用酸化剤流路形成部650の熱伝導率は、アノード冷却用流路形成部200の熱伝導率よりも小さくなっている。また、第3中間セル用酸化剤流路形成部650は、アノード冷却用流路形成部200と同じ形状に形成されている。このため、第3中間セル用酸化剤流路形成部650は、第3中間セル用第1底部661、第3中間セル用第1側部671、第3中間セル用第2底部662および第3中間セル用第2側部672を複数含む。
【0178】
第3中間セル用第1底部661、第3中間セル用第1側部671、第3中間セル用第2底部662および第3中間セル用第2側部672は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。また、第3中間セル用第1底部661、第3中間セル用第1側部671、第3中間セル用第2底部662および第3中間セル用第2側部672は、吸込方向Dvと平行な方向に延びる板状に形成されている。
【0179】
さらに、第1中間セル用第1底部461は、積層方向Dsに、第1中間セル用カソード側多孔体440と接続されている。
【0180】
第3中間セル用第1側部671は、第3中間セル用第1底部661に接続されている。また、第3中間セル用第1側部671は、積層方向Dsに対して傾斜している。
【0181】
第3中間セル用第2底部662は、第3中間セル用第1側部671のうち第3中間セル用第1底部661とは反対側に接続されている。
【0182】
第3中間セル用第2側部672は、第3中間セル用第2底部662のうち第3中間セル用第1側部671とは反対側および第3中間セル用第1底部661のうち第3中間セル用第1側部671とは反対側に接続されている。さらに、第3中間セル用第2側部672は、第3中間セル用第2底部662の中心を通るとともに積層方向Dsに延びる直線を中心として第3中間セル用第1側部671と対称となるように、傾斜している。
【0183】
第3中間セル用セパレータシール部651は、ゴム等で形成されている。また、第3中間セル用セパレータシール部651は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に、第3中間セル用第1底部661と接続されている。さらに、第3中間セル用セパレータシール部651は、積層方向Dsに、第3中間セル用カソード側シール部641のうち第3中間セル用膜電極シール部631とは反対側と接続されている。また、第3中間セル用セパレータシール部651は、水素用第15入口穴652および水素用第15出口穴653を有する。
【0184】
水素用第15入口穴652は、水素用第14入口穴642と連通している。
【0185】
水素用第15出口穴653は、水素用第14出口穴643と連通している。
【0186】
第3中間セル用酸化剤流路654は、第3中間セル用第1底部661、第3中間セル用第1側部671および第3中間セル用第2側部672によって区画される空間である。また、第3中間セル用酸化剤流路654は、第3中間セル用第2底部662、第3中間セル用第1側部671および第3中間セル用第2側部672によって区画される空間である。さらに、第3中間セル用酸化剤流路654は、第3中間セル用第1底部661、第3中間セル用第1側部671および第3中間セル用セパレータシール部651によって区画される空間である。また、第3中間セル用酸化剤流路654は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。
【0187】
さらに、第3中間セル用酸化剤流路654を流れる空気と第3中間セル用酸化剤流路形成部650との熱伝達率は、アノード冷却流路240を流れる空気とアノード冷却用流路形成部200との熱伝達率よりも低くなっている。
【0188】
カソードセル70は、第3中間セル60の上に積層されている。具体的には、カソードセル70は、
図2、
図3および
図9に示すように、カソードセル用水素プレート71およびカソードセル用アノード側拡散層72を備える。また、カソードセル70は、カソードセル用膜電極接合体73、カソードセル用カソード側拡散層74およびカソードセル用セパレータ75を備える。
【0189】
カソードセル用水素プレート71は、ステンレス鋼等で形成されている。また、カソードセル用水素プレート71は、カソードセル用水素流路形成部710、カソードセル用水素流路714、カソードセル用水素プレートシール部711、水素用第1カソードセル入口穴712および水素用第1カソードセル出口穴713を有する。
【0190】
カソードセル用水素流路形成部710は、燃料部に対応しており、板状に形成されている。また、カソードセル用水素流路形成部710には、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に延びる複数の凹部が形成されている。これらの凹部は、吸込方向Dvに並列している。
【0191】
カソードセル用水素流路714は、燃料流路に対応しており、カソードセル用水素流路形成部710の凹部によって形成される空間である。また、これらの凹部が吸込方向Dvに並列しているため、複数のカソードセル用水素流路714は、吸込方向Dvに並列している。
【0192】
カソードセル用水素プレートシール部711は、積層方向Dsと直交する方向にカソードセル用水素流路形成部710と接続されていることにより、カソードセル用水素流路形成部710を囲っている。また、カソードセル用水素プレートシール部711は、積層方向Dsに、第3中間セル用セパレータシール部651のうち第3中間セル用カソード側シール部641とは反対側と接続されている。
【0193】
水素用第1カソードセル入口穴712は、カソードセル用水素プレートシール部711およびカソードセル用水素流路形成部710の間に形成される空間である。また、水素用第1カソードセル入口穴712は、水素用第15入口穴652およびカソードセル用水素流路714と連通している。
【0194】
水素用第1カソードセル出口穴713は、カソードセル用水素プレートシール部711およびカソードセル用水素流路形成部710の間に形成される空間である。また、水素用第1カソードセル出口穴713は、水素用第15出口穴653およびカソードセル用水素流路714と連通している。
【0195】
カソードセル用アノード側拡散層72は、カソードセル用アノード側多孔体720およびカソードセル用アノード側シール部721を有する。
【0196】
カソードセル用アノード側多孔体720は、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン多孔質材および金属メッシュ、発砲金属等の金属多孔質材等で形成されている。このため、カソードセル用アノード側多孔体720は、ガス透過性および電子伝導性を有する。また、カソードセル用アノード側多孔体720の開孔は、カソードセル用水素流路714と連通している。
【0197】
カソードセル用アノード側シール部721は、ゴム等で形成されている。また、カソードセル用アノード側シール部721は、積層方向Dsと直交する方向にカソードセル用アノード側多孔体720と接続されていることにより、カソードセル用アノード側多孔体720を囲っている。さらに、カソードセル用アノード側シール部721は、積層方向Dsに、カソードセル用水素プレートシール部711と接続されている。また、カソードセル用アノード側シール部721は、水素用第2カソードセル入口穴722および水素用第2カソードセル出口穴723を含む。
【0198】
水素用第2カソードセル入口穴722は、水素用第1カソードセル入口穴712と連通している。
【0199】
水素用第2カソードセル出口穴723は、水素用第1カソードセル出口穴713と連通している。
【0200】
カソードセル用膜電極接合体73は、カソードセル用膜電極730およびカソードセル用膜電極シール部731を有する。
【0201】
カソードセル用膜電極730は、カソードセル用アノード側触媒層734、カソードセル用電解質膜735およびカソードセル用カソード側触媒層736を含む。
【0202】
カソードセル用アノード側触媒層734は、白金等の触媒、その触媒を担持するカーボンおよびそのカーボンを被覆するアイオノマーで形成されている。また、カソードセル用アノード側触媒層734は、積層方向Dsに、カソードセル用アノード側多孔体720と対向している。
【0203】
カソードセル用カソード側触媒層736は、白金等の触媒、その触媒を担持するカーボンおよびそのカーボンを被覆するアイオノマーで形成されている。
【0204】
カソードセル用電解質膜735は、陽イオン交換膜であって、含水性を有する炭化フッ素系、炭化水素系等の高分子材料で形成されている。また、カソードセル用電解質膜735は、積層方向Dsに、カソードセル用アノード側触媒層734およびカソードセル用カソード側触媒層736にて挟まれている。
【0205】
カソードセル用膜電極シール部731は、ゴム等で形成されている。また、カソードセル用膜電極シール部731は、積層方向Dsと直交する方向にカソードセル用膜電極730と接続されていることにより、カソードセル用膜電極730を囲っている。さらに、カソードセル用膜電極シール部731は、積層方向Dsに、カソードセル用アノード側シール部721のうちカソードセル用水素プレートシール部711とは反対側と接続されている。また、カソードセル用膜電極シール部731は、水素用第3カソードセル入口穴732および水素用第3カソードセル出口穴733を含む。
【0206】
水素用第3カソードセル入口穴732は、水素用第2カソードセル入口穴722と連通している。
【0207】
水素用第3カソードセル出口穴733は、水素用第2カソードセル出口穴723と連通している。
【0208】
カソードセル用カソード側拡散層74は、カソードセル用カソード側多孔体740およびカソードセル用カソード側シール部741を有する。
【0209】
カソードセル用カソード側多孔体740は、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン多孔質材および金属メッシュ、発砲金属等の金属多孔質材等で形成されている。このため、カソードセル用カソード側多孔体740は、ガス透過性および電子伝導性を有する。また、カソードセル用カソード側多孔体740は、積層方向Dsに、カソードセル用カソード側触媒層736と対向している。
【0210】
カソードセル用カソード側シール部741は、ゴム等で形成されている。また、カソードセル用カソード側シール部741は、積層方向Dsと直交する方向にカソードセル用カソード側多孔体740と接続されていることにより、カソードセル用カソード側多孔体740を囲っている。さらに、カソードセル用カソード側シール部741は、積層方向Dsに、カソードセル用膜電極シール部731のうちカソードセル用アノード側シール部721とは反対側と接続されている。また、カソードセル用カソード側シール部741は、水素用第4カソードセル入口穴742および水素用第4カソードセル出口穴743を含む。
【0211】
水素用第4カソードセル入口穴742は、水素用第3カソードセル入口穴732と連通している。
【0212】
水素用第4カソードセル出口穴743は、水素用第3カソードセル出口穴733と連通している。
【0213】
カソードセル用セパレータ75は、カソードセル用酸化剤流路形成部750、カソードセル用セパレータシール部751およびカソードセル用酸化剤流路754を有する。
【0214】
カソードセル用酸化剤流路形成部750は、酸化剤部に対応している。また、カソードセル用酸化剤流路形成部750は、チタン、銅等の金属で形成されている。このため、カソードセル用酸化剤流路形成部750の熱伝導率は、アノード冷却用流路形成部200の熱伝導率と同じになっている。さらに、カソードセル用酸化剤流路形成部750の熱伝導率は、アノードセル用酸化剤流路形成部350の熱伝導率および第1中間セル用酸化剤流路形成部450の熱伝導率よりも大きくなっている。また、カソードセル用酸化剤流路形成部750の熱伝導率は、第2中間セル用酸化剤流路形成部550の熱伝導率および第3中間セル用酸化剤流路形成部650の熱伝導率よりも大きくなっている。さらに、カソードセル用酸化剤流路形成部750は、アノード冷却用流路形成部200と同じ形状に形成されている。このため、カソードセル用酸化剤流路形成部750は、カソードセル用第1底部761、カソードセル用第1側部771、カソードセル用第2底部762およびカソードセル用第2側部772を複数含む。
【0215】
カソードセル用第1底部761、カソードセル用第1側部771、カソードセル用第2底部762およびカソードセル用第2側部772は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。また、カソードセル用第1底部761、カソードセル用第1側部771、カソードセル用第2底部762およびカソードセル用第2側部772は、吸込方向Dvと平行な方向に延びる板状に形成されている。
【0216】
さらに、カソードセル用第1底部761は、積層方向Dsに、カソードセル用カソード側多孔体740と接続されている。
【0217】
カソードセル用第1側部771は、カソードセル用第1底部761に接続されている。また、カソードセル用第1側部771は、積層方向Dsに対して傾斜している。
【0218】
カソードセル用第2底部762は、カソードセル用第1側部771のうちカソードセル用第1底部761とは反対側に接続されている。
【0219】
カソードセル用第2側部772は、カソードセル用第2底部762のうちカソードセル用第1側部771とは反対側およびカソードセル用第1底部761のうちカソードセル用第1側部771とは反対側に接続されている。さらに、カソードセル用第2側部772は、カソードセル用第2底部762の中心を通るとともに積層方向Dsに延びる直線を中心としてカソードセル用第1側部771と対称となるように、傾斜している。
【0220】
カソードセル用セパレータシール部751は、ゴム等で形成されている。また、カソードセル用セパレータシール部751は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に、カソードセル用第1底部761と接続されている。さらに、カソードセル用セパレータシール部751は、積層方向Dsに、カソードセル用カソード側シール部741のうちカソードセル用膜電極シール部731とは反対側と接続されている。また、カソードセル用セパレータシール部751は、水素用第5カソードセル入口穴752および水素用第5カソードセル出口穴753を有する。
【0221】
水素用第5カソードセル入口穴752は、水素用第4カソードセル入口穴742と連通している。
【0222】
水素用第5カソードセル出口穴753は、水素用第4カソードセル出口穴743と連通している。
【0223】
カソードセル用酸化剤流路754は、カソードセル用第1底部761、カソードセル用第1側部771およびカソードセル用第2側部772によって区画される空間である。また、カソードセル用酸化剤流路754は、カソードセル用第2底部762、カソードセル用第1側部771およびカソードセル用第2側部772によって区画される空間である。さらに、カソードセル用酸化剤流路754は、カソードセル用第1底部761、カソードセル用第1側部771およびカソードセル用セパレータシール部751によって区画される空間である。また、カソードセル用酸化剤流路754は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。
【0224】
さらに、カソードセル用酸化剤流路754を流れる空気とカソードセル用酸化剤流路形成部750との熱伝達率は、アノード冷却流路240を流れる空気とアノード冷却用流路形成部200との熱伝達率と同じになっている。このため、カソードセル用酸化剤流路754を流れる空気とカソードセル用酸化剤流路形成部750との熱伝達率は、アノードセル用酸化剤流路354を流れる空気とアノードセル用酸化剤流路形成部350との熱伝達率よりも高くなっている。さらに、カソードセル用酸化剤流路754を流れる空気とカソードセル用酸化剤流路形成部750との熱伝達率は、第1中間セル用酸化剤流路454を流れる空気と第1中間セル用酸化剤流路形成部450との熱伝達率よりも高くなっている。また、カソードセル用酸化剤流路754を流れる空気とカソードセル用酸化剤流路形成部750との熱伝達率は、第2中間セル用酸化剤流路554を流れる空気と第2中間セル用酸化剤流路形成部550との熱伝達率よりも高くなっている。さらに、カソードセル用酸化剤流路754を流れる空気とカソードセル用酸化剤流路形成部750との熱伝達率は、第3中間セル用酸化剤流路654を流れる空気と第3中間セル用酸化剤流路形成部650との熱伝達率よりも高くなっている。
【0225】
カソードターミナル85は、燃料電池5の正極である。また、カソードターミナル85は、金属等で板状に形成されている。さらに、カソードターミナル85は、積層方向Dsに、カソードセル用セパレータシール部751と接続されている。
【0226】
カソード拘束プレート90は、カソード拘束部に対応しており、電気絶縁性を有する樹脂等で板状に形成されている。また、カソード拘束プレート90は、カソードターミナル85のうちカソードセル用セパレータ75とは反対側に接続されている。さらに、積層方向Dsと直交する方向において、カソード拘束プレート90の長さは、カソードターミナル85の長さよりも大きい。このため、カソード拘束プレート90は、カソードターミナル85から積層方向Dsと直交する方向に突き出ている。また、カソード拘束プレート90の図示しない穴およびアノード拘束プレート10の図示しない穴に図示しないボルトが挿入されている。これにより、カソード拘束プレート90およびアノード拘束プレート10の間にて、アノードターミナル15、アノード冷却プレート20、アノードセル30が拘束されている。また、カソード拘束プレート90およびアノード拘束プレート10の間にて、第1中間セル40、第2中間セル50、第3中間セル60、カソードセル70、カソードターミナル85が拘束されている。
【0227】
以上のように、燃料電池システム1は、構成されている。
【0228】
次に、燃料電池5による発電について説明する。
【0229】
水素が図示しない水素タンクから水素入口管2内、水素用アノード拘束入口穴101、水素用アノードターミナル入口穴151、水素用アノード冷却プレート入口穴222および水素用第1アノードセル入口穴312を流れる。
【0230】
水素用第1アノードセル入口穴312を流れた水素の一部は、アノードセル用水素流路314およびアノードセル用アノード側多孔体320の開孔を流れる。また、水素用第1アノードセル入口穴312を流れた水素の一部は、水素用第2アノードセル入口穴322、水素用第3アノードセル入口穴332、水素用第4アノードセル入口穴342、水素用第5アノードセル入口穴352、水素用第1入口穴412を流れる。
【0231】
水素用第1入口穴412を流れた水素の一部は、第1中間セル用水素流路414および第1中間セル用アノード側多孔体420の開孔を流れる。さらに、水素用第1入口穴412を流れた水素の一部は、水素用第2入口穴422,水素用第3入口穴432、水素用第4入口穴442、水素用第5入口穴452および水素用第6入口穴512を流れる。
【0232】
水素用第6入口穴512を流れた水素の一部は、第2中間セル用水素流路514および第2中間セル用アノード側多孔体520の開孔を流れる。また、水素用第6入口穴512を流れた水素の一部は、水素用第7入口穴522,水素用第8入口穴532、水素用第9入口穴542、水素用第10入口穴552および水素用第11入口穴612を流れる。
【0233】
水素用第11入口穴612を流れた水素の一部は、第3中間セル用水素流路614および第3中間セル用アノード側多孔体620の開孔を流れる。さらに、水素用第11入口穴612を流れた水素の一部は、水素用第12入口穴622,水素用第13入口穴632、水素用第14入口穴642、水素用第15入口穴652および水素用第1カソードセル入口穴712を流れる。
【0234】
水素用第1カソードセル入口穴712を流れた水素の一部は、カソードセル用水素流路714およびカソードセル用アノード側多孔体720の開孔を流れる。
【0235】
また、ファン4が空気を吸い込むことによって、空気がアノードセル用酸化剤流路354、第1中間セル用酸化剤流路454、第2中間セル用酸化剤流路554、第3中間セル用酸化剤流路654およびカソードセル用酸化剤流路754を流れる。アノードセル用酸化剤流路354を流れた空気の一部は、アノードセル用カソード側多孔体340の開孔を流れる。第1中間セル用酸化剤流路454を流れた空気の一部は、第1中間セル用カソード側多孔体440の開孔を流れる。第2中間セル用酸化剤流路554を流れた空気の一部は、第2中間セル用カソード側多孔体540の開孔を流れる。第3中間セル用酸化剤流路654を流れた空気の一部は、第3中間セル用カソード側多孔体640の開孔を流れる。カソードセル用酸化剤流路754を流れた空気の一部は、カソードセル用カソード側多孔体740の開孔を流れる。
【0236】
そして、このとき、アノードセル用アノード側多孔体320の開孔を流れた水素は、以下化学反応式(1)に示すように、アノードセル用アノード側触媒層334の触媒によって、水素イオンと電子とに分解される。この化学反応によって生じた水素イオンは、
図10に示すように、アノードセル用電解質膜335を透過してアノードセル用カソード側触媒層336に移動する。また、この化学反応によって生じた電子は、アノードセル用カソード側触媒層336に移動する。これにより、電気エネルギが発生する。さらに、アノードセル用アノード側触媒層334、アノードセル用電解質膜335およびアノードセル用カソード側触媒層336を含むアノードセル用膜電極接合体33に熱が発生する。この発生した熱は、アノードセル用カソード側触媒層336を経由してアノードセル用セパレータ35のアノードセル用酸化剤流路形成部350に伝わる。
【0237】
また、アノードセル用カソード側多孔体340の開孔を流れた空気に含まれる酸素は、以下化学反応式(2)に示すように、アノードセル用カソード側触媒層336の触媒によって、アノードセル用カソード側触媒層336に移動した水素イオンと電子と結合する。これにより、アノードセル用カソード側多孔体340の開孔を流れた空気に含まれる酸素は、水になる。
【0238】
(アノード)H2→2H++2e- ・・・(1)
(カソード)2H++1/2O2+2e-→H2O ・・・(2)
【0239】
さらに、この生成された水の一部は、アノードセル用カソード側多孔体340の開孔を流れる。アノードセル用カソード側多孔体340の開孔を流れた水は、アノードセル用酸化剤流路354を流れる未反応の空気とともに、ファン4によって吸い込まれる。また、このとき、アノードセル用酸化剤流路形成部350は、アノードセル用膜電極接合体33からアノードセル用酸化剤流路形成部350に伝導した熱を、アノードセル用酸化剤流路354を流れる空気に放散する。これにより、アノードセル30は、冷却される。
【0240】
さらに、この生成された水の一部は、アノードセル用電解質膜335およびアノードセル用アノード側触媒層334を通過してアノードセル用アノード側多孔体320の開孔を流れる。アノードセル用アノード側多孔体320の開孔を流れた水は、アノードセル用水素流路314を流れる未反応の水素とともに水素用第1アノードセル出口穴313を流れる。そして、水素用第1アノードセル出口穴313を流れた水および未反応の水素は、水素用アノード冷却プレート出口穴223、水素用アノードターミナル出口穴152、水素用アノード拘束出口穴102および水素出口管3内を流れることにより、排出される。
【0241】
また、第1中間セル用アノード側多孔体420の開孔を流れた水素は、上記化学反応式(1)に示すように、第1中間セル用アノード側触媒層434の触媒によって、水素イオンと電子とに分解される。この化学反応によって生じた水素イオンは、第1中間セル用電解質膜435を透過して第1中間セル用カソード側触媒層436に移動する。また、この化学反応によって生じた電子は、第1中間セル用カソード側触媒層436に移動する。これにより、電気エネルギが発生する。さらに、第1中間セル用アノード側触媒層434、第1中間セル用電解質膜435および第1中間セル用カソード側触媒層436を含む第1中間セル用膜電極接合体43に熱が発生する。この発生した熱は、第1中間セル用カソード側触媒層436を経由して第1中間セル用セパレータ45の第1中間セル用酸化剤流路形成部450に伝わる。
【0242】
また、第1中間セル用カソード側多孔体440の開孔を流れた空気に含まれる酸素は、上記化学反応式(2)に示すように、第1中間セル用カソード側触媒層436の触媒によって、第1中間セル用カソード側触媒層436に移動した水素イオンと電子と結合する。これにより、第1中間セル用カソード側多孔体440の開孔を流れた空気に含まれる酸素は、水になる。
【0243】
さらに、この生成された水の一部は、第1中間セル用カソード側多孔体440の開孔を流れる。第1中間セル用カソード側多孔体440の開孔を流れた水は、第1中間セル用酸化剤流路454を流れる未反応の空気とともに、ファン4によって吸い込まれる。また、このとき、第1中間セル用酸化剤流路形成部450は、第1中間セル用膜電極接合体43から第1中間セル用酸化剤流路形成部450に伝導した熱を、第1中間セル用酸化剤流路454を流れる空気に放散する。これにより、第1中間セル40は、冷却される。
【0244】
さらに、この生成された水の一部は、第1中間セル用電解質膜435および第1中間セル用アノード側触媒層434を通過して第1中間セル用アノード側多孔体420の開孔を流れる。第1中間セル用アノード側多孔体420の開孔を流れた水は、第1中間セル用水素流路414を流れる未反応の水素とともに水素用第1出口穴413を流れる。水素用第1出口穴413を流れた水および未反応の水素は、水素用第5アノードセル出口穴353、水素用第4アノードセル出口穴343、水素用第3アノードセル出口穴333、水素用第2アノードセル出口穴323を流れる。また、水素用第2アノードセル出口穴323を流れた水および未反応の水素は、水素用第1アノードセル出口穴313に流れる。そして、水素用第1アノードセル出口穴313を流れた水および未反応の水素は、水素用アノード冷却プレート出口穴223、水素用アノードターミナル出口穴152、水素用アノード拘束出口穴102および水素出口管3内を流れることにより、排出される。
【0245】
また、第2中間セル用アノード側多孔体520の開孔を流れた水素は、上記化学反応式(1)に示すように、第2中間セル用アノード側触媒層534の触媒によって、水素イオンと電子とに分解される。この化学反応によって生じた水素イオンは、第2中間セル用電解質膜535を透過して第2中間セル用カソード側触媒層536に移動する。また、この化学反応によって生じた電子は、第2中間セル用カソード側触媒層536に移動する。これにより、電気エネルギが発生する。さらに、第2中間セル用アノード側触媒層534、第2中間セル用電解質膜535および第2中間セル用カソード側触媒層536を含む第2中間セル用膜電極接合体53に熱が発生する。この発生した熱は、第2中間セル用カソード側触媒層536を経由して第2中間セル用セパレータ55の第2中間セル用酸化剤流路形成部550に伝わる。
【0246】
また、第2中間セル用カソード側多孔体540の開孔を流れた空気に含まれる酸素は、上記化学反応式(2)に示すように、第2中間セル用カソード側触媒層536の触媒によって、第2中間セル用カソード側触媒層536に移動した水素イオンと電子と結合する。これにより、第2中間セル用カソード側多孔体540の開孔を流れた空気に含まれる酸素は、水になる。
【0247】
さらに、この生成された水の一部は、第2中間セル用カソード側多孔体540の開孔を流れる。第2中間セル用カソード側多孔体540の開孔を流れた水は、第2中間セル用酸化剤流路554を流れる未反応の空気とともに、ファン4によって吸い込まれる。また、このとき、第2中間セル用酸化剤流路形成部550は、第2中間セル用膜電極接合体53から第2中間セル用酸化剤流路形成部550に伝導した熱を、第2中間セル用酸化剤流路554を流れる空気に放散する。これにより、第2中間セル50は、冷却される。
【0248】
さらに、この生成された水の一部は、第2中間セル用電解質膜535および第2中間セル用アノード側触媒層534を通過して第2中間セル用アノード側多孔体520の開孔を流れる。第2中間セル用アノード側多孔体520の開孔を流れた水は、第2中間セル用水素流路514を流れる未反応の水素とともに水素用第6出口穴513を流れる。水素用第6出口穴513を流れた水および未反応の水素は、水素用第5出口穴453、水素用第4出口穴443、水素用第3出口穴433、水素用第2出口穴423および水素用第1出口穴413を流れる。水素用第1出口穴413を流れた水および未反応の水素は、上記と同様に、水素用第1アノードセル出口穴313に流れる。そして、水素用第1アノードセル出口穴313を流れた水および未反応の水素は、水素用アノード冷却プレート出口穴223、水素用アノードターミナル出口穴152、水素用アノード拘束出口穴102および水素出口管3内を流れることにより、排出される。
【0249】
また、第3中間セル用アノード側多孔体620の開孔を流れた水素は、上記化学反応式(1)に示すように、第3中間セル用アノード側触媒層634の触媒によって、水素イオンと電子とに分解される。この化学反応によって生じた水素イオンは、第3中間セル用電解質膜635を透過して第3中間セル用カソード側触媒層636に移動する。また、この化学反応によって生じた電子は、第3中間セル用カソード側触媒層636に移動する。これにより、電気エネルギが発生する。さらに、第3中間セル用アノード側触媒層634、第3中間セル用電解質膜635および第3中間セル用カソード側触媒層636を含む第3中間セル用膜電極接合体63に熱が発生する。この発生した熱は、第3中間セル用カソード側触媒層636を経由して第3中間セル用セパレータ65の第3中間セル用酸化剤流路形成部650に伝わる。
【0250】
また、第3中間セル用カソード側多孔体640の開孔を流れた空気に含まれる酸素は、上記化学反応式(2)に示すように、第3中間セル用カソード側触媒層636の触媒によって、第3中間セル用カソード側触媒層636に移動した水素イオンと電子と結合する。これにより、第3中間セル用カソード側多孔体640の開孔を流れた空気に含まれる酸素は、水になる。
【0251】
さらに、この生成された水の一部は、第3中間セル用カソード側多孔体640の開孔を流れる。第3中間セル用カソード側多孔体640の開孔を流れた水は、第3中間セル用酸化剤流路654を流れる未反応の空気とともに、ファン4によって吸い込まれる。また、このとき、第3中間セル用酸化剤流路形成部650は、第3中間セル用膜電極接合体63から第3中間セル用酸化剤流路形成部650に伝導した熱を、第3中間セル用酸化剤流路654を流れる空気に放散する。これにより、第3中間セル60は、冷却される。
【0252】
さらに、この生成された水の一部は、第3中間セル用電解質膜635および第3中間セル用アノード側触媒層634を通過して第3中間セル用アノード側多孔体620の開孔を流れる。第3中間セル用アノード側多孔体620の開孔を流れた水は、第3中間セル用水素流路614を流れる未反応の水素とともに水素用第11出口穴613を流れる。水素用第11出口穴613を流れた水および未反応の水素は、水素用第10出口穴553、水素用第9出口穴543、水素用第8出口穴533、水素用第7出口穴523および水素用第6出口穴513を流れる。水素用第6出口穴513を流れた水および未反応の水素は、上記と同様に、水素用第1アノードセル出口穴313に流れる。そして、水素用第1アノードセル出口穴313を流れた水および未反応の水素は、水素用アノード冷却プレート出口穴223、水素用アノードターミナル出口穴152、水素用アノード拘束出口穴102および水素出口管3内を流れることにより、排出される。
【0253】
また、カソードセル用アノード側多孔体720の開孔を流れた水素は、上記化学反応式(1)に示すように、カソードセル用アノード側触媒層734の触媒によって、水素イオンと電子とに分解される。この化学反応によって生じた水素イオンは、カソードセル用電解質膜735を透過してカソードセル用カソード側触媒層736に移動する。また、この化学反応によって生じた電子は、カソードセル用カソード側触媒層736に移動する。これにより、電気エネルギが発生する。さらに、カソードセル用アノード側触媒層734、カソードセル用電解質膜735およびカソードセル用カソード側触媒層736を含むカソードセル用膜電極接合体73に熱が発生する。この発生した熱は、カソードセル用カソード側触媒層736を経由してカソードセル用セパレータ75のカソードセル用酸化剤流路形成部750に伝わる。
【0254】
また、カソードセル用カソード側多孔体740の開孔を流れた空気に含まれる酸素は、上記化学反応式(2)に示すように、カソードセル用カソード側触媒層736の触媒によって、カソードセル用カソード側触媒層736に移動した水素イオンと電子と結合する。これにより、カソードセル用カソード側多孔体740の開孔を流れた空気に含まれる酸素は、水になる。
【0255】
さらに、この生成された水の一部は、カソードセル用カソード側多孔体740の開孔を流れる。カソードセル用カソード側多孔体740の開孔を流れた水は、カソードセル用酸化剤流路754を流れる未反応の空気とともに、ファン4によって吸い込まれる。また、このとき、カソードセル用酸化剤流路形成部750は、カソードセル用膜電極接合体73からカソードセル用酸化剤流路形成部750に伝導した熱を、カソードセル用酸化剤流路754を流れる空気に放散する。これにより、カソードセル70は、冷却される。
【0256】
さらに、この生成された水の一部は、カソードセル用電解質膜735およびカソードセル用アノード側触媒層734を通過してカソードセル用アノード側多孔体720の開孔を流れる。カソードセル用アノード側多孔体720の開孔を流れた水は、カソードセル用水素流路714を流れる未反応の水素とともに水素用第1カソードセル出口穴713を流れる。水素用第1カソードセル出口穴713を流れた水および未反応の水素は、水素用第15出口穴653、水素用第14出口穴643、水素用第13出口穴633、水素用第12出口穴623および水素用第11出口穴613を流れる。水素用第11出口穴613を流れた水および未反応の水素は、上記と同様に、水素用第1アノードセル出口穴313に流れる。そして、水素用第1アノードセル出口穴313を流れた水および未反応の水素は、水素用アノード冷却プレート出口穴223、水素用アノードターミナル出口穴152、水素用アノード拘束出口穴102および水素出口管3内を流れることにより、排出される。
【0257】
以上のように、燃料電池5は、発電する。
【0258】
次に、燃料電池5の発電性能が向上することについて説明する。
【0259】
アノード冷却プレート20は、積層方向Dsにアノードターミナル15およびアノードセル用水素プレート31のアノードセル用水素流路形成部310と接続されている。また、アノード冷却プレート20のアノード冷却用流路形成部200は、空気が流れるアノード冷却流路240を形成する。
【0260】
ここで、アノードセル30の発電によってアノードセル用膜電極接合体33に発生した熱は、アノードセル用酸化剤流路354に加えて、アノードセル用アノード側触媒層334を経由して、アノードセル用アノード側多孔体320に伝わる。また、アノードセル用アノード側多孔体320に伝わった熱は、アノードセル用水素流路形成部310を経由して、アノード冷却用流路形成部200に伝わる。
【0261】
そして、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル用膜電極接合体33からアノード冷却用流路形成部200に伝導した熱を、アノード冷却流路240を流れる空気に放散することによって、アノードセル30を冷却する。
【0262】
これにより、
図11および
図12に示すように、アノード冷却プレート20がない場合と比較して、アノードセル用酸化剤流路354を流れる空気のうちファン4側の空気の温度である出口温度Toが低下している。このため、アノードセル30の温度上昇が抑制されていることから、アノードセル30の電流密度-電圧特性において、アノード冷却プレート20がない場合と比較して、電流密度が高い領域におけるアノードセル30の電圧が高くなっている。よって、アノードセル30の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。なお、
図12において、燃料電池5の電流密度-電圧特性が実線および黒丸で示されている。また、アノード冷却プレート20がない場合である比較例が一点鎖線および黒四角で示されている。さらに、出口温度Toは、熱電対等を用いて測定される。
【0263】
また、燃料電池5では、以下に記載する効果も奏する。
【0264】
[1-1]アノード冷却用流路形成部200とアノード冷却流路240を流れる空気との熱伝達率は、アノードセル用酸化剤流路形成部350とアノードセル用酸化剤流路354を流れる空気との熱伝達率よりも高くなっている。なお、流路を流れる空気の温度変化に対応する熱量が、流路形成部から流路を流れる空気に放散する熱量に相当するため、熱伝達率は、例えば、流路を流れる空気を測定することによって算出される。
【0265】
これにより、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル用膜電極接合体33からアノード冷却用流路形成部200に伝導した熱を、アノード冷却流路240を流れる空気に放散することがしやすくなる。このため、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル30を冷却することがしやすくなる。したがって、アノードセル30の温度上昇が抑制されやすくなることからアノードセル30の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。
【0266】
[1-2]アノード冷却用流路形成部200の熱伝導率は、アノードセル用酸化剤流路形成部350の熱伝導率よりも高くなっている。
【0267】
これにより、化学反応によりアノードセル用膜電極接合体33にて発生した熱は、アノード冷却用流路形成部200に伝わりやすくなる。このため、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル用膜電極接合体33からアノード冷却用流路形成部200に伝導した熱を、アノード冷却流路240を流れる空気に放散することがしやすくなる。したがって、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル30を冷却することがしやすくなる。よって、アノードセル30の温度上昇が抑制されやすくなることからアノードセル30の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。
【0268】
[1-3]アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル用酸化剤流路形成部350と同じ形状になっている。なお、「同じ」は、製造誤差範囲を含む。
【0269】
これにより、アノード冷却用流路形成部200を新たに造る必要がなくなるため、燃料電池5の製造がしやすくなる。
【0270】
[1-4]ここで、化学反応によりカソードセル用膜電極接合体73にて発生した熱は、カソードセル用カソード側触媒層736を経由してカソードセル用セパレータ75のカソードセル用酸化剤流路形成部750に伝わる。
【0271】
そして、カソードセル用酸化剤流路形成部750は、カソードセル用膜電極接合体73からカソードセル用酸化剤流路形成部750に伝導した熱を、カソードセル用酸化剤流路754を流れる空気に放散することによって、カソードセル70を冷却する。
【0272】
これにより、カソードセル用セパレータ75がない場合と比較して、カソードセル70の温度上昇が抑制される。したがって、カソードセル70の発電性能が向上することから燃料電池5の発電性能が向上する。
【0273】
[1-5]カソードセル用酸化剤流路形成部750は、アノードセル用酸化剤流路形成部350、第1中間セル用酸化剤流路形成部450、第2中間セル用酸化剤流路形成部550および第3中間セル用酸化剤流路形成部650と同じ形状になっている。
【0274】
これにより、カソードセル用酸化剤流路形成部750を新たに造る必要がなくなるため、燃料電池5の製造がしやすくなる。
【0275】
[1-6]カソードセル用酸化剤流路形成部750とカソードセル用酸化剤流路754を流れる空気との熱伝達率は、第3中間セル用酸化剤流路形成部650と第3中間セル用酸化剤流路654との熱伝達率よりも高くなっている。
【0276】
これにより、カソードセル用酸化剤流路形成部750は、カソードセル用膜電極接合体73からカソードセル用酸化剤流路形成部750に伝導した熱を、カソードセル用酸化剤流路754を流れる空気に放散することがしやすくなる。このため、カソードセル用酸化剤流路形成部750は、カソードセル70を冷却することがしやすくなる。したがって、カソードセル70の温度上昇が抑制されやすくなることからカソードセル70の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。
【0277】
[1-7]カソードセル用酸化剤流路形成部750の熱伝導率は、第3中間セル用酸化剤流路形成部650の熱伝導率よりも高くなっている。
【0278】
これにより、化学反応によりカソードセル用膜電極接合体73にて発生した熱は、カソードセル用カソード側触媒層736を経由してカソードセル用セパレータ75のカソードセル用酸化剤流路形成部750に伝わりやすくなる。このため、カソードセル用酸化剤流路形成部750は、カソードセル用膜電極接合体73からカソードセル用酸化剤流路形成部750に伝導した熱を、カソードセル用酸化剤流路754を流れる空気に放散することがしやすくなる。したがって、カソードセル用酸化剤流路形成部750は、カソードセル70を冷却することがしやすくなる。よって、カソードセル70の温度上昇が抑制されやすくなることからカソードセル70の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。
【0279】
(第2実施形態)
第2実施形態では、アノード冷却プレート20におけるアノード冷却用流路形成部200のアノード冷却用第1側部211およびアノード冷却用第2側部212の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0280】
図13に示すように、アノード冷却用第1側部211とアノード冷却用第1底部201との接続部からアノード冷却用第1側部211とアノード冷却用第2底部202との接続部までの距離は、第1実施形態と比較して長くなっている。また、アノード冷却用第2側部212とアノード冷却用第1底部201との接続部からアノード冷却用第2側部212とアノード冷却用第2底部202との接続部までの距離は、第1実施形態と比較して長くなっている。
【0281】
これにより、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第2実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、第1実施形態のアノード冷却流路240の断面積よりも大きくなっている。このため、第2実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、第1実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗よりも小さくなっている。
【0282】
ここで、第1実施形態のアノード冷却用流路形成部200は、アノードセル用酸化剤流路形成部350および第1中間セル用酸化剤流路形成部450と同じ形状に形成されている。また、第1実施形態のアノード冷却用流路形成部200は、第2中間セル用酸化剤流路形成部550、第3中間セル用酸化剤流路形成部650およびカソードセル用酸化剤流路形成部750と同じ形状に形成されている。
【0283】
したがって、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第2実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、アノードセル用酸化剤流路354の断面積および第1中間セル用酸化剤流路454の断面積よりも大きくなっている。また、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第2実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、第2中間セル用酸化剤流路554の断面積および第3中間セル用酸化剤流路654の断面積よりも大きくなっている。さらに、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第2実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、カソードセル用酸化剤流路754の断面積よりも大きくなっている。
【0284】
よって、第2実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、アノードセル用酸化剤流路354の通気抵抗および第1中間セル用酸化剤流路454の通気抵抗よりも小さくなっている。さらに、第2実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、第2中間セル用酸化剤流路554の通気抵抗、第3中間セル用酸化剤流路654の通気抵抗およびカソードセル用酸化剤流路754の通気抵抗よりも小さくなっている。
【0285】
このように、第2実施形態は、構成されている。
【0286】
第2実施形態においても、上記[1-3]に記載した効果を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0287】
[2]積層方向Dsに平行な断面において、アノード冷却流路240の断面積は、アノードセル用酸化剤流路354の断面積よりも大きくなっている。
【0288】
これにより、アノード冷却流路240を流れる空気の流量は、アノードセル用酸化剤流路354を流れる空気の流量よりも多くなる。このため、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル用膜電極接合体33からアノード冷却プレート20に伝導した熱を、アノード冷却流路240を流れる空気に放散することがしやすくなる。したがって、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル30を冷却することがしやすくなる。よって、アノードセル30の温度上昇が抑制されやすくなることからアノードセル30の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。
【0289】
(第3実施形態)
第3実施形態では、アノード冷却プレート20におけるアノード冷却用流路形成部200のアノード冷却用第1側部211およびアノード冷却用第2側部212の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0290】
図14に示すように、アノード冷却用第1側部211とアノード冷却用第1底部201との接続部からアノード冷却用第1側部211とアノード冷却用第2底部202との接続部までの距離は、第1実施形態と比較して短くなっている。また、アノード冷却用第2側部212とアノード冷却用第1底部201との接続部からアノード冷却用第2側部212とアノード冷却用第2底部202との接続部までの距離は、第1実施形態と比較して短くなっている。
【0291】
これにより、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第3実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、第1実施形態のアノード冷却流路240の断面積よりも小さくなっている。このため、第3実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、第1実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗よりも大きくなっている。
【0292】
また、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第3実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、アノードセル用酸化剤流路354の断面積および第1中間セル用酸化剤流路454の断面積よりも小さくなっている。さらに、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第3実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、第2中間セル用酸化剤流路554の断面積および第3中間セル用酸化剤流路654の断面積よりも小さくなっている。また、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第3実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、カソードセル用酸化剤流路754の断面積よりも小さくなっている。
【0293】
よって、第3実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、アノードセル用酸化剤流路354の通気抵抗および第1中間セル用酸化剤流路454の通気抵抗よりも大きくなっている。さらに、第3実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、第2中間セル用酸化剤流路554の通気抵抗、第3中間セル用酸化剤流路654の通気抵抗およびカソードセル用酸化剤流路754の通気抵抗よりも大きくなっている。
【0294】
このように、第3実施形態は、構成されている。
【0295】
第3実施形態においても、上記[1-3]に記載した効果を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第3実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0296】
[3]積層方向Dsに平行な断面において、アノード冷却流路240の断面積は、アノードセル用酸化剤流路354の断面積よりも小さくなっている。
【0297】
これにより、アノード冷却流路240を流れる空気の流量は、アノードセル用酸化剤流路354を流れる空気の流量よりも少なくなる。このため、燃料電池5に用いられる空気の消費量を少なくすることができる。
【0298】
(第4実施形態)
第4実施形態では、アノード冷却プレート20におけるアノード冷却用流路形成部200の形態が第1実施形態と異なる。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0299】
アノード冷却用流路形成部200は、
図15に示すように、1つのアノード冷却用第1基部251、1つのアノード冷却用第2基部252および複数のアノード冷却用側部253を含む。
【0300】
アノード冷却用第1基部251は、積層方向Dsと直交する方向に延びる板状に形成されている。また、アノード冷却用第1基部251は、積層方向Dsにアノードターミナル15と接続されている。さらに、アノード冷却用第1基部251は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に、アノード冷却用シール部221のうちアノードターミナル15側と接続されている。
【0301】
アノード冷却用第2基部252は、積層方向Dsと直交する方向に延びる板状に形成されている。また、アノード冷却用第2基部252は、積層方向Dsに、アノードセル用水素流路形成部310と接続されている。さらに、アノード冷却用第2基部252は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に、アノード冷却用シール部221のうちアノードセル30側と接続されている。
【0302】
アノード冷却用側部253は、吸込方向Dvと平行な方向に延びる板状に形成されている。また、アノード冷却用側部253は、積層方向Dsに、アノード冷却用第1基部251およびアノード冷却用第2基部252にて挟まれている。さらに、複数のアノード冷却用側部253は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。
【0303】
また、アノード冷却流路240は、アノード冷却用第1基部251、アノード冷却用第2基部252および互いに隣り合うアノード冷却用側部253に区画される空間である。さらに、アノード冷却流路240は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。
【0304】
以上のように、第4実施形態は、構成されている。
【0305】
第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第4実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0306】
[4]ここで、上記したように、第1実施形態において、アノード冷却流路240は、アノード冷却用第1底部201、アノード冷却用第1側部211およびアノード冷却用第2側部212によって区画される空間である。また、アノード冷却流路240は、アノード冷却用第2底部202、アノード冷却用第1側部211およびアノード冷却用第2側部212によって区画される空間である。さらに、アノード冷却流路240は、アノード冷却用第1底部201、アノード冷却用第1側部211およびアノード冷却用シール部221によって区画される空間である。したがって、第1実施形態では、アノード冷却流路240は、3つの面で区画される空間である。
【0307】
第4実施形態では、アノード冷却流路240は、アノード冷却用第1基部251、アノード冷却用第2基部252および互いに隣り合うアノード冷却用側部253に区画される空間である。よって、第4実施形態では、アノード冷却流路240は、4つの面で区画される空間である。
【0308】
したがって、第4実施形態では、アノード冷却用流路形成部200がアノード冷却流路240を流れる空気に放熱する面積を、第1実施形態と比較して大きくすることができる。これにより、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル用膜電極接合体33からアノード冷却プレート20に伝導した熱を、アノード冷却流路240を流れる空気に放散することがしやすくなる。このため、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル30を冷却することがしやすくなる。よって、アノードセル30の温度上昇が抑制されやすくなることからアノードセル30の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。
【0309】
(第5実施形態)
第5実施形態では、アノード冷却プレート20におけるアノード冷却用流路形成部200の形態が第4実施形態と異なる。これ以外は、第4実施形態と同様である。
【0310】
アノード冷却用流路形成部200は、
図16に示すように、上記したアノード冷却用第1基部251、アノード冷却用第2基部252およびアノード冷却用側部253に加えて、複数のアノード冷却用凸部254を含む。
【0311】
アノード冷却用凸部254は、アノード冷却用第2基部252から積層方向Dsに突出している。また、アノード冷却用凸部254は、吸込方向Dvと平行な方向に延びる板状に形成されている。さらに、アノード冷却用凸部254は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvに直交する方向において、互いに隣り合うアノード冷却用側部253の間に位置している。また、アノード冷却用凸部254は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvに直交する方向に並列している。なお、アノード冷却用凸部254は、アノード冷却用第1基部251から積層方向Dsに突出してもよい。
【0312】
また、アノード冷却流路240は、アノード冷却用第1基部251、アノード冷却用第2基部252、互いに隣り合うアノード冷却用側部253およびアノード冷却用凸部254に区画される空間である。
【0313】
以上のように、第5実施形態は、構成されている。
【0314】
第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第5実施形態では、以下に記載する効果も奏する。
【0315】
[5]第5実施形態では、アノード冷却流路240は、アノード冷却用第1基部251、アノード冷却用第2基部252、互いに隣り合うアノード冷却用側部253およびアノード冷却用凸部254に区画される空間である。よって、第5実施形態では、アノード冷却流路240は、8つの面で区画される空間である。
【0316】
したがって、第5実施形態では、アノード冷却用流路形成部200がアノード冷却流路240を流れる空気に放熱する面積を、第4実施形態と比較して大きくすることができる。これにより、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル用膜電極接合体33からアノード冷却プレート20に伝導した熱を、アノード冷却流路240を流れる空気に放散することがしやすくなる。このため、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル30を冷却することがしやすくなる。よって、アノードセル30の温度上昇が抑制されやすくなることからアノードセル30の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。
【0317】
(第6実施形態)
第1実施形態では、アノード冷却プレート20が積層方向Dsにおいてアノードターミナル15およびアノードセル30の間に配置されている。これに対して、第6実施形態では、アノード冷却プレート20は、
図17に示すように、積層方向Dsにおいてアノード拘束プレート10およびアノードターミナル15の間に配置されている。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0318】
この場合、アノード冷却プレート20のアノード冷却用流路形成部200は、積層方向Dsにアノード拘束プレート10およびアノードターミナル15と接続されている。また、アノード冷却用シール部221の水素用アノード冷却プレート入口穴222は、水素用アノード拘束入口穴101および水素用アノードターミナル入口穴151と連通している。さらに、水素用アノードターミナル入口穴151は、水素用第1アノードセル入口穴312と連通している。また、水素用アノード冷却プレート出口穴223は、水素用アノード拘束出口穴102および水素用アノードターミナル出口穴152と連通している。さらに、水素用アノードターミナル出口穴152は、水素用第1アノードセル出口穴313と連通している。
【0319】
このように、第6実施形態は、構成されている。
【0320】
第6実施形態では、以下に記載するように、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0321】
[6]アノードターミナル15は、積層方向Dsに、アノードセル用水素流路形成部310と接続されている。また、アノード冷却用流路形成部200は、積層方向Dsに、アノードターミナル15のうちアノードセル用水素流路形成部310とは反対側と接続されている。
【0322】
ここで、アノードセル30の発電によってアノードセル用膜電極接合体33に発生した熱は、アノードセル用酸化剤流路354に加えて、アノードセル用アノード側触媒層334を経由して、アノードセル用アノード側多孔体320に伝わる。また、アノードセル用アノード側多孔体320に伝わった熱は、アノードセル用水素流路形成部310に伝わる。さらに、アノードセル用水素流路形成部310に伝わった熱は、アノードターミナル15を経由して、アノード冷却プレート20のアノード冷却用流路形成部200に伝わる。
【0323】
そして、アノード冷却用流路形成部200は、アノードセル用膜電極接合体33からアノード冷却プレート20に伝導した熱を、アノード冷却流路240を流れる空気に放散することによってアノードセル30を冷却する。
【0324】
これにより、アノード冷却プレート20がない場合と比較して、アノードセル30の温度上昇が抑制される。したがって、アノードセル30の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。
【0325】
(第7実施形態)
第7実施形態では、アノード冷却プレート20におけるアノード冷却用流路形成部200のアノード冷却用第1側部211およびアノード冷却用第2側部212の形態が第6実施形態と異なる。これ以外は、第6実施形態と同様である。
【0326】
図18に示すように、アノード冷却用第1側部211とアノード冷却用第1底部201との接続部からアノード冷却用第1側部211とアノード冷却用第2底部202との接続部までの距離は、第6実施形態と比較して長くなっている。また、アノード冷却用第2側部212とアノード冷却用第1底部201との接続部からアノード冷却用第2側部212とアノード冷却用第2底部202との接続部までの距離は、第6実施形態と比較して長くなっている。
【0327】
これにより、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第7実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、第1実施形態のアノード冷却流路240の断面積よりも大きくなっている。このため、第7実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、第1実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗よりも小さくなっている。
【0328】
また、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第7実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、アノードセル用酸化剤流路354の断面積および第1中間セル用酸化剤流路454の断面積よりも大きくなっている。さらに、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第7実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、第2中間セル用酸化剤流路554の断面積および第3中間セル用酸化剤流路654の断面積よりも大きくなっている。また、第7実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、カソードセル用酸化剤流路754の断面積よりも大きくなっている。
【0329】
よって、第7実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、アノードセル用酸化剤流路354の通気抵抗および第1中間セル用酸化剤流路454の通気抵抗よりも小さくなっている。また、第7実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、第2中間セル用酸化剤流路554の通気抵抗、第3中間セル用酸化剤流路654の通気抵抗およびカソードセル用酸化剤流路754の通気抵抗よりも小さくなっている。
【0330】
このように、第7実施形態は、構成されている。
【0331】
第7実施形態においても、上記[1-3]に記載した効果を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第7実施形態では、上記[2]に記載した効果を奏する。
【0332】
(第8実施形態)
第8実施形態では、アノード冷却プレート20におけるアノード冷却用流路形成部200のアノード冷却用第1側部211およびアノード冷却用第2側部212の形態が第6実施形態と異なる。これ以外は、第6実施形態と同様である。
【0333】
図19に示すように、アノード冷却用第1側部211とアノード冷却用第1底部201との接続部からアノード冷却用第1側部211とアノード冷却用第2底部202との接続部までの距離は、第6実施形態と比較して短くなっている。また、アノード冷却用第2側部212とアノード冷却用第1底部201との接続部からアノード冷却用第2側部212とアノード冷却用第2底部202との接続部までの距離は、第6実施形態と比較して短くなっている。
【0334】
これにより、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第8実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、第6実施形態のアノード冷却流路240の断面積よりも小さくなっている。このため、第8実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、第6実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗よりも大きくなっている。
【0335】
また、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第8実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、アノードセル用酸化剤流路354の断面積および第1中間セル用酸化剤流路454の断面積よりも小さくなっている。さらに、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第8実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、第2中間セル用酸化剤流路554の断面積および第3中間セル用酸化剤流路654の断面積よりも小さくなっている。また、吸込方向Dvに直交するとともに積層方向Dsに平行な断面において、第8実施形態のアノード冷却流路240の断面積は、カソードセル用酸化剤流路754の断面積よりも小さくなっている。
【0336】
よって、第8実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、アノードセル用酸化剤流路354の通気抵抗および第1中間セル用酸化剤流路454の通気抵抗よりも大きくなっている。また、第8実施形態のアノード冷却流路240の通気抵抗は、第2中間セル用酸化剤流路554の通気抵抗、第3中間セル用酸化剤流路654の通気抵抗およびカソードセル用酸化剤流路754の通気抵抗よりも大きくなっている。
【0337】
このように、第8実施形態は、構成されている。
【0338】
第8実施形態においても、上記[1-3]に記載した効果を除いて、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第8実施形態では、上記[3]に記載した効果を奏する。
【0339】
(第9実施形態)
第9実施形態では、燃料電池5が支持プレート94および中間冷却プレート95を備えている。これ以外は、第1実施形態と同様である。
【0340】
支持プレート94は、支持部に対応している。また、支持プレート94は、チタン、銅等の金属で板状に形成されている。このため、支持プレート94は、アノード冷却用流路形成部200の熱伝導率と同じになっている。さらに、支持プレート94の熱伝導率は、アノードセル用酸化剤流路形成部350の熱伝導率および第1中間セル用酸化剤流路形成部450の熱伝導率よりも大きくなっている。また、支持プレート94の熱伝導率は、第2中間セル用酸化剤流路形成部550の熱伝導率および第3中間セル用酸化剤流路形成部650の熱伝導率よりも大きくなっている。
【0341】
また、支持プレート94は、
図20に示すように、積層方向Dsに第1中間セル用セパレータ45と接続されている。さらに、支持プレート94は、水素用支持プレート入口穴942および水素用支持プレート出口穴943を有する。
【0342】
水素用支持プレート入口穴942は、第1中間セル用セパレータ45の水素用第5入口穴452と連通している。
【0343】
水素用支持プレート出口穴943は、第1中間セル用セパレータ45の水素用第5出口穴453と連通している。
【0344】
中間冷却プレート95は、第2中間セル50を冷却する。具体的には、中間冷却プレート95は、アノード冷却プレート20と同様に形成されており、中間冷却用流路形成部950、中間冷却用シール部951および中間冷却流路954を有する。
【0345】
中間冷却用流路形成部950は、冷却部に対応している。また、中間冷却用流路形成部950は、チタン、銅等の金属で形成されている。このため、中間冷却用流路形成部950の熱伝導率は、支持プレート94の熱伝導率およびアノード冷却用流路形成部200の熱伝導率と同じになっている。さらに、中間冷却用流路形成部950の熱伝導率は、アノードセル用酸化剤流路形成部350の熱伝導率および第1中間セル用酸化剤流路形成部450の熱伝導率よりも大きくなっている。また、中間冷却用流路形成部950の熱伝導率は、第2中間セル用酸化剤流路形成部550の熱伝導率および第3中間セル用酸化剤流路形成部650の熱伝導率よりも大きくなっている。さらに、中間冷却用流路形成部950は、積層方向Dsに支持プレート94のうち第1中間セル用セパレータ45とは反対側と接続されているとともに、支持プレート94に支持されている。また、中間冷却プレート95は、第1実施形態のアノード冷却用流路形成部200と同じ形状に形成されている。このため、中間冷却プレート95は、中間冷却用第1底部961、中間冷却用第1側部971、中間冷却用第2底部962および中間冷却用第2側部972を複数含む。
【0346】
中間冷却用第1底部961、中間冷却用第1側部971、中間冷却用第2底部962および中間冷却用第2側部972は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。また、中間冷却用第1底部961、中間冷却用第1側部971、中間冷却用第2底部962および中間冷却用第2側部972は、吸込方向Dvと平行な方向に延びる板状に形成されている。
【0347】
さらに、中間冷却用第1底部961は、積層方向Dsに支持プレート94と接続されている。
【0348】
中間冷却用第1側部971は、中間冷却用第1底部961に接続されている。また、中間冷却用第1側部971は、積層方向Dsに対して傾斜している。
【0349】
中間冷却用第2底部962は、中間冷却用第1側部971のうち中間冷却用第1底部961とは反対側に接続されている。
【0350】
中間冷却用第2側部972は、中間冷却用第2底部962のうち中間冷却用第1側部971とは反対側に接続されている。さらに、中間冷却用第2側部972は、中間冷却用第2底部962の中心を通るとともに積層方向Dsに延びる直線を中心として中間冷却用第1側部971と対称となるように、傾斜している。
【0351】
中間冷却用シール部951は、ゴム等で形成されている。また、中間冷却用シール部951は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に、中間冷却用第1底部961と接続されている。さらに、中間冷却用シール部951は、積層方向Dsに、支持プレート94のうち第1中間セル用セパレータ45とは反対側および第2中間セル用水素プレートシール部511のうち第2中間セル用アノード側シール部521とは反対側と接続されている。また、中間冷却用シール部951は、水素用中間冷却プレート入口穴952および水素用中間冷却プレート出口穴953を有する。
【0352】
水素用中間冷却プレート入口穴952は、水素用支持プレート入口穴942および第2中間セル用水素プレート51の水素用第6入口穴512と連通している。
【0353】
水素用中間冷却プレート出口穴953は、水素用支持プレート出口穴943および第2中間セル用水素プレート51の水素用第6出口穴513と連通している。
【0354】
中間冷却流路954は、冷却流路に対応しており、中間冷却用第1底部961、中間冷却用第1側部971および中間冷却用第2側部972によって区画される空間である。また、中間冷却流路954は、中間冷却用第2底部962、中間冷却用第1側部971および中間冷却用第2側部972によって区画される空間である。さらに、中間冷却流路954は、中間冷却用第1底部961、中間冷却用第1側部971および中間冷却用シール部951によって区画される空間である。また、中間冷却流路954は、積層方向Dsおよび吸込方向Dvと直交する方向に並列している。
【0355】
さらに、中間冷却流路954を流れる空気と中間冷却用流路形成部950との熱伝達率は、アノード冷却流路240を流れる空気とアノード冷却用流路形成部200との熱伝達率と同じになっている。このため、中間冷却流路954を流れる空気と中間冷却用流路形成部950との熱伝達率は、アノードセル用酸化剤流路354を流れる空気とアノードセル用酸化剤流路形成部350との熱伝達率よりも高くなっている。また、中間冷却流路954を流れる空気と中間冷却用流路形成部950との熱伝達率は、第1中間セル用酸化剤流路454を流れる空気と第1中間セル用酸化剤流路形成部450との熱伝達率よりも高くなっている。さらに、中間冷却流路954を流れる空気と中間冷却用流路形成部950との熱伝達率は、第2中間セル用酸化剤流路554を流れる空気と第2中間セル用酸化剤流路形成部550との熱伝達率よりも高くなっている。また、中間冷却流路954を流れる空気と中間冷却用流路形成部950との熱伝達率は、第3中間セル用酸化剤流路654を流れる空気と第3中間セル用酸化剤流路形成部650との熱伝達率よりも高くなっている。
【0356】
このように、第9実施形態は、構成されている。
【0357】
第9実施形態では、以下に記載する効果を奏する。
【0358】
[9-1]支持プレート94は、積層方向Dsに、第1中間セル用酸化剤流路形成部450と接続されている。また、中間冷却プレート95の中間冷却用流路形成部950は、積層方向Dsに、第2中間セル用水素流路形成部510と接続されている。
【0359】
ここで、第2中間セル50の発電によって第2中間セル用膜電極接合体53に発生した熱は、第2中間セル用酸化剤流路形成部550に加えて、第2中間セル用アノード側触媒層534を経由して、第2中間セル用アノード側多孔体520に伝わる。また、第2中間セル用アノード側多孔体520に伝わった熱は、第2中間セル用水素流路形成部510を経由して、中間冷却用流路形成部950に伝わる。
【0360】
そして、中間冷却用流路形成部950は、第2中間セル用膜電極接合体53から中間冷却用流路形成部950に伝導した熱を、中間冷却流路954を流れる空気に放散することによって第2中間セル50を冷却する。
【0361】
これにより、中間冷却プレート95がない場合と比較して、第2中間セル50の温度上昇が抑制される。したがって、第2中間セル50の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。なお、第9実施形態では、第1中間セル40は、第1セルに対応する。また、第2中間セル50は、第2セルに対応する。このため、第1中間セル用水素流路形成部410は、第1燃料部に対応する。第1中間セル用水素流路414は、第1燃料流路に対応する。第1中間セル用アノード側拡散層42は、アノード側第1拡散層に対応する。第1中間セル用膜電極430は、第1膜電極に対応する。第1中間セル用アノード側触媒層434は、アノード側第1触媒層に対応する。第1中間セル用電解質膜435は、第1電解質膜に対応する。第1中間セル用カソード側触媒層436は、カソード側第1触媒層に対応する。第1中間セル用カソード側拡散層44は、カソード側第1拡散層に対応する。第1中間セル用酸化剤流路454は、第1酸化剤流路に対応する。第1中間セル用酸化剤流路形成部450は、第1酸化剤部に対応する。第2中間セル用水素流路形成部510は、第2燃料部に対応する。第2中間セル用水素流路514は、第2燃料流路に対応する。第2中間セル用アノード側拡散層52は、アノード側第2拡散層に対応する。第2中間セル用膜電極530は、第2膜電極に対応する。第2中間セル用アノード側触媒層534は、アノード側第2触媒層に対応する。第2中間セル用電解質膜535は、第2電解質膜に対応する。第2中間セル用カソード側触媒層536は、カソード側第2触媒層に対応する。第2中間セル用カソード側拡散層54は、カソード側第2拡散層に対応する。第2中間セル用酸化剤流路554は、第2酸化剤流路に対応する。第2中間セル用酸化剤流路形成部550は、第2酸化剤部に対応する。
【0362】
[9-2]中間冷却流路954を流れる空気と中間冷却用流路形成部950との熱伝達率は、第2中間セル用酸化剤流路554を流れる空気と第2中間セル用酸化剤流路形成部550との熱伝達率よりも高くなっている。
【0363】
これにより、中間冷却用流路形成部950は、第2中間セル用膜電極接合体53から中間冷却用流路形成部950に伝導した熱を、中間冷却流路954を流れる空気に放散することがしやすくなる。このため、中間冷却用流路形成部950は、第2中間セル50を冷却することがしやすくなる。したがって、第2中間セル50の温度上昇が抑制されやすくなることから第2中間セル50の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。
【0364】
[9-3]中間冷却用流路形成部950の熱伝導率は、第2中間セル用酸化剤流路形成部550の熱伝導率よりも高くなっている。
【0365】
これにより、化学反応により第2中間セル用膜電極接合体53にて発生した熱は、中間冷却用流路形成部950に伝わりやすくなる。このため、中間冷却用流路形成部950は、第2中間セル用膜電極接合体53から中間冷却用流路形成部950に伝導した熱を、中間冷却流路954を流れる空気に放散することがしやすくなる。したがって、中間冷却用流路形成部950は、第2中間セル50を冷却することがしやすくなる。よって、第2中間セル50の温度上昇が抑制されやすくなることから第2中間セル50の発電性能が向上するため、燃料電池5の発電性能が向上する。
【0366】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0367】
上記実施形態では、燃料電池5のセルの数は、5つである。これに対して、燃料電池5のセルの数は、5つに限定されない。燃料電池5のセルの数は、2つ以上であればよい。
【0368】
第1実施形態のカソードセル用セパレータ75は、
図21に示すように、第2実施形態のアノード冷却プレート20と同様の形状に形成されてもよい。
【0369】
第1実施形態のカソードセル用セパレータ75は、
図22に示すように、第3実施形態のアノード冷却プレート20と同様の形状に形成されてもよい。
【0370】
第1実施形態のカソードセル用セパレータ75は、第4実施形態のアノード冷却プレート20と同様の形状に形成されてもよい。
【0371】
第1実施形態のカソードセル用セパレータ75は、第5実施形態のアノード冷却プレート20と同様の形状に形成されてもよい。
【0372】
第6実施形態のアノード冷却プレート20は、第4実施形態のアノード冷却プレート20と同様の形状に形成されてもよい。
【0373】
第6実施形態のアノード冷却プレート20は、第5実施形態のアノード冷却プレート20と同様の形状に形成されてもよい。
【0374】
第9実施形態の支持プレート94および中間冷却プレート95は、
図23に示すように、アノードセル30および第1中間セル40の間に配置されてもよい。この場合、アノードセル30は、第1セルに対応する。また、第1中間セル40は、第2セルに対応する。
【0375】
第9実施形態の支持プレート94および中間冷却プレート95は、第2中間セル50および第3中間セル60の間に配置されてもよい。この場合、第2中間セル50は、第1セルに対応する。また、第3中間セル60は、第2セルに対応する。
【0376】
第9実施形態の支持プレート94および中間冷却プレート95は、
図24に示すように、第3中間セル60およびカソードセル70の間に配置されてもよい。この場合、第3中間セル60は、第1セルに対応する。また、カソードセル70は、第2セルに対応する。
【0377】
第9実施形態の中間冷却プレート95は、
図25に示すように、第2実施形態のアノード冷却プレート20と同様の形状に形成されてもよい。
【0378】
第9実施形態の中間冷却プレート95は、
図26に示すように、第3実施形態のアノード冷却プレート20と同様の形状に形成されてもよい。
【0379】
第9実施形態の中間冷却プレート95は、第4実施形態のアノード冷却プレート20と同様の形状に形成されてもよい。
【0380】
第9実施形態の中間冷却プレート95は、第5実施形態のアノード冷却プレート20と同様の形状に形成されてもよい。
【0381】
上記実施形態は、適宜組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0382】
10 アノード拘束プレート
15 アノードターミナル
20 冷却プレート
30 アノードセル
40 第1中間セル
50 第2中間セル
60 第3中間セル
70 カソードセル
85 カソードターミナル
90 カソード拘束プレート