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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165845
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】配達システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20221025BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071388
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】福井 利明
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】配達時において、バッテリーの消費電力を抑制して、配達途中で表示装置に必要な表示が行われなくなることを抑制することが可能な配達システムを提供する。
【解決手段】配達システム100において、携帯端末2の制御部22は、頭部装着型表示装置1のバッテリー14の消費電力を抑制するために、頭部装着型表示装置1の表示部11の表示停止制御を行う。また、表示停止制御中に、配達に関する情報を受信したことに基づいて、受信した配達に関する情報に基づいた通知画像を頭部装着型表示装置1の表示部11に表示させる表示制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達に関する画像が表示される頭部装着型表示装置と、
前記頭部装着型表示装置に配達に関する画像を表示させるための制御を行う制御部を含む携帯端末と、を備え、
前記頭部装着型表示装置は、駆動用のバッテリーを含み、
前記制御部は、前記バッテリーの消費電力を抑制するために前記頭部装着型表示装置の表示停止制御を行うように構成されているとともに、前記表示停止制御中に、配達に関する情報を受信したことに基づいて、受信した配達に関する情報に基づいた画像を前記頭部装着型表示装置に表示させる表示制御に切り替えるように構成されている、配達システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示制御の開始から所定時間経過後に、前記表示制御から前記表示停止制御に切替えるように構成されている、請求項1に記載の配達システム。
【請求項3】
前記配達に関する情報は、配達に関する文章情報を含み、
前記制御部は、前記表示停止制御中に、配達先または配達元から前記配達に関する文章情報を受信したことに基づいて、前記配達に関する文章情報の受信を通知する画像を前記頭部装着型表示装置に表示させる前記表示制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の配達システム。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、前記表示停止制御中に、配達先または配達元以外の予め設定された送信元から発信された文章情報を受信したことに基づいて、前記文章情報の受信を通知する画像を前記頭部装着型表示装置に表示させる前記表示制御を行うように構成されているとともに、前記予め設定された送信元以外の文章情報を受信した場合は、前記表示停止制御を継続するように構成されている、請求項3に記載の配達システム。
【請求項5】
前記配達に関する情報は、配達先または配達元から発信された電話の着信を含み、
前記制御部は、前記表示停止制御中に、配達先または配達元から発信された電話を着信したことに基づいて、電話の着信を通知する画像を前記頭部装着型表示装置に表示させる前記表示制御を行うように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の配達システム。
【請求項6】
前記制御部は、さらに、前記表示停止制御中に、配達先または配達元以外の予め設定された発信元から発信された電話を着信したことに基づいて、電話の着信を通知する画像を前記頭部装着型表示装置に表示させる前記表示制御を行うように構成されているとともに、前記予め設定された発信元以外の電話を着信した場合は、前記表示停止制御を継続するように構成されている、請求項5に記載の配達システム。
【請求項7】
前記携帯端末は、位置検出部を備え、
前記制御部は、さらに、前記表示停止制御中に、前記位置検出部によって検出された現在地から所定の範囲内に特定の条件を満たす特定の配達元が位置する情報を受信したことに基づいて、前記特定の配達元の存在を通知する画像を前記頭部装着型表示装置に表示させる前記表示制御を行うように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の配達システム。
【請求項8】
前記特定の条件は、所定の時間帯における過去の配達の依頼数が所定数以上である条件を含む、請求項7に記載の配達システム。
【請求項9】
前記制御部は、さらに、道路に関する注意情報を取得したことに基づいて、警告する画像を前記頭部装着型表示装置に表示させる前記表示制御を行うように構成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の配達システム。
【請求項10】
前記携帯端末は、位置検出部を備え
前記道路に関する注意情報は、過去に事故が多発している事故多発地点に関する情報を含み、
前記制御部は、前記位置検出部によって検出された現在地から所定の範囲内に前記事故多発地点が存在する場合に、警告する画像を前記頭部装着型表示装置に表示する前記表示制御を行うように構成されている、請求項9に記載の配達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配達システムに関し、特に、表示装置を備える配達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置を備える配達システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、移動体に取り付けられるナビゲーション装置とサーバとを備える配達システムが開示されている。上記特許文献1の配達システムでは、ユーザの操作によりサーバからナビゲーション装置に配達ルートが送信され、ナビゲーション装置に配達ルートが表示される。
【0004】
上記特許文献1に開示されていないが、特許文献2に開示されているように、ユーザが身に着けることが可能な表示装置が知られている。特許文献2では、配達車を運転する運転者が装着する眼鏡に設けられて、情報を表示する表示装置が開示されている。特許文献2に開示されているように、ユーザが装着可能な表示装置は、駆動用のバッテリーが内蔵されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-55468号公報
【特許文献2】特表2020-503547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2に開示されているように、ユーザが装着可能な表示装置に駆動用のバッテリーが内蔵されているため、小型のバッテリーになると考えられる。このため、比較的短時間でバッテリーの電力が消費され、配達時などに表示装置が装着されている場合には、配達途中でバッテリーの電力がなくなり、表示装置の表示が停止しやすいと考えられる。そのため、配達途中で必要な情報が表示されないことが考えられる。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、配達時において、バッテリーの消費電力を抑制して、配達途中で表示装置に必要な表示が行われなくなることを抑制することが可能な配達システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による配達システムは、配達に関する画像が表示される頭部装着型表示装置と、頭部装着型表示装置に配達に関する画像を表示させるための制御を行う制御部を含む携帯端末と、を備え、頭部装着型表示装置は、駆動用のバッテリーを含み、制御部は、バッテリーの消費電力を抑制するために頭部装着型表示装置の表示停止制御を行うように構成されているとともに、表示停止制御中に、配達に関する情報を受信したことに基づいて、受信した配達に関する情報に基づいた画像を頭部装着型表示装置に表示させる表示制御に切り替えるように構成されている。
【0009】
この発明の一の局面による配達システムでは、上記のように、制御部は、バッテリーの消費電力を抑制するために頭部装着型表示装置の表示停止制御を行うように構成されている。これにより、頭部装着型表示装置のバッテリーの消費電力を抑制することができる。また、制御部は、表示停止制御中に、配達に関する情報を受信したことに基づいて、受信した配達に関する情報に基づいた画像を頭部装着型表示装置に表示させる表示制御に切り替えるように構成されていることにより、表示停止制御中に受信した配達に関する情報(必要な情報)を頭部装着型表示装置に表示させることができる。この結果、配達時において、バッテリーの消費電力を抑制して、配達途中で頭部装着型表示装置に必要な表示が行われなくなることを抑制することができる。
【0010】
上記一の局面による配達システムにおいて、好ましくは、制御部は、表示制御の開始から所定時間経過後に、表示制御から表示停止制御に切替えるように構成されている。このように構成すれば、配達員が操作しなくとも表示停止制御に切り替わるため、バッテリーの消費電力を確実に抑制することができる。
【0011】
上記一の局面による配達システムにおいて、好ましくは、配達に関する情報は、配達に関する文章情報を含み、制御部は、表示停止制御中に、配達先または配達元から配達に関する文章情報を受信したことに基づいて、配達に関する文章情報の受信を通知する画像を頭部装着型表示装置に表示させる表示制御を行うように構成されている。このように構成すれば、配達に関する文章情報の受信を通知する画像が頭部装着型表示装置に表示されることにより、配達員は、配達に関する文章情報を迅速に確認することができる。このため、たとえば、配達に関する文章情報が配達先または配達元からの新規の配達依頼である場合、新規の配達依頼に対して迅速かつ的確に対応することができる。また、配達に関する文章情報が、配達元からの配達の変更に関するものである場合、配達の変更に対して迅速かつ的確に対応することができる。これらの結果、配達員の利便性に加えて、配達元または配達先の利便性も向上させることができる。
【0012】
この場合、好ましくは、制御部は、さらに、表示停止制御中に、配達先または配達元以外の予め設定された送信元から発信された文章情報を受信したことに基づいて、文章情報の受信を通知する画像を頭部装着型表示装置に表示させる表示制御を行うように構成されているとともに、予め設定された送信元以外の文章情報を受信した場合は、表示停止制御を継続するように構成されている。このように構成すれば、配達先または配達元以外の予め設定された送信元から発信された文章情報を受信したことに基づいて文章情報の受信を通知する画像が表示されることにより、配達員は、配達先または配達元以外の予め設定された送信元から送信された文章情報を確実に確認することができる。これにより、たとえば、予め設定された送信元が家族の場合、家族からの文章情報が送信された場合に文章情報を受信してすぐに確認することができるため、配達員の利便性をさらに向上させることができる。また、予め設定された送信元以外の文章情報を受信した場合は、表示停止制御を継続するように構成されていることにより、送信元に関わらず通知する画像を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている場合と比べて、通知する画像を頭部装着型表示装置に表示させる回数を減らすことができる。この結果、バッテリーの消費電力をさらに抑制することができる。
【0013】
上記一の局面による配達システムにおいて、好ましくは、配達に関する情報は、配達先または配達元から発信された電話の着信を含み、制御部は、表示停止制御中に、配達先または配達元から発信された電話を着信したことに基づいて、電話の着信を通知する画像を頭部装着型表示装置に表示させる表示制御を行うように構成されている。このように構成すれば、電話の着信を通知する画像を頭部装着型表示装置に表示させる表示制御を行うように構成されていることにより、配達員は、電話の着信に対して迅速に対応することができる。このため、たとえば、電話の内容が新規の配達依頼である場合に配達員が新規の配達依頼を迅速に受託することができため、配達員の利便性をより一層向上させることができる。
【0014】
上記一の局面による配達システムにおいて、好ましくは、制御部は、さらに、表示停止制御中に、配達先または配達元以外の予め設定された発信元から発信された電話を着信したことに基づいて、電話の着信を通知する画像を頭部装着型表示装置に表示させる表示制御を行うように構成されているとともに、予め設定された発信元以外の電話を着信した場合は、表示停止制御を継続するように構成されている。このように構成すれば、配達先または配達元以外の予め設定された発信元からの着信に基づいて電話の着信を通知する画像が表示されることにより、配達員は、配達先または配達元以外の予め設定された発信元からの着信に確実に対応することができる。これにより、たとえば、予め設定された発信元が家族の場合、家族から緊急の電話を着信した場合に迅速に対応することができるため、配達員の利便性をさらに向上させることができる。また、予め設定された発信元以外の電話を着信した場合は、表示停止制御を継続するように構成されていることにより、発信元に関わらず通知する画像を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている場合と比べて、通知する画像を頭部装着型表示装置に表示させる回数を減らすことができる。この結果、バッテリーの消費電力をより一層抑制することができる。
【0015】
上記一の局面による配達システムにおいて、好ましくは、携帯端末は、位置検出部を備え、制御部は、さらに、表示停止制御中に、位置検出部によって検出された現在地から所定の範囲内に特定の条件を満たす特定の配達元が位置する情報を受信したことに基づいて、特定の配達元の存在を通知する画像を頭部装着型表示装置に表示させる表示制御を行うように構成されている。このように構成すれば、配達員に特定の条件に合致する配達元の存在が通知されるため、配達員は特定の条件に合致した配達元の配達依頼を確実に受託することができる。
【0016】
上記一の局面による配達システムにおいて、好ましくは、特定の条件は、所定の時間帯における過去の配達の依頼数が所定数以上である条件を含む。このように構成すれば、過去の配達の依頼数が所定数以上の配達先から多くの配達依頼を一度に依頼される可能性があるため、配達員が効率よく多くの配達の依頼を受託することが可能となる。
【0017】
上記一の局面による配達システムにおいて、好ましくは、制御部は、さらに、道路に関する注意情報を取得したことに基づいて、警告する画像を頭部装着型表示装置に表示させる表示制御を行うように構成されている。このように構成すれば、道路に関する注意情報を警告する画像が表示されるため、配達員が警告に従って移動することにより事故の発生を抑制することができる。
【0018】
上記一の局面による配達システムにおいて、好ましくは、携帯端末は、位置検出部を備え、道路に関する注意情報は、過去に事故が多発している事故多発地点に関する情報を含み、制御部は、位置検出部によって検出された現在地から所定の範囲内に事故多発地点が存在する場合に、警告する画像を頭部装着型表示装置に表示する表示制御を行うように構成されている。このように構成すれば、事故多発地点が所定範囲内に存在する場合に警告する画像が表示されることにより、配達員は、注意を払って移動することができるため、事故の発生をより抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、配達時において、バッテリーの消費電力を抑制して、配達途中で表示装置に必要な表示が行われなくなることを抑制することが可能な配達システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】配達システムの構成を示すブロック図である。
図2】頭部装着型表示装置を装着した配達員の視界を模式的に示す例を示す図である。
図3】経路情報を含む画像の一例を示す図である。
図4】(A)表示停止制御中の配達員の視界を模式的に示した図である。(B)表示制御中の配達員の視界を模式的に示した図である。(C)表示制御から表示停止制御に切り替わったときの配達員の視界を模式的に示した図である。
図5】受信した配達に関する情報に基づいた画像の一例を示す図(A)~(D)である。
図6】通知画像の別の例を示す図(A)~(C)である。
図7】特定の配達元の存在を通知する場合を説明するための図である。
図8】事故多発地点が存在を通知する場合を説明するための図である。
図9】表示制御を行う時間の決定の方法を説明するための図である。
図10】特定の発信元を追加する操作を行うための操作画面を示す図である。
図11】配達に関する情報の優先度を設定するための操作画面を示す図である。
図12】着信があった場合における表示停止制御から表示制御に切替える処理を説明するためのフローチャートである。
図13】文章情報の受信があった場合における携帯端末の処理を説明するためのフローチャートである。
図14】所定の範囲に事故多発地点が存在する場合における携帯端末の処理を説明するためのフローチャートである。
図15】新規配達依頼が存在する場合における携帯端末の処理を説明するためのフローチャートである。
図16】所定の範囲に特定の配達元が存在する場合における携帯端末の処理を説明するためのフローチャートである。
図17】頭部装着型表示装置の制御部の処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1図11を参照して、本発明の配達システム100の構成について説明する。
【0023】
図1に示すように、配達システム100は、頭部装着型表示装置1と、携帯端末2と、サーバ3とを備えている。
【0024】
(頭部装着型表示装置の構成)
図2に示すように、頭部装着型表示装置1は、配達員5が装着するヘルメット4に取り付けられる。頭部装着型表示装置1は、ヘッドマウントディスプレイである。ヘッドマウントディスプレイの種類は特に限定されないが、本実施形態では、ヘッドマウントディスプレイは、表示画面が透過しない非透過型ディスプレイであり、使用者の視界の一部に局所的に表示画面が配置されるインサイト型のディスプレイであり、使用者の視界が覆われておらず表示画面外の領域に背景が視認可能な開放型のディスプレイであり、表示画面を片目で見る単眼型のディスプレイである。
【0025】
図1に示すように、頭部装着型表示装置1は、表示部11と、制御部12と、通信部13と、バッテリー14と、スイッチ部15と、記憶部16と、電圧センサ17と、温度センサ18とを備える。
【0026】
表示部11は、制御部12により構築された画像を表示するように構成されている。表示部11は、たとえば、液晶ディスプレイを含む。
【0027】
図2に示すように、頭部装着型表示装置1の表示部11に表示された画像30は、風景20の一部と重なるように構成されている。なお、図2の風景20は、配達員5が視認する風景を模式的に表している。
【0028】
図3は、経路情報を含む画像30を表している。経路情報は、分岐点までの距離30aと、分岐点において進路を変える方向を示す矢印30bと、目的地までの距離30cとを含む。また、経路情報を含む画像30には、現在時刻30dとバッテリー残量30eとが表示される。サーバ3は、携帯端末2から一定の時間間隔で取得している位置情報に基づき、現在地から分岐点までの距離30aと、現在地から目的地までの距離30cとを順次更新するように構成されている。なお、現在地から目的地に直進のみで到達できる場合は、分岐点までの距離は表示されない。また、現在地から目的地に直進のみで到達できる場合は、分岐点において進む方向は表示されないか、直進を表す矢印が表示される。
【0029】
図1に示すように、制御部12は、表示部11と、通信部13と、バッテリー14と、スイッチ部15と、記憶部16と、電圧センサ17と、温度センサ18とを制御するように構成されている。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)を含む。制御部12は、携帯端末2から送信された信号に基づいて、画像を構築し、表示部11に画像を表示させる制御を行うように構成されている。
【0030】
通信部13は、携帯端末2の通信部23と通信可能に構成されている。通信部13は、携帯端末2を介してサーバ3から送信された経路の情報を受信する。通信部13は、たとえば、近距離無線通信を行う通信モジュールを含む。近距離無線通信は、たとえば、Bluetooth(登録商標)通信である。
【0031】
バッテリー14は、充電可能な二次電池である。バッテリー14は、頭部装着型表示装置1を駆動させるために用いられる。バッテリー14は、USB(Universal Serial Bus)を介して充電される。
【0032】
スイッチ部15は、頭部装着型表示装置1の表面に設けられるスイッチ15a(図2参照)と電源回路とを含む。電源回路は、バッテリー14と、表示部11、制御部12および通信部13とを接続する。スイッチ15aを操作することにより、バッテリー14から表示部11への電力の供給が停止される。
【0033】
記憶部16は、制御部12が実行する各種プログラムを記憶している。記憶部16は、不揮発性の半導体記憶素子を含む。
【0034】
電圧センサ17は、バッテリー14の電圧を測定するためのセンサである。電圧センサ17は、電源回路に取り付けられている。
【0035】
温度センサ18は、バッテリー14の温度を測定するためのセンサである。温度センサ18は、非接触型でもよく、接触型でもよい。
【0036】
(携帯端末の構成)
図1に示すように、携帯端末2は、表示部21と、制御部22と、通信部23と、入力部24と、位置検出部25と、記憶部26とを備えている。携帯端末2は、文章情報の送受信機能と、通話機能とを備えるスマートフォンである。
【0037】
表示部21は、たとえば、液晶パネルおよびバックライト、または、有機エレクトロルミネッセンスパネルを含む。表示部21には、受信した文章情報が表示される。また、表示部21には、操作用の画面が表示される。
【0038】
制御部22は、CPU(Central Processing Unit)を含む。制御部22は、頭部装着型表示装置1に画像を表示させるための制御を行う。制御部22は、携帯端末2の表示部21と、通信部23と、入力部24とを制御するように構成されている。
【0039】
制御部22は、バッテリー14の消費電力を抑制するために頭部装着型表示装置1の表示停止制御を行う。制御部22は、表示停止制御から表示制御への切り替えを行う。
【0040】
通信部23は、たとえば、近距離無線通信を行う通信モジュールと、携帯電話回線を利用して無線通信を行う通信モジュールと、を含む。近距離無線通信は、たとえば、Bluetooth(登録商標)通信である。携帯電話回線を利用した無線通信は、いわゆる4G、5Gなどの移動体無線通信システムによる無線通信のことである。通信部23は、頭部装着型表示装置1の通信部13と、サーバ3とに対して通信を行う。
【0041】
入力部24は、タッチパネルである。入力部24は、表示部21に表示された操作画面が操作されたことを検出して信号を生成し、制御部22に送信する。入力部24を介して、配達システム100に関する操作が行われる。
【0042】
位置検出部25は、GPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムを利用して位置情報を取得するための受信モジュールを含む。位置検出部25は、携帯端末2の位置を検出するように構成されている。位置検出部25で検出された携帯端末2の位置は、通信部23を介してサーバ3に一定の時間間隔で送信される。
【0043】
記憶部26は、制御部22が実行する各種プログラムを記憶している。記憶部26には、配達先および配達元の名前と、電話番号と、文章情報の送受信に用いるアドレスとが記憶されている。記憶部26は、不揮発性の半導体記憶素子を含む。記憶部26は、配達依頼の受注、配達経路の経路案内などの処理を行うためのプログラム(アプリケーションソフトウェア)を記憶している。
【0044】
(サーバの構成)
図1に示すように、サーバ3には、配達情報が保存されている。配達情報は、配達先と配達元と配達会社との名前と、配達先と配達元と配達会社との住所と、配達先と配達元と配達会社との電話番号とが含まれる。サーバ3には、各配達元の過去の依頼数のデータが保存されている。ここで、配達会社は、配達員5が所属する会社であり、配達元から配達先への配達の仲介をする会社を指す。配達元は、配達される商品を生産する場所であり、店舗、工場、直売場などを含む。配達先は、配達される商品を受取る場所を指し、住宅および会社を含む。
【0045】
(表示停止制御)
図1に示すように、携帯端末2の制御部22は、頭部装着型表示装置1の表示を停止する表示停止制御を行う。具体的には、携帯端末2の制御部22は、所定の条件に基づいて、バッテリー14の消費電力を抑制するために頭部装着型表示装置1に表示を停止させる信号を送信する。頭部装着型表示装置1の制御部12は、表示を停止させる信号に基づいて表示部11の表示を停止させる。所定の条件は、携帯端末2が経路案内を開始していない場合と、現在地から次の分岐点または目的地までが所定の距離以上離れている場合とを含む。これらの条件のうち1つを満たせば、携帯端末2の制御部22は、頭部装着型表示装置1の表示部11の表示を停止する表示停止制御を行う。
【0046】
携帯端末2が経路案内を開始していない場合とは、配達の依頼を受託する操作が行われたが、経路案内の開始の操作が行われていない場合である。この場合、配達の依頼を受託する操作が行われた後、経路案内の開始の操作が所定時間行われなかった場合に、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1の表示部11の表示を停止する表示停止制御を行う。この場合の、所定時間は、たとえば、30秒に設定される。
【0047】
現在地から次の分岐点または目的地までが所定の距離以上離れている場合であっても、現在地から目的地までの経路案内を開始後の第2の所定時間と、分岐点で進路を変えた直後の第2の所定時間とは、頭部装着型表示装置1の表示部11には、経路情報が表示される。所定時間経過した後に、携帯端末2は、頭部装着型表示装置1の表示部11の表示を停止する表示停止制御を行う。所定の距離は、100m以上である。この場合の、所定時間は、たとえば、1分に設定される。
【0048】
頭部装着型表示装置1のスイッチ15aの操作時間が短時間(たとえば、5秒以内)の場合は、バッテリー14から表示部11、制御部12および通信部13への電力の供給が停止される。操作時間が長時間(たとえば、5秒以上)の場合は、バッテリー14から表示部11への電力の供給が停止されるが、制御部12および通信部13への電力供給は停止されず、表示部11の表示停止制御が行われている状態になる。
【0049】
図4(A)に示すように、携帯端末2の制御部22により表示停止制御が行われた場合は、頭部装着型表示装置1の表示部11には、何も表示されない。そのため、配達員5は、風景20だけを視認する。また、頭部装着型表示装置1の表示部11に何も表示されない状態を白い長方形で示している。
【0050】
図4(B)に示すように、携帯端末2の制御部22により表示停止制御から表示制御に切り替わった場合に、頭部装着型表示装置1の表示部11には通知画像40が表示される。
【0051】
図4(C)に示すように、携帯端末2の制御部22は、表示制御を行った後、所定時間nが経過すると表示停止制御に切替える。所定時間nは、たとえば、10秒である。頭部装着型表示装置1の制御が、表示制御から表示停止制御に切り替わると、頭部装着型表示装置1の表示部11には、何も表示されない。
【0052】
(表示制御)
図1に示すように、携帯端末2の制御部22は、表示停止制御中に携帯端末2の制御部22は、受信した配達に関する情報、道路に関する注意情報、またはバッテリー14に関する情報を受信したことに基づいて表示制御に切り替える。具体的には、携帯端末2の制御部22は、受信した配達に関する情報、道路に関する注意情報、またはバッテリー14に関する情報に基づいた通知画像40(図4参照)を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。頭部装着型表示装置1の制御部12は受信した通知画像40を構築するように要求する信号に基づき、通知画像40を構築する。そして、頭部装着型表示装置1の制御部12は、構築した通知画像40を表示部11に表示させる。配達に関する情報は、配達に関する文章情報と、電話の着信とを含む。なお、通知画像40は、特許請求の範囲に記載した「受信した配達に関する情報に基づいた画像」の一例である。
【0053】
図5および図6に示すように、通知画像40は、携帯端末2が受信した情報によって構築される画像が異なる。図5は、配達に関する情報に基づいて構築された通知画像40である。図6は、道路に関する注意情報またはバッテリー14に関する情報に基づいて構築された通知画像40である。
【0054】
(配達に関する文章情報)
図1に示すように、配達に関する文章情報は、携帯端末2の文書情報の送受信機能により受信される。携帯端末2の文章情報の送受信機能は、メール機能と、LINEなどのSNS(Social Networking Service)を利用した文章情報の通信機能とを含む。携帯端末2の制御部22は、受信した文章情報の送信元のアドレスと、記憶部26に記憶された配達先のアドレス、配達元のアドレス、配達会社のアドレス、または特定の送信元のアドレスとが一致するか否かを判定する。特定の送信元のアドレスは、配達先、配達元および配達会社以外の予め設定された送信元のアドレスである。特定の送信元のアドレスは、携帯端末2に保存されているアドレスから選択されて、記憶部26に保存される。
【0055】
送信元のアドレスが、配達先のアドレス、配達元のアドレス、配達会社のアドレス、または特定の送信元のアドレスと一致する場合に、携帯端末2の制御部22は、文章情報の受信に基づいた通知画像40(図5(A)参照)を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。頭部装着型表示装置1の制御部12は、受信した信号に基づいて、文章情報の受信を通知する通知画像40を構築し、表示部11に表示させる。送信元のアドレスが、配達先のアドレス、配達元のアドレス、配達会社のアドレス、または特定の送信元のアドレスと一致しない場合には、携帯端末2の制御部22は、文章情報の受信に基づいた通知画像40を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信せずに、頭部装着型表示装置1の表示部11に対する表示停止制御を継続させる。
【0056】
(新規配達依頼)
携帯端末2は、配達依頼を受託する操作が行われていない場合、サーバ3に新規配達依頼の有無を確認する信号を送信する。サーバ3は、新規配達依頼を確認する信号を受信した場合、携帯端末2の位置検出部25において検出した位置情報から配達可能な範囲内で新規の配達依頼があるか否かを判定し、判定結果を携帯端末2に送信する。携帯端末2の制御部22は、新規配達依頼有の判定をサーバ3から受信した場合、新規配達依頼に基づいた通知画像40(図5(B)参照)を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。頭部装着型表示装置1の制御部12は、受信した信号に基づいて、新規配達依頼を通知する通知画像40を構築し、表示部11に表示させる。
【0057】
携帯端末2の制御部22は、配達依頼なしの判定をサーバ3から受信した場合、新規配達依頼に基づいた通知画像40を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信せずに、頭部装着型表示装置1の表示部11に対する表示停止制御を継続させる。
【0058】
(電話の着信)
図1に示すように、電話の着信は、携帯端末2の電話機能により行われる。電話機能は、電話番号による電話と、LINEなどのSNSを利用した音声通話サービスとを含む。携帯端末2の制御部22は、着信した電話の発信元の電話番号と、記憶部26に記憶された配達先の電話番号、配達元の電話番号、配達会社の電話番号、または、配達先の電話番号、配達元の電話番号、配達会社の電話番号以外の予め通知するように設定された電話番号とが一致するか否かを判定する。
【0059】
発信元の電話番号と、配達先の電話番号、配達元の電話番号、配達会社の電話番号または予め通知するように設定された電話番号とが一致する場合に、携帯端末2の制御部22は、電話の着信に基づいた通知画像40(図5(C)参照)を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。頭部装着型表示装置1の制御部12は、受信した電話の着信を通知する信号に基づいて通知画像40を構築し、表示部11に表示させる。
【0060】
発信元の電話番号が、配達先の電話番号、配達元の電話番号、配達会社の電話番号または予め通知するように設定された電話番号と一致しない場合、携帯端末2の制御部22は、電話の着信に基づいた通知画像40を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信せずに、頭部装着型表示装置1の表示部11に対する表示停止制御を継続させる。
【0061】
(特定の配達元)
図1に示すように、携帯端末2の制御部22は、表示停止制御中に、サーバ3から現在地から所定の範囲内に特定の条件を満たす特定の配達元が位置するか否かを確認する信号を一定時間(たとえば、1分)の間隔で送信する。
【0062】
図1および図7に示すように、サーバ3は、携帯端末2からの要求に応じて、特定の配達元32が現在地31から所定の範囲R内に存在するか否かを判定する。また、サーバ3は、判定した結果を携帯端末2に送信する。具体的には、サーバ3は、携帯端末2からの要求に応じて、位置検出部25から取得した携帯端末2の現在地31と、サーバ3に記憶されている特定の条件を満たす特定の配達元32の位置情報とに基づいて、現在地31から所定の範囲内に特定の条件を満たす特定の配達元32が位置するか否かを判定する。そして、サーバ3は、現在地31から所定の範囲内に特定の条件を満たす特定の配達元32が位置するか否かについての情報を携帯端末2に送信する。
【0063】
図7に示すように、所定の範囲Rは、現在地31から半径rの範囲内である。半径rは、たとえば、1キロメートルに設定される。図7の場合は、黒い正方形で示した配達元32が、所定の範囲R内に存在する配達元32である。所定の範囲は、サーバ3に保存されている。
【0064】
特定の配達元32は、特定の条件を満たす配達元32である。特定の条件は、所定の時間帯における過去の配達の依頼数が所定数以上である条件を含む。所定の時間帯は、たとえば、午後1時から午後2時のように設定される。所定の時間帯は、現在時刻に合わせて設定される。配達の依頼数の所定数は、たとえば、100件以上である。特定の条件は、サーバ3に保存されている。
【0065】
サーバ3から現在地から所定の範囲内に特定の条件を満たす特定の配達元が存在する情報を受信した場合、携帯端末2の制御部22は、特定の配達元の存在に基づいた通知画像40(図5(D)参照)を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。頭部装着型表示装置1は、携帯端末2から受信した特定の配達元の存在に基づいた通知画像40を構築するように要求する信号に基づいて、通知画像40を構築し、表示部11に表示させる。
【0066】
サーバ3から現在地から所定の範囲内に特定の条件を満たす特定の配達元32が存在しない情報を受信した場合には、携帯端末2の制御部22は、特定の配達元32の存在に基づいた通知画像40を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信せずに、頭部装着型表示装置1の表示部11に対する表示停止制御を継続させる。
【0067】
(道路に関する注意情報)
図1に示すように、携帯端末2の制御部22は、さらに、配達に関する情報以外の道路に関する注意情報を取得したことに基づいて、注意情報に基づいた通知画像40を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。携帯端末2は、道路に関する注意情報が記憶されているサーバ3から注意情報を取得している。
【0068】
図8に示すように、携帯端末2の制御部22(図1参照)は、位置検出部25において過去に検出した過去位置34と現在検出した現在地31と、取得した道路に関する注意情報とを照合する。そして、現在地31と過去位置34とから進行方向33を算出し、現在地から進行方向33に向かって所定の距離r2および所定の角度aの範囲内に、注意情報の対象の地点35が存在するか否かを判定する。距離r2は、たとえば、30メートル以内に設定される。角度aは、たとえば、過去位置34と現在地31とを結んだ仮想線を中心に右方向に5度および左方向に5度の合計10度以内に設定される。道路に関する注意情報は、過去に事故が多発している事故多発地点に関する情報を含み、注意情報の対象の地点35は事故多発地点を含む。たとえば、事故多発地点に関する情報は、事故多発地点の緯度および経度の情報を含む。
【0069】
携帯端末2の制御部22は、道路に関する情報を取得前は移動開始地点から現在地までの距離、および道路に関する注意情報を取得後は最新の事故多発地点情報の取得をした地点から現在地までの移動距離が所定の距離に達するごとに道路に関する注意情報を取得し、位置検出部25において検出した最新の位置情報と、取得した道路に関する注意情報とを照合する。所定距離は、たとえば10mである。移動距離は、位置検出部25で取得された位置情報に基づき算出される。現在地から所定の距離r2の位置34において、注意情報の対象の地点35が存在する場合は、携帯端末2の制御部22は注意情報に基づいた通知画像40(図6(A)参照)を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信し、存在しない場合は、携帯端末2の制御部22は注意情報に基づいた通知画像40を構築するように要求する信号を送信せずに表示停止制御を継続する。
【0070】
頭部装着型表示装置1は、携帯端末2の制御部22から注意情報に基づいた通知画像40を構築するように要求する信号を受信した場合に通知画像40(図6(A)参照)を構築し、表示部11に表示させる。
【0071】
(バッテリーに関する情報)
図1に示すように、頭部装着型表示装置1は、温度センサ18で検出した検出結果を携帯端末2に送信する。
【0072】
携帯端末2の制御部22は、表示停止制御中に、温度センサ18を介してバッテリー14の温度異常を取得した場合に、異常を警告する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。携帯端末2の制御部22は、頭部装着型表示装置1から受信した検出結果に基づいてバッテリー14の温度が正常か否かを判定する。具体的には、正常な温度の範囲が設定されており、携帯端末2の制御部22は、バッテリー14の温度が、正常な温度の範囲内に含まれるかを判定する。
【0073】
バッテリー14の温度が正常でない場合、携帯端末2の制御部22は、頭部装着型表示装置1に異常を警告する信号を送信する。頭部装着型表示装置1の制御部12は、異常を警告する信号に基づいて、警告を知らせる通知画像40(図6(B)参照)を構築し、表示部11に表示させる。そして、携帯端末の制御部22は、バッテリー14から表示部11、制御部12および通信部13への電力供給を停止させる。バッテリー14の状態が正常の場合、携帯端末2の制御部22は、頭部装着型表示装置1に異常を警告する信号を送信せず、表示停止制御を継続する。
【0074】
図1に示すように、頭部装着型表示装置1は、電圧センサ17で検出した検出結果を携帯端末2に送信する
【0075】
携帯端末2の制御部22は、表示停止制御中に、電圧センサ17を介してバッテリー14の電圧の低下を取得した場合に、電圧の低下を警告する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。携帯端末2の制御部22は、頭部装着型表示装置1から受信した検出結果に基づいてバッテリー14の電圧が低下していないかを判定する。具体的には、携帯端末2の制御部22は、バッテリー14の電圧が、電圧の閾値以上か否かを判定する。
【0076】
バッテリー14の電圧が閾値未満の場合、携帯端末2の制御部22は、頭部装着型表示装置1に電圧の低下を警告する信号を送信する。頭部装着型表示装置1の制御部12は、電圧の低下を警告する信号に基づいて、警告を知らせる通知画像(図6(C)参照)を構築し、表示部11に表示させる。そして、携帯端末の制御部22は、バッテリー14から表示部11、制御部12および通信部13への電力供給を停止させる。バッテリー14の電圧が閾値以上の場合、携帯端末2の制御部22は、頭部装着型表示装置1に電圧の低下を警告する信号を送信せず、表示停止制御を継続する。
【0077】
(表示制御から表示停止制御への切替)
携帯端末2の制御部22は、表示制御の開始から所定時間n(図4参照)経過後に、表示制御から表示停止制御に切替える。所定時間nは、変更可能である。携帯端末2の制御部22は、外部の明るさに基づいて所定の時間を変更するように構成されている。
【0078】
図9に示すように、携帯端末2の制御部22は、時間帯と天候との合計ポイントによって、表示制御から表示停止制御に切替える所定時間n(図4参照)を変更する。時間帯については、昼が3ポイント、朝および夕が2ポイント、夜が1ポイントに設定されている。天候については、晴れが0ポイント、曇りがマイナス1ポイント、雨がマイナス2ポイントに設定されている。携帯端末2の制御部22は、時間帯と天候との合計ポイントが、3ポイントの場合は、所定時間nを5秒に設定する。携帯端末2の制御部22は、時間帯と天候との合計ポイントが、2ポイントの場合は、所定時間nを10秒に設定する。携帯端末2の制御部22は、時間帯と天候との合計ポイントが、1ポイント以下の場合は、所定時間nを15秒に設定する。
【0079】
(表示制御の設定)
図10に示すように、携帯端末2の表示部21には、文章情報の受信を通知する送信元を設定するための設定画面50が表示される。設定画面50には、携帯端末2の表示部21には、送信元のリスト51が表示されている。
【0080】
送信元のリスト51には、配達先と、配達元と、配達業者とが含まれる。設定画面50には、送信元のリスト51に加えて、設定ボタン52と設定解除ボタン53とが表示される。設定ボタン52は、Onと表示されるとともに、設定解除ボタン53は、Offと表示される。設定ボタン52と設定解除ボタン53とが操作されることにより、配達元、配達先および配達業者から文章情報を受信したときに通知する設定と、通知しない設定とが切り替わる。
【0081】
送信元のリスト51と、設定ボタン52および設定解除ボタン53とは対応しており、配達先と並べて表示される設定ボタン52および設定解除ボタン53は、配達先から文章情報を受信したときに、通知する設定にするか、通知しない設定にするかを選択するために用いられる。たとえば、配達先に対応する設定ボタン52の入力操作を受け付けた場合は、携帯端末2の制御部22は、配達依頼を受託している配達先からの受信を通知する設定として記憶部26に保存する。たとえば、配達先に対応する設定解除ボタン53による入力を受け付けた場合は、携帯端末2の制御部22は、配達先からの受信を通知しない設定として記憶部26に保存する。
【0082】
表示部21に表示される設定画面50には、配達先と、配達元と、配達業者とを除く特定の送信元を送信元のリスト51に追加するための追加ボタン54が表示される。追加ボタン54が操作された場合、携帯端末2の制御部22は、記憶部26に記憶されたアドレスの一覧を携帯端末2の表示部21に表示させる制御を行う。携帯端末2の制御部22は、アドレス一覧から選択されたアドレスを特定の送信元として登録する。これにより、携帯端末2の制御部22は、登録されたアドレスから文章情報を受信した場合に、文章情報の受信に基づいた画像を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。
【0083】
表示部21に表示される設定画面50には、送信元のリスト51から送信元を削除するための削除ボタン55が表示される。送信元の選択と、削除ボタン55の操作とを受け付けた場合、携帯端末2の制御部22は、送信元のリスト51から選択された送信元を削除する。これにより、携帯端末2の制御部22は、削除されたアドレスから文章情報を受信した場合には、通知画像40(図5(A)参照)の構築を要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信せずに、表示停止制御を継続させる。なお、図10では、文章情報の送信元の設定について説明したが、電話の発信元の設定も同様である。
【0084】
図11に示すように、携帯端末2の表示部21には、携帯端末2の制御部22は、受信した配達に関する情報、道路に関する注意情報、およびバッテリー14に関する情報に基づいた通知画像40を表示する優先度を設定するための優先度設定画面60が表示される。頭部装着型表示装置1の制御部12(図1参照)は、優先度が高い通知画像40を他の通知画像40よりも先に頭部装着型表示装置1に表示させる。優先度設定画面60には、配達時通知リスト61と非配達時通知リスト62とが表示される。また、優先度設定画面60には、配達時通知リスト61および非配達時通知リスト62に記載された配達に関する情報に対応するように優先度を高くするための上向き矢印63と、優先度を低くするための下向き矢印64とがそれぞれ表示される。たとえば、事故多発地点と対応する上向き矢印63が操作された場合、携帯端末2の制御部22は、事故多発地点の条件の優先度を上げて、記憶部26に保存する。頭部装着型表示装置1の制御部12は、優先度の高い情報に基づいて画像から表示部11に表示させる。配達時通知リスト61には、優先度が高い順番に表示される。
【0085】
優先度設定画面60には、配達に関する情報を通知するか否かを設定する設定ボタン65が表示される。設定ボタン65は、操作されるたびにOn(設定する)と、Off(設定しない)とが切り替わるように構成されている。携帯端末2の制御部22(図1参照)は、On状態の配達に関する情報を受信した場合に表示停止制御から表示制御に切替える。携帯端末2の制御部22は、Off状態の配達に関する情報を受信した場合に表示停止制御を継続する。
【0086】
図12図17に基づいて、頭部装着型表示装置1の表示部11の表示停止制御から表示制御に切替わる処理の流れを説明する。なお、図12図16の処理は、同時に行われる。
【0087】
図12は、特定の発信元からの着信に基づく携帯端末2の処理の流れを示す。ステップ110では、配達中か否かで進むステップが異なる。配達中であれば、ステップ111に進み、配達中でなければ終了する。配達依頼を受託する操作を受け付けた場合は、携帯端末2の制御部22は配達中と判定し、受け付けていない場合は携帯端末2の制御部22は、配達中でないと判定する。
【0088】
ステップ111では、携帯端末2に着信があったか否かで進むステップが異なる。携帯端末2に着信があった場合は、ステップ112に進み、着信が無ければ終了する。
【0089】
ステップ112では、携帯端末2の制御部22は、着信があった発信元と、配達先、配達元、配達会社および特定の発信元とが、一致するか否かを判定する、一致する場合は、ステップ113に進み、一致しない場合は終了する。
【0090】
ステップ113では、携帯端末2の制御部22は、電話の着信に基づいた画像を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。
【0091】
図13は、特定の送信元からの文章情報の受信に基づく携帯端末2の処理の流れを示す。ステップ120では、配達中か否かで進むステップが異なる。配達中であれば、ステップ121に進み、配達中でなければ終了する。配達依頼を受託する操作を受け付けた場合は、携帯端末2の制御部22は配達中と判定し、受け付けていない場合は携帯端末2の制御部22は、配達中でないと判定する。
【0092】
ステップ121では、携帯端末2が文章情報を受信したか否かで進むステップが異なる。携帯端末2が文章情報を受信した場合は、ステップ122に進み、受信していなければ終了する。
【0093】
ステップ122では、携帯端末2の制御部22は、文章情報の送信元のアドレスと、配達先、配達元、配達会社および特定の送信元のアドレスとが、一致するか否かを判定する、一致する場合は、ステップ123に進み、一致しない場合は終了する。
【0094】
ステップ123では、携帯端末2の制御部22は、文章情報の受信に基づいた画像を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。
【0095】
図14は、事故多発地点の存在に基づく、携帯端末2の処理の流れを示す。ステップ130は、道路に関する情報を取得前は、移動開始地点から現在地までの距離、および道路に関する注意情報を取得後は、最新の事故多発地点情報の取得をした地点から現在地までの距離が所定の距離に達したか否かにより進むステップが異なる。所定の距離に達している場合は、ステップ131に進み、達していない場合は終了する。
【0096】
ステップ131では、携帯端末2の制御部22は、サーバ3から事故多発地点に関する情報を取得する。ステップ132では、携帯端末2の制御部22は、取得した事故多発地点に関する情報と、位置検出部25で検出した位置情報とを比較し、事故多発地点が所定範囲内にあるか否かを判定する。事故多発地点が所定の範囲内にある場合はステップ132に進み、事故多発地点が所定の範囲内にない場合は終了する。
【0097】
ステップ133では、携帯端末2の制御部22は、事故多発地点の存在に基づいた画像を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。
【0098】
図15は、新規配達依頼の受信に基づく携帯端末2の処理の流れを示す。ステップ140では、配達中か否かで進むステップが異なる。配達中でなければ、ステップ141に進み、配達中あれば終了する。配達依頼を受託する操作を受け付けた場合は、携帯端末2の制御部22は配達中と判定し、受け付けていない場合は携帯端末2の制御部22は、配達中でないと判定する。
【0099】
ステップ141では、携帯端末2は、サーバ3に新規配達依頼があるか否かを確認する信号を送信する。サーバ3は、携帯端末2の信号に基づいて、携帯端末2の現在地から受注可能な範囲内の配達元からの新規配達依頼があるか否かを判定する。そして、サーバ3は、判定結果を携帯端末2に送信する。
【0100】
ステップ142では、サーバ3から新規依頼ありの判定結果が携帯端末2に送信された場合、ステップ143に進み、サーバ3から新規依頼なしの判定結果が携帯端末2に送信された場合は終了する。
【0101】
ステップ143では、携帯端末2の制御部22は、新規配達依頼に基づいた通知画像を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。
【0102】
図16は、特定の配達元の存在に基づく携帯端末2の処理の流れを示す。ステップ150では、携帯端末2の制御部22が、最新の特定の配達元を確認する信号をサーバ3に送信してから一定時間が経過したか否かで進むステップが異なる。一定時間が経過していれば、ステップ151に進み、一定時間が経過していなければ終了する。
【0103】
ステップ151では、携帯端末2は、サーバ3に特定の配達元があるか否かを確認する信号を送信する。サーバ3は、携帯端末2の信号に基づいて、携帯端末2の現在地から所定の範囲R(図7参照)内に特定の配達元があるか否かを判定する。そして、サーバ3は、判定結果を携帯端末2に送信する。
【0104】
ステップ152では、サーバ3から特定の配達元ありの判定結果が携帯端末2に送信された場合、ステップ153に進み、サーバ3から特定の配達元なしの判定結果が携帯端末2に送信された場合は終了する。
【0105】
ステップ153では、携帯端末2の制御部22は、特定の配達元に基づいた通知画像40を構築するように要求する信号を頭部装着型表示装置1に送信する。
【0106】
図17に基づいて、通知画像を構築するように要求する信号を携帯端末2から受信した頭部装着型表示装置1の制御部12の処理の流れを説明する。
【0107】
ステップ160では、頭部装着型表示装置1の制御部12が、通知画像を構築するように要求する信号を携帯端末2から受信したか否かで進むステップが変わる。受信している場合は、ステップ161に進み、受信していない場合は終了する。
【0108】
ステップ161では、頭部装着型表示装置1の制御部12は、表示部11の表示停止制御を解除する。ステップ162では、通知画像40を構築するように要求する信号の優先度を判定する。図12図16の処理が携帯端末2の制御部22で同時に行われることにより、複数の通知画像40を構築するように要求する信号を受信することが考えられる。そこで、ステップ162では、頭部装着型表示装置1の制御部12は通知画像40を構築するもとになる情報の優先度を判定し、優先度が高い情報に基づく通知画像40から順番に切替えて表示部11に表示させる。なお、通知画像を構築するように要求する信号が1つしかない場合は、頭部装着型表示装置1の制御部12は優先度を判定せずに、表示部11に通知画像40を表示させる。
【0109】
ステップ163では、通知画像40を構築するように要求する信号に基づく通知画像40をすべて表示させた後、携帯端末2の制御部22からの信号に基づいて、頭部装着型表示装置1の制御部12は、表示部11に表示停止制御を行う。
【0110】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0111】
本実施形態では、上記のように、配達に関する画像30が表示される頭部装着型表示装置1と、頭部装着型表示装置1に配達に関する画像30を表示させるための制御を行う制御部22を含む携帯端末2と、を備え、頭部装着型表示装置1は、駆動用のバッテリー14を含み、制御部22は、バッテリー14の消費電力を抑制するために頭部装着型表示装置1の表示停止制御を行うように構成されているとともに、表示停止制御中に、配達に関する情報を受信したことに基づいて、受信した配達に関する情報に基づいた通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させる表示制御に切り替えるように構成されている。これにより、頭部装着型表示装置1のバッテリー14の消費電力を抑制することができる。また、表示停止制御中に、配達に関する情報を受信したことに基づいて、受信した配達に関する情報に基づいた通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させる表示制御に切り替えるように構成されていることにより、表示停止制御中に受信した配達に関する情報を頭部装着型表示装置1に表示させることができる。この結果、バッテリー14の消費電力を抑制して、配達途中で頭部装着型表示装置1に必要な表示が行われなくなることを抑制することができる。
【0112】
また、本実施形態では、上記のように、制御部22は、表示制御の開始から所定時間経過後に、表示制御から表示停止制御に切替えるように構成されている。これにより、配達に関する情報を受信したことが所定時間表示されるため、配達員5に配達に関する情報を受信したことを確実に通知することができる。また、表示制御から表示停止制御に切替えるように構成されていることにより、配達員5が操作しなくとも表示停止制御に切り替わるため、バッテリー14の消費電力を確実に抑制することができる。
【0113】
また、本実施形態では、上記のように、配達に関する情報は、配達に関する文章情報を含み、制御部22は、表示停止制御中に、配達先または配達元から配達に関する文章情報を受信したことに基づいて、配達に関する文章情報の受信を通知する通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させる表示制御を行うように構成されている。これにより、配達に関する文章情報の受信を通知する画像が頭部装着型表示装置1に表示されることにより、配達員5は、配達に関する文章情報を迅速に確認することができる。このため、たとえば、配達に関する文章情報が配達先または配達元からの新規の配達依頼である場合、新規の配達依頼に対して迅速かつ的確に対応することができる。また、配達に関する文章情報が、配達元からの配達の変更に関するものである場合、配達の変更に対して迅速かつ的確に対応することができる。これらの結果、配達員5の利便性に加えて、配達元または配達先の利便性も向上させることができる。
【0114】
また、本実施形態では、上記のように、制御部22は、さらに、表示停止制御中に、配達先または配達元以外の予め設定された送信元から発信された文章情報を受信したことに基づいて、文章情報の受信を通知する通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させる表示制御を行うように構成されているとともに、予め設定された送信元以外の文章情報を受信した場合は、表示停止制御を継続するように構成されている。これにより、配達先または配達元以外の予め設定された送信元から発信された文章情報を受信したことに基づいて文章情報の受信を通知する通知画像40が表示されることにより、配達員5は、配達先または配達元以外の予め設定された送信元から送信された文章情報を確実に確認することができる。これにより、たとえば、予め設定された送信元が家族の場合、家族からの文章情報が送信された場合に文章情報を受信してすぐに確認することができるため、配達員5の利便性をさらに向上させることができる。また、予め設定された送信元以外の文章情報を受信した場合は、表示停止制御を継続するように構成されていることにより、送信元に関わらず通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されている場合と比べて、通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させる回数を減らすことができる。この結果、バッテリー14の消費電力をさらに抑制することができる。
【0115】
また、本実施形態では、上記のように、配達に関する情報は、配達先または配達元から発信された電話の着信を含み、制御部22は、表示停止制御中に、配達先または配達元から発信された電話を着信したことに基づいて、電話の着信を通知する通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させる表示制御を行うように構成されている。これにより、電話の着信を通知する通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させる表示制御を行うように構成されていることにより、配達員5は、電話の着信に対して迅速に対応することができる。このため、たとえば、電話の内容が新規の配達依頼である場合に配達員5が新規の配達依頼を迅速に受託することができるため、配達員5の利便性をより一層向上させることができる。
【0116】
また、本実施形態では、上記のように、制御部22は、さらに、表示停止制御中に、配達先または配達元以外の予め設定された発信元から発信された電話を着信したことに基づいて、電話の着信を通知する通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させる表示制御を行うように構成されているとともに、予め設定された発信元以外の電話を着信した場合は、表示停止制御を継続するように構成されている。これにより、配達先または配達元以外の予め設定された発信元からの着信に基づいて電話の着信を通知する通知画像40が表示されることにより、配達員5は、配達先または配達元以外の予め設定された発信元からの着信に確実に対応することができる。これにより、たとえば、予め設定された発信元が家族の場合、家族から緊急の電話を着信した場合に迅速に対応することができるため、配達員5の利便性をさらに向上させることができる。
【0117】
また、本実施形態では、上記のように、携帯端末2は、位置検出部25を備え、制御部22は、さらに、表示停止制御中に、位置検出部25によって検出された現在地から所定の範囲内に特定の条件を満たす特定の配達元が位置する情報を受信したことに基づいて、特定の配達元の存在を通知する通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させる表示制御を行うように構成されている。これにより、配達員5に特定の条件に合致する配達元の存在が通知されるため、配達員5は特定の条件に合致した配達元の配達依頼を確実に受託することができる。また、予め設定された発信元以外の電話を着信した場合は、表示停止制御を継続するように構成されていることにより、発信元に関わらず通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されている場合と比べて、通知画像40を頭部装着型表示装置1に表示させる回数を減らすことができる。この結果、バッテリー14の消費電力をより一層抑制することができる。
【0118】
また、本実施形態では、上記のように、特定の条件は、所定の時間帯における過去の配達の依頼数が所定数以上である条件を含む。これにより、過去の配達の依頼数が所定数以上の配達先から多くの配達依頼を一度に依頼される可能性があるため、配達員5が効率よく多くの配達の依頼を受託することが可能となる。
【0119】
また、本実施形態では、上記のように、制御部22は、さらに、道路に関する注意情報を取得したことに基づいて、警告する画像を頭部装着型表示装置1に表示させる表示制御を行うように構成されている。これにより、道路に関する注意情報を警告する通知画像40が表示されるため、配達員5が警告に従って移動することにより事故の発生を抑制することができる。
【0120】
また、本実施形態では、上記のように、携帯端末2は、位置検出部25を備え、道路に関する注意情報は、過去に事故が多発している事故多発地点に関する情報を含み、制御部22は、位置検出部25によって検出された現在地から所定の範囲内に事故多発地点が存在する場合に、警告する画像を頭部装着型表示装置1に表示する表示制御を行うように構成されている。これにより、事故多発地点が所定範囲内に存在する場合に警告する通知画像40が表示されることにより、配達員5は、注意を払って移動することができるため、事故の発生をより抑制することができる。
【0121】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0122】
たとえば、上記本実施形態では、携帯端末がスマートフォンである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、携帯端末は、タブレット端末または携帯用パーソナルコンピュータであってもよい。
【0123】
また、上記本実施形態では、携帯端末の制御部が表示制御を行ってから所定時間経過後に、表示停止制御に切替えるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、頭部装着型表示装置の電源部が操作された信号に基づき、携帯端末の制御部は、所定時間経過前に表示停止制御に切替える制御を行ってもよい。
【0124】
また、上記本実施形態では、電話の着信が、文章情報の受信よりも優先度が高く先に判断される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、文章情報の受信が、電話の着信よりも優先度が高く設定されてもよい。
【0125】
また、上記本実施形態では、配達依頼が、特定の配達先よりも優先度が高く先に判断される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、特定の配達先が、配達依頼よりも優先度が高く設定されてもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、配達に関する情報の判断の優先度が異なる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、配達に関する情報の判断の優先度が同じであってもよい。この場合、配達に関する注意情報は、並べて表示されてもよく、交互に表示切替されてもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、特定の条件は、所定の時間帯における過去の配達の依頼数が所定数以上である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、特定の条件は、配達依頼の報酬が高い配達元を選択する条件であってもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、特定の条件は、道路に関する注意情報は、過去に事故が多発している事故多発地点に関する情報である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、道路に関する情報は、道路の段差に関する情報であってもよく、路面の状態を示す情報であってもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、携帯端末の制御部が、現在地から所定の範囲内に事故多発地点が存在するか否かを判定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、サーバが、現在地から所定の範囲内に事故多発地点が存在するか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、携帯端末の制御部が、表示制御から表示停止制御に切替える所定時間を設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、サーバが、所定時間を設定するように構成されていてもよい。
【0131】
また、上記実施形態では、携帯端末の制御部が、表示制御から表示停止制御に切替える所定時間を設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、表示制御から表示停止制御に切替える所定時間をユーザが設定できるように構成されていてもよい。
【0132】
また、上記実施形態では、頭部装着型表示装置1の制御部が、通知画像を構築する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、携帯端末の制御部が通知画像を構築し、頭部装着型表示装置に送信するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0133】
1 頭部装着型表示装置
2 携帯端末
14 バッテリー
22 制御部
25 位置検出部
40 通知画像
100 配達システム
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