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  • 特開-生体試料保存容器 図1
  • 特開-生体試料保存容器 図2
  • 特開-生体試料保存容器 図3
  • 特開-生体試料保存容器 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165853
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】生体試料保存容器
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
C12M1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071397
(22)【出願日】2021-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】721002417
【氏名又は名称】中野 源紀
(72)【発明者】
【氏名】中野 源紀
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA08
4B029BB01
4B029CC01
4B029GA02
4B029GB09
(57)【要約】
【課題】容器内部に接触せず、容器内壁を破壊することなく密封、開放状態にすることが可能な生体試料保存容器を提供する。
【解決手段】樹脂材料よりなる凹型部品と封止部材から構成され、いずれか一方、あるいは、双方の部材の封止面にレーザーのような特定波長の電磁波を吸収し、発熱、溶融する溶融部を備える。溶融部は凹型部品と封止部材の間に位置し、凹型部品の内壁の外側に配置されることで、容器内壁と接触せず、且つ、容器内壁を変形することなく凹型部品と封止部材の間で可逆的に溶融、固着することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料よりなる凹型部品と封止部材から構成され、いずれか一方、あるいは、双方の部材の封止面に樹脂原料の特性、あるいは、着色等の加工によりレーザーのような特定波長の電磁波を吸収し、発熱、溶融する溶融部を備えることを特徴とする生体試料保存容器。
【請求項2】
凹型部品と封止部材は電磁波源から溶融部までの直線上に存在する部分が電磁波を透過させる特性を有する請求項1に記載の生体試料保存容器。
【請求項3】
前記溶融部は、閉蓋時に凹型部品の内壁より外側に配置される請求項2に記載の生体試料保存容器。
【請求項4】
容器外周に沿って外側に向かって延出した突出部を有し、前記溶融部は該突出部上に凹型部品内壁と隔離して配置される請求項1~3のいずれかに記載の生体試料保存容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞等を含む生体試料を保存する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
生体試料は使用までの間、容器に収められた状態で保存される。例えば、細胞等の生体試料は異物等による汚染を避けるため、特に密閉性の高い容器にて保存される。溶封等の手段で密封する容器が用いられることが多い。
【0003】
前記の溶封を伴う従来の容器では、生体試料を取り出す際、容器の切断や穿刺等の手段で再開封されることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
溶封等により容器を密封する場合、容器内部を変形させて接合する必要がある。また、内容物の取出しの際は、例えば、刃物や針、熱ウエハー等の使用が考えられるが、いずれも容器内壁との部分的な接触、容器内壁の変形、部分的な破壊等を伴う。
【0005】
従って、本発明は、容器内壁と接触せず、容器内壁の構造を変化させることなく密封、再度、開放状態にすることが可能な生体試料保存容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、樹脂材料よりなる凹型部品と封止部材から構成され、いずれか一方、あるいは、双方の部材の封止面にレーザーのような特定波長の電磁波を吸収し、発熱、溶融する溶融部を備えることを特徴とする生体試料保存容器に関する。
【0007】
前記溶融部は樹脂原料の特性、あるいは、着色等の加工により特定波長の電磁波を吸収する特性を有する樹脂で構成されることが好適である。
【0008】
前記凹型部品と封止部材は電磁波源から溶融部までの直線上に存在する部分が電磁波を透過させる特性を有することが好適である。
【0009】
前記溶融部は凹型部品の口部内壁より外側に配置されることが好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の生体試料保存容器によれば、清潔、且つ、安定した操作により開封することが可能な生体試料保存容器を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る、封止部材が装着された生体試料保存容器を示す正面図である。
図2図1のX-X線における断面図である。
図3図1の分解斜視図である。
図4】第二実施形態に係る、封止部材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第一実施形態について、図1~3を参照しつつ説明する。
以下、図における上方向を「天側」、下方向を「底側」と称する。
本実施形態は天側から特定波長の電磁波が照射されることを想定した構成である。生体試料保存容器1は収容容器10と封止部材20により構成される。
【0013】
収容容器10は凹型部品11と、溶融部15と、を備え、生体試料は収容部16に収容される。
【0014】
突出部13は凹型部品11の一部として一体的に成形され、筒部12の外縁に沿って一周途切れず延出する。該突出部13の天側面は筒部12の天側端部である口部14の天側面より底側に配置される。
【0015】
前記溶融部15は突出部13の天側面から口部14の天側面の間に配置され、容器外縁を一周途切れずに囲う形状である。該溶融部15を含む収容容器10は二色成形や接着、溶着等により一体的に形成された部品である。
【0016】
容器を封止する際、封止部材20の底側面と溶融部15の天側面との接触面が容器外縁を一周途切れずに囲う形状で配置される。
【0017】
前記封止部材20は特定波長の電磁波が透過する部材で構成されており、電磁波の吸収率は溶融部15の部材より低い。
【0018】
封止の際は、前記封止部材20の底側面は溶融部15が特定波長の電磁波の吸収により発した熱により溶融し、溶融部15との接触面で接合される。
【0019】
密封された容器を開封する際は、特定波長の電磁波の吸収により溶融部15が溶融し、封止部材20と、収容容器10のいずれか、あるいは、双方を反対方向へと変位させることで溶融部15と封止部材底側面が剥離する。
【0020】
第二実施形態では特定波長の電磁波が底側から照射される場合の構成について説明する。第二実施形態は溶融部15Aが封止部材底側面に密着した構成である(図4)。本実施形態については、収容容器10の溶融部15は省略可能となり得る。容器の封止手段、密封された容器の開封手段については、第一実施形態と同様の機構であり、この場合、溶融する面は溶融部15Aの底側面、及び、熱伝導により溶融する突出部13の天側面となる。
【0021】
本発明は、記載された実施形態に限定されず、上記の1つ以上の特徴を備える生体試料保存容器である。
例えば、特定波長の電磁波が照射されて溶融する箇所が口部14の内壁よりも外側である場合、第一実施形態の凹型部品11は溶融部と同一の部材で構成されてもよく、単一材料での成形が可能となり得る。また、この場合、突出部13の構造を省略することも可能となり得る。
【0022】
また、電磁波が容器の側面側から照射される場合、溶融部15は凹型部品11と封止部材20の間に配置されればよく、その構成は上記実施形態の限りでない。例えば、筒部12の外側面や封止部材20の内側面に溶融部15が設けられてもよい。溶融部15はオーリング状のゴム部品など、独立した部品であってもよい。
【0023】
また、溶融される個所を口部14の内壁から外側方向に離して配置する場合、溶融部15は口部14の天側面より天側に設けてもよい。
【0024】
また、リブやゴム部材等による密封性の確保と組み合わせてもよく、これらの部品と溶融部15を接することで密封し得る。
【0025】
また、封止部材20と収容容器10はねじ等により嵌合してもよい。
【0026】
また、第一実施形態の凹型部品11と第二実施形態の封止部材20Aを組み合わせるように、溶融部を封止部材と凹型部品の双方に配置し、双方の溶融部に電磁波を照射しても密封され得る。
【符号の説明】
【0027】
1 生体試料保存容器
10 収容容器
11 凹型部品
12 筒部
13 突出部
14 口部
15,15A 溶融部
16 収容部
20,20A 封止部材
図1
図2
図3
図4