(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165891
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】自然吸気型冷凍アブレーションシステム
(51)【国際特許分類】
F25B 19/00 20060101AFI20221025BHJP
A61B 18/02 20060101ALI20221025BHJP
F25B 7/00 20060101ALI20221025BHJP
F28D 1/06 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
F25B19/00 Z
A61B18/02
F25B7/00 D
F28D1/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132198
(22)【出願日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】202110424100.7
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521361512
【氏名又は名称】北京陽光易幇医療科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Sunshine Yi Bang Medical System Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 201, 2nd Floor, Building 5, No.8, Kechuang 3rd Street, Beijing Jingji Jishu Kaifaqu, 102600 Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【弁理士】
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【弁理士】
【氏名又は名称】小磯 貴子
(72)【発明者】
【氏名】劉 剣鵬
(72)【発明者】
【氏名】崔 佳星
【テーマコード(参考)】
3L103
4C160
【Fターム(参考)】
3L103AA35
3L103CC12
3L103CC18
3L103DD62
4C160JJ01
4C160KK03
4C160KK04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】冷却のためのエネルギー源として特別な冷媒ガスを必要とせず、自然吸気の方式を採用し、電気エネルギーによって空気を圧縮させ、高圧空気の流量調節特性によって冷熱を発生させることにより、冷凍アブレーション設備の普及及び使用を促進し、大型都市での患者の滞留を効果的に低減させ、患者が近くで速やかな治療を受け、患者の旅行の疲れを減らし、治療費用の支出を節約することができる。自然吸気型冷凍アブレーションシステムを提供する。
【解決手段】自然吸気型冷凍アブレーションシステムは、医療設備技術分野に属し、気体供給ステーションとホストとを含み、気体供給ステーションは、第一気体圧縮ユニット、第二気体圧縮ユニット、気体供給ステーション駆動ユニット、排出ユニット及び気体貯蔵ユニットを含み、ホストは、気体割当ユニット、気体予冷槽、動作気体出力接続口及びホスト駆動制御ユニットを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然吸気型冷凍アブレーションシステムであって、気体供給ステーションとホストとを含み、前記気体供給ステーションは、第一気体圧縮ユニット、第二気体圧縮ユニット、気体供給ステーション駆動ユニット、排出ユニット及び気体貯蔵ユニットを含み、前記第一気体圧縮ユニットの入力端は、ろ過後の空気と接続され、前記第一気体圧縮ユニットの出力端は、前記第二気体圧縮ユニットの入力端に接続され、前記第二気体圧縮ユニットの出力端は、それぞれ前記排出ユニット及び気体貯蔵ユニットに接続され、前記気体供給ステーション駆動ユニットは、それぞれ前記第一気体圧縮ユニット及び第二気体圧縮ユニットに接続され、前記ホストは、気体割当ユニット、気体予冷槽、動作気体出力接続口及びホスト駆動制御ユニットを含み、前記ホスト駆動制御ユニットは、気体供給ステーション駆動ユニットに接続され、前記気体割当ユニットは、それぞれ前記気体貯蔵ユニット及び気体予冷槽に接続され、前記気体予冷槽は、動作気体出力接続口に接続されることを特徴とする自然吸気型冷凍アブレーションシステム。
【請求項2】
前記第一気体圧縮ユニットは、気体の輸送方向に沿って直列接続される第一段シリンダ、第一冷却管、第一逆止弁、第一安全弁、第二段シリンダ、第二冷却管、第二逆止弁及び第二安全弁を含み、前記第一段シリンダの吸気口は、ろ過後の空気と接続されることを特徴とする請求項1に記載の自然吸気型冷凍アブレーションシステム。
【請求項3】
前記第二気体圧縮ユニットは、気体の輸送方向に沿って直列接続される第三段シリンダ、第三冷却管、第三逆止弁、第三安全弁、第一油水分離器、第四段シリンダ、第四冷却管、第四逆止弁、第四安全弁及び第二油水分離器を含み、前記第三段シリンダは、前記第二安全弁に接続されることを特徴とする請求項2に記載の自然吸気型冷凍アブレーションシステム。
【請求項4】
前記排出ユニットは、第一電磁弁、第二電磁弁及び排出口を含み、前記第一電磁弁は、前記第一油水分離器に接続され、前記第二電磁弁は、前記第二油水分離器に接続され、前記第一電磁弁及び第二電磁弁はいずれも前記排出口に接続されることを特徴とする請求項3に記載の自然吸気型冷凍アブレーションシステム。
【請求項5】
前記気体貯蔵ユニットは、気体の輸送方向に沿って直列接続される第一圧力伝送器、第五逆止弁、第五安全弁、高圧送気管、ガスボンベ、第二圧力伝送器、ニードル弁及び高圧気体出力接続口を含み、前記第一圧力伝送器は、前記第二油水分離器に接続され、前記高圧気体出力接続口は、第一減圧器及び送気管路を通じて前記気体割当ユニットに接続されることを特徴とする請求項4に記載の自然吸気型冷凍アブレーションシステム。
【請求項6】
前記気体供給ステーション駆動ユニットは、電動モーター、気体供給ステーション制御基板、気体供給ステーション駆動基板、絶縁変圧器、接触器、気体供給ステーション通信接続口及び気体供給ステーションヒューマンマシンインタラクションモジュールを含み、前記電動モーターは、それぞれ前記第一段シリンダ、第二段シリンダ、第三段シリンダ及び第四段シリンダのピストンに接続され、前記接触器は、それぞれ前記絶縁変圧器、気体供給ステーション駆動基板及び電動モーターに電気的接続され、前記気体供給ステーション制御基板は、それぞれ前記気体供給ステーション駆動基板、第一圧力伝送器、第二圧力伝送器、気体供給ステーション通信接続口及び気体供給ステーションヒューマンマシンインタラクションモジュールに電気的接続され、前記気体供給ステーション駆動基板は、それぞれ前記第一電磁弁及び第二電磁弁に電気的接続されることを特徴とする請求項5に記載の自然吸気型冷凍アブレーションシステム。
【請求項7】
前記ホスト駆動制御ユニットは、ホスト通信接続口、ホスト制御基板、ホスト駆動基板及びホストヒューマンマシンインタラクションモジュールを含み、前記ホスト制御基板は、それぞれ前記ホストヒューマンマシンインタラクションモジュール、ホスト通信接続口及びホスト駆動基板に電気的接続され、前記ホスト通信接続口は、前記気体供給ステーション通信接続口に電気的接続されることを特徴とする請求項6に記載の自然吸気型冷凍アブレーションシステム。
【請求項8】
前記気体割当ユニットは、吸気接続口、フィルタ、第六安全弁、主電磁弁、高圧電磁弁群、低圧電磁弁群、第三圧力伝送器、第二減圧器、逆止弁群、電気ヒーター群及びチャンネル温度測定接続口群を含み、前記吸気接続口は、前記第一減圧器及び送気管路を通じて前記高圧気体出力接続口に接続され、前記吸気接続口は、フィルタに接続され、前記フィルタは、第六安全弁に接続され、前記第六安全弁は、それぞれ前記主電磁弁及び第三圧力伝送器に接続され、前記第三圧力伝送器は、前記ホスト制御基板に電気的接続され、前記主電磁弁は、それぞれ前記高圧電磁弁群及び第二減圧器に接続され、前記高圧電磁弁群は、前記気体予冷槽に接続され、前記ホスト駆動基板は、それぞれ前記主電磁弁、気体予冷槽、高圧電磁弁群及び低圧電磁弁群に電気的接続され、前記第二減圧器は、低圧電磁弁群に接続され、前記低圧電磁弁群は、逆止弁群に接続され、前記逆止弁群は、電気ヒーター群に接続され、前記電気ヒーター群は、前記動作気体出力接続口に接続され、前記ホスト制御基板は、電気ヒーター群に電気的接続され、前記チャンネル温度測定接続口群は、前記ホスト制御基板に電気的接続されることを特徴とする請求項7に記載の自然吸気型冷凍アブレーションシステム。
【請求項9】
前記気体予冷槽には、空気吸気口、空気出気口、冷媒入口及び冷媒出口が開設され、前記空気吸気口は、前記高圧電磁弁群に接続され、前記気体予冷槽内には、冷却伝導液が保存され、前記冷却伝導液内には、冷却管及びガス輸送管が設けられ、前記冷却管の一端は、前記冷媒入口に接続され、前記冷却管の他端は、前記冷媒出口に接続され、前記ガス輸送管の一端は、前記空気吸気口に接続され、前記ガス輸送管の他端は、前記空気出気口に接続され、前記気体予冷槽の外表面には、断熱層が設けられ、前記気体予冷槽の頂部には、前記冷却伝導液と接触する液位センサー及び温度センサーが設けられ、前記空気出気口は、前記動作気体輸送接続口に接続されることを特徴とする請求項8に記載の自然吸気型冷凍アブレーションシステム。
【請求項10】
前記ホスト通信接続口及び気体供給ステーション通信接続口はいずれもUSB接続口、シリアル通信接続口、イーサネット接続口又は光ファイバー通信接続口であり、前記冷却管及びガス輸送管はいずれも螺旋状の構造であり、前記冷却伝導液は、低温下で液体物質であり、前記断熱層は、真空構造、双層構造又は保温材料ラップ構造であることを特徴とする請求項9に記載の自然吸気型冷凍アブレーションシステム。
【請求項11】
前記冷凍アブレーションシステムはさらに冷却ユニットを含み、前記冷却ユニットは、第一圧縮機、第二圧縮機、凝縮器、第一リザーバ、第二リザーバ、熱交換器、第一膨張弁及び第二膨張弁を含み、前記第一圧縮機は、凝縮器に接続され、前記凝縮器は、第一リザーバに接続され、前記第一リザーバは、第一膨張弁に接続され、前記第一膨張弁は、熱交換器に接続され、前記熱交換器は、第一圧縮機に接続され、前記第二圧縮機は、熱交換器に接続され、前記第二リザーバは、熱交換器に接続され、前記第二リザーバは、第二膨張弁に接続され、前記第二膨張弁は、前記冷媒入口に接続され、前記冷媒出口は、前記第二圧縮機に接続されることを特徴とする請求項10に記載の自然吸気型冷凍アブレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療設備技術分野に関し、特に自然吸気型冷凍アブレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍技術の継続的な発展に伴い、臨床に広く応用されるとともに、疾病治療における冷凍技術の優位性は、幅広い専門家に認められ、応用範囲と病症もますます広くなっている。例えば、腫瘍治療に用いる「アルゴンナイフ」は、アルゴンガスを冷凍のための冷媒ガスとし、ヘリウムガスを昇温のための熱媒ガスとし、腫瘍治療領域ですでに広く認められている。気管支鏡による検査のための冷凍システムは、炭酸ガスを冷媒として利用し、冷凍すると粘着力があるという特徴に合わせ、気管支鏡を通じて肺部組織の抽出を行う。現在発展してきた冷凍による心房細動治療の冷凍システムは、亜酸化窒素やアルゴンガスなどを冷凍のための冷媒として利用し、冷凍による心房組織のアブレーションを行い、電気信号伝導隔離の目的を達成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の冷凍システムの共同特徴は、冷凍エネルギー源としてアルゴン、亜酸化窒素、二酸化炭素などの冷媒ガスを必要とすることである。ただし、我が国の気体資源は限られて、一線の大都市では気体の供給がまだ可能であるが、遠隔地の二線都市や三線都市では、ガス供給が輸送、山地、環境、生産業者などの多くの不利な条件の影響を受け、供給を行うことが難しいことで、このような冷凍設備は二線、三線都市で応用展開しにくくなり、これは大型都市での患者の滞留を招くため、冷媒ガスの供給は冷凍設備の応用発展の「ボトルネック」問題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
冷凍のためのエネルギー源とする冷媒ガスの供給制限問題を解決するためには、本発明は、自然吸気型冷凍アブレーションシステムを提供し、当該システムは、気体供給ステーションとホストとを含み、前記気体供給ステーションは、第一気体圧縮ユニット、第二気体圧縮ユニット、気体供給ステーション駆動ユニット、排出ユニット及び気体貯蔵ユニットを含み、前記第一気体圧縮ユニットの入力端は、ろ過後の空気と接続され、前記第一気体圧縮ユニットの出力端は、前記第二気体圧縮ユニットの入力端に接続され、前記第二気体圧縮ユニットの出力端は、それぞれ前記排出ユニット及び気体貯蔵ユニットに接続され、前記気体供給ステーション駆動ユニットは、それぞれ前記第一気体圧縮ユニット及び第二気体圧縮ユニットに接続され、前記ホストは、気体割当ユニット、気体予冷槽、動作気体出力接続口及びホスト駆動制御ユニットを含み、前記ホスト駆動制御ユニットは、気体供給ステーション駆動ユニットに接続され、前記気体割当ユニットは、それぞれ前記気体貯蔵ユニット及び気体予冷槽に接続され、前記気体予冷槽は、動作気体出力接続口に接続される。
【発明の効果】
【0005】
本発明により提供された自然吸気型冷凍アブレーションシステムは、冷却のためのエネルギー源として特別の冷媒ガスを必要とせず、自然吸気の方式を採用し、気体供給ステーションで自然空気を圧縮させ高圧空気を出力し、ホストで高圧空気を予冷して高圧低温空気を出力し、高圧低温空気の流量調節を行い冷熱を発生させ、それに高圧空気を減圧及び加熱し低圧高温空気を出力し、低圧高温空気の流量調節を行い熱量を発生させ、冷凍アブレーション設備の二線、三線都市の応用発展の需要を満足することにより、冷凍アブレーション設備の普及及び使用を促進し、大型都市での患者の滞留を効果的に低減させ、患者が近くで速やかな治療を受け、患者の旅行の疲れを減らし、治療費用の支出を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本発明の実施例に係る自然吸気型冷凍アブレーションシステムの構成原理ブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例に係る気体予冷槽の冷却原理を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係る気体予冷槽の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明の技術案についてさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本発明の実施例に係る自然吸気型冷凍アブレーションシステムは、気体供給ステーション及びホストを含む。気体供給ステーションの機能は、空気の圧縮及び昇圧を行い、ガスボンベに貯蔵することである。空気は、圧縮後に昇温し、冷凍の効果に影響を与えるので、気体供給ステーションには、各段のシリンダ間に冷却管を設置して圧縮空気を冷却する。ホストの機能は、圧縮空気の制御を行い、異なる動作チャンネルに割り当てることである。また空気の冷却効果を高めるために、ホストに気体予冷槽を設けて空気出力前に空気を予冷する。以下、本発明の実施例に係る気体供給ステーション及びホストの具体的な構成を詳細に説明する。
【0008】
図1に示すように、本発明の実施例に係る気体供給ステーションは、第一気体圧縮ユニット、第二気体圧縮ユニット、気体供給ステーション駆動ユニット、排出ユニット及び気体貯蔵ユニットを含む。第一気体圧縮ユニットの入力端は、ろ過後の空気と接続され、第一気体圧縮ユニットの出力端は、第二気体圧縮ユニットの入力端に接続され、第二気体圧縮ユニットの出力端は、それぞれ排出ユニット及び気体貯蔵ユニットに接続され、気体供給ステーション駆動ユニットは、それぞれ第一気体圧縮ユニット及び第二気体圧縮ユニットに接続される。空気は、気体供給ステーションの自然吸気口から吸気フィルタに入り、空気のろ過を行い、空気中の大きな粒子状の不純物を除去する。ろ過後の空気は、第一気体圧縮ユニットに入り、第一気体圧縮ユニットは、ろ過後の空気の圧縮及び昇圧を行う。具体的な応用では、本実施例の第一気体圧縮ユニットは、気体の輸送方向に沿って直列接続される第一段シリンダ11、冷却管12、逆止弁13、安全弁14、第二段シリンダ21、冷却管22、逆止弁23及び安全弁24を含み、第一段シリンダ11の吸気口は、ろ過後の空気と接続される。
【0009】
図1に示すように、第一気体圧縮ユニットで圧縮した後の空気は、第二気体圧縮ユニットに入り、引き続き空気の圧縮及び昇圧を行う。具体的な応用では、本実施例の第二気体圧縮ユニットは、気体の輸送方向に沿って直列接続される第三段シリンダ31、冷却管32、逆止弁33、安全弁34、油水分離器35、第四段シリンダ41、冷却管42、逆止弁43、安全弁44及び油水分離器45を含み、第三段シリンダ31は、安全弁24に接続され、油水分離器は、空気中の水蒸気及びオイルミストを分離し、出力する気体の清浄度を確保する。
【0010】
図1に示すように、本実施例の排出ユニットは、電磁弁61、電磁弁62及び排出口63を含み、電磁弁61は、油水分離器35に接続され、電磁弁62は、油水分離器45に接続され、電磁弁61及び電磁弁62はいずれも排出口63に接続され、電磁弁61及び電磁弁62のオン状態下で、油水分離器35及び油水分離器45から分離した水蒸気及び油の不純物は、排出口63から排出される。
【0011】
図1に示すように、本実施例の気体貯蔵ユニットは、気体の輸送方向に沿って直列接続される圧力伝送器51、逆止弁52、安全弁53、高圧送気管54、ガスボンベ55、圧力伝送器56、ニードル弁57及び高圧気体出力接続口58を含み、圧力伝送器51は、油水分離器45に接続され、高圧気体出力接続口58は、減圧器81及び送気管路82を通じて気体割当ユニットに接続される。
【0012】
図1に示すように、本実施例の気体供給ステーション駆動ユニットは、電動モーター71、気体供給ステーション制御基板72、気体供給ステーション駆動基板73、絶縁変圧器74、接触器75、気体供給ステーション通信接続口76及び気体供給ステーションヒューマンマシンインタラクションモジュール77を含み、電動モーター71は、それぞれ第一段シリンダ11、第二段シリンダ21、第三段シリンダ31及び第四段シリンダ41のピストンに接続され、すべてのシリンダのピストンを動作させるように駆動し、電動モーター71と各段のシリンダのピストンとの伝達方式は、歯車又はベルドによる伝達であり、接触器75は、それぞれ絶縁変圧器74、気体供給ステーション駆動基板73及び電動モーター71に電気的接続され、気体供給ステーション制御基板72は、それぞれ気体供給ステーション駆動基板73、圧力伝送器51、圧力伝送器56、気体供給ステーション通信接続口76及び気体供給ステーションヒューマンマシンインタラクションモジュール77に電気的接続され、気体供給ステーション駆動基板73は、それぞれ電磁弁61及び電磁弁62に電気的接続され、気体供給ステーション駆動基板73は、気体供給ステーション制御基板72の制御によって電磁弁61及び電磁弁62のオン又はオフ、及び接触器75のオン又はオフを制御する。
【0013】
図1に示すように、本発明の実施例に係るホストは、気体割当ユニット、気体予冷槽、動作気体出力接続口及びホスト駆動制御ユニットを含む。そのうち、ホスト駆動制御ユニットは、気体供給ステーション駆動ユニットに接続され、気体割当ユニットは、それぞれ気体貯蔵ユニット及び気体予冷槽に接続され、気体予冷槽は、動作気体出力接続口に接続される。
【0014】
図1に示すように、本実施例のホスト駆動制御ユニットは、ホスト通信接続口91、ホスト制御基板92、ホスト駆動基板93及びホストヒューマンマシンインタラクションモジュール94を含み、ホスト制御基板92は、それぞれホストヒューマンマシンインタラクションモジュール94、ホスト通信接続口91及びホスト駆動基板93に電気的接続され、ホスト通信接続口91は、気体供給ステーション通信接続口76に電気的接続され、ホストと気体供給ステーションとの間の情報通信のために用いられ、情報通信の交換データは、気体供給ステーションの気体圧力、動作状態、及びホストの動作チャンネル数や動作チャンネルの状態などを含み、それにより気体の供給は、ホスト気体の使用量に適合することだけでなく、十分な気体の供給を保証するとともに、エネルギー源の無駄を低減させることができる。ホスト通信接続口91及び気体供給ステーション通信接続口76はいずれもUSB接続口、シリアル通信(RS232、RS485、RS422)接続口、イーサネット接続口又は光ファイバー通信接続口などであってもよい。
【0015】
図1に示すように、本実施例の気体割当ユニットは、吸気接続口101、フィルタ102、安全弁103、主電磁弁104、高圧電磁弁群、低圧電磁弁群、圧力伝送器105、減圧器106、逆止弁群、電気ヒーター群及びチャンネル温度測定接続口群を含む。そのうち、吸気接続口101は、減圧器81及び送気管路82を通じて高圧気体出力接続口58に接続され、吸気接続口101は、フィルタ102に接続され、フィルタ102は、安全弁103に接続され、安全弁103は、それぞれ主電磁弁104及び圧力伝送器105に接続され、圧力伝送器105は、ホスト制御基板92に電気的接続され、主電磁弁104は、それぞれ高圧電磁弁群及び減圧器106に接続され、高圧電磁弁群は、気体予冷槽に接続され、ホスト駆動基板93は、それぞれ主電磁弁104、気体予冷槽、高圧電磁弁群及び低圧電磁弁群に電気的接続され、減圧器106は、低圧電磁弁群に接続され、低圧電磁弁群は、逆止弁群に接続され、逆止弁群は、電気ヒーター群に接続され、電気ヒーター群は、動作気体出力接続口に接続され、ホスト制御基板92は、電気ヒーター群に電気的接続され、チャンネル温度測定接続口群は、ホスト制御基板92に電気的接続される。本実施例では、高圧電磁弁群は、8つの高圧電磁弁を含み、低圧電磁弁群は、8つの低圧電磁弁を含み、逆止弁群は、8つの逆止弁を含み、電気ヒーター群は、8つの電気ヒーターを含み、チャンネル温度測定接続口群は、8つのチャンネル温度測定接続口を含み、チャンネル温度測定接続口は、外部冷凍アブレーションニードルの温度測定センサーに電気的接続され、動作気体出力接続口の数は8個であり、すなわち、本発明の実施例に係るホストは、8チャンネルの動作気体出力接続口を提供している。説明すべき点については、実際の応用例において、動作気体出力接続口の数は、実際の需要に応じて設定されたものであり、例えば、4個、6個又は10個の動作気体出力接続口などを設置してもよい。それに対して、高圧電磁弁群及び低圧電磁弁群のそれぞれに含まれる高圧電磁弁及び低圧電磁弁の数、逆止弁群に含まれる逆止弁の数、電気ヒーター群に含まれる電気ヒーターの数、チャンネル温度測定接続口群に含まれるチャンネル温度測定接続口の数はいずれも動作気体出力接続口の数と同じでなければならない。
【0016】
図3に示すように、本発明の実施例に係る気体予冷槽は、高圧空気の予冷のために用いられ、それに空気吸気口301、空気出気口302、冷媒入口303及び冷媒出口304が開設される。そのうち、空気吸気口301は、高圧電磁弁群に接続され、気体予冷槽内には、冷却伝導液305が保存され、冷却伝導液305内には、冷却管306及びガス輸送管307が設けられ、冷却管306の一端は、冷媒入口303に接続され、冷却管306の他端は、冷媒出口304に接続され、ガス輸送管307の一端は、空気吸気口301に接続され、ガス輸送管307の他端は、空気出気口302に接続され、気体予冷槽の外表面には、断熱層308が設けられ、気体予冷槽の頂部には、冷却伝導液305と接触する液位センサー309及び温度センサー310が設けられ、空気出気口302は、動作気体出力接続口に接続される。具体的な応用では、冷媒は、冷媒入口303から気体予冷槽に入り、冷却管306を通じて冷却伝導液305をすべて冷却し、冷却後の冷媒は、冷媒出口304から流出し、冷却伝導液305は、ガス輸送管307を冷却し、常温空気は、空気吸気口301からガス輸送管307に入り、ガス輸送管307で冷却され、その後に空気出気口302から流出し、予冷後の低温空気となり、予冷後の低温空気は、動作気体出力接続口から出力される。伝導の表面積を増やすために、冷却管306及びガス輸送管307はいずれも螺旋状の構造であり、材質として温度伝導率のよい銅(螺旋状の銅管など)であってもよい。冷却伝導液305は、低温下で液体物質(無水エタノールなど)である。断熱層308は、真空構造、双層構造又は保温材料ラップ構造であり、気体予冷槽全体の冷熱を無駄にしないことを保証する。液位センサー309及び温度センサー310は、冷却伝導液305の液位及び温度をリアルタイムに監視するために用いられ、冷却伝導液の液量は不足する場合、液を補充しなければならない。
【0017】
図2に示すように、本発明の実施例に係る冷凍アブレーションシステムはさらに冷却ユニットを含み、冷媒の循環冷却のために用いられ、その冷却過程では二段圧縮機構造を採用し、具体的には圧縮機401、圧縮機402、凝縮器403、リザーバ404、リザーバ405、熱交換器406、膨張弁407及び膨張弁408を含む。そのうち、圧縮機401は、凝縮器403に接続され、凝縮器403は、リザーバ404に接続され、リザーバ404は、膨張弁407に接続され、膨張弁407は、熱交換器406に接続され、熱交換器は、圧縮機401に接続され、圧縮機402は、熱交換器406に接続され、リザーバ405は、熱交換器406に接続され、リザーバ405は、膨張弁408に接続され、膨張弁408は、冷媒入口303に接続され、冷媒出口304は、圧縮機402に接続される。具体的な応用では、圧縮機401は、冷媒の圧縮を行い、圧縮後の冷媒は、凝縮器403を経由して風冷式の冷却を行い、その後にリザーバ404に入り、膨張弁407を通じて熱交換器406に入り、熱交換器406全体を冷却することで、圧縮機402が受けた冷媒を冷却し、冷却後の冷媒は、リザーバ405、膨張弁408及び冷媒入口303を通じて冷却管306に入り、冷却伝導液を冷却することで、気体予冷槽の冷却を実現する。予冷前の高圧空気は、螺旋状の銅管を通じて気体予冷槽に流すことで、高圧空気の予冷を行う。実際の応用では、熱交換器406は、熱伝導性のよい材質(銅やアルミニウムなど)でなければならない。
【0018】
本発明の実施例に係る動作気体出力接続口は、高圧低温空気及び低圧高温空気を出力することができる。そのうち、高圧低温空気の出力は、本発明の実施例に係る気体供給ステーションから高圧空気を提供し、本発明の実施例に係るホストにより高圧空気をフィルタでろ過し、電磁弁で割り当て、気体予冷槽で予冷した後に、動作気体出力接続口から出力し、高圧低温空気の出力を実現することであり、低圧高温空気の出力は、本発明の実施例に係る気体供給ステーションから高圧空気を提供し、本発明の実施例に係るホストにより減圧器で減圧した後、電磁弁で気体を各気体出力分岐チャンネルに割り当て、各分岐チャンネルの逆止弁を経由した後、各チャンネルの電気ヒーターに入り、電気ヒーターは誘導コイルヒーター、石英セラミックステンレス加熱管、加熱シリカゲルシートなどの装置であってもよく、低圧空気を速やかに加熱し、低圧高温空気の出力を実現することである。
【0019】
図1に示すように、本発明の実施例に係る自然吸気型冷凍アブレーションシステムの動作過程は、以下を含む。
【0020】
1.気体供給ステーションのガス供給過程
気体供給ステーション起動後は、気体供給ステーションヒューマンマシンインタラクションモジュールは、2つの動作モードを提供し、1つは、自動動作モードであり、すなわち、ガスボンベの圧力が限度値より低いことを検出すると、自動的に昇圧及びガスの補充を行う。もう1つは、手動動作モードであり、すなわち、手動で昇圧とガスの補充を行う。操作者は、自動動作モードを操作した後、気体供給ステーションヒューマンマシンインタラクションモジュールは、操作情報を、シリアル通信モード(RS232、RS485、RS422など)で操作情報を気体供給ステーション制御基板に伝送すると同時に、気体供給ステーション制御基板から収集した圧力や動作状態などの情報を受信し、気体供給ステーションヒューマンマシンインタラクションモジュールに表示する。その後、気体供給ステーション制御基板は、気体供給ステーション駆動基板を介して接触器をオンにするよう制御し、電源は、絶縁変圧器を介して電動モーターに電力を供給し、電動モーターは起動する。電動モーターは、歯車又はベルドなどの伝動装置を介して、第一段シリンダ、第二段シリンダ、第三段シリンダ及び第四段シリンダの動作を駆動し、気体の昇圧を行う。
【0021】
空気は、自然吸気口から吸気フィルタに入り、第一段シリンダを介して空気の第一段昇圧を行い、冷却管、逆止弁、安全弁を通過した後に、第二段シリンダに入り、空気のさらなる昇圧を行う。また、冷却管、逆止弁、安全弁を通過した後に、第三段シリンダに入り、空気のさらなる昇圧を行い、冷却管、逆止弁、安全弁を通過した後に、油水分離器に入り、油水分離器は、前段で圧縮した空気中の水及び油の分離とろ過を行い、ろ過後の気体は、第四段シリンダに入り、空気のさらなる圧縮及び昇圧を行い、昇圧後の気体は、冷却管、逆止弁、安全弁を通過した後に、油水分離器に入り、油水分離器は、前段で圧縮した空気中の水及び油のさらなる分離とろ過を行い、空気の清浄度を保証し、ろ過後の空気は、圧力伝送器、逆止弁、安全弁を通過した後に、高圧送気管を通じてガスボンベに接続され、高圧気体は、ガスボンベ内に貯蔵され、ガスボンベ内の空気は、圧力伝送器を通過し、ニードル弁をオンにした後に、高圧気体出力接続口から高圧空気の出力を行う。
【0022】
また、本発明の実施例に係る気体供給ステーションは、自動スマート汚物排出機能を備え、具体的な過程は、気体供給ステーション起動後、気体供給ステーション制御基板は、気体供給ステーション駆動基板を介して制御電磁弁61及び電磁弁62をオンにするよう制御し、油水分離器35及び油水分離器45で分離及びろ過した油及び水などの汚物は、電磁弁61及び電磁弁62を通じて気体供給ステーションの排出口63から排出される。
【0023】
2.高圧低温空気の出力(冷凍モードの実現方式)
空気は、気体供給ステーションで圧縮した後に、圧力が上昇すると同時に、気体の圧縮により温度の上昇が発生し、気体供給ステーションは、冷却管12、冷却管22、冷却管32、冷却管42を備え、合計4段の冷却構造である。冷却後は、気体供給ステーションから出力した高圧空気は常温の空気である。ただし、常温の空気の冷却効果は、通常使われている高圧アルゴンガスの冷却効果より弱いため、高圧空気の冷却を行い、空気の冷却効果を高める必要がある。
【0024】
システム起動後は、気体供給ステーションから提供した高圧空気は、減圧器を通じて一段減圧を行い、2800Psiぐらいまで減圧した後、送気管路を通じて減圧後の空気をホストの吸気接続口に輸送し、また空気をフィルタに輸送してろ過を行い、ろ過後の空気は、安全弁を通じて主電磁弁に入る。操作者は、ホストヒューマンマシンインタラクションモジュールを介して、ホストの1つのチャンネル又は複数のチャンネルの冷凍を操作する時に、ホストヒューマンマシンインタラクションモジュールは、操作情報を通信の方式でホスト制御基板に伝送し、ホスト制御基板は、収集した圧力伝送器105のリアルタイムな動作圧力情報及び動作チャンネルの温度測定接続口で収集した温度情報、動作状態や動作時間などの情報を通信の方式でホストヒューマンマシンインタラクションモジュールに伝送し、操作者に表示される。同時に、ホスト制御基板は、ホスト駆動基板を制御することによって、主電磁弁をオンにするよう制御する。その後、動作のチャンネルに基づき、相応のチャンネルの高圧電磁弁をオンにする(例えば、チャンネル1及びチャンネル2の冷凍動作の場合は、チャンネル1の高圧電磁弁及びチャンネル2の高圧電磁弁をオンにする)。高圧空気は、相応のチャンネルの高圧電磁弁を通過した後、気体予冷槽に入る。システムに電源を投入した後に、ホスト制御基板は、ホスト駆動基板を介して気体予冷槽の動作を自動的に制御でき、かつ医師は、冷凍操作前に、穿刺、CTスキャン、位置決めなどの多段階操作を行う必要があり、システムは、冷凍を待つ時間を利用してガス予冷槽の冷却伝導液をあらかじめ予冷することができる。予冷方式は、冷媒は、冷媒入口から気体予冷槽に入り、冷却管を通じて冷却伝導液をすべて冷却し、冷却後の冷媒は、冷媒出口から流出し、冷却された冷却伝導液は、ガス輸送管を冷却し、常温の空気は、空気吸気口からガス輸送管に入り、冷却された後、空気出気口から流出し、予冷後の低温空気になる。
【0025】
3.低圧高温空気出力(加熱モードの実現方式)
操作者は、ホストヒューマンマシンインタラクションモジュールを介してホストの1つのチャンネル又は複数のチャンネルの加熱を操作する時に、ホストヒューマンマシンインタラクションモジュールは、操作情報を通信の方式でホスト制御基板に伝送し、ホスト制御基板は、収集した圧力伝送器105のリアルタイムな動作圧力情報及び動作チャンネルの温度測定接続口で収集した温度情報、動作状態や動作時間などの情報を通信の方式でホストヒューマンマシンインタラクションモジュールに伝送し、操作者に表示される。同時に、ホスト制御基板は、ホスト駆動基板を制御することによって、主電磁弁をオンにするよう制御する。空気は、主電磁弁を通過した後に、減圧器は、高圧空気を減圧し、減圧で出力した圧力は、300~600Psiであり、減圧の原因は、高圧空気の流量調節により冷却効果が発生し、加熱の効果に影響を与えるため、低圧空気の加熱を採用する。減圧後の低圧空気は、加熱動作のチャンネルに基づき、相応のチャンネルの低圧電磁弁をオンにする(例えば、チャンネル1及びチャンネル2の加熱動作の場合は、チャンネル1の低圧電磁弁及びチャンネル2の低圧電磁弁をオンにする)。同時に、ホスト制御器は、ホスト駆動基板を介して対応するチャンネルの電気ヒーターをオンにするよう制御し(例えば、チャンネル1及びチャンネル2の加熱動作の場合は、チャンネル1の電気ヒーター及びチャンネル2の電気ヒーターをオンにする)、低圧空気は、対応するチャンネルの逆止弁を通過し、チャンネルの電気ヒーターに加熱され、低圧高温空気は、動作気体出力接続口に接続されることで、低圧高温空気の出力を実現する。
【0026】
本発明の実施例により提供された自然吸気型冷凍アブレーションシステムは、冷却のためのエネルギー源として特別の冷媒ガスを必要とせず、自然吸気の方式を採用し、気体供給ステーションで自然空気を圧縮させ高圧空気を出力し、ホストで高圧空気を予冷して高圧低温空気を出力し、高圧低温空気の流量調節を行い冷熱を発生させ、それに高圧空気を減圧及び加熱し低圧高温空気を出力し、低圧高温空気の流量調節を行い熱量を発生させ、冷凍アブレーション設備の二線、三線都市の応用発展の需要を満足することにより、冷凍アブレーション設備の普及及び使用を促進し、大型都市での患者の滞留を効果的に低減させ、患者が近くで速やかな治療を受け、患者の旅行の疲れを減らし、治療費用の支出を節約することができる。
【0027】
本発明の目的、技術案及び好適な効果について、上述した実施例で詳しく説明した。ただし、上記は、本発明の好適な実施方式であるが本発明の実施範囲を限定するものではない。本発明の精神と原則を逸脱することはなく、以上の実施例に対して行う何らかの修正、同等変化及び改造はいずれも本発明の技術案の保護範囲に属する。