IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エンプラスの特許一覧

特開2022-165892光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置
<>
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図1
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図2
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図3
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図4
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図5
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図6
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図7
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図8
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図9
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図10
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図11
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図12
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図13
  • 特開-光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165892
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20221025BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20221025BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21V5/00 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134689
(22)【出願日】2021-08-20
(31)【優先権主張番号】P 2021070965
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000208765
【氏名又は名称】株式会社エンプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 悠生
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA22
3K244FA05
3K244GA02
(57)【要約】
【課題】面光源装置の発光面において、光束制御部材の角部分に対応する領域の輝度と辺部分に対応する領域の輝度との差を低減できる光束制御部材を提供すること。
【解決手段】光束制御部材は、格子状に配置された複数の入射ユニットと、前記複数の入射ユニットの間にそれぞれ配置された複数の出射ユニットとを有する。前記入射ユニットは、前記光束制御部材の裏側に配置された入射面と、前記光束制御部材の表側において前記入射面を挟んで前記発光素子と対向する位置に配置された第1反射面と、前記光束制御部材の表側において前記第1反射面を挟んで前記光束制御部材の側面と対向する位置に配置された第2反射面と、を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に配置された複数の発光素子から出射された光の配光を制御するための光束制御部材であって、
前記複数の発光素子から出射された光をそれぞれ入射させるために、格子状に配置された複数の入射ユニットと、
前記複数の入射ユニットの間にそれぞれ配置され、前記複数の入射ユニットで入射した光を導光しながら出射させる複数の出射ユニットと、
を有し、
前記複数の入射ユニットは、それぞれ
前記光束制御部材の裏側に配置され、前記発光素子から出射された光を入射させる入射面と、
前記光束制御部材の表側において前記入射面を挟んで前記発光素子と対向する位置に配置され、前記入射面で入射した光を、前記基板に沿って、前記発光素子の光軸から離れるように側方方向に反射させる第1反射面と、
前記光束制御部材の表側において前記第1反射面を挟んで前記光束制御部材の側面と対向する位置に配置され、前記第1反射面で反射された光の一部を、前記光束制御部材の側面に向けて側方方向に反射させる第2反射面と、
を有する、
光束制御部材。
【請求項2】
前記第2反射面の前記基板に対する傾斜角度は、70°~110°の範囲内である、請求項1に記載の光束制御部材。
【請求項3】
前記光束制御部材を平面視したときに、前記複数の入射ユニットのそれぞれにおいて、前記第2反射面は、当該入射ユニットに対応する前記発光素子の光軸と、前記複数の入射ユニットのうち当該入射ユニットおよび当該入射ユニットに最も近い2つの入射ユニットの中心を結んで形成された三角形の重心と、を結んだ第1直線から離れるほど、前記発光素子の光軸を通り、かつ前記第1直線に垂直な第2直線からの距離が長くなるように配置されている、請求項1または2に記載の光束制御部材。
【請求項4】
前記第2反射面は、前記光束制御部材の表側に開口する凹部の内面、または前記光束制御部材の表側および裏側に開口する貫通孔の内面である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光束制御部材。
【請求項5】
前記光束制御部材の裏側に配置された脚部をさらに有し、
前記光束制御部材を平面視したときに、前記脚部は、前記第2反射面よりも前記光束制御部材の重心の近くに配置されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の光束制御部材。
【請求項6】
基板上に配置された複数の発光素子と、
前記複数の発光素子上に配置された、請求項1~5のいずれか一項に記載の光束制御部材と、
を有する、発光装置。
【請求項7】
前記第1反射面および前記第2反射面で順に反射した光は、前記光束制御部材の側面から前記光束制御部材の外部に出射される、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記光束制御部材の外部に出射される光は、前記基板と略平行な光を含む、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
複数の、請求項6~8のいずれか一項に記載の発光装置と、
前記複数の発光装置から出射された光を拡散させつつ透過させる光拡散板と、
を有する、面光源装置。
【請求項10】
請求項9に記載の面光源装置と、
前記面光源装置から出射された光を照射される表示部材と、
を有する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光束制御部材、発光装置、面光源装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などの透過型画像表示装置では、近年、光源として複数の発光素子を有する、直下型の面光源装置が使用されている。また、発光素子は広い範囲に光を照射するために数多く配置されることがある。
【0003】
特許文献1は複数の発光素子上に配置されるのに適した光束制御部材(マイクロアレイレンズ)を開示している。このマイクロアレイレンズでは複数のレンズが支持プレートによって連なっており、基板に配置された複数の発光素子(ミニLED)上に1つのマイクロアレイレンズが配置される。このようにすることで個々の発光素子上に個々のレンズを配置する必要がなく、実装時のハンドリング性が良好になり実装が容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第110208984号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、上記のような複数の発光素子およびその上に配置された光束制御部材を含む発光装置が多数配置された面光源装置において、発光装置の間の距離を拡げて、発光素子の数を少なくすることを試みた。発光素子の数を少なくするには、発光素子からの光を光束制御部材によってより広い範囲に拡げる必要があると考えられる。すなわち、局所に光が集中しないようにする必要があると考えられる。
【0006】
上記の観点から、本発明者らは、面光源装置において、図1Aに示されるように、4つの発光素子220の上に1つの光束制御部材を配置し、4つの発光素子を点灯させてその光の拡がりを検討した。すると、図1Bに示されるように、面光源装置の発光面(光拡散板)において、光束制御部材の角部分10と辺部分20とのうち、辺部分20から出射される光が多く、辺部分20に対応する領域に明部が発生することがわかった。これは図1Aにおける右上の発光素子220を例に説明すれば、矢印で示されるように、発光素子220からの光が光束制御部材の内部を通り、発光素子220から遠い位置にある辺部分20から出射されるためであると考えられる。
【0007】
このような明部が存在するということは、光が局所に集まっているということであり、光束制御部材の間の距離を拡げると面光源装置において輝度ムラが生じることとなるため、光束制御部材の間の距離を拡げることは困難になる。
【0008】
本発明の目的は、面光源装置において複数の発光素子上に配置される光束制御部材であって、面光源装置の発光面において光束制御部材の角部分に対応する領域の輝度と光束制御部材の辺部分に対応する領域の輝度との差を低減できる光束制御部材を提供することである。また、本発明の目的は、この光束制御部材を有する発光装置、面光源装置および表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光束制御部材は、基板上に配置された複数の発光素子から出射された光の配光を制御するための光束制御部材であって、前記複数の発光素子から出射された光をそれぞれ入射させるために、格子状に配置された複数の入射ユニットと、前記複数の入射ユニットの間にそれぞれ配置され、前記複数の入射ユニットで入射した光を導光しながら出射させる複数の出射ユニットと、を有し、前記複数の入射ユニットは、それぞれ前記光束制御部材の裏側に配置され、前記発光素子から出射された光を入射させる入射面と、前記光束制御部材の表側において前記入射面を挟んで前記発光素子と対向する位置に配置され、前記入射面で入射した光を、前記基板に沿って、前記発光素子の光軸から離れるように側方方向に反射させる第1反射面と、前記光束制御部材の表側において前記第1反射面を挟んで前記光束制御部材の側面と対向する位置に配置され、前記第1反射面で反射された光の一部を、前記光束制御部材の側面に向けて側方方向に反射させる第2反射面と、を有する。
【0010】
本発明の発光装置は、基板上に配置された複数の発光素子と、前記複数の発光素子上に配置された、上記の光束制御部材と、を有する。
【0011】
本発明の面光源装置は、複数の、上記の発光装置と、前記複数の発光装置から出射された光を拡散させつつ透過させる光拡散板と、を有する。
【0012】
本発明の表示装置は、上記の面光源装置と、前記面光源装置から出射された光を照射される表示部材と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、面光源装置の発光面において光束制御部材の角部分に対応する領域の輝度と光束制御部材の辺部分に対応する領域の輝度との差を低減することができる光束制御部材を提供することができる。
【0014】
また、本発明によれば、上記の光束制御部材を有する発光装置、面光源装置および表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1A、Bは、光束制御部材の下に配置された複数の発光素子を点灯させた場合の照度分布を説明するための図である。
図2図2A、Bは、実施の形態に係る面光源装置を示す図である。
図3図3A、Bは、実施の形態に係る面光源装置の断面図である。
図4図4は、図3Bの部分拡大断面図である。
図5図5A~Eは、実施の形態1に係る光束制御部材を示す図である。
図6図6A、Bは実施の形態1に係る発光装置の光路図である。
図7図7Aは、比較例に係る面光源装置の照度分布を示し、図7Bは、実施の形態1に係る面光源装置の照度分布を示す。
図8図8A~Eは、実施の形態1の変形例1に係る光束制御部材を示す図である。
図9図9A~Cは、実施の形態1の変形例2に係る光束制御部材を示す図である。
図10図10A~Cは、実施の形態1の変形例3に係る光束制御部材を示す図である。
図11図11A~Cは、実施の形態1の変形例4に係る光束制御部材を示す図である。
図12図12A~Cは、実施の形態2に係る光束制御部材を示す図である。
図13図13A~Cは、実施の形態2の変形例1に係る光束制御部材を示す図である。
図14図14A~Cは、実施の形態2の変形例2に係る光束制御部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明に係る面光源装置の代表例として、液晶表示装置のバックライトなどに適する面光源装置について説明する。この面光源装置は、面光源装置からの光を照射される表示部材102(例えば液晶パネル)と組み合わせることで、表示装置100’として使用されうる(図2B参照)。
【0017】
(面光源装置および発光装置の構成)
図2A、2Bは、本発明の実施の形態に係る面光源装置100の構成を示す図である。図2Aは、平面図であり、図2Bは、正面図である。図3Aは、図2Bに示されるA-A線の断面図であり、図3Bは、図2Aに示されるB-B線の断面図である。図4は、図3Bの一部を拡大した部分拡大断面図である。
【0018】
図2A~3Bに示されるように、本実施の形態に係る面光源装置100は、筐体110、複数の発光装置200および光拡散板120を有する。複数の発光装置200は、筐体110の底板112上に格子状(マトリックス状)に配置されている。底板112の内面は、拡散反射面として機能する。また、筐体110の天板114には、開口部が設けられている。光拡散板120は、この開口部を塞ぐように配置されており、発光面として機能する。発光面の大きさは、特に限定されないが、例えば約400mm×約700mmである。
【0019】
図4に示されるように、発光装置200は、基板210上に固定されている。基板210は、筐体110の底板112上の所定の位置に固定されている。発光装置200は、複数の発光素子220および光束制御部材300を有している。
【0020】
発光素子220は、面光源装置100の光源であり、基板210上に実装されている。本実施の形態において、複数の発光素子220が格子状(マトリックス状)に配置されている。また、本実施の形態において、発光装置200内において発光素子220が配置されるピッチよりも、発光装置200間の発光素子220が配置されるピッチの方が長い。発光素子220は、例えば発光ダイオード(LED)である。また、発光素子220の種類は、特に制限されないが、天面および側面から光を出射する発光素子220(例えば、COB型発光ダイオード)などが、本実施の形態に係る発光装置200において好適に用いられる。発光素子220の色は、特に制限されないが、例えば白色、青色、RGBが挙げられる。発光素子220のサイズは、特に制限されないが、0.1mm~0.6mmであることが好ましい。また、発光素子220のサイズは、0.1mm~0.3mmであることがより好ましい。
【0021】
光束制御部材300は、複数の発光素子220から出射された光の配光を制御する光学部材であり、基板210上に固定されている。なお、本実施の形態において、光束制御部材300は、4つの発光素子220から出射された光の配光を制御する。光束制御部材300は、複数の入射ユニット310を有する。各入射ユニット310(入射面320)は、後述するように、発光素子220から出射された光を入射させる入射面320と、入射面320で入射した光を出射ユニット330に向けて反射させる第1反射面321と、第1反射面321で反射した光の一部を光束制御部材300の側面に向けて反射させる第2反射面322とを有する。本実施の形態に係る光束制御部材300では、入射面320および第1反射面321は、回転対称である。入射面320および第1反射面321の回転軸を「入射ユニット310の中心軸」という。また、「発光素子220の光軸LA」とは、発光素子220からの立体的な出射光束の中心の光線を意味する。発光素子220が実装された基板210と光束制御部材300の裏面との間には、発光素子220から発せられる熱を外部に逃がすための隙間が形成されていてもよいし、形成されていなくてもよい。
【0022】
発光素子220が実装された基板210と光束制御部材300の裏面との間には、反射シートを備えることが好ましい。反射シートとしては、光沢が少ないものを用いることが好ましい。スペキュラー成分(正反射成分)の発生を抑え、光を拡散反射させた方が、面光源装置100の光学シート(発光装置200上に配置する部材)裏面で反射し、発光装置200間に相当する位置へ小さな角度で入射する光線が増加する。面光源装置100の光学シートとして、発光装置200からの光を所望の色に変換するシートを使用する場合には、変換シート裏面への光線の入射角を小さくすることで、変換シート内への入射が促され、発光装置200間に相当する領域における変換効率の向上が期待できる。光沢が少ない反射シートとしては、光沢度計の入射角を60°に設定して測定した際の光沢の測定値が25~50GUもしくは1~20%のものが挙げられる。
【0023】
光束制御部材300は、一体成形により形成されている。光束制御部材300の材料は、所望の波長の光を通過させ得る材料であれば特に限定されない。たとえば、光束制御部材300の材料は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC)、エポキシ樹脂(EP)などの光透過性樹脂、またはガラスである。なお、光束制御部材300の構成については後述する。
【0024】
光拡散板120は、光拡散性を有する板状の部材であり、発光装置200からの出射光を拡散させつつ透過させる。通常、光拡散板120は、液晶パネルなどの表示部材とほぼ同じ大きさである。たとえば、光拡散板120は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、スチレン・メチルメタクリレート共重合樹脂(MS)などの光透過性樹脂により形成される。光拡散性を付与するため、光拡散板120の表面に微細な凹凸が形成されているか、または光拡散板120の内部にビーズなどの光拡散子が分散している。
【0025】
本実施の形態に係る面光源装置100では、各発光素子220から出射された光は、光束制御部材300により光拡散板120の広範囲を照らすように拡げられる。各光束制御部材300から出射された光は、さらに光拡散板120により拡散される。その結果、本実施の形態に係る面光源装置100は、面状の表示部材(例えば液晶パネル)を均一に照らすことができる。
【0026】
(光束制御部材の構成)
図5Aは本実施の形態に係る発光装置200が有する光束制御部材300の平面図であり、図5Bは光束制御部材300の底面図であり、図5Cは光束制御部材300の斜視図であり、図5Dは光束制御部材300の正面図であり、図5E図5AのE-E線の断面図である。以下、光束制御部材300の構成について説明する。
【0027】
図5Aに示されるように、本実施の形態において、光束制御部材300は、平面視したときに角が丸い略矩形状の略板状の部材である。
【0028】
図5A~Eに示されるように、本実施の形態に係る光束制御部材300は、基板210上に配置された複数の発光素子220から出射された光の配向を制御するための光束制御部材300であって、複数の入射ユニット310と、複数の出射ユニット330とを有する。複数の入射ユニット310は、発光素子220の配列に対応して格子状に配置されている。ここで、格子とは、等間隔の平行線群の交わりによって生じる図形である。複数の入射ユニット310のうち最も近い4つの入射ユニット310の中心を結んだ線は、正方形や長方形、平行四辺形などの四角形を形成することが好ましい。すなわち、入射ユニット310の数は、4つ以上であることが好ましい。一方、複数の出射ユニット330は、基板210に沿う方向において複数の入射ユニット310の間に配置されている。
【0029】
複数の入射ユニット310は、発光素子220から出射された光をそれぞれ入射させる。入射ユニット310は、発光素子220から出射された光を入射させる入射面320と、入射面320で入射した光を出射ユニット330に向けて反射させる第1反射面321と、第1反射面321で反射した光を光束制御部材300の側面に向けて側方方向に反射させる第2反射面322とを有する。
【0030】
入射面320は、光束制御部材300の裏側に配置され、発光素子220と対向する位置に形成されている凹部の内面である。入射面320は、発光素子220から出射された光の大部分を、その進行方向を制御しつつ光束制御部材300の内部に入射させる。入射面320は、発光素子220の光軸LAと交わり、中心軸CAに対して回転対称(円対称)である。入射面320の形状は、特に限定されず、入射面320で入射した光が第1反射面321および出射面333に向かうように設定される。本実施の形態では、入射面320は、発光素子220の光軸LAから離れるにつれて基板210からの距離が徐々に短くなるような形状である(図4参照)。
【0031】
第1反射面321は、光束制御部材300の表側において入射面320を挟んで発光素子220と対向する位置に配置され、入射面320で入射した光を発光素子220の光軸LAから離れるように側方方向に反射させる。より具体的には、第1反射面321は発光素子220の発光面の中心から出射された光が実質的に全て第1反射面321で反射することが好ましい。ここで、側方方向とは、光束制御部材300の外縁方向を意味しているのではなく、光軸LAを中心に360°径方向の外へ向かうことを意味する。
【0032】
このようにすることで、第1反射面321は、入射面320で入射した光が上方に抜けるのを抑制して発光素子220の直上に明部が発生するのを防ぐとともに、発光素子220間に光を導いて発光素子220間に暗部が発生するのも防ぐ。第1反射面321の形状は、入射面320から入射した光を側方に反射させることができれば特に制限されない。第1反射面321は、例えば、発光素子220の中心軸CAに対して回転対称(円対称)であり、かつ、発光素子220の光軸LAから離れるにつれて表側に向かう(基板210から離れる)ように構成されている。
【0033】
この回転対称の中心部分から外周部分にかけての母線は、中心軸CAに対して傾斜した曲線または直線である。第1反射面321は、入射面320の中心軸CAを回転軸として、この母線を360°回転させた状態の凹面である。
【0034】
本実施の形態において、入射面320および第1反射面321は、それぞれ凹部の内面であり、平面視したときに、入射面320を構成する凹部の開口縁の面積に対して、第1反射面321を構成する凹部の開口縁の面積は、0.5倍~3.0倍であることが好ましい。また、1.0倍~2.5倍であることがより好ましい。
【0035】
第2反射面322は、光束制御部材300の表側において第1反射面321を挟んで光束制御部材300の側面と対向する位置に配置され、第1反射面321で反射された光の一部を、光束制御部材300の側面に向けて側方方向に反射させる。
【0036】
本実施の形態において、第2反射面322は、光束制御部材300の表側および裏側に開口する貫通孔の内面である。光束制御部材300を平面視したときに、この貫通孔は、光束制御部材300の中央部に配置されている。また、第1反射面321から第2反射面322に到達した光を効率的に反射させる観点から、第2反射面322は以下のように配置されている。すなわち、図5Aに示されるように、光束制御部材300を平面視したときに、ある入射ユニット310(例えば図5Aにおいて右上の入射ユニット310)において、第2反射面322は、当該入射ユニット310に対応する発光素子220の光軸LAと、複数の入射ユニット310のうち当該入射ユニット310および当該入射ユニット310に最も近い2つの入射ユニット310の中心を結んで形成された三角形の重心と、を結んだ第1直線(例えば図5AのE-E線)から離れるほど、発光素子220の光軸を通り、かつ前記第1直線に垂直な第2直線(例えば図5Aの直線L)からの距離が長くなるように配置されている。したがって、光束制御部材300の水平断面(基板210と平行な断面)において、第2反射面322は、上記第1直線(例えば図5AのE-E線)に対して傾斜した曲線または直線である。本実施の形態では、第1直線は、格子状に配置された入射ユニット310の格子の対角線と一致する。
【0037】
第2反射面322の基板210に対する傾斜角度(光束制御部材300の縦断面における傾斜角度)は、特に限定されないが、光束制御部材300の側面に向けて側方方向に反射させる観点からは70°~110°の範囲内であることが好ましい。本実施の形態では、第2反射面322の基板210に対する傾斜角度は、略90°である。
【0038】
第2反射面322が上記のような構成であることで、第1反射面321で反射された光の一部は、第2反射面322で光束制御部材300の側面に向けて側方方向に反射されて、光束制御部材300の側面から出射される。本実施の形態では、第2反射面322で反射された光の大部分は、光束制御部材300の中でも出射ユニット330の側面から外部に出射される(図6A参照)。
【0039】
複数の出射ユニット330は、複数の入射ユニット310で入射した光を導光しながら出射させる。本実施の形態では、4つの入射ユニット310が仮想四角形の各角に配置されているとした場合、光束制御部材300は、仮想四角形の4つの辺に対応する位置にそれぞれ各辺に沿うように配置されている4つの出射ユニット330を有している。各出射ユニット330は、光束制御部材300の裏側に配置され、入射ユニット310の第1反射面321からの光を反射させる第3反射面332を有する。また、出射ユニット330は、光束制御部材300の表側において第3反射面332と対向して配置され、入射ユニット310からの光の一部を反射させ、他の一部を出射させる出射面333を有する。また、出射ユニット330内を導光されている光の一部は、光束制御部材300の側面からも外部に出射される。
【0040】
出射面333の形状は、特に制限されない。本実施の形態では、仮想四角形の4つの辺に対応する位置に配置されている4つの出射面333は、平面である。
【0041】
(発光装置の光路)
図6A、Bは、発光装置200の光路図である。図6Aは発光装置200を平面透視したときの光路図を示し、図6Bは発光装置200を側面透視したときの光路図を示す。
【0042】
図6Aに示されるように、本実施の形態に係る発光装置200において、発光素子220から出射された光の一部は、第1反射面321で側方方向に反射され、第2反射面322に向かう。図6A、Bに示されるように、第2反射面322に到達した光は、光束制御部材300の側面に向けて側方方向に反射され、光束制御部材300の側面から外部に出射される。このように第1反射面321および第2反射面322で順に反射した光は、光束制御部材300の側面から光束制御部材300の外部に出射される。また、光束制御部材300の外部に出射された光は、基板と略平行な光を含む。
【0043】
(照度分布)
本実施の形態に係る光束制御部材300の効果を確認するために、本実施の形態に係る発光装置200を有する面光源装置100と、比較例に係る発光装置を有する面光源装置とについて、照度分布のシミュレーションを行った。
【0044】
シミュレーション結果を図7A図7Bに示す。図7Aは、比較例に係る面光源装置の照度分布を示す。図7Aの面光源装置では、図1Aに示されるように、第2反射面322を有さない光束制御部材を用いている。一方、図7Bは、実施の形態に係る面光源装置100の照度分布を示す。図7Bの面光源装置100では、図5に示されるように、第2反射面322を有する光束制御部材300を用いている。なお、これらのシミュレーション結果においては、光拡散板120の裏面(発光装置200側の面)における照度分布を示している。
【0045】
なお、本シミュレーションにおいては、各面光源装置において、1個の発光装置の下に配置された4個の発光素子220のみを点灯した場合の照度分布をシミュレーションしている。図7A、Bにおいて、下側のグラフは、上の2個の発光装置と下の2個の発光装置との間における横方向の照度分布を示し、右側のグラフは右側に配置された2個の発光素子220の光軸上を通る縦方向の照度分布を示す。
【0046】
図7A、Bの比較から次のことがわかる。図7Aに示される比較例に係る面光源装置では、発光装置の辺部分20に対応する領域が過度に明るくなっている。これに対して、図7Bに示される発光装置200の辺部分20に対応する領域は適切な明るさとなっている。これは図7Bの光束制御部材300は第2反射面322を有し、第1反射面321で反射された光の一部が光束制御部材300の内部に向かわず第2反射面で反射されるためである。すなわち、本実施の形態に係る光束制御部材300を有する面光源装置100は、局所的に明るくなることが抑制され、光がより広い範囲に拡げられている。
【0047】
(効果)
本実施の形態の光束制御部材300によれば、面光源装置100の発光面において、光束制御部材の角部分10に対応する領域の輝度と光束制御部材の辺部分20に対応する領域の輝度との差を低減することができる。このため、輝度ムラを抑制しつつ発光装置200の間の距離を拡げることができる。
【0048】
[実施の形態1の変形例1]
(面光源装置、発光装置および光束制御部材の構成)
実施の形態1の変形例1に係る面光源装置は、光束制御部材400において、第2反射面322が貫通孔の内面ではなく有底の凹部の内側面である点において、実施の形態1に係る面光源装置100と異なる。実施の形態1の変形例1に係る面光源装置において、実施の形態1に係る面光源装置100と同様の部材については、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0049】
図8A~Eは実施の形態1の変形例1に係る光束制御部材400を示す。図8Aは光束制御部材400の平面図であり、図8Bは光束制御部材400の底面図であり、図8Cは光束制御部材400の斜視図であり、図8Dは光束制御部材400の正面図であり、図8E図8AのE-E線の断面図である。
【0050】
実施の形態1の変形例1に係る光束制御部材400では、第2反射面322は、光束制御部材400の表側に開口する有底の凹部の内面(内側面)である。この凹部の下の部分(凹部の底面と光束制御部材400の裏面との間の部分)は、入射ユニット310からの光を導光しながら出射させて、出射ユニット330のように機能する。本実施の形態に係る光束制御部材400においても、第2反射面322は、実施の形態1に係る光束制御部材300の第2反射面322と同様の機能を有する。すなわち、第1反射面321で反射され、第2反射面322に到達した光は、第2反射面322で光束制御部材400の側方方向に向かって反射され、光束制御部材400の側面から光束制御部材400の外部に出射される。
【0051】
(効果)
実施の形態1の変形例1に係る光束制御部材400も、上記の実施の形態1に係る光束制御部材300と同様に、面光源装置の発光面において、光束制御部材の角部分10に対応する領域の輝度と光束制御部材の辺部分20に対応する領域の輝度との差を低減することができる。このため、輝度ムラを抑制しつつ発光装置200の間の距離を拡げることができる。
【0052】
[実施の形態1の変形例2]
(面光源装置、発光装置および光束制御部材の構成)
実施の形態1の変形例2に係る面光源装置は、光束制御部材500において、第2反射面322が貫通孔ではなく有底の凹部の内側面である点と、光束制御部材300の裏側に配置された脚部534を有する点とにおいて、実施の形態1に係る面光源装置100と異なる。実施の形態1の変形例2に係る面光源装置において、実施の形態1に係る面光源装置100と同様の部材については、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図9A~Cは実施の形態1の変形例2に係る光束制御部材500を示す。図9Aは光束制御部材500の平面図であり、図9Bは光束制御部材500の底面図であり、図9C図9Aに示されるA-A線の断面図である。
【0054】
本変形例に係る光束制御部材500では、第2反射面322は、光束制御部材500の表側に開口する有底の凹部の内面である。この凹部の下の部分(凹部の底面と光束制御部材500の裏面との間の部分)は、入射ユニット310からの光を導光しながら出射させて、出射ユニット330のように機能する。本変形例に係る光束制御部材500においても、第2反射面322は、実施の形態1に係る光束制御部材300の第2反射面322と同様の機能を有する。すなわち、第1反射面321で反射され、第2反射面322に到達した光は、第2反射面322で光束制御部材400の側方方向に向かって反射され、光束制御部材500の側面から光束制御部材500の外部に出射される。
【0055】
本変形例に係る光束制御部材500は、複数の入射ユニット310と、複数の出射ユニット330とに加え、脚部534をさらに有する。脚部534は、光束制御部材500の裏側に配置されており、光束制御部材500を基板210に固定するために使用される。脚部534の形状は、上記の機能を発揮できれば特に限定されない。本変形例では、脚部534は、円柱状形状である。脚部534の数も特に限定されない。脚部534の数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。本変形例では、脚部534の数は、4つである。脚部534の配置も特に限定されない。例えば、4つの脚部534は、菱形の各角に位置するように配置されてもよいし、正方形の各角に位置するように配置されてもよい。本変形例では、4つの脚部534は、正方形の各角に位置するように配置されている。これにより、光束制御部材500の向きを考慮することなく、基板210に固定できる。4つの脚部534は、光束制御部材500を平面視(平面透過視)したときに、第2反射面322よりも光束制御部材500の重心の近くに配置されている。
【0056】
(効果)
本変形例に係る光束制御部材500も、実施の形態1に係る光束制御部材300と同様に、面光源装置の発光面において、光束制御部材500の角部分10に対応する領域の輝度と光束制御部材500の辺部分20に対応する領域の輝度との差を低減することができる。このため、輝度ムラを抑制しつつ発光装置の間の距離を拡げることができる。また、従来の光束制御部材では、脚部を光束制御部材の中心(重心)付近に配置すると脚部の影響により光束制御部材の中心の直上部に明部が生じやすかったが、本変形例に係る光束制御部材500では、第2反射面322によって光束制御部材500の重心付近に到達する光が少なくなっているため、脚部を光束制御部材500の重心付近に配置しても光束制御部材500の直上部に明部が生じにくい。
【0057】
[実施の形態1の変形例3]
(面光源装置、発光装置および光束制御部材の構成)
実施の形態1の変形例3に係る面光源装置は、光束制御部材600において、第2反射面322が貫通孔ではなく有底の凹部の内側面である点と、光束制御部材300の表側に配置された突起部635を有する点とにおいて、実施の形態1に係る面光源装置100と異なる。本変形例に係る面光源装置において、実施の形態1に係る面光源装置100と同様の部材については、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0058】
図10A~Cは実施の形態1の変形例3に係る光束制御部材600を示す。図10Aは光束制御部材600の平面図であり、図10Bは光束制御部材600の底面図であり、図10C図10Aに示されるA-A線の断面図である。
【0059】
本変形例に係る光束制御部材600では、第2反射面322は、光束制御部材600の表側に開口する有底の凹部の内面である。この凹部の下の部分(凹部の底面と光束制御部材600の裏面との間の部分)は、入射ユニット310からの光を導光しながら出射させて、出射ユニット330のように機能する。本変形例に係る光束制御部材600においても、第2反射面322は、実施の形態1に係る光束制御部材300の第2反射面322と同様の機能を有する。すなわち、第1反射面321で反射され、第2反射面322に到達した光は、第2反射面322で光束制御部材600の側方方向に向かって反射され、光束制御部材600の側面から光束制御部材600の外部に出射される。
【0060】
本変形例に係る光束制御部材600は、複数の入射ユニット310と、複数の出射ユニット330とに加え、突起部635をさらに有する。
【0061】
突起部635は、光拡散板120が撓んだときに、光拡散板120が光束制御部材600の突起部635以外の表面に接触することを防ぐ。突起部635は、光束制御部材600の表面から表側(光拡散板120側)に向けて突出しており、突起部635の最大高さは、光束制御部材600の突起部635以外の部分の最大高さより高い。突起部635の形状は、上記機能を発揮できれば特に制限されない。突起部635の形状の例には、円錐状、円錐台状、円柱状、半球状、これらの組み合わせが含まれる。本変形例では、突起部635の形状は、円柱の上に半球を載せた形状である。突起部635の数は、特に限定されない。突起部635の数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。本変形例では、突起部635の数は1つである。また、本変形例では、突起部635は、第2反射面322を内側面とする凹部の中央部(光束制御部材600の中央部)に配置されている。なお、突起部635が4つの場合には、各突起部635は、第2反射面322を内側面とする凹部の中央部分に等間隔に配置されてもよい。
【0062】
(効果)
本変形例係る光束制御部材600も、上記の実施の形態1に係る光束制御部材300と同様に、面光源装置の発光面において、光束制御部材600の角部分10に対応する領域の輝度と光束制御部材600の辺部分20に対応する領域の輝度との差を低減することができる。このため、輝度ムラを抑制しつつ発光装置の間の距離を拡げることができる。また、突起部635が配置されているため、光拡散板120が光束制御部材600の突起部635以外の表面に接触することを防ぐことができる。
【0063】
[実施の形態1の変形例4]
(面光源装置、発光装置および光束制御部材の構成)
実施の形態1の変形例4に係る面光源装置は、光束制御部材700において、第2反射面322が貫通孔ではなく有底の凹部の内面である点と、光束制御部材300の裏側に配置された凸部736を有する点とにおいて、実施の形態1に係る面光源装置100と異なる。実施の形態1の変形例3に係る面光源装置において、実施の形態1に係る面光源装置100と同様の部材については、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0064】
図11A~Cは実施の形態1の変形例4に係る光束制御部材700を示す。図11Aは光束制御部材700の平面図であり、図11Bは光束制御部材700の底面図であり、図11C図11Aに示されるA-A線の断面図(入射ユニット部分の拡大図)である。
【0065】
本変形例に係る光束制御部材700では、第2反射面322は、光束制御部材700の表側に開口する有底の凹部の内面である。この凹部の下の部分(凹部の底面と光束制御部材700の裏面との間の部分)は、入射ユニット310からの光を導光しながら出射させて、出射ユニット330のように機能する。本変形例に係る光束制御部材700においても、第2反射面322は、実施の形態1に係る光束制御部材300の第2反射面322と同様の機能を有する。すなわち、第1反射面321で反射され、第2反射面322に到達した光は、第2反射面322で光束制御部材700の側方方向に向かって反射され、光束制御部材700の側面から光束制御部材700の外部に出射される。
【0066】
本変形例に係る光束制御部材700では、複数の入射ユニット310は、それぞれ凸部736をさらに有する。
【0067】
凸部736は、各入射ユニット310の入射面321に対応して、光束制御部材700の裏側の四隅に配置されている。本変形例では、凸部736は、逆円錐台形状であり、内面が入射面321となる凹部は、凸部736の上面に開口している。よって、光束制御部材700を平面視(底面視)したとき、円錐台の上面(発光素子220側の面)は、入射面321よりも大きい。凸部736の高さは、凸部736が発光素子220に接触しなければ特に限定されない。凸部736の高さは、例えば0.05~1mmである。本実施の形態では、凸部736の高さは、0.25mmである。また、実施の形態1における光束制御部材300の入射面321の中心および第1反射面321の中心の間の距離と、実施の形態1の変形例4における光束制御部材700の入射面321の中心および第1反射面321の中心の間の距離とは、同じである。すなわち、本実施の形態における入射面321は、実施の形態1における入射面321よりも発光素子220側に拡張されている。これにより、より多くの光を光束制御部材700の内部に入射させることができる。また、発光素子220が実装された基板210と光束制御部材300の裏面(光束制御部材300の裏側の面のうち凸部736が配置されていない部分)との間の距離は、実施の形態1と実施の形態1の変形例4とで同じである。また、本実施の形態では、発光素子220と、基板120との間には、発光素子220から発せられる熱を外部に逃がすための隙間が形成されている。
【0068】
(効果)
本変形例に係る光束制御部材700も、実施の形態1に係る光束制御部材300と同様に、面光源装置の発光面において、光束制御部材700の角部分10に対応する領域の輝度と光束制御部材700の辺部分20に対応する領域の輝度との差を低減することができる。このため、輝度ムラを抑制しつつ発光装置の間の距離を拡げることができる。また、光束制御部材700の裏側に凸部736が配置されているため、発光素子220から出射された光のうち、より多くの光を光束制御部材700の内部に入射させることができる。
【0069】
[実施の形態2]
(面光源装置、発光装置および光束制御部材の構成)
実施の形態2に係る面光源装置は、光束制御部材800において、光束制御部材800を平面視したときの形状と、第2反射面322が貫通孔ではなく有底の凹部の内面である点と、光束制御部材800の裏側に配置された脚部534を有する点とにおいて、実施の形態1に係る面光源装置100と異なる。実施の形態2に係る面光源装置において、実施の形態1に係る面光源装置100と同様の部材については、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0070】
図12A~Cは実施の形態2に係る光束制御部材800を示す。図12Aは光束制御部材800の平面図であり、図12Bは光束制御部材800の底面図であり、図12C図12Aに示されるA-A線の断面図である。
【0071】
実施の形態2に係る光束制御部材800の平面視形状は、四角形(正方形)の各辺の中点を中心側に移動させた形状である。本実施の形態では、四角形の各角は丸められているが、隣り合う2つの辺(直線)を延長して形成される角は、鋭角である。
【0072】
本実施の形態に係る光束制御部材800の第2反射面322は、光束制御部材800の表側に開口する有底の凹部の内面である。この凹部の下の部分(凹部の底面と光束制御部材800の裏面との間の部分)は、入射ユニット310からの光を導光しながら出射させて、出射ユニット330のように機能する。本実施の形態に係る光束制御部材800においても、第2反射面322は、実施の形態1に係る光束制御部材300の第2反射面322と同様の機能を有する。すなわち、第1反射面321で反射され、第2反射面322に到達した光は、第2反射面322で光束制御部材800の側方方向に向かって反射され、光束制御部材800の側面から光束制御部材800の外部に出射される。
【0073】
本実施の形態に係る光束制御部材800は、複数の入射ユニット310と、複数の出射ユニット330とに加え、脚部534をさらに有する。脚部534は、実施の形態1の変形例2の脚部534と同じであるため、その説明を省略する。
【0074】
(効果)
本実施の形態に係る光束制御部材800も、実施の形態1に係る光束制御部材300と同様に、面光源装置の発光面において、光束制御部材800の角部分10に対応する領域の輝度と光束制御部材800の辺部分20に対応する領域の輝度との差を低減することができる。このため、輝度ムラを抑制しつつ発光装置の間の距離を拡げることができる。また、従来の光束制御部材では、脚部を光束制御部材の中心(重心)付近に配置すると脚部の影響により光束制御部材の中心の直上部に明部が生じやすかったが、本実施の形態に係る光束制御部材800では、第2反射面322によって光束制御部材800の重心付近に到達する光が少なくなっているため、脚部を光束制御部材800の重心付近に配置しても光束制御部材800の直上部に明部が生じにくい。
【0075】
[実施の形態2の変形例1]
(面光源装置、発光装置および光束制御部材の構成)
実施の形態2の変形例1に係る面光源装置は、光束制御部材900において、光束制御部材900を平面視したときの形状と、第2反射面322が貫通孔ではなく有底の凹部の内面である点と、光束制御部材900の表側に配置された突起部635を有する点とにおいて、実施の形態1に係る面光源装置100と異なる。本実施の形態に係る面光源装置において、実施の形態1に係る面光源装置100と同様の部材については、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0076】
図13A~Cは実施の形態2の変形例1に係る光束制御部材900を示す。図13Aは光束制御部材900の平面図であり、図13Bは光束制御部材900の底面図であり、図13C図13Aに示されるA-A線の断面図である。
【0077】
本変形例に係る光束制御部材900の平面視形状は、四角形(正方形)の各辺の中点を中心側に移動させた形状である。本変形例では、四角形の各角は丸められているが、隣り合う2つの辺(直線)を延長して形成される角は、鋭角である。
【0078】
本変形例に係る光束制御部材900では、第2反射面322は、光束制御部材900の表側に開口する有底の凹部の内面である。この凹部の下の部分(凹部の底面と光束制御部材900の裏面との間の部分)は、入射ユニット310からの光を導光しながら出射させて、出射ユニット330のように機能する。本変形例に係る光束制御部材900においても、第2反射面322は、実施の形態1に係る光束制御部材300の第2反射面322と同様の機能を有する。すなわち、第1反射面321で反射され、第2反射面322に到達した光は、第2反射面322で光束制御部材900の側方方向に向かって反射され、光束制御部材900の側面から光束制御部材900の外部に出射される。
【0079】
本変形例に係る光束制御部材900は、複数の入射ユニット310と、複数の出射ユニット330とに加え、突起部635をさらに有する。突起部635は、実施の形態1の変形例3の突起部635と同じであるため、その説明を省略する。
【0080】
(効果)
本変形例に係る光束制御部材900も、上記の実施の形態1に係る光束制御部材300と同様に、面光源装置の発光面において、光束制御部材900の角部分10に対応する領域の輝度と光束制御部材900の辺部分20に対応する領域の輝度との差を低減することができる。このため、輝度ムラを抑制しつつ発光装置の間の距離を拡げることができる。また、突起部635が配置されているため、光拡散板120が光束制御部材900の突起部635以外の表面に接触することを防ぐことができる。
【0081】
[実施の形態2の変形例2]
(面光源装置、発光装置および光束制御部材の構成)
実施の形態2の変形例2に係る面光源装置は、光束制御部材1000において、光束制御部材1000を平面視したときの形状と、第2反射面322が貫通孔ではなく有底の凹部の内面である点と、光束制御部材1000の裏側に配置された凸部736を有する点とにおいて、実施の形態1に係る面光源装置100と異なる。実施の形態1の変形例3に係る面光源装置において、実施の形態1に係る面光源装置100と同様の部材については、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0082】
図14A~Cは実施の形態2の変形例2に係る光束制御部材1000を示す。図14Aは光束制御部材1000の平面図であり、図14Bは光束制御部材1000の底面図であり、図14C図14Aに示されるA-A線の断面図である。
【0083】
本変形例に係る光束制御部材1000の平面視形状は、四角形(正方形)の各辺の中点を中心側に移動させた形状である。本変形例では、四角形の各角は丸められているが、隣り合う2つの辺(直線)を延長して形成される角は、鋭角である。
【0084】
本変形例に係る光束制御部材1000では、第2反射面322は、光束制御部材1000の表側に開口する有底の凹部の内面である。この凹部の下の部分(凹部の底面と光束制御部材1000の裏面との間の部分)は、入射ユニット310からの光を導光しながら出射させて、出射ユニット330のように機能する。本変形例に係る光束制御部材1000においても、第2反射面322は、実施の形態1に係る光束制御部材300の第2反射面322と同様の機能を有する。すなわち、第1反射面321で反射され、第2反射面322に到達した光は、第2反射面322で光束制御部材1000の側方方向に向かって反射され、光束制御部材1000の側面から光束制御部材1000の外部に出射される。
【0085】
本変形例に係る光束制御部材1000は、複数の入射ユニット310と、複数の出射ユニット330とに加え、凸部736をさらに有する。凸部736は、実施の形態1の変形例4の凸部736と同じであるため、その説明を省略する。
【0086】
(効果)
本変形例に係る光束制御部材1000も、実施の形態1に係る光束制御部材300と同様に、面光源装置の発光面において、光束制御部材1000の角部分10に対応する領域の輝度と光束制御部材1000の辺部分20に対応する領域の輝度との差を低減することができる。このため、輝度ムラを抑制しつつ発光装置の間の距離を拡げることができる。また、光束制御部材1000の裏側に凸部736が配置されているため、発光素子220から出射された光のうち、より多くの光を光束制御部材1000の内部に入射させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の発光装置および面光源装置は、例えば、液晶表示装置のバックライトや一般照明などに適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 角部分
20 辺部分
100 面光源装置
100’ 表示装置
102 表示部材
110 筐体
112 底板
114 天板
120 光拡散板
200 発光装置
210 基板
220 発光素子
300、400、500、600、700、800、900、1000 光束制御部材
310 入射ユニット
320 入射面
321 第1反射面
322 第2反射面
330 出射ユニット
332 第3反射面
333 出射面
534 脚部
635 突起部
736 凸部
CA 中心軸
LA 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14