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▶ ライカ インストゥルメンツ (シンガポール) プライヴェット リミテッドの特許一覧

特開2022-165937顕微鏡システムおよび対応するコントロールシステム、方法およびコンピュータプログラム
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  • 特開-顕微鏡システムおよび対応するコントロールシステム、方法およびコンピュータプログラム 図1a
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  • 特開-顕微鏡システムおよび対応するコントロールシステム、方法およびコンピュータプログラム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022165937
(43)【公開日】2022-11-01
(54)【発明の名称】顕微鏡システムおよび対応するコントロールシステム、方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/26 20060101AFI20221025BHJP
   G02B 21/36 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
G02B21/26
G02B21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022068843
(22)【出願日】2022-04-19
(31)【優先権主張番号】10 2021 109 988.9
(32)【優先日】2021-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Blu-ray
(71)【出願人】
【識別番号】516114695
【氏名又は名称】ライカ インストゥルメンツ (シンガポール) プライヴェット リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Leica Instruments (Singapore) Pte. Ltd.
【住所又は居所原語表記】12 Teban Gardens Crescent, Singapore 608924, Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ヤング
【テーマコード(参考)】
2H052
【Fターム(参考)】
2H052AB01
2H052AC04
2H052AD19
2H052AF14
2H052AF25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】可動の試料ステージの位置を決定するための改善されたコンセプトを提供することが望まれている。
【解決手段】例は、顕微鏡システムおよび対応するコントロールシステム、方法およびコンピュータプログラムに関する。顕微鏡システムは、試料ステージ上に配置されている試料の画像を生成するように構成されている顕微鏡を含んでいる。顕微鏡システムは、試料を支持するように構成されている試料ステージを含んでいる。試料ステージは視覚マーカを含んでいる。この方法は、試料ステージの視覚マーカを示す画像の画像データを提供するように構成されている光学イメージングセンサを含んでいる。この方法は、視覚マーカを示す画像の画像データに基づいて試料ステージの位置を決定するように構成されているコントロールシステムを含んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡システム(100;400)であって、前記顕微鏡システム(100;400)は、
試料ステージ上に配置されている試料(120)の画像を生成するように構成されている顕微鏡(110;410)と、
前記試料を支持するように構成されている試料ステージ(130)であって、視覚マーカ(140)を含む試料ステージ(130)と、
前記試料ステージの前記視覚マーカを示す画像の画像データを提供するように構成されている光学イメージングセンサ(150)と、
前記視覚マーカを示す前記画像の前記画像データに基づいて前記試料ステージの位置を決定するように構成されているコントロールシステム(160;420)と、
を含む顕微鏡システム(100;400)。
【請求項2】
前記試料ステージは、2つの横方向次元に沿って移動するように構成されており、
前記コントロールシステムは、前記2つの横方向次元に関する前記試料ステージの前記位置を決定するように構成されている、
請求項1記載の顕微鏡システム。
【請求項3】
前記試料ステージは、モータ駆動の試料ステージである、
請求項1または2記載の顕微鏡システム。
【請求項4】
前記モータ駆動の試料ステージは、前記顕微鏡が複数の時点で複数の画像を生成している間に連続的に移動するように構成されており、
前記光学イメージングセンサは、前記モータ駆動の試料ステージが移動している間に、前記視覚マーカを示す前記画像の前記画像データを生成するように構成されており、
前記コントロールシステムは、前記モータ駆動の試料ステージが移動している間に、生成されている、前記視覚マーカを示す画像の前記画像データに基づいて、前記複数の時点における前記モータ駆動の試料ステージの前記位置を決定するように構成されている、
請求項3記載の顕微鏡システム。
【請求項5】
前記顕微鏡システムは、光ストロボによって前記視覚マーカおよび/または前記試料を照明するための少なくとも1つの照明要素(170)を含んでおり、
前記コントロールシステムは、前記照明要素をトリガして、前記複数の時点で光ストロボを放出させるように構成されている、
請求項4記載の顕微鏡システム。
【請求項6】
前記コントロールシステムは、前記顕微鏡によって生成される画像の各画素および/または前記視覚マーカを示す前記画像の前記画像データの試料の各画素が同じ光ストロボの反射に曝されるように、前記照明要素をトリガして、前記光ストロボを放出させるように構成されている、
請求項5記載の顕微鏡システム。
【請求項7】
前記視覚マーカは、前記試料ステージの底部側に配置されており、前記光学イメージングセンサは、前記試料ステージの下方に配置されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載の顕微鏡システム。
【請求項8】
前記視覚マーカは、前記試料ステージの上側に配置されており、前記光学イメージングセンサは、前記試料ステージの上方に配置されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載の顕微鏡システム。
【請求項9】
前記顕微鏡システムは、前記試料ステージの2つ以上の視覚マーカのうちの少なくとも1つの視覚マーカを示す2つ以上の画像の画像データを提供するための2つ以上の光学イメージングセンサを含んでおり、
前記コントロールシステムは、前記2つ以上の視覚マーカのうちの前記少なくとも1つの視覚マーカを示す前記2つ以上の画像の前記画像データに基づいて、前記試料ステージの前記位置を決定するように構成されている、
請求項1から8までのいずれか1項記載の顕微鏡システム。
【請求項10】
前記視覚マーカの横方向の広がりは、前記試料ステージの最大の横方向の移動と少なくとも同じ大きさである、
請求項1から9までのいずれか1項記載の顕微鏡システム。
【請求項11】
前記視覚マーカは、2次元の視覚パターンを有している、
請求項1から10までのいずれか1項記載の顕微鏡システム。
【請求項12】
前記試料ステージは、前記試料ステージの第1の横移動方向に位置合わせされている第1の視覚マーカと、前記試料ステージの第2の横移動方向に位置合わせされている第2の視覚マーカと、を含んでおり、前記第1の視覚マーカおよび前記第2の視覚マーカの各々は、1次元の視覚パターンを有している、
請求項1から10までのいずれか1項記載の顕微鏡システム。
【請求項13】
前記コントロールシステムは、前記顕微鏡に対して相対的な前記試料ステージの前記位置を決定するように構成されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の顕微鏡システム。
【請求項14】
前記コントロールシステムは、前記顕微鏡によって撮像された前記画像に、前記画像が生成された時点の前記試料ステージの前記位置を注釈付けるように構成されている、
請求項1から13までのいずれか1項記載の顕微鏡システム。
【請求項15】
顕微鏡システム、有利には請求項1から14までのいずれか1項記載の顕微鏡システムのためのコントロールシステム(160;420)であって、前記顕微鏡システムは、
試料ステージ(130)上に配置されている試料(120)の画像を生成するように構成されている顕微鏡(110;410)と、
前記試料を支持するように構成されている試料ステージ(130)であって、視覚マーカ(140)を含む試料ステージ(130)と、
を含んでおり、
前記コントロールシステムは、1つまたは複数のプロセッサ(164)と1つまたは複数の記憶装置(166)とを含んでおり、
前記コントロールシステムは、
前記顕微鏡システムの光学イメージングセンサ(150)から、前記試料ステージの前記視覚マーカを示す画像の画像データを取得し、
前記視覚マーカを示す前記画像の前記画像データに基づいて前記試料ステージの位置を決定する、
ように構成されている、
コントロールシステム(160;420)。
【請求項16】
顕微鏡システム、有利には請求項1から14までのいずれか1項記載の顕微鏡システムのための方法であって、
前記顕微鏡システムは、試料ステージ上に配置されている試料の画像を生成するように構成されている顕微鏡と、前記試料を支持するように構成されている試料ステージと、を含んでおり、
前記試料ステージは、視覚マーカを含んでおり、
前記方法は、
前記試料ステージの前記視覚マーカを示す画像の画像データを取得するステップ(310)と、
前記視覚マーカを示す前記画像の前記画像データに基づいて前記試料ステージの位置を決定するステップ(320)と、
を含んでいる方法。
【請求項17】
コンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサ上で実行されるときに請求項16記載の方法を実施するためのプログラムコードを有している、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例は、顕微鏡システムおよび対応するコントロールシステム、方法およびコンピュータプログラムに関しており、より具体的には、ただし排他的ではなく、顕微鏡システムの可動の試料ステージの位置を決定するためのコンセプトに関する。
【背景技術】
【0002】
工業用途のための顕微鏡は、しばしば、2つの軸(以降ではX軸およびY軸と称される)に沿って移動可能な可動の試料ステージを有している。試料ステージのさまざまな位置にわたってイメージングを行うために、対象物の位置合わせおよび画像のスティッチングのために、ステージの正確なX-Y位置決めが必要とされ得る。多くの場合、光学式または磁気式のリニアエンコーダが、ステージのX-Y位置を決定するために使用される。画像のスティッチングは、画像の位置合わせおよび照合を行うために、測定されたX-Y位置と、(試料の)画像ランドマークと、の両方を使用することができる。
【0003】
しかし、リニアエンコーダは試料ステージとは異なる熱膨張係数を有することがあり、これは位置の読み出しを不正確にさせる。さらに、各所望の各X-Y位置で画像を捕捉するために、ステージを停止させなければならないことがある。X-Y位置が不正確である場合、および対象物が弱い視覚的なコントラストまたは繰り返しパターンを有している場合、画像のスティッチングが困難または不正確になる可能性がある。
【0004】
可動の試料ステージの位置を決定するための改善されたコンセプトを提供することが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題は、独立請求項の主題によって解決される。
【0006】
本開示の種々の例は、可動の試料ステージの位置を決定するためにリニアエンコーダを使用する代わりに、試料ステージの頂部または下部に表示される視覚マーカを用いた視覚的アプローチが選択され得るという発見に基づいている。視覚マーカは試料ステージの一部であるため、熱膨張率は、試料ステージと視覚マーカとに対して、同じまたは少なくとも同様であり得る。光学イメージングセンサを使用して、視覚マーカを示す画像の画像データを生成し、この画像データを分析して試料ステージの位置が決定される。
【0007】
本開示の種々の例は、顕微鏡システムに関する。顕微鏡システムは、試料ステージ上に配置されている試料の画像を生成するように構成されている顕微鏡を含んでいる。顕微鏡システムは、試料を支持するように構成されている試料ステージを含んでいる。試料ステージは、視覚マーカを含んでいる。顕微鏡システムは、試料ステージの視覚マーカを示す画像の画像データを提供するように構成されている光学イメージングセンサを含んでいる。顕微鏡システムは、視覚マーカを示す画像の画像データに基づいて試料ステージの位置を決定するように構成されているコントロールシステムを含んでいる。視覚マーカは、試料ステージの一部であり、したがって、試料ステージの熱膨張率にも追従するので、より高い精度が得られるだろう。
【0008】
種々の例では、試料ステージは、2つの横方向次元に沿って移動するように構成されている。コントロールシステムを、2つの横方向次元に関して試料ステージの位置を決定するように構成することができる。換言すれば、試料ステージのX-Y位置を決定することができる。
【0009】
例えば、試料ステージは、モータ駆動の試料ステージであってよい。モータ駆動の試料ステージを、試料ステージの複数の位置にわたる大きな試料の自動的な記録のために使用することができる。
【0010】
いくつかの例では、試料ステージを移動させ続けることによって、顕微鏡のイメージングのスループットを向上させることができる。例えば、撮像される各画像に対して試料ステージを停止させる代わりに、試料ステージを連続的に移動させることができ、提案されたコンセプトを使用して、試料ステージが移動しているときに試料ステージの位置を決定することができる。例えば、モータ駆動の試料ステージは、顕微鏡が複数の時点で複数の画像を生成している間に連続的に移動するように構成されていてよい。光学イメージングセンサは、モータ駆動の試料ステージが移動している間に、視覚マーカを示す画像の画像データを生成するように構成されていてよい。コントロールシステムは、モータ駆動の試料ステージが移動している間に、生成されている、視覚マーカを示す画像の画像データに基づいて、複数の時点におけるモータ駆動の試料ステージの位置を決定するように構成されていてよい。これは、顕微鏡システムのスループットを向上させ得る。
【0011】
試料ステージが連続的に移動する場合のモーションアーチファクトを回避または低減するために、ストロボ光が使用され得る。顕微鏡システムは、光ストロボによって視覚マーカおよび/または試料を照明するための少なくとも1つの照明要素を含むことができる。コントロールシステムは、照明要素をトリガして、複数の時点で光ストロボを放出させるように構成されていてよい。光ストロボは環境光より明るくてよく、したがって、顕微鏡の光学イメージングセンサによって、かつ/または試料ステージの位置を決定するために使用される光学イメージングセンサによって記録される光の大部分は、光ストロボによって引き起こされる。
【0012】
例えば、コントロールシステムは、顕微鏡によって生成される画像の各画素および/または視覚マーカを示す画像の画像データの試料の各画素が同じ光ストロボの反射に曝されるように、照明要素をトリガして、光ストロボを放出させるように構成されていてよい。例えば光ストロボはタイミング調整されてよく、これによって、各光学イメージングセンサが行毎にまたはブロック毎に読み出されるので、画像フレームを生成するために使用される光学イメージングセンサのすべての行/ブロックが、同じストロボからの光に曝されている。
【0013】
いくつかの例では、視覚マーカは試料ステージの底部側に配置され、光学イメージングセンサは試料ステージの下方に配置される。このようにすれば、視覚マーカが大きな試料によって覆われなくなり得る。また、例えば顕微鏡が傾いている場合、光学イメージングセンサを妨げることなく顕微鏡を取り扱うことができる。
【0014】
択一的に、視覚マーカは試料ステージの上側に配置され、光学イメージングセンサは試料ステージの上方に配置される。この場合、光ストロボ放出のための同じ照明要素を、試料と視覚マーカとに対して使用することができる。
【0015】
いくつかの例では、顕微鏡システムは、試料ステージの2つ以上の視覚マーカのうちの少なくとも1つの視覚マーカを示す2つ以上の画像の画像データを提供する2つ以上の光学イメージングセンサを含んでいる。コントロールシステムは、2つ以上の視覚マーカのうちの少なくとも1つの視覚マーカを示す2つ以上の画像の画像データに基づいて、試料ステージの位置を決定するように構成されていてよい。複数のカメラおよび視覚マーカを使用することによって、より小さいマーカと、光学イメージングセンサと視覚マーカとの間のより短い距離と、を使用することができるようになり、その一方で、横方向の移動は依然として大きいままでよい。
【0016】
例えば、視覚マーカの横方向の広がりは、試料ステージの最大の横方向の移動と少なくとも同じ大きさであってよい。この場合、視覚マーカのサイズによって、試料ステージの位置の決定が可能となり得る。
【0017】
いくつかの例では、視覚マーカは、2次元の視覚パターンを有している。この2次元のパターンは、2つの横方向次元において試料ステージの位置を決定するために使用されてよい。
【0018】
択一的または付加的に、試料ステージは、試料ステージの第1の横移動方向に位置合わせされている第1の視覚マーカと、試料ステージの第2の横移動方向に位置合わせされている第2の視覚マーカと、を含んでいてよい。第1のマーカおよび第2のマーカの各々は、1次元の視覚パターンを有していてよい。この場合、第1の視覚マーカは、第1の横移動方向に沿った試料ステージの位置を決定するために使用されてよく、第2の視覚マーカは、第2の横移動方向に沿った試料ステージの位置を決定するために使用されてよい。
【0019】
種々の例では、コントロールシステムは、顕微鏡に対して相対的な試料ステージの位置を決定するように構成されていてよい。このようにすれば、顕微鏡によって撮像された画像を用いて、試料ステージの位置、ひいては記録されている試料の位置が記録可能である。例えば、コントロールシステムは、顕微鏡によって撮像された画像に、この画像が生成された時点の試料ステージの位置を注釈付けるように構成されていてよい。
【0020】
本開示の種々の例は、顕微鏡システムのための対応するコントロールシステムに関する。顕微鏡システムは、試料ステージ上に配置されている試料の画像を生成するように構成されている顕微鏡と、試料を支持するように構成されている試料ステージと、を含んでいる。試料ステージは、視覚マーカを含んでいる。コントロールシステムは、1つまたは複数のプロセッサと1つまたは複数の記憶装置とを含んでいる。このシステムは、顕微鏡システムの光学イメージングセンサから、試料ステージの視覚マーカを示す画像の画像データを取得するように構成されている。このシステムは、視覚マーカを示す画像の画像データに基づいて試料ステージの位置を決定するように構成されている。
【0021】
本開示の種々の例は、顕微鏡システムのための対応する方法に関する。顕微鏡システムは、試料ステージ上に配置されている試料の画像を生成するように構成されている顕微鏡と、試料を支持するように構成されている試料ステージと、を含んでいる。試料ステージは、視覚マーカを含んでいる。この方法は、試料ステージの視覚マーカを示す画像の画像データを取得することを含んでいる。この方法は、視覚マーカを示す画像の画像データに基づいて試料ステージの位置を決定することを含んでいる。
【0022】
本開示の種々の例は、コンピュータプログラムがプロセッサ上で実行されるときに上記を実行するためのプログラムコードを有する対応するコンピュータプログラムに関する。
【0023】
装置および/または方法のいくつかの例を、以降で、単に例示として、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1a】顕微鏡システムの例の概略図である。
図1b】顕微鏡システムのためのコントロールシステムの例のブロック図である。
図1c】コントロールシステムを含んでいる顕微鏡システムの例の概略図である。
図2】光学イメージングセンサの読み出しに対して相対的なストロボ光のタイミング図の例を示す図である。
図3】顕微鏡システムための方法の例のフローチャートを示す図である。
図4】顕微鏡とコンピュータシステムとを含んでいるシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、いくつかの例が示されている添付の図面を参照して、種々の例をより詳細に説明する。見やすくするため、図中、線、層および/または領域の厚みが誇張されている場合がある。
【0026】
図1aは、顕微鏡システム100の例の概略図を示している。顕微鏡システム100は、試料ステージ上に配置されている試料120の画像を生成するように構成されている顕微鏡110を含んでいる。概して、顕微鏡とは、人間が目視(単独で)で検査するには小さすぎる対象物を検査するのに適した光学機器である。例えば、顕微鏡は、試料、例えば試料120の光学的拡大を提供することができる。近年の顕微鏡では、光学的拡大は、カメラまたはイメージングセンサ、例えば顕微鏡110の光学イメージングセンサのために提供されることが多い。顕微鏡110は、対物レンズ(すなわちレンズ)等の、試料上の視野を拡大するために使用される1つまたは複数の光学的拡大部品をさらに含んでいてよい。
【0027】
顕微鏡にはさまざまな種類がある。顕微鏡が医療分野または生物学的分野で使用される場合、顕微鏡を通して観察される試料は、例えばペトリ皿内に配置された、または患者の身体の一部に存在する有機組織の試料であり得る。例えば、顕微鏡システム100は、実験室で使用するための顕微鏡システムであってよく、例えば、ペトリ皿内の有機組織の試料を検査するために使用され得る顕微鏡であってよい。択一的に、顕微鏡システム100は、材料科学および/または品質管理において使用される顕微鏡システムであってよい。特に、顕微鏡システム100は、複数の画像を生成し、これらを互いにスティッチングすることによって、大きな試料の極めて詳細な画像を生成するための顕微鏡システムであってよい。実施形態は、顕微鏡に関連して説明されているが、これらが、より普遍的な様式で、あらゆる光学装置に適用されてもよい。
【0028】
顕微鏡システム100の顕微鏡110は、いくつかの付加的な任意選択的なまたは必須の部品と共に使用される。したがって、「顕微鏡システム」という用語は、実際の顕微鏡の一部(これは光学部品を含んでおり、したがって「光学的なキャリア」とも称される)ではないが、以降に示すように、試料ステージ、付加的な光学イメージングセンサおよびコントロールシステム等の、顕微鏡に関連して使用されるシステムの部分もカバーするために使用される。
【0029】
顕微鏡システムはさらに、試料を支持するように構成されている試料ステージ(例えばX-Yステージ)130を有している。試料ステージは、(試料ステージのパターン領域に配置されている)視覚マーカ140を含んでいる。顕微鏡システムはさらに、試料ステージの視覚マーカを示す画像の画像データを提供するように構成されている光学イメージングセンサ(X-Yカメラとも称される)150を含んでいる。
【0030】
顕微鏡システムはさらに、視覚マーカを示す画像の画像データに基づいて試料ステージの位置を決定するように構成されているコントロールシステムを含んでいる。図1bは、顕微鏡システム、例えば図1aの顕微鏡システムのためのコントロールシステム160の例のブロック図を示している。例えば図1bに示されているように、コントロールシステム160は1つまたは複数のプロセッサ164と1つまたは複数の記憶装置166とを含んでいる。任意選択的に、コントロールシステムは1つまたは複数のインタフェース162を含んでいる。1つまたは複数のプロセッサは、1つまたは複数の記憶装置および任意選択的なインタフェースと結合されている。概して、コントロールシステムの機能は、1つまたは複数のプロセッサによって、例えば、(情報を交換するための)任意選択的なインタフェースおよび/または(データを格納するための)1つまたは複数の記憶装置と関連して提供される。コントロールシステム160は、顕微鏡システムの光学イメージングセンサ150から(例えば、インタフェース162を介して)試料ステージの視覚マーカを示す画像の画像データを取得するように構成されている。コントロールシステムは、視覚マーカを示す画像の画像データに基づいて試料ステージの位置を決定するように構成されている。
【0031】
図1cには、コントロールシステム160を含んでいる顕微鏡システム100の例の概略図が示されている。図1cの顕微鏡システム100は、少なくとも1つの照明要素170等のさらなる任意の部品を示している。
【0032】
本開示の種々の例は、顕微鏡によって生成された画像の画像スティッチングをサポートするために、顕微鏡の試料ステージの位置を検出するためのコンセプトを提供する。提案された顕微鏡システムには試料ステージ130が装備されており、その位置はコントロールシステムによって決定される。したがって、試料ステージは、顕微鏡110に対して相対的に移動し得る(したがって移動可能である)。さらに、試料ステージは、光学イメージングセンサ150に対して相対的に移動し得る。換言すれば、光学イメージングセンサは、試料ステージが光学イメージングセンサに対して相対的に移動している間、固定された位置に留まっていてよい。実際には、試料ステージが移動させられた場合、顕微鏡110および光学イメージングセンサ150の位置は、試料ステージ130に対して相対的にシフトし得る。いくつかの例では、試料ステージを手で移動させることができる。択一的に、試料ステージは、モータ駆動の試料ステージであってよい。換言すれば、試料ステージは、試料ステージを移動させるためのモータを含むことができる。例えば、試料ステージは、予め規定されているパターンに従って、例えば、z字形のパターンに従ってまたは蛇行するパターンに従って、顕微鏡に対して相対的に移動するように構成されていてよい。
【0033】
種々の例では、試料ステージは、顕微鏡110に対して相対的に1つまたは2つの横方向次元に沿って移動させられてよい。特に、いくつかの例では、試料ステージは、2つの横方向次元に沿って移動するように構成されていてよい(一方の横方向次元は、他方の横方向次元に対して垂直である)。したがって、試料ステージをX横方向次元およびY横方向次元に沿って移動させることができるため、試料ステージがX-Yステージと称されてもよい。いくつかの例では、試料ステージは、さらに、第3の次元(すなわち、鉛直方向次元またはZ次元)に沿って移動可能であってよい。この文脈において、横方向次元(すなわち水平方向)次元は、重力の方向に対して垂直に規定され、鉛直方向次元は、重力に対して平行に規定される。
【0034】
試料ステージは、試料ステージの位置を決定するために使用される視覚マーカ140を含んでいる。例えば、視覚マーカは試料ステージに印刷されていてよく、または例えばレーザーベースのエッチング方法を用いて視覚マーカが試料ステージ内にエッチングされていてよい。択一的に、視覚マーカは、試料ステージの材料に固有であってよく、例えば、試料ステージを製造するために使用された鋳型または道具に起因して生じたものであってよい。択一的に、視覚マーカは、接着剤を使用して試料ステージに取り付けられていてよい、または視覚マーカを試料ステージに固定するための別の機械的手段、例えばネジまたはリベットを使用して試料ステージに取り付けられていてよい。種々の例において、鏡面反射が低減または最小化されるように、視覚マーカが設計されていてよい。
【0035】
いくつかの例では、図1aおよび図1cに示されているように、視覚マーカ140は、試料ステージの底部側に配置されており(例えば底部側に印刷されており、底部側内にエッチングされており、または底部側に取り付けられており)、光学イメージングセンサは、試料ステージの下方に(鉛直方向に)配置されている。択一的に、視覚マーカが、試料ステージの上側に配置されていてよく(例えば上側に印刷されていてよく、上側内にエッチングされていてよく、または上側に取り付けられていてよく)、光学イメージングセンサが、試料ステージの上方に配置されていてよい(図示せず)。この文脈において、試料ステージの「上側」という用語は、地球の重心とは反対の側を向いている試料ステージの側であってよく、それに対して、試料ステージの「底部側」は、地球の重心の方を向いている試料ステージの側であってよい。同様に、試料ステージの上方に配置されている光学イメージングセンサとは、光学イメージングセンサが、試料ステージと比べて、地球の重心からより遠くに、または少なくとも、視覚マーカを含んでいる試料ステージの表面と比べて、より遠くに配置されていることを意味している。したがって、試料ステージの下方に配置されている光学イメージングセンサとは、光学イメージングセンサが、試料ステージと比べて、地球の重心のより近くに、または少なくとも、視覚マーカを含んでいる試料ステージの表面と比べて、より近くに配置されていることを意味している。これらの定義は、試料が試料ステージ上に配置されている状態で顕微鏡の操作を可能にするように顕微鏡システムが配向されていることを想定している。
【0036】
試料ステージの位置は、試料ステージの視覚マーカの画像データを生成および分析することによって決定される。試料ステージの移動に伴って、視覚マーカは試料ステージと共に移動する。これに対応して、また試料ステージは、光学イメージングセンサに対して相対的に移動するので、視覚マーカを示す画像において可視である視覚マーカの一部分も、試料ステージの移動に伴って変化する。試料ステージが1または2つの横方向次元に沿って移動すると、視覚マーカも移動し、視覚マーカの移動は、視覚マーカを示す画像において示される。
【0037】
これは、試料ステージの移動範囲全体にわたって試料ステージの位置を決定するために、視覚マーカの広がりに影響を及ぼし、視覚マーカの一部分は、試料ステージの任意の(横方向)位置で、光学イメージングセンサによって生成された画像データの画像において示され得る。その結果、視覚マーカの横方向の広がり(例えば、視覚マーカの2つの最も外側の一部分の間の、1つまたは2つの横方向次元に沿った最大の横方向距離)は、少なくとも、試料ステージの最大の横方向の移動と同じ大きさであってよい。換言すれば、試料ステージの任意の横方向の位置において、視覚マーカの一部分が光学イメージングセンサによって生成された画像データの画像において示され得るように、視覚マーカは十分な大きさを有していてよい。いくつかの例では、これは、単一のつながっている視覚マーカを使用することによって実現されていてよい。択一的に、試料ステージは、2つ以上の視覚マーカを含んでいてよく、これは、2つ以上の光学イメージングセンサによって記録され得る。換言すれば、顕微鏡システムは、試料ステージの2つ以上の視覚マーカのうちの少なくとも1つの視覚マーカを示す2つ以上の画像の画像データを提供するために、2つ以上の光学イメージングセンサを含んでいてよい。択一的に、試料ステージの2つ以上の視覚マーカを示す画像の画像データを提供するために、単一の光学イメージングセンサが使用されてよい、または単一のつながっている視覚マーカを示す画像の画像データを提供するために、2つ以上の光学イメージングセンサが使用されてよい。
【0038】
概して、視覚マーカは、後続の分析のために十分なコントラストを提供する、任意の視覚パターンを使用してよい。例えば、視覚マーカは、(疑似)ランダムパターン、例えば点、矩形、三角形、多角形等に基づくランダムパターンを含んでいてよい。択一的に、視覚マーカは、材料表面の固有のテクスチャであってよい。いくつかの例では、2次元の視覚パターンが使用されてよく、したがって、2つの横方向次元に沿った移動を確実に追跡することができる。換言すれば、視覚マーカは、2次元の視覚パターンを有していてよい。択一的に、各々がバーコード等の1次元の視覚パターンを有している2つの視覚マーカが使用されてよい。換言すれば、試料ステージは、試料ステージの第1の横移動方向に位置合わせされている第1の視覚マーカと、試料ステージの第2の横移動方向に位置合わせされている第2の視覚マーカと、を含んでいてよく、第1のマーカおよび第2のマーカの各々は、1次元の(または2次元の)視覚パターンを有している。パターンによる鏡面反射は、試料ステージ、ひいては視覚マーカの移動を視覚的に追跡することができるように、低減または最小化され得る。
【0039】
提案されたコンセプトでは、光学イメージングセンサ150は、視覚マーカの画像データを生成するためにコントロールシステムによって使用され、次に、この画像データは、試料ステージの位置を決定するためにコントロールシステムによって評価される。したがって、光学イメージングセンサ150は、画像データを生成するように構成されている。例えば、光学イメージングセンサ150および/または顕微鏡110の光学イメージングセンサは、APS(Active Pixel Sensor)またはCCD(Charge-Coupled-Device)方式のイメージングセンサを含んでいてよい、またはこれらであってよい。例えば、APS方式のイメージングセンサでは、画素の光検出器とアクティブアンプとを使用して各画素で光が記録される。APS方式のイメージングセンサは、多くの場合、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)またはS-CMOS(Scientific CMOS)技術をベースにしている。CCD方式のイメージングセンサでは、入射した光子は半導体-酸化物界面で電子電荷に変換され、その後、イメージングセンサのコントロール回路によってイメージングセンサ内の容量性ビン間で動かされ、イメージングが行われる。システム160は、光学イメージングセンサから画像データを取得する(すなわち、受け取るまたは読み出す)ように構成されている。任意選択的に、システム160は、顕微鏡110の光学イメージングセンサから画像データをさらに取得するように構成されていてよい。画像データは、それぞれの光学イメージングセンサから(例えば、インタフェース162を介して)画像データを受け取ることによって、それぞれの光学イメージングセンサのメモリから(例えば、インタフェース162を介して)画像データを読み出すことによって、または例えばそれぞれの光学イメージングセンサもしくは別のシステムもしくはプロセッサによって画像データが記憶装置166に書き込まれた後に、コントロールシステム160の記憶装置166から画像データ読み出すことによって、取得されてよい。
【0040】
光学イメージングセンサ150の画像データは、試料ステージの視覚マーカを示す画像を含んでいる。したがって、光学イメージングセンサ150は、試料ステージの視覚マーカに向けて、すなわち試料ステージに向けて配向されていてよい。視覚マーカが(試料ステージと共に)光学イメージングセンサの上方または下部で移動させられると、視覚マーカの移動が画像データによって表される。換言すれば、所与の時点で、画像データは、試料ステージの目下の位置に従い、視覚マーカ、例えば、視覚マーカの一部分を示す画像を含んでいる。例えば、試料ステージの各位置において、画像データに含まれている画像によって、視覚マーカの独特な一部分が示されてよい。
【0041】
種々の例では、試料ステージの位置が、複数の時点にわたって追跡されてよい。例えば、試料ステージは連続的に移動可能であり、この際に複数の時点で顕微鏡(またはむしろ、顕微鏡の光学イメージングセンサ)によって試料の画像が生成される。換言すれば、試料および視覚マーカの画像は、試料ステージが移動している間に撮像され得る。それに応じて、画像データは、複数の時点での試料ステージの位置を表す視覚マーカ(またはむしろ、視覚マーカの複数の一部分)を示す複数の画像を含んでいてよい。例えば、試料ステージは、移動方向の変更のために行われる例外を除いて、連続的に移動し得る。しかし、移動におけるこのような不連続性を有している場合であっても、試料ステージの移動は連続的であるとみなされてよい。
【0042】
その後、コントロールシステムは、画像データを分析し、試料ステージの位置を決定するために使用される。概して、試料の位置は、1つまたは2つの横方向次元に関して規定されてよい。換言すれば、コントロールシステムは、1つまたは2つの横方向次元に関する試料ステージの位置を決定するように構成されていてよい。例えば、コントロールシステムは、1つまたは2つの横方向次元を表す1次元または2次元の座標系に関する試料ステージの位置を決定するように構成されていてよい。例えば、1つまたは2つの次元の各々について、試料ステージの位置が、コントロールシステムによって決定されてよい。
【0043】
いくつかの例では、試料ステージの位置は、顕微鏡に対して相対的に決定されてよい。換言すれば、コントロールシステムは、顕微鏡に対して相対的に試料ステージの位置を決定するように構成されている。例えば、顕微鏡は、1次元または2次元の座標系内の固定された位置を有していてよく、これにより、1次元または2次元の座標系に関する試料ステージの位置が、顕微鏡に対して相対的に規定されてもよい。
【0044】
概して、視覚マーカを示す画像において示されたパターンが、試料ステージの位置を決定するために分析されてよい。例えば、試料ステージの各位置において、画像は視覚マーカの一部分を示してよく、ここで各一部分は独特なパターンを有している。例えば、コントロールシステムは、画像において示されている視覚マーカの一部分を、視覚マーカの(全体的な)パターンと比較して、視覚マーカ内のこの一部分の位置を決定し、視覚マーカ内のこの一部分の位置に基づいて試料ステージの位置を決定するように構成されていてよい。択一的または付加的に、試料ステージの位置は、視覚マーカのパターン内に符号化されてよい。例えば、視覚マーカは、視覚マーカのパターン内に符号化されている複数の位置標識を含むことができ、これら複数の位置標識は、視覚マーカの複数の予め規定されている位置に埋め込まれている。例えば、コントロールシステムは、画像において示されている1つまたは複数の位置標識を復号化し、復号化されたこの位置標識に基づいて試料ステージの位置を決定するように構成されていてよい。例えば、1つまたは複数の位置標識が画像内に示されている場合には、画像内の1つまたは複数の位置標識の位置が、試料ステージの位置を決定するために使用されてよい。
【0045】
上述したように、いくつかのケースでは、2つ以上の光学イメージングセンサが、試料ステージの異なる位置に配置されている2つ以上の視覚マーカと組み合わせて使用されてよい。このケースでは、同じアプローチが、所与の時間に2つ以上の視覚マーカのいずれが可視であるかに応じて使用されてよい。例えば、コントロールシステムは、2つ以上の視覚マーカのうちの少なくとも1つの視覚マーカを示す2つ以上の画像の画像データに基づいて試料ステージの位置を決定するように構成されていてよい。任意の所与の時間に、2つ以上の視覚マーカのうちの少なくとも1つの視覚マーカが、2つ以上の画像のうちの少なくとも1つの画像において示されてよい。したがって、コントロールシステムは、2つ以上の画像のうちの少なくとも1つの画像に示されている2つ以上の視覚マーカのうちの少なくとも1つの視覚マーカに基づいて試料ステージの位置を決定するように構成されていてよい。
【0046】
概して、図1a~図1cに関連して紹介された顕微鏡システムは、続いて、顕微鏡の光学イメージングセンサを使用して試料の複数の(部分的に重なり合う)画像を生成し、これら複数の画像を互いにスティッチングして合成画像を生成することによって、試料の(極めて詳細な)合成画像を生成するための顕微鏡として使用されてよい。X-Yカメラ(すなわち、光学イメージングセンサ150)、顕微鏡のメインカメラ(すなわち、顕微鏡の光学イメージングセンサ)、およびそれらのそれぞれの(ストロボ)光源を同期させることによって、ステージが移動している間、正確なXY位置情報を伴う写真を撮ることが可能になる。試料ステージは、画像の撮像の際に、顕微鏡に対して相対的に試料を移動させるために使用されてよい。他のシステムでは、このプロセスには長い時間がかかることがある。なぜなら、試料ステージは中間の位置に移動し、停止し、画像が撮像され、画像が撮像された位置が決定され、その後で次の位置に移るからである。本開示の種々の例では、提案されたコンセプトを使用して、このプロセスを高速化することができる。
【0047】
例えば、顕微鏡の光学イメージングセンサによって画像が撮像される度に試料ステージを停止させる代わりに、試料ステージが連続的に移動させられてよい。換言すれば、顕微鏡が複数の時点で複数の画像を生成している間に、例えば、試料が顕微鏡に対して相対的に固定されている位置にある間に顕微鏡の光学イメージングセンサを露光する目的で試料ステージが停止させられることなく、連続的に移動するように、モータ駆動の試料ステージが構成されていてよい。したがって、光学イメージングセンサ150は、モータ駆動の試料ステージが移動している間に視覚マーカを示す画像の画像データを生成するように構成されていてよい。換言すれば、試料ステージが移動している間に、試料の合成画像を形成するために、1つの画像、またはむしろ互いにスティッチングされる複数の画像が、顕微鏡の光学イメージングセンサによって複数の時点で生成されてよく、対応する画像が、複数の時点で、試料ステージの位置を決定するために使用される光学イメージングセンサによって生成されてよい。コントロールシステムは、モータ駆動の試料ステージが移動している間に、生成されている、視覚マーカを示す画像の画像データに基づいて、複数の時点におけるモータ駆動の試料ステージの位置を決定するように構成されていてよい。例えば、複数の時点の各時点で、顕微鏡の光学イメージングセンサによって、かつ試料ステージの位置を決定するために使用される光学イメージングセンサによって、画像が生成されてよい。複数の時点での試料ステージの位置が、複数の時点で光学イメージングセンサ150によって撮像された画像に基づいて決定されてよい。
【0048】
顕微鏡の光学イメージングセンサおよび試料ステージの位置を決定するために使用される光学イメージングセンサがそれぞれ、試料および視覚マーカから反射された光に曝されている間に試料ステージが移動する場合、それぞれの画像においてモーションアーチファクトが観察されることがある。さらに、光学イメージングセンサは、多くの場合、いわゆる「ローリングシャッタ」を使用する。概して、光学イメージングセンサは、複数の画素行および複数の画素列を含んでいる、画素の2次元グリッドを含んでいてよい。画素の2次元グリッドの内容を読み出して、画像データのフレームが生成される。多くの場合、画素の2次元グリッドの画素の部分集合のみが一度、例えば行毎またはブロック毎に読み出される。すべての画素が同じ(または少なくとも同様の)光量に曝されることを保証するために、画素の光に曝される持続時間は、すべての画素について(実質的に)同じであってよい。一部の画素が他の画素より早く読み出されるので、これらの画素は同様に早く光に曝されて、同じ露光持続時間が維持される。画素の読み出しが遅くなればなるほど、この画素の露光の開始は遅くなる。このコンセプトは図2に関連して示されている。
【0049】
図2は光学イメージングセンサの読み出しに対して相対的なストロボ光のタイミング図の例を示している。例えば、ストロボ光のタイミングは、光学イメージングセンサの露光のタイミングに同期させられている。図2では、x軸は時間を示している。4つのフレーム、すなわち、第1のフレーム210、第2のフレーム220、第3のフレーム230および第4のフレーム240が示されている。図2から見て取れるように、画素行の光への露光、およびその後の画素行の読み出しは、時間的にずらされている。図2は、最初の行の露光の開始を示す線211と、第1のフレーム210の最後の行の露光の開始を示すさらなる線212と、を示している。図2はさらに、最初の行の露光の終了を示す線214と最後の行の露光の終了を示す線215とを示している。図2から見て取れるように、第1のフレーム210の最後の行の露光の終了は、第2のフレーム220の最初の行(またはむしろ大抵の行)の露光の開始と重なり得る。しかし、光学イメージングセンサのすべての画素が同じ光に露光される時間間隔(最後の行の露光の開始212と最初の行の露光の終了214との間)が存在する。
【0050】
この瞬間に、ストロボ光213を使用して、試料(および/または視覚マーカ)が照明されてよく、したがって、光学イメージングセンサによって記録される光は主にストロボ光の反射に基づくので、ストロボの反射とは別に記録された光は消される。換言すれば、ローリングシャッタゆがみを減らすまたは最小化するため、かつ視覚パターンの一貫した照明のために、試料ステージの位置を決定するために使用される光学イメージングセンサおよび/または顕微鏡の光学イメージングセンサは、(図1cに示されているように)レンズの隣またはレンズの周りに取り付けられた、同期させられたストロボ光170を有していてよい。顕微鏡のメイン光学イメージングセンサおよび光源は同様に、XYステージが移動している間の連続的な捕捉を可能にするために、試料ステージの位置を決定するために使用される光学イメージングセンサおよび光源と同期させられていてよい。換言すれば、顕微鏡システムは、視覚マーカおよび/または試料を光ストロボで照明するための少なくとも1つの照明要素170を含んでいてよい。コントロールシステムは、複数の時点で、例えば、フレームの生成中に、画素のグリッドの最初の行の露光を停止する前、かつ画素のグリッドの最後の行の露光を開始した後で、光ストロボを放出するように照明要素をトリガするように構成されていてよい。センサが行毎に露光される場合には、例えば、フレームの生成中に、画素グリッドの最初の行の露光を停止する前、かつ画素のグリッドの最後の行の露光を開始した後で、顕微鏡によって生成された画像の各画素および/または視覚マーカを示す画像の画像データの試料の各画素が、同じ光ストロボの反射に曝されるように、コントロールシステムが、光ストロボを放出するように照明要素をトリガするように構成されていてよい。したがって、光/照明要素は、各光学イメージングセンサの最後の行の露光を開始した後に、ただし最初の行の露光を停止する前に、短いが強い光のバーストを放出し得る。実際には、電子ローリングシャッタを備えるイメージセンサが使用されるケースでは、ステージ移動時の画像のゆがみを除去するためにストロボ光源を用いることができる。
【0051】
結果として得られる画像の位置分解能は、倍率と信号対雑音比(SNR)との組み合わせによって決定される。例えば、SNRが正確な4分の1画素精度のモーションエスティメーションにとって十分に高いということを仮定すると、イメージセンサは1.55μmの画素ピッチを有しており、必要とされるX-Y精度は0.4μmになる。倍率1.55/0.4/4=0.96875倍以上のレンズで十分であり得る。ステージの最大速度は、このカメラの視野およびフレームレートによって上限が定められてよく、したがってステージは、モーションの計算のために、隣接するフレーム間で十分に重なり合う画像内容を有することができる。
【0052】
概して、試料ステージの位置は、顕微鏡の光学イメージングセンサによって生成された画像を互いにスティッチングして合成画像を生成するために使用される。例えば、例えば複数の時点での試料ステージの位置に関する情報が、コントロールシステムの記憶装置166内に格納されてよい、または外部エンティティに提供されてよい。択一的または付加的に、試料ステージの位置に関する情報は、顕微鏡用の光学イメージングセンサによって生成された画像と共に格納されてよい。例えば、コントロールシステムは、顕微鏡によって撮像された画像に、この画像が生成された時点の試料ステージの位置を注釈付けるように構成されていてよい。換言すれば、コントロールシステムは、顕微鏡システムの光学イメージングセンサから、顕微鏡の光学イメージングセンサによって撮像された画像を含んでいる画像データをさらに取得して、光学イメージングセンサによって撮像された画像に位置に関する情報を注釈付けるように構成されていてよく、これは、例えば、撮像された画像毎に、対応するデータユニット、例えば、試料ステージの位置を表すファイルを生成して、位置を表すデータを、撮像された画像のファイルと共に格納するまたは出力することによって行われる。択一的に、位置に関する情報は、顕微鏡の光学イメージングセンサによって撮像されたそれぞれの画像のメタデータに含まれていてよい。
【0053】
したがって、このコンセプトの種々の例は、試料ステージの位置を決定するためのコンセプトを提供する。例えば、2つの横方向次元XおよびYに沿って移動可能なX-Yステージであり得る試料ステージの上側または底部側のいずれかに、パターンの断片(すなわち視覚マーカ)が配置されていてよい。パターンの断片は、有利には、試料ステージ自体と同様の、熱膨張に関する特性を示し得る。さらに、視覚マーカの寸法は、少なくとも、ステージのX-Y移動の範囲と同じ大きさであってよい。択一的に、パターンの複数の断片が同じ個数のカメラと結び付けられて、ステージの異なる領域にわたって分散させられてよく、これによってステージサイズが低減される。パターンは、ランダムな点、または材料表面の固有のテクスチャであってもよい。鏡面反射は、移動の視覚的な追跡が可能になるように低減されてよい。デジタルカメラ、例えば、試料ステージの位置を決定するために使用される光学イメージングセンサは、パターンに向けられており、試料ステージの位置を決定するために使用される。デジタルカメラは、ステージの移動を分析および追跡するために、画像データ(例えば、動画)をプロセッサに送る。パターンはステージ自体の上にあるので、その移動は、試料ステージの移動、ひいては試料ステージの(X-Y)位置を正確に表している。
【0054】
1つまたは複数のインタフェース162は、モジュール内で、モジュール間または異なるエンティティのモジュール間で、指定されたコードに従ったデジタル(ビット)値であり得る情報を受け取るかつ/または伝達するための1つまたは複数の入力側および/または出力側に対応していてよい。例えば、1つまたは複数のインタフェース162は、情報を受け取るかつ/または伝達するように構成されているインタフェース回路を含んでいてよい。実施形態では、1つまたは複数のプロセッサ164は、相応に適合させられているソフトウェアを用いて動作可能な、1つまたは複数の処理ユニット、1つまたは複数の処理装置、処理のための任意の手段、例えば、プロセッサ、コンピュータまたはプログラマブルハードウェア部品を用いて実装されてよい。換言すれば、1つまたは複数のプロセッサ164の説明された機能は、ソフトウェアで実装されてもよく、その場合、ソフトウェアは、1つまたは複数のプログラミング可能なハードウェア部品上で実行される。そのようなハードウェア部品は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ等を含んでいてよい。少なくともいくつかの実施形態では、1つまたは複数の記憶装置166は、磁気記憶媒体または光学記憶媒体等のコンピュータ可読記憶媒体のグループの少なくとも1つの要素を含んでいてよく、これは例えばハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ(SSD)、フロッピーディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電子的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)またはネットワークストレージである。
【0055】
顕微鏡システムおよびコントロールシステムのさらなる詳細および態様は、提案されたコンセプト、または上述もしくは後述(例えば、図3)の1つまたは複数の例に関連して言及される。顕微鏡システムおよび/またはコントロールシステムは、提案されたコンセプト、または上述もしくは後述の1つまたは複数の例の1つまたは複数の態様に対応する1つまたは複数の付加的な任意選択的な機能を含んでいてよい。
【0056】
図3は、顕微鏡システム、例えば図1a~図1cの顕微鏡システム100のための対応する方法の例のフローチャートを示している。図1a~図1cに関連して示したように顕微鏡システムは、試料ステージ上に配置されている試料120の画像を生成するように構成されている顕微鏡110と、試料120を支持するように構成されている試料ステージ130と、を有しており、試料ステージは視覚マーカ140を含んでいる。この方法は、試料ステージの視覚マーカを示す画像の画像データを取得すること310を含んでいる。この方法は、視覚マーカを示す画像の画像データに基づいて試料ステージの位置を決定すること320を含んでいる。
【0057】
上述したように、図1a~図1cの顕微鏡システム100、コントロールシステム160、試料ステージ130、顕微鏡110および少なくとも1つの照明要素170に関連して説明された特徴は、図3の方法に同様に適用され得る。
【0058】
本明細書で使用されるように、用語「および/または(かつ/または)」は、関連する記載項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆるすべての組み合わせを含んでおり、「/」として略記されることがある。
【0059】
いくつかの態様を装置の文脈において説明してきたが、これらの態様が、対応する方法の説明も表していることが明らかであり、ここではブロックまたは装置がステップまたはステップの特徴に対応している。同様に、ステップの文脈において説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明も表している。
【0060】
いくつかの実施形態は、図1a~図3の1つまたは複数の図に関連して説明されたようなシステムを含んでいる顕微鏡に関する。択一的に、顕微鏡は、図1a~図3の1つまたは複数の図に関連して説明されたようなシステムの一部であってよい、または図1a~図3の1つまたは複数の図に関連して説明されたようなシステムに接続されていてよい。図4は本明細書で説明された方法を実施するように構成されているシステム400の概略図を示している。システム400は、顕微鏡410とコンピュータシステム420とを含んでいる。顕微鏡410は、撮像するように構成されており、かつコンピュータシステム420に接続されている。コンピュータシステム420は、本明細書で説明された方法の少なくとも一部を実施するように構成されている。コンピュータシステム420は、機械学習アルゴリズムを実行するように構成されていてよい。コンピュータシステム420と顕微鏡410とは別個の存在物であってよいが、1つの共通のハウジング内に一体化可能である。コンピュータシステム420は、顕微鏡410の中央処理システムの一部であってよく、かつ/またはコンピュータシステム420は、顕微鏡410の従属部品、例えば顕微鏡410のセンサ、アクチュエータ、カメラまたは照明ユニット等の一部であってよい。
【0061】
コンピュータシステム420は、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数の記憶装置を備えるローカルコンピュータデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータまたは携帯電話)であってよい、または分散コンピュータシステム(例えば、ローカルクライアントおよび/または1つまたは複数のリモートサーバファームおよび/またはデータセンタである種々の場所に分散されている1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数の記憶装置を備えるクラウドコンピューティングシステム等)であってよい。コンピュータシステム420は、任意の回路または回路の組み合わせを含んでいてよい。1つの実施形態では、コンピュータシステム420は、任意のタイプであり得る1つまたは複数のプロセッサを含んでいてよい。本明細書で用いられるプロセッサとは、顕微鏡もしくは顕微鏡部品(例えばカメラ)または任意の他のタイプのプロセッサまたは処理回路の任意のタイプの計算回路を意味し得る。これは限定するわけではないが、例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、グラフィックスプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、マルチコアプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である。コンピュータシステム420に含まれ得る他のタイプの回路は、カスタム回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等であってよく、例えばこれは、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、双方向無線機および類似の電子システム等の無線装置において使用される1つまたは複数の回路(通信回路等)等である。コンピュータシステム420は、特定の用途に適した1つまたは複数のメモリ要素、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)の形態のメインメモリ、1つまたは複数のハードドライブ、および/またはコンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(DVD)等のリムーバブル媒体を取り扱う1つまたは複数のドライブを含み得る1つまたは複数の記憶装置を含むことができる。コンピュータシステム420は、ディスプレイ装置、1つまたは複数のスピーカ、ならびにキーボードおよび/またはコントローラも含むことができ、これは、マウス、トラックボール、タッチスクリーン、音声認識装置、またはシステムユーザがコンピュータシステム420に情報を入力することおよびコンピュータシステム420から情報を受け取ることを可能にする任意の他の装置を含み得る。
【0062】
ステップの一部または全部は、例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータまたは電子回路等のハードウェア装置(またはハードウェア装置を使用すること)によって実行されてよい。いくつかの実施形態では、極めて重要なステップのいずれか1つまたは複数が、そのような装置によって実行されてよい。
【0063】
特定の実装要件に応じて、本発明の実施形態を、ハードウェアまたはソフトウェアで実装することができる。この実装は、デジタル記憶媒体等の非一時的な記憶媒体を用いて実行されてよく、これ例えば、フロッピディク、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、DVD、Blu-Ray、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリであり、電子的に読取可能なコントロール信号がそこに格納されており、このコントロール信号は各方法が実施されるようにプログラマブルコンピュータシステムと協働する(または協働することができる)。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ読取可能であってよい。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書で説明されたいずれかの方法が実施されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働することができる、電子的に読取可能なコントロール信号を有しているデータ担体を含んでいる。
【0065】
概して、本発明の実施形態は、プログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品として実装可能であり、このプログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときにいずれかの方法を実施するように動作する。このプログラムコードは、例えば、機械可読担体に格納されていてよい。
【0066】
他の実施形態は、機械可読担体に格納されている、本明細書で説明されたいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを含んでいる。
【0067】
したがって、換言すれば、本発明の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本明細書で説明されたいずれかの方法を実施するためのプログラムコードを有しているコンピュータプログラムである。
【0068】
したがって、本発明の別の実施形態は、プロセッサによって実行されるときに本明細書で説明されたいずれかの方法を実施するために、そこに格納されているコンピュータプログラムを含んでいる記憶媒体(またはデータ担体またはコンピュータ可読媒体)である。データ担体、デジタル記憶媒体または記録された媒体は、典型的に、有形である、かつ/または非一過性である。本発明の別の実施形態は、プロセッサと記憶媒体とを備えた、本明細書で説明された装置である。
【0069】
したがって、本発明の別の実施形態は、本明細書で説明されたいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号シーケンスである。データストリームまたは信号シーケンスは例えば、データ通信接続、例えばインターネットを介して転送されるように構成されていてよい。
【0070】
別の実施形態は、処理手段、例えば、本明細書で説明されたいずれかの方法を実施するように構成されている、または適合させられているコンピュータまたはプログラマブルロジックデバイスを含んでいる。
【0071】
別の実施形態は、本明細書で説明されたいずれかの方法を実施するために、そこにインストールされたコンピュータプログラムを有しているコンピュータを含んでいる。
【0072】
本発明の別の実施形態は、本明細書で説明されたいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを(例えば、電子的または光学的に)レシーバに転送するように構成されている装置またはシステムを含んでいる。レシーバは、例えば、コンピュータ、モバイル機器、記憶装置等であってよい。装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムをレシーバに転送するために、ファイルサーバを含んでいてよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)が、本明細書で説明された方法の機能の一部の機能または全部の機能を実行するために使用されてよい。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書で説明されたいずれかの方法を実施するためにマイクロプロセッサと協働することができる。概して、この方法は、有利には、任意のハードウェア装置によって実施される。
【符号の説明】
【0074】
100 顕微鏡システム
110 顕微鏡
120 試料
130 試料ステージ
140 視覚マーカ
150 光学イメージングセンサ
160 コントロールシステム
162 インタフェース
164 プロセッサ
166 記憶装置
170 照明要素
210 第1のフレーム
211 最初の行の露光の開始
212 最後の行の露光の開始
213 ストロボ
214 最初の行の露光の終了
215 最後の行の露光の終了
220 第2のフレーム
230 第3のフレーム
240 第4のフレーム
310 画像データの取得
320 試料ステージの位置の決定
400 システム
410 顕微鏡
420 コンピュータシステム
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
【外国語明細書】